K 6559-2:2017
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目 次
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1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 1
4 原理······························································································································· 1
5 試験の適用 ······················································································································ 1
6 装置及び材料 ··················································································································· 2
7 試験片···························································································································· 2
8 試験手順························································································································· 2
8.1 試験準備 ······················································································································ 2
8.2 乾燥試験 ······················································································································ 2
8.3 湿潤試験 ······················································································································ 2
9 判定······························································································································· 2
10 精度 ····························································································································· 3
11 試験報告書 ···················································································································· 3
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まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本皮革産業連合会(JLIA)
及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出
があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS K 6559の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS K 6559-1 第1部:摩擦試験機I形法
JIS K 6559-2 第2部:摩擦試験機II形法
JIS K 6559-3 第3部:摩擦試験機VESLIC形法
日本工業規格 JIS
K 6559-2:2017
革試験方法−染色堅ろう度試験−摩擦に対する
染色堅ろう度試験−第2部:摩擦試験機II形法
Leather-Colour fastness tests-Test for colour fastness to rubbing-
Part 2: Gakushin method
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適用範囲
この規格は,摩擦に対する染色堅ろう度を判定するために,革の使用面を摩擦用白綿布で摩擦すること
によって,摩擦用白綿布の着色の程度を測定する摩擦試験機II形(学振形試験機)法について規定する。
なお,この規格は,全ての種類の革に適用できる。
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引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 6556-1 革試験方法−試料採取及び調製−第1部:試料採取部位
JIS K 6556-2 革試験方法−試料採取及び調製−第2部:試料調製及び状態調節
JIS L 0801 染色堅ろう度試験方法通則
JIS L 0803 染色堅ろう度試験用添付白布
JIS L 0805 汚染用グレースケール
JIS L 0809 計器による変退色及び汚染の判定方法
JIS L 0849 摩擦に対する染色堅ろう度試験方法
JIS R 6253 耐水研磨紙
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用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS K 6556-1及びJIS L 0801による。
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原理
摩擦試験機を用いて,試験片を摩擦用白綿布で摩擦し,摩擦用白綿布の着色の程度を汚染用グレースケ
ールと比較して判定する(視感法),又は計器を用いてその染色堅ろう度を判定する(計器法)。
一般的な染色堅ろう度試験の原理は,基材が革であることを考慮した上で,JIS L 0801の規定による。
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試験の適用
試験は,乾燥試験及び湿潤試験とする。試験の目的及び/又は革の用途によって,そのうちの一方又は
両方について行う。
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装置及び材料
6.1
摩擦試験機 JIS L 0849に規定する摩擦試験機II形(学振形)。
注記 日本学術振興会において考案された摩擦に対する堅ろう度試験に用いる試験機で,学振形摩擦
試験機ともいう。
6.2
摩擦用白綿布 JIS L 0803に規定する綿3-1号。6.1の摩擦子に使用するために約60 mm×60 mmの
正方形に裁断したもの。
6.3
汚染用グレースケール JIS L 0805に規定するもの。
6.4
測色計 JIS L 0809に規定するもの。
6.5
イオン交換水 イオン交換水又はこれと同等のもの。
6.6
耐水研磨紙 JIS R 6253に規定するCw-C-P320,Cw-GC-P320又はこれらと同等のもので,大きさが
約140 mm×115 mmのシート。
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試験片
JIS K 6556-1に規定する方法で試験片を採取する。大きさは220 mm×30 mm以上とする。試験片及び摩
擦用白綿布は,試験を行う前に,JIS K 6556-2の箇条6(状態調節)によって状態調節する。
なお,ヌバック,スエード,ベロアなどの起毛革で,毛並み方向によって革の色が大きく変化する場合
は,試験に先立って清浄なブラシで毛並み方向を整える。
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試験手順
8.1
試験準備
試験する面を上に向け,試験片の長辺を摩擦試験機に沿うようにして,試験片を試験片台の上にしっか
りと固定する。
試験片を試験片台の上に取り付けるときは,往復摩擦中に試験片がずれないように,留め具などによっ
て固定する。試験片がずれる場合は,試験片台上にあらかじめ耐水研磨紙を貼り付けるか,又は両面テー
プを貼り付け,その上に試験片を取り付けてもよい。
注記 試験片が伸びて固定できない場合は,摩擦方向に試験片を伸ばすことができる。
8.2
乾燥試験
箇条7によって状態調節した摩擦用白綿布を,摩擦試験機の摩擦子の先端に取り付け,2 N±0.1 Nの荷
重で試験片100 mm±5 mmの間を1分間に30回の速度で100回往復摩擦する。摩擦した後,摩擦用白綿
布を取り外す。摩擦用白綿布の汚染の程度を,箇条9の方法で判定を行う。
8.3
湿潤試験
摩擦用白綿布は,イオン交換水中に10分間以上浸して完全に湿潤させた後,液が滴らなくなった程度に
水を絞ったものを用いる。
8.2によって試験片を摩擦する。摩擦した後,摩擦用白綿布を取り外し,室温で乾燥する。摩擦用白綿布
の汚染の程度を,箇条9の方法で判定を行う。
乾燥試験及び湿潤試験の両方を行う場合には,試験片の摩擦を行っていない場所又は新しい試験片で試
験を行う。
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判定
摩擦用白綿布の表面に残っているほこり及び繊維状の物質を,軽く掃き取るか,又は透明な粘着テープ
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の粘着面を注意深く使用することによって取り除く。染料による汚染だけを考慮する。
判定は,JIS L 0801の箇条10(染色堅ろう度の判定)による。ただし,視感法の場合は,試験で使用し
た摩擦用白綿布に,未使用の摩擦白綿布を3枚重ねて下に敷く。適切な照明の下で,汚染用グレースケー
ルを用いて,摩擦用白綿布の汚染等級を目視によって判定する。
摩擦用白綿布上の汚染が均一な場合は,測色計を用い,JIS L 0801の箇条10によって判定してもよい。
10 精度
視感法でグレースケールを用いて判定する場合,個人間精度は,±半階級のグレースケール級数を標準
的精度とする。
11 試験報告書
試験報告書には,次の事項を記載する。
a) この規格の規格番号
b) 試料を識別するための詳細情報及び試料採取に関するJIS K 6556-1との相違点
c) JIS K 6556-2に規定する基準標準状態以外で状態調節及び試験した場合の詳細
d) 乾燥試験及び湿潤試験の結果[JIS L 0801の箇条11(試験報告書)に規定する方法による。]
例 乾燥4級,湿潤2−3級
e) 判定方法(計器法で判定した場合だけ,“計器法”と記載する。)
f)
この規格で規定した方法との相違点