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K 6506-1977  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 6506-1977 

クロムなめし剤分析方法 

Analytical Method for Chrome Tanning Agents 

1. 適用範囲 この規格は,皮をなめすのに使用する塩基度40%以下のクロムなめし剤の分析方法につい

て規定する。 

2. 用語の意味 

2.1 

クロムなめし剤 クロムなめし剤とは,皮をなめす作用のある塩基性クロム錯塩を主成分とするも

のをいう。 

2.2 

塩基度 塩基度とは,クロムなめし剤中のクロムと結合した水酸基を,全酸化クロム (Cr2O3) に対

する百分率で表したものをいう。 

3. 一般条件 分析は,温度20±2℃,相対湿度65±5%の室内で行う。ただし,試料溶液調製後48時間

以内に全分析を終了すること。 

4. 分析方法 

4.1 

装置,器具及び薬品 

4.1.1 

装置 

(1) 乾燥器 恒温装置付で,102±2℃に保つことができるものを用いる。 

(2) ガラス電極pH計 JIS Z 8802(pH測定方法)の7.1.2に規定されたものを用いる。 

4.1.2 

器具 

(1) 広口びん JIS R 3503(化学分析用ガラス器具)の120mlものを用いる。 

(2) ビーカー JIS R 3503(化学分析用ガラス器具)の500mlのものを用いる。 

(3) メスフラスコ JIS R 3504(化学用体積計ガラス素材)の500mlのものを用いる。 

(4) はかりびん JIS R 3503(化学分析用ガラス器具)の外径50mmのものを用いる。 

(5) ガラスろ過器 JIS R 3503(化学分析用ガラス器具)のるつぼ形ガラスろ過器1G4を用いる。 

(6) ピペット JIS R 3505(ガラス製化学用体積計)の全量ピペット20mlのものを用いる。 

(7) 三角フラスコ JIS R 3503(化学分析用ガラス器具)の500mlのものを用いる。 

(8) 磁器ざら JIS R 1302(化学分析用磁器蒸発ざら)の丸底形210mmのものを用いる。 

4.1.3 

薬品 

(1) 蒸留水 

(2) 過酸化ナトリウム JIS K 8231〔過酸化ナトリウム(試薬)〕の特級 

                                                        
引用規格:4ページに示す。 

K 6506-1977  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(3) 塩酸 JIS K 8180〔塩酸(試薬)〕の特級 

(4) よう化カリウム JIS K 8913〔よう化カリウム(試薬)〕の特級 

(5) 炭酸水素ナトリウム JIS K 8622〔炭酸水素ナトリウム(重炭酸ナトリウム)(試薬)〕の特級 

(6) チオ硫酸ナトリウム JIS K 8637〔チオ硫酸ナトリウム(試薬)〕の特級 

(7) でんぷん JIS K 8659〔でんぷん(溶性)(試薬)〕の特級 

(8) フェノールフタレイン JIS K 8799〔フェノールフタレイン(試薬)〕の特級 

(9) 水酸化ナトリウム JIS K 8576〔水酸化ナトリウム(試薬)〕の特級 

4.2 

試料溶液の調製 試料を清浄なつや紙上に広げ,手早く混合して四分法により約50gを取り,120ml

広口びんに入れ密封し,分析試料とする。分析試料からCr2O3として1.0〜1.2g相当量を0.1mgまで正確に

量り取り,ビーカー500mlに移し,蒸留水約250mlを加え,時計ざらでふたをして約5分間加熱して静か

に沸騰させ,次いで室内で室温まで放冷する。次に,溶液をメスフラスコ500mlに移し,次いで少量の蒸

留水を用いてビーカーを洗浄し,洗液をメスフラスコに加える。この操作を数回繰り返した後,メスフラ

スコ中の溶液が正確に500mlとなるまで蒸留水を加える。 

4.3 

操作 

4.3.1 

水分 分析試料3〜5gを正確に,外径50mmのはかりびんに0.1mgまで量り取り,102±2℃の乾燥

器の中で乾燥後,放冷,ひょう量する。次に,更に1時間乾燥,放冷,ひょう量し,その減量が1mg以下

となるまで繰り返し,水分を次の式によって算出する。 

100

1

2

1

×

S

S

S

M

ここに 

M: 水分 (%) 

S1: 乾燥前の分析試料の質量 (g) 

S2: 乾燥後の分析試料の質量 (g) 

4.3.2 

不溶性固形分 試料溶液をよく振り混ぜた後,その全量をあらかじめ乾燥,放冷,ひょう量したガ

ラスろ過器を用いて吸引ろ過し,そのろ液を清浄な別のメスフラスコ500mlに移し,次の分析に使用する。

ろ過器は洗液が無色となるまで繰り返し蒸留水で洗浄する。次いで,ろ過器を102±2℃の乾燥器中で乾燥

後,放冷,ひょう量する。次に,更に1時間乾燥,放冷,ひょう量し,その減量が1mg以下になるまで繰

り返し,不溶性固形分を次の式によって算出する。 

100

1

2

×

S

R

R

I

ここに 

I: 不溶性固形分 (%) 

R1: ろ過前のろ過器の質量 (g) 

R2: ろ過後のろ過器の質量 (g) 

S: 分析試料の質量 (g) 

4.3.3 

可溶性固形分 可溶性固形分は,次の式によって算出する。 

SS=100−(M+I) 

ここに 

SS: 可溶性固形分 (%) 

M: 水分 (%) 

I: 不溶性固形分 (%) 

K 6506-1977  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4.3.4 

クロム含有量 4.3.2によりろ過したろ液20mlをピペットで量り取り,共せん付き三角フラスコ

500mlに入れ,更に約40℃の蒸留水約30mlを加える。次いで過酸化ナトリウム約0.5gを加えて静かに加

熱し,クロムの酸化を行う。液量が10ml以下になるまで加熱を続ける。加熱終了後,フラスコの内壁を

数回少量の蒸留水で洗浄し,冷却後蒸留水150ml,次いで塩酸10mlを加えてかき混ぜる。次に,よう化カ

リウム約5g,炭酸水素ナトリウム約3gを加え,せんをして軽くふり混ぜた後,冷暗所に10分間放置する。

次いで,遊離したよう素をN/10チオ硫酸ナトリウム溶液(1)で滴定し,液の色が薄い黄色に変化したとき,

1%でんぷん溶液を数滴加えて滴定を続け,よう素でんぷんによる青が消えたときを終点とする。クロム含

有量(Cr2O3として)は,次の式によって算出する。 

100

25

002533

.0

×

×

×

f

S

V

C=

ここに 

C: クロム含有量 (%) 

V: N/10チオ硫酸ナトリウム溶液の使用量 (ml) 

f1: N/10チオ硫酸ナトリウム溶液のファクター 

S: 分析試料の質量 (g) 

注(1) N/10チオ硫酸ナトリウム溶液:チオ硫酸ナトリウム(5水塩)約26g及び炭酸ナトリウム(無水)

0.2gを取り,炭酸を含まない水に溶かして約1lとし,これにイソアミルアルコール約10mlを加

え,よく振り混ぜて2日間放置する。 

標定 N/10よう素酸カリウム溶液(標定用)25mlをピペットを用いて共せん付三角フラスコ

300mlに取り,よう化カリウム2g及び硫酸 (1+5) 5mlを加え,直ちにせんをして静かに振り混

ぜ,暗所に5分間放置した後水100mlを加え,遊離したよう素をこの溶液で滴定する。液の黄

色が薄くなってから指示薬としてでんぷん溶液3mlを加え,よう素でんぷんの青が消えるまで

滴定を続ける。 

別に同一条件で空試験を行って補正したml数 (x) から,次式によってファクター (f1) を算

出する。 

x

f

25

1=

4.3.5 

塩基度 磁器蒸発ざらに蒸留水200mlを入れ,加熱して静かに沸騰させる。これに1%フェノール

フタレイン溶液2ml及びN/10水酸化ナトリウム溶液(2)を液全体の色がわずかに赤くなるまで加える。次

に4.3.2によりろ過したろ液20mlをピペットで量り取り,これに注加し,ガラス棒でかくはんしながら

N/10水酸化ナトリウム溶液で滴定する。この滴定の間加熱を続け,わずかに沸騰させておく。上澄液の色

がわずかに赤くなり,その赤みが1分間以上続いたときを終点とする。 

塩基度は,次の式によって算出する。 

100

×f

V

N

V

B

ここに 

B: 塩基度 (%) 

V: 4.3.4のN/10チオ硫酸ナトリウム溶液の使用量 (ml) 

N: N/10水酸化ナトリウム溶液の使用量 (ml) 

f2: N/10水酸化ナトリウム溶液のファクター 

注(2) N/10水酸化ナトリウム溶液 水酸化ナトリウム約47gを水約1lに溶解し,新たに作った飽和水

酸化バリウム溶液を沈殿が生じなくなるまで加え,強く振った後炭酸ガスをさえぎり2〜3日間

放置後,上澄み液約100mlを取り,炭酸を含まない水を加えて全量を約1lとする。 

K 6506-1977  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

標定 真空硫酸デシケーター中で乾燥したスルファミン酸(標準試薬)2〜2.5gを正しく量り,

水に溶解し,メスフラスコを用いて全量を250mlとする。その25mlを取り,上記によって調製

した水酸化ナトリウム溶液で滴定し,次の式によってファクターを算出する(指示薬:ブロム

チモールブルー溶液)。 

00971

.0

250

25

2

×

×

V

W

f=

ここに 

f2: N/10水酸化ナトリウム溶液のファクター 

W: スルファミン酸の量(g) 

V: 滴定に要したN/10水酸化ナトリウム溶液の量 (ml) 

0.00971: N/10水酸化ナトリウム溶液1mlに相当するスルファミン酸の

量 (g) 

4.3.6 

pH 4.3.2のろ液の一部を取り,そのpHをガラス電極pH計により測定する。 

5. 報告 分析は4.2に規定する同一分析試料につき2回以上行い,水分,不溶性固形分,クロム含有量

及びpHは小数点以下2けたまで算出してその平均値を求め,JIS Z 8401(数値の丸め方)により小数点以

下1けたに丸める。 

また塩基度は小数点以下1けたまで算出し,その平均値を整数位に丸めて,それぞれ報告する。 

引用規格: 

JIS K 8180 塩酸(試薬) 

JIS K 8231 過酸化ナトリウム(試薬) 

JIS K 8576 水酸化ナトリウム(試薬) 

JIS K 8622 炭酸水素ナトリウム(重炭酸ナトリウム)(試薬) 

JIS K 8637 チオ硫酸ナトリウム(試薬) 

JIS K 8659 でんぷん(溶性)(試薬) 

JIS K 8799 フェノールフタレイン(試薬) 

JIS K 8913 よう化カリウム(試薬) 

JIS R 1302 化学分析用磁器蒸発ざら 

JIS R 3503 化学分析用ガラス器具 

JIS R 3504 化学用体積計ガラス素材 

JIS R 3505 ガラス製化学用体積計 

JIS Z 8401 数値の丸め方 

JIS Z 8802 pH測定方法