K 6404-14 : 1999
(1)
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日
本工業規格である。
今回の制定は,JIS K 6328 の該当部分を国際規格に整合させるために,ISO 5978 : 1990 Rubber-or
plastics-coated fabrics
−Determination of blocking resistance を,基礎として用いた。
JIS K 6404
は一般名称を“ゴム引布・プラスチック引布試験方法”として次の各部によって構成する。
第 1 部:試験及び状態調節の標準雰囲気
第 2 部:ロールの特性値の測定方法
−第 1 節: 長さ,幅及び質量の測定
−第 2 節: 引布の単位面積当たりの総質量並びにコーティング材及び基布の単位面積当た
りの質量の測定
−第 3 節: 厚さの測定
第 3 部:引張試験
第 4 部:引裂試験
第 5 部:接着試験
第 6 部:もみ試験
第 7 部:防水試験
第 8 部:はっ水試験
第 9 部:水浸試験
第 10 部:ガス透過性の測定方法
第 11 部:破裂強さ試験
第 12 部:促進老化試験
第 13 部:低温曲げ試験
第 14 部:ブロッキング試験
第 15 部:透湿試験
第 16 部:染色摩擦堅ろう度試験
第 17 部:耐光試験
第 18 部:耐候試験
第 19 部:オゾン劣化試験
第 20 部:低温ねじり試験
第 21 部:耐炎試験
第 22 部:耐摩耗試験
日本工業規格
JIS
K
6404-14
: 1999
ゴム引布・プラスチック引布
試験方法−
第 14 部:ブロッキング試験
Testing methods for rubber-or plastics-coated fabrics
−
Part 14
:Determination of blocking resistance
序文 この規格は,1990 年に第 2 版として発行された ISO 5978, Rubber-or plastics-coated fabrics−
Determination of blocking resistance
を基に,対応する部分については技術的内容を変更することなく作成し
た日本工業規格であるが,対応国際規格には規定されていない規定内容(試験方法 B)を日本工業規格と
して追加した。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格にはない事項である。
1.
適用範囲 この規格は,ゴム引布又はプラスチック引布のブロッキングを試験する方法について規定
する。昇温時のブロッキング試験は,ゴム引布又はプラスチック引布に規定の温度と負荷を加えることに
よってブロッキング抵抗を相対評価することを目的とする。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
ISO 5978 : 1990
Rubber-or plastics-coated fabrics−Determination of blocking resistance
2.
引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。
JIS K 6401-1 : 1999
ゴム引布・プラスチック引布試験方法−第 1 部:試験及び状態調節の標準雰囲気
備考 ISO
2231
: 1989, Rubber-or plastics-coated fabrics
−Standard atmospheres for conditioning and
testing
が,この規格と一致している。
JIS Z 8703
試験場所の標準状態
ISO 472 : 1988
Plastics−Vocabulary
3.
定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。
ブロッキング (blocking) 素材間の粘着性
4.
試験方法 A
4.1
装置
4.1.1
ガラス板 長さ約 150mm×幅約 150mm×厚さ 3mm
2
K 6404-14 : 1999
4.1.2
おもり 5.0kg
4.1.3
循環式恒温槽 テスト組立品の体積合計が,槽の自由空間の 10%を超えないものとする。
テスト組立部品は,棚に置き,槽の端から 50mm 以上離す。
規定する温度±2℃で保持でき,最低 6 回/h の空気の入れ替えが可能なもの。
過熱防止装置を取り付ける。
4.2
製造から試験までの期間
4.2.1
すべての試験は,製造から 16 時間経過後行う。
4.2.2
引布の試験は,製造後最長 4 週間以内に行う。比較を目的とする評価試験は同じ時間間隔をとった
後で行う。
引布を加工した製品試験は,製造後 3 か月間を超えてはならない。また,顧客が製品を受け取った日か
ら 2 か月以内に試験する。
4.3
試料及び試験片
4.3.1
試料は,巻の終わりから 1m 以上離れた場所から採取する。
4.3.2
試験片は,試料から長さ 150mm×幅 150mm を 6 個採取する。
4.3.3
試験片は,試験を行う素材を代表するものでなければならない。
試験片は,試料の有効幅の範囲内で,かつ,長さ方向に平行に採取する。
試験片に縦,横各方向のしるしを記入する。
4.4
試験片の調整 JIS K 6404-1 に規定する条件のいずれか一つの標準状態に置く。
4.5
試験方法
4.5.1
試験片を 2 枚 1 組にし,裏どうし合わせ,表どうし合わせ,及び裏と表を合わせた 3 種類の試験片
をそれぞれガラス板に挟み,一番上のガラス板に 5.0kg のおもりを片寄らないように載せる。
4.5.2
4.5.1
の試料を温度 70±2℃の恒温槽中に 3 時間置く。
4.5.3
規定時間経過後恒温槽から取り出し,直ちにガラス板の間から試験片をはずし 1 時間放冷する。次
に試験片を注意深くはがした後,粘着性とコーティングのはく離状態を調べる。
試験片のブロッキングの度合いは,次の基準で評価する。
a)
非粘着 接着のあとがなく被覆面が離れる
b)
微粘着 接着のあとがところどころ見られるが,被覆膜は異常ない
c)
粘着 はく離困難であるもの。被覆膜がはがれる
4.6
試験報告 試験報告書には,次の事項を記載しなければならない。
a)
適用規格
b)
サンプルを確認できる必要事項
c)
試験室の環境
d)
試験片に掛けたおもりの質量
e)
4.5.3
の粘着性評価
f)
規定の試験手順から外れた内容
5.
試験方法 B
5.1
試験の一般条件
5.1.1
試験室の標準状態 JIS Z 8703 の標準温湿度状態 3 類[温度 20±2℃,相対湿度 (65±5) %]とす
る。ただし,試験室が標準状態に保てない場合は,試験時の温度と湿度を記録する。
3
K 6404-14 : 1999
5.1.2
試料の標準状態 加硫後 24 時間以上経過したものであって,試験前 1 時間以上,標準状態に置く。
5.2
装置
5.2.1
ガラス板 約厚さ 2mm×幅 100mm×長さ 100mm
5.2.2
恒温槽
5.3
試験片 試料から約 60mm×60mm の試験片を 2 個採取する。
5.4
試験方法 試験片のゴム面を重ね合わせて,これをガラス板に挟み, (130±1) ℃の恒温槽中に 1 時
間保持し,取り出して標準状態に 30 分間放置した後,目視又は感触によってゴム面の異状の有無を調べる。
異状があるときは,その状態を記録する。
1
級 ゴム面に異状のないもの
2
級 ゴム面に異状が少々見られるもの
3
級 ゴム面に異状が著しく多いもの
備考 異状とは粘着,硬化,変色などをいう。
5.5
試験報告 試験報告書には,次の事項を記載しなければならない。
a)
適用規格
b)
試料を確認できる必要事項
c)
試験室の環境
d)
ゴム面の異状の有無と等級
e)
試験手順から外れた内容
f)
試験年月日
ゴム引布・プラスチック引布試験方法原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
荒 木 峻
東京都立大学(名誉教授)
(委員)
西 出 徹 雄
通商産業省基礎産業局化学課
大 嶋 清 治
通商産業省工業技術院標準部
橋 本 繁 晴
財団法人日本規格協会
神 代 啓
社団法人日本化学工業協会
鈴 木 守
社団法人日本ゴム協会
今 井 修 二
財団法人化学品検査協会
御 船 直 人
財団法人鉄道総合技術研究所
寺 岡 憲 吾
防衛庁装備局
吉 田 實
アキレス株式会社
真 野 洋 三
シバタ工業株式会社
恩 田 健 二
東洋ゴム工業株式会社
三 木 茂 機
藤倉ゴム工業株式会社
當 間 満 義
日本ゴム工業会
(事務局)
三 須 武
社団法人日本化学工業協会
濱 島 俊 行
社団法人日本化学工業協会
岩 瀬 剛
日本ゴム工業会
(解説文責 三木 茂機)