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(1)
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 試験の概要 ······················································································································ 1
3.1 透過法による同定 ·········································································································· 1
3.2 ATR法による同定·········································································································· 2
4 同定できるゴムの種類 ······································································································· 2
4.1 ゴムが1種類の場合 ······································································································· 2
4.2 ゴムが2種類以上ブレンドされた場合················································································ 4
5 ガス及び試薬 ··················································································································· 4
6 器具及び装置 ··················································································································· 4
7 透過法の測定手順 ············································································································· 5
7.1 原料ゴム及び未加硫配合ゴム ··························································································· 5
7.2 加硫配合ゴム ················································································································ 5
8 ATR法の測定手順 ············································································································ 7
9 スペクトルの解析 ············································································································· 7
10 試験報告書 ···················································································································· 7
附属書A(参考)透過法スペクトルとATR法スペクトルとの比較例 ·············································· 8
附属書B(参考)特性吸収帯表及び標準スペクトル例 ·································································· 9
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 77
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(2)
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本
ゴム工業会(JRMA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を
改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格で
ある。
これによって,JIS K 6230:2006は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
日本工業規格 JIS
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ゴム−赤外分光分析法によるゴムの種類の同定
Rubber-Identification-Infrared spectrometric methods
序文
この規格は,2012年に第3版として発行されたISO 4650を基とし,測定法追加のため,技術的内容を
変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
1
適用範囲
この規格は,原料ゴム並びに未加硫配合ゴム及び加硫配合ゴムに配合されたゴムの種類の同定方法につ
いて,透過法及びATR(Attenuated Total Reflection)法による赤外分光分析法を規定する。
なお,ゴムの種類には,熱可塑性エラストマーを含む。
この規格は,ゴムの混合比分析,ゴムの配合量分析などの定量分析を目的とするものではない。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 4650:2012,Rubber−Identification−Infrared spectrometric methods(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
警告 この規格の利用者は,通常の実験室での作業に精通しているものとする。この規格は,その使
用に関連して起こる全ての安全上の問題を取り扱おうとするものではない。この規格の利用者
は,各自の責任において安全及び健康に対する適切な措置を取らなければならない。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 6229 ゴム−溶剤抽出物の求め方(定量)
注記 対応国際規格:ISO 1407,Rubber−Determination of solvent extract
JIS K 6418 熱可塑性エラストマー−用語及び略号
注記 対応国際規格:ISO 18064,Thermoplastic elastomers−Nomenclature and abbreviated terms
3
試験の概要
3.1
透過法による同定
試験試料から溶剤抽出によって添加剤などを除いた試験片を調製する。試験片について,原料ゴム及び
未加硫配合ゴムは,溶液からのキャスティング膜を調製し,加硫配合ゴムは,熱分解によって生成した熱
2
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分解物の膜を調製する。膜のスペクトルを透過法で記録し,標準スペクトルと比較することによってゴム
の種類を同定する。表1にゴムの形態及び膜調製方法を示す。
注記 原料ゴム及び未加硫配合ゴムのスペクトル(7.1参照)と加硫配合ゴムのスペクトル(7.2参照)
とは,吸収帯の数,相対強度及びスペクトル形状が異なる場合がある。
表1−ゴムの形態及び膜調製方法
ゴムの形態
膜調製方法
細分箇条番号
原料ゴム
溶液からのキャスティング法
7.1
未加硫配合ゴム
溶液からのキャスティング法
7.1
加硫配合ゴム
溶媒中での加熱分解法
7.2.1
恒温槽中での加熱分解法
7.2.2
ブンゼンバーナーによる加熱分解法
7.2.3
3.2
ATR法による同定
試験試料から溶剤抽出によって添加剤などを除いた試験片を調製する。試験片のスペクトルをATR法で
記録し,標準スペクトルと比較することによってゴムの種類を同定する。ATR法は,原料ゴム,未加硫配
合ゴム及び加硫配合ゴムのいずれも同じ手順で測定できる。
注記 ATR法のスペクトルは,透過法のスペクトル(箇条7参照)と比べて,相対強度及びスペクト
ル形状に違いが見られる。透過法のスペクトルとATR法のスペクトルとを比較した例を附属書
Aに示す。
4
同定できるゴムの種類
4.1
ゴムが1種類の場合
この規格で同定できるゴムの種類は,次による。
注記 これらのゴムは,JIS K 6397に従って分類した。
a) Mグループ
1) アクリルゴム(ACM)
2) アクリル酸エチル又は他のアクリル酸エステル類とエチレンとのゴム状共重合体(AEM)
3) 塩素化ポリエチレン(CM)及びクロロスルホン化ポリエチレン(CSM) この規格の方法では,
CMとCSMとの判別はできない。
4) エチレンとプロピレンとのゴム状共重合体(EPM)及びエチレンとプロピレンとジエンとのゴム状
共重合体(EPDM) この規格の方法では,EPMとEPDMとの判別はできない。
5) フルオロ及びパーフルオロアルキル又はパーフルオロアルコキシ基を側鎖にもつゴム状共重合体
(FKM)
b) Oグループ
1) エピクロロヒドリンゴム(CO),エチレンオキシドとエピクロロヒドリンとのゴム状共重合体
(ECO),エピクロロヒドリンとアリルグリシジルエーテルとのゴム状共重合体(GCO),エチレン
オキシドとエピクロロヒドリンとアリルグリシジルエーテルとのゴム状共重合体(GECO)及びプ
ロピレンオキシドとアリルグリシジルエーテルとのゴム状共重合体(GPO) この規格の方法では,
CO,ECO,GCO,GECO及びGPOの判別はできない。
c) Qグループ
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1) ポリジメチルシロキサン(MQ)
2) ポリマー鎖にメチル置換基とフェニル置換基とをもつシリコーンゴム(PMQ)
3) ポリマー鎖にメチル置換基とフルオロ置換基とをもつシリコーンゴム(FMQ)
d) Rグループ
1) ブタジエンゴム(BR)
1.1) 原料ゴム及び未加硫配合ゴムは,この規格の方法によってミクロ構造(シス-1,4結合,トランス-1,4
結合又はビニル結合)の判別ができる。
1.2) 加硫配合ゴムは,加硫時及び試料の前処理の熱分解時(7.2参照)にミクロ構造の異性化が起こる
ため,配合された原料ゴムのミクロ構造の判別はできない。
2) クロロプレンゴム(CR)
3) ブチルゴム(IIR),臭素化ブチルゴム(BIIR)及び塩素化ブチルゴム(CIIR)及び臭素化イソブチ
レンとパラメチルスチレンとのゴム状共重合体 この規格の方法では,IIR,BIIR,CIIR,臭素化イ
ソブチレンとパラメチルスチレンとのゴム状共重合体及びポリイソブテンの判別はできない。
4) 天然ゴム(NR)及びイソプレンゴム(IR)
4.1) 天然ゴム(シス-1,4ポリイソプレン),ガタパーチャ,バラタ(トランス-1,4ポリイソプレン)及
びあらゆるミクロ構造(シス-1,4結合,トランス-1,4結合又は3,4結合)のイソプレンゴムがこれ
に含まれる。
4.2) この規格の方法では,NRとIRとの判別はできない。
4.3) 原料ゴム及び未加硫配合ゴムは,この規格の方法によってミクロ構造(シス-1,4結合,トランス-1,4
結合又は3,4結合)の判別ができる。
4.4) 加硫配合ゴムは,加硫時及び試料の前処理の熱分解時(7.2参照)にミクロ構造の異性化が起こる
ため,配合された原料ゴムのミクロ構造の判別はできない。
5) ニトリルゴム(NBR)
6) カルボキシル化されたアクリロニトリルとブタジエンとのゴム状共重合体(XNBR)
7) 水素化されたアクリロニトリルとブタジエンとのゴム状共重合体(HNBR)
8) スチレンとブタジエンとのゴム状共重合体(SBR)
8.1) この規格の方法では,乳化重合で合成されたスチレンとブタジエンとのゴム状共重合体(E-SBR)
及び溶液重合で合成されたスチレンとブタジエンとのゴム状共重合体(S-SBR)の判別はできない。
8.2) 原料ゴム及び未加硫配合ゴムは,この規格の方法によってミクロ構造(スチレン,シス-1,4結合,
トランス-1,4結合又はビニル結合)の判別ができる。
8.3) 加硫配合ゴムは,加硫時及び試料の前処理の熱分解時(7.2参照)にミクロ構造の異性化が起こる
ため,配合された原料ゴムのミクロ構造の判別はできない。
8.4) この規格の方法によって,α-メチルスチレンとブタジエンとのゴム状共重合体とSBRとを判別で
きる。
9) 水素化されたスチレンとブタジエンとのゴム状共重合体(HSBR)
10) ノルボルネンゴム(NOR)
e) Tグループ
1) 主鎖に硫黄,酸素及び炭素をもつゴム(T)
f)
Uグループ
1) ポリエステルウレタン(AU)
4
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2) ポリエーテルウレタン(EU)
g) TPEグループ
1) JIS K 6418に規定するエラストマー。
4.2
ゴムが2種類以上ブレンドされた場合
この規格の方法によるブレンドされたゴム種の同定又は判別の可否について,技術的に確認されている
事項は次による。記載した事項以外は,試験者が判別の可否を確認して用いる。
a) EPM及びEPDMを,CM,CSMの両者又はいずれか一方とブレンドした場合,ブレンドされたゴム種
の判別はできない。
b) NR,IRの両者及びいずれか一方とCRとをブレンドした場合,ブレンドされたゴム種の判別はできな
い。
c) NBRとNBR/BRとをブレンドした場合,ブレンドされたゴム種の判別はできない。
d) SBRとSBR/BRとをブレンドした場合,ブレンドされたゴム種の判別はできない。
e) NBRとPVCとのブレンドとNBRと他のハロゲン化ゴムとのブレンドとの判別はできない。
5
ガス及び試薬
ガス及び試薬は,次による。
なお,ゴムの溶解及び膜の調製に用いる溶剤は,水,安定剤などの残留物を含んではならない。
5.1
窒素
5.2
抽出溶剤(箇条7参照) JIS K 6229に従って,溶剤を選択する。
注記 スペクトルの解析に影響を及ぼさないことが分析によって認められている場合には,別の溶剤
を用いてもよい。
5.3
シクロヘキサン
5.4
クロロホルム
5.5
トルエン
5.6
1,2-ジクロロベンゼン
5.7
ろ過助剤 けいそう土又は類似の物質。
6
器具及び装置
器具及び装置は,通常の実験室用装置に加えて,次のものを用いる。
6.1
抽出装置 JIS K 6229による。
6.2
還流冷却器付フラスコ フラスコの容量が100 cm3又は500 cm3のもの。
6.3
遠心分離器 遠心力が15 000 G以上のもの。
6.4
恒温槽 200 ℃以上に加熱できるもの。
6.5
ブンゼンバーナー
6.6
臭化カリウム結晶板
注記 4 000 cm−1〜600 cm−1の波数範囲で,分析に十分な透過率を示すものであれば,他の赤外透過
材の使用も可能である。
6.7
赤外分光光度計 測定波数範囲4 000 cm−1〜600 cm−1,分解能4 cm−1以上をもつフーリエ変換型又
は分散型の赤外分光光度計。
6.8
ATR測定装置
5
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− 1回反射型ATR測定装置又は多重反射型ATR測定装置。
− プリズム:ダイヤモンド,ZnSe,KRS-5,Geなど。
注記 黒色の未加硫配合ゴム及び加硫配合ゴムを試験する場合は,Geが望ましい。
− 入射角:45°又は60°。
6.9
pH試験紙 pH2以下を検出できるもの。
7
透過法の測定手順
7.1
原料ゴム及び未加硫配合ゴム
原料ゴム及び未加硫配合ゴムを透過法で測定する手順は,次による。
a) 100 mg以上の試験試料を,抽出装置を用いてJIS K 6229の手順に従い,適切な抽出溶剤で抽出し,試
験片を調製する。
注記1 スペクトルの解析を妨害するような添加剤を含まない場合は,抽出操作を省くことができ
る。
b) 試験片の10 mg〜100 mgを,シクロヘキサン又はクロロホルムを用いて溶解する。カーボンブラック
が遊離する場合は,7.2.1 d)に従ってカーボンブラックを除去する。
注記2 ゴムを溶解し,スペクトルの解析に影響を及ぼさないことが分析によって認められている
場合には,別の溶剤を用いてもよい。
c) 試料溶液の数滴を臭化カリウム結晶板の上にとり,溶剤を蒸発させ,分析に適した厚さの膜を作る。
d) 赤外分光光度計を用いて,膜のスペクトルを記録する。
e) 記録をとった後,試料調製で用いた溶剤のピークが認められる場合,及び/又はスペクトル上の最大
ピークの透過率が10 %〜50 %の範囲から外れている場合は,膜の作製[c)参照]からやり直す。
f)
ハロゲンの有無の確認が必要な場合は,7.2.3 f)に従って行う。
7.2
加硫配合ゴム
7.2.1
溶媒中での加熱分解法
1,2-ジクロロベンゼン中での加熱分解によって得られたゴムを透過法で測定する手順は,次による。
a) 約2 g又は7.2.3 f)に従ってCRが存在する可能性がある場合には,約6 gの試験試料を抽出装置を用い
てJIS K 6229の手順に従い,適切な抽出溶剤で抽出し,試験片を調製する。
注記1 スペクトルの解析を妨害するような添加剤を含まない場合は,抽出操作を省くことができ
る。
b) 試験片の約1 g及び50 cm3の1,2-ジクロロベンゼンを,還流冷却器付きの100 cm3のフラスコに入れる。
CRが存在する可能性がある場合には,約5 gの試験片及び200 cm3の1,2-ジクロロベンゼンを還流冷
却器付きの500 cm3のフラスコに入れる。
c) 試験片が分解溶解するまで加熱し,試料溶液を得る。
注記2 試験片を分解溶解させるために必要な時間は,ゴムの種類によって異なる。例えば,NR
は3時間〜4時間,CRは12時間を要する。12時間以上加熱した場合,ゴムの分子構造が
変化する場合がある。
d) 未分解のゴム,無機充塡剤及びカーボンブラックの除去は,次による。
1) 遠心分離器を用いる方法
1.1) 試料溶液をドラフト内で風乾し,1,2-ジクロロベンゼンを除去する。
1.2) トルエン又はシクロヘキサンに再溶解し,遠心分離を行い,上澄み液を得る。
6
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2) ろ紙又はろ布を用いる方法
2.1) 試料溶液に10 g〜20 gのろ過助剤を加えて,ろ紙又はろ布を用いてろ別する。
2.2) 得られたろ液中に無機充塡剤及びカーボンブラックが残っている場合は,ろ過助剤を追加してろ
過を繰り返す。
e) 上澄み液又はろ液を,減圧下又は窒素気流下で,少量になるまで濃縮する。
f)
濃縮液の数滴を臭化カリウム結晶板の上にとり,溶剤を蒸発させ,分析に適した厚さの膜を作る。
g) 赤外分光光度計を用いて,膜のスペクトルを記録する。
h) 記録をとった後,試料調製で用いた溶剤のピークが認められる場合,及び/又はスペクトル上の最大
ピークの透過率が10 %〜50 %の範囲から外れている場合は,膜の作製[f)参照]からやり直す。
7.2.2
恒温槽中での加熱分解法
恒温槽中での加熱分解によって得られたゴムを透過法で測定する手順は,次による。
注記1 この方法は,CRを含んでいる可能性のある場合は,使用できない。
a) 約2 gの試験試料を抽出装置を用いて,JIS K 6229の手順に従い,適切な抽出溶剤で抽出し,試験片
を得る。
注記2 スペクトルの解析を妨害するような添加剤を含まない場合は,抽出操作を省くことができ
る。
b) 試験片を試験管に入れ,200 ℃に保った恒温槽の中で約10分間加熱する。
注記3 NR,IR,BR,SBR,IIR,BIIR及びCIIRについては,180 ℃が望ましい。
c) 試験片が入った試験管を50 ℃位まで冷却する。
d) クロロホルム又はシクロヘキサン50 cm3を加えて振とうする。
注記4 ゴムを溶解し,スペクトルの解析に影響を及ぼさないことが分析によって認められている
場合には,別の溶剤を用いてもよい。
e) 振とう後の溶液と未溶解の加硫配合ゴム及び無機充塡剤とをデカンテーションによって,分離し,上
澄み液を得る。加硫ゴムからカーボンブラックが遊離する場合には,溶液に少量のろ過助剤を加えて
からろ紙でろ過する。
f)
上澄み液又はろ液を,減圧下又は窒素気流下で,少量になるまで濃縮する。
g) 試料溶液の数滴を臭化カリウム結晶板の上にとり,溶剤を蒸発させ,分析に適した厚さの膜を作る。
h) 赤外分光光度計を用いて,膜のスペクトルを記録する。
i)
記録をとった後,試料調製で用いた溶剤のピークが認められる場合,及び/又はスペクトル上の最大
ピークの透過率が10 %〜50 %の範囲から外れている場合は,膜の作製[g)参照]からやり直す。
7.2.3
ブンゼンバーナーを用いた加熱分解法
ブンゼンバーナーによって得られた熱分解物を透過法で測定する手順は,次による。
a) 100 mg以上の試験試料を抽出装置を用いて,JIS K 6229の手順に従い,適切な抽出溶剤で抽出し,試
験片を得る。
注記1 スペクトルの解析を妨害するような添加剤を含まない場合は,抽出操作を省くことができ
る。
b) 試験片の20 mg〜50 mgを試験管に入れ,試験管を傾けて底部をブンゼンバーナーで加熱し,試験片
を熱分解する。
c) 試験管の口に凝縮した熱分解物を臭化カリウム結晶板に塗布し,分析に適した厚さの膜を作る。
d) 赤外分光光度計を用いて,膜のスペクトルを記録する。
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e) 記録をとった後,スペクトル上の最大ピークの透過率が10 %〜50 %の範囲から外れている場合は,膜
の作製[c)参照]からやり直す。
f)
ハロゲンの有無を確認する場合は,b)の試験管出口にぬらしたpH試験紙を置く。
注記2 pH2以下を示す場合は,ゴムにハロゲンが含まれていることを意味する。
8
ATR法の測定手順
原料ゴム,未加硫配合ゴム及び加硫配合ゴムをATR法によって測定する手順は,次による。
a) 約1 gの試験試料を抽出装置を用いて,JIS K 6229の手順に従い,適切な抽出溶剤で抽出後,乾燥し,
試験片を得る。
注記 スペクトルの解析を妨害するような添加剤を含まない場合は,抽出操作を省くことができる。
b) 試験片をナイフなどで切断し,平滑かつ清浄な面を出す。
c) ATRプリズムの上に平滑かつ清浄な面を置き,押さえジグを用いてプリズムに密着させる。
d) 赤外分光光度計を用いて,スペクトルを記録する。
e) 記録をとった後,抽出で用いた溶剤のピークが認められる場合は,溶剤を除去し,測定[c)及びd)参
照]をやり直す。また,スペクトル吸収が弱過ぎた場合は,密着性を上げて,測定[c)及びd)参照]
をやり直す。
9
スペクトルの解析
スペクトルの解析は,次による。
a) スペクトルの解析は,同じ形態のゴムを同じ測定法(透過法又はATR法)で測定した標準スペクトル
と比較して行う。標準スペクトルの例を,附属書Bに示す。
注記1 市販のスペクトル集又は標準試料を用いて試験者自身が測定したスペクトルを標準スペ
クトルとして用いてもよい。
b) 必要な場合は,ハロゲン検出試験[7.2.3 f)参照]の結果も考慮に入れる。
c) 試料のスペクトルと標準スペクトルとの比較に当たっては,吸収帯の位置,数,相対強度及びスペク
トル形状を考慮に入れる。特性吸収帯が含まれている範囲だけに限定せず,予期していなかった吸収
帯も含めてスペクトル全体を検討することが不可欠である。
注記2 溶剤抽出されない有機添加物又は無機添加物は,解析に影響する場合がある。
d) 標準スペクトルの特性吸収帯が試料のスペクトルに確認されない場合,試料は,標準スペクトルの測
定に用いたゴムの種類でないと判断できる。
10 試験報告書
試験報告書には,次の事項を記載する。
a) 試料の詳細
1) 試料及びその由来に関する詳細な記載
2) 試料から試験片を作製した方法(記載することが適切な場合)
b) この規格の番号及び試験方法(透過法又はATR法)
c) この規格に規定しない操作を含む試験の詳細
d) 試験結果(試料中のゴムの同定結果)
e) 試験年月日
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附属書A
(参考)
透過法スペクトルとATR法スペクトルとの比較例
A.1 ATR法のスペクトルは,透過法のスペクトルと比べて,吸収帯の数は変わらないが,吸収帯のピー
ク位置,相対強度及びスペクトル形状に違いが見られる。具体的には,吸収帯のピーク位置が数cm−1か
ら十数cm−1低波数側にずれ,また,波数が小さいほど相対的に吸収強度が大きくなる。
A.2 透過法のスペクトルとATR法のスペクトルとを重ね合わせた図を,図A.1に示す。
X : 波数(cm−1)
Y : 吸光度
1 : 透過法スペクトル(実線)
2 : ATR法スペクトル(点線)
図A.1−アクリルゴム−透過法のスペクトルとATR法のスペクトルとの重ね合せ図
X
Y
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附属書B
(参考)
特性吸収帯表及び標準スペクトル例
B.1
一般
B.1.1 透過法及びATR法に対する,特性吸収帯の表及び標準スペクトルの例を,表B.2〜表B.36及び図
B.1 a)〜図B.71に示す。
B.1.2 試料スペクトルと標準スペクトルとを比較するときには,吸収帯の位置,数,相対強度及びスペク
トル形状を考慮に入れる。
B.2
特性吸収帯表及び標準スペクトル例
B.2.1 解析を容易にするため,特性吸収帯の波数及び官能基を表示した。
B.2.2 ゴムの種類及び関連する図番号を,表B.1に示す。
注記 スペクトルには,二酸化炭素の吸収(2 350 cm−1付近及び670 cm−1付近),並びに水蒸気の吸
収(4 000 cm−1〜3 400 cm−1及び2 000 cm−1〜1 300 cm−1)が観測されることがある。
表B.1−ゴムの種類及び関連する図
表番号
略号
ゴムの種類
図番号
原料ゴム
加硫配合
ゴム
透過法
ATR法
透過法
Mグループ
B.2
ACM
アクリルゴム
B.1 a)
B.1 b)
B.2
B.3
AEM
アクリル酸エチル又は他のアクリル酸エステル類とエチレ
ンとのゴム状共重合体
B.3 a)
B.3 b)
B.4
B.4
CM
塩素化ポリエチレン
B.5 a)
B.5 b)
B.6
B.5
CSM
クロロスルホン化ポリエチレン
B.7 a)
B.7 b)
B.8
B.6
EPDM
エチレンとプロピレンとジエンとのゴム状共重合体
B.9 a)
B.9 b)
B.10
B.7
FKM
フルオロ及びパーフルオロアルキル又はパーフルオロアル
コキシ基を側鎖にもつゴム状共重合体
B.11 a)
B.11 b)
B.12
Oグループ
B.8
CO
エピクロロヒドリンゴム
B.13 a)
B.13 b)
B.14
B.9
ECO
エチレンオキシドとエピクロロヒドリンとのゴム状共重合
体
B.15 a)
B.15 b)
B.16
B.10
GECO
エチレンオキシドとエピクロロヒドリンとアリルグリシジ
ルエーテルとのゴム状共重合体
B.17 a)
B.17 b)
B.18
Qグループ
B.11
MQ
ポリジメチルシロキサン
B.19 a)
B.19 b)
B.20
B.12
PMQ
ポリマー鎖にメチル置換基とフェニル置換基とをもつシリ
コーンゴム
B.21 a)
B.21 b)
B.22
B.13
FMQ
ポリマー鎖にメチル置換基とフルオロ置換基とをもつシリ
コーンゴム
B.23 a)
B.23 b)
B.24
10
K 6230:2018
表B.1−ゴムの種類及び関連する図(続き)
表番号
略号
ゴムの種類
図番号
原料ゴム
加硫配合
ゴム
透過法
ATR法
透過法
Rグループ
B.14
BR
ブタジエンゴム
高シス BR
高トランス BR
低シス BR
B.25 a)
B.27
B.28
B.25 b)
−
−
B.26
−
−
B.15
CR
クロロプレンゴム
B.29 a)
B.29 b)
B.30
B.16
IIR
ブチルゴム
B.31 a)
B.31 b)
B.32
B.17
BIIR
臭素化ブチルゴム
B.33
−
B.34
B.18
−
臭素化イソブチレンとパラメチルスチレンとのゴム状共重
合体
B.35 a)
B.35 b)
B.36
B.19
NR
天然ゴム
B.37 a)
B.37 b)
B.38
B.20
B.21
IR
イソプレンゴム
高シス IR
高トランス IR
3,4 IR
B.39 a)
B.41
B.43 a)
B.39 b)
−
B.43 b)
B.40
B.42
B.44
B.22
NBR
ニトリルゴム
B.45 a)
B.45 b)
B.46
B.23
HNBR
水素化されたアクリロニトリルとブタジエンとのゴム状共
重合体
B.47 a)
B.47 b)
B.48
B.24
XNBR
カルボキシル化されたアクリロニトリルとブタジエンとの
ゴム状共重合体
B.49 a)
B.49 b)
B.50
B.25
NBR/PVC ニトリルゴムとポリ塩化ビニル(PVC)とのブレンドゴム B.51 a)
B.51 b)
B.52
B.26
SBR
スチレンとブタジエンとのゴム状共重合体
−
B.53
−
E-SBR
乳化重合で合成されたスチレンとブタジエンとのゴム状共
重合体
23.5 % スチレン E-SBR
B.54
−
B.55
高スチレン E-SBR
B.56
−
−
S-SBR
溶液重合で合成されたスチレンとブタジエンとのゴム状共
重合体
高ビニル S-SBR
B.57
−
−
高スチレン S-SBR
B.58
−
−
B.27
HSBR
水素化されたスチレンとブタジエンとのゴム状共重合体
B.59
−
−
Tグループ
B.28
EOT
ポリマー鎖のポリスルフィド結合の間に
-CH2-CH2-O-CH2-O-CH2-CH2-基及び通常-CH2-CH2-基(場合
によっては他の脂肪族基)をもつゴム
B.60
−
B.61
Uグループ
B.29
AU
ポリエステルウレタン
B.62 a)
B.62 b)
B.63
B.30
EU
ポリエーテルウレタン
B.64 a)
B.64 b)
B.65
11
K 6230:2018
表B.1−ゴムの種類及び関連する図(続き)
表番号
略号
ゴムの種類
図番号
原料ゴム
加硫配合
ゴム
透過法
ATR法
透過法
TPEグループ
B.31
TPS-SBS
スチレンとブタジエンとのブロック共重合体
B.66
−
−
B.32
TPS-SEBS ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレ
ン
B.67
−
−
B.33
TPS-SIS
スチレンとイソプレンとのブロック共重合体
B.68
−
−
B.34
TPS-SEPS ポリスチレン−ポリ(エチレン−プロピレン)−ポリスチ
レン
B.69
−
−
B.35
TPZ-(Syn.1,
2-BR)
シンジオタクティック 1,2-ポリブタジエン樹脂
B.70
−
−
B.36
TPC-EE
エステル系熱可塑性エラストマー(ソフトセグメントは,
エーテル及びエステルの両方の結合様式をもつもの)
B.71
−
−
表B.2−アクリルゴム(ACM)
原料ゴム(透過法)
加硫配合ゴム(透過法)
波数(cm−1)
官能基
波数(cm−1)
官能基
1 150〜1 260
1 150〜1 260
1 740
>C = O
1 740
>C = O
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
a) 透過法
図B.1−アクリルゴム 原料ゴム
Y
X
12
K 6230:2018
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
b) ATR法
図B.1−アクリルゴム 原料ゴム(続き)
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
図B.2−アクリルゴム 加硫配合ゴム(透過法)
13
K 6230:2018
表B.3−アクリル酸エチル又は他のアクリル酸エステル類とエチレンとのゴム状共重合体(AEM)
原料ゴム(透過法)
加硫配合ゴム(透過法)
波数(cm−1)
官能基
波数(cm−1)
官能基
725
- (CH2)n -
1 150〜1 260
1 150〜1 260
1 460
- CH2 -
1 460
- CH2 -
1 740
>C = O
1 740
>C = O
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
a) 透過法
図B.3−アクリル酸エチル又は他のアクリル酸エステル類とエチレンとのゴム状共重合体 原料ゴム
14
K 6230:2018
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
b) ATR法
図B.3−アクリル酸エチル又は他のアクリル酸エステル類とエチレンとのゴム状共重合体
原料ゴム(続き)
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
図B.4−アクリル酸エチル又は他のアクリル酸エステル類とエチレンとのゴム状共重合体
加硫配合ゴム(透過法)
15
K 6230:2018
表B.4−塩素化ポリエチレン(CM)
原料ゴム(透過法)
加硫配合ゴム(透過法)
波数(cm−1)
官能基
波数(cm−1)
官能基
600〜700
600〜700
720
(CH2)n
820〜890
>C = CH2
910
- CH = CH2
970
- CH = CH - (トランス)
990
- CH = CH2
1 370
CH3
1 460
- CH2 -
1 460
- CH2 -
注記 スペクトルは,塩素含有量によって大きく変化する。
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
a) 透過法
図B.5−塩素化ポリエチレン 原料ゴム
Y
X
16
K 6230:2018
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
b) ATR法
図B.5−塩素化ポリエチレン 原料ゴム(続き)
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
図B.6−塩素化ポリエチレン 加硫配合ゴム(透過法)
Y
X
17
K 6230:2018
表B.5−クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)
原料ゴム(透過法)
加硫配合ゴム(透過法)
波数(cm−1)
官能基
波数(cm−1)
官能基
720
(CH2)n
695
720
(CH2)n
740
815
910
- CH = CH2
1 160
- SO2Cl
970
- CH = CH - (トランス)
1 260
990
- CH = CH2
1 370
- CH3
1 460
- CH2 -
1 460
- CH2 -
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
a) 透過法
図B.7−クロロスルホン化ポリエチレン 原料ゴム
Y
X
18
K 6230:2018
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
b) ATR法
図B.7−クロロスルホン化ポリエチレン 原料ゴム(続き)
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
図B.8−クロロスルホン化ポリエチレン 加硫配合ゴム(透過法)
Y
X
19
K 6230:2018
表B.6−エチレンとプロピレンとジエンとのゴム状共重合体(EPDM)
原料ゴム(透過法)
加硫配合ゴム(透過法)
波数(cm−1)
官能基
波数(cm−1)
官能基
720
(CH2)n
720
(CH2)n
890
>C = CH2
910
- CH = CH2
970
- CH = CH - (トランス)
990
- CH = CH2
1 370
- CH3
1 370
- CH3
1 460
- CH2 -
1 460
- CH2 -
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
a) 透過法
図B.9−エチレンとプロピレンとジエンとのゴム状共重合体 原料ゴム
Y
X
20
K 6230:2018
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
b) ATR法
図B.9−エチレンとプロピレンとジエンとのゴム状共重合体 原料ゴム(続き)
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
図B.10−エチレンとプロピレンとジエンとのゴム状共重合体 加硫配合ゴム(透過法)
21
K 6230:2018
表B.7−フルオロ及びパーフルオロアルキル又はパーフルオロアルコキシ基を側鎖にもつゴム状共重合体
(FKM)
原料ゴム(透過法)
加硫配合ゴム(透過法)
波数(cm−1)
官能基
波数(cm−1)
官能基
1 000〜1 400
1 000〜1 400
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
a) 透過法
図B.11−フルオロ及びパーフルオロアルキル又はパーフルオロアルコキシ基を側鎖にもつ
ゴム状共重合体 原料ゴム
Y
X
22
K 6230:2018
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
b) ATR法
図B.11−フルオロ及びパーフルオロアルキル又はパーフルオロアルコキシ基を側鎖にもつ
ゴム状共重合体 原料ゴム(続き)
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
図B.12−フルオロ及びパーフルオロアルキル又はパーフルオロアルコキシ基を側鎖にもつ
ゴム状共重合体 加硫配合ゴム(透過法)
Y
X
23
K 6230:2018
表B.8−エピクロロヒドリンゴム(CO)
原料ゴム(透過法)
加硫配合ゴム(透過法)
波数(cm−1)
官能基
波数(cm−1)
官能基
750
1 100
1 100
注記 加硫配合ゴム(透過法)のスペクトルで観測される約1 720 cm−1のカルボニルの吸収は,このゴムの典型
的なものではなく,熱分解物に起因するものである。
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
a) 透過法
図B.13−エピクロロヒドリンゴム 原料ゴム
Y
X
24
K 6230:2018
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
b) ATR法
図B.13−エピクロロヒドリンゴム 原料ゴム(続き)
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
図B.14−エピクロロヒドリンゴム 加硫配合ゴム(透過法)
Y
X
25
K 6230:2018
表B.9−エチレンオキシドとエピクロロヒドリンとのゴム状共重合体(ECO)
原料ゴム(透過法)
加硫配合ゴム(透過法)
波数(cm−1)
官能基
波数(cm−1)
官能基
750
1 100
1 100
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
a) 透過法
図B.15−エチレンオキシドとエピクロロヒドリンとのゴム状共重合体 原料ゴム
Y
X
26
K 6230:2018
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
b) ATR法
図B.15−エチレンオキシドとエピクロロヒドリンとのゴム状共重合体 原料ゴム(続き)
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
図B.16−エチレンオキシドとエピクロロヒドリンとのゴム状共重合体 加硫配合ゴム(透過法)
27
K 6230:2018
表B.10−エチレンオキシドとエピクロロヒドリンとアリルグリシジルエーテルとのゴム状共重合体
(GECO)
原料ゴム(透過法)
加硫配合ゴム(透過法)
波数(cm−1)
官能基
波数(cm−1)
官能基
750
1 100
1 100
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
a) 透過法
図B.17−エチレンオキシドとエピクロロヒドリンとアリルグリシジルエーテルとの
ゴム状共重合体 原料ゴム
28
K 6230:2018
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
b) ATR法
図B.17−エチレンオキシドとエピクロロヒドリンとアリルグリシジルエーテルとの
ゴム状共重合体 原料ゴム(続き)
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
図B.18−エチレンオキシドとエピクロロヒドリンとアリルグリシジルエーテルとの
ゴム状共重合体 加硫配合ゴム(透過法)
29
K 6230:2018
表B.11−ポリジメチルシロキサン(MQ)
原料ゴム(透過法)
加硫配合ゴム(透過法)
波数(cm−1)
官能基
波数(cm−1)
官能基
800
>Si (- CH3)2
800
>Si (- CH3)2
860
>Si (- CH3)2
860
>Si (- CH3)2
1 020〜1 090
1 020〜1 090
1 260
>Si (- CH3)2
1 260
>Si (- CH3)2
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
a) 透過法
図B.19−ポリジメチルシロキサン 原料ゴム
Y
X
30
K 6230:2018
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
b) ATR法
図B.19−ポリジメチルシロキサン 原料ゴム(続き)
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
図B.20−ポリジメチルシロキサン 加硫配合ゴム(透過法)
Y
X
31
K 6230:2018
表B.12−ポリマー鎖にメチル置換基とフェニル置換基とをもつシリコーンゴム(PMQ)
原料ゴム(透過法)
加硫配合ゴム(透過法)
波数(cm−1)
官能基
波数(cm−1)
官能基
700及び740
- C6H5
700〜740
- C6H5
800
>Si (- CH3)2
800
>Si (- CH3)2
1 020〜1 090
1 020〜1 090
1 260
>Si (- CH3)2
1 260
>Si (- CH3)2
1 580
>C = C<
1 580
>C = C<
3 040
= CH - 芳香族
3 040
= CH- 芳香族
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
a) 透過法
図B.21−ポリマー鎖にメチル置換基とフェニル置換基とをもつシリコーンゴム 原料ゴム
32
K 6230:2018
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
b) ATR法
図B.21−ポリマー鎖にメチル置換基とフェニル置換基とをもつシリコーンゴム 原料ゴム(続き)
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
図B.22−ポリマー鎖にメチル置換基とフェニル置換基とをもつシリコーンゴム 加硫配合ゴム(透過法)
33
K 6230:2018
表B.13−ポリマー鎖にメチル置換基とフルオロ置換基とをもつシリコーンゴム(FMQ)
原料ゴム(透過法)
加硫配合ゴム(透過法)
波数(cm−1)
官能基
波数(cm−1)
官能基
800
800
1 010〜1 140
1 000〜1 100
1 210
1 210
1 260
>Si (- CH3)2
1 260
>Si (- CH3)2
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
a) 透過法
図B.23−ポリマー鎖にメチル置換基とフルオロ置換基とをもつシリコーンゴム 原料ゴム
34
K 6230:2018
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
b) ATR法
図B.23−ポリマー鎖にメチル置換基とフルオロ置換基とをもつシリコーンゴム 原料ゴム(続き)
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
図B.24−ポリマー鎖にメチル置換基とフルオロ置換基とをもつシリコーンゴム 加硫配合ゴム(透過法)
35
K 6230:2018
表B.14−ブタジエンゴム(BR)
原料ゴム(透過法)
加硫配合ゴム(透過法)
波数(cm−1)
官能基
波数(cm−1)
官能基
730
- CH = CH - (トランス)
700
芳香族
740
- CH = CH - (シス)
740
- CH = CH -
910
- CH = CH2 (ビニル)
910
- CH = CH2 (ビニル)
970
- CH = CH -
970
- CH = CH -
1 000
- CH = CH -
990
- CH = CH2
1 370
- CH3
1 650
>C = C<
3 010
= CH -
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
a) 透過法
図B.25−ブタジエンゴム(高シス BR) 原料ゴム
36
K 6230:2018
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
b) ATR法
図B.25−ブタジエンゴム(高シス BR) 原料ゴム(続き)
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
図B.26−ブタジエンゴム(高シス BR) 加硫配合ゴム(透過法)
Y
X
37
K 6230:2018
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
図B.27−ブタジエンゴム(高トランス BR) 原料ゴム(透過法)
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
図B.28−ブタジエンゴム(低シス BR) 原料ゴム(透過法)
Y
X
Y
X
38
K 6230:2018
表B.15−クロロプレンゴム(CR)
原料ゴム(透過法)
加硫配合ゴム(透過法)
波数(cm−1)
官能基
波数(cm−1)
官能基
600〜700
700
820
- CCl = CH
820
>C = CH2
1 110
1 440
- CH2 -
1 450
- CH2 -
1 665
>C = C<
1 600
芳香族
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
a) 透過法
図B.29−クロロプレンゴム 原料ゴム
Y
X
39
K 6230:2018
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
b) ATR法
図B.29−クロロプレンゴム 原料ゴム(続き)
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
図B.30−クロロプレンゴム 加硫配合ゴム(透過法)
Y
X
40
K 6230:2018
表B.16−ブチルゴム(IIR)
原料ゴム(透過法)
加硫配合ゴム(透過法)
波数(cm−1)
官能基
波数(cm−1)
官能基
890
>C = CH2
1 230
>C<
1 230
> C <
1 370及び1 390
>C(CH3)2
1 370及び1 390
> C(CH3)2
1 460
- CH2 -
1 460
- CH2 -
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
a) 透過法
図B.31−ブチルゴム 原料ゴム
Y
X
41
K 6230:2018
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
b) ATR法
図B.31−ブチルゴム 原料ゴム(続き)
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
図B.32−ブチルゴム 加硫配合ゴム(透過法)
Y
X
42
K 6230:2018
表B.17−臭素化ブチルゴム(BIIR)
原料ゴム(透過法)
加硫配合ゴム(透過法)
波数(cm−1)
官能基
波数(cm−1)
官能基
890
>C = CH2
1 230
>C<
1 230
>C<
1 370及び1 390
>C(CH3)2
1 370及び1 390
>C(CH3)2
1 460
- CH2 -
1 460
- CH2 -
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
図B.33−臭素化ブチルゴム 原料ゴム(透過法)
Y
X
43
K 6230:2018
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
図B.34−臭素化ブチルゴム 加硫配合ゴム(透過法)
Y
X
44
K 6230:2018
表B.18−臭素化イソブチレンとパラメチルスチレンとのゴム状共重合体
原料ゴム(透過法)
加硫配合ゴム(透過法)
波数(cm−1)
官能基
波数(cm−1)
官能基
815
芳香族
824
- C6H4 -
925
炭素骨格の振動
890
>C = CH2
1 230
>C(CH3)2
900
- C6H4 -
1 370及び1 390
>C(CH3)2
990
- C6H4 -
1 512
芳香族
1 370〜1 390
> C(CH3)2
1 580
芳香族
1 512
芳香族
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
a) 透過法
図B.35−臭素化イソブチレンとパラメチルスチレンとのゴム状共重合体 原料ゴム
45
K 6230:2018
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
b) ATR法
図B.35−臭素化イソブチレンとパラメチルスチレンとのゴム状共重合体 原料ゴム(続き)
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
図B.36−臭素化イソブチレンとパラメチルスチレンとのゴム状共重合体 加硫配合ゴム(透過法)
46
K 6230:2018
表B.19−天然ゴム(NR)
原料ゴム(透過法)
加硫配合ゴム(透過法)
波数(cm−1)
官能基
波数(cm−1)
官能基
835
>C = CH -
800
- CH = C<
1 040
- CH3
890
>C = CH2
1 090
1 130
>C = C<
970
CH2 = CH -
1 370
- CH3
1 380
- CH3
1 460
- CH2 -
1 640
>C = C<
注記1 天然ゴムについては,更に三つのゴム以外の成分(たんぱく質)に起因する特性吸収帯が観測される。
注記2 シス-1,4ポリイソプレンで硫黄含有量の多い加硫物の場合は,890 cm−1の吸収が弱くなる。
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
a) 透過法
図B.37−天然ゴム 原料ゴム
Y
X
47
K 6230:2018
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
b) ATR法
図B.37−天然ゴム 原料ゴム(続き)
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
図B.38−天然ゴム 加硫配合ゴム(透過法)
48
K 6230:2018
表B.20−イソプレンゴム(IR)
原料ゴム(透過法)
加硫配合ゴム(透過法)
波数(cm−1)
官能基
波数(cm−1)
官能基
835
>C = CH -
800
- CH = C<
1 130
- CH = CH - (シス)
890
- CH = CH2
1 160
- CH = CH - (トランス)
1 210
970
- CH = CH - (トランス)
1 370
- CH3
990
- CH = CH2
1 460
- CH2 -
1 380
- CH3
1 670
>C = C<
1 460
- CH2 -
1 640
>C = C<
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
a) 透過法
図B.39−イソプレンゴム(高シス IR) 原料ゴム
Y
X
49
K 6230:2018
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
b) ATR法
図B.39−イソプレンゴム(高シス IR) 原料ゴム(続き)
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
図B.40−イソプレンゴム(高シス IR) 加硫配合ゴム(透過法)
Y
X
50
K 6230:2018
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
図B.41−イソプレンゴム(高トランス IR) 原料ゴム(透過法)
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
図B.42−イソプレンゴム(高トランス IR) 加硫配合ゴム(透過法)
Y
X
Y
X
51
K 6230:2018
表B.21−イソプレンゴム(3,4 IR)
原料ゴム(透過法)
加硫配合ゴム(透過法)
波数(cm−1)
官能基
波数(cm−1)
官能基
800
>C = CH2
890
>C = CH2
890
>C = CH2
910
- CH = CH2
910
- CH = CH2
970
- CH = CH - (トランス)
1 000
- CH = CH2
990
- CH = CH2
1 380
- CH3
1 460
- CH2 -
1 460
- CH2 -
1 640
>C = C<
1 640
>C = C<
3 080
>C = C -
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
a) 透過法
図B.43−イソプレンゴム(3,4 IR) 原料ゴム
52
K 6230:2018
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
b) ATR法
図B.43−イソプレンゴム(3,4 IR) 原料ゴム(続き)
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
図B.44−イソプレンゴム(3,4 IR) 加硫配合ゴム(透過法)
53
K 6230:2018
表B.22−ニトリルゴム(NBR)
原料ゴム(透過法)
加硫配合ゴム(透過法)
波数(cm−1)
官能基
波数(cm−1)
官能基
910
- CH = CH2
910
- CH = CH2
970
- CH = CH - (トランス)
970
- CH = CH - (トランス)
990
- CH = CH2
1 460
- CH2 -
1 460
- CH2 -
1 640
CH2 = CH -
1 590
芳香族
2 240
- CN
2 240
- CN
3 400
>N - H
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
a) 透過法
図B.45−ニトリルゴム 原料ゴム
Y
X
54
K 6230:2018
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
b) ATR法
図B.45−ニトリルゴム 原料ゴム(続き)
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
図B.46−ニトリルゴム 加硫配合ゴム(透過法)
Y
X
55
K 6230:2018
表B.23−水素化されたアクリロニトリルとブタジエンとのゴム状共重合体(HNBR)
原料ゴム(透過法)
加硫配合ゴム(透過法)
波数(cm−1)
官能基
波数(cm−1)
官能基
720
(CH2)n
720
(CH2)n
910
- CH = CH2
1 460
- CH2 -
1 460
- CH2 -
1 610
不飽和
2 240
- CN
2 240
- CN
3 400
>N - H
注記 水素化が部分的な場合には,残存するトランス(−CH=CH− 970 cm−1)の吸収が観察される。
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
a) 透過法
図B.47−水素化されたアクリロニトリルとブタジエンとのゴム状共重合体 原料ゴム
Y
X
56
K 6230:2018
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
b) ATR法
図B.47−水素化されたアクリロニトリルとブタジエンとのゴム状共重合体 原料ゴム(続き)
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
図B.48−水素化されたアクリロニトリルとブタジエンとのゴム状共重合体 加硫配合ゴム(透過法)
Y
X
57
K 6230:2018
表B.24−カルボキシル化されたアクリロニトリルとブタジエンとのゴム状共重合体(XNBR)
原料ゴム(透過法)
加硫配合ゴム(透過法)
波数(cm−1)
官能基
波数(cm−1)
官能基
910
- CH = CH2
910
- CH = CH2
970
- CH = CH - (トランス)
970
- CH = CH - (トランス)
1 460
- CH2 -
1 460
- CH2 -
1 700
>C = O
1 700
>C = O
2 240
- CN
2 240
- CN
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
a) 透過法
図B.49−カルボキシル化されたアクリロニトリルとブタジエンとのゴム状共重合体 原料ゴム
Y
X
58
K 6230:2018
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
b) ATR法
図B.49−カルボキシル化されたアクリロニトリルとブタジエンとのゴム状共重合体
原料ゴム(続き)
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
図B.50−カルボキシル化されたアクリロニトリルとブタジエンとのゴム状共重合体
加硫配合ゴム(透過法)
59
K 6230:2018
表B.25−ニトリルゴムとポリ塩化ビニル(PVC)とのブレンドゴム(NBR/PVC)
原料ゴム(透過法)
加硫配合ゴム(透過法)
波数(cm−1)
官能基
波数(cm−1)
官能基
600〜700
910
- CH = CH2
970
- CH = CH - (トランス)
1 315
1 460
- CH2 -
1 460
- CH2 -
1 640
>C = C<
2 240
- C = N
2 240
- C = N
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
a) 透過法
図B.51−ニトリルゴムとポリ塩化ビニルとのブレンドゴム 原料ゴム
60
K 6230:2018
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
b) ATR法
図B.51−ニトリルゴムとポリ塩化ビニルとのブレンドゴム 原料ゴム(続き)
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
図B.52−ニトリルゴムとポリ塩化ビニルとのブレンドゴム 加硫配合ゴム(透過法)
61
K 6230:2018
表B.26−スチレンとブタジエンとのゴム状共重合体(SBR)
原料ゴム(透過法)
加硫配合ゴム(透過法)
波数(cm−1)
官能基
波数(cm−1)
官能基
700及び760
- C6H5
700及び760
- C6H5
910
- CH = CH2 (ビニル)
910
- CH = CH2 (ビニル)
970
- CH = CH - (トランス)
970
- CH = CH - (トランス)
995
CH2 = CH -
- CH = CH - (シス)
990
CH2 = CH -
1 460
- CH2 -
1 460
- CH2 -
1 500及び1 600
- C6H5
1 500及び1 600
- C6H5
1 640
>C = C<
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
図B.53−スチレンとブタジエンとのゴム状共重合体 原料ゴム(ATR法)
62
K 6230:2018
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
図B.54−23.5 % スチレン E-SBR 原料ゴム(透過法)
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
図B.55−23.5 % スチレン E-SBR 加硫配合ゴム(透過法)
Y
X
Y
X
63
K 6230:2018
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
図B.56−高スチレン E-SBR 原料ゴム(透過法)
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
図B.57−高ビニル S-SBR 原料ゴム(透過法)
Y
X
Y
X
64
K 6230:2018
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
図B.58−高スチレン S-SBR 原料ゴム(透過法)
表B.27−水素化されたスチレンとブタジエンとのゴム状共重合体(HSBR)
原料ゴム(透過法)
波数(cm−1)
官能基
700及び760
- C6H5
1 380
- CH3
1 460
- CH2 -
1 500〜1 600
- C6H5
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
図B.59−水素化されたスチレンとブタジエンとのゴム状共重合体 原料ゴム(透過法)
Y
X
65
K 6230:2018
表B.28−ポリマー鎖のポリスルフィド結合の間に-CH2-CH2-O-CH2-O-CH2-CH2-基及び
通常-CH2-CH2-基(場合によっては他の脂肪族基)をもつゴム(EOT)
原料ゴム(透過法)
加硫配合ゴム(透過法)
波数(cm−1)
官能基
波数(cm−1)
官能基
1 050〜1 200
1 050〜1 200
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
図B.60−ポリマー鎖のポリスルフィド結合の間に-CH2-CH2-O-CH2-O-CH2-CH2-基及び
通常-CH2-CH2-基(場合によっては他の脂肪族基)をもつゴム 原料ゴム(透過法)
66
K 6230:2018
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
図B.61−ポリマー鎖のポリスルフィド結合の間に-CH2-CH2-O-CH2-O-CH2-CH2-基及び
通常-CH2-CH2-基(場合によっては他の脂肪族基)をもつゴム 加硫配合ゴム(透過法)
67
K 6230:2018
表B.29−ポリエステルウレタン(AU)
原料ゴム(透過法)
加硫配合ゴム(透過法)
波数(cm−1)
官能基
波数(cm−1)
官能基
1 150〜1 250
1 530
>N - H
1 530
>N - H
1 700〜1 740
1 700〜1 740
3 250〜3 300
>N - H
3 250〜3 300
>N - H
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
a) 透過法
図B.62−ポリエステルウレタン 原料ゴム
68
K 6230:2018
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
b) ATR法
図B.62−ポリエステルウレタン 原料ゴム(続き)
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
図B.63−ポリエステルウレタン 加硫配合ゴム(透過法)
69
K 6230:2018
表B.30−ポリエーテルウレタン(EU)
原料ゴム(透過法)
加硫配合ゴム(透過法)
波数(cm−1)
官能基
波数(cm−1)
官能基
1 100
1 100
1 530
>N - H
1 530
>N - H
1 700〜1 720
1 700〜1 720
2 220
- N = C = O
3 250〜3 300
>N - H
3 250〜3 300
>N - H
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
a) 透過法
図B.64−ポリエーテルウレタン 原料ゴム
70
K 6230:2018
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
b) ATR法
図B.64−ポリエーテルウレタン 原料ゴム(続き)
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
図B.65−ポリエーテルウレタン 加硫配合ゴム(透過法)
71
K 6230:2018
表B.31−スチレンとブタジエンとのブロック共重合体(TPS-SBS)
原料ゴム(透過法)
波数(cm−1)
官能基
700及び760
- C6H5
910
- CH = CH2
970
- CH = CH - (トランス)
995
CH2 = CH -
- CH = CH - (シス)
1 460
- CH2 -
1 500及び1 600
- C6H5
1 640
>C = C<
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
図B.66−スチレンとブタジエンとのブロック共重合体 原料ゴム(透過法)
Y
X
72
K 6230:2018
表B.32−ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレン(TPS-SEBS)
原料ゴム(透過法)
波数(cm−1)
官能基
700及び760
- C6H5
1 380
- CH3
1 460
- CH2 -
1 500及び1 600
- C6H5
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
図B.67−ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレン 原料ゴム(透過法)
Y
X
73
K 6230:2018
表B.33−スチレンとイソプレンとのブロック共重合体(TPS-SIS)
原料ゴム(透過法)
波数(cm−1)
官能基
700及び760
- C6H5
835
- C = CH -
1 370
- CH3
1 460
- CH2 -
1 500及び1 600
- C6H5
1 640
>C = C<
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
図B.68−スチレンとイソプレンとのブロック共重合体 原料ゴム(透過法)
Y
X
74
K 6230:2018
表B.34−ポリスチレン−ポリ(エチレン−プロピレン)−ポリスチレン(TPS-SEPS)
原料ゴム(透過法)
波数(cm−1)
官能基
700及び760
- C6H5
1 370
- CH3
1 460
- CH2 -
1 500及び1 600
- C6H5
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
図B.69−ポリスチレン−ポリ(エチレン−プロピレン)−ポリスチレン 原料ゴム(透過法)
75
K 6230:2018
表B.35−シンジオタクティック1,2-ポリブタジエン樹脂[TPZ-(Syn.1,2-BR)]
原料ゴム(透過法)
波数(cm−1)
官能基
910
- CH = CH2
990
- CH = CH2
1 420
- CH = CH2
1 650
- CH = CH2
3 080
= CH2
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
図B.70−シンジオタクティック1,2-ポリブタジエン樹脂 原料ゴム(透過法)
Y
X
76
K 6230:2018
表B.36−エステル系熱可塑性エラストマー(ソフトセグメントは,エーテル及び
エステルの両方の結合様式をもつもの)(TPC-EE)
原料ゴム(透過法)
波数(cm−1)
官能基
725
- (CH2) -
1 100〜1 300
1 740
>C = O
X:波数(cm−1) Y:透過率(%)
図B.71−エステル系熱可塑性エラストマー(ソフトセグメントは,エーテル及び
エステルの両方の結合様式をもつもの) 原料ゴム(透過法)
参考文献 JIS K 6397 原料ゴム及びラテックスの略号
Y
X
附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS K 6230:2018 ゴム−赤外分光分析法によるゴムの種類の同定
ISO 4650:2012,Rubber−Identification−Infrared spectrometric methods
(I)JISの規定
(II)国際
規格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
1 適用範囲
1
機器操作の注意事項
を記載。
削除
機器操作の注意事項を削除した。
装置の取扱いは,警告に含まれ
る内容のため。
技術的な差異はない。
3 試験の概
要
3.1 透過法による同
定
3.1
追加
ゴムの形態及び透過法で使用できる
膜調製方法をまとめた表を追加した。
規格利用者の利便性を考慮し
た。技術的な差異はない。
3.2 ATR法による同
定
3.2
追加
溶剤抽出を行う旨を追加規定した。
規格利用者の利便性を考慮し
た。技術的な差異はない。
4 同定でき
るゴムの種
類
4.1 d) 1),4),8)
4.1
変更
BR,NR,IR及びSBRのミクロ構造
の同定に関して,ゴムの形態ごとに規
定した。
規格利用者の利便性を考慮し
た。技術的な差異はない。
4.1 d) 9)
4.1
追加
附属表B.1に記載のHSBRを追加し
た。
ISO見直し時に提案する。
4.2
4.2
追加
技術的に確認されている事項だけ規
定することを明記した。
ISO見直し時に提案する。
−
−
4.2
削除
ブレンド比の具体的な数字を削除し
た。
この規格は,定量分析を目的と
していないため。ISO見直し時
に提案する。
−
−
5
削除
メタノール及びアセトンを削除した。 抽出時の溶剤は,引用規格であ
るJIS K 6229に規定されている
ため。技術的な差異はない。
−
−
5
削除
硫酸ナトリウムを削除した。
硫酸ナトリウムを用いる測定手
順を削除したため。ISO見直し
時に提案する。
8
K
6
2
3
0
:
2
0
1
8
(I)JISの規定
(II)国際
規格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
5 ガス及び
試薬
−
5
追加
シクロヘキサン及びトルエンを追加
した。
膜調製及びカーボンブラック等
の分離に使用するため。ISO見
直し時に提案する。
6
ろ過助剤を,器具及び
装置の箇条に規定。
変更
ろ過助剤を箇条5で規定するよう変
更した。
ろ過助剤は器具及び装置ではな
いため。ISO見直し時に提案す
る。
6 器具及び
装置
6
追加
還流冷却器付フラスコ,遠心分離器及
びブンゼンバーナーを追加した。
測定時に使用するため。ISO見
直し時に提案する。
追加
ATR測定装置の型式及び入射角を追
加した。
規格利用者の利便性を考慮し
た。ISO見直し時に提案する。
削除
熱分解用装置,キャピラリーピペット
及び水浴を削除した。
これらの器具及び装置を用いる
測定手順を削除したため。ISO
見直し時に提案する。
5
pH試験紙を,ガス及び
試薬の箇条に規定。
変更
pH試験紙を箇条6で規定するよう変
更した。
pH試験紙は,ガス及び試薬では
ないため。ISO見直し時に提案
する。
7 透過法の
測定手順
7.1 原料ゴム及び未
加硫配合ゴム
7.1
追加
未加硫配合ゴムを追加した。
未加硫配合ゴムは原料ゴムと同
じ膜調製方法のため。
ISO見直し時に提案する。
7.1 a)
7.1.1
変更
試験試料量を2 g〜5 gから100 mg以
上に変更した。
実情に合わせた。ISO見直し時
に提案する。
7.1 b)
7.1.2
変更
試験片量を数値化した。
実情に合わせた。ISO見直し時
に提案する。
7.1 b)
7.1.2
追加
カーボンブラックが遊離したときの
対応を追加した。
未加硫配合ゴム追加のため。ISO
見直し時に提案する。
7.1 e),7.2.1 h),7.2.2
i)
7.1.6,
7.3.1.8,
7.3.2.9
変更
膜の作製からやり直す基準を明確に
した。
膜作製をやり直す基準が不明確
なため。ISO見直し時に提案す
る。
7.2.1 d) 1)
7.3.1.4
変更
遠心分離による分離方法を詳細に規
定した。
規格利用者の利便性を考慮し
た。技術的な差異はない。
8
K
6
2
3
0
:
2
0
1
8
(I)JISの規定
(II)国際
規格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
7 透過法の
測定手順
(続き)
7.2.2 d)
7.3.2.7
追加
膜調製用の溶剤としてシクロヘキサ
ンを追加した。
ISO見直し時に提案する。
7.2.3
7.2.2
変更
ブンゼンバーナーを用いた加熱分解
法を具体的に規定した。
ISO見直し時に提案する。
−
−
7.1
削除
成形による膜作製方法を削除した。
成形による膜作製には高度な技
術が必要である上に,使用実績
も確認できなかったため。ISO
見直し時に提案する。
−
−
7.2.1
削除
熱分解用装置を用いた加熱分解法を
削除した。
使用実績がなく,ブンゼンバー
ナーを用いた加熱分解法で代替
可能なため。ISO見直し時に提
案する。
8 ATR法の
測定手順
8
追加
測定をやり直す基準を追加して,明確
にした。
ISO見直し時に提案する。
9 スペクト
ルの解析
−
4.3
標準スペクトルにつ
いて規定し,Annex B
を参照。
変更
標準スペクトルに関する規定をこの
箇条に移動し,一部を注記とした。
規格利用者の利便性を考慮し
た。技術的な差異はない。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 4650:2012,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 削除 ················ 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD ··············· 国際規格を修正している。
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