2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
K6725-1977
ポリ酢酸ビニル試験方法
Testing Method for Polyvinyl Acetate
1. 適用範囲 この規格は,ポリ酢酸ビニルの試験方法について規定する。
引用規格:2ページに示す。
2. 試料採取方法 受渡当事者間の協定に基づく技術的・統計的に合理的な方法による。
3. 試験方法
3.1
不揮発分 試料約1gを100mlのはかりびんに正確にはかり取り,アセトン20mlを加えて完全に溶
解させた後,水20mlを静かに添加する。これを80〜90℃で蒸発させた後,更に105℃で恒量になるまで
乾燥し,次の式によって不揮発分の百分率を算出する。
100
(g)
(g)
(%)
×
=
試 料
はかりびん中の残分
不揮発分
3.2
平均重合度 3.1で得た試料の不揮発分約0.4gをベンゼン (JIS K 8858) 100mlに溶解した後1〜2時
間放置し,その上澄液10mlをオストワルド粘度計(付図参照)に取り,恒温そう中で30±0.1℃で同温度
のベンゼンに対する相対粘度ηrelを測定する。
別に上澄液20mlをあらかじめ質量を量った蒸発ざらに取り,石油ベンジン(JIS K 8594の1級)40ml
を添加して蒸発乾固した後,更に105℃で恒量となるまで乾燥してベンジン溶液の濃度を求め,これをc
(g/l) とする。相対粘度ηrelから次の式により極限粘度数[η]を求める。
[]
sp
spc
η
η
η
275
.0
1
/
+
=
ただし,ηspは次の式で算出する。
ηsp=ηre1−1
重合度Pは[η]から次の式によって算出する。
91
.8
10
]
[
log
613
.1
log
4
×
=
η
P
3.3
遊離酸 試料約2gを三角フラスコ250mlに正確に量り取り,99%メチルアルコール(JIS K 8891の
1級)70mlを加え,逆流冷却器を付けて加熱溶解した後,ブロムチモールブルー(1)を指示薬としてN/40
アンモニア水で滴定する。次に同様の条件で空試験を行い,次の式によって遊離酸の百分率を酢酸として
算出する。
S
F
B
A
100
1000
60
40
1
)
(
(%)
×
×
×
×
−
=
遊離酸(酢酸として)
ここに
A: 本試験に用いたN/40アンモニア水の使用量 (ml)
B: 空試験に用いたN/40アンモニア水の使用量 (ml)
2
K6725-1977
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
F: N/40アンモニア水の力価
S: 試料の質量 (g)
注(1) 指示薬の調製 ブロムチモールブルー(JIS K 8842の1級)0.10gをエチルアル
コール(99.5容量%)(JIS K 8101の1級)20m1に溶解した後,水80m1を加える。
3.4
残存単量体 共せん三角フラスコ250mlに試料約1gを正確に量り取り,75%酢酸〔JIS K 8355(酢
酸)の1級〕100mlを加え,24時間放置して溶解する。臭素の酢酸溶液(2)をビュレットから滴下して中味
が黄色に着色した後,5%よう化カリウム溶液〔JIS K 8913(よう化カリウム)の1級〕15mlを加え,1%
でんぷん溶液を指示薬としてN/10チオ硫酸ナトリウム溶液で逆滴定する。別に空試験として75%酢酸
100mlに臭素の酢酸溶液(2)5mlを加え,更に5%よう化カリウム溶液15mlを加えて,1%でんぷん溶液を指
示薬としてN/10チオ硫酸ナトリウム溶液で滴定する。これらの操作を行った後,次の式によって残存単量
体の百分率を算出する。
100
0043
.0
)
5
(
(%)
×
×
×
−
÷
×
=
S
F
D
E
G
残存単量体
ここに
D: 本試験に用いたN/10チオ硫酸ナトリウム溶液の使用量 (ml)
H: 空試験に用いたN/10チオ硫酸ナトリウム溶液の使用量 (ml)
F: N/10チオ硫酸ナトリウム溶液の力価
G: 本試験に用いた臭素の酢酸溶液の使用量 (ml)
S: 試料の質量 (g)
注(2) 臭素の酢酸溶液は酢酸(JIS K 8355の1級)に臭素(JIS K 8529の1級を溶解し
たもので,臭素の酢酸溶液1mlがN/10チオ硫酸ナトリウム溶液2.5〜2.8mlに
対応する濃度のものである。
付図 オストワルド粘度計
備考1. 印の寸法は特に正確であること。
2. 30℃における水の落下秒数は120±20sであること。
引用規格:
JIS K 8101 エチルアルコール(99.5容量%)(試薬)
JIS K 8355 酢酸(試薬)
JIS K 8529 臭素(試薬)
JIS K 8594 石油ベンジン(試薬)
JIS K 8842 ブロムチモールブルー(試薬)
JIS K 8858 ベンゼン(試薬)
JIS K 8891 メチルアルコール(メタノール)(試薬)
3
K6725-1977
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS K 8913 よう化カリウム(試薬)
化学部会 酢酸ビニル専門委員会 構成表(昭和31年6月23日制定のとき)
氏 名
所 属
(委員会長)
水 谷 久 一
東京農工大学
進 藤 喜 信
電気化学工業株式会社
今 村 晴 男
倉敷レイヨン株式会社
安 井 義 一
日本合成化学工業株式会社
西 野 弘
新日本窒素肥料株式会社
松 本 吉 正
昭和合成化学工業株式会社
渡 辺 正 雄
三菱レイヨン株式会社
矢 次 正
埼玉澱粉工業株式会社
戸河里 正
鐘淵化学工業株式会社
山 賀 準 二
積水化学工業株式会社
藤 井 雅 弘
大同化成工業株式会社
渕 本 信 輔
神東塗料株式会社
奥 田 平
高分子化学工業株式会社
井 上 準
高井田化工株式会社
山 田 充 助
小西安兵衛商店
折 美 儔
プラスチックス協会
宮 沢 鉄 蔵
通商産業省軽工業局
霜 永 忠 平
工業技術院標準部
(事務局)
木 村 允
工業技術院標準部繊維化学規格課
大 串 理
工業技術院標準部繊維化学規格課
大 森 莞 爾
工業技術院標準部繊維化学規格課
(事務局)
青 木 誠 治
工業技術院標準部繊維化学規格課(昭和52年5月1日改正のとき)
石 川 哲之介
工業技術院標準部繊維化学規格課(昭和52年5月1日改正のとき)