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K 6217-6:2019  

(1) 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

4 原理······························································································································· 3 

5 装置······························································································································· 4 

6 試薬······························································································································· 4 

7 試料採取························································································································· 5 

8 校正······························································································································· 5 

9 試料分散液の準備 ············································································································· 5 

10 コンピュータ及びソフトウェアの設定 ················································································ 6 

11 始動手順 ······················································································································· 6 

12 試験結果のまとめ方 ········································································································ 7 

13 試験精度 ······················································································································· 7 

14 試験報告書 ···················································································································· 7 

附属書A(参考)カーボンブラックの凝集体質量分布曲線及び特性値の例 ······································· 8 

附属書B(参考)試験精度 ····································································································· 9 

附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 11 

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(2) 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本

ゴム工業会(JRMA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を

改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格で

ある。 

これによって,JIS K 6217-6:2008は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS K 6217の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS K 6217-1 第1部:よう素吸着量の求め方(滴定法) 

JIS K 6217-2 第2部:比表面積の求め方−窒素吸着法−単点法 

JIS K 6217-3 第3部:比表面積の求め方−CTAB吸着法 

JIS K 6217-4 第4部:オイル吸収量の求め方(圧縮試料を含む) 

JIS K 6217-5 第5部:比着色力の求め方 

JIS K 6217-6 第6部:ディスク遠心光沈降法による凝集体分布の求め方 

JIS K 6217-7 第7部:ゴム配合物−多点法窒素比表面積(NSA)及び統計的厚さ比表面積(STSA)

の求め方 

日本工業規格          JIS 

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ゴム用カーボンブラック−基本特性− 

第6部:ディスク遠心光沈降法による 

凝集体分布の求め方 

Carbon black for rubber industry-Fundamental characteristics- 

Part 6: Determination of aggregate size distribution by disc centrifuge 

photosedimentometry 

序文 

この規格は,2017年に第3版として発行されたISO 15825を基とし,技術的内容を変更して作成した日

本工業規格である。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。 

適用範囲 

この規格は,ゴム用配合剤として用いるカーボンブラック(以下,カーボンブラックという。)の基本特

性のうち,ディスク遠心光沈降法による凝集体分布の求め方について規定する。 

注記1 この技術は,遠心場におけるカーボンブラック粒子の流体力学的挙動に基づいている。 

注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 15825:2017,Rubber compounding ingredients−Carbon black−Determination of aggregate size 

distribution by disc centrifuge photosedimentometry(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

警告 この規格の利用者は,通常の実験室の作業に精通していることを前提とする。この規格は,こ

の使用に関連して起こる全ての安全上の問題を取り扱おうとするものではない。この規格の利

用者は,各自の責任において安全及び健康に対する適切な措置をとらなければならない。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS K 6216-1 ゴム用カーボンブラック−共通事項−第1部:試料採取方法 

注記 対応国際規格:ISO 1124,Rubber compounding ingredients−Carbon black shipment sampling 

procedures 

JIS K 8101 エタノール(99.5)(試薬) 

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JIS K 8576 水酸化ナトリウム(試薬) 

JIS Z 8401 数値の丸め方 

ISO 3696,Water for analytical laboratory use−Specification and test methods 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。 

3.1 

一般的な用語(general terms) 

3.1.1 

カーボンブラック凝集体(carbon black aggregate) 

カーボンブラックの最小単位。 

注記 微球状の基本粒子どうしが融着し,連鎖状又は不規則な鎖状に枝分かれした複雑な凝集形態を

示す。 

3.1.2 

スピン液(spin fluid) 

試料分散液をディスクに注入する前に,注入する不活性な液体。 

注記 カーボンブラック凝集体がこの液体中を沈降する。 

なお,この溶液をアルカリ性にすると,分散した凝集体は,最も再凝集しにくくなる。 

3.1.3 

分散液(dispersion fluid) 

カーボンブラック凝集体を分散させる液体。 

3.1.4 

ストークス式(Stokes equation) 

球状粒子の沈降に関する次に示す数式。 

(

)

t

S

R

η

D

2

2

1

16

st

ln

10

8.1

ω

ρ

ρ−

×

=

ここに, 

Dst: ストークス径(nm) 

η: スピン液の粘度(Pa・s) 

R: 回転中心から検出器までの距離(cm) 

S: 回転中心から空気と液体との界面までの距離(cm) 

t: 遠心時間(s) 

ρ1: 粒子の密度(Mg/m3) 

ρ2: スピン液の密度(Mg/m3) 

ω: 回転速度(rad/s) 

3.1.5 

粒子の密度(particle density) 

カーボンブラック凝集体の密度(Mg/m3)。 

注記 カーボンブラック凝集体の密度の代表値としては,1.86 Mg/m3が用いられる。 

3.2 

凝集体径に関する用語(terms concerning aggregate dimensions) 

3.2.1 

ストークス径,Dst(Stokes diameter) 

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遠心場又は重力場で,粘性媒体中を沈降する球状粒子のストークス式から算出する直径。 

注記 カーボンブラック凝集体のような非球状物体では,同じ密度及び同じ沈降速度をもつ平滑表面

である剛体球の径をストークス径として扱える。 

3.2.2 

平均径,Dmean(mean diameter, average diameter) 

凝集体質量分布の質量分布密度曲線から計算した平均径。 

注記1 Brookhaven Instruments社のディスク遠心光沈降装置のソフトウェアでは,質量分布は

“Volume(Mass)”と呼ばれ,平均径は“Mean”と表示される。 

注記2 “Dmean”は,報告目的だけに使用される。 

3.2.3 

中央値径,D50(median) 

凝集体質量分布曲線において,その累積質量が50 %のときの直径。 

注記1 “D50”は,累積曲線の中央値を表す。 

注記2 Brookhaven Instruments社のディスク遠心光沈降装置のソフトウェアでは,中央値径は“d50”

と表示される。 

注記3 “D50”は,報告目的だけに使用される。 

3.2.4 

モード径,Dmode(mode) 

凝集体質量分布密度曲線において,その分布密度曲線の最頻値における直径。 

3.2.5 

下方四分位径,D25(lower quartile) 

凝集体質量分布曲線において,累積質量25 %の直径。 

3.2.6 

上方四分位径,D75(upper quartile) 

凝集体質量分布曲線において,累積質量75 %の直径。 

3.2.7 

四分位径比,D75/D25(quartile ratio) 

下方四分位径(3.2.5)に対する上方四分位径(3.2.6)の比。 

3.2.8 

半値幅,ΔD-50(FWHM) 

凝集体質量分布密度曲線において,その分布密度の値が最大点の半分である分布の幅。 

注記 Brookhaven Instruments社のディスク遠心光沈降装置のソフトウェアでは,ΔD-50は“FWHM”

と表示される。 

原理 

分散液中のカーボンブラック凝集体は,遠心場において,凝集体の大きさごとに異なる沈降速度を示す。

この分散液の一定の場所に光を連続照射すると,沈降する凝集体によって光が散乱され,光透過率は減衰

する。ディスク遠心光沈降法は,この散乱減衰した光を連続的に測定することによって,カーボンブラッ

クの凝集体分布を迅速に得る方法である。より正確な凝集体分布を得るためには,吸光度補正(箇条10

参照)を行う。 

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附属書Aにカーボンブラックの凝集体質量分布曲線及び特性値の例を示す。 

装置 

装置は,次による。 

5.1 

ディスク遠心光沈降(DCP)装置1) 次の条件を満たすもの。 

a) ディスクの回転速度が毎分1 000〜11 000回転又はそれ以上の能力をもつ。 

b) 正確な回転制御能力[回転速度(rpm)±0.05 %]をもつもの。 

c) スピン液の容量が10〜20 mLで,スピン液の温度の変動が少ないもの。 

d) 回転しているディスクの安定性及びストリーミング現象2) を確認するためのストロボ発光機能をもつ

もの。 

e) 最適な光学的濁度測定装置をもつもの。 

注1) この規格に適用できる装置として,BI-DCP Particle SizerTMがある。 

BI-DCP Particle SizerTMは,Brookhaven Instruments社(750 Blue Point Rd., Holtsville, NY 11742, 

USA)が供給する製品の商品名であり,この装置の日本での入手先として,タイタンテクノロ

ジーズ株式会社(東京都荒川区南千住8-5-7 TEL 03-5604-5690)がある。 

この情報は,この規格の利用者の便宜を図って記載するものである。 

注2) ストリーミング現象とは,スピン液の表層に注入された試料分散液が小球となってスピン液中

を急速に沈降することをいう。 

5.2 

電力計 発振端子付き超音波発生装置の消費電力量(kWh)を測定できるもの。実験室の電気プラ

グと超音波発生装置の電源コードのプラグとの間に挿入して用いる。 

注記 実際の電力消費量は,デジタルディスプレイに表示される。 

5.3 

発振端子付き超音波発生装置 出力が100 W以上の能力をもち,少なくとも60 Wの消費電力を提

供できるもの(以下,超音波発生装置という。)。 

注記 装置の出力は,200 W以上あることが望ましい。また,直径12.7 mmの発振端子を用いるのが

適切である。この装置でカーボンブラックを個々の凝集体に効果的に分散させることができる

(箇条8参照)。 

5.4 

マイクロシリンジ 2 mL以下のもの。複数用いてもよい。 

5.5 

シリンジ 20 mL以下のもの。複数用いてもよい。 

試薬 

試薬は,次による。 

6.1 

水 蒸留水又はイオン交換水で,ISO 3696に規定するグレード3のもの。 

6.2 

エタノール JIS K 8101に規定するもの。 

6.3 

界面活性剤水溶液 非イオン性のもので,質量分率0.02〜0.05 %の水溶液にしたもの。 

注記 市販の非イオン性界面活性剤の例として,Nonidet P-40TMがある。これは,Shell Chemicals社が

供給する製品である。この情報は,この規格の利用者の便宜を図って記載するものである。 

6.4 

ドデカン 質量分率98 %以上の純度のものを用いる。 

6.5 

スピン液 界面活性剤水溶液(6.3),又は水(6.1)。 

なお,スピン液は,水酸化ナトリウム水溶液0.1 mol/Lを用いて,pH9.0〜pH10.0に調整してもよい。 

6.6 

分散液 エタノール(6.2)20 mLと界面活性剤水溶液(6.3)80 mLとの混合溶液。 

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なお,分散液は,水酸化ナトリウム水溶液0.1 mol/Lを用いて,pH9.0〜pH10.0に調整してもよい。 

6.7 

水酸化ナトリウム JIS K 8576に規定するもの。 

試料採取 

JIS K 6216-1に従い,大きなサイズのペレット又は粉状のロットから,無作為にカーボンブラックの試

料を採取する。保管又は将来の分析のためにラベルを付けて保存する。 

校正 

校正は,次による。 

a) ITRB(又はITRB-2)20 mgを容器にはかりとる。データ処理用のソフトウェアによっては,高濃度の

分散液は扱えないため,試料量を減らす。 

注記1 ITRBの日本での入手先として,東京材料株式会社(東京都千代田区丸の内1-6-2新丸の内

センタービル TEL 03-5219-2173)がある。この情報は,この規格の利用者の便宜のため

に提供するものである。 

b) 分散液(6.6)20 mLを加える。 

c) 0.005 kWh(18 kJ)になるように超音波出力及び超音波処理モード(例えば,パルスモード)を選択

する。これは,60 Wの出力及び5分間の超音波処理によって通常達成することができる。 

d) 超音波発生装置につながれた電力計のスタートボタンを押して超音波処理を開始する。 

超音波処理の間は,超音波エネルギーによる温度上昇を最小限に抑えるために,氷水のような冷却

媒体中に容器を浸す。 

e) 5分後に超音波処理を停止して,電力計のストップボタンを押してkWhで表示された電力消費量を読

み取る。 

f) 

ITRB(又はITRB-2)が完全に分散すると,ストークス平均径(Dmean)として,105 nm±5 nm(ITRB-2

では99 nm±5 nm)が得られる。 

g) 実際のサンプルを試験する前にITRB又はITRB-2を標準カーボンブラックとして定期的に試験する。 

h) 標準サンプルの値が大きすぎる場合は,超音波処理時間及び電力を増やすか,超音波発生装置の発振

端子を交換する。 

注記2 超音波発生装置の発振端子の先端は,時間がたつにつれて消耗する。 

i) 

f) 及びh) の結果から,試料分散する超音波処理条件(時間及び電力)を求める。 

試料分散液の準備 

試料分散液の準備は,次による。 

a) カーボンブラック20 mgを容器にはかりとる。データ処理用のソフトウェアによっては,高濃度の分

散液は扱えないため,試料量を減らす。 

b) 分散液(6.6)20 mLを加える。 

c) 箇条8 i) の処理条件で超音波分散させるが,超音波処理の間は,超音波エネルギーによる温度上昇を

最小限に抑えるために,氷水のような冷却媒体中に容器を浸す。超音波処理後,試験を開始するとき

の試料分散液の温度は,ディスク中での温度変化を最小にするため,室温とほぼ同じにする。 

超音波処理から1時間以上経過した場合には,再度,試料分散液の超音波処理を行う。 

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10 

コンピュータ及びソフトウェアの設定 

ファイル名,溶液の温度,密度及び粘度,試料名,スピン液の体積,ディスク回転速度など,必要なパ

ラメータを入力する。その順番及びパラメータは,用いるソフトウェアに依存する。これらのソフトウェ

アは,DCP装置(5.1)に付随しているものがあるが,それと同等なものでもよい。 

なお,カーボンブラック凝集体のストークス径を求めるために,吸光度補正を行うソフトウェアについ

ても同様である。 

11 

始動手順 

始動手順は,次による。 

a) 回転速度を入力する。一般的に,ハード系カーボンブラックは,毎分8 000〜11 000回転,ソフト系カ

ーボンブラックは,毎分4 000〜6 500回転が適している。試験の前に,設定した回転速度で30分間の

ウォームアップが必要である。c) で用いるスピン液が,室温であることを確認する。 

b) エタノール(6.2)1.0 mLを,マイクロシリンジ(5.4)で注入し,ディスクを回転させる。 

c) 所定の回転数に達してから,スピン液(6.5)15 mLを,シリンジ(5.5)で注意深く注入する。 

d) スピン液又はエタノールの蒸発による冷却を防ぐため,ディスク内にドデカン(6.4)0.1 mLを,マイ

クロシリンジ(5.4)で注入する。 

e) 3分間待機する。 

f) 

光検出器のゼロ点調整を行う。用いるDCP装置によっては,この操作は不要である。機器附属の“cut”

及び“boost”ボタンは,試験結果の再現性を悪くするため,用いない。 

g) 箇条9で用意した試料分散液0.25 mLを,回転しているディスクにマイクロシリンジ(5.4)で注入し,

コンピュータによるデータ取得を直ちに開始する。 

注記 このようにスピン液面にサンプル溶液を投入する測定方法をラインスタート法と呼ぶ。 

h) チャンバ内の温度(試験前)を読み取る。 

i) 

ディスク内の流体の流動を確認する。カーボンブラックの分散液層が,ディスクの外側境界線に向か

って同心円状に滑らかに移動している状態が正常であり,操作を続けてもよい。カーボンブラックの

分散液層とスピン層との境界が乱れた形で移動している場合,又はひげ状の線が観察される場合は,

ディスク内の流動が不安定又はストリーミングが発生しており,正しい結果が得られない。このよう

な場合には,チャートに描かれる凝集体質量分布曲線に乱れが生じるため,試験を中断し,m) に従

いディスクを洗浄し,a) から再度試験を行う。 

j) 

測定中に検出している懸濁液の濁度がゼロ近くに戻れば,測定を終了させる。測定時間は,最長1時

間を目安とする。 

k) チャンバ内の温度(試験後)を読み取る。この温度が,試験開始時と異なる場合は,試験開始温度及

び終了温度の平均値を用いる。温度差は,4 ℃を超えてはならない。 

l) 

得られたデータは,自動的に保存される。結果を計算するために吸光度補正を行う。この補正が,ど

のように機能しているかを知るためには,取扱説明書を参照する。 

m) ディスクから液体を除去する。水を用いディスクを徹底的に洗浄し,きれいな紙タオル又は柔らかな

布でディスクを乾かす。 

n) 求めるカーボンブラック特性値は,Dmode(3.2.4),Dmean(3.2.2),D25(3.2.5),D50(3.2.3),D75(3.2.6),

D75/D25(3.2.7)及びΔD-50(3.2.8)とする。 

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12 

試験結果のまとめ方 

コンピュータに出力された,カーボンブラック特性値(3.2.2〜3.2.8)を,JIS Z 8401の規則Aによって

ナノメートル(nm)の単位で整数位に丸める。 

13 

試験精度 

試験精度は,附属書Bを参照する。 

14 

試験報告書 

試験報告書には,次の事項を記載する。 

a) この規格の規格番号 

b) 試料の履歴 

c) 試験パラメータ(超音波処理時間及び出力,スピン液の容量及びディスク回転速度) 

d) 機器の種類及び用いたソフトウェア名 

e) 試験結果 

f) 

試験方法からの逸脱事項 

g) 特記事項 

h) 試験年月日 

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附属書A 

(参考) 

カーボンブラックの凝集体質量分布曲線及び特性値の例 

図A.1−カーボンブラックの凝集体質量分布曲線及び特性値の例 





%

径 

ΔD-50 

 D50  D75 

D25 

 Dmode 

y1 

1/2 y1 

75 

50 

100 

25 

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附属書B 

(参考) 
試験精度 

B.1 

試験精度 

B.1.1 この試験方法の精度の計算は,ISO/TR 9272のレベル2に従って行った。用語及び統計上の詳細に

ついても,それを参照する。 

B.1.2 得られた精度は,測定の精度を予想するものである。精度のパラメータをカーボンブラックの合否

判定試験に用いる場合には,これらのパラメータが,対象とするカーボンブラック及び採用した試験に適

用できることを,文書で確認しておかなければならない。 

B.1.3 タイプ1の試験室間試験プログラムを実施した。得られた併行精度及び再現精度は,短期間の試験

状況を表すものである。13か所の試験室(p)で4種類のCB(ここではSRB)について,異なる2日間(q)

で2回試験(n)を行った。したがって,p≦13,q=2,n=4である。 

B.1.4 精度の計算結果を,表B.1,表B.2及び表B.3に示す。 

表中の記号は,次による。 

 Sr :試験室内繰返し精度の標準偏差 

r :測定単位での試験室内繰返し精度 

 (r) :%で表した試験室内繰返し精度(相対値) 

 SR :試験室間再現精度の標準偏差 

 R :測定単位での試験室間再現精度 

 (R):%で表した試験室間再現精度(相対値) 

 (r) 及び(R)は,単に全ての材料を一緒にして計算した値である。 

表B.1−平均径(Dmean)の精度 

試料 

試験室 

数 

Mean 

nm 

試験室内 

試験室間 

Sr 

(r) % 

SR 

(R) % 

SRB-B8 (N134) 

11 

69.6 

1.41 

3.94 

5.66 

2.29 

6.40 

9.20 

ITRB (N330) 

11 

103.4 

1.65 

4.61 

4.46 

3.33 

9.32 

9.01 

ITRB-2 (N330) 

10 

101.4 

1.46 

4.09 

4.04 

2.63 

7.37 

7.27 

N772 

11 

233.5 

3.68 

10.3 

4.42 

7.49 

21.0 

8.98 

平均値又はプール値a) 

− 

126.9 

2.26 

6.39 

5.03 

4.45 

12.6 

9.93 

注a) プール値は,二乗和平均の平方根値を表す。 

表B.2−モード径(Dmode)の精度 

試料 

試験室 

数 

Mean 

nm 

試験室内 

試験室間 

Sr 

(r) % 

SR 

(R) % 

SRB-B8 (N134) 

10 

59.2 

0.84 

2.36 

3.98 

1.34 

3.75 

6.33 

ITRB (N330) 

12 

86.9 

1.57 

4.38 

5.04 

2.93 

8.19 

9.42 

ITRB-2 (N330) 

13 

94.2 

1.32 

3.69 

3.92 

3.13 

8.76 

9.30 

N772 

12 

181.9 

3.54 

9.92 

5.46 

11.7 

32.8 

18.0 

平均値又はプール値a) 

− 

105.6 

2.09 

5.91 

5.60 

6.27 

17.7 

16.8 

注a) プール値は,二乗和平均の平方根値を表す。 

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10 

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表B.3−半値幅(ΔD-50)の精度 

試料 

試験室 

数 

Mean 

nm 

試験室内 

試験室間 

Sr 

(r) % 

SR 

(R) % 

SRB-B8 (N134) 

10 

48.4 

0.97 

2.72 

5.61 

1.72 

4.82 

9.94 

ITRB (N330) 

11 

76.5 

1.29 

3.60 

4.70 

3.14 

8.80 

11.5 

ITRB-2 (N330) 

12 

73.5 

1.62 

4.54 

6.18 

3.73 

10.4 

14.2 

N772 

11 

223.6 

4.04 

11.3 

5.05 

10.3 

28.9 

12.9 

平均値又はプール値a) 

− 

105.5 

2.32 

6.56 

6.22 

5.77 

16.3 

15.5 

注a) プール値は,二乗和平均の平方根値を表す。 

B.1.5 平均径,モード径,ΔD-50の平均値に対する精度は,次のとおりである。 

a) 併行精度(試験室内繰返し精度) 併行精度(r)は,平均径の場合は5.0 %,モード径は5.6 %,ΔD-50

は6.2 %となった。繰り返して得られた二つの試験結果に,平均径の場合は5.0 %以上,モード径の場

合は5.6 %以上,ΔD-50の場合は6.2 %以上の差が生じた場合は疑わしいと考え,何らかの適切な精査

を必要とする。 

b) 再現精度(試験室間精度) 再現精度(R)は,平均径の場合は9.9 %,モード径は16.8 %,ΔD-50は

15.5 %となった。 

異なる試験室で得られた二つの試験結果に,平均径の場合は9.9 %以上,モード径の場合は16.8 %,

ΔD-50の場合は15.5 %以上の差が生じた場合は疑わしいと考え,何らかの適切な精査を必要とする。 

参考文献  

[1] ISO/TR 9272,Rubber and rubber products−Determination of precision for test method standards 

[2] JIS Z 8823-2:2016 液相遠心沈降法による粒子径分布の測定方法−第2部:光透過式遠心沈降法 

background image

11 

K 6217-6:2019  

附属書JA 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS K 6217-6:2019 ゴム用カーボンブラック−基本特性−第6部:ディスク遠心
光沈降法による凝集体分布の求め方 

ISO 15825:2017,Rubber compounding ingredients−Carbon black−Determination of 
aggregate size distribution by disc centrifuge photosedimentometry 

(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

5 装置 

5.3 発振端子付き超音
波発生装置 

出力200 W以上。 

変更 

装置の出力を100 W以上に変更し,
200 W以上が望ましいという注記
を記載した。 

5.4 マイクロシリンジ 
5.5 シリンジ 

− 

規定なし 

追加 

装置として,マイクロシリンジ及び
シリンジを追加した。 

測定時に用いる重要な器具である
ため,追加した。ISO規格の次回
見直し時に提案する。 

6 試薬 

6.2 エタノール 

6.2 

試薬の規定なし 

変更 

JISを引用した。 

我が国の事情による。技術的差異
はない。 

6.7 水酸化ナトリウム  

− 

規定なし 

追加 

試薬として,水酸化ナトリウムを追
加し,JISを引用した。 

8 校正 

i) 

− 

規定なし 

追加 

試料分散する超音波処理条件(時間
及び電力)の求め方を示した。 

分かりやすくするために追加し
た。技術的差異はない。 

11 始動手
順 

b),c),d),g) 

11.2 
11.3 
11.4 
11.7 

規定なし 

追加 

エタノール,ドデカン及び試料分散
液の注入時にマイクロシリンジを,
スピン液注入時にシリンダを用い
ることを追加した。 

ISO規格の次回見直し時に提案す
る。 

i) 

11.9 

規定なし 

追加 

ディスク内に乱流が発生した場合
の再試験の手順を追加した。 

異常が認められた場合には対応が
必要なため,追加した。ISO規格
の次回見直し時に提案する。 

 
 
 
 

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K

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2

1

7

-6

2

0

1

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12 

K 6217-6:2019  

(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

11 始動手
順(続き) 

j) 

11.10 

測定が終了しない場合,
再度測定を繰り返す。 

変更 

目安の最長測定時間を示した上で,
測定中に検出している懸濁度がゼ
ロ近くに戻れば,測定を終了させる
という規定に変更した。 

測定が異常でない限り,規定時間
内に測定は終了するため,変更し
た。ISO規格の次回見直し時に提
案する。 

n) 

− 

規定なし 

追加 

求める代表的な特性値を示した。 

分かりやすくするために追加し
た。技術的差異はない。 

12 試験結
果のまとめ
方 

− 

規定なし 

追加 

試験結果のまとめ方を追加規定し
た。 

技術的差異はない。 
ISO規格の次回見直し時に提案す
る。 

13 試験精
度 

記載なし 

追加 

試験精度の箇条を追加した。 

附属書Bを参照する箇所が対応国
際規格には存在していなかったた
め,追加した。 

附属書A 
(参考) 

Annex A   

変更 

Dmean及びD50を見やすく表示する

とともに,質量分布密度及び累積質
量分布を表記するよう図を変更し
た。 

分かりやすくするために変更し
た。技術的差異はない。 

附属書B 
(参考) 

Annex B   

変更 

精度計算におけるp,q及びnの該
当を追記した。また,異なる2日間
であるため,q=4をq=2に変更し
た。 

分かりやすくするために変更し
た。技術的差異はない。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 15825:2017,MOD 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

− MOD ··············· 国際規格を修正している。 

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