K 6330-3:2014
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 装置及び器具 ··················································································································· 2
4 試料······························································································································· 2
5 状態調節························································································································· 2
6 試験温度························································································································· 2
7 試験圧力························································································································· 2
8 試験手順························································································································· 2
8.1 A法 ···························································································································· 2
8.2 B法····························································································································· 2
8.3 C法 ···························································································································· 3
9 試験報告書 ······················································································································ 4
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 5
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本ゴム工業会
(JRMA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべき
との申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS K 6330-3:1998は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS K 6330の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS K 6330-1 第1部:ホース及びホースアセンブリの寸法測定
JIS K 6330-2 第2部:ホース及びホースアセンブリの耐圧性
JIS K 6330-3 第3部:ホース及びホースアセンブリの耐負圧性
JIS K 6330-4 第4部:低温雰囲気下における柔軟性
JIS K 6330-5 第5部:電気試験
JIS K 6330-6 第6部:層間はく離強さの求め方
JIS K 6330-7 第7部:静的条件下での耐オゾン性評価
JIS K 6330-8 第8部:衝撃圧力試験
JIS K 6330-9 第9部:ホース及び管の曲げ特性
JIS K 6330-10 第10部:液体透過性試験
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日本工業規格 JIS
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ゴム及びプラスチックホース試験方法−
第3部:ホース及びホースアセンブリの耐負圧性
Testing methods for rubber and plastics hoses and hose assemblies-
Part 3: Determination of resistance to vacuum
序文
この規格は,2006年に第3版として発行されたISO 7233を基に技術的内容を変更して作成した日本工
業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
1
適用範囲
この規格は,ゴムホース,プラスチックホース,ゴムホースアセンブリ,及びプラスチックホースアセ
ンブリ(以下,ホースという。)の耐負圧性を求めるための三つの方法について規定する。
なお,各方法の使い分けは次による。
A法 呼び径80以下のホースに適用する。
B法 呼び径80を超えるホースに適用する。
C法 全ての呼び径のホースに適用する。
注記1 ホースアセンブリとは,継ぎ手金具付きホースを指す。
注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 7233:2006,Rubber and plastics hoses and hose assemblies−Determination of resistance to
vacuum(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 7502 マイクロメータ
JIS B 7507 ノギス
JIS B 7512 鋼製巻尺
JIS B 7516 金属製直尺
JIS K 6250 ゴム−物理試験方法通則
注記 ISO 23529,Rubber−General procedures for preparing and conditioning test pieces for physical test
2
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methods(MOD)
JIS Z 8401 数値の丸め方
3
装置及び器具
装置及び器具は,次による。
3.1
減圧装置 負圧計の付いた真空ポンプを使用し,試験圧力に達するまで試験手順に規定した速さで
減圧でき,かつ,規定した時間保持できる装置。
3.2
硬球 試料の内径を0.9倍し,小数点以下を切り捨てて1 mm単位に丸めた値の直径をもつ,表面が
滑らかな硬球。
3.3
2枚の透明な板 1枚は,真空ポンプを取り付けることのできる透明な板。もう1枚は,試料内部の
目視検査ができる透明な板。
3.4
長さ計測器 JIS B 7516に規定する金属製直尺又はJIS B 7512に規定する鋼製巻尺。
3.5
外径計測器 JIS B 7507に規定するノギス又はJIS B 7502に規定する外側マイクロメータ。
4
試料
4.1
試料の長さ 試料の長さは,継ぎ手金具又は試料に挿入されている試験金具の長さを除いて,最低1
mとする。ただし,製品が1 m未満の場合,製品を試験に用いてもよい。
4.2
試料の数 1本以上とする。
5
状態調節
製造後24時間以上経過したもので試験を行う。状態調節は,JIS K 6250に規定する標準温度(23 ℃±
2 ℃)で3時間以上調節する。状態調節の時間は,製造後の経過時間に含めてもよい。ただし,受渡当事
者間の取決めがあれば,状態調節を20
10
0
+ ℃で行ってもよい。
6
試験温度
全ての試験は,JIS K 6250に規定する標準温度(23 ℃±2 ℃)で行う。ただし,受渡当事者間の取決め
があれば,試験を20
100
+ ℃で行ってもよい。
7
試験圧力
ホース製品仕様書に規定する圧力で行う。
8
試験手順
8.1
A法
平らな面にできるだけ一直線になるように試料を置き,一端を密栓する。試料に硬球を挿入し,他端に
真空ポンプと負圧計とを接続する。試験圧力まで60秒以内に減圧して10分以上保持し,その間外面のへ
こみ,つぶれなどの有無を検査し,試料を傾けたときに全長にわたって硬球が移動するかどうかによって,
内面の変形及び剝離を検査する。
8.2
B法
試料の両端に透明な板を取り付け,一端の板に真空ポンプと負圧計とを接続する。試験圧力まで60秒以
内に減圧して10分以上保持し,他端からの照明によって,内面の剝離,膨れ,へこみ,つぶれなどの有無
3
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を検査する。外面についても,へこみ,つぶれなどの有無を検査する。
8.3
C法
減圧前に図1のように試料の中央部に500 mm間隔(L1)の標線A及び標線Bを付ける。標線Aと標線
Bとの中央に標線Cを付ける。標線Cを含むホース断面上のほぼ直交する二つの直径を外径計測器(3.5
参照)を用いて測定し,その平均値を外径(D1)とする(JIS K 6330-1参照)。試料の一端を密栓し,他端
に真空ポンプと負圧計とを接続する。片端は,固定せず自由に動けるようにして,試験圧力まで減圧し,
10分以上保持した後,標線Aと標線Bとの距離(L2)及び標線C上の図2に示すように減圧によって変
形した試料の最小外径寸法(短径)(D2)を測定する。減圧開放後の測定は,負圧時の測定が終わってか
ら内圧を戻し,完全に負圧がなくなってから10分間経過後,標線Aと標線Bとの距離(L3)及び標線C
上の短径(D3)を測定する。減圧時の長さの変化率(∆Lt)及び外径の変化率(∆Dt),並びに減圧開放後の
長さの変化率(∆Lp)及び外径の変化率(∆Dp)は,それぞれ式(1)〜式(4)によって算出し,JIS Z 8401によ
って丸めの幅0.1で表す。
減圧開放後,内面の剝離,膨れ,へこみ,つぶれなどの有無を検査する。外面についても,へこみ,つ
ぶれなどの有無を検査する。ただし,継ぎ手金具又は試料に挿入されている試験金具の長さを除いて,500
mm未満のホースは,長さ変化率,外径変化率の測定をする必要はないが,減圧開放後の内面及び外面の
剝離,膨れ,へこみ,つぶれなどの有無は検査する。
a) 長さの変化率
100
Δ
1
1
2
t
×
−
=
L
L
L
L
····································································· (1)
100
Δ
1
1
3
p
×
−
=
L
L
L
L
····································································· (2)
ここに, ∆Lt: 減圧時の長さの変化率(%)
∆Lp: 減圧開放後の長さの変化率(%)
L1: 減圧前の標線Aと標線Bとの距離(mm)
L2: 減圧時の標線Aと標線Bとの距離(mm)
L3: 減圧開放後の標線Aと標線Bとの距離(mm)
b) 外径の変化率
100
Δ
1
1
2
t
×
−
=
D
D
D
D
···································································· (3)
100
Δ
1
1
3
p
×
−
=
D
D
D
D
···································································· (4)
ここに, ∆Dt: 減圧時の外径の変化率(%)
∆Dp: 減圧開放後の外径の変化率(%)
D1: 減圧前の外径(mm)
D2: 減圧時の短径(mm)
D3: 減圧開放後の短径(mm)
4
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単位 mm
図1−標線の描き方
図2−変形した試料の最小外径寸法(短径)
9
試験報告書
試験報告書には,次の事項を記載する。
a) この規格の番号:JIS K 6330-3
b) ホース及びホースアセンブリの名称・種類・呼び径
c) 試験方法
d) 試料数及び長さ
e) 試験圧力
f)
試験圧力保持時間
g) 各試料の試験結果
A法の場合:外面の異常の有無,内面の変形の有無(硬球が全長を移動したかの確認)
B法の場合:内外面の異常の有無
C法の場合:長さ変化率,外径変化率,内外面の異常の有無
h) 試験年月日
参考文献 JIS K 6330-1 ゴム及びプラスチックホース試験方法−第1部:ホース及びホースアセンブリ
の寸法測定
附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS K 6330-3:2014 ゴム及びプラスチックホース試験方法−第3部:ホース及び
ホースアセンブリの耐負圧性
ISO 7233:2006 Rubber and plastics hoses and hose assemblies−Determination of
resistance to vacuum
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技
術的差異の理由及び今後
の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
3 装置及び
器具
3.4 長さ計測器
3.5 外径計測器
4
長さ計測器,外径計測器
については記載なし。
追加
試験に使用する計測器を明記した。
計測器を明記しただけで
あり技術的な差異はない。
4 試料
4.2 試料の数
1本以上とする。
5
試料の数については記
載なし。
追加
試験内容の実情に合わせて試料の数
が1本でもよいことを明記した。
ISO見直し時に規定の変
更を提案する。
5 状態調節 JIS K 6250に規定する標準温度
(23 ℃±2 ℃)で3時間以上
調節する。ただし,受渡当事者
間の取決めがあれば,状態調節
温度は20
100
+ ℃で行ってもよ
い。
6
状態調節を標準温度で
行う。
変更
熱帯又は亜熱帯地方で適用される標
準温度27 ℃±2 ℃は一般に使用し
ないため,23 ℃±2 ℃と明記した。
受渡当事者間の取決めがあれば,状
態調節温度は20
100
+ ℃で行ってもよ
いこととした。
日本の実情に合わせた追
加であり技術的な差異は
ない。
6 試験温度 試験は標準温度(23 ℃±2 ℃)
で行う。
受渡当事者間の取決めがあれ
ば,試験を20
100
+ ℃で行っても
よい。
−
−
追加
試験温度を追加した。
ISO見直し時に規定の変
更を提案する。
8 試験手順 8.3 C法
標線Cを含むホース断面上のほ
ぼ直交する二つの直径を外径
計測器(3.5参照)を用いて測
定し,その平均値を外径(D1)
とする(JIS K 6330-1参照)。
10
外径の測定方法につい
ての記載なし。
追加
JIS K 6330-1を参照し,外径測定方
法を追加した。
ISO見直し時に規定の変
更を提案する。
3
K
6
3
3
0
-3
:
2
0
1
4
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技
術的差異の理由及び今後
の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
8 試験手順
(続き)
減圧時,減圧開放後の外径は,
標線C上の短径を測定する。
減圧時,減圧開放後の外
径測定方法についての
記載なし。
追加
減圧時,減圧開放後の外径は,標線
C上の短径を測定することを追加し
た。
ISO見直し時に規定の変
更を提案する。
長さの変化率及び外径の変化
率は,JIS Z 8401によって丸め
の幅0.1で表す。
数値の丸め方の記載な
し。
追加
試験結果の数値の丸め方を追加し
た。
ISO見直し時に規定の変
更を提案する。
減圧開放後,内面の剝離,膨れ,
へこみ,つぶれなどの有無を検
査する。外面についても,へこ
み,つぶれなどの有無を検査す
る。
内外面の検査の記載な
し。
追加
一般に,減圧開放後に内外面の検査
が行われているため追加した。
ISO見直し時に規定の変
更を提案する。
継ぎ手金具又は試料に挿入さ
れている試験金具の長さを除
いて,500 mm未満のホースは,
長さ変化率,外径変化率の測定
をする必要はないが,減圧開放
後の内面,外面の剝離,膨れ,
へこみ,つぶれなどの有無は検
査する。
500 mm未満のホースに
ついての記載なし。
追加
長さを測定するためには,ホースの
長さが500 mm以上必要であるが,
減圧開放後の内外面の検査は500
mmより短いホースでも可能である
ため,追加した。
ISO見直し時に規定の変
更を提案する。
図2−変形した試料の最小外径
寸法(短径)
−
追加
変形した試料の最小外径寸法(短径)
の説明として,図2を追加した。
ISO見直し時に規定の変
更を提案する。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 7233:2006,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD ··············· 国際規格を修正している。
3
K
6
3
3
0
-3
:
2
0
1
4
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。