K 6404-16 : 1999
(1)
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日
本工業規格である。
JIS K 6404
は一般名称を“ゴム引布・プラスチック引布試験方法”として次の各部によって構成する。
第 1 部:試験及び状態調節の標準雰囲気
第 2 部:ロールの特性値の測定方法
−第 1 節:長さ,幅及び質量の測定
−第 2 節:引布の単位面積当たりの総質量並びにコーティング材及び基布の単位面積当たり
の質量の測定
−第 3 節:厚さの測定
第 3 部:引張試験
第 4 部:引裂試験
第 5 部:接着試験
第 6 部:もみ試験
第 7 部:防水試験
第 8 部:はっ水試験
第 9 部:水浸試験
第 10 部:ガス透過性の測定方法
第 11 部:破裂強さ試験
第 12 部:促進老化試験
第 13 部:低温曲げ試験
第 14 部:ブロッキング試験
第 15 部:透湿試験
第 16 部:染色摩擦堅ろう度試験
第 17 部:耐光試験
第 18 部:耐候試験
第 19 部:オゾン劣化試験
第 20 部:低温ねじり試験
第 21 部:耐炎試験
第 22 部:耐摩耗試験
日本工業規格
JIS
K
6404-16
: 1999
ゴム引布・プラスチック引布試験
方法−第 16 部:染色摩擦竪ろう度試験
Testing methods for rubber-or plastics-coated fabrics
−
Part 16 : Colour fastness test method
1.
適用範囲 この規格は,衣料用,雑貨用,覆い用及び気密用のゴム引布・プラスチック引布の染色摩
擦堅ろう度試験方法について規定する。
備考 ゴム引布・プラスチック引布とは,布生地の片面若しくは両面にゴム又はプラスチックを塗布
し,又は薄層ゴム若しくはプラスチックをはり合わせ,又は同様の処理を施した 2 枚以上の布
をはり合わせてあるものをいう。
2.
引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。
JIS L 0803
染色堅ろう度試験用添付白布
JIS L 0805
汚染用グレースケール
JIS L 0849
摩擦に対する染色堅ろう度試験方法
JIS Z 8401
数値の丸め方
JIS Z 8703
試験場所の標準状態
3.
試験方法
3.1
試験の一般条件
3.1.1
試験室の標準状態 試験室の標準状態は,原則として JIS Z 8703 の標準温湿度状態 3 類[温度 20
±2℃,相対湿度(65±5)%]とする。ただし,試験室が標準状態に保てない場合は,試験時の温度と湿度を
記録する。
3.1.2
試料の標準状態 試料は,成型後 24 時間以上経過したものであって,試験前 1 時間以上,標準状
態の室温中に置かなければならない。
3.1.3
試験成績の丸め方 各試験によって得られた試験結果は,JIS Z 8401 によって丸める。
3.2
染色堅ろう度試験 次のいずれかの方法によって行う。
a)
クロックメーター形摩擦試験
1)
試験片 約 140×50mm の試験片を採取する。
2)
試験機 図 1 に示すようなクロックメーター形摩擦試験機(
1
)
を用いる。
3)
測定 クロックメーター形摩擦試験機を用いて,900g の質量をもつ摩擦子の先端に乾燥又は蒸留水
で湿潤(
2
)
した約 50×50mm の白綿布(
3
)
をかぶせ,試験片上 100mm の間を 10 秒間に 10 回往復摩擦
2
K 6404-16 : 1999
して,白綿布の着色度合いを JIS L 0849 に準じて,グレースケール(
4
)
によって判定する。
注(
1
)
クロックメーターは,
図1に示すように木製台の一部に目の粗い研磨紙がはり付けられてあり,
その上に試験片を置く。
(
2
)
白綿布を,十分に蒸留水に浸せきし,ろ紙に挟んで過剰な水分を除く。
(
3
)
白綿布は,JIS L 0803 に規定する綿(3 号)を用いる。
(
4
) JIS L 0805
によって判定する。ただし,湿潤摩擦の場合は,試験終了後,乾燥した後判定する。
図 1 クロックメーター形摩擦試験機
b)
学振形摩擦試験
1)
試験片 約 200×30mm の試験片を採取する。
2)
試験機 図 2 に示す学振形摩擦試験機を用いる。
3)
測定 学振形摩擦試験機を用い,200g の質量をもつ摩擦子の先端に乾燥又は蒸留水で湿潤(
2
)
した約
50
×50mm の白綿布(
3
)
をかぶせ,試験片上 100mm の間を往復速さ毎分 30 回で 100 往復摩擦して,
白綿布の着色度合いを JIS L 0849 に準じて,グレースケール(
4
)
によって判定する。
c)
試験報告
1)
摩擦堅ろう度には試験機名を併記し,原則として,乾燥試験と湿潤試験の両方の等級を次の例のよ
うに記録する。
例 摩擦試験(クロックメーター)(布面,ゴム面又はプラスチック面)(乾燥)4 級(湿潤)
2
級
2)
この等級は,摩擦用白綿布試験前後の色の開きが最も近い汚染用グレースケールの番号で表す。
3)
判定の結果,二つの級の間にあるときは,例えば 4-5 級のように二つの級をハイフンでつないで表
すが,1 級より弱いときは単に 1 級と記録する。
3
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図 2 学振形摩擦試験機
ゴム引布・プラスチック引布試験方法原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
荒 木 峻
東京都立大学(名誉教授)
(委員)
西 出 徹 雄
通商産業省基礎産業局化学課
大 嶋 清 治
通商産業省工業技術院標準部
橋 本 繁 晴
財団法人日本規格協会
神 代 啓
社団法人日本化学工業協会
鈴 木 守
社団法人日本ゴム協会
今 井 修 二
社団法人化学品検査協会
御 船 直 人
社団法人鉄道総合技術研究所
寺 岡 憲 吾
防衛庁装備局
吉 田 實
アキレス株式会社
真 野 洋 三
シバタ工業株式会社
恩 田 健 二
東洋ゴム工業株式会社
三 木 茂 機
藤倉ゴム工業株式会社
當 間 満 義
日本ゴム工業会
(事務局)
三 須 武
社団法人日本化学工業協会
濱 島 俊 行
社団法人日本化学工業協会
岩 瀬 剛
日本ゴム工業会
(解説文責 吉田 實)