K 6397:2005
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本ゴム工業会
(JRMA)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出が
あり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS K 6397:1997は改正され,この規格に置き換えられる。
改正に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 1629:1995,Rubbers and latices−
Nomenclature を基礎として用いた。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
JIS K 6397には,次に示す附属書がある。
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表
K 6397:2005
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 分類及び略号 ·················································································································· 1
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表 ····································································· 4
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
K 6397:2005
原料ゴム及びラテックスの略号
Rubbers and latices-Nomenclature
序文 この規格は,1995年に第3版として発行されたISO 1629,Rubbers and latices−Nomenclatureを翻訳
し,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変更の一覧
表をその説明を付けて,附属書(参考)に示す。
1. 適用範囲 この規格は,原料ゴム及びラテックスの略号(以下,略号という。)について規定する。略
号は,通常の単量体の化学名による英語表示の頭文字並びに原料ゴム及びラテックスの化学構造による。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO 1629:1995,Rubbers and latices−Nomenclature (MOD)
2. 分類及び略号 分類,略号,化学名及び慣用名を,表1に示す。
備考 表1のゴムの名称を,ラテックスと置き換えてもよい。
表 1 分類,略号,化学名及び慣用名
分類
略号
化学名及び慣用名
Mグループ
ポリメチレンタイ
プの飽和主鎖をも
つゴム
ACM
アクリル酸エチル又は他のアクリル酸エステル類と加硫を可能にする少量の単量体
とのゴム状共重合体(アクリルゴム)
AEM
アクリル酸エチル又は他のアクリル酸エステル類とエチレンとのゴム状共重合体
ANM
アクリル酸エチル又は他のアクリル酸エステル類とアクリロニトリルとのゴム状共
重合体
CM
塩素化ポリエチレン(1)
CSM
クロロスルホン化ポリエチレン
EBM
エチレンとブテンとのゴム状共重合体
EOM
エチレンとオクテンとのゴム状共重合体
EPDM
エチレンとプロピレンとジエンとのゴム状共重合体
EPM
エチレンとプロピレンとのゴム状共重合体
EVM
エチレンと酢酸ビニルとのゴム状共重合体(2)
FEPM
四ふっ化エチレンとプロピレンとのゴム状共重合体
FFKM
すべての側鎖がフルオロ及びパーフルオロアルキル又はパーフルオロアルコキシ基
であるゴム状共重合体
FKM
フルオロ及びパーフルオロアルキル又はパーフルオロアルコキシ基を側鎖にもつゴ
ム状共重合体
2
K 6397:2005
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表 1 分類,略号,化学名及び慣用名(続き)
分類
略号
化学名及び慣用名
Mグループ
ポリメチレンタイ
プの飽和主鎖をも
つゴム
IM
ポリイソブテン(3)
NBM
主鎖が完全水素化されたアクリロニトリルとブタジエンとのゴム状共重合体
(RグループHNBR参照)
SEBM
スチレンとエチレンとブテンとのゴム状共重合体
SEPM
スチレンとエチレンとプロピレンとのゴム状共重合体
Oグループ
主鎖に炭素及び酸
素をもつゴム
CO
ポリクロロメチルオキシラン(エピクロロヒドリンゴム)
ECO
エチレンオキシドとエピクロロヒドリンとのゴム状共重合体
GCO
エピクロロヒドリンとアリルグリシジルエーテルとのゴム状共重合体
GECO
エチレンオキシドとエピクロロヒドリンとアリルグリシジルエーテルとのゴム状共
重合体
GPO
プロピレンオキシドとアリルグリシジルエーテルとのゴム状共重合体
Qグループ
主鎖にけい素及び
酸素をもつゴム
FMQ
ポリマー鎖にメチル置換基とフルオロ置換基とをもつシリコーンゴム
FVMQ
ポリマー鎖にメチル置換基とビニル置換基とフルオロ置換基とをもつシリコーンゴ
ム
MQ
ポリマー鎖にメチル置換基をもつシリコーンゴム(ポリジメチルシロキサン)
PMQ
ポリマー鎖にメチル置換基とフェニル置換基とをもつシリコーンゴム
PVMQ
ポリマー鎖にメチル置換基とビニル置換基とフェニル置換基とをもつシリコーンゴム
VMQ
ポリマー鎖にメチル置換基とビニル置換基とをもつシリコーンゴム
Rグル
ープ
主鎖に
不飽和
炭素結
合をも
つゴム
一般的な
ゴム
ABR
アクリレートブタジエンゴム
BR
ブタジエンゴム
CR
クロロプレンゴム
ENR
エポキシ化天然ゴム
HNBR
水素化されたアクリロニトリルとブタジエンとのゴム状共重合体
(不飽和結合を含む。MグループNBM参照)
IIR
イソブテンとイソプレンとのゴム状共重合体(ブチルゴム)
IR
イソプレンゴム(合成天然ゴム)
MSBR
α−メチルスチレンとブタジエンとのゴム状共重合体
NBIR
アクリロニトリルとブタジエンとイソプレンとのゴム状共重合体
NBR
アクリロニトリルとブタジエンとのゴム状共重合体(ニトリルゴム)
NIR
アクリロニトリルとイソプレンとのゴム状共重合体
NR
天然ゴム
NOR
ノルボルネンゴム
PBR
ビニルピリジンとブタジエンとのゴム状共重合体
PSBR
ビニルピリジンとスチレンとブタジエンとのゴム状共重合体
SBR
スチレンとブタジエンとのゴム状共重合体
E-SBR
乳化重合で合成されたスチレンとブタジエンとのゴム状共重合体
S-SBR
溶液重合で合成されたスチレンとブタジエンとのゴム状共重合体
SIBR
スチレンとイソプレンとブタジエンとのゴム状共重合体
カルボキ
シル化さ
れたゴム
XBR
カルボキシル化されたブタジエンゴム
XCR
カルボキシル化されたクロロプレンゴム
XNBR
カルボキシル化されたアクリロニトリルとブタジエンとのゴム状共重合体
XSBR
カルボキシル化されたスチレンとブタジエンとのゴム状共重合体
ハロゲン
化された
ゴム
BIIR
臭素化されたイソブテンとイソプレンとのゴム状共重合体(臭素化ブチルゴム)
CIIR
塩素化されたイソブテンとイソプレンとのゴム状共重合体(塩素化ブチルゴム)
3
K 6397:2005
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表 1 分類,略号,化学名及び慣用名(続き)
分類
略号
化学名及び慣用名
Tグループ
主鎖に炭素,酸素
及び硫黄をもつゴ
ム
OT
ポリマー鎖のポリスルフィド結合の間に-CH2-CH2-O-CH2-O-CH2-CH2-基か又はR基
(Rは脂肪族炭化水素)のいずれかをもち,通常-CH2-CH2-基をもたないゴム
EOT
ポリマー鎖のポリスルフィド結合の間に-CH2-CH2-O-CH2-O-CH2-CH2-基及び通常
-CH2-CH2-基(場合によっては他の脂肪族基)をもつゴム
Uグループ
主鎖に炭素,酸素
及び窒素をもつゴ
ム
AFMU
四ふっ化エチレンと三ふっ化ニトロソメタンとニトロソパーフルオロ酪酸とのゴム
状共重合体
AU
ポリエステルウレタン
EU
ポリエーテルウレタン
Zグループ
主鎖にりん及び窒
素をもつゴム
FZ
-P=N-鎖をもち連鎖中のりん原子に結合したフルオロアルコキシ基をもつゴム
PZ
-P=N-鎖をもち連鎖中のりん原子に結合したアリロキシ(フェノキシ及び置換フェノ
キシ)をもつゴム
注(1) 塩素化ポリエチレンは,プラスチックの記号ではCPEである。
(2) エチレンと酢酸ビニルとの共重合体は,プラスチックの記号ではE/VACである。
(3) ポリイソブテンは,プラスチックの記号ではPIBである。
4
K 6397:2005
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表
JIS K6397: 2005 原料ゴム及びラテックスの略号
ISO1629:1995原料ゴム及びラテックスの略号
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ)
国際規格
番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の
項目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策
項目番号
内容
項目番号
内容
項目ごと
の評価
技術的差異の内容
1.適用範
囲
原料ゴム及びラテックス
の略号を規定
ISO 1629 1
JISに同じ
IDT
2.分類及
び略号
分野ごとの略号,その化学
名及び慣用名を規定
2
JISに同じ
MOD/追加 EBM,EOM,
SEBM,SEPM,
GCO,NBIR,
及びNORの7略号を追
加。
現在,国内外で広く使用されているた
め,略号に追加。ISOに提案する。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:MOD
備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― IDT……………… 技術的差異がない。
― MOD/追加……… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
2. JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― MOD…………… 国際規格を修正している。
4
K
6
3
9
7
:
2
0
0
5