K 6404-17 : 1999
(1)
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日
本工業規格である。
JIS K 6404
は一般名称を“ゴム引布・プラスチック引布試験方法”として次の各部によって構成する。
第 1 部:試験及び状態調節の標準雰囲気
第 2 部:ロールの特性値の測定方法
−第 1 節: 長さ,幅及び質量の測定
−第 2 節: 引布の単位面積当たりの総質量並びにコーティング材及び基布の単位面積当た
りの質量の測定
−第 3 節: 厚さの測定
第 3 部:引張試験
第 4 部:引裂試験
第 5 部:接着試験
第 6 部:もみ試験
第 7 部:防水試験
第 8 部:はっ水試験
第 9 部:水浸試験
第 10 部:ガス透過性の測定方法
第 11 部:破裂強さ試験
第 12 部:促進老化試験
第 13 部:低温曲げ試験
第 14 部:ブロッキング試験
第 15 部:透湿試験
第 16 部:染色摩擦堅ろう度試験
第 17 部:耐光試験
第 18 部:耐候試験
第 19 部:オゾン劣化試験
第 20 部:低温ねじり試験
第 21 部:耐炎試験
第 22 部:耐摩耗試験
日本工業規格
JIS
K
6404-17
: 1999
ゴム引布・プラスチック引布試験方法−
第 17 部:耐光試験
Testing methods for rubber-or plastics-coated fabrics
−
Part 17
:Light-exposure test method
1.
適用範囲 この規格は,衣料用,雑貨用,覆い用及び気密用のゴム引布・プラスチック引布の耐光試
験について規定する。
備考 ゴム引布・プラスチック引布とは,布生地の片面若しくは両面にゴム又はプラスチックを塗布
し,又は薄層ゴム若しくはプラスチックをはり合わせ,又は同様の処理を施した 2 枚以上の布
をはり合わせてあるものをいう。
2.
引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。発行年を付記していない引用規格は,その最新版を適用する。
JIS B 7751
紫外線カーボンアーク灯式耐光性及び耐候性試験機
JIS B 7753
サンシャインカーボンアーク灯式耐光性及び耐候性試験機
JIS K 7101
着色プラスチック材料のガラスを透過した日光に対する色堅ろう度試験方法
JIS L 0801
染色堅ろう度試験方法通則
JIS L 0804
変退色用グレースケール
JIS L 0841
日光に対する染色堅ろう度試験方法
JIS Z 8401
数値の丸め方
JIS Z 8703
試験場所の標準状態
3.
試験方法
3.1
試験の一般条件
3.1.1
試験室の標準状態 試験室の標準状態は,原則として JIS Z 8703 の標準温湿度状態 3 類[温度 20
±2℃,相対湿度 (65±5) %]とする。ただし,試験室が標準状態に保てない場合は,試験時の温度と湿度
を記録する。
3.1.2
試料の標準状態 試料は,成型後 24 時間以上経過したものであって,試験前 1 時間以上,標準状
態の室温中に置かなければならない。
3.1.3
試験結果の丸め方 各試験によって得られた試験結果は,JIS Z 8401 によって丸める。
3.2
耐光試験 耐光試験は,紫外線カーボンアーク灯光源方法によって行う。
a)
試験片 試験片は,長さ 60mm 以上,幅 60mm 以上,厚さは製品厚さとする。
b)
装置及び材料
2
K 6404-17 : 1999
1)
試験機 試験機は,光源用カーボンの種類によって表 1 のものを用いる。
表 1
試験機の種類
性能・構造
FV
形
JIS B 7751
による。
FWV
形
JIS B 7751
による。この場合,2 灯のうち 1 灯を取り外し,1 灯を中央に懸垂し,水の噴霧を止めたも
のとする。
FS
形
JIS B 7753
による。この場合,水の噴霧を止めたものとする。
2)
ブルースケール JIS L 0841 の 4.(1)に規定するものを用いる。
3)
グレースケール JIS L 0804 に規定するものを用いる。
4)
不透明覆い 光線に対して完全に不透明な板紙又はその他の薄い不透明物。
5)
白厚紙 厚さ約 0.5mm の白厚紙。
6)
灰色下敷 JIS L 0801 の 4.(9)に規定するものを用いる。
c)
試験機の操作手順 試験の開始に当たってカーボンは新品を用い,光フィルターは清浄で,かつ,欠
け,ひびなどがなく,また吸湿布や空気ろ過器などもよく掃除しておき,機械が正常に作動している
かどうかを確かめる。
操作中は,放電電圧・電流を平均 135V,16A(サンシャインでは 50V,60A)に調整し,ブラック
パネル温度を 63±3℃に調整する。ただし,熱に鋭敏な試験片を試験するときは,ブラックパネル温
度を 52±3℃に調節して行ってもよい。
なお,ガス発生などによって他種の試験片に影響を与えるおそれのある試験片は,他の試験片と同
時に露光してはならない。照射は,カーボン交換後,連続的に行うことがよく,不必要な中断は,試
験結果に好ましくない変化を与えるおそれがある。光フィルターの使用時間は,2 000 時間を超えては
ならない。
d)
露光方法 試験片とブルースケールをそれぞれ厚紙マスク又はアルミニウム薄板に挟んで,両者の照
射面が光源から等しい距離になるよう試験片ホルダーに取り付け,前後から押さえ金具で密着させ,
照射した部分と照射しなかった部分との境目がはっきり現れるようにする。
次に試験片を取り付けた試験片ホルダーを試験片回転枠に掛け,上下両端で支える。試験片回転枠
には,すき間のないように試験片ホルダーを取り付ける。もし試験片を取り付けてない試験片ホルダ
ーがあれば,すべて白厚紙を取り付けるようにする。
試験片の取付けが上下 2 段になっているものについては,カーボン取付けの際に上下を入れ替える
ことが望ましい。
露光操作は,JIS K 7101 の 6.に規定する方法によって行う。
3.3
判定 露光を終わった試験片及びブルースケールは,冷暗所に 2 時間以上放置した後,JIS K 7101
の 7.に規定する方法によって判定する。
4.
試験報告
試験結果の表示は,JIS K 7101 の 8.に規定する方法によって,次のように表示する。
a)
変退色の表示
例 紫外線カーボンアーク灯式耐光試験 7−8 級
b)
使用した試験機の型式
c)
試験条件
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K 6404-17 : 1999
d)
試験片に変退色以外の変化があったときは,その状況
e)
その他当事者間の取決め事項
ゴム引布・プラスチック引布試験方法原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
荒 木 峻
東京都立大学(名誉教授)
(委員)
西 出 徹 雄
通商産業省基礎産業局化学課
大 嶋 清 治
通商産業省工業技術院標準部
橋 本 繁 晴
財団法人日本規格協会
神 代 啓
社団法人日本化学工業協会
鈴 木 守
社団法人日本ゴム協会
今 井 修 二
社団法人化学品検査協会
御 船 直 人
社団法人鉄道総合技術研究所
寺 岡 憲 吾
防衛庁装備局
吉 田 實
アキレス株式会社
真 野 洋 三
シバタ工業株式会社
恩 田 健 二
東洋ゴム工業株式会社
三 木 茂 機
藤倉ゴム工業株式会社
當 間 満 義
日本ゴム工業会
(事務局)
三 須 武
社団法人日本化学工業協会
濱 島 俊 行
社団法人日本化学工業協会
岩 瀬 剛
日本ゴム工業会
(解説文責 吉田 實)