K 6330-8 : 1998 (ISO 6803 : 1994)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日
本工業規格である。
今回の制定は,対応する国際規格に整合させるために,ISO 6803 : 1994を基礎として用いた。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。主務大臣及び日本工業標準調査会は,
このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新案登
録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
JIS K 6330は,一般名称を“ゴム及び樹脂ホース試験方法”として,次の各部によって構成する。
第1部:寸法測定
第2部:耐圧性試験
第3部:負圧試験
第4部:低温試験
第5部:電気試験
第6部:接着試験
第7部:静的オゾン劣化試験
第8部:衝撃圧力試験
第9部:曲げ試験
第10部:液体透過性試験
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
K 6330-8 : 1998
(ISO 6803 : 1994)
ゴム及び樹脂ホース試験方法−
第8部:衝撃圧力試験
Testing methods for rubber and plastics hoses−
Part 8 : Hydraulic-pressure impulse test without flexing
序文 この規格は,1994年に第2版として発行されたISO 6803, Rubber or plastics hoses and hose assemblies
−Hydraulic -pressure impulse test without flexingを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することな
く作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある参考は,対応国際規格にはない事項である。
1. 適用範囲 この規格は,ゴム又は樹脂ホース及びホースアセンブリ(以下,ホースという。)の揺動な
し衝撃圧力試験について規定する。また,この規格は,使用中に脈動圧を受ける高圧ホースに適用する。
備考1. 揺動試験を行う必要がある場合は,ISO 6802 : 1991, Rubber and plastics hose and hose
assemblies with wire reinforcements−Hydraulic impulse test with fiexngに規定の方法を使用する
ことが望ましい。
2. この規格の対応国際規格を,次に示す。
ISO 6803 : 1994, Rubber or plastlcs hoses and hose assemblies−Hydraulic-pressure impulse test
without fiexing
参考 “Plastic hose” の和訳は,“プラスチックホース”が適当と思われるが,我が国の慣習によっ
て“樹脂ホース”とする。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格のうちで,発効年(又は発行年)を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの
規格の規定を構成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年(又は発行年)を付
記していない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 2213 タービン油
備考 ISO 3448 : 1992, Industrial liquid lubricants−ISO viscosity classificationからの引用事項はこの
規格の該当事項と同等である。
ISO/TR 11340 : 1994, Rubber and rubber products−Hydraulic hose assemblles−External leakage
classification for hydraulic systems
3. 装置
2
K 6330-8 : 1998 (ISO 6803 : 1994)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
3.1
加圧装置 規定の温度でホース内を循環する試験液を用い,1Hz±0.25Hzの周波数でホース内に衝
撃圧力を加えることができる装置。各衝撃圧力の周期は,付図1に示す許容差内になければならない。
衝撃圧力の昇圧速度Rの計算式を,次に示す。
R=f (10p−5)
ここに,
f: 衝撃圧力の周波数 (Hz)
p: 公称衝撃圧力 (MPa)
付図1に示すように,実昇圧速度は,計算値の±10%以内でなければならない。
3.2
グラフ記録計・デジタル記録装置・オシロスコープ 付図1に示す圧力波形を測定できなければな
らない。記録計は,固有周波数が250Hz以上で,固有周波数の0.6倍までの領域の周波数応答特性は5%
以内でなければならない。
4. 試験液 他に規定がなければ,JIS K 2213に規定する2種ISO VG 46の40℃における要求事項に適合
しなければならない。
5. 試験温度 ホース内を循環する液の温度は,次に示すいずれかによる。また,許容差は±3℃とする。
85℃,100℃,125℃,135℃,150℃
試験液の温度は,ホースの入口と出口で測定し,その平均値を試験温度とする。測定値は,いずれも試
験温度から3℃を超えてはならない。
6. 試料
6.1
試料は,ホースアセンブリ又は端末に適切な継手金具が付く長さのホースでなければならない。ま
た,他に規定がなければ試料は4本とする。
6.2
ホースの自由長さは,次に示す式で算出する。また,ホースの自由長さの許容差は,10
+%又は150
+mm
の大きいほうとする。
参考 自由長さとは,両端に継手金具を取り付けたホースにおいて,付図2のa)に示すとおり継手金
具を除いた部分の長さをいう。
a) 呼び径22以下のホース
180℃に曲げて取付け[付図2のb)]
d
d
r
l
2
2+
+
=π
ここに,
l: ホースの自由長さ (mm)
r: 最小曲げ半径 (mm)
d: ホース外径 (mm)
b) 呼び径22を超えるホース
90℃に曲げて取付け[付図2のc)]
d
d
r
l
2
2
2
+
+
=π
7. 手順
7.1
ホースを,試験装置に付図2のb)又は付図2のc)の状態に取り付ける。
3
K 6330-8 : 1998 (ISO 6803 : 1994)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
7.2
試験液が試験温度に達してから,付図1に示す衝撃波形の圧力を加える。試験は,別に規定する回
数,又はホースの破裂まで続ける。
衝撃圧力試験を中断し再開する場合,試験温度に達するまでにホースと継手金具の接合部からわずかな
漏れが生じることがあり,その場合は,ISO/TR 11340の分類に基づいて報告しなければならない。
参考 ISO/TR 11340の内容を付図3に示す。
8. 試験結果のまとめ
8.1
破裂するまでの回数を記録し,破裂しない場合は,実施した回数を記録する。
8.2
継手金具部での漏れ,継手金具離脱,又はホース破裂の場合,破裂箇所が継手金具端末から25mm,
又はホース外径と同じ寸法のいずれか大きいほうの範囲にある場合,アセンブリに欠陥があると判断する。
このような欠陥は,ホース本体は別の継手金具を付ければ規定要求事項を満たす可能性がある。
9. 試験報告書 試験報告書には,次の事項を記載する。
a) 適用規格番号
b) ホースの名称・種類・呼び径・継手金具の名称・外面層除去長さ・クリンプ径
c) 試験温度
d) 試験圧力
e) 試験液
f)
昇圧速度
g) 衝撃圧力の周波数
h) ホース取付け形状(90゚又は180゚)
i)
各ホースについて,漏れ又は破裂したときの衝撃圧力回数又は完了時点の回数
j)
各ホースについて,漏れ又は破裂が生じた位置及び状態,又は試験完了時の状態及び漏れ等級
k) 試験年月日
4
K 6330-8 : 1998 (ISO 6803 : 1994)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
備考1. 衝撃圧力波形の立上り昇圧速度は,試験圧力の15%と85%の点を直線で結んで求める。
2. 0点は,備考1.で求めた直線が圧力0の線と交わる点である。
3. 衝撃圧力の昇圧速度は,MPa/sで表す。
4. 周波数は,1Hz±0.25Hzに保たれなければならない。
5. 衝撃圧力の昇圧速度Rの計算式を,次に示す。
R=f (10p−5)
ここに,f:衝撃圧力の周波数 (Hz)
p:公称衝撃圧力 (MPa)
実際の昇圧速度の許容差は,計算値の±10%以内でなければならない。
付図1 衝撃圧力試験の圧力波形
5
K 6330-8 : 1998 (ISO 6803 : 1994)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図2 衝撃圧力試験用ホースの長さ
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K 6330-8 : 1998 (ISO 6803 : 1994)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図3 漏れ等級 (ISO/TR 11340)
7
K 6330-8 : 1998 (ISO 6803 : 1994)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ゴムホース試験方法原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
山 口 惇
横浜国立大学工学部
増 田 優
通商産業省基礎産業局化学製品課
大 嶋 清 治
通商産業省工業技術院標準部材料規格課
橋 本 繁 晴
財団法人日本規格協会
廣 庭 正
財団法人化学品検査協会
鈴 木 守
社団法人日本ゴム協会
照 山 勝
社団法人自動車技術会
神 代 啓
社団法人日本化学工業協会
原 正 雄
マツダ株式会社技術研究所
川 合 雄 二
社団法人日本建設機械化協会
田 仁 哲
社団法人日本工作機械工業会
三 浦 吉 成
社団法人日本油空圧工業会
有 光 幸 郎
社団法人日本農業機械工業会
林 武 彦
社団法人日本溶接協会
岩 橋 俊 彦
社団法人日本産業車両協会
小笠原 茂 之
日本ゴムホース工業会
兼 子 孝 泰
株式会社明治ゴム化成
青 柳 奈須雄
横浜ゴム株式会社
服 部 和 洋
東海ゴム工業株式会社
松 田 武 幸
株式会社ブリヂストン
鈴 木 広 志
帝都ゴム株式会社
加 藤 善 久
豊田合成株式会社
加 藤 雄 二
山下ゴム株式会社
渋 谷 政 典
株式会社十川ゴム
庭 田 正 久
日本ゴムホース工業会
(事務局)
三 須 武
社団法人日本化学工業協会
濱 島 俊 行
社団法人日本化学工業協会
解説文責 青柳奈須雄 横浜ゴム株式会社