K 6377-3:2015
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 1
4 記号及び単位 ··················································································································· 2
5 試験概要························································································································· 3
6 試験装置························································································································· 4
7 試験片···························································································································· 5
8 試験方法························································································································· 5
9 試験結果のまとめ方 ·········································································································· 5
10 試験報告書 ···················································································································· 6
K 6377-3:2015
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,日本ベルト工業会(JBMA)及び一般財団法
人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工
業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格に従うことは,次の者の有する特許権等の使用に該当するおそれがあるので,留意する。
− 発明の名称:コンベヤベルトの支持ローラ乗り越え抵抗力測定方法およびその装置(特開2014-1978)
− 氏名:同志社大学
− 住所:京都府京田辺市多々羅都谷1−3
− 氏名:横浜ゴム株式会社
− 住所:神奈川県平塚市追分2−1
上記の,特許権等の権利者は,非差別的かつ合理的な条件でいかなる者に対しても当該特許権等の実施
の許諾等をする意思のあることを表明している。ただし,この規格に関連する他の特許権等の権利者に対
しては,同様の条件でその実施が許諾されることを条件としている。
この規格に従うことが,必ずしも,特許権の無償公開を意味するものではないことに注意する必要があ
る。
この規格の一部が,上記に示す以外の特許権等に抵触する可能性がある。経済産業大臣及び日本工業標
準調査会は,このような特許権等に関わる確認について,責任はもたない。
なお,ここで“特許権等”とは,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権をいう。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
K 6377-3:2015
コンベヤゴムベルト−走行抵抗の測定方法
Conveyor belts-Measuring method of running resistance
序文
この規格は,コンベヤゴムベルトがローラ上を走行するときに,ローラがコンベヤゴムベルトに作用す
る力を測定することによって,普遍的,かつ,簡易に走行抵抗を測定する方法を規定した日本工業規格で
ある。
なお,対応国際規格は,現時点で制定されていない。
1
適用範囲
この規格は,布層コンベヤゴムベルト及びスチールコードコンベヤゴムベルト(以下,ベルトという。)
の走行抵抗の測定方法について規定する。
注記 この測定方法で得た結果は,ベルトの走行抵抗を評価する一助となるが,ベルトを稼働するた
めの所要電力の低減効果を証明するものではない。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 1521 転がり軸受−深溝玉軸受
JIS B 8803 ベルトコンベヤ用ローラ
JIS G 3192 熱間圧延形鋼の形状,寸法,質量及びその許容差
JIS K 6274 ゴム及びプラスチック−引裂強さ及び接着強さの求め方における波状曲線の解析
JIS Z 8103 計測用語
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1
押付けローラ
静止したベルト上を走行するローラ。
3.2
水平分力,FH
押付けローラの水平方向に作用する分力。
2
K 6377-3:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
3.3
垂直分力,FV
押付けローラの垂直方向に作用する分力。
3.4
押付けローラの有効面長さ,bR
押付けローラの直径が均一な部分の長さ。
3.5
走行抵抗,f
水平分力FHを,ベルト幅bで除した値。
4
記号及び単位
この規格で用いる主な記号及び単位は,表1による。
表1−記号及び単位
記号
記号の説明
単位
F
押付けローラに作用するベルトからの力
N
FR
押付けローラの押付け力
N
FP
押付けローラのけん(牽)引力
N
FP0
押付けローラの支持ベアリングの抵抗によって生じるローラのけん(牽)引抵抗力
N
FH
押付けローラに作用する水平分力
N
FV
押付けローラに作用する垂直分力
N
f
走行抵抗
N/m
b
試験片の幅
m
bS
架台の幅
m
bR
押付けローラの有効面長さ
m
l
試験片の長さ
m
lS
架台の長さ
m
v
押付けローラの走行速度
m/s
3
K 6377-3:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
5
試験概要
押付けローラに押付け力FRを作用させた状態で,押付けローラをけん(牽)引力FPによって静止した
ベルト上を走行させて,押付けローラに作用する水平分力FHを測定する。測定したFHを,ベルトの幅b
で除すことによって,走行抵抗fを求める(図1参照)。
押付けローラに作用するベルトからの力Fは,FHとFVとの合力である。
1 押付けローラの押付け力 FR
2 押付けローラの走行速度 v
3 ベルト
4 押付けローラに作用する垂直分力 FV
5 押付けローラのけん(牽)引力 FP
6 押付けローラに作用する水平分力 FH
7 押付けローラに作用するベルトからの力 F
図1−試験概要
2
3
4
7
1
5
6
4
K 6377-3:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
6
試験装置
試験装置は,次による。
なお,試験装置の例を,図2に示す。
1 試験片(試験対象となる下面を上側にして設置する)
2 試験片の幅 b
3 架台の幅 bS
4 押付けローラの有効面長さ bR
5 試験片の長さ l
6 架台の長さ lS
図2−試験装置の例
6.1
押付けローラ JIS B 8803に規定するもので,直径が89.1 mm,かつ,有効面長さが試験片の幅以上
のもの。押付けローラの軸受は,JIS B 1521に規定するものを用いる。
6.2
負荷装置 押付けローラに,所定の押付け力FRを与えるもの。
6.3
ロードセル 押付けローラの押付け力FR及び押付けローラのけん(牽)引力FPを測定できるもの。
6.4
記録計 ロードセルからの信号が記録できるもので,時間分解能が,1/1 000秒以下のもの。
6.5
けん(牽)引装置 押付けローラとベルトとの間に,一定の相対的な運動を生じる駆動機構からな
るもの。
6.6
試験片の架台 JIS G 3192に規定する幅180 mm以上の溝型鋼で,架台の長さが,試験片の長さ以上
となるもの。
5
6
3
2
4
1
3
ローラの走行方向
5
K 6377-3:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
7
試験片
7.1
形状及び寸法
ベルトの長手方向に平行に採取した,幅150±10 mmの短冊状の試験片とする。
注記 試験片の長さは,8.1 b) に規定する走行速度で,8.1 c) に規定する測定距離を得るのに必要な
距離以上の長さにするとよい。
7.2
採取方法
試験片は,ベルトの両耳側端部から50 mm以上離れた箇所から採取する。
7.3
試験片の状態調節
試験片は,試験前,温度23±2 ℃で16時間以上保存し,状態調節を行う。
8
試験方法
8.1
試験条件
試験条件は,次による。
a) 試験環境 試験環境は,温度23±2 ℃とする。
b) 走行速度 押付けローラの走行速度は,1.0 m/s±2 %とする。
c) 測定距離 測定距離は,1.4 m(ローラ5回転分の距離)とする。
d) 垂直分力 ロードセルによって測定した押付け力FRと,押付けローラ及び装置の質量によって加わる
力との和を300 N以上とする。
e) 試験回数 3回とする。
f)
架台の水平度 架台の水平度は,水平面に対して±1°とする。
8.2
手順
手順は,次による。
a) 試験室の温度及び湿度を測定する。
b) 架台の上に,試験対象面となる下面を上側にして,試験片を載せる。
c) 試験対象面及び押付けローラの表面に,ほこり(埃)などの異物の付着がないように,乾いた布で拭
きとる。
d) 試験片の上の,押付けローラ走行範囲内の進行方向に対する最後部に,押付けローラを設置する。
e) 試験片に負荷装置によって,押付けローラに押付け力FRを加える。
f)
試験片の上を,押付けローラを走行させ,ローラのけん(牽)引力FPを測定する。
9
試験結果のまとめ方
試験結果のまとめ方は,次による。
a) 各試験での水平分力FHを,次のように求める。
1) あらかじめ,押付けローラの支持ベアリングの抵抗によって生じるローラのけん(牽)引抵抗力FP0
を求める。
2) 8.2 f) で求めたローラのけん(牽)引力FPの,所定の速度に達した時点から0.5秒以降の測定距離
1.4 mでの平均値を求める。平均値の求め方は,JIS K 6274の3.4(D法)による。
3) 次の式によってFHを求める。
FH=FP−FP0
4) けん(牽)引力からではなく,水平分力がロードセルによって直接求められる場合は,8.1 b) の走
6
K 6377-3:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
行速度が公差内となる測定距離1.4 mで求めたFHの平均値を,各試験での水平分力とする。
b) 各試験で求めたFHをベルト幅b=0.15 mで除して,ベルトの走行抵抗fを求める。
10 試験報告書
試験報告書には,次の事項を記載する。
a) この規格の番号
b) 各試験での水平分力
c) ベルトの走行抵抗(JIS Z 8103による有効数字二桁とする。)
d) ベルトの形式及び製造年月日
e) 試験室の温度及び相対湿度
f)
試験片の状態調節の時間
g) 押付けローラの材質,表面粗さ及び径・有効面長さ
h) 試験年月日