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K 6377:2010  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲 ························································································································· 1 

2 引用規格 ························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 1 

4 包装······························································································································· 2 

4.1 巻き心 ························································································································· 2 

4.2 巻き取り ······················································································································ 2 

4.3 巻きの固定 ··················································································································· 2 

4.4 外側包装 ······················································································································ 2 

4.5 エンドレスベルト ·········································································································· 2 

5 保管······························································································································· 2 

5.1 保管条件 ······················································································································ 2 

5.2 保管形態 ······················································································································ 3 

6 つり上げ ························································································································· 3 

7 短距離搬送 ······················································································································ 4 

7.1 フォークリフト搬送 ······································································································· 4 

7.2 転がし搬送 ··················································································································· 4 

附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 6 

K 6377:2010  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,日本ベルト工業会(JBMA)及び財団法人日本

規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査

会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責

任はもたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 6377:2010 

コンベヤゴムベルト−保管及び取扱い指針 

Conveyor belts−Guidelines for storage and handling 

序文 

この規格は,2004年に第2版として発行されたISO 5285を基に,技術的内容を変更して作成した日本

工業規格である。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明をつけて,附属書JAに示す。 

適用範囲 

この規格は,JIS K 6322及びJIS K 6369で規定する,コンベヤゴムベルト(以下,ベルトという。)に

おける使用前の巻き取ったベルトの最適な保管及び取扱い指針について規定する。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 5285:2004,Conveyor belts−Guidelines for storage and handling (MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS K 6322 布層コンベヤゴムベルト 

JIS K 6369 スチールコードコンベヤゴムベルト 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。 

3.1 

ダブルロール(double coiled belts) 

1本のベルトを二つの巻き心によって図1のように巻き取ったもの。 

注記 “カセット巻き”又は“ダブルコイル”ともいう。 

3.2 

ロール側面(side of the coil) 

ロールを構成する各々のベルト層の端部が形成する面。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

包装 

4.1 

巻き心 

通常,ベルトは巻き取り,ロールの形態で包装する。次のような場合は,損傷及び巻き崩れを防止し,

つり上げ時にその質量に耐え得るように巻き心を用いる。 

a) ベルトの質量が20 kg以上の場合。 

b) ベルトを厳しい条件下(例えば輸出)で輸送,又は取り扱う場合。 

巻き心は,中央にシャフトを挿入できる角孔又は丸孔があり,木製又は金属製が望ましい。巻き心の直

径及びシャフト孔の寸法は,巻き取ったベルトの質量,幅,及び仕様によって各製造業者の取扱説明書に

よる。 

4.2 

巻き取り 

ベルトは,ロールの移動又は輸送中に損傷しないよう,次のように巻き取る。 

a) 保管及び取扱いのときに,巻き崩れがないように巻き取る。 

b) ロールの側面は,直線状で段差がないように巻き取る。 

4.3 

巻きの固定 

ベルトを巻いたロールは,次のように巻きを固定する。 

a) ロールを,織布,プラスチック又は鉄製のバンドで周方向に締め付け,固定する。ダブルロールの場

合には,図1に示すようにベルトを固定する。 

b) 地下で用いるベルトに織布又はプラスチックのバンドを用いる場合は,防火対策上,使用者の事前の

了解が必要である。 

c) これらの固定材料は,予想される保管期限,保管状態及び取扱い条件に耐え得るものとする。 

4.4 

外側包装 

ベルトの外観を保護するために,次のようにする。 

a) 紙,麻,ポリ塩化ビニールシート,ゴム引布,又は適正な保護材を用いてロールの外側包装を行い,

ベルトの外観を保護する。地下で用いるベルトの場合には,地下に運ぶ前に,可燃性の包装材料を取

り除く。 

b) ロールは,側板付きドラムにこん包してもよい。これは,特にスチールコードコンベヤゴムベルトに

適している。 

c) ベルトを完全に包装している場合は,外側の包装材に,ベルトに関する詳細な必要事項を記載しなけ

ればならない。必要事項は,JIS K 6322及びJIS K 6369で規定されている。 

d) 製品包装について,受渡当事者間の協定がある場合には,それによる。 

4.5 

エンドレスベルト 

エンドレスベルトは,そのサイズによって,巻いた状態,又は木製,金属製などの容器にこん包した状

態で,搬送してもよい。ただし,ループエンドを,適正な大きさの巻き心を挿入することによって,保護

しなければならない(図2参照)。 

保管 

5.1 

保管条件 

5.1.1 

概要 

一般に,ベルトは,屋内で保管することが望ましい。やむを得ず屋外で保管する場合は,防水シート,

又は適正な材料で覆って保管する。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.1.2 

温度 

ベルトは,ボイラ,ラジエータなどの熱源から離し,直射日光を避けて保管する。 

ベルトを0 ℃以下の温度で保管している場合は,ベルトの柔軟性を回復し損傷を防ぐために,24時間以

上,10 ℃以上の状態に放置した後,巻きの固定をほどく。 

5.1.3 

湿度 

ベルトは,乾燥状態で保管するなど,結露を起こさないようにしなければならない。このことは,特に

綿などの天然繊維を心体帆布とするベルトに対して必要である。 

5.1.4 

光 

ベルトは,光,特に直射日光,強い紫外線を含む人工的な光などから保護しなければならない。 

5.1.5 

オゾン 

オゾンは,ベルトに用いるゴムに著しい悪影響を及ぼすことがある。オゾンを発生する蛍光灯,水銀灯,

高電圧電気装置,電気スパーク及び放電が発生するような装置が設置してある部屋,並びに光化学反応を

通してオゾンを生成する可能性がある可燃性ガス及び有機性の気体が発生する部屋で保管しないことが望

ましい。 

5.1.6 

他の有害物質 

ベルトは,酸,油,か性溶液(Caustic solutions),溶剤などのような有害物質と接触しないように保管し

なければならない。 

5.2 

保管形態 

ベルトは,次のように保管する。 

a) ロール側面が,底面となるようにして保管してはならない。 

b) 屋外に保管する場合は,水,泥,砂などから保護するために直接地面に置いてはならない。当て木の

上に置くと,ベルトに食い込む可能性があるので,パレットが望ましい。また,保管場所の地面は,

変形しにくく,水平が保たれていることが望ましい。 

c) 屋内に保管する場合は,床面に直接置いてもよいが,転がり防止用の対策を取らなければならない。 

d) ロールを積み重ねて保管してはならない。 

e) 質量が10 tを超え,厚いカバーゴムをもつロールは,巻き心にシャフトを挿入して掛け台に掛けてお

くことが望ましい。 

つり上げ 

ベルトは,次のようにつり上げる。 

a) ロールをつり上げる場合は,ベルト耳部分が損傷しないように,巻き心に挿入した鉄製シャフトの端

部を,ベルト幅より広いつり上げジグから出たロープ又はチェーンスリングでつり上げることが望ま

しい(図3参照)。 

b) ダブルロールをつり上げる場合は,鉄製シャフトを両方の巻き心に挿入しなければならない。 

c) ベルト本体又は固定バンドに,フックを直接取り付けてつり上げてはならない。 

d) ベルトの周囲にロープ又はチェーンスリングを巻き付けてつり上げてはならない。ベルトの幅方向に

力の配分が崩れたり,巻き崩れが起こり,ロールが斜めに落下する危険性がある(図4参照)。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

短距離搬送 

7.1 

フォークリフト搬送 

フォークリフトを用いる場合は,ロールの質量に合ったものを用い,フォークリフトのつめにクッショ

ン材を取り付けてから持ち上げるなど,ロールの外層が損傷しないようにしなければならない(図5参照)。

また,専用のブームがある場合は,巻き心のシャフト孔に挿入して持ち上げてもよい(図6参照)。そのと

きのブームの長さは,ロール幅の2/3以上のものを用いる。 

フォークリフトは,有資格者が操作しなければならない。 

7.2 

転がし搬送 

ロールを転がして搬送する場合は,巻きが緩んで巻き崩れが起こることを防ぐ目的で,図7に示す方向

に転がさなければならない。ベルトに損傷を与えるような床上ではロールを転がして搬送してはならない。 

図1−ダブルロール−巻き締め方法 

図2−エンドレスベルト 

図3−つり上げ方法(つり上げジグあり) 

図4−危険なつり上げ方法 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図5−フォークリフト搬送方法1 

図6−フォークリフト搬送方法2 

図7−ロールの転がし方向 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書JA 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS K 6377:2010 コンベヤゴムベルト−保管及び取扱い指針 

ISO 5285:2004 Conveyor belts−Guidelines for storage and handling 

(Ⅰ)JISの規定 

(Ⅱ) 
国際規格
番号 

(Ⅲ)国際規格の規定 

(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(Ⅴ)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号及び
題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

1 適用範囲 

JIS K 6322及び
JIS K 6369に規
定のコンベヤゴ
ムベルトに適用
する。 

コンベヤベルト[ただし,
樹脂コンベヤベルト(EN 
873に記載)は適用外とす
る。] 

変更 

JIS K 6322(布層コンベヤゴム
ベルト)及びJIS K 6369(スチ
ールコードコンベヤゴムベル
ト)に適用することを明確化し
た。 

この規格の適用範囲を明確とする
ために,対象となるコンベヤゴム
ベルトの2規格を追記した。 
ISOに提案する。 

3 用語及び定
義 

− 

追加 

用語及び定義を追加記載した。 
a)ダブルロール 
b)ロール側面 

a)ベルトを二つの巻き心を用いて
巻き取った包装形態を表すダブル
ロールについて,理解しやすいよ
うに追加した。ISOに提案する。 
b)ロールの部位を明確にするため
追加した。ISOに提案する。 

4 包装 

3.1 
 

− 

削除 
 
 
追加 

JISはシャフト孔の寸法を削除
した。 
 
巻き心が必要なベルトの質量
を20 kg以上と規定した。 

シャフト孔の寸法は,用いる巻き
心の種類及び設備によって選択で
きるため。 
質量が20 kg以上のベルトでは,巻
き心を用いないと,品質に悪影響
を与える可能性があるため。ISO
に提案する。 

6

K

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3

7

7

2

0

1

0

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(Ⅰ)JISの規定 

(Ⅱ) 
国際規格
番号 

(Ⅲ)国際規格の規定 

(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(Ⅴ)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号及び
題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

5 保管 

4.1 

ベルトを屋外で保管する
場合の保管条件 

削除 

特殊仕様のベルトにおける屋
外の保管条件についての記載
を削除。 

屋外に保管される場合は,どのよ
うな条件においても防水シート,
又は適正な材料で覆わないと品質
に悪影響を与える可能性があるた
め。ISOに提案する。 

ゴムの保管条件ISO 2230
を引用。 

削除 

ISO 2230の引用文を削除。 

ゴムだけの保管条件がコンベヤゴ
ムベルトの保管条件の実態と合わ
ないため。ISOに提案する。 

4.2 

ロールの積み上げ方法に
ついての注意事項。 

変更 

ロールを積み重ねて保管する
ことは禁止する内容に変更。 

ロールを積み重ねた場合には,落
下の危険性があると判断したた
め。ISOに提案する。 

通路の確保について 

削除 

通路を確保する方法について
の記載を削除。 

ベルトの保管について直接関係す
るものではないと判断したため。
ISOに提案する。 

6 つり上げ 


(Figure 3) 

巻き心に挿入するジグと
して鉄製シャフトを使用
しないで,布製,樹脂製
のスリングでつり上げる
場合の注意事項。 

削除 

布製,樹脂製のスリングを使用
してベルトをつり上げること
についての記載を削除。 

布製,樹脂製のスリングを使用し
てベルトをつり上げることは,制
約を設けたとしても,ベルトを損
傷させやすいと判断し,このよう
な方法を全面的に削除した。ISO
に提案する。 

7 短距離搬送 
7.1 フォーク
リフト搬送 
7.2 転がし搬
送 


 
7.1 
7.2 

コンベヤ装置へのベルト
の引き込み 
ベルトの交換 
ベルトの新設 

削除 

コンベヤ装置へのベルトの引
き込みについては全文を削除。 

コンベヤ装置の仕様は多種多様で
あるため,引き込みの手順及び方
法を一概に規定することはできな
いと判断し,これに関する記載は
全面的に削除した。ISOに提案す
る。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 5285:2004,MOD 

7

K

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3

7

7

2

0

1

0

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

  − 削除 ················ 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
  − 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
  − 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

  − MOD················ 国際規格を修正している。 

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3

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7

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