K 6218-2:2005
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,日本ゴム工業会(JRMA)/財団法人日本規格
協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の
審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。これによって,JIS K 6218:1997は廃止され,
この規格に置き換えられる。
制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 1125:1999, Rubber compounding
ingredients−Carbon black−Determination of ashを基礎として用いた。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
JIS K 6218-2には,次に示す附属書がある。
附属書1(参考)精度及びかたより
附属書2(参考)JISと対応する国際規格との対比表
JIS K 6218の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS K 6218-1 第1部:加熱減量の求め方
JIS K 6218-2 第2部:灰分の求め方
JIS K 6218-3 第3部:ふるい残分の求め方
JIS K 6218-4 第4部:トルエン着色透過度の求め方
JIS K 6218-5 第5部:溶媒抽出量の求め方
K 6218-2:2005
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目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 試験方法の原理 ··············································································································· 1
4. 器具及び装置 ·················································································································· 2
4.1 マッフル炉 ··················································································································· 2
4.2 磁器るつぼ ··················································································································· 2
4.3 化学はかり(化学天びん)······························································································· 2
4.4 デシケータ ··················································································································· 2
4.5 乾燥器 ························································································································· 2
5. 試料採取方法 ·················································································································· 2
6. 試験方法の手順 ··············································································································· 2
7. 試験結果のまとめ方 ········································································································· 2
8. 記録 ······························································································································ 3
附属書1(参考)精度及びかたより ·························································································· 4
附属書2(参考)JISと対応する国際規格との対比表 ··································································· 5
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
K 6218-2:2005
ゴム用カーボンブラック−付随的特性−
第2部:灰分の求め方
Carbon black for rubber industry−Secondary characteristics−
Part 2: Determination of ash
序文 この規格は,1999年に第3版として発行されたISO 1125,Rubber compounding ingredients−Carbon
black−Determination of ashを翻訳し,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変
更の一覧表をその説明を付けて,附属書2(参考)に示す。
警告 この規格の利用者は,通常の実験室での作業に精通しているものとする。この規格は,その使用に
関連して起こるすべての安全上の問題を取り扱おうとするものではない。この規格の利用者は,各自の責
任において安全及び健康に対する適切な処置をとらなければならない。
1. 適用範囲 この規格は,ゴム工業で原材料の配合剤として用いられるゴム用カーボンブラック(以下,
カーボンブラックという。)の付随的特性のうち,カーボンブラックの灰分の求め方について規定する。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO 1125:1999,Rubber compounding ingredients−Carbon black−Determination of ash (MOD)
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格のうちで,発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構
成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年を付記していない引用規格は,その
最新版(追補を含む)を適用する。
JIS K 6216-1 ゴム用カーボンブラック−共通事項−第1部:試料採取方法
備考 ISO 1124:1988, Rubber compounding ingredients−Carbon black shipment sampling procedures
が,この規格と一致している。
JIS Z 8401 数値の丸め方
3. 試験方法の原理 乾燥した試料を磁器るつぼに正しくはかりとり,すべての炭素質が酸化されるまで
燃焼させる。デシケータ中で冷却した後,磁器るつぼの質量をはかり,灰分を質量百分率で算出する。
2
K 6218-2:2005
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4. 器具及び装置
4.1
マッフル炉 550±25 ℃又はその他の必要な温度に維持可能なもの。
備考 換気式の電気炉を用いると,恒量になるまでの加熱時間が短縮できる。
4.2
磁器るつぼ 直径35 mm,高さ30 mmでふた付きのもの。
ふたの使用は任意であるが,ふたの使用の有無を試験報告書に記載しなければならない。
4.3
化学はかり(化学天びん)0.1 mgの精度をもつもの。
4.4
デシケータ
4.5
乾燥器 自然対流式が望ましく,125±1 ℃に制御可能で,かつ,温度分布が±5 ℃以内のもの。
5. 試料採取方法 試料採取は,JIS K 6216-1に従って行う。
6. 試験方法の手順
6.1
磁気るつぼ及びふた (4.2) を,マッフル炉 (4.1) を用いて550±25 ℃又はその他の必要な温度で1
時間加熱して空焼きする。磁気るつぼ及びふたをデシケータ (4.4) に入れ,室温まで放冷する。
備考 6.1の操作は新しい磁器るつぼ及びふたに対してだけ必要であり,試験の最後(6.4参照)で洗
浄,乾燥のうえデシケータ中で保管した磁器るつぼ及びふたを用いる場合には,空焼きをしな
くてもよい。
6.2
ファーネスブラックでは2 gよりも少し多い質量の試料を,サーマルブラック又はチャンネルブラッ
クでは5 gよりも少し多い質量の試料を,乾燥器 (4.5) を用いて125 ℃で1時間乾燥する。
6.3
磁器るつぼ及びふたの質量 (m0) を0.1 mgまで正しくはかる。これに,ファーネスブラックでは約2
gの,サーマルブラック又はチャンネルブラックでは約5 gの乾燥試料を入れ,磁器るつぼ及びふたと試料
との合計質量 (m1) を0.1 mgまで正しくはかる。これを,ふたを外した状態で550±25 ℃又はその他の温
度に維持したマッフル炉に入れて,恒量になるまで加熱する。磁器るつぼにふたをしてデシケータに移し
入れ,室温まで放冷する。灰分と磁器るつぼ及びふたとの合計質量 (m2) を0.1 mgまで正しくはかる。繰
り返し磁器るつぼを取り扱うのを避けるために,適切な灰化時間を決めておかなければならない。
次のことに注意しなければならない。
a) 空気が流入して有機物質の燃焼が促進されるように,マッフル炉の扉を約0.5 cm開いておく。
b) 灰化試料をデシケータ中で放冷した後にデシケータのふたを開くときは,徐々に空気を入れ,気流で
灰分が飛散するのを避けなければならない。
当事者間の協定によって,750±25 ℃又は825±25 ℃の灰化温度を用いてもよい(このときは,4.1,6.1
及び6.3の規定事項もこれに従って変更しなければならない。)。ただし,これらの温度で得られる灰分は,
550 ℃でのものよりも小さな値となるので,これらの温度を標準として用いてはならない。
6.4
磁器るつぼ及びふたを洗浄し,乾燥器を用いて125 ℃で乾燥してデシケータ中で保管する。
7. 試験結果のまとめ方 灰分は次の式によって算出し,JIS Z 8401に従って丸める。
100
0
1
3
2
×
−
−
=
m
m
m
m
A
ここに,
A: 灰分 (%)
m0: 試験前の磁器るつぼ(及びふた)の質量 (g)
m1: 試験前の磁器るつぼ(及びふた)と試料との合計質量 (g)
3
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m2: 試験後の磁器るつぼ(及びふた)と灰分との合計質量 (g)
m3: 試験後の磁器るつぼ(及びふた)の質量 (g)(m0 を用いてもよ
い。)
備考 精度及びかたよりは,附属書1を参照のこと。
8. 記録 試験報告書には,次の事項を記録する。
a) 適用規格番号 (K 6218-2)
b) 試料の履歴
c) 試験結果
d) 試験中での特記事項
e) 灰化温度及び磁器るつぼのふたの使用の有無
f)
測定日
4
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附属書1(参考)精度及びかたより
この附属書は,精度及びかたよりについて記述するものであり,規定の一部ではない。
1. 精度及びかたより
1.1
この試験方法の試験精度は,ISO/TR 9272 に従って行われている。用語及び統計上の詳細について
は,それを参照する。
備考 ISO/TR 9272, Rubber and rubber products−Determination of precision for test method standards
1.2
得られた精度は,測定の精度を予測するものである。精度のパラメータをカーボンブラックの合否
判定試験に用いる場合には,これらのパラメータが,対象とするカーボンブラック及び採用した試験に適
用できることを,文書で確認しておかなければならない。
1.3
タイプ1の試験室間試験プログラムを実施した。得られた室内再現精度及び室間再現精度は,短期
間の試験状況を表すものである。10か所の試験室で5種類のカーボンブラック(A,B,C,D及びE)に
ついて異なる2日にそれぞれ2度試験を行った。試験結果は1度の測定から得られたものであり,偏差は
測定していない。
1.4
精度の計算結果を灰分の小さい順に附属書1表1に示す。
附属書1表 1 精度管理データ
試料
灰分平均値
%
試験室内
試験室間
Sr
r
(r)
SR
R
(R)
A
0.17
0.016
0.045
25.497
0.021
0.060
35.188
E
0.35
0.020
0.057
16.121
0.037
0.014
29.663
B
0.45
0.030
0.085
18.919
0.043
0.122
27.067
C
0.61
0.027
0.076
12.483
0.037
0.106
17.445
D
0.83
0.016
0.045
5.620
0.023
0.066
7.961
平均値
0.48
0.02
0.06
13.25
0.03
0.09
19.63
Sr
r
(r)
SR
R
(R)
:
:
:
:
:
:
試験室内の標準偏差
試験室内再現精度(測定単位で表した値)
試験室内再現精度(%で表す相対値)
試験室間の標準偏差
試験室間再現精度(測定単位で表した値)
試験室間再現精度(%で表す相対値)
1.5
灰分の平均値に対する精度は,次のとおりである。
1.5.1
室内再現精度 灰分の室内再現精度rは,0.06 %と確定する。二つの試験結果(又は定量値)に0.06 %
より大きな差が出た場合は,疑わしいと考え,何らかの適切な精査を要する。
1.5.2
室間再現精度 灰分の室間再現精度Rは,0.09 %と確定する。個別の試験機関で得られた二つの試
験結果(又は定量値)に0.09 %より大きな差が出た場合は,疑わしいと考え,何らかの適切な精査を要す
る。
1.6
かたより かたよりとは,平均的な測定値と標準値(真の値)との差である。測定値は,この測定
法によってだけ決定されるものなので,この測定法に対する標準値というものは存在しない。したがって,
かたよりは定量化できない。
5
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書2(参考)JISと対応する国際規格との対比表
JIS K 6218-2:2005 ゴム用カーボンブラック−付随的特性−第2部:灰分の求め
方
ISO 1125:1999 ゴム配合原材料−カーボンブラック−灰分の求め方
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ) 国際
規格番
号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項目ご
との評価及びその内容
表示箇所:本体,附属書
表示方法:側線及び点線の下線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の理
由及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごとの
評価
技術的差異の内容
1. 適用範
囲
カーボンブラックの灰分
の求め方について規定
ISO
1125
1
JISに同じ
IDT
―
2. 引用規
格
JIS K 6216-1
2
ISO 1124
IDT
―
JIS Z 8401
記述なし
MOD/追加
有効けた数に数値を丸める
手段としてJIS Z 8401を用
いるのが有効であるため採
用した。
ISO規格の次回見直し時に提案する。
3. 試験方
法の原理
3
JISに同じ
IDT
―
4. 器具及
び装置
4
JISに同じ
IDT
―
5. 試料採
取方法
5
JISに同じ
IDT
―
6. 試験方
法の手順
6
JISに同じ
IDT
―
7. 試験結
果のまと
め方
数値の丸め方
7
数値の丸め方につ
いての記述なし。
MOD/追加
JIS Z 8401によって数値を
丸めることを追加。
ISO規格の次回見直し時に提案する。
計算式
7
JISに同じ
IDT
―
2
K
6
2
1
8
-2
:
2
0
0
5
6
K 6218-2:2005
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ) 国際
規格番
号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項目ご
との評価及びその内容
表示箇所:本体,附属書
表示方法:側線及び点線の下線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の理
由及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごとの
評価
技術的差異の内容
8. 記録
9
報告事項として,試
料の履歴の記述な
し。
MOD/追加
報告事項として,試料の履歴
を追加。
ISO規格の次回見直し時に提案する。
附属書1
(参考)
精度及びかたより
8
本文8に規定
MOD/変更
JISの規定にそぐわないた
め附属書(参考)とした。
技術的差異は軽微
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:MOD
備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
− IDT…………………技術的な差異がない。
− MOD/追加 …………国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− MOD/変更 …………国際規格の規定内容を変更している。
2. JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
− MOD ………………国際規格を修正している。
2
K
6
2
1
8
-2
:
2
0
0
5
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。