サイトトップへこのカテゴリの一覧へ

K 6297:2020  

(1) 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

4 原理······························································································································· 4 

5 試験装置························································································································· 4 

6 試験装置の校正 ················································································································ 7 

7 試験片···························································································································· 7 

7.1 試験片の採取・作製 ······································································································· 7 

7.2 保護フィルム ················································································································ 7 

8 試験温度························································································································· 7 

9 試験方法························································································································· 7 

9.1 概要 ···························································································································· 7 

9.2 試験片の取付け ············································································································· 7 

9.3 粘度試験 ······················································································································ 7 

9.4 応力緩和試験 ················································································································ 8 

10 結果のまとめ方 ·············································································································· 8 

11 試験精度 ······················································································································· 9 

12 試験報告書 ···················································································································· 9 

附属書A(規定)試験装置の校正 ··························································································· 10 

附属書B(参考)試験精度 ···································································································· 12 

附属書JA(参考)せん断弾性率とムーニー粘度との相関性 ························································· 14 

附属書JB(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 23 

K 6297:2020  

(2) 

まえがき 

この規格は,産業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本ゴム工業会(JRMA)及び

一般財団法人日本規格協会(JSA)から,産業標準原案を添えて日本産業規格を制定すべきとの申出があ

り,日本産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本産業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

日本産業規格          JIS 

K 6297:2020 

未加硫ゴム−ロータレス密閉式レオメータを用いた

粘度及び応力緩和の求め方 

Rubber, unvulcanized-Determination of viscosity and stress relaxation 

using a rotorless sealed rheometer 

序文 

この規格は,2012年に第1版として発行されたISO 13145を基とし,技術的内容を変更して作成した日

本産業規格である。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JBに示す。 

適用範囲 

この規格は,原料ゴム又は未加硫配合ゴムの一定条件下での粘度及び応力緩和の求め方について規定す

る。 

警告1 この規格の利用者は,通常の実験室での作業に精通していることを前提とする。この規格は,

その使用に関連して起こる全ての安全上の問題を取り扱おうとするものではない。この規格

の利用者は,各自の責任において安全及び健康に対する適切な措置をとらなければならない。 

警告2 この規格で規定している試験を行う上で,使用する物質,生成する物質及び廃棄物が,環境

に及ぼす有害性を考慮し,取扱い及び廃棄を含む全ての行為に関しては,これらの関連する

法令・規制要求事項に従う。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 13145:2012,Rubber−Determination of viscosity and stress relaxation using a rotorless sealed 

shear rheometer(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)

は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS K 6200 ゴム−用語 

注記 対応国際規格:ISO 1382,Rubber−Vocabulary 

JIS K 6300-1:2013 未加硫ゴム−物理特性−第1部:ムーニー粘度計による粘度及びスコーチタイム

の求め方 

K 6297:2020  

注記 対応国際規格:ISO 289-1:2005,Rubber, unvulcanized−Determinations using a shearing-disc 

viscometer−Part 1: Determination of Mooney viscosity及びISO 289-2:1994,Rubber, unvulcanized

−Determinations using a shearing-disc viscometer−Part 2: Determination of pre-vulcanization 

characteristics 

JIS K 6300-2:2001 未加硫ゴム−物理特性−第2部:振動式加硫試験機による加硫特性の求め方 

注記 対応国際規格:ISO 6502:1999,Rubber−Guide to the use of curemeters この対応国際規格は,

2018年に改訂されISO 6502-3:2018,Rubber−Measurement of vulcanization characteristics using 

curemeters−Part 3: Rotorless curemeterとなっている。 

JIS Z 8401 数値の丸め方 

ISO 18899:2013,Rubber−Guide to the calibration of test equipment 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS K 6200によるほか,次による。 

3.1 

ロータレス密閉式レオメータ(rotorless sealed shear rheometer) 

温度を制御した二つのダイで構成されるキャビティの中に試験片を充塡し,一方のダイを他方に対して

ねじり振動を与えることによって,試験片に応力又はひずみを与え,粘弾性特性を測定する試験機。 

3.2 

正弦波ひずみ,γ(t)(sinusoidal strain) 

キャビティを構成するダイの振動によって生じるひずみ。 

注記 正弦波ひずみは,次の式によって求められる。 

γ(t)=γ0 sin(ωt) 

ここに, 

γ0: 最大ひずみ振幅 

ω: ねじり角速度 

3.3 

損失角,δ(loss angle) 

ひずみと応力との位相角。 

注記1 損失角は,材料の粘性挙動の尺度である。粘弾性体の場合,損失角は0°〜90°の値を取る。

損失角が90°のときは理想的なニュートン液体である。 

注記2 損失角の正接は,損失正接(tan δ)又は損失係数となる。 

3.4 

複素トルク,S*(complex torque) 

正弦波ひずみを付与することで装置によって測定したトルク。 

注記 複素トルクは,複素数(S*=S'+iS")で表されるベクトルである。 

3.5 

貯蔵トルク,S'(elastic torque) 

正弦波ひずみと同位相のトルクの値。 

注記 貯蔵トルクは,次の式によって求められる。 

S'=|S*| cos δ 

background image

K 6297:2020  

3.6 

損失トルク,S"(loss torque) 

正弦波ひずみに対して90°位相が遅れたトルク。 

注記 損失トルクは,次の式によって求められる。 

S''=|S*| sin δ 

3.7 

複素せん断弾性率,G*(complex shear modulus) 

複素せん断応力を複素せん断ひずみで除した値。 

注記1 複素せん断弾性率は,次の式によって求められる。 

G*=G'+iG" 

注記2 一般的に複素せん断弾性率G*は,|G*|(G*の絶対値)として表される。 

|G*|は,S*の絶対値にキャビティ形状に関連する幾何学的係数を乗じた複素せん断応力を

与えられたひずみで除して求める。 

具体的には,この規格で規定する試験装置の場合,複素せん断ひずみは,正弦波ひずみの

最大ひずみ振幅に等しく,複素せん断弾性率は,次の式によって求められる。 

σ(複素せん断応力)=S*/(2/3×π×R3) 

|G*|=σ/γ0=|S*|/(2/3×π×R3)/γ0 

ここに, 

R: ダイの半径 

π: 円周率 

3.8 

貯蔵せん断弾性率,G'(elastic shear modulus) 

せん断ひずみと同位相のせん断応力を,せん断ひずみで除した値。 

注記1 貯蔵せん断弾性率は,次の式によって求められる。 

G'=|G*| cos δ 

注記2 一般的に同位相のせん断応力は,複素せん断応力とせん断ひずみとを用いて,次の式によっ

て求められる。 

σ'(同位相のせん断応力)=σ(複素せん断応力)×cos δ=S* cos δ/(2/3×π×R3) 

G'=|G*| cos δ=σ'/γ0=σ cos δ/γ0=|S*| cos δ/(2/3×π×R3)/γ0 

3.9 

損失せん断弾性率,G''(loss shear modulus) 

せん断ひずみに対して90°位相が遅れたせん断応力を,せん断ひずみで除した値。 

注記1 損失せん断弾性率は,次の式によって求められる。 

G''=|G*| sin δ 

注記2 一般的に90°位相が遅れたせん断応力は,複素せん断応力とせん断ひずみとを用いて,次の

式によって求められる。 

σ''(90°位相が遅れたせん断応力)=σ(複素せん断応力)×sin δ 

=S* sin δ/(2/3×π×R3) 

G"=|G*| sin δ=σ''/γ0=σ sin δ/γ0=|S*| sin δ/(2/3×π×R3)/γ0 

3.10 

損失正接,tan δ(tangent of the loss angle) 

K 6297:2020  

損失せん断弾性率と貯蔵せん断弾性率との比。 

原理 

粘度の測定は,一定のひずみ,温度及び周波数において密閉されたキャビティ内で,一方のダイにねじ

り振動を加えて試験片を変形させることで発生するひずみによって,試験片に生じるトルク(貯蔵トルク

S',損失トルクS''及び複素トルクS*)を,特定の温度,周波数及び振幅の条件下で測定し,複素せん断弾

性率,貯蔵せん断弾性率,損失せん断弾性率,損失正接及び応力緩和を求める。 

応力緩和は,一定の静的ひずみ及び一定温度下でのトルク低下から求める。この試験は,原料ゴム又は

未加硫配合ゴムで広範囲の粘度領域の測定にも応用することが可能である。 

注記 せん断弾性率とJIS K 6300-1:2013に規定するムーニー粘度との相関性を,附属書JAに記載す

る。 

試験装置 

5.1 

一般 試験装置には,ロータレス密閉式レオメータ(図1参照)を用いる。ロータレス密閉式レオ

メータは,キャビティに試験片を規定の力で密封し,加熱する二つのダイからなる。 

試験装置は,JIS K 6300-2:2001の11.1による。ただし,装置のねじり振動数は,毎秒0.1回(0.1 Hz)

以下,試験片に与えるひずみ率は,150 %以上を選択可能でなければならない。 

5.2 

振動装置 試験装置の後ろに組み込まれる振動装置(図1参照)は,モータによって一方のダイ(通

常は下側)から試験片にねじり振動を与える。 

振動振幅θは,適用するひずみに応じて変えることができる。加えられた最大ひずみ振幅γ0を求める場

合は,試験で使用した振動振幅及びダイの形状(双円すい形)から,次の式によって求める。 

γ0=θ/φ 

ここに, 

φ: 双円すい形ダイの特性角 

注記 図1の例ではφ=7°10′,150 %ひずみの場合θ=10°40′である。 

background image

K 6297:2020  

単位 mm 

a) 測定原理図 

図1−ロータレス密閉式レオメータの例 

background image

K 6297:2020  

単位 mm 

b) ダイ(上及び下) 

c) 試験片 

 1 ヒータ 

5 上部ダイ 

9 シール材 

2 下部ダイ 

6 温度センサ 

10 振動装置 

3 下部シール板 

7 トルク測定装置 

11 溝部 

4 上部シール板 

8 試験片 

図1−ロータレス密閉式レオメータの例(続き) 

K 6297:2020  

試験装置の校正 

試験装置の校正は,附属書Aによる。 

試験片 

7.1 

試験片の採取・作製 

試験片の採取・作製は,JIS K 6300-1:2013の5.3.1による。ただし,試験片の体積は,キャビティの容

積よりも大きめ(一般的に,キャビティの1.1倍〜1.2倍)とし,ダイを閉じたときにダイの全ての端部か

ら少量の材料が押し出される体積とする。試験片の体積は,図1に示す典型的なロータレス密閉式レオメ

ータでは,4 cm3〜5 cm3である。試験片は,一定量を適切な装置で打ち抜いて作製する。再現性をより良

くするために,試験片間の質量のばらつきの目安は,±0.5 gとする。試験前の試験片の状態調節は,(23

±5)℃で3時間以上行うことが望ましい。 

7.2 

保護フィルム 

試験片とダイとの間に保護フィルム(例えば,0.025 mm厚)を挿入してもよい。保護フィルムの使用に

よって,ダイ内部に残った材料の洗浄が不要となる。保護フィルムは,試験片と反応してはならない。ま

た,保護フィルムは,試験結果に影響を及ぼす可能性があるので,使用する場合は,それらの仕様(材料,

最高使用温度,厚さ,剛性など)を報告書に記載する。 

注記 保護フィルムに適した材料には,セロハン,ポリエステル,ナイロン,高密度ポリエチレン

(100 ℃以下の測定),無地のコーティングされていない布地などがある。 

試験温度 

試験温度は,100 ℃とする。ただし,受渡当事者間で取り決めた,異なる温度で測定してもよい。 

注記 温度が高すぎると,試験片が劣化する場合がある。 

試験方法 

9.1 

概要 

この試験方法は,粘度試験と応力緩和試験とで構成する。応力緩和試験が不要な場合は,粘度試験だけ

を行ってもよい。ダイを閉じた状態で両方のダイの温度を試験温度にする。試験片を充塡する前に,必要

なゼロ調整,及び力又はトルク測定装置の範囲の選択をしなければならない。 

9.2 

試験片の取付け 

試験片の取付け及びダイの開閉は,できるだけ速やかに行う。試験片を挿入した直後にダイを閉じる。

試験片を取り除いた後,ダイの温度が設定値の±0.3 ℃のときは,すぐに別の試験片を挿入することができ

る。そうでない場合は,ダイを閉じて温度を設定値まで回復させる。 

試験片とダイとの間に保護フィルムを使用しない場合,試験片による汚染がダイ上に蓄積する可能性が

あり,汚染が発生した場合,最終トルク値に影響を及ぼす可能性がある。汚染の発生を検出するために標

準ゴムを使用してもよい。汚染が発生した場合は,それを除去しなければならない。クリーニングには細

心の注意を払う必要があり,試験機の製造元の指示に従う。 

注記 ムーニー粘度の標準ゴムとしては,ASTM D5900[1]に規定するIRM 241などがある。 

9.3 

粘度試験 

粘度試験は,次の手順を連続的に行う。 

a) 予熱 ダイが静止し,ダイを閉じた状態で,100 ℃で1分間保持する。 

background image

K 6297:2020  

b) 100 ℃での時間掃引 下側のダイを0.1 Hzの周波数で150 %の正弦波ひずみ振動を合計6回加え,最

後の3回の周期で測定した損失角δ,並びにS',S''及びS*の最大トルクからせん断弾性率(G',G''及

びG*)を算出し,各々の結果の平均値を求める。 

9.4 

応力緩和試験 

応力緩和試験は,次の手順を連続的に行う。 

a) 予熱 ダイが静止し,ダイを閉じた状態で,100 ℃で1分間保持する。 

b) 100 ℃での時間掃引 下側のダイに0.1 Hzの周波数で150 %の正弦波ひずみ振動を合計6回加える。 

c) 応力緩和 試験片をダイに静止させた状態で,100 ℃で1分間保持する(この操作は,掃引後の残留

応力除去に必要である。)。その後,0.1 Hz相当の速度で150 %ひずみを1回加える。この直後のトル

ク(S*0)を測定する。さらに,1秒後(S*1)及び20秒後(S*20)のトルクを測定する。トルク測定

の間は,150 %のひずみを35秒間維持する。 

10 

結果のまとめ方 

試験結果のまとめ方は,次による。数値の丸め方は,JIS Z 8401の規則Aに従って丸め,有効数字3桁

で表す。 

なお,9.3によって得られた値から求める,150 %ひずみにおける複素せん断弾性率G*は,ゴムの粘性

挙動を評価するための代表的なパラメータとなる(3.7参照)。 

a) せん断弾性率 せん断弾性率のまとめ方は,次による。 

1) 150 %ひずみにおける複素せん断弾性率G*(kPa) 150 %ひずみにおけるG*は,次の式によって

求め,|G*|(150 %)として表す。 

|G*|(150 %)=|S*|×1 000/(2/3×π×R3)/γ0(150 %) (kPa) 

ここに, 

S*: 複素トルク(N・m) 

π: 円周率 

R: ダイの半径(m) 

γ0(150 %): 150/100 

2) 150 %ひずみにおける貯蔵せん断弾性率G'(kPa) 150 %ひずみにおけるG'は,次の式によって求

め,G'(150 %)として表す。 

G'(150 %)=|G*|(150 %)×cos δ (kPa) 

ここに, 

δ: 損失角 

3) 150 %ひずみにおける損失せん断弾性率G''(kPa) 150 %ひずみにおけるG''は,次の式によって

求め,G''(150 %)として表す。 

G''(150 %)=|G*|(150 %)×sin δ (kPa) 

4) 150 %ひずみにおける損失正接tan δ 150 %ひずみにおけるtan δは,次の式によって求め,tan δと

して表す。 

tan δ(150 %)=G''(150 %)/G'(150 %) 

b) 応力緩和 応力緩和は,150 %ひずみを与えてから1秒後のトルク低下率(ΔS1)及び20秒後のトル

ク低下率(ΔS20)として表し,次による。 

1) 1秒後のトルク低下率ΔS1(%) ΔS1は,次の式で求める。 

ΔS1=S*1/S*0×100 

ここに, 

S*1: 150 %ひずみを与えて1秒後の複素トルク 

S*0: 150 %ひずみを与えた直後の複素トルク 

K 6297:2020  

2) 20秒後のトルク低下率ΔS20(%) ΔS20は,次の式で求める。 

ΔS20=S*20/S*0×100 

ここに, 

S*20: 150 %ひずみを与えて20秒後の複素トルク 

S*0: 150 %ひずみを与えた直後の複素トルク 

11 

試験精度 

試験精度は,附属書Bを参照。 

12 

試験報告書 

試験報告書には,次の事項を記録しなければならない。 

a) 試料の詳細 

1) サンプルの明細,履歴など 

2) 試料及び試験片の採取・作製方法 

b) 試験方法 

1) この規格の番号及び名称 

c) 試験の詳細 

1) 試験室の温度 

2) 試験前の状態調節の時間及び温度 

3) ロータレス密閉式レオメータの種類 

4) 使用したフィルム(上側及び下側)の仕様 

5) この規格に規定されていない手順の詳細 

6) 試験した試験片の数 

7) 試験温度 

d) 試験結果 

1) 個々の試験結果 

2) 個々の試験結果の平均値 

e) 試験年月日 

10 

K 6297:2020  

附属書A 

(規定) 

試験装置の校正 

A.1 一般 

試験装置の校正は,製造元の指示に従って実施する。力又はトルクは,使用範囲の数点を測定する。さ

らに,校正点は,使用中に確認できる条件が含まれることが望ましい。安定したゴム標準配合物で,定期

的に試験することによって,一貫した性能を保つことができる。 

A.2 点検 

試験装置の校正を行う場合,事前に,校正する項目の現状を,校正報告書又は証明書で記録された点検

結果によって確認する。校正が,納入時の状態の校正なのか,又は異常若しくは欠陥を修理した後の校正

なのかも確認する。 

試験装置が,規定した測定値を含め,要求試験精度を満たしていて,校正する必要がない場合も,その

ことを確認する。要求測定値が変化しやすい傾向にある場合は,定期点検の必要性を詳細な校正方法に記

載する。 

A.3 試験装置の校正計画 

試験装置の校正及び点検は,この規格の要求事項である。校正周期については,特に規定がない場合,

ISO 18899:2013の指針を参考にして使用者の自由裁量で決めてもよい。 

表A.1に,規定する校正項目,必要条件などを含む校正計画を示す。校正項目及び測定値は,試験装置

本体,装置の一部又は補助的な装置にも適用する。 

それぞれの校正項目についての校正には,ISO 18899:2013,その他の発行文書,又は試験方法に詳細に

規定された手順を用いてもよい(ISO 18899:2013よりも詳細に規定した校正方法が記載されている場合に

は,それを用いる。)。 

それぞれの項目の校正周期は,記号で示し,各記号の意味は,次による。 

N 初期確認 

ISO 18899:2013による標準的な校正周期 

background image

11 

K 6297:2020  

表A.1−校正計画 

校正項目 

必要条件 

ISO 18899:2013の箇条番号 

校正周期 

ダイの表面硬度 

JIS K 6300-2:2001による 

15.5 

ダイの寸法 

JIS K 6300-2:2001による 

15.2 

型締め力 

JIS K 6300-2:2001による 

21.3 

発振周波数 

(0.1±0.005)Hz 

23.3 

温度分解能 

0.1 ℃ 

18 

温度精度 

±0.3 ℃ 

18 

予熱時間及び応力回復時間 

1 min 

18 

トルク変換器の精度 

±1 % 

21.4 

記録計の応答時間 

≦1 s 

14.6 

表A.1に規定する項目に加えて,次の機器の使用も含んでおり,それら全てに校正が必要である。校正

方法は,ISO 18899:2013による。 

a) ダイの寸法を測定するための機器 

b) 型締め力確認用ロードセル 

c) タイマ 

d) ひずみ測定装置 

e) 状態調節及び試験温度を監視するための温度計 

background image

12 

K 6297:2020  

附属書B 

(参考) 
試験精度 

B.1 

概要 

ISO/TR 9272:2005[2]に従って,試験室間試験プログラム(Interlaboratory Test Program)を実施し,繰返

し精度及び再現精度を求めた。 

B.2 

実験の詳細 

この測定は,13か所の試験室が参加し,異なる3種類の試験片を使用して行われた。 

実験室内での繰返し回数は,2回で7日間の間隔をおいて実施した。測定時には,試験片と各ダイとの

間にPET保護フィルム(厚さ0.025 mm)を1枚ずつ挿入し,次のパラメータを求めた。 

a) 粘度試験において,最後の3回の周期の間に測定した平均値から貯蔵せん断弾性率(G'),損失せん断

弾性率(G'')及び損失正接(tan δ)を求めた。 

b) 応力緩和試験において,1秒後のトルク低下率ΔS1(%)及び20秒後のトルク低下率ΔS20(%)を求

めた。 

B.3 

精度の結果 

タイプ1(試験室間)で求めた試験精度を表B.1〜表B.5に示す。表中の記号は,次による。 

sr 

:試験室内の標準偏差 

:測定単位での試験室内繰返し精度 

(r) :試験室内繰返し精度(%) 

sR :試験室間の標準偏差 

:測定単位での試験室間再現精度 

(R) :試験室間再現精度(%) 

表B.1−150 %ひずみにおけるG'の精度データ 

ゴム材料 

平均 

kPa 

試験室内 

試験室間 

sr 

(r) 

sR 

(R) 

Nd BR 

21.39 

0.342 

0.97 

4.5 

0.642 

1.82 

 8.5 

SBR 1723 

17.86 

0.302 

0.86 

4.8 

0.498 

1.41 

 7.9 

TSR 20 

52.19 

1.424 

4.03 

7.7 

2.110 

5.97 

11.4 

表B.2−150 %ひずみにおけるG''の精度データ 

ゴム材料 

平均 

kPa 

試験室内 

試験室間 

sr 

(r) 

sR 

(R) 

Nd BR 

29.31 

0.313 

0.89 

3.0 

0.576 

1.63 

5.6 

SBR 1723 

18.59 

0.261 

0.74 

4.0 

0.368 

1.04 

5.6 

TSR 20 

34.18 

0.325 

0.92 

2.7 

0.954 

2.70 

7.9 

background image

13 

K 6297:2020  

表B.3−150 %ひずみにおけるtan δの精度データ 

ゴム材料 

平均 

kPa 

試験室内 

試験室間 

sr 

(r) 

sR 

(R) 

Nd BR 

1.36 

0.011 

0.03 

2.3 

0.014 

0.04 

2.9 

SBR 1723 

1.04 

0.013 

0.04 

3.4 

0.027 

0.08 

7.2 

TSR 20 

0.66 

0.016 

0.05 

6.9 

0.017 

0.05 

7.4 

表B.4−150 %ひずみにおける1秒後のトルク低下率 

ゴム材料 

平均 

kPa 

試験室内 

試験室間 

sr 

(r) 

sR 

(R) 

Nd BR 

88.33 

0.143 

0.40 

0.5 

2.282 

6.56 

 7.3 

SBR 1723 

81.83 

0.186 

0.53 

0.6 

1.990 

5.63 

 6.9 

TSR 20 

63.21 

0.536 

1.52 

2.4 

2.297 

6.50 

10.3 

表B.5−150 %ひずみにおける20秒後のトルク低下率 

ゴム材料 

平均 

kPa 

試験室内 

試験室間 

sr 

(r) 

sR 

(R) 

Nd BR 

97.41 

0.191 

0.54 

0.6 

0.305 

0.86 

0.9 

SBR 1723 

94.53 

0.220 

0.62 

0.7 

0.273 

0.77 

0.8 

TSR 20 

87.47 

0.374 

1.06 

1.2 

1.361 

3.85 

4.4 

14 

K 6297:2020  

附属書JA 

(参考) 

せん断弾性率とムーニー粘度との相関性 

JA.1 概要 

ロータレス密閉式レオメータで測定したせん断弾性率(G',G''及びG*)とJIS K 6300-1:2013に従って

測定したムーニー粘度との相関性の検証を実施した。 

JA.2 試験の詳細 

この試験は,3か所の試験室が参加し,異なる12種類の試験片を用いて2013年10月〜2014年4月の間

に実施した。試験の詳細は,次による。 

a) 試験装置 試験装置は,次による。 

1) ロータレス密閉式レオメータ この規格に基づくもの(試験機 #1及び試験機 #2) 

2) ムーニー粘度計 JIS K 6300-1:2013に基づくもの(試験機 #3及び試験機 #4) 

b) 試験条件 試験条件は,次による。 

1) ロータレス密閉式レオメータ 

1.1) 試験温度 

:100 ℃ 

1.2) 予熱時間 

:1 min 

1.3) ひずみ率 

:±150 % 

1.4) 試験時間 

:1 min(ひずみ振動6回) 

2) ムーニー粘度計 

2.1) 試験温度 

:100 ℃ 

2.2) 予熱時間 

:1 min 

2.3) ロータ形状 

:L形 

2.4) ロータ回転時間 

:4 min 

c) 測定する物性値 測定する物性値は,次による。 

1) ロータレス密閉式レオメータ 最後の3回の周期で測定した貯蔵トルク(S'),損失トルク(S'')及

び複素トルク(S*)の最大トルクの平均値から貯蔵せん断弾性率(G'),損失せん断弾性率(G''),

複素せん断弾性率(G*)及び損失正接(tan δ)を求めた。 

2) ムーニー粘度計 ムーニー粘度[ML(1+4),100 ℃] 

d) 試験片の種類 原料ゴム及び未加硫配合ゴム 

e) 配合条件及び混練り条件 JIS K 6251:2017[3]の附属書A及びJIS K 6264-2:2005[4]の附属書2に従う。 

f) 

相関性 G'(150 %),G''(150 %)及び|G*|(150 %)と[ML(1+4),100 ℃]との相関性・繰返し

精度を算出した。 

JA.3 試験の結果 

JA.3.1 原料ゴムによるせん断弾性率とムーニー粘度との相関性試験結果 

原料ゴムによるせん断弾性率とムーニー粘度との相関性試験結果は,次による。 

a) 試験片は,異なる5種類の原料ゴムとして2種のクロロプレンゴム(CR #1及びCR #2),ニトリルゴ

background image

15 

K 6297:2020  

ム(NBR),水素添加ニトリルゴム(HNBR)及びシリコーンゴム(Q)を選定した。実験結果を表JA.1

及び表JA.2に,相関性のグラフを図JA.1〜図JA.3に示す。 

表JA.1−原料ゴムにおけるせん断弾性率とムーニー粘度との相関性データ(その1) 

ロータレス密閉式レオメータ 

ムーニー粘度 

試験機 #1 

試験機 #3 

G' 

kPa 

G'' 

kPa 

|G*| 

kPa 

tan δ 

S* 

N・m 

ML1+4 

CR #1 

17.84 

27.47 

32.75 

1.539 9 

0.906 

44.6 

17.84 

27.47 

32.75 

1.539 9 

0.906 

44.3 

17.85 

27.38 

32.68 

1.534 0 

0.904 

45.4 

平均 

17.843 

27.440 

32.727 

1.537 93 

0.905 3 

44.77 

標準偏差 

0.004 9 

0.053 0 

0.041 7 

0.003 4 

0.001 2 

0.569 

CV 

0.03 % 

0.19 % 

0.13 % 

0.22 % 

0.13 % 

1.27 % 

CR #2 

54.37 

52.87 

75.84 

0.927 5 

2.098 

121.1 

53.55 

52.99 

75.34 

0.989 6 

2.084 

120.8 

52.96 

52.41 

74.50 

0.989 6 

2.061 

121.6 

平均 

53.627 

52.757 

75.227 

0.968 90 

2.081 0 

121.17 

標準偏差 

0.710 3 

0.309 6 

0.675 3 

0.009 9 

0.018 7 

0.404 

CV 

1.32 % 

0.59 % 

0.90 % 

1.00 % 

0.90 % 

0.33 % 

NBR 

7.60 

16.60 

18.26 

2.184 2 

0.505 

30.3 

7.60 

16.68 

18.33 

2.194 3 

0.507 

30.0 

7.51 

16.48 

18.11 

2.194 3 

0.501 

31.3 

平均 

7.570 

16.587 

18.233 

2.190 93 

0.504 3 

30.53 

標準偏差 

0.051 6 

0.099 3 

0.110 4 

0.005 8 

0.003 1 

0.681 

CV 

0.68 % 

0.60 % 

0.61 % 

0.27 % 

0.61 % 

2.23 % 

HNBR 

64.78 

76.12 

99.95 

1.175 0 

2.765 

147.8 

64.06 

76.35 

99.67 

1.191 8 

2.757 

147.3 

64.94 

74.70 

98.98 

1.150 4 

2.738 

147.7 

平均 

64.593 

75.723 

99.533 

1.172 40 

2.753 3 

147.60 

標準偏差 

0.465 6 

0.892 8 

0.501 3 

0.020 8 

0.013 9 

0.265 

CV 

0.72 % 

1.18 % 

0.50 % 

1.78 % 

0.50 % 

0.18 % 

10.73 

23.75 

26.06 

2.214 8 

0.721 

39.5 

10.54 

23.68 

25.92 

2.246 0 

0.717 

39.1 

10.71 

23.84 

26.14 

2.225 1 

0.723 

39.2 

平均 

10.660 

23.757 

26.040 

2.228 63 

0.720 3 

39.27 

標準偏差 

0.102 6 

0.080 5 

0.110 4 

0.015 9 

0.003 1 

0.208 

CV 

0.96 % 

0.34 % 

0.42 % 

0.72 % 

0.42 % 

0.53 % 

background image

16 

K 6297:2020  

表JA.2−原料ゴムにおけるせん断弾性率とムーニー粘度との相関性データ(その2) 

ロータレス密閉式レオメータ 

ムーニー粘度 

試験機 #2 

試験機 #4 

G' 

kPa 

G'' 

kPa 

|G*| 

kPa 

tan δ 

S* 

N・m 

ML1+4 

CR #1 

16.90 

25.75 

30.80 

1.523 7 

8.50 

41.5 

17.03 

25.79 

30.90 

1.514 4 

8.52 

41.9 

16.71 

25.56 

30.53 

1.529 6 

8.42 

41.8 

16.87 

25.69 

30.73 

1.522 8 

8.48 

42.0 

16.64 

25.65 

30.58 

1.541 5 

8.43 

42.1 

平均 

16.830 

25.688 

30.708 

1.526 40 

8.470 

41.86 

標準偏差 

0.160 9 

0.089 6 

0.153 2 

0.010 31 

0.043 6 

0.230 

CV 

0.95 % 

0.48 % 

0.62 % 

0.50 % 

0.62 % 

0.55 % 

CR #2 

51.69 

51.09 

72.68 

0.988 4 

20.05 

117.6 

51.15 

51.03 

72.25 

0.997 7 

19.93 

117.2 

49.47 

50.68 

70.82 

1.024 5 

19.54 

117.6 

51.21 

50.64 

72.02 

0.988 9 

19.87 

117.7 

51.32 

50.84 

72.24 

0.990 6 

19.94 

117.5 

平均 

50.968 

50.856 

72.002 

0.998 0 

19.866 

117.52 

標準偏差 

0.863 3 

0.201 8 

0.702 7 

0.015 3 

0.193 5 

0.192 

CV 

2.28 % 

0.43 % 

1.35 % 

1.87 % 

1.34 % 

0.16 % 

NBR 

7.16 

14.97 

16.59 

2.090 8 

4.48 

26.9 

6.93 

14.87 

16.41 

2.145 7 

4.53 

27.0 

7.03 

15.13 

16.69 

2.152 2 

4.60 

26.7 

7.16 

15.13 

16.74 

2.113 1 

4.62 

27.1 

7.12 

15.35 

16.92 

2.155 9 

4.67 

27.0 

平均 

7.080 

15.090 

16.670 

2.131 54 

4.580 

26.94 

標準偏差 

0.099 2 

0.182 8 

0.188 3 

0.028 4 

0.075 2 

0.152 

CV 

1.64 % 

0.87 % 

0.86 % 

1.58 % 

0.79 % 

0.56 % 

HNBR 

72.18 

82.53 

109.64 

1.143 4 

30.27 

143.5 

72.53 

81.72 

109.26 

1.126 7 

30.13 

142.7 

74.26 

83.75 

111.93 

1.127 8 

30.87 

143.6 

75.29 

82.49 

111.69 

1.095 6 

30.82 

144.8 

75.30 

83.06 

112.11 

1.103 1 

30.92 

144.2 

平均 

73.912 

82.710 

110.926 

1.119 32 

30.602 

143.76 

標準偏差 

1.488 0 

0.752 5 

1.362 3 

0.019 6 

0.372 0 

0.789 

CV 

1.53 % 

1.24 % 

1.31 % 

0.82 % 

1.29 % 

0.55 % 

10.17 

20.81 

23.16 

2.046 2 

6.39 

35.4 

10.37 

20.84 

23.28 

2.009 6 

6.42 

35.3 

10.27 

20.91 

23.29 

2.036 0 

6.43 

35.4 

10.30 

20.81 

23.22 

2.020 4 

6.41 

35.5 

10.27 

20.68 

23.09 

2.013 6 

6.37 

35.6 

平均 

10.276 

20.810 

23.208 

2.025 16 

6.404 

35.44 

標準偏差 

0.072 0 

0.083 4 

0.084 1 

0.015 5 

0.024 1 

0.114 

CV 

0.97 % 

0.25 % 

0.31 % 

0.93 % 

0.32 % 

0.32 % 

background image

17 

K 6297:2020  

図JA.1−貯蔵せん断弾性率(G')とムーニー粘度との相関性(原料ゴム) 

図JA.2−損失せん断弾性率(G'')とムーニー粘度との相関性(原料ゴム) 

background image

18 

K 6297:2020  

図JA.3−複素せん断弾性率(|G*|)とムーニー粘度との相関性(原料ゴム) 

b) 原料ゴムでは,貯蔵せん断弾性率(G'),損失せん断弾性率(G'')及び複素せん断弾性率(|G*|)は,

ムーニー粘度と良好な直線的相関を得た。 

このことから,ロータレス密閉式レオメータによって測定された原料ゴムのG',G''及び|G*|は,従

来のムーニー粘度に対して代替指標としての有用性が認められた。 

JA.3.2 未加硫配合ゴムによるせん断弾性率とムーニー粘度との相関性試験結果 

未加硫配合ゴムによるせん断弾性率とムーニー粘度との相関性試験結果は,次による。 

a) 試験片は,原料ゴムとしてスチレンブタジエンゴム(SBR)及びエチレンプロピレンゴム(EPDM)

を使用し,異なる7種類の未加硫配合ゴムを選定した。実験結果を表JA.3及び表JA.4に,相関性の

グラフを図JA.4〜図JA.6に示す。 

background image

19 

K 6297:2020  

表JA.3−未加硫配合ゴムにおけるせん断弾性率とムーニー粘度との相関性データ(SBR) 

ロータレス密閉式レオメータ 

ムーニー粘度 

試験機 #1 

試験機 #3 

試験機 #4 

G' 

kPa 

G'' 

kPa 

|G*| 

kPa 

tan δ 

S* 

N・m 

ML1+4 

ML1+4 

SBR 
(CB35phr) 
JIS K 6251 

23.30 

35.21 

42.22 

1.510 8 

1.168 

46.0 

57.8 

22.62 

34.84 

41.54 

1.539 9 

1.149 

44.7 

57.8 

23.14 

35.10 

42.04 

1.516 6 

1.163 

45.0 

57.7 

23.14 

35.23 

42.15 

1.522 4 

1.166 

44.8 

57.7 

23.24 

35.25 

42.22 

1.516 6 

1.168 

45.1 

57.8 

平均 

23.088 

35.126 

42.034 

1.521 26 

1.162 8 

45.12 

57.76 

標準偏差 

0.241 9 

0.152 1 

0.255 6 

0.010 0 

0.007 1 

0.462 

0.049 

CV 

1.05 % 

0.44 % 

0.61 % 

0.66 % 

0.61 % 

1.02 % 

0.08 % 

SBR 
(CB50phr) 
JIS K 6251 

29.91 

45.53 

54.48 

1.522 4 

1.507 

57.3 

74.8 

29.83 

45.76 

54.62 

1.534 0 

1.511 

57.4 

74.8 

29.83 

45.59 

54.48 

1.528 2 

1.507 

57.0 

74.7 

29.91 

45.88 

54.77 

1.534 0 

1.515 

58.0 

74.8 

29.51 

45.62 

54.33 

1.545 8 

1.503 

56.9 

74.7 

平均 

29.798 

45.676 

54.536 

1.532 88 

1.508 6 

57.32 

74.76 

標準偏差 

0.148 4 

0.126 9 

0.148 7 

0.007 8 

0.004 1 

0.387 

0.049 

CV 

0.49 % 

0.28 % 

0.27 % 

0.51 % 

0.27 % 

0.67 % 

0.07 % 

SBR 
(CB75phr) 
JIS K 6251 

46.96 

70.14 

84.41 

1.493 8 

2.335 

91.2 

109.0 

46.37 

69.53 

83.58 

1.499 4 

2.312 

90.1 

109.1 

45.93 

69.13 

83.00 

1.505 1 

2.296 

91.3 

109.1 

47.61 

70.05 

84.70 

1.471 5 

2.343 

89.6 

109.1 

47.67 

70.41 

85.02 

1.477 0 

2.352 

89.0 

109.2 

平均 

46.908 

69.852 

84.142 

1.489 36 

2.327 6 

90.24 

109.10 

標準偏差 

0.681 5 

0.460 1 

0.744 9 

0.013 0 

0.020 6 

0.896 

0.063 

CV 

1.45 % 

0.66 % 

0.89 % 

0.87 % 

0.89 % 

0.99 % 

0.06 % 

SBR 
(CB60phr) 
JIS K 6264-2 

18.32 

27.58 

33.11 

1.510 0 

0.916 

39.0 

46.1 

18.33 

27.49 

33.04 

1.499 4 

0.914 

39.4 

46.0 

18.20 

27.40 

32.90 

1.505 1 

0.910 

39.7 

46.0 

18.28 

27.52 

33.04 

1.505 1 

0.914 

39.1 

46.1 

18.41 

27.61 

33.19 

1.499 4 

0.918 

39.8 

46.2 

平均 

18.308 

27.520 

33.056 

1.503 80 

0.914 4 

39.40 

46.08 

標準偏差 

0.068 5 

0.073 5 

0.095 6 

0.004 0 

0.002 7 

0.316 

0.075 

CV 

0.37 % 

0.27 % 

0.29 % 

0.19 % 

0.29 % 

0.80 % 

0.16 % 

SBR 
(CB80phr) 
JIS K 6264-2 

27.30 

40.32 

48.69 

1.477 0 

1.347 

55.1 

64.2 

27.31 

40.18 

48.59 

1.471 5 

1.344 

56.4 

64.1 

26.67 

39.83 

47.93 

1.493 8 

1.326 

55.9 

64.1 

27.15 

39.94 

48.30 

1.471 5 

1.336 

55.6 

64.2 

27.23 

40.06 

48.44 

1.471 5 

1.340 

55.5 

64.1 

平均 

27.132 

40.066 

48.390 

1.477 06 

1.338 6 

55.70 

64.14 

標準偏差 

0.238 0 

0.172 7 

0.265 4 

0.008 6 

0.007 3 

0.434 

0.049 

CV 

0.88 % 

0.43 % 

0.55 % 

0.59 % 

0.55 % 

0.78 % 

0.10 % 

SBR 
(CB100phr) 
JIS K 6264-2 

44.75 

61.59 

76.13 

1.376 4 

2.106 

78.2 

90.2 

44.39 

61.09 

75.52 

1.376 4 

2.089 

78.8 

90.0 

44.88 

61.32 

75.99 

1.366 3 

2.102 

79.0 

90.3 

44.77 

61.40 

75.99 

1.371 3 

2.102 

80.3 

90.2 

44.96 

61.44 

76.13 

1.366 3 

2.106 

78.8 

90.2 

平均 

44.750 

61.368 

75.952 

1.371 34 

2.101 0 

79.02 

90.18 

標準偏差 

0.195 4 

0.164 4 

0.224 9 

0.004 5 

0.006 3 

0.694 

0.098 

CV 

0.44 % 

0.27 % 

0.30 % 

0.33 % 

0.30 % 

0.88 % 

0.11 % 

background image

20 

K 6297:2020  

表JA.4−未加硫配合ゴムにおけるせん断弾性率とムーニー粘度との相関性データ(EPDM) 

ロータレス密閉式レオメータ 

ムーニー粘度 

試験機 #1 

試験機 #3 

試験機 #4 

G' 

kPa 

G'' 

kPa 

|G*| 

kPa 

tan δ 

S* 

N・m 

ML1+4 

ML1+4 

EPDM 
JIS K 6251 

12.72 

28.44 

31.16 

2.235 5 

0.862 

33.9 

42.1 

12.67 

28.47 

31.16 

2.246 0 

0.862 

33.2 

42.0 

12.72 

28.44 

31.16 

2.235 5 

0.862 

33.5 

42.0 

12.84 

28.71 

31.45 

2.235 5 

0.870 

32.9 

42.0 

12.73 

28.60 

31.31 

2.246 0 

0.866 

33.4 

41.9 

平均 

12.736 

28.532 

31.248 

2.239 70 

0.864 4 

33.38 

42.00 

標準偏差 

0.056 1 

0.106 8 

0.116 5 

0.005 1 

0.003 2 

0.331 

0.063 

CV 

0.43 % 

0.37 % 

0.37 % 

0.23 % 

0.37 % 

0.99 % 

0.15 % 

図JA.4−貯蔵せん断弾性率(G')とムーニー粘度との相関性(未加硫配合ゴム) 

background image

21 

K 6297:2020  

図JA.5−損失せん断弾性率(G'')とムーニー粘度との相関性(未加硫配合ゴム) 

図JA.6− 複素せん断弾性率(|G*|)とムーニー粘度との相関性(未加硫配合ゴム) 

b) 未加硫配合ゴムでは,貯蔵せん断弾性率(G'),損失せん断弾性率(G''),及び複素せん断弾性率(|G*|)

は,ムーニー粘度と良好な直線的相関を得た。 

このことから,ロータレス密閉式レオメータによって測定された未加硫配合ゴムのG',G''及び|G*|

は,従来のムーニー粘度に対して代替指標としての有用性が認められた。 

JA.3.3 試験結果のまとめ 

原料ゴム及び未加硫配合ゴムの各試料試験片を使用して,せん断弾性率とムーニー粘度との相関性を試

験した結果,いずれの条件においても貯蔵せん断弾性率(G'),損失せん断弾性率(G'')及び複素せん断

22 

K 6297:2020  

弾性率(|G*|)は,ムーニー粘度と良好な直線的相関を得た。このことからロータレス密閉式レオメータ

によって測定された各種ゴムのせん断弾性率(G',G''及びG*)は,従来のムーニー粘度に対する代替指

標として有用であることが認められた。 

注記 一般的にムーニー粘度が100を超える試料の測定では,試験装置のロータ部と試料との間に滑

りが発生する場合があるので,正確な測定には十分に注意する必要がある。 

参考文献  

[1] ASTM D5900,Standard Specification for Physical and Chemical Properties of Industry Reference Materials 

(IRM) 

[2] ISO/TR 9272:2005,Rubber and rubber products−Determination of precision for test method standards 

[3] JIS K 6251:2017 加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方 

[4] JIS K 6264-2:2005 加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−耐摩耗性の求め方−第2部:試験方法 

background image

23 

K 6297:2020  

附属書JB 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS K 6297:2020 未加硫ゴム−ロータレス密閉式レオメータを用いた粘度及び
応力緩和の求め方 

ISO 13145:2012,Rubber−Determination of viscosity and stress relaxation using a 
rotorless sealed shear rheometer 

(I)JISの規定 

(II)国際 
規格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

4 原理 

− 

原理 

追加 

測定できる特性値の詳細を追加 

規格内で用いる用語の定義を分か
りやすくするための修正。 

5 試験装置 5.1 一般 

5.1 

一般 

変更 

JIS K 6300-2に同一形式装置の概
要が記載されているので,“JIS K 
6300-2:2001の11.1による。”とし
た。 

他のJISとの関連性を分かりやす
くするための修正。 

7 試験片 

7.1 試験片の採取・
作製 

7.1 

試験片の採取・作製 

追加 

ムーニー粘度試験との整合性を保
つため,“試験片の採取・作製は,
JIS K 6300-1:2013の5.3.1による。”
を追加。 

対応国際規格には,試験片の採
取・作製方法の具体的な記載がな
いため,試験手順を分かりやすく
するための修正。 

変更 

現在,一般的に市販されている試験
装置のキャビティ容積を満たすた
めの試験片体積の参考目安を明記。 

試験結果の再現性向上のための修
正。 

9 試験方法 9.1 概要 

試験方法 

追加 

対応国際規格では粘度試験及び弾
性率(応力緩和)試験が同じ手順で
あるが,厳密には異なる手順である
ので,明確化のため,それぞれの手
順として分離することを明記。 

対応国際規格では曖昧な手順であ
り,分かりやすくするための追加。 

 
 
 
 
 

2

K

 6

2

9

7

2

0

2

0

background image

24 

K 6297:2020  

(I)JISの規定 

(II)国際 
規格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

9 試験方法 
(続き) 

9.3 粘度試験 

試験方法 

追加 

対応国際規格では粘度試験及び弾
性率(応力緩和)試験が同じ手順で
あるが,厳密には異なる手順である
ので,明確化のため,それぞれの手
順として分離。 
具体的に求めるべき測定値として
“最後の3回の周期で測定した平
均トルクを求める。”を明記。 

対応国際規格では具体的な試験手
順及び測定値の求め方が規定され
ていないので明確にするため追
加。 

9.4 応力緩和試験 

試験方法 

追加 

c) 150 %ひずみの時間の規定を追
記。 

対応国際規格では曖昧な内容を分
かりやすくするための追加。 

10 結果の
まとめ方 

結果のまとめ方 

10 

結果のまとめ方 

追加 

対応国際規格では数値の丸め方は
規定していない。 

JISでは,試験結果の有効桁数を
明確にするために追加。 

変更 

対応国際規格で規定している試験
報告の様式を修正。 

JISで規定している一般的な試験
報告様式へ修正。 

追加 

対応国際規格で規定していない測
定値の単位,計算方法を追加。 

対応国際規格では曖昧な内容を分
かりやすくするための追加。 

12 試験報
告書 

試験報告書作成の
方法 

12 

報告書記載順序 

変更 

一般的なJISの報告様式に従って
項目順序を修正。 

JISで規定している一般的な試験
報告様式へ変更。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 13145:2012,MOD 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

− MOD ··············· 国際規格を修正している。 

2

K

 6

2

9

7

2

0

2

0