K 6718-1:2015
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 3
4 組成······························································································································· 3
5 一般要求事項 ··················································································································· 3
6 試験方法························································································································· 6
7 再試験及び受入れ拒否 ······································································································· 7
附属書A(規定)加熱時の寸法変化(収縮)の測定 ···································································· 8
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 10
K 6718-1:2015
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本プラスチック
工業連盟(JPIF)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改
正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格であ
る。
これによって,JIS K 6718-1:2000は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS K 6718の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS K 6718-1 第1部:キャスト板
JIS K 6718-2 第2部:押出板
JIS K 6718-3 第3部:連続キャスト板
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
K 6718-1:2015
プラスチック−メタクリル樹脂板−
タイプ,寸法及び特性−第1部:キャスト板
Plastics-Poly(methyl methacrylate) sheets-
Types, dimensions and characteristics-Part 1: Cast sheets
序文
この規格は,2003年に第4版として発行されたISO 7823-1を基とし,我が国の実情に即して技術的内
容を変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一
覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
1
適用範囲
この規格は,一般用途向けの非変性平板状メタクリル樹脂(PMMA)キャスト板に対する要求事項につ
いて規定する。板は,無色又は着色されたものでもよく,透明,半透明又は不透明なものでもよい。
この規格は,板厚1.5 mm以上25 mm以下に適用する。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 7823-1:2003,Plastics−Poly(methyl methacrylate) sheets−Types, dimensions and characteristics
−Part 1: Cast sheets(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 7100 プラスチック−状態調節及び試験のための標準雰囲気
注記 対応国際規格:ISO 291,Plastics−Standard atmospheres for conditioning and testing(MOD)
JIS K 7111-1 プラスチック−シャルピー衝撃特性の求め方−第1部:非計装化衝撃試験
注記 対応国際規格:ISO 179-1,Plastics−Determination of Charpy impact properties−Part 1:
Non-instrumented impact test(MOD)
JIS K 7112 プラスチック−非発泡プラスチックの密度及び比重の測定方法
注記 対応国際規格:ISO 1183:1987, Plastics−Methods for determining the density and relative density
of non-cellular plastics(MOD)
JIS K 7136 プラスチック−透明材料のヘーズの求め方
注記 対応国際規格:ISO 14782,Plastics−Determination of haze for transparent materials(IDT)
2
K 6718-1:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS K 7142 プラスチック−屈折率の求め方
注記 対応国際規格:ISO 489,Plastics−Determination of refractive index(MOD)
JIS K 7144 プラスチック−機械加工による試験片の調製
注記 対応国際規格:ISO 2818,Plastics−Preparation of test specimens by machining(IDT)
JIS K 7161-1 プラスチック−引張特性の求め方−第1部:通則
注記 対応国際規格:ISO 527-1,Plastics−Determination of tensile properties−Part 1: General principles
(IDT)
JIS K 7161-2 プラスチック−引張特性の求め方−第2部:型成形,押出成形及び注型プラスチック
の試験条件
注記 対応国際規格:ISO 527-2,Plastics−Determination of tensile properties−Part 2: Test conditions for
moulding and extrusion plastics(IDT)
JIS K 7171 プラスチック−曲げ特性の求め方
注記 対応国際規格:ISO 178,Plastics−Determination of flexural properties(IDT)
JIS K 7191-1 プラスチック−荷重たわみ温度の求め方−第1部:通則
注記 対応国際規格:ISO 75-1,Plastics−Determination of temperature of deflection under load−Part 1:
General test method(IDT)
JIS K 7191-2 プラスチック−荷重たわみ温度の求め方−第2部:プラスチック及びエボナイト
注記 対応国際規格:ISO 75-2,Plastics−Determination of temperature of deflection under load−Part 2:
Plastics and ebonite(IDT)
JIS K 7202-2 プラスチック−硬さの求め方−第2部:ロックウェル硬さ
注記 対応国際規格:ISO 2039-2,Plastics−Determination of hardness−Part 2: Rockwell hardness(IDT)
JIS K 7206 プラスチック−熱可塑性プラスチック−ビカット軟化温度(VST)試験方法
注記 対応国際規格:ISO 306,Plastics−Thermoplastic materials−Determination of Vicat softening
temperature (VST)(MOD)
JIS K 7209 プラスチック−吸水率の求め方
注記 対応国際規格:ISO 62,Plastics−Determination of water absorption(IDT)
JIS K 7219-1 プラスチック−屋外暴露試験方法−第1部:通則
注記 対応国際規格:ISO 877-1,Plastics−Methods of exposure to solar radiation−Part 1: General
guidance(MOD)
JIS K 7219-2 プラスチック−屋外暴露試験方法−第2部:直接暴露試験及び窓ガラス越し暴露試験
注記 対応国際規格:ISO 877-2,Plastics−Methods of exposure to solar radiation−Part 2: Direct
weathering and exposure behind window glass(MOD)
JIS K 7350-1 プラスチック−実験室光源による暴露試験方法 第1部:通則
JIS K 7350-2 プラスチック−実験室光源による暴露試験方法−第2部:キセノンアークランプ
注記 対応国際規格:ISO 4892-2,Plastics−Methods of exposure to laboratory light sources−Part 2:
Xenon-arc lamps(MOD)
JIS K 7350-4 プラスチック−実験室光源による暴露試験方法−第4部:オープンフレームカーボン
アークランプ
注記 対応国際規格:ISO 4892-4,Plastics−Methods of exposure to laboratory light sources−Part 4:
Open-flame carbon-arc lamps(MOD)
3
K 6718-1:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS K 7361-1 プラスチック−透明材料の全光線透過率の試験方法−第1部:シングルビーム法
注記 対応国際規格:ISO 13468-1,Plastics−Determination of the total luminous transmittance of
transparent materials−Part 1: Single-beam instrument(IDT)
JIS K 7362 プラスチック−アンダーグラス屋外暴露,直接屋外暴露又は実験室光源による暴露後の
色変化及び特性変化の測定方法
注記 対応国際規格:ISO 4582,Plastics−Determination of changes in colour and variations in properties
after exposure to daylight under glass, natural weathering or laboratory light sources(MOD)
JIS Z 9015-1 計数値検査に対する抜取検査手順−第1部:ロットごとの検査に対するAQL指標型抜
取検査方式
注記 対応国際規格:ISO 2859-1,Sampling procedures for inspection by attributes−Part 1: Sampling
schemes indexed by acceptance quality limit (AQL) for lot-by-lot inspection(IDT)
ISO 11359-2,Plastics−Thermomechanical analysis (TMA)−Part 2: Determination of coefficient of linear
thermal expansion and glass transition temperature
ISO 13468-2,Plastics−Determination of the total luminous transmittance of transparent materials−Part 2:
Double-beam instrument
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1
非変性メタクリル樹脂キャスト板(non-modified cast PMMA sheets)
メタクリル酸メチルのホモポリマー,又はメタクリル酸メチルとアクリル酸若しくはメタクリル酸誘導
体モノマーとのコポリマーであり,適切な重合開始剤を用いて塊状重合によって製造された板。
3.2
平板状メタクリル樹脂板(flat PMMA sheets)
実質的に平らで,平行な二表面をもった板。
4
組成
可塑剤(化学反応してポリマーの1成分とはならない物質),他のモノマー又は架橋剤(ポリマー鎖間を
架橋する物質)は,表3に示す値の基本性質を変化させない量とする。その量は,多くの場合,3質量%
未満である。
他の添加剤,例えば,着色剤,紫外線吸収剤及び顔料は,特性付与のため含んでもよい。
5
一般要求事項
5.1
表面の保護
受渡当事者間で協定した場合を除き,出荷時の板の表面は,表面汚染及び損傷がなく,容易に剝離でき
る,適切な材質のもので保護しなければならない。例えば,水溶性接着剤付きクラフト紙,感圧性接着剤
付きクラフト紙,ポリエチレンフィルムなどがある。
5.2
外観
5.2.1
表面欠陥
板は,平滑な表面をしていなければならない。3 mm2を超える大きさの表面欠陥,擦りきず又はきず跡
4
K 6718-1:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
は,板のどの場所にもあってはならない。
5.2.2
内部欠陥
特定の用途での使用時に問題となるような,3 mm2を超える大きさの泡,異物,クラック又は他の欠陥
は,板のどの場所にもあってはならない。
5.2.3
欠陥の分類
板の欠陥の面積は,表1によって分類する。それぞれの欠陥は,別々に取り扱う。
表1−欠陥の分類
単位 mm2
分類
表面欠陥の面積
内部欠陥の面積
無視できる
1未満
1未満
許容できる
1〜3
1〜3
5.2.4
欠陥の分布
5.2.4.1
表1で無視できると分類した微小欠陥は,板のどの場所でも1 m2内に,実用上問題となる数があ
ってはならない。この数については,受渡当事者間の協定による。
5.2.4.2
表1で許容できると分類した欠陥は,板内部又は板表面上の他の許容できる欠陥と500 mm以上
離れていなければならない。
5.3
色
別に取決めのある場合を除き,色の分布は均一とする。許容範囲は,受渡当事者間の協定による。
5.4
寸法
5.4.1
長さ及び幅
板の長さ及び幅は,受渡当事者間の協定による。その許容差は,表2による。
表2−長さ及び幅の許容範囲
長さ及び幅
mm
許容差
mm
≦1 000
+3
0
1 001〜2 000
+6
0
2 001〜3 000
+9
0
≧3 001
+0.3 %
0
5.4.2
厚さ
面積が6 m2以下で,厚さ1.5 mm以上25 mm以下の板の厚さの許容差は,± (0.4 mm+0.1 h) とする[h
は,呼び厚さ(単位:mm)]。
この許容差は,各々の板内かつ別々の板間についても適用する。
5.4.3
他の寸法の許容差
5.4.1及び5.4.2に規定する以外の板長さ,幅及び厚さのものについての許容差は,受渡当事者間の協定
5
K 6718-1:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
による。
5.4.4
測定条件
板寸法の測定は,室温で実施する。ただし,問題の生じる可能性のある場合は,JIS K 7100に規定され
た標準条件下で実施する。独立し,離れた条件下で測定した場合は,測定場所間での温度及び相対湿度の
違いによる寸法変化を補正する。
5.5
基本性質及びその他の性質
5.5.1
基本性質
板の基本的な機械的,熱的及び光学的性質は,表3による。
5.5.2
その他の性質
板のその他の性質については,受渡当事者間の協定による。その他の性質の代表値の例及びその試験方
法を,表4に示す。
表3−メタクリル樹脂キャスト板 基本性質−要求値
性質
単位
試験方法
要求値
適用箇条
引張強さ
MPa
JIS K 7161-2/1B/5
最小70
6.5.2
引張破壊ひずみ
%
JIS K 7161-2/1B/5
最小4
6.5.2
引張弾性率
MPa
JIS K 7161-2/1B/1
最小3 000
6.5.2
シャルピー衝撃強さ(ノッチなし)
kJ/m2
JIS K 7111-1/1fU
最小13
6.5.3
ビカット軟化温度
℃
JIS K 7206 B50法
最小105
6.6.1
加熱寸法変化(収縮)
%
附属書A
最大2.5
6.6.3
全光線透過率a)
%
JIS K 7361-1
最小90
6.8.1
420 nm光線透過率a)
(厚さ3 mm)
キセノンランプ暴露前
%
ISO 13468-2
最小90
6.8.3
キセノンランプ1 000時間暴露後
(JIS K 7350-2,A法)
%
ISO 13468-2
最小88
6.8.3
注a) 無色透明板の場合に限る。
表4−メタクリル樹脂キャスト板 その他の性質−代表値
性質
単位
試験方法
代表値(参考) 適用箇条
曲げ強さ
MPa
JIS K 7171
100〜115
6.5.1
ロックウェル硬さ
JIS K 7202-2,Mスケール
100〜105
6.5.4
線膨張係数
K−1
ISO 11359-2
7×10−5
6.6.4
荷重たわみ温度
℃
JIS K 7191-2,A法
95〜100
6.6.2
ヘーズa)
%
JIS K 7136
0.5〜1
6.8.2
屈折率,nD23
JIS K 7142,A法
1.49
6.8.4
密度a),b)
g/cm3
JIS K 7112,A法,C法,D法
1.19
6.9.1
吸水率
%
JIS K 7209,A法(23 ℃,24時間)
0.5c)
6.9.2
注a) 無色透明板の場合に限る。
b) 着色板は高い値のものがある。
c) 3 mm厚さ,50 mm角の場合の値。
6
K 6718-1:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
6
試験方法
6.1
一般
6.1.1
サンプリング
抜取検査方法は,受渡当事者間の協定によるが,JIS Z 9015-1に規定されている検査方法が,一般的に
採用されており,その方法に準じることが望ましい。
6.1.2
試験片の状態調節及び試験条件
試験片の状態調節(48時間)及び試験は,ビカット軟化温度,荷重たわみ温度及び加熱時の寸法変化(6.6.1,
6.6.2及び6.6.3参照)を除いて,JIS K 7100に規定する温度23 ℃±2 ℃及び相対湿度 (50±5) %の条件下
で行う。
6.1.3
試験片の調製
試験片は,適用可能な限りJIS K 7144に規定されている手順によって調製する。
特定の試験方法で要求されている厚さに,板を切削加工する必要がある場合には,片面は,元の状態の
ままにしておく。
6.1.4
試験片の厚さ
板が,関係する試験方法の試験片として必要とされる厚さより薄い場合は,板の厚さの試験片をそのま
ま使用する。
6.2
外観
板の欠陥及びその分布の評価は,昼光下,又は色温度6 500 K±650 Kかつ定格40 W以上の昼光色蛍光
灯の下で,目視検査によって行う。
6.3
色
色見本と試験片との色差は,受渡当事者間で協定した方法によって測定する。
6.4
寸法
6.4.1
長さ及び幅は,校正された定規を使用し,5.4.4によって,最小1 mmの桁まで測定する。
6.4.2
厚さは,校正されたマイクロメータ若しくはダイヤルゲージ,又は超音波厚さ計を使用して5.4.4
によって最小0.05 mm刻みまで測定する。測定は,板の端から100 mm以上離れたところで行う。
6.5
力学的性質
6.5.1
曲げの性質は,JIS K 7171によって,可能ならば厚さ4 mmの試験片を用いて測定する。JIS K 7171
に規定された寸法に合わせるために試験片を切削加工した場合は,元の板表面が,引張り側になるように
置く。
6.5.2
引張りの性質は,JIS K 7161-1及びJIS K 7161-2によって,1B形の試験片を用いて測定する。引
張強さ及び引張破壊ひずみの試験速度は,5 mm/min±1 mm/minとし,引張弾性率の試験速度は,1 mm/min
±0.2 mm/minとする。
6.5.3
シャルピー衝撃強さは,JIS K 7111-1/1fUによって,標準のノッチなし試験片(試験片の大きさは
80 mm×10 mm×4 mm)を用いて測定する。試験片を規定寸法に切削加工した場合には,元の表面の反対
側を振り子で打撃する。
6.5.4
ロックウェル硬さは,キャスト板の元の表面上で,JIS K 7202-2によって,Mスケールで測定する。
6.6
熱的性質
6.6.1
ビカット軟化温度は,キャスト板の元の表面をJIS K 7206に規定するB50法によって測定する。
昇温速度は,50 ℃/h±5 ℃/hとする。試験に先立って,試験片を80 ℃±2 ℃で16時間状態調節し,デ
シケーター内で室温まで冷却する。
7
K 6718-1:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
6.6.2
荷重たわみ温度は,JIS K 7191-1及びJIS K 7191-2のA法によって測定する。試験に先立って,試
験片を80 ℃±2 ℃で16時間状態調節し,デシケーター内で室温まで冷却する。この試験は,厚さ3 mm
未満の板には適用しない。
6.6.3
加熱寸法変化(収縮)は,附属書Aに規定する方法によって測定する。
6.6.4
線膨張係数は,ISO 11359-2によって測定する。
6.7
燃焼性
燃焼性試験が必要な場合は,受渡当事者間の協定による燃焼試験方法によって試験する。
6.8
光学的性質
6.8.1
全光線透過率は,1.5 mm以上5 mm以下の厚さの試験片をJIS K 7361-1によってD65光源を用いて
測定する。
6.8.2
ヘーズは,1.5 mm以上5 mm以下の厚さの試験片をJIS K 7136によって測定する。
6.8.3
JIS K 7350-1,及びJIS K 7350-2に規定するA法によるキセノンランプ1 000時間暴露前後の420 nm
での光線透過率の測定は,1.5 mm以上5 mm以下の厚さの試験片を,ISO 13468-2に規定する分光光度計
によって測定する。受渡当事者間の協定によって,JIS K 7350-4に規定するカーボンアークランプによる
暴露後の光線透過率を測定してもよい。
6.8.4
屈折率は,JIS K 7142に規定するA法によって測定する。
6.9
その他の性質
6.9.1
密度は,JIS K 7112に規定するA法,C法又はD法によって測定する。
6.9.2
吸水率は,JIS K 7209に規定するA法(23 ℃,24時間)によって測定する。
6.9.3
屋外暴露は,JIS K 7219-1及びJIS K 7219-2によって試験する。実験室光源による耐暴露性は,JIS
K 7350-1,及びJIS K 7350-2に規定するA法又はJIS K 7350-4によって試験する。暴露後の色及び性質の
変化は,JIS K 7362によって測定する。これらの試験の詳細は,受渡当事者間の協定による。
7
再試験及び受入れ拒否
不具合が発生した場合は,受渡当事者間の協定によって,再試験を実施する。
8
K 6718-1:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書A
(規定)
加熱時の寸法変化(収縮)の測定
A.1 試験片
板の幅方向に同程度の間隔をあけて,100 mm±2 mmの正方形の試験片を3個切り出す。
試験片は,70 ℃±2 ℃で48時間乾燥した後,デシケーター内で室温まで冷却する(18 ℃〜28 ℃,望
ましくは23 ℃±2 ℃)。オンライン品質管理試験の目的に対しては,要求される場合以外では,この乾燥
工程を省略できる。
4辺に番号を付けて,それぞれ0.02 mm刻みまで長さを測定する。
A.2 加熱手段
試験片を平らな板の上に水平に載せ,160 ℃±2 ℃に保持した加熱炉中の棚上に置く。試験片と板との
付着を避けるために,タルクを支持板の上にまぶすなどの対策を講じる。加熱時間は,試験片の厚さによ
って表A.1のとおりとする。
表A.1−加熱時間
板の厚さ(mm)
時間(分)
1.5〜5
60
>5
75
注記 加熱によって試験片が反り,試験片の寸法測定が難しい場合は,次に示す方法で,加熱中の反
りを軽減することができる。
a) タルクを薄くまぶした,例えば,0.5 mm程度の厚さのアルミニウム板の上に試験片を置き,
フレーム状のスペーサーを試験片の周囲に置く。
b) このスペーサーは,試験片よりも大きく,かつ,厚めに作製し,試験片の伸びる余地を確保
する。
c) タルクを試験片の上に薄くまぶし,もう1枚のアルミニウム板を試験片及びスペーサーの上
にかぶせ,これら2枚のアルミニウム板をクリップなどで軽く固定する。
A.3 冷却手順
試験片をデシケーター内で室温まで冷却する(18 ℃〜28 ℃,望ましくは23 ℃±2 ℃)。再度4辺の長
さを0.02 mm刻みまで測定する。
A.4 計算
各試験片の各辺の長さの変化を,初めの値に対する百分率で計算する。各試験片について4辺の平均百
分率を計算した後,3個の試験片についての平均値を計算する。
9
K 6718-1:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
A.5 試験報告書
試験報告書には,次の事項を記載する。
a) この規格の番号
b) A.4の方法で計算した個々の測定結果及び平均値
c) 気泡,クラック,及びその他の外観変化
d) 試験年月日
10
K 6718-1:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS K 6718-1:2015 プラスチック−メタクリル樹脂板−タイプ,寸法及び特性−
第1部:キャスト板
ISO 7823-1:2003,Plastics−Poly(methyl methacrylate) sheets−Types, dimensions and
characteristics−Part 1: Cast sheets
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
6 試験方法
6.7 燃焼性
6.7
“各国が必要とされる法
規制によって行う。”とな
っている。
変更
“燃焼性試験が必要な場合は,
受渡当事者間の協定による燃
焼試験方法によって試験す
る。”とした。
メタクリル樹脂板の燃焼性への包括
的な法的規制はなく,個別の用途に
関して燃焼試験又はこの基準がある
場合は,それに従うこととなるとい
う我が国の事情による。
6.9.3
6.9.3
“実験室光源による耐暴
露性は,ISO 4892-2(JIS K
7350-2)に規定するA法に
よって試験する。”と規定。
変更
“実験室光源による耐暴露性
は,JIS K 7350-1,及びJIS K
7350-2に規定するA法又はJIS
K 7350-4によって試験する。”
とした。
JIS K 7350-1には実験室光源による
耐暴露性試験についての基本的条件
を規定しているため。また,JIS K
7350-4については,規定するカーボ
ンアークランプによる暴露方法が広
く普及しているという我が国の事情
による。
附属書A
(規定)
A.5 試験報告書
Annex A
A.5 試験報告書
追加
“この規格の番号”及び“試験
年月日”を追加した。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 7823-1:2003,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD ··············· 国際規格を修正している。
2
K
6
7
1
8
-1
:
2
0
1
5