2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
K6304-1994
自転車タイヤ用チューブ
Inner tubes for bicycle tyres
1. 適用範囲 この規格は,JIS K 6302に規定する自転車用タイヤに用いるチューブ(以下,チューブと
いう。)について規定する。
備考1
この規格の引用規格を,次に示す。
JIS D 4207 自動車用タイヤバルブ
JIS D 9422 自転車用タイヤバルブ
JIS K 6251 加硫ゴムの引張試験方法
JIS K 6302 自転車用タイヤ
2. この規格の中で{ }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって規
格値である。ただし,従来単位は1995年4月1日から参考値とする。
関連規格 JIS Z 8203 国際単位系 (SI) 及びその使い方
2. 種類 チューブの種類は,材質によって区分し,表1のとおりとする。
表1 種類
A種 ブチルゴム及びこれに準ずるもの
B種
天然ゴム及びこれに準ずるもの
3. チューブの呼び チューブの呼びは,適合するタイヤの呼びによって表す。
4
材料
4.1
チューブ チューブは,すべて使用目的に適合するように配合したゴムを材料として輪形に加硫成
形したものにJIS D 9422若しくはJIS D 4207に適合する又はこれらと同等以上の気密性を有するタイヤバ
ルブを取り付けたものでなければならない。
5. 品質
5.1
外観 チューブの外観は,肉厚,形体ともに均整で,傷,割れ,空気漏れ等の使用上有害な欠点が
ないものとする。
5.2
性能 チューブの性能は,呼び又は種類によって区分し,6.によって試験し,表2の規定に適合しな
ければならない。
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K6304-1994
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表2 自転車タイヤ用チューブの性能
項目
試験
性能
適用試験箇条
継ぎ目の引張強さ
継ぎ目の引張試験
A種
3MPa {30kgf/cm2} 以上
6.1
B種
6MPa {60kgf/cm2} 以上
バルブゴム座の接着強さ(1)
バルブゴム座の接着力試験
0.15kN {15kgf} 以上
6.2
チューブの気密性
チューブの気密性試験
空気が漏れないこと
6.3
走行耐久性(2)
走行耐久性試験
チ
ュ
ー
ブ
の
呼
び
外径18以下のもの
2 000km
6.4
外径20以上25以下のもの
3 000km
外径26以上で
幅13/8(又は1.37)未満のもの
外径26以上で
幅13/8(又は1.37)以上のもの
5 000km
注(1) JIS D 9422のメタルベースバルブを用いたチューブには適用しない。
(2) チューブの呼び別に規定する走行耐久距離に到達するまで走行試験を行った時,その間走行に耐え,更に
走行後チューブの気密性を試験した時,空気漏れがあってはならない。
なお,運搬車用タイヤに用いるチューブには適用しない。
6. 試験方法
6.1
継ぎ目の引張強さ試験 JIS K 6251に規定する方法によって,試験片はダンベル状3号形を使用す
る。図1のように試料から継ぎ目の箇所がダンベル状3号形の試験片の平行部分のほぼ中央になるように
試験片を採り,引張強さを測定し,これを継ぎ目の引張強さとする。
図1 試験片の採り方
6.2
バルブゴム座の接着力試験 試料を切断した試験片は,バルブを含めた一方をゴム座から約10mm
他方をバルブボデーから約100mmの位置で試料を切断して採る。
試験機は6.1の引張試験機を用い,一方のつかみ具にバルブボデーを取り付け,他方のつかみ具に試験
片の他の端末(バルブボデーから長さ100mmの側)を取り付けて,毎分500±25mmの速さで引張試験を
行い,バルブ本体がはく離するときの最大荷重を求めて,バルブの接着力とする。この場合バルブのボデ
ーとゴム座の間で破壊し,又はチューブ本体が切断した場合は規定に適合するものとする。
なお,ゴム座裏面にチューブ本体の面積の50%以上付着しているときは,チューブ本体の切断とみなす。
6.3 チューブの気密性試験 チューブは,その原形の太さの最大120%の太さになるように空気を満たし,
24時間室温に保持した後,目立った空気漏れがあるかどうか調べる。
目立った空気漏れが認められた場合は,再び前と同様に空気を満たし,水中に1分間浸して,1気泡以
上の気泡があるかどうかを調べる。
6.4
走行耐久性試験 試料を同じ呼びの自転車用タイヤに封入して適合するリムに装着し,JIS K 6302
の5.8(走行耐久性試験)に規定する方法によって,ドラムの表面の走行距離が表1に規定する距離に到達
するまで走行試験を行う。
その間,走行に耐えるかどうかを調べ,試験後,6.3の規定による気密性試験を行い,適合するかどうか
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K6304-1994
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
を調べる。
なお,試験室の温度は,試料から1m以上離れた位置で測って25±10℃とする。
7. 表示 チューブは,容易に消えない方法で,次の事項を表示しなければならない。
(1) 呼び
(2) 製造業者名又はその略号
(3) 製造番号又は製造記号
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JIS K 6304(自転車タイヤ用チューブ)工業標準改正原案調査作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
三 好 和 雄
財団法人日本車両検査協会
(委員)
小 脇 一 朗
通商産業省機械情報産業局
田 中 正 躬
通商産業省基礎産業局
山 村 修 蔵
工業技術院標準部
地 崎 修
工業技術院標準部
新 保 智
郵政省大臣官房財務部
中 西 利 康
財団法人自転車産業振興協会
黒 木 勝 也
財団法人日本規格協会
瀬 尾 宏 介
国民生活センター商品テスト部
古 川 哲 夫
財団法人日本消費者協会
小河原 順
ブリヂストンサイクル株式会社生産技術部
大 塚 俊 実
ナショナル自転車工業株式会社商品開発部
橋 本 正 城
新家工業株式会社研究開発室
天 野 源 紀
丸石自転車株式会社製造部
小 倉 建 昭
社団法人日本自転車工業会
広 瀬 昇
三ッ星ベルト株式会社タイヤ部
石 田 純 一
井上護謨工業株式会社技術部
高 村 健 夫
ナショナルタイヤ株式会社開発技術室
中 崎 栄 治
住友ゴム工業株式会社技術本部
首 藤 寛 文
株式会社シンコー技術部
森 口 幸 一
株式会社共和TQC推進室
(事務局)
小 林 光
日本自転車タイヤ工業組合
〈順不同〉