K 6228 : 1998
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日
本工業規格である。
今回の制定は,国際規格に整合させるために,ISO 247 : 1990, Rubber−Determination of ashを基礎として
用いた。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
K 6228 : 1998
ゴム−灰分の定量
Rubber−Determination of ash
序文 この規格は,1990年に発行された,ISO 247, Rubber−Determination of ashを翻訳し,技術的内容及
び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格にはない事項である。
1. 適用範囲
1.1
この規格は,生ゴム,配合ゴム及び加硫ゴムの灰分の定量に用いる2種類の灰化方法について規定
する。この方法は,ISO 1629に規定するM,N,O,R,U族に属する生ゴム,配合ゴム及び加硫ゴムに適
用できる。
この規格は,配合ゴム及び加硫ゴムの無機成分に関する灰分の定量結果は取り扱わない。これは分析者
の責任範囲である。分析者は昇温におけるゴム添加剤の挙動に注意しなければならない。
備考 この規格の対応国際規格は,ISO 247 : 1990, Rubber−Determination of ashである。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格のうちで,発効年(又は発行年)を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの
規格の規定を構成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年(又は発行年)を付
記していない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 8951 硫酸(試薬)
ISO 248 : 1979 Rubbers, raw−Determination-of volatile matter content
ISO 1629 : 1987 Rubber and latices−Nomenclature
ISO 1795 : 1992 Rubber, raw, natural and synthetic−Sampling and further preparative procedures
3. 原理
3.1
A法 質量を測定した試料をるつぼに入れ,ガスバーナ上で加熱する。揮発性分解物を排除した後,
加熱しておいたマッフル炉にるつぼを入れ,炭素質物質がすべて燃焼し,恒量になるまで加熱する。
備考 A法は,塩素,臭素又はよう素を含む配合ゴム及び加硫ゴムの灰分の定量に用いてはならない。
3.2
B法 質量を測定した試料をるつぼに入れ,硫酸の存在下で初めはガスバーナ上で,次いでマッフ
ル炉で炭素質物質がすべて燃焼し,恒量になるまで加熱する。
備考1. B法は,塩素,臭素又はよう素を含む配合ゴム及び加硫ゴムの灰分の定量に用いるものとす
る。この方法を未配合ゴム(生ゴム)に用いてはならない。
2. この2種類の灰化方法は,常に等しい結果を与えるとは限らない。したがって,試験報告書
には採用した灰化方法を明記しなければならない。
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4. 試薬 硫酸(B法だけ)JIS K 8951 硫酸に規定するもの。
5. 器具 通常の実験室用器具に加えて,次の器具を用いる。
5.1
るつぼ 磁器,石英又は白金製で,容量が約50cm3のもの。生合成ゴム(未配合合成ゴム)につい
ては,試料1g当たり25cm3以上の容量のるつぼを用いてもよい。
備考 リチウム化合物及びふっ素化合物は石英るつぼと反応して揮発性化合物を生成する。そのため,
灰分の定量結果が低くなる場合がある。ふっ素含有ゴム及びリチウム重合ゴムの灰化には白金
るつぼを用いなければならない。
5.2
耐熱性断熱板 100mm角,板厚5mmで,中央にるつぼ(5.1参照)に合わせた孔をあけたもの。る
つぼの約3分の2が板の裏側に突き出るものでなければならない。
5.3
ガスバーナ ブンゼンバーナ又は同種のガスバーナ。
5.4
マッフル炉 煙道及び炉内を通る空気の流量を制御する設備を備えたもの(扉の開度を調節して達
成できる場合がある。)。温度を550℃±25℃又は950℃±25℃に保持するための温度調節装置が必要である。
6. 測定試料の調製
6.1
天然ゴムの測定試料は,ISO 1795に従って調製した均質化試片から切り出す。生合成ゴム(未配合
合成ゴム)の測定試料は,ISO 248に規定する揮発分の定量に用いた後,乾燥させたゴムから切り出す。
6.2
配合ゴムの測定試料は,手で細かくする。
6.3
加硫ゴムの測定試料は,実験室用ロール機で板状又は小さな塊状にするか,手で細かくする。
6.4
配合ゴム及び加硫ゴムの測定試料が,測定試料全体を代表するものであることを注意深く確認しな
ければならない。
7. 手順
7.1 A法 適切な大きさの空の清浄なるつぼ(5.1参照)を550℃±25℃に保ったマッフル炉(5.4参照)
の中で約30分間加熱する。デシケーター中で放冷し,質量を0.1mgまで量る。測定試料については予想
される灰分の質量に応じて1g〜5gの試料を0.1mgまで量り採る。量り採った測定試料を耐熱性断熱板(5.2
参照)の孔にはめ込んだるつぼに入れる。
適切な換気設備の付いたフードの中で,ゴムが発火しないように注意しながら,ガスバーナ(5.3参照)
を用いてるつぼを緩やかに加熱する。吹き出しや泡立ちによって試料が失われた場合には,新しい試料を
用いて上記の手順を繰り返す。
ゴムが分解して炭化物の塊になったら,バーナの火力を徐々に強め,揮発性熱分解物が十分に揮散し,
炭素質の乾燥した残さが残るまで加熱する。るつぼ及びその内容物を550℃±25℃(備考参照)に保った
マッフル炉に移す。炉の扉をわずかに開けて酸素を十分に供給しながら炭素を酸化させる。
炭素が完全に酸化し,きれいな灰が得られるまで加熱を続ける。
るつぼ及びその内容物を炉から取り出し,デシケーター中で室温まで放冷し,質量を0.lmgまで量る。
るつぼ及びその内容物を550℃±25℃(又は950℃±25℃−備考参照)に保ったマッフル炉に戻し,約30
分間加熱する。
デシケーター中で室温まで放冷し,質量を0.1mgまで量る。このときの質量と前回の質量の差は,生ゴ
ムの場合には1mg以内,配合ゴム及び加硫ゴムについては灰分の量の1%以内でなければならない。この
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要求事項を満たしていない場合には,連続した2回の測定値の差がこの要求事項を満たすまで加熱,放冷,
ひょう量の手順を繰り返す。
備考 配合ゴム及び加硫ゴムについては,950℃±25℃の温度条件を用いてもよい。
7.2
B法 適切な大きさの空の清浄なるつぼ(5.1参照)を950℃±25℃に保ったマッフル炉(5.4参照)
の中で約30分間加熱する。
デシケーター中で放冷し,質量を0.1mgまで量る。測定試料については予想される灰分の質量に応じて
1g〜5gの試料を0.1mgまで量り採る。
測定試料をるつぼに入れ,試料が完全にぬれるように濃硫酸(4.参照)約35cm3を試料の上から注ぎ入
れる。
試料の入ったるつぼを耐熱性断熱板(5.2参照)の孔にはめ込み,適切な換気設備のついたフードの中で
緩やかに加熱する。反応初期に試料混合物が過度に膨張するようであれば,加熱を中止し,試料が失われ
ないようにする。
反応が緩やかになったらバーナの火力を強め,過剰の硫酸が揮散し,炭素質の乾燥残さが残るまで加熱
する。
るつぼ及びその内容物を950℃±25℃に保ったマッフル炉に移し,炭素が完全に酸化し,きれいな灰が
得られるまで約1時間加熱する。
るつぼ及びその内容物を炉から取り出し,デシケーター中で室温まで放冷して質量を0.1mgまで量る。
るつぼ及びその内容物を950℃±25℃に保ったマッフル炉に戻し,約30分間加熱する。デシケーター中で
室温まで放冷し,質量を0.1mgまで量る。
このときの質量と前回の質量の差が灰分量の1%を超える場合には,連続した2回の測定値の差が灰分
量の1%未満となるまで加熱,放冷,ひょう量を繰り返す。
8. 結果の表示 灰分の質量百分率は,次の式によって求める。
(
)100
0
1
2
×
−
m
m
m
ここに, m0: 試料の質量 (g)
m1: 空のるつぼの質量 (g)
m2: るつぼ及び灰の質量 (g)
9. 試験報告書 試験報告書には,次の事項が含まれていなければならない。
a) 試験片又は供試品を完全に特定するために必要なすべての詳細情報
b) この規格を引用した旨の記述
c) 使用した試験方法−A法又はB法
d) 使用した温度。A法で加熱温度を950℃とした場合には,その理由
e) 供試品の灰分(質量%)
f)
試験を実施した日付
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ゴム製品分析方法原案作成委員会・分科会 構成表
氏名
所属
委員会
分科会
(委員長)
本 間 輝 武
神奈川工科大学応用化学科
◎
西 本 右 子
神奈川大学理学部
○
◎
増 田 優
通商産業省基礎産業局化学製品課
○
大 嶋 清 治
工業技術院標準部材料規格課
○
中 室 輝 夫
工業技術院標準部材料規格課
○
橋 本 繁 晴
財団法人日本規格協会
○
○
鈴 木 守
社団法人日本ゴム協会
○
神 代 啓
社団法人日本化学工業協会
○
秋 山 節 夫
株式会社ブリヂストン研究部
○
○
永 武 寿 宏
横浜ゴム株式会社
○
○
浅 田 美佐子
株式会社ゼオン分析センター
○
○
伊 藤 政 幸
日本原子力研究所
○
○
小 野 茂 之
NOK株式会社筑波技術研究所
○
○
鹿 庭 正 昭
国立衛生試験所療品部
○
○
塩 沢 功
鬼怒川ゴム工業株式会社
○
○
岩 田 知 晴
株式会社明治ゴム化成
○
○
福 岡 清
ニチアス株式会社鶴見研究所
○
○
橋 本 和 信
東海ゴム工業株式会社
○
○
中 村 修 蔵
株式会社興国ゴム技術研究所
○
○
栗 田 光 造
古河電気工業株式会社平塚研究所
○
○
中 村 博 雄
日本合成ゴム株式会社四日市工場
○
○
鈴 木 裕 次
財団法人化学品検査協会
○
○
(事務局)
三 須 武
社団法人日本化学工業協会
○
○
濱 島 俊 行
社団法人日本化学工業協会
○
○
伊 藤 茂 樹
財団法人化学品検査協会
○
○
◎委員長,分科会主査を示す