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K 6252-2:2015  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

2A 用語及び定義 ················································································································ 2 

3 原理······························································································································· 2 

4 試験装置························································································································· 2 

5 試験装置の校正 ················································································································ 2 

6 試験片···························································································································· 2 

6.1 試験片の形状及び打抜き ································································································· 2 

6.2 試験片の形状の測定 ······································································································· 2 

6.3 加硫又は成形から試験までの時間······················································································ 5 

6.4 試験片の数 ··················································································································· 5 

7 試験温度························································································································· 5 

8 操作方法························································································································· 5 

9 計算······························································································································· 5 

10 試験精度 ······················································································································· 5 

11 試験報告書 ···················································································································· 5 

附属書A(参考)精度 ··········································································································· 7 

附属書B(規定)試験装置の校正 ···························································································· 9 

附属書JA(参考)測定方法1:読取顕微鏡による測定 ································································ 10 

附属書JB(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 12 

K 6252-2:2015  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本ゴム工業会(JRMA)及び

一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があ

り,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。これによって,JIS 

K 6252:2007は廃止され,その一部を分割して制定したこの規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS K 6252の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS K 6252-1 第1部:トラウザ形,アングル形及びクレセント形試験片を用いる方法 

JIS K 6252-2 第2部:デルフト形試験片を用いる方法 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 6252-2:2015 

加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引裂強さの求め方− 

第2部:デルフト形試験片を用いる方法 

Rubber, vulcanized or thermoplastic-Determination of tear strength- 

Part 2: Small (Delft) test pieces 

序文 

この規格は,2011年に第3版として発行されたISO 34-2を基とし,技術的内容を変更して作成した日

本工業規格である。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JBに示す。 

適用範囲 

この規格は,加硫ゴム及び熱可塑性ゴムのデルフト形試験片の引裂強さの求め方について規定する。 

注記1 この試験は,限られた量の試料しか得られない場合に行い,小さな製品の試験に適している。 

注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 34-2:2011,Rubber, vulcanized or thermoplastic−Determination of tear strength−Part 2: Small 

(Delft) test pieces(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

警告 この規格の利用者は,通常の実験室での作業に精通していることを前提とする。この規格は,

その使用に関して起こる全ての安全上の問題を取り扱おうとするものではない。この規格の利

用者は,各自の責任において安全及び健康に対する適切な措置をとらなければならない。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)

は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS K 6200 ゴム−用語 

JIS K 6250 ゴム−物理試験方法通則 

注記 対応国際規格:ISO 23529,Rubber−General procedures for preparing and conditioning test pieces 

for physical test methods(MOD) 

JIS K 6272 ゴム−引張,曲げ及び圧縮試験機(定速)−仕様 

注記 対応国際規格:ISO 5893,Rubber and plastics test equipment−Tensile, flexural and compression 

types (constant rate of traverse)−Specification(MOD) 

K 6252-2:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS Z 8401 数値の丸め方 

ISO 18899:2004,Rubber−Guide to the calibration of test equipment 

2A 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS K 6200によるほか,次による。 

2A.1 

デルフト形引裂強さ(delft tear strength) 

デルフト形試験片の切込みを起点として引き裂くのに要する力の最大値を,試験片が引き裂かれる部分

の断面積(8 mm2)当たりに換算した値。 

原理 

この規格では,中央に切込み(貫通したスリット)のある試験片(図3参照)を長辺方向に引っ張って,

短辺方向に引き裂く力を求める。 

注記 この規格は,アングル形,クレセント形及びトラウザ形試験片を用いるJIS K 6252-1で得られ

る結果と必ずしも一致するものではない。 

試験装置 

4.1 

引張試験機 引張試験機は,(500±50) mm/minの移動速度をもち,JIS K 6272の4.(試験機の等級

分類)に規定する力計測系の等級が1級以上の精度をもつものを用いる。 

4.2 

試験片の打抜き型 試験片の打抜き型の形状は,図1及び図2による。 

4.3 

マイクロメータゲージ JIS K 6250の10.1(寸法測定)のa) に規定する直径約6 mmの円形の測定

子をもち,(22±5) kPaの圧力を与えることのできるもの。 

4.4 

読取顕微鏡 倍率10倍以上で0.01 mmまで読み取れるもの。 

試験装置の校正 

試験装置の校正は,附属書Bによる。 

試験片 

6.1 

試験片の形状及び打抜き 

試料は,金型成形か,又は製品からの切出し若しくはバフ掛けによって均一の厚さのシート状で,厚さ 

(2.0±0.2) mmになるように作製する。 

試験片は,図3及び表1の寸法のものとする。 

試験片は,試料から4.2の打抜き型を用いて木づち(槌)又はプレスによって1回で打ち抜く。試料は,

水又は石けん(鹸)水でぬらし,表面が硬くて平たん(坦)な台の上に刃をきずつけないように柔らかい

シート(例えば,皮,ゴムベルト,厚紙)を置いて打ち抜く。切込みは,打抜きと同時に行う。 

引裂強さは,特に列理(グレーン)の方向に影響を受けるので,通常,試験片の長辺方向は,列理方向

と直角とする。列理の影響を評価する場合には,列理方向に直角及び平行に試験片を打ち抜く。 

試験片の厚さdは,(2.0±0.2) mmとする。 

6.2 

試験片の形状の測定 

6.2.1 

厚さの測定 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

試験片の厚さは,マイクロメータゲージを用いてJIS K 6250の10.1(寸法測定)のA法による。切込み

の近くの少なくとも3か所の厚さを測定し,中央値を試験片の厚さとする。それぞれの測定値は,平均値

の±2 %でなければならない。複数回の試験結果を比較する場合,それぞれの試験片の厚さの中央値は,

全ての試験片の厚さの中央値の±10 %でなければならない。 

単位 mm 

図1−デルフト形試験片の打抜き型 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

単位 mm 

a) 打抜き刃拡大図 

b) 切込み刃拡大図 

図2−デルフト形試験片の打抜き刃及び切込み刃 

図3−デルフト形試験片 

表1−試験片の形状 

形状 

数値 

mm 

L 長さ 

60 

B 幅 

9.0±0.1 

b 切込み長さ 

5.0±0.1 

6.2.2 

切込みの外幅の測定 

6.2.2.1 

一般 

デルフト形試験片において実際に引き裂かれる幅(b3)は,切込み部の両外側の合計の幅(図3におい

てのb3=B−b)に相当する。 

b3の測定方法は,次の二つがある。測定方法1は,理論的にはより正確であるが,実行するには難しい。

測定方法2は,よく用いる簡単な方法であるが,測定結果は,測定方法1と異なる場合がある。通常は,

測定方法2を用いる。 

異なる方法で測定した試験片を用いた試験結果は,比較してはならない。 

6.2.2.2 

測定方法1:読取顕微鏡による測定 

測定方法1は,附属書JAを参照する。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

6.2.2.3 

測定方法2:打抜き型の形状からの算出 

次の式を用いて打抜き型の形状(図1)から,引き裂かれる幅(b3)を算出する。 

w

W

b

=

3

ここに, 

W: 打抜き刃の間隔 

w: 切込みを入れる刃の幅 

6.3 

加硫又は成形から試験までの時間 

加硫又は成形から試験までの時間は,JIS K 6250の7.(試料及び試験片の保管)による。 

6.4 

試験片の数 

試験片の数は,少なくとも3個とする。列理の方向の影響を評価する場合は,列理方向に平行及び直角

の3個ずつで計6個とする。 

試験温度 

試験温度は,JIS K 6250の11.2(試験温度及び試験湿度)に規定する標準試験温度とする。標準試験温

度以外の温度で試験を行う場合には,JIS K 6250の11.2.2(その他の試験温度)から選択する。 

標準試験温度以外で試験をする場合,直ちに試験を行わず,試験片が試験温度になるまで試験温度での

状態調節を十分に行う必要がある。ただし,試験片の劣化を避けるため,必要最小限の時間にすることが

重要である[JIS K 6250の9.(試験片の状態調節)参照]。 

比較評価する場合には,同じ温度で試験をしなければならない。 

操作方法 

箇条7に従って状態調節を行った後,つかみ具の間隔が,30 mmとなるように試験片の切込みを中心に

15 mmの場所でつかむように4.1の試験装置に取り付ける。(500±50) mm/minの速度で試験片が破断する

まで引っ張り,最大の力を記録する。 

計算 

引裂力は,ゴムの厚さ及び幅に依存するため,標準の厚さ及び幅の試験片を引き裂く力として表す。 

引裂強さは,次の式によって求め,JIS Z 8401によって丸めの幅0.1で表し,範囲値も求める。 

d

b

F

F

3

0

8

=

ここに, 

F0: 引裂強さ(N) 

8: 名目上の引き裂かれる部分の断面積(4 mm×2 mm) 

F: 引き裂く力の最大値(N) 

b3: 切込み外側の全幅(mm)(6.2参照) 

d: 試験片の厚さの実測値(mm) 

引裂強さは,中央値を求める。試験片が3個の場合は,全ての値を示す。 

10 

試験精度 

試験精度は,附属書Aを参照する。 

11 

試験報告書 

試験報告書には,次の事項を記録する。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

a) 試料の由来(製品,試験用配合物など) 

b) この規格の番号 

c) 試験結果 

1) 試験片の数 

2) 個々の試験片の厚さの中央値 

3) 個々の試験片の切込み部の両外側の合計の幅 

4) b3の測定方法 

5) 状態調節の時間及び温度 

6) 試験温度 

7) 列理の方向 

8) その他試験中の特記すべき引裂きの挙動 

9) 標準の操作方法と異なる場合の操作方法 

d) 箇条9に従った試験結果 

e) 試験年月日 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書A 

(参考) 

精度 

A.1 概要 

繰返し精度と再現精度とを示す精度の計算は,ISO/TR 9272(参考文献[2])に従って行った。 

A.2 試験の詳細 

A.2.1 この試験室間試験プログラム(以下,ITPという。)は,1989年に実施した。加硫した試料をITP

に参加した全ての試験室に送付し,配合物A,配合物B及び配合物Cを用いて試験を実施した。配合内容

は,表A.1に記載した。それぞれの試験室では,試験片の打抜き,試験片の切込み,厚さの測定及び引裂

試験を行った。 

表A.1−配合表 

単位 部 

原料ゴム及び配合剤 

天然ゴム 

32 

− 

83 

SBR1500 

68 

100 

17 

カーボンブラック 

 N550 

66 

− 

− 

 N339 

− 

35 

− 

 N234 

− 

− 

37 

アロマチックオイル 

16 

− 

− 

ステアリン酸 

2.5 

老化防止剤 

− 

2.8 

酸化亜鉛 

12 

硫黄 

3.2 

1.75 

1.3 

加硫促進剤 

1.5 

炭化水素系樹脂 

− 

− 

3.5 

それぞれの試験室では,1週間に厚さ測定,測定方法1又は測定方法2によって,b3の測定及び引裂試

験を2回行った。 

それぞれの組の測定には,2種類の試験片を用いた。 

− 方向1 列理の方向に対して90度方向に引き裂く 

− 方向2 列理の方向に対して平行方向に引き裂く 

測定方法1でb3を測定した試験片を五つの試験室が試験した。測定方法2でb3を測定した試験片を七つ

の試験室が試験した。 

A.2.2 評価した精度は,ISO/TR 9272のタイプ1(参加した試験室で混練り及び加硫を行わない。)の精

度である。 

A.3 精度評価結果 

精度評価結果を,表A.2に示す。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表A.2に用いた記号は,次のように定義する。 

r :測定値の試験室内繰返し精度 

(r) :パーセントで表した試験室内繰返し精度 

R :測定値の試験室間再現精度 

(R) :パーセントで表した試験室間再現精度 

プールした(r)及び(R)は,プールしたr,R,及び全平均値を基にして算出した。 

表A.2−デルフト形試験の精度評価結果 

単位 N 

ゴム材料 

引裂強さの平均値 

試験室内 

試験室間 

(r) 

(R) 

測定方法1 

方向1(列理に垂直) 
配合A 
配合B 
配合C 

36.7 
32.0 

129.8 

4.37 
5.62 
3.89 

11.9 
17.6 
30.0 

12.9 
11.2 
62.5 

35.1 
34.9 
48.2 

プールした値 

66.2 

22.8 

34.5 

37.4 

56.6 

方向2(列理に平行) 
配合A 
配合B 
配合C 

36.8 
31.4 

132.1 

1.68 
3.99 

25.8 

4.57 

12.7 
19.5 

9.96 
6.96 

44.5 

27.1 
22.2 
33.7 

プールした値 

66.8 

15.6 

23.4 

24.3 

36.3 

測定方法2 

方向1(列理に垂直) 
配合A 
配合B 
配合C 

40.0 
37.4 

157.0 

4.73 
2.37 

38.5 

11.8 

6.23 

24.5 

17.2 
19.0 
67.7 

43.2 
50.8 
43.2 

プールした値 

78.1 

23.6 

30.2 

37.2 

47.7 

方向2(列理に平行) 
配合A 
配合B 
配合C 

40.4 
37.2 

163.9 

6.73 
3.69 

24.0 

16.7 

9.94 

14.6 

12.3 
17.0 
80.6 

30.7 
45.6 
49.2 

プールした値 

82.5 

14.5 

17.6 

50.7 

61.4 

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附属書B 

(規定) 

試験装置の校正 

B.1 

点検 

試験装置の校正を行う場合,事前に,校正する項目の現状を,校正報告書又は証明書で記録された点検

結果によって確認する。校正が,納入時の状態の校正なのか,異常又は欠陥を修理した後の校正なのかも

記録する。 

試験装置が,規定した測定値を含め,要求試験精度を満たしていて,正式に校正する必要がない場合も,

そのことを確認する。要求測定値が変化しやすい傾向にある場合は,定期点検の必要性を詳細な校正手順

に記載する。 

B.2 

試験装置の校正計画 

試験装置の校正及び校正証明書は,この規格の要求事項である。校正周期については,特に規定されな

い場合,ISO 18899の指針を参考にして各規格使用者の自由裁量で決めてよい。 

表B.1には,校正計画を規定する要求試験項目及び要求事項を示す。要求試験項目及び測定値は,試験

装置本体,装置の一部又は補助的な装置にも関連している。 

それぞれの測定値についての校正手順は,ISO 18899,その他の発行文書又は詳細に記載された試験方法

を用いてもよい(ISO 18899よりも詳細に規定した校正手順が記載されている場合には,それを用いる。)。 

それぞれの項目の校正周期は,略号で示す。校正計画に用いた略号を次に示す。 

    S:ISO 18899による標準的な構成周期 

表B.1−校正計画 

要求試験項目 

要求事項 

ISO 18899:2004の箇条番号 

校正周期a) 

打抜き型 

図1及び図2に示す形状で図3
の形状の試験片を作製できる
ように刃は,鋭利で欠けがな
いこと 

15.2 
15.3 
15.9 

S(1回/2年) 
S(1回/2年) 
S(1回/2年) 

引張試験機 

引張試験機 

JIS K 6272 

− 

− 

力の等級 

1級 

21.1 

S(1回/2年) 

速度 

(500±50) mm/min 

23.4 

S(1回/2年) 

注a) 括弧内の校正周期は,例である。 

表B.1に加えて次のものが必要である。 

a) タイマー 

b) 状態調節及び温度を確認するための温度計 

c) 状態調節及び湿度を確認するための湿度計 

d) 試験片の寸法を測定するための器具 

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附属書JA 

(参考) 

測定方法1:読取顕微鏡による測定 

JA.1 

趣旨 

デルフト形試験片の引き裂かれた実際の幅は,切込み部の両外側の合計の幅に相当する。切込みの幅は,

6.2.2.3(測定方法2:打抜き刃の形状からの算出)では,打抜き刃の幅と切込み刃の幅との差を用いる。

しかし,同じ打抜き刃によって試験片を作製しても,硬さの異なる加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの場合に,

切込み長さ及び試験片の幅において変動が生じることがある。さらに,切込みがその深さ方向に均一にな

らないこと及び/又は切り込まれた表面が広くなることがある。このため正確を期すためには,測定方法

は困難で一般的ではないが,次の方法で,切込みの幅を測定することが望ましい。 

JA.2 

測定 

JA.2.1 

読取顕微鏡 

読取顕微鏡は,倍率10倍以上で0.01 mm間隔の目盛をもつものを用いるとよい。 

JA.2.2 

測定方法 

打抜き型から打ち抜いた切込み入りの予備試験片(試験片と同一のもの)を用い,その予備試験片の切

込み面に沿ってかみそり刃で切断する。その断面を読取顕微鏡を用いて,次の手順で,試験時に引き裂か

れる幅(切込み部の両外側の合計の幅)を測定する。 

a) 切込みの端は,図JA.1に示すように湾曲しており,切込みの両側の幅を測定する場合は,その湾曲を

考慮する。 

b) 左側b1の幅は,線ABから全体の面積がS1+S2=S3となる仮想線A′B′までの距離とする。右側におい

ても同様に,全体の面積S′1+S′2=S′3となる仮想線C′D′を推定し,b2の幅を得る。 

c) 切込み両外側の引き裂かれるゴムの全幅bは,b1+b2となる。 

単位 mm 

図JA.1−デルフト形試験片の切込み部分の切断面 

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参考文献  

[1] JIS K 6252-1 加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引裂強さの求め方−第1部:トラウザ形,アングル形及

びクレセント形試験片を用いる方法 

注記 対応国際規格:ISO 34-1,Rubber, vulcanized or thermoplastic−Determination of tear strength−Part 

1: Trouser, angle and crescent test pieces(MOD) 

[2] ISO/TR 9272,Rubber and rubber products−Determination of precision for test method standards 

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K 6252-2:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書JB 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS K 6252-2:2015 加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引裂強さの求め方−第2部:デル
フト形試験片を用いる方法 

ISO 34-2:2011,Rubber, vulcanized or thermoplastic−Determination of tear strength
−Part 2: Small (Delft) test pieces 

(I)JISの規定 

(II) 
国際規格
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

1 適用範
囲 

適用範囲 

変更 

一部を原理に移動 

構成の変更であり,技術的な差異
はない。 

2A 用語
及び定義 

− 

− 

追加 

用語及び定義の箇条を追加し,
JIS K 6200によるとした。ま
た,それ以外に,デルフト形引
裂強さの定義を追加した。 

JISとして必要な追加で技術的な
差異はない。 

3 原理 

変更 

適用範囲の一部を移動 

構成の変更であり,技術的な差異
はない。 

4.2 

図1 

4.2 

図1 

削除 

b3=W−wを削除 

図中でb3の説明が必要になる。 

b3は,6.2.2.3で説明しているので

図中表示は不要。技術的な差異は
ない。 

6.1 試験
片の形状
及び打抜
き 

6.1 

追加 

試料の作成方法を追加 

JIS K 6252-1に合わせた追加で,
技術的な差異はない。 

6.2.2.2 

測定方法1 

削除 

測定方法1は,実施が困難であ
るため,本文から削除し,附属
書JA(参考)に移動 

難易度が高く,実施困難な測定方
法であるため,参考情報とするこ
とをISOに提案する。 

6.4 試験
片の数 

6.4 

追加 

列理の方向を追加 

分かりやすくするための追加で,
技術的な差異はない。 

7 試験温
度 

追加 

標準試験温度以外の試験条件
を追加 

分かりやすくするための追加で,
技術的な差異はない。 

2

K

 6

2

5

2

-2

2

0

1

5

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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13 

K 6252-2:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(I)JISの規定 

(II) 
国際規格
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

9 計算 

追加 

数値の丸め方(JIS Z 8401)を
追加 

JISとして必要な引用で,技術的
な差異はない。 

附属書B
(規定) 

B.2 試験装置の校
正計画 

B.2 

追加 
 
 
追加 

校正周期の欄にISO 18899に
よるSに具体的な校正周期の
例を追記した。 
湿度計を追加 

分かりやすくするための追加で,
技術的な差異はない。 
 
JIS K 6252-1に合わせた。 

附属書JA
(参考) 

6.2.2.2 

測定方法1 

追加 

測定方法1は,実施が困難であ
るため,本文から削除し,附属
書JA(参考)に移動 

難易度が高く,実施困難な測定方
法であるため,参考情報とするこ
とをISOに提案する。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 34-2:2011,MOD 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

  − 削除……………… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
  − 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
  − 変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

  − MOD…………… 国際規格を修正している。 

2

K

 6

2

5

2

-2

2

0

1

5

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。