K 6557-10:2018
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目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 1
4 原理······························································································································· 2
5 装置及び器具 ··················································································································· 2
6 試験片の採取及び状態調節 ································································································· 3
7 試験手順························································································································· 3
8 試験結果の表し方 ············································································································· 4
8.1 銀面割れ高さ ················································································································ 4
8.2 銀面割れ荷重 ················································································································ 4
9 試験報告書 ······················································································································ 4
附属書JA(参考)試験機の例 ································································································· 6
附属書JB(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 7
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まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本皮革産業連合会(JLIA)
及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出
があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
これによって,JIS K 6548:1995は廃止され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS K 6557の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS K 6557-1 第1部:厚さの測定
JIS K 6557-2 第2部:引張強さ及び伸びの測定
JIS K 6557-3 第3部:シングルエッジ法による引裂荷重の測定
JIS K 6557-4 第4部:ダブルエッジ法による引裂荷重の測定
JIS K 6557-5 第5部:耐水圧の測定
JIS K 6557-6 第6部:静的吸水度の測定
JIS K 6557-7 第7部:液中熱収縮温度の測定
JIS K 6557-8 第8部:耐屈曲性の測定−フレクソメータ法
JIS K 6557-9 第9部:仕上膜の剝離強さの測定
JIS K 6557-10 第10部:銀面割れの測定−ボールバースト法
日本工業規格 JIS
K 6557-10:2018
革試験方法−物理試験−
第10部:銀面割れの測定−ボールバースト法
Leather-Physical and mechanical tests-
Determination of distension and strength of surface (Ball burst method)
序文
この規格は,2015年に第2版として発行されたISO 3379を基とし,対応国際規格のプランジャのサイ
ズについて,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一
覧表にその説明を付けて,附属書JBに示す。
1
適用範囲
この規格は,革の銀面又は仕上げ表面(以下,銀面という。)の強度を判定する試験方法について規定す
る。この方法は,全ての柔軟な革に適用できる。特に,靴甲革の釣込み特性を測定するのに適している。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 3379:2015,Leather−Determination of distension and strength of surface (Ball burst method)
(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 6556-1 革試験方法−試料採取及び調製−第1部:試料採取部位
注記 対応国際規格:ISO 2418,Leather−Chemical, physical and mechanical and fastness tests−
Sampling location
JIS K 6556-2 革試験方法−試料採取及び調製−第2部:試料調製及び状態調節
注記 対応国際規格:ISO 2419,Leather−Physical and mechanical tests−Sample preparation and
conditioning
JIS K 6557-1 革試験方法−物理試験−第1部:厚さの測定
注記 対応国際規格:ISO 2589,Leather−Physical and mechanical tests−Determination of thickness
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS K 6556-1によるほか,次による。
2
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3.1
使用面(wearing surface)
革を使用するときに,表側となる面。
注記 使用面は,通常,革の銀面である。しかし,例えば,エナメル革,ラミネート革などは,別の
方法で装飾及び/又は仕上げたものもある。また,起毛革(スエード,ヌバック,ベロアなど)
のように,起毛しているものもある。
3.2
裏面(reverse side)
使用面に対して反対側の面。
注記 裏面は,通常,革の肉面である。
3.3
銀面割れ(cracking)
使用面に生じる約0.5 mmよりも小さい表面の割れ又は亀裂。
3.4
破裂(bursting)
試験片の裏側に及ぶ完全な破壊。
4
原理
銀面割れの測定方法であるボールバースト法は,円形の試験片の周縁を固定し,プランジャの先端の半
球状の部分又は先端に取り付けた鋼球を,試験片の裏面の中心に押し付けて,徐々に力をかけて,試験片
を押し上げる。試験片の銀面割れが発生したとき,プランジャが動いた距離及び試験荷重を測定し,その
ときの値をそれぞれ銀面割れ高さ及び銀面割れ荷重として記録する。さらに,より大きな力をかけた場合,
材料は通常,破裂するので,このときのプランジャの動いた距離及び荷重を破裂時の高さ及び破裂時の荷
重として記録する。
5
装置及び器具
5.1
試験機 次のものを組み込んだもの(図1及び附属書JA参照)。
5.1.1
クランプ クランプは,試験片の中央部分の直径25.0 mm±0.5 mmの全周縁をしっかりと固定で
きるもの。また,試験中に試験片が滑らず,中心部分の伸縮が起きないように固定できるものとする。
注記 試験片が,滑る場合には,クランプの上部及び下部の面に,インターロック装置,のこぎり(鋸)
刃,又はこれら以外の機械的な補助機能を付加するとよい(図1参照)。
5.1.2
プランジャ 先端が直径6.00 mm〜6.25 mmの半球状のもの,又は同じ直径の鋼球を取り付けたも
の。
5.1.3
プランジャ作動機能 試験片を取り付けたときに,試験片の中心部に対して,垂直方向に回転せず
に押し上げる機能。押上げ速度は,12 mm/min±3 mm/minとする。
5.1.4
プランジャの移動距離計測機能 プランジャの移動を,ゼロ点から試験片の垂直方向へ±0.05 mm
の精度で計測し,記録できるもの。
5.1.5
負荷荷重を記録する機能 プランジャにかける荷重を,10 Nの精度で測定し,記録できるもの。
3
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記号
1
上部クランプ
2
下部クランプ
3
先端が半球状のプランジャ
図1−クランプ及びプランジャ
5.2
抜型 試験機にしっかりと固定できる適切な大きさの円形の試験片を,一回の操作で採取すること
が可能なもので,JIS K 6556-2に規定された抜型のデザインによるもの。
5.3
厚さ測定器 JIS K 6557-1に規定する試験機。
6
試験片の採取及び状態調節
6.1
試験片は,JIS K 6556-2に規定する状態調節を行う。
6.2
JIS K 6556-1に規定する方法で試料を採取し,JIS K 6556-2に規定する方法で,抜型(5.2)を使用
して直径40 mm±5 mmの円形の試験片を少なくとも3個採取する。
一つのロットから2枚以上の革の試験をする場合,それぞれの革から1個の試験片を採取する必要があ
る。ただし,試験片の総数は3枚以上とする。
6.3
JIS K 6557-1に規定する方法で,試験片の厚さを測定する。
7
試験手順
7.1
試験機(5.1)は,プランジャの先端の中心がゼロ点にあり,かつ,試験片を取り付けたとき膨らま
ない状態にあるように,試験機の設定を確認する。
注記 ゼロ点の設定は,試験片の代わりに,円形の硬く平たん(坦)な材料を装置に置くことによっ
ても設定できる。
7.2
プランジャの先端の半球状部分に試験片の裏側が接するように,状態調節した試験片を試験機に固
定する。このとき,試験片は平らな状態にする。
7.3
プランジャを12 mm/min±3 mm/minの速度で押し上げ,銀面割れの発生を観察する。
φ25.0 mm±0.5 mm
φ6.00 mm〜6.25 mm
4
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7.4
銀面割れが発生したとき,試験装置を停止し,プランジャが動いた距離を0.1 mmの精度で測定し,
銀面割れ高さとする。また,そのときの負荷荷重を測定し,銀面割れ荷重として記録する。破裂するとき
の高さが必要な場合は,銀面割れが発生したときの記録のための停止時間を最小限に抑えて,試験を継続
し,破裂したときのプランジャが動いた距離及び負荷荷重を記録し,それぞれ破裂時の高さ及び破裂時の
荷重とする。
試験片がエナメル革,ラミネート革などの場合には,フィルムの表面に小さな浅いくぼみが生じたとき,
又はプランジャの荷重の瞬間的な低下が発生したとき(これらは,銀面割れが発生したときに現れる現象),
試験装置を停止し,プランジャが動いた距離及び負荷荷重を記録する。フィルムが割れた場合,革の銀面
に割れがなくても,銀面割れとみなす。起毛面を使用面として使用する場合は,肉面側に生じた割れにつ
いても銀面割れとみなす。
注記 ある種の革では,荷重と変位曲線とを分析することによって,銀面割れを測定することが可能
である。銀面割れが発生した場合,荷重の急激な低下があるので,その点を銀面割れとみなす
ことができる。
7.5
試験片が破裂する前に銀面割れが発生しなかった場合,破裂したときのプランジャが動いた距離及
び荷重を記録する。試験片が,最大荷重又は高さに達しても破裂しない場合は,“最大高さ超”又は“最大
荷重超”として結果を報告する(例えば,>15 mm,又は>800 N)。
注記 試験片の押上げ中に一時停止すると,応力緩和が起こり,荷重が低下する傾向がある。このた
め,理想的には,試験を遅延なく連続して行うが,通常,銀面割れを読み取るときの一時停止
による遅延を15秒間以内で行っている。
7.6
プランジャ先端の中心を0点に戻し,試験片を取り外す。試験片の使用面にクランプによって残さ
れた痕跡を検査する。試験中に生じた滑った形跡,例えば,クランプのリングによる明らかにずれた跡,
又はクランプで固定した周縁に引裂きがある場合は,その結果は破棄して,新たな試験片で7.1〜7.6を繰
り返す。
7.7
残りの試験片で7.1〜7.6を繰り返す。
8
試験結果の表し方
8.1
銀面割れ高さ
銀面割れ高さ(mm)は,算術平均として表し,四捨五入によって小数点以下1桁とする。
試験片が試験機の最大荷重に達しても破裂しない場合は,“(最大高さ)超”として結果を報告する(例
えば,15 mm超)。
8.2
銀面割れ荷重
銀面割れ荷重(N)は,算術平均として表し,四捨五入によって十の位の概数にする。
試験片が試験機の最大荷重に達しても破裂しない場合は,“(最大荷重)超”として結果を報告する(例
えば,800 N超)。また,試験片が破裂前に割れなかった場合は,破裂時の荷重とする。
9
試験報告書
試験報告書には,次の事項を記載する。
a) この規格の規格番号
b) 試料を識別するための詳細情報,判明していればその他の参考情報,全ての試験片の厚さの算術平均
(mm,小数点以下2桁)。
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c) 銀面割れ高さの算術平均(mm,小数点以下1桁),試験片が破裂前に割れなかった場合は,破裂時の
高さの値
d) 銀面割れ荷重の算術平均(N,四捨五入によって十の位に丸める。),試験片が破裂前に割れなかった
場合は,破裂時の荷重
e) 必要があれば,破裂時の高さの算術平均(mm,小数点以下1桁)
f)
必要があれば,破裂時の荷重の算術平均(N,四捨五入によって十の位までの概数にする。)
g) JIS K 6556-2に規定する基準標準状態以外で状態調節及び試験した場合の詳細
h) この規格で規定した方法との相違点
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附属書JA
(参考)
試験機の例
図JA.1−試験機の例
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附属書JB
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS K 6557-10:2018 革試験方法−物理試験−第10部:銀面割れの測定−ボール
バースト法
ISO 3379:2015,Leather−Determination of distension and strength of surface (Ball burst
method)
(I)JISの規定
(II)国際
規格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
3 用語及び
定義
3.1 使用面
3.1
JISとほぼ同じ
追加
JISでは,分かりやすくするため,
起毛革の説明を追加した。
実質的な差異はない。
5 装置及び
器具
5.1.2 プランジャ
5.1.2
JISとほぼ同じ
変更
JISでは,プランジャの寸法を変更
した。
我が国の試験事情による。実質的
な差異はない。
6 試験片の
採取及び状
態調節
6.2
6.2
JISとほぼ同じ
追加
JISでは,分かりやすくするために,
試験片の寸法を追加し,ISO規格で
は注記の記載内容を規定とした。
実質的な差異はない。
7 試験手順 7.4
7.4
JISとほぼ同じ
追加
JISでは,分かりやすくするために,
説明を追加した。
実質的な差異はない。
8 試験結果
の表し方
−
−
追加
JISでは,分かりやすくするために,
試験結果の表し方を追加した。
実質的な差異はない。
附属書JA
(参考)
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 3379:2015,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD ··············· 国際規格を修正している。
2
K
6
5
5
7
-1
0
:
2
0
1
8