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K 6231-2:2007  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲 ························································································································· 1 

2 引用規格 ························································································································· 1 

3 原理······························································································································· 2 

4 試薬······························································································································· 2 

4.1 抽出溶剤 ······················································································································ 2 

4.2 キャリヤーガス ············································································································· 2 

4.3 水素炎イオン化検出器(FID)用ガス ················································································ 2 

5 装置······························································································································· 2 

5.1 抽出装置 ······················································································································ 2 

5.2 熱分解ガスクロマトグラフ······························································································· 2 

6 手順······························································································································· 3 

6.1 検量線の作成 ················································································································ 3 

6.2 未知試料の分析 ············································································································· 4 

7 結果の解析 ······················································································································ 4 

8 精度······························································································································· 5 

9 試験報告書 ······················································································································ 5 

附属書JA(参考)精度 ·········································································································· 9 

附属書JB(参考)JISと対応する国際規格との対比表 ································································ 11 

K 6231-2:2007  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,日本ゴム工業会 (JRMA) 及び財団法人日本

規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調

査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 6231-2:2007 

ゴム−熱分解ガスクロマトグラフ法− 

第2部:スチレン,ブタジエン及びイソプレンの 

質量分率の求め方(定量) 

Rubber-Analysis by pyrolytic gas-chromatographic methods- 

Part 2 : Determination of styrene, butadiene, isoprene ratio 

序文 

この規格は,2005年に第1版として発行されたISO 7270-2を基に,技術的内容を変更して作成した日

本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一

覧表にその説明を付けて,附属書JBに示す。 

警告 この規格の利用者は,通常の試験室での作業に精通しているものとする。この規格は,その使用に

関連して起こるすべての安全上の問題を取り扱おうとするものではない。この規格の利用者は,各自の責

任において安全及び健康に対する適切な措置をとらなければならない。 

適用範囲 

この規格は,原料ゴム,未加硫ゴム又は加硫ゴムに含まれるスチレン,ブタジエン及びイソプレンの質

量分率を,熱分解ガスクロマトグラフによって求める方法について規定する。 

この規格に適用する原料ゴムは,スチレン,ブタジエン及び/又はイソプレンを成分とする単独重合体,

それらの共重合体,又はそれらの混合物である。 

注記1 この規格を利用するに当たっては,分析に当たる者が,記載されている操作及び結果の解析

を正しく行えるだけの,ガスクロマトグラフの原理及び技術に対する十分な知識をもつこと

を前提とする。 

注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 7270-2 : 2005,Rubber−Analysis by pyrolytic gas-chromatographic methods−Part 2 : 

Determination of styrene/butadiene/isoprene ratio (MOD) 

なお,対応の程度を表す記号(MOD)は,ISO/IEC Guide 21に基づき,修正していることを

示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

K 6231-2:2007  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS K 0114 ガスクロマトグラフ分析通則 

JIS K 0512 水素 

JIS K 1107 窒素 

JIS K 6229 ゴム−溶剤抽出物の求め方(定量) 

注記 対応国際規格:ISO 1407 : 1992,Rubber−Determination of solvent extract(MOD) 

JIS K 8034 アセトン(試薬) 

JIS K 8891 メタノール(試薬) 

JIS K 8900 2-ブタノン(試薬) 

原理 

最初に,スチレン,ブタジエン及びイソプレンの質量分率が既知である複数の試料を各々熱分解し,パ

イログラム(熱分解物のガスクロマトグラム)を測定する。これらのパイログラムから3成分(スチレン,

ブタジエン及びイソプレン)のピーク面積の合計に対する各成分のピーク面積の百分率を求め,既知の質

量分率に対してプロットして検量線を作成する。 

次に,未知試料を同一条件で熱分解してパイログラムを測定し,検量線を用いてスチレン,ブタジエン

及びイソプレンの質量分率を求める。 

試薬 

すべての試薬は分析用グレードとする。 

4.1 

抽出溶剤 次の溶剤が適切である(6.2.1参照)。 

a) アセトン JIS K 8034に規定するもの 

b) メタノール JIS K 8891に規定するもの 

c) 2-ブタノン(メチルエチルケトン) JIS K 8900に規定するもの 

4.2 

キャリヤーガス 

a) 窒素 JIS K 1107に規定するもの 

b) ヘリウム 

4.3 

水素炎イオン化検出器(FID)用ガス 水素(JIS K 0512に規定するもの),及び水素燃焼用圧縮空

気 

装置 

5.1 

抽出装置 JIS K 6229に規定するもの。 

5.2 

熱分解ガスクロマトグラフ 

5.2.1 

一般 パイログラムを得るために用いる装置は,熱分解装置,ガスクロマトグラフ,ガスクロマト

グラフ用カラム及びデータ処理装置から構成する。 

5.2.2 

熱分解装置 この規格を利用するに当たり,熱分解装置は次のものが望ましい。 

a) 小形加熱炉形熱分解装置 

b) 高周波誘導加熱形熱分解装置 

c) 白金フィラメント形熱分解装置 

K 6231-2:2007  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.2.3 

ガスクロマトグラフ この規格を利用するに当たり,ガスクロマトグラフは,JIS K 0114に規定す

る水素炎イオン化検出器(FID)又は熱伝導度検出器(TCD)を備えたガスクロマトグラフが望ましい。

キャピラリーカラムを用いる場合にはFIDが望ましい。 

5.2.4 

カラム カラムは,JIS K 0114の7. に示されるものを用いる。種々の長さ,内径,材質,担体及

び液相のカラムを用いることができるが,揮発性の熱分解生成物であるスチレン,ブタジエン,及びイソ

プレンを分離できることが必要である。 

注記1 キャピラリーカラムは,分解能が高いので適している。 

注記2 無極性のポリジメチルシロキサン,ジフェニル,シアノプロピルフェニルなどで部分変性し

た微極性シリコーンのキャピラリーカラムが適している。 

5.2.5 

データ処理装置 コンピュータを用いたデータ解析装置,記録計又はインテグレータを用いる。 

手順 

6.1 

検量線の作成 

6.1.1 

検量線作成用試料として,組成が異なる複数の既知試料を用意する。検量線作成用試料の組成範囲

は,未知試料の推定組成を含むようにする。 

注記 検量線作成用試料は,未知試料と同じ形態(原料ゴム,未加硫ゴム又は加硫ゴム)のものが望

ましく,未知試料同様JIS K 6229によって添加物を取り除く(6.2.1参照)。 

6.1.2 

使用する装置に適した量(通常0.1〜5 mg)の試験片を採取する。再現性よく測定を行うためには,

各試料の採取量は可能な限り少なく,かつ,同程度の質量がよい。 

6.1.3 

試験片を熱分解装置に導入し,熱分解を行いパイログラムを測定する。適切な熱分解温度は,小形

加熱炉形及び高周波誘導形では,500〜600 ℃,白金フィラメント形では,600〜750 ℃である。すべての

測定に対し,同じ熱分解温度を用いる。 

ガスクロマトグラフの条件は,使用するカラムに依存する。測定条件の例を表1〜表3に,それぞれの

パイログラムの例を図1〜図3に示す。 

注記 熱分解装置の形式及び熱分解温度によって,結果は異なる。 

6.1.4 

得られたパイログラム中のスチレン,ブタジエン及びイソプレンの各々のピーク面積X,Y及びZ

を求め,次の式から,これら成分のピーク面積分率を算出する。 

100

100

100

IP

BD

ST

×

+

+

=

×

+

+

=

×

+

+

=

Z

Y

X

Z

A

Z

Y

X

Y

A

Z

Y

X

X

A

ここに, 

AST: スチレンのピーク面積百分率 (%) 

ABD: ブタジエンのピーク面積百分率 (%) 

AIP: イソプレンのピーク面積百分率 (%) 

X: スチレンのピーク面積 

Y: ブタジエンのピーク面積 

Z: イソプレンのピーク面積 

6.1.5 

各成分の検量線は,それぞれの質量分率に対して,パイログラムから求めたピーク面積百分率(6.1.4

参照)をプロットし,作成する。検量線を表す次の式の傾きa,c,e 及び切片b,d,fは,最小二乗法に

よって求める。 

K 6231-2:2007  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

f

M

e

A

d

M

c

A

b

M

a

A

+

×

=

+

×

=

+

×

=

IP

IP

BD

BD

ST

ST

ここに, 

MST: 既知試料中のスチレンの質量分率 (%) 

MBD: 既知試料中のブタジエンの質量分率 (%) 

MIP: 既知試料中のイソプレンの質量分率 (%) 

a,c,e: スチレン,ブタジエン,イソプレン各々の検量線の

直線の傾き 

b,d,f: スチレン,ブタジエン,イソプレン各々の検量線の

直線の切片 

ブタジエンの検量線の一例を,図4に示す。スチレン及びイソプレンについても同様となる。 

注記 長さ30 mのキャピラリーカラムを用いる場合,ブタジエンとイソブテンとを完全に分離するこ

とは難しい。これは,イソプレン単位を含むゴムの分解生成物であるイソブテンが,ブタジエ

ンの保持時間の近くに検出されるためである。しかし,検量線法を用いることで,完全に分離

できていなくてもブタジエンの質量分率を求めることが可能である。 

より厚い膜厚及び/又は長い(60 m)キャピラリーカラムを用いることで,これらの成分を

よりよく分離することができる。 

6.2 

未知試料の分析 

6.2.1 

試料に応じて適切な溶媒を用い,JIS K 6229によって試料から添加物を取り除く。油展物について

は,パイログラムに影響を及ぼすことがあるため,伸展油の抽出が重要である。選択した溶媒は,ポリマ

ーに影響を及ぼさず,かつ可能な限り添加物を除去するものでなければならない。残留溶媒は分析を妨害

するため,抽出後の試料は,充分乾燥させる。 

既知試料を用いて検量線を作成したときと同一条件で未知試料の熱分解を行い,パイログラムを測定す

る。 

6.2.2 

得られたパイログラム中の,スチレン,ブタジエン及びイソプレンの各々のピーク面積X,Y及び

Zを求め,6.1.4と同様に,各成分のピーク面積百分率を算出する。次いで6.1.5で求めたスチレン,ブタ

ジエン及びイソプレン各々の検量線を用いて,未知試料の各成分の質量分率を次の式によって算出する。 

e

f

A

M

c

d

A

M

a

b

A

M

=

=

=

unIP

unIP

unBD

unBD

unST

unST

ここに, 

MunST: 未知試料中のスチレンの質量分率 (%) 

AunST: 未知試料のスチレンのピーク面積百分率 (%) 

MunBD: 未知試料中のブタジエンの質量分率 (%) 

AunBD: 未知試料のブタジエンのピーク面積百分率 (%) 

MunIP: 未知試料中のイソプレンの質量分率 (%) 

AunIP: 未知試料のイソプレンのピーク面積百分率 (%) 

結果の解析 

分析者は,抽出されない添加物があるかどうか,さらに,ある場合には,パイログラムに影響するかど

うか配慮しなければならない。                 

精度 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

対応国際規格では,この箇条において,精度について規定しているが,この規格では不要であり不採用

とし附属書(参考)に移した(内容は附属書JA参照。)。 

試験報告書 

試験報告書には,次の事項を記載する。 

a) この規格の名称及び番号 

b) 試料を特定するための詳細情報 

c) 測定結果[質量分率 (%) で示し,丸めの幅1で表す(整数で表す)。] 

d) 測定条件(熱分解装置の形式,分解温度,ガスクロマトグラフの条件など) 

e) 測定日 

表1−小形加熱炉形熱分解装置及び30 mキャピラリーカラムを用いた 

ガスクロマトグラフでの測定条件の一例 

熱分解装置 

形式 
熱分解温度 

小形加熱炉形 
550 ℃ 

カラム 

液相 
膜厚 
カラム内径,材質 
カラム長 

5 % ジフェニルジメチルポリシロキサン 
1.0 μm 
0.25 mm,ステンレス鋼 
30 m 

ガスクロマトグラフ 

キャリヤーガス,流量 
注入口温度 
検出器 
検出器温度 

ヘリウム,0.8 ml/分 
250 ℃ 
FID 
300 ℃ 

温度プログラム 

50 ℃で2分間保持 
 →20 ℃/分で50 ℃から280 ℃まで昇温 
  →280 ℃で10分間保持 

background image

K 6231-2:2007  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表2−小形加熱炉形熱分解装置及び60 mキャピラリーカラムを用いた 

ガスクロマトグラフでの測定条件の一例 

熱分解装置 

形式 
熱分解温度 

小形加熱炉形 
550 ℃ 

カラム 

液相 
膜厚 
カラム内径,材質 
カラム長 

5 % ジフェニルジメチルポリシロキサン 
1.0 μm 
0.25 mm,ステンレス鋼 
60 m 

ガスクロマトグラフ 

キャリヤーガス,流量 
注入口温度 
検出器 
検出器温度 

ヘリウム,0.8 ml/分 
250 ℃ 
FID 
300 ℃ 

温度プログラム 

50 ℃で7分間保持 
 →10 ℃/分で50 ℃から280 ℃まで昇温 
  →280 ℃で10分間保持 

表3−高周波誘導熱分解装置及びパックドカラムを用いたガスクロマトグラフでの測定条件の一例 

熱分解装置 

形式 
熱分解温度 

キュリーポイント形 
590 ℃(3秒) 

カラム 

液相 
カラム内径,材質 
カラム長 

20 % シリコーン710/クロモソルブW(60-80メッシュ) 
3 mm,ステンレス鋼 
3 m 

ガスクロマトグラフ 

キャリヤーガス 
検出器形式 

ヘリウム 
FID 

温度プログラム 

50 ℃で2 分間保持 
 →10 ℃/分で50 ℃から220 ℃まで昇温 
  →220 ℃で10分間保持 

background image

K 6231-2:2007  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

 T 

時間(分) 

ブタジエン 

イソプレン 

スチレン 

図1−表1の測定条件で得られたパイログラムの例 

 T 

時間(分) 

ブタジエン 

イソプレン 

スチレン 

図2−表2の測定条件で得られたパイログラムの例 

background image

K 6231-2:2007  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

 T 

時間(分) 

ブタジエン 

イソプレン 

スチレン 

図3−表3の測定条件で得られたパイログラムの例 

 MBD 

既知試料中のブタジエンの質量分率(%) 

ABD 

ブタジエンのピーク面積百分率(%) 

d

M

c

A

+

×

=

BD

BD

図4−ブタジエンの検量線 

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K 6231-2:2007  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書JA 

(参考) 

精度 

序文 

この附属書は,本体について補足するものであって,規定の一部ではない。 

JA.1 

概要 

この試験方法の精度計算は,ISO/TR 9272によって行った。結果を表JA.1〜表JA.3に示す。文書での

合意がない限り,対象とする材料の合否判定にこれらの精度パラメータを用いてはならない。 

JA.2 

精度の結果 

JA.2.1 

実施方法 

精度試験は,6か所の試験室でスチレンブタジエンゴム(SBR)とイソプレンゴム(IR)とのブレンド

比が異なる3種類の加硫配合ゴムを用いて,2001年に実施した。試験は,1週間おいて繰り返し,計2日

間行った。1日の試験は2回行い,その平均値を一つのデータとした。これらのデータから計算した結果

を,表JA.1〜表JA.3に示す。用いた記号は,次のとおりである。 

sr 

試験室内の併行標準偏差,試験室内の繰返し標準偏差 

試験室内の併行精度,試験室内の繰返し精度(測定単位で表したもの) 

(r) 

試験室内の併行精度,試験室内の繰返し精度(rの平均値に対する割合を%で表したもの) 

sR 

試験室間の再現標準偏差 

試験室間の再現精度(測定単位で表したもの) 

(R) 

試験室間の再現精度(Rの平均値に対する割合を%で表したもの) 

JA.2.2 

併行精度(試験室内繰返し精度) 

表JA.1〜表JA.3に示した併行精度r値は,統計的に適正である。二つの試験結果にr値より大きな差が

生じた場合は,疑わしいと考え,何らかの適切な精査を要する。ただし,今回の精度は1日2回の試験の

平均値から算出しているため,1日1回の試験結果の評価に用いる場合には注意が必要である。 

JA.2.3 

再現精度(試験室間精度) 

表JA.1〜表JA.3に示した再現精度R値は,統計的に適正である。二つの試験結果にR値より大きな差

が生じた場合は,疑わしいと考え,何らかの適切な精査を要する。ただし,今回の精度は1日2回の試験

の平均値から算出しているため,1日1回の試験結果の評価に用いる場合には注意が必要である。 

表JA.1−試料中のブタジエンの質量分率測定の精度 

試料 

平均値 

試験室内 

試験室間 

sr 

(r) 

sR 

(R) 

17.7 

0.28 

0.80 

4.54 

0.51 

1.44 

 8.18 

27.1 

0.48 

1.36 

5.03 

1.61 

4.56 

16.87 

36.5 

0.35 

0.99 

2.72 

0.51 

1.43 

 3.93 

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10 

K 6231-2:2007  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表JA.2−試料中のイソプレンの質量分率測定の精度 

試料 

平均値 

試験室内 

試験室間 

sr 

(r) 

sR 

(R) 

63.1 

0.59 

1.66 

2.64 

1.11 

3.14 

 4.98 

44.4 

0.57 

1.62 

3.64 

2.33 

6.59 

14.83 

25.7 

0.48 

1.36 

5.30 

0.67 

1.89 

 7.37 

表JA.3−試料中のスチレンの質量分率測定の精度 

試料 

平均値 

試験室内 

試験室間 

sr 

(r) 

sR 

(R) 

19.2 

0.66 

1.86 

9.67 

0.78 

2.21 

11.48 

28.5 

0.80 

2.27 

7.95 

0.99 

2.79 

 9.79 

37.8 

0.77 

2.18 

5.78 

0.91 

2.56 

 6.79 

ここに, 

試料A:SBR(スチレン:ブタジエン=50:50)とIRとのブレンド比が35:65の加硫配合ゴム 

試料B:SBR(スチレン:ブタジエン=50:50)とIRとのブレンド比が55:45の加硫配合ゴム 

試料C:SBR(スチレン:ブタジエン=50:50)とIRとのブレンド比が75:25の加硫配合ゴム 

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11 

K 6231-2:2007  

附属書JB 

(参考) 

JISと対応する国際規格との対比表 

JIS K 6231-2 : 2007 ゴム−熱分解ガスクロマトグラフ法−第2部:スチレン,ブ
タジエン及びイソプレンの質量分率の求め方(定量) 

ISO 7270-2 : 2005,Rubber−Analysis by pyrolytic gas-chromatographic methods−Part 
2 : Determination of styrene/butadiene/isoprene ratio 

(Ⅰ) JISの規定 

(Ⅱ) 
国際規
格番号 

(Ⅲ) 国際規格の規定 

(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の箇
条ごとの評価及びその内容 

(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策 

箇条番号及び
名称 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

2 引用規格 

4試薬 

4.1抽出溶剤 

4.1 

JISにほぼ同じ 
 

変更 

参照している細分箇条を変
更した。試薬のJISを記載し
た。 

対応国際規格記載の細分箇条は,間違
っている。次回のISO規格見直し時に
提案する。 

4.2キャリヤーガス 
4.3水素炎イオン化検
出器(FID)用ガス 

4.2,4.3 

JISにほぼ同じ 
 

変更 

試薬のJISを記載した。 

国際規格では,試薬は個々の規格で定
められていないが,技術的な差異な
し。 

5装置 

5.2.3,5.2.4 
ガスクロマトグラフ,
カラム 

5.2.3,5.2.4 
 

JISにほぼ同じ 
 

追加 
 

JIS K 0114を引用した。 
カラムの材質について,特に 
制限がないことを追記した。 

国際規格に対応規格はない。通則であ
り,技術的に差はない。 
次回のISO規格見直し時に提案する。 

6手順 

6.1.1注記 

6.1.1 

− 

追加 

注記として,検量線作成用試
料選択時の注意点及び前処
理を追加した。 

検量線作成用試料の選択は重要であ
ることから,注記として追加した。次
回のISO規格見直し時に提案する。 

6.1.2既知組成試料採取
量 

6.1.2 

− 

追加 

既知組成試料の採取量につ
いて規定内容を追記した。 

より分かりやすくするために追記し
た。次回のISO規格見直し時に提案す
る。 

8 精度 

− 

精度 

削除 

削除し,附属書JA(参考)に移
行した。 

対応国際規格の精度算出は,ISO/TR 
9272にそって行われているが,この規
格はISO規格となっていない。そのた
め,今回は規定から外し,附属書JA(参
考)とした。ISO/TR 9272がISO規格
となった時点で規定とする。 

2

K

 6

2

3

1

-2

2

0

0

7

2

K

 6

2

3

1

-2

2

0

0

7

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

background image

12 

K 6231-2:2007  

(Ⅰ) JISの規定 

(Ⅱ) 
国際規
格番号 

(Ⅲ) 国際規格の規定 

(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の箇
条ごとの評価及びその内容 

(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策 

箇条番号及び
名称 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

9試験報告書 
 

c) 測定結果 


 

JISにほぼ同じ 
 

追加 

求める数値のけた数を明記
した。 

次回のISO規格見直し時に提案する。 

表1,表2 

Table 1, 
Table 2 

JISにほぼ同じ 
 

追加 

カラム材質のステンレス鋼
を追加した。 

次回のISO規格見直し時に提案する。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 7270-2 : 2005 : MOD 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

  − 削除 ·············· 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
  − 追加 ·············· 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
  − 変更 ·············· 国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

  − MOD·············· 国際規格を修正している。 

2

K

 6

2

3

1

-2

2

0

0

7

2

K

 6

2

3

1

-2

2

0

0

7

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。