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K 6238-1:2009  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 原理······························································································································· 2 

3.1 熱ロール法 ··················································································································· 2 

3.2 オーブン法 ··················································································································· 2 

4 熱ロール法 ······················································································································ 2 

4.1 一般 ···························································································································· 2 

4.2 装置 ···························································································································· 2 

4.3 手順 ···························································································································· 2 

4.4 結果の表示 ··················································································································· 3 

5 オーブン法 ······················································································································ 3 

5.1 一般 ···························································································································· 3 

5.2 装置 ···························································································································· 4 

5.3 手順 ···························································································································· 4 

5.4 結果の表示 ··················································································································· 5 

6 精度······························································································································· 5 

7 試験報告························································································································· 6 

附属書A(参考)精度 ··········································································································· 7 

附属書JA(参考)試料及び測定方法 ························································································ 9 

附属書JB(参考)JISと対応する国際規格との対比表 ································································ 10 

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(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,日本ゴム工業会(JRMA)及び財団法人日本規

格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会

の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。これによって,JIS K 6238:2001は廃止され,

この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責

任はもたない。 

JIS K 6238の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS K 6238-1 第1部:熱ロール法及びオーブン法 

JIS K 6238-2 第2部:自動赤外線乾燥熱重量法 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 6238-1:2009 

原料ゴム−揮発分の求め方(定量)− 

第1部:熱ロール法及びオーブン法 

Rubber, raw-Determination of volatile-matter content- 

Part 1:Hot mill method and oven method 

序文 

この規格は,2005年に第4版として発行されたISO 248を基に,技術的内容を変更して作成した日本工

業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一

覧表にその説明を付けて,附属書JBに示す。 

警告 この規格の利用者は,通常の実験室の作業に精通しているものとする。この規格は,この使用に関

連して起こるすべての安全上の問題を取り扱おうとするものではない。この規格の利用者は,各自

の責任において安全及び健康に対する適切な措置をとらなければならない。 

適用範囲 

1.1 この規格は,熱ロール法及びオーブン法による原料ゴム中の水分及びその他の揮発分の求め方につ

いて規定する。 

1.2 この規格は,JIS K 6397に規定するRグループに属するゴム,すなわち不飽和炭素結合をもつゴム,

例えば,天然ゴム及び少なくとも部分的にジオレフィンから誘導した合成ゴムに適用する。この規格を他

のゴムに適用する場合は,揮発分の測定結果にゴムの劣化によるものを含まないことを立証して適用する。 

1.3 この規格の熱ロール法は,熱ロール上で取扱いが非常に困難なゴム(天然ゴム,一部の合成イソプ

レンゴムなど),粉末状のゴム及びチップ状のゴムには適用しない。 

なお,熱ロール法及びオーブン法は,必ずしも同一の結果を与えるとは限らない。したがって,係争が

生じた場合は,オーブンA法を基準試験法とする。 

注記1 この規格の適用範囲を分かりやすくするために,附属書JAにまとめた。 

注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 248:2005,Rubber, raw−Determination of volatile-matter content (MOD) 

なお,対応の程度を表す記号(MOD)は,ISO/IEC Guide 21に基づき,“修正している”こ

とを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

K 6238-1:2009  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS K 6298 原料ゴム−天然ゴム・合成ゴム−サンプリング及びその後の準備手順 

注記 対応国際規格:ISO 1795,Rubber, raw natural and raw synthetic−Sampling and further preparative 

procedures (IDT) 

JIS K 6299 ゴム−試験用試料の作製方法 

注記 対応国際規格:ISO 2393,Rubber test mixes−Preparation, mixing and vulcanization−Equipment 

and procedures (MOD) 

JIS K 6397 原料ゴム及びラテックスの略号 

注記 対応国際規格:ISO 1629,Rubber and latices−Nomenclature (MOD) 

原理 

3.1 

熱ロール法 

試験試料を熱ロールで質量が一定になるまでシート出しする。熱ロール通し中の質量減少分を算出し,

揮発分として表す。均質化する場合[JIS K 6298の7.2.1(均質化操作)を参照]は,この手順での試験試

料の質量減少分及び均質化操作の全手順中の質量減少分を合わせて,揮発分を算出する。 

3.2 

オーブン法 

試験試料をオーブンで質量が一定になるまで乾燥する。乾燥中の質量減少分を算出し,揮発分として表

す。均質化する場合は,この手順での試験試料の質量減少分及び均質化操作の全手順中の質量減少分を合

わせて,揮発分を算出する。 

熱ロール法 

4.1 

一般 

熱ロール法には二つあり,熱ロールA法は均質化を行い,ロール機に規定時間繰り返し通した後,質量

をはかり,質量が一定になったことを確認して揮発分を算出する方法である。熱ロールB法は,ロール機

に規定回数通した後,質量をはかり,揮発分を算出する方法である。熱ロールB法は,測定にかかる時間

を短縮した簡便法である。 

試験試料がロール通し操作でシートになりにくいか又はロール機に粘着して,質量をはかることが困難

若しくは不可能な場合は,オーブン法を用いなければならない。 

なお,試験の回数は,受渡当事者間の協定による。 

4.2 

装置 

4.2.1 

ロール機 ロール機は,JIS K 6299の5.1(練りロール機)に規定するものを用いる。 

4.2.2 

はかり はかりは,0.1 gまではかれるものを用いる。 

4.3 

手順 

4.3.1 

熱ロールA法 

4.3.1.1 

JIS K 6298に従って250±5 gの試験試料をはかりとる。均質化操作前及び後で,試験試料の質量

を0.1 gまではかる(それぞれ質量をm1,m2とする。)。 

4.3.1.2 

ロール表面温度を105±5 ℃に保つ。ロール機の間げきを,JIS K 6299に従って短冊状鉛板を用

い,0.25±0.05 mmに調整する。 

4.3.1.3 

均質化した試験試料から採取した二次試験試料をその質量をはかった(質量m3)後にロール機

(4.2.1)に4分間繰り返し,かつ,連続して通す。二次試験試料は,ロールに巻きつかせず,かつ,二次試

験試料のいかなる逸失も避けるように注意する。二次試験試料の4分後の質量を0.1 gまではかる。さらに, 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

二次試験試料を2分間ロール機に通し,6分後の質量をはかる。4分後及び6分後の質量の差が0.1 g未満

であれば,揮発分を算出する。質量の差が0.1 g以上である場合は,質量の差が0.1 g未満になるまで2分

間ずつロール通しを続け,質量が一定になったことを確認する(最終質量m4)。 

なお,二次試験試料は,二次試験試料の質量を測定する前に,デシケータ中で室温まで放冷する。 

注記 0.1 %以上の精度を得るには,100 g以上の二次試験試料が必要となる。 

4.3.2 

熱ロールB法 

250±5 gの試験試料をはかりとり,質量を0.1 gまではかる(質量m5)。ロール機を4.3.1.2に従って調

整する。試験試料を2回以上ロール機に通した後,0.1 gまではかる。続いて再び2回以上ロール通しして

質量をはかる。ロール通し前後の質量の差が0.1 g未満の場合,試験試料は,乾燥したものとみなす。質量

の差が0.1 g以上である場合は,質量の差が0.1 g未満になるまで試験試料を2回ずつロール通しを続ける

(最終質量m6)。湿度は,結果に影響しないが,質量をはかる前にデシケータ中で放冷することが望まし

い。 

4.4 

結果の表示 

4.4.1 

熱ロールA法 

揮発分w1は,次の式によって算出し,小数点以下2けたまで求める。 

100

)

1(

3

1

4

2

1

×

×

×

=

m

m

m

m

w

ここに, 

w1: 揮発分 (%) 

m1: 均質化操作前の試験試料の質量 (g) 

m2: 均質化操作後の試験試料の質量 (g) 

m3: ロール通し前の二次試験試料の質量 (g) 

m4: ロール通し後の二次試験試料の質量 (g) 

4.4.2 

熱ロールB法 

揮発分w2は,次の式によって算出し,小数点以下2けたまで求める。 

100

5

6

5

2

×

=

m

m

m

w

ここに, 

w2: 揮発分 (%) 

m5: ロール通し前の試験試料の質量 (g) 

m6: ロール通し後の試験試料の質量 (g) 

オーブン法 

5.1 

一般 

オーブン法には二つあり,オーブンA法は,均質化を行った後,約10 gの試験試料をオーブン内で乾燥

し,質量が一定になったことを確認し,揮発分を算出する方法である。ただし,均質化操作前後の質量測

定ができないゴム及び粉末状のゴムは,均質化しない。オーブンB法は,ロール機で薄いシートを作製し,

約50 gの試験試料をオーブン内で1時間乾燥し,揮発分を算出する方法である。ただし,シート作製が困

難な場合及び粉末状の場合は,約10 gの試験試料とする。オーブンB法は,測定にかかる時間を短縮した

簡便法である。 

なお,オーブンA法における試験の回数は,受渡当事者間の協定による。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.2 

装置 

5.2.1 

オーブン オーブンは,内部温度を105±5 ℃に維持でき,かつ,換気装置付きを用いる。望まし

くは空気循環形を用いる。 

5.2.2 

はかり はかりは,0.1 g及び1 mgまではかれるものを用いる。 

5.2.3 

ロール機 ロール機は,JIS K 6299の5.1に規定するものを用いる。 

5.3 

手順 

5.3.1 

オーブンA法 

5.3.1.1 

天然ゴム 

5.3.1.1.1 

約600 gの試験試料をはかりとり,JIS K 6298の7.2.1に従って均質化する。この均質化操作前

後で試験試料の質量を0.1 gまではかる(均質化操作前を質量m7,均質化操作後を質量m8とする。)。 

5.3.1.1.2 

均質化した試験試料から約10 gの二次試験試料を取り,質量を1 mgまではかる(質量m9)。 

5.3.1.1.3 

ロール表面温度を70±5 ℃,シート厚みが2 mmを超えないようにロール間げきを調整したロ

ール機に二次試験試料を2回通してシートにする。 

5.3.1.1.4 

二次試験試料を換気口を開けた状態,かつ,循環装置付きの場合は循環状態で,105±5 ℃に保

ったオーブン(5.2.1)に1時間入れる。その際,熱空気に触れる試験試料の表面が最大になるようにする(例

えば,試験試料をぶら下げるなど。)。デシケータ中で室温まで放冷して,質量をはかる。連続する測定間

で,質量の減少が1 mgを超えなくなるまで,30分間の加熱を繰り返し,質量が一定になったことを確認

する(最終質量m10)。 

5.3.1.1.5 

ゴムが粉末状の場合は,約10 gの試験試料を試料から無作為にはかりとり,質量が既知のアル

ミニウム試料皿に入れる。質量を1 mgまではかる(質量m9)。その試験試料を5.3.1.1.4の手順に従って乾

燥し,質量を1 mgまではかる(最終質量m10)。 

5.3.1.2 

合成ゴム 

5.3.1.2.1 

250±5 gの試験試料をはかりとり,JIS K 6298の天然ゴムの均質化操作手順に従って均質化す

る。この均質化操作前後で試験試料の質量を0.1 gまではかる(均質化操作前を質量m7,均質化操作後を

質量m8とする。)。 

5.3.1.2.2 

均質化した試験試料から約10 gの二次試験試料を取り,質量を1 mgまではかる(質量m9)。ロ

ール表面温度を70±5 ℃,シート厚みが2 mm未満になるようにロール間げきを調整したロール機に二次

試験試料を2回通してシートにする。 

5.3.1.2.3 

二次試験試料としてシートにできない場合は,均質化した試験試料から10 g以上の二次試験試

料を取り,2〜5 mm角に裁断する。裁断した試料から約10 gをはかりとり,質量が既知のアルミニウム試

料皿に入れる。質量を1 mgまではかる(質量m9)。 

5.3.1.2.4 

二次試験試料を5.3.1.1.4に従ってオーブンで乾燥し,質量を1 mgまではかる(最終質量m10)。 

5.3.1.2.5 

粘着などによって均質化操作前後の質量がはかれない場合は,直接,試料から10 g以上の試料

を取り,2〜5 mm角に裁断する。裁断した試験試料から約10 gを取り,質量が既知のアルミニウム試料皿

に入れ,質量を1 mgまではかる(質量m9)。試験試料を5.3.1.1.4に従ってオーブンで乾燥し,質量を1 mg

まではかる(最終質量m10)。 

5.3.1.2.6 

ゴムが粉末状の場合は,約10 gの試験試料を試料から無作為にはかりとり,質量が既知のアル

ミニウム試料皿に入れる。質量を1 mgまではかる(質量m9)。試験試料を5.3.1.1.4に従ってオーブンで乾

燥し,質量を1 mgまではかる(最終質量m10)。 

5.3.2 

オーブンB法 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.3.2.1 

250±5 gの試料をはかりとり,ロール表面温度を30 ℃,ロール間げきを0.25±0.05 mmに調整

したロール機に通して薄いシートにする。このシートから無作為に約50 gの試験試料を2個採取し,それ

ぞれ10 mgまで質量をはかる(質量m11)。 

試験試料を105±5 ℃に保たれたオーブンに1時間入れる。その試験試料をオーブンから取り出し,デ

シケータ中で室温まで放冷後,質量を10 mgまではかる(質量m12)。 

5.3.2.2 

粉末状の試料の場合,又は試料のロール機への粘着などによってシートにする操作ができない場

合は,試料から直接10 g以上の試料を2個採取し,粉末状以外の試料は,続いて2〜5 mm角に裁断する。

これらから各々試験試料約10 gをアルミニウム試料皿に入れ,1 mgまで質量をはかる(質量m11)。 

試験試料が入った試料皿を105±5 ℃に保たれたオーブンに1時間入れる。その試料皿をオーブンから

取り出し,デシケータ中で室温まで放冷後,質量を1 mgまではかる(質量m12)。 

なお,天然ゴムには均質化操作が必要なため,オーブンB法は,適用できない。 

5.4 

結果の表示 

5.4.1 

オーブンA法 

5.4.1.1 

均質化した試験試料から二次試験試料を採取した場合(5.3.1.1.2,5.3.1.2.2及び5.3.1.2.3を参照),

揮発分w3は,次の式によって算出し,小数点以下2けたまで求める。 

100

)

1(

9

7

10

8

3

×

×

×

=

m

m

m

m

w

ここに, 

w3: 揮発分 (%) 

m7: 均質化操作前の試験試料の質量 (g) 

m8: 均質化操作後の試験試料の質量 (g) 

m9: 均質化した試験試料から採取した二次試験試料の質量 (g) 

m10: オーブンで乾燥後の二次試験試料の質量 (g) 

5.4.1.2 

試験試料を試料から直接採取した場合(5.3.1.1.5,5.3.1.2.5及び5.3.1.2.6を参照),揮発分w4は,

次の式によって算出し,小数点以下2けたまで求める。 

100

9

10

9

4

×

=

m

m

m

w

ここに, 

w4: 揮発分 (%) 

m9: 試料から採取した試験試料の質量 (g) 

m10: オーブンで乾燥後の試験試料の質量 (g) 

5.4.2 

オーブンB法 

揮発分w5は,次の式によって算出し,小数点以下2けたまで求める。 

100

11

12

11

5

×

=

m

m

m

w

ここに, 

w5: 揮発分 (%) 

m11: 乾燥前の試験試料の質量 (g) 

m12: 乾燥後の試験試料の質量 (g) 

試験は,2個の試験試料について行い,その平均を求めて試験結果とする。 

精度 

精度は,附属書Aに示す。 

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試験報告 

試験報告には,次の事項を記載しなければならない。 

a) 試料の詳細 

1) 試験試料を特定できる事項 

b) 試験方法 

1) このJIS番号  

2) 用いた測定方法(熱ロールA法,熱ロールB法,オーブンA法又はオーブンB法) 

c) 試験の詳細 

1) この規格に含まれない操作,又は任意に行った操作 

2) 測定中に気付いた,通常とは異なった点 

d) 試験結果 

1) 用いた試験試料の数 

2) 各試験試料の試験結果 

3) 試験年月日 

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附属書A 

(参考) 

精度 

序文 

この附属書は,試験室間のテスト結果について記載するものであって,規定の一部ではない。 

A.1 1984年に実施された精度試験の詳細 

A.1.1 試験室間の精度試験が,1984年にRRIM(マレーシア国立ゴム研究所)によって実施された。試験

が3月及び7月にそれぞれ行われ,2種類のゴムが各試験室に送られた。 

a) 均質化した試料“A”及び“B” 

b) 均質化していない(通常の)試料“A”及び“B” 

A.1.2 均質化した試料及び均質化していない試料の両方とも,試験結果は,3個の別々な測定結果の平均

を取った。 

A.1.3 オーブンA法を揮発分測定に使用した。 

A.1.4 精度は,試験室間の精度試験で求めた。繰返し精度及び再現精度は,日を変えて求めた。均質化し

た試料に対する試験には14の試験室が,均質化していない試料については13の試験室が参加した。 

A.2 2003年に実施された精度試験の詳細 

A.2.1 2003年4月から5月の間に試験室間の精度試験が,熱ロールB法については7の試験室,オーブ

ンB法については8の試験室の参加で実施された。 

A.2.2 試料C(SBR 1500)及び試料D(非油展BR)が,熱ロールB法及びオーブンB法ともに用いられた。 

A.2.3 オーブンB法については表A.3,熱ロールB法については表A.4に平均値,繰返し精度及び再現精

度を示す。これらの数値は,二つの原料ゴム試料について各試験室による2回の繰返し試験の結果から得

た。 

A.3 精度の結果 

均質化した試料に対する1984年の精度結果を表A.1に,均質化していない試料に対する結果を表A.2

に示す。 

オーブンB法に対する2003年の精度結果を表A.3に示す。熱ロールB法の精度結果を表A.4に示す。 

文書で受渡当事者間の合意のない限りは,これらの精度パラメータを対象とする材料の合否判定に用い

てはならない。 

表A.1,表A.2,表A.3及び表A.4中に用いた記号の定義は,次による。 

sr 

:測定単位での室内標準偏差 

:室内繰返し精度(測定単位で表示) 

この値は,同一試験室内での二つの測定結果の差の絶対値が,指定の信頼限界で,この

値以下に収まることが期待される値である。 

(r) 

:室内繰返し精度 %(百分率で表示) 

試験結果は,同一とみなすことができる試験材料について,同一の方法を用い,同一の

background image

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

条件(測定者,装置及び試験室が同じ場合)の下に,指定の期間内に得た。特に断らない

限り,信頼限界は95 %である。 

sR 

:測定単位での室間標準偏差 

:室間再現精度(測定単位での表示) 

この値は,異なる試験室間での二つの測定結果の差の絶対値が,指定の信頼限界で,こ

の値以下に収まることが期待される値である。 

(R) 

:室間再現精度 %(百分率で表示) 

試験結果は,同一とみなすことができる試験材料について,同一の方法を用い,同一の

条件(測定者,装置及び試験室が異なる場合)の下に,指定の期間内に得た。特に断らな

い限り,信頼限界は,95 %である。 

表A.1−オーブンA法−均質化した試料試験 

ゴム試料 

揮発分平均値 

%(質量分率) 

試験室内 

試験室間 

(r) 

(R) 


0.37 
0.37 

0.031 
0.032 

8.54 
8.71 

0.154 
0.151 

41.9 
40.7 

プール値a) 

0.37 

0.032 

8.62 

0.152 

41.3 

注a) プール値は,二乗和平均の平方根値を表す。 

表A.2−オーブンA法−均質化していない試料試験 

ゴム試料 

揮発分平均値 

試験室内 

試験室間 

%(質量分率) 

(r) 

(R) 

0.35 

0.081 

22.9 

0.257 

73.1 

0.40 

0.091 

23.1 

0.299 

74.5 

プール値a) 

0.37 

0.086 

23.0 

0.279 

74.6 

注a) プール値は,二乗和平均の平方根値を表す。 

表A.3−オーブンB法 

ゴム試料 

揮発分平均値 

%(質量分率) 

試験室内 

試験室間 

sr 

(r) 

sR 

(R) 

C (SBR) 
D (BR) 

0.10 
0.22 

0.02 
0.03 

0.04 
0.08 

45.7 
35.1 

0.02 
0.08 

0.06 
0.22 

67.6 
99.2 

表A.4−熱ロールB法 

ゴム試料 

揮発分平均値 

%(質量分率) 

試験室内 

試験室間 

sr 

(r) 

sR 

(R) 

C (SBR) 
D (BR) 

0.07 
0.23 

0.02 
0.04 

0.07 
0.10 

97.8 
44.7 

0.03 
0.06 

0.10 
0.18 

137.3 

80.5 

background image

K 6238-1:2009  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書JA 

(参考) 

試料及び測定方法 

序文 

この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。 

JA.1 試料及び測定方法 

この規格に規定する測定方法及び適用できる試料の関係を,表JA.1に示す。 

JA.2 Rグループ以外のゴムへの適用 

この規格をRグループ以外のゴムに適用する場合は,質量の変化がゴムの劣化によるものでなく,本来

の揮発分の損失だけによるものであることを立証する必要があるが,表JA.1を参考に測定することができ

る。 

表JA.1−試料及び測定方法 

測定方法 

Rグループ 

天然ゴム 

合成ゴム 

均質化を
行う 

粉末 

均質化前後の質量測定
が可能 

均質化前後
の質量測定
が不可能 

粉末 

シート作
製 

シート作

製可能 

シート作
製不可能 

ロール粘着

あり 

熱ロール法 

A法 

− 

− 

○ 

− 

− 

− 

B法 

− 

− 

○ 

− 

− 

− 

オーブン法 

A法 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

B法 

− 

− 

○ 

○ 

○ 

○ 

○:適用可。 
−:適用不可。 

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10 

K 6238-1:2009  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書JB 

(参考) 

JISと対応する国際規格との対比表 

JIS K 6238-1 : 2009 原料ゴム−揮発分の求め方(定量)−第1部:熱ロール法及
びオーブン法 

ISO 248 : 2005 Rubber, raw−Determination of volatile-matter content 

(Ⅰ)JISの規定 

(Ⅱ) 
国際規
格番号 

(Ⅲ)国際規格の規定 

(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(Ⅴ)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号
及び名称 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごとの
評価 

技術的差異の内容 

1適用範
囲 

追加 

ISO規格では,合成イソプレンゴ
ムは,熱ロール法を適用不可とし
ているが,通常問題なく適用でき
ているので,JISでは適用可能と
して追加した。 

次回の定期見直し時に追加を提
案する。 
分かりやすくするため,各文節ご
とに付番した。 

3 原理 

3.1 
3.2 

3.1 
3.2 

追加 
変更 

均質化の方法を追記した。 
熱ロール法と同様な記載とした。
技術的な差はない。 

ISOに提案する。 
 
ISOに提案する。 

4熱ロー
ル法 

4.1 一般 
 
4.2.2 はかり 
4.4 結果の表示 

4.2.1.4 
 
 
4.3 

 
 
 

変更 
 
追加 
追加 

項番を入れ替えた。B法は簡便法
であることを記した。 
はかりを追加した。 
結果を小数点以下2けたまで求め
るとし,数値けた数を明確に指定
した。 

技術的な差はない。 
 
ISOに提案する。 
技術的な差はない。 
 

3

K

 6

2

3

8

-1

2

0

0

9

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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11 

K 6238-1:2009  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(Ⅰ)JISの規定 

(Ⅱ) 
国際規
格番号 

(Ⅲ)国際規格の規定 

(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(Ⅴ)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号
及び名称 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごとの
評価 

技術的差異の内容 

5オーブ
ン法 

5.1 一般 
 
5.2.2 はかり 
5.2.3 ロール機 
5.3.1.1.4 
 
5.3.1.1.5 
5.3.1.2.3 
 
5.3.1.2.4 
 
5.3.1.2.5 
5.3.1.2.6 
5.3.2.2 
 
5.4 結果の表示 
 
 
5.4.1.1 
5.4.1.2 

 
 
 
 
5.2.1.3 
 
5.2.1.1.4 
5.2.1.2.3 
 
5.2.1.3 
 
 
5.2.1.2.4 
5.2.2.2 
 
5.3 
 
 
5.3.1.1 
5.3.1.2 

 
 
 
 
JISに同じ 
 
JISに同じ 
裁断サイズは,約2 mm 
 
JISに同じ 
 
 
 
裁断サイズ約2 mm  
 
 
 
 
 

追加 
 
追加 
追加 
変更 
 
変更 
変更 
 
変更 
 
追加 
追加 
追加・変更 
 
変更 
 
 
追加 
追加 

概要説明を追加した。以降,項番
変更。 
はかりを追加した。 
ロール機を追加した。 
項番変更だけ。 
 
項番変更だけ。 
裁断サイズを2〜5 mm角とした。 
 
項番変更だけ。 
 
均質化ができない場合を追加した。
乾燥手順を追加した。 
粉末状のゴムを追加,裁断サイズ
を2〜5 mm角とした。 
結果を小数点以下2けたまで求め
るとし,数値けた数を明確に指定
した。 
5.3.1.2.3の場合を追加した。 
5.3.1.2.5の場合を追加した。 

技術的な差はない。 
 
技術的な差はない。 
技術的な差はない。 
分かりやすくするため,順序を変
えた。 
 
技術的な差はない。 
 
分かりやすくするため,順序を変
えた。 
ISOに提案する。 
技術的な差はない。 
ISOに提案する。 
 
技術的な差はない。 
 
 
ISOに提案する。 
ISOに提案する。 

6 精度 

ISO/TR 9272 に従って
いる。 

削除 

ISO/TR 9272は規格ではないた
め,附属書Aとした。 

ISOに提案する。 
 

7 試験報
告 

 
 
7d)1) 

変更 
 
追加 

ISO規格の基準変更に伴い,項目
を変更した。 
用いた試験試料の数を記載。 

技術的な差はない。 
 

Annex B Guidance for using 

 precision results 

削除 

JISでは不要。ISOは参考。 

附属書JA 
(参考) 

試料及び測定方法 

― 

追加 

この規格の適用範囲を一覧できる
ようにした。 

ISOに提案する。 

3

K

 6

2

3

8

-1

2

0

0

9

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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12 

K 6238-1:2009  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 248 : 2005, MOD 

 
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

  − 削除……………… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
  − 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
  − 変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

  − MOD…………… 国際規格を修正している。 

3

K

 6

2

3

8

-1

2

0

0

9

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。