K 6217-3 : 2001
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,日本ゴム工業会 (JRMA)/財団法人日本規格
協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会
の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。これによってJIS K 6217 : 1997は廃止され,
一部がこの規格に置き換えられる。
制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 6810 : 1995, Rubber compounding
ingredients−Carbon black−Determination of surface area−CTAB adsorption methodsを基礎として用いた。
JIS K 6217-3には,次に示す附属書がある。
附属書1(参考)CTAB吸着比表面積測定のための補正係数の計算例及び自動滴定装置による測定方
法
附属書2(参考)JISと対応する国際規格との対比表
JIS K 6217の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS K 6217-1 第1部:よう素吸着量の求め方−滴定法
JIS K 6217-2 第2部:比表面積の求め方−窒素吸着法−単点法
JIS K 6217-3 第3部:比表面積の求め方−CTAB吸着法
JIS K 6217-4 第4部:DBP吸収量の求め方
JIS K 6217-5 第5部:比着色力の求め方
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
K 6217-3 : 2001
ゴム用カーボンブラック−
基本特性−
第3部:比表面積の求め方−CTAB吸着法
Carbon black for rubber industry−Fundamental characteristics−
Part 3 : Determination of specific surface area−CTAB adsorption methods
序文 この規格は,1995年に第2版として発行されたISO 6810, Rubber compounding ingredients−Carbon
black−Determination of surface area−CTAB adsorption methodsを翻訳し,技術的内容を変更して作成した日
本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更又は追加している事項である。変更
の一覧表をその説明を付けて,附属書2(参考)に示す。
警告 この規格の利用者は,通常の実験室での作業に精通しているものとする。この規格は,その使用に
関連して起こるすべての安全上の問題を取り扱おうとするものではない。この規格の利用者は,各自の責
任において安全及び健康に対する適切な処置を取らなければならない。
1. 適用範囲 この規格は,ゴム工業で原材料の配合剤として使用されるゴム用カーボンブラック(以下,
カーボンブラックという。)の基本特性のうち,臭化n−ヘキサデシルトリメチルアンモニウム
(cetyltrimethylammonium bromideともいい,以下CTABという。)の吸着による比表面積の求め方につい
て規定する。この比表面積は,CTABの分子が入り込めない小さな細孔の面積を除外したものである。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO 6810 : 1995 Rubber compounding ingredients−Carbon black−Determination of surface area−CTAB
adsorption methods(MOD)
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格のうちで発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構成
するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年を付記していない引用規格は,その最
新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 6216-2 ゴム用カーボンブラック−共通事項−第2部:検定用標準カーボンブラック
備考 ISO TR 6809 : 1996, Rubber compounding ingredients−Carbon black−Standardrd reference blacks
がこの規格と一致している。
2
K 6217-3 : 2001
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JIS K 6217-1 ゴム用カーボンブラック−基本特性−第1部:よう素吸着量の求め方−滴定法
備考 ISO 1304 : 1999, Rubber compounding ingredients−Carbon black−Determination of iodine
adsorption number−Titrimetric methodからの引用事項は,この規格の該当事項と同等であ
る。
JIS K 6217-2 ゴム用カーボンブラック−基本特性−第2部:比表面積の求め方−窒素吸着法−単点
法
備考 ISO 4652-1 : 1994, Rubber compounding ingredients−Carbon black−Determination of specific
surface area by nitrogen adsorption methods−Part 1 : Single-point proceduresからの引用事項
は,この規格の該当事項と同等である。
JIS R 3505 ガラス製体積計
備考 ISO 385-1 : 1984, Laboratory glassware−Burettes−Part 1 : General requirementsからの引用事項
は,この規格の該当事項と同等である。
ISO 648 : 1977, Laboratory glassware−One-mark pipettesからの引用事項は,この規格の該当事
項と同等である。
JIS Z 8401 数値の丸め方
ISO 1126 : 1992 Rubber compounding ingredients−Carbon black−Determination of loss on heating
3. 原理
3.1
試験方法の原理 CTABはカーボンブラックの表面に単一分子皮膜層を形成する。CTAB水溶液でコ
ロイド状に分散したカーボンブラックをろ過し、ろ液中のCTAB量をスルホこはく酸ジ−2−エチルヘキ
シルナトリウム溶液又はドデシル硫酸ナトリウム(以下,SDSという。)溶液による最大濁度又は変色点
までの滴定によって測定する。
なお,タール物質及び水素や酸素などを含んだ官能基は,CTABのカーボンブラックへの吸着に影響を
与えない。
3.2
CTAB量の滴定 CTAB量の滴定は,次の方法のうちの一つによって行う。
a) 方法1 自動滴定装置によってスルホこはく酸ジ−2−エチルヘキシルナトリウム溶液を用い最大濁
度を求める。
b) 方法2 手動滴定によってスルホこはく酸ジ−2−エチルヘキシルナトリウム溶液を用い最大濁度を
求める。
c) 方法3 手動滴定によってスルホこはく酸ジ−2−エチルヘキシルナトリウム溶液を用い変色点を求
める。
d) 方法4 手動滴定によってSDS溶液を用い変色点を求める。
4. 器具及び装置
4.1
化学はかり(化学天びん) 0.1mgの精度をもつもの。
4.2
乾燥器 自然対流式が望ましく,125±1℃に調整可能で,かつ,温度分布が±5℃以内のもの。
4.3
超音波槽 マグネチックスターラと一体化したもので,容器保持具の付いたもの。超音波槽と一体
化していない振とう機又はスターラを使用してもよい。
4.4
回転子 ポリテトラクロロエチレンで表面を被覆した次の寸法のもので,マグネチックスターラで
使用する。
3
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直径6mm,長さ22mm(試薬の標定及び方法2)
直径10mm,長さ32mm(方法3及び4)
直径10mm,長さ41mm(方法1)
4.5
マグネチックスターラ
4.6
圧縮乾燥空気又は乾燥窒素供給装置 空気又は窒素は,調圧器の付いたライン又は圧力容器から供
給する。
4.7
加圧ろ過分岐管 圧縮乾燥空気又は乾燥窒素供給装置に接続し,0.4〜0.7MPaに調圧する。
加圧ろ過分岐管の代表的な組合せの一例を,図1に示す。
4.8
加圧セル 容量30cm3,ステンレス鋼製で,0.7MPaの圧力に耐えるもの。
備考 使用後には十分洗浄することが重要である。
備考 推奨する材料は3.15mm又は6.3mmの標準真ちゅう製配管及び継手,並びに真ちゅう製のバル
ブである。トグル型のバルブが便利である。3.15mmの配管を使用する場合には,圧力セルとの
接続に3.15mm×6.3mmのブッシングを用いる。ポリプロピレン製のブッシングが便利である。
図1 加圧ろ過分岐管の組合せ例
4.9
プラスチック製メンブレンフィルター 直径47mm,目開き0.1μmのもの。以下,フィルターとい
う。
参考 次のフィルターが適している。
− Gelman HT200, Gelman No.66199, Baxter Scientific Cat. No.F 2988-2がBaxter Scientific
Products, 1430 Wankegan Road, McGraw Park, IL 60085, USAから入手可能である。
− Microfiltration Systems Cat. No.A-010A047AがMicrofiltration Systems, 6800 Sierra Court,
Dublin, CA 94566, USAから入手可能である。
− Millipore Cat. No.SAIJ 076 H7 filterがMillipore Corp., Bedford, MA 01730, USAから入手可能
である。
− Sartorius SM 11358-047NがSartorius GmbH, Weender Landstr.94/108, D-37075 Gottingen,
Germanyから入手可能である。
− Schleicher & Schull PH 79 (47mm) がSchleicher & Schull GmbH, Hahnstr.3, D-37586 Kassel,
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Germanyから入手可能である。
− ADVANTEC メンブランフィルター A010A047Aが,アドバンテック東洋株式会社,東京
都台東区寿1-5-9から入手可能である。
この情報は,この規格を使用する人の便宜のために参考として示すものであり,これによっ
て指定,承認するものではない。
4.10 フィルターホルダー
備考 使用後は十分に洗浄することが重要である。
4.11 ガラス漏斗(小)
4.12 ガラス製バイアル 容量30cm3,ねじふた付きのもの。
4.13 ビュレット(方法2,3及び4) JIS R 3505に規定された容量50cm3,0.1cm3間隔の目盛,試薬用容
器の付いた自動充てんとゼロ点合わせタイプでクラスAのもの,又は要求精度が達成できるように適度な
補正がなされるような目盛の付いたもの。
4.14 ディスペンサー型ピペット 容量30cm3で,JIS R 3505に規定するクラスAの全量ピペットと同等
の性能をもつもの。CTAB溶液の容器に取り付ける。
4.15 全量ピペット JIS R 3505に規定された容量5.00cm3及び10.00cm3でクラスAのもの。以下,ピペ
ットという。
4.16 三角フラスコ 容量100cm3のすり合わせガラス栓付きのもの。
4.17 滴瓶(方法3及び4)
4.18 広口瓶 容量100〜200cm3,ねじふた付きのもの。フィルターをCTAB溶液に浸すのに使用する。
4.19 容器 試薬溶液の調製及び保管に適したもの。
4.20 デシケーター
4.21 光源(方法2及び3) 顕微鏡照明光源又は同種の高い光度の白熱光スポットライト。
備考 小型単フィラメント透明ガラスの10W電球が望ましい。
4.22 自動滴定装置(方法1)
参考 次の自動滴定装置が方法1に適している。
− METTLER Memotitrator DL20,25又は40RCが多くの国の販売店から入手可能である。
− BRINKMAN Dosimat 665ビュレットで、プローブ型の測色計付きのものがBrinkman
Instruments, Cantiague Rd, Westbury, NY, USAから入手可能である。
−ATMASTがLA. King Manufacturing Corp., LAKO Division, P.0.Box 2415, Tulsa, OK 74101, USA
から入手可能である。
− 平沼自動滴定装置 COMTITE 900及び980シリーズが平沼産業株式会社,茨城県水戸市元
吉田町1739から入手可能である。
− 京都電子自動滴定装置 AT310型が京都電子工業株式会社,京都府京都市南区吉祥院新田二
の段町68から入手可能である。
この情報は,この規格を使用する人の便宜のために参考として示すものであり,これによっ
て指定,承認するものではない。
4.23 トールビーカー 容量100cm3のもの。以下,ビーカーという。
4.24 可変抵抗器 光源に使用する。
5
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5. 試薬 試薬は,JIS(試薬)で規定する特級又はそれと同等の品質のものを使用する。水は蒸留水又は
イオン交換水を使用し,容器に保管する。水を移し替えるチューブはポリテトラフロロエチレン,ポリエ
チレン,石英又は他の耐薬品性の材質のものを使用する。
5.1
りん酸カリウム りん酸ナトリウム緩衝液 (pH7) 2.722gのりん酸二水素カリウム (KH2PO4) ,
4.260gのりん酸水素二ナトリウム (Na2HPO4) 及び1.169gの塩化ナトリウム (NaCl) を水に溶かし,総量
を1dm3に希釈する。
5.2
CTAB溶液 3.64gのCTABを900cm3の水で溶解する。100cm3の緩衝液 (5.1) を加え,27〜37℃に
温め,溶解を促進する。使用する前に22〜25℃に冷却する。
備考 低温では結晶が析出するので,溶液の温度は,どのようなときにも22℃を下回ってはならない。
5.3
ホルムアルデヒド,37% (m/m) 溶液
5.4
スルホこはく酸ジ−2−エチルヘキシルナトリゥム溶液(方法1,2及び3) スルホこはく酸ジ−2−
エチルヘキシルナトリウムの1.00gを,2.5cm3のホルムアルデヒド溶液 (5.3) を含む水にマグネチックス
ターラを用いて溶解する。ポリエチレン容器中で1dm3まで希釈し,48時間マグネチックスターラで激し
くかくはんする。標定には12日間以上放置してから使用する。容器に栓をし,冷所に保管する。
備考1. スルホこはく酸ジ−2−エチルヘキシルナトリウムの固体試薬の容器の開封後は,デシケータ
ー中に保管する。
2. 調製した溶液は6か月以内に使用しなければならない(ホルムアルデヒドの入っていない試
薬溶液は,微生物によって徐々に分解される。)。
5.5
オクチルフェノキシポリエトキシエタノール,0.15% (m/m) 溶液(方法1) オクチルフェノキシ
ポリエトキシエタノール1.5gを水に溶かし,1dm3に希釈する。均一になるまでマグネチックスターラで
激しくかくはんする。
5.6
SDS溶液(方法4) SDS 0.606gを,2.5cm3のホルムアルデヒド溶液を含む水に溶かし,1dm3に希
釈し,少なくとも24時間放置する。
備考 試薬の純度が重要である。溶液が濁っていたり,沈殿物が混じっていたりすれば試薬の純度が
十分でなくこの試験に使用してはならない。
5.7
ジクロロフルオレセインエタノール溶液(方法4の指示薬pH4〜6) 2,7−ジクロロフルオレセイ
ン0.20gを70cm3のエタノールに溶かし,滴瓶に貯蔵する。
5.8
ブロモフェノールブルーエタノール水溶液(方法3の指示薬pH3.0〜3.6) ブロモフェノールブル
ー0.10gを,60cm3の褐色の滴瓶中で10gのエタノールに溶かし,40cm3の水を加える。
5.9
検定用標準カーボンブラック JIS K 6216-2に規定するCTAB比表面積の基準試料(以下,ITRBと
いう。)を用いる。
6. 試料の調製 一定量の試料をISO 1126に従い,125℃で1時間乾燥する。デシケーター中で室温まで
放冷する。
乾燥した試料は試験をするまでデシケーター中に保管する。
7. 試験条件 試験は,室温23±2℃,相対湿度 (50±5) %, 又は室温27±2.℃,相対湿度 (65±5) %のい
ずれかの条件で行うことが望ましい。
試薬及び装置は,同一の部屋で使用前に2時間以上温度平衡下で保持されることが望ましい。試薬及び
試験装置が蒸気などで汚染されると測定結果が変わるので,試験室はこれらの汚染から隔離しなければな
6
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らない。
備考 CTAB溶液の保管温度が22℃を下回ると,徐々に結晶が析出してくる。
8. フィルターの確認及び準備 フィルターは,ろ過時間が8分以内のものを使用する。
備考 CTAB溶液からコロイド状に分散したカーボンブラックを分離するのに使われるフィルターは、
使用する前に次のようにしてCTAB溶液に浸して使用してもよい。
少なくとも100cm3のCTAB溶液の入った広口瓶にフィルターを一枚ずつ浸す。使用する前に
48時間以上浸したほうがよい。フィルターを浸すのに使うCTAB溶液は使用後廃棄する。浸さ
れたフィルターは1か月以内に使う。1か月を超えたものは廃棄しなければならない。
フィルターの中にはCTAB溶液に浸している間に反り返るものもある。これを漏れのないよ
うにフィルターホルダーに取り付けることは難しい。フィルターが反り返るのを防ぐには、フ
ィルターとほぼ同じ径で,浸している間にフィルターを平らに保つ十分な重さのおもりをフィ
ルターの上に置くとよい。
このおもりは最初の24時間で取り去ることが望ましい。
9. 試験方法の手順 試験方法の手順は,次による。
9.1
試薬の標定
a) ITRBの一定量を6.の手順に従って乾燥する。
b) 乾燥したITRBの,0.20gから0.60gまで0.10g間隔の5水準を,0.1mgまで正しくはかり取る。
c) 各々の試験試料を100cm3の三角フラスコに入れ,22mmの回転子を入れて栓をする。
CTAB溶液の30.00cm3を,ディスペンサー型ピペットを用いて三角フラスコに加え,再び栓をする。
三角フラスコを超音波槽内の水に少なくとも深さ5cmまで漬け,6分間超音波を加えながらマグネチ
ックスターラでかくはんする。
吸着平衡の変化を防ぐために,超音波槽内の水温は,操作の間22〜27℃に保たなければならない。
一般的には操作の間水温が上がるので,冷水を加えるか,小さな氷片を水の中に入れるか又は取り付
けた冷却コイルで温度を調節する。ただし,水温は22℃を下回ってはならない。
一体になっていない超音波槽とマグネチックスターラ又は振とう機を使う場合には,以下の手順が
望ましい。
1分 超音波処理
1分 かくはん
1分 超音波処理
1分 かくはん
1分 超音波処理
1分 かくはん
d) フィルターホルダーの上部部品のねじ山をステンレス鋼製の加圧セルに取り付け,漏れがないように
手で十分に締め付ける(必要ならポリテトラフロロエチレン漏れ止めテープを使ってもよい。)。フィ
ルターの光沢面を流入側に向けて,フィルターをフィルターホルダーの底部部品に取り付ける。吸着
平衡に達したカーボンブラック懸濁液を小さな漏斗で加圧セルに注ぎ込む。加圧セルを0.4〜0.7MPa
に調圧した乾燥圧縮空気又は乾燥窒素の供給部に取り付ける。ろ過の始めの5cm3を捨て,残りをきれ
いなガラス製バイアルに取り,直ちにねじふたをする。
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泡が立たないようにろ液を静かに振り混ぜ均一にする。ろ液にカーボンブラックが混ざっていたら
廃棄し,再ろ過をしてはならない。ろ過したCTAB溶液を,方法1 (9.2),方法2 (9.3),方法3 (9.4) 又
は方法4 (9.5) で滴定する
備考1. フィルターホルダーの底の部分を吸引するとフィルターを適切に取り付けることができる。
しわになったり,折れたりしてフィルターが損傷しないように注意する。フィルターが適切
に取り付けられているかどうかは,懸濁液を注ぎ込む前に組立て部品の加圧試験で確かめら
れる。出口に指をあてがってみて,気体の流れが感知できなければ,フィルターが適切に取
り付けられていることを示している。
2. 通常,ろ過後すぐに滴定をすることはないので,ろ液を採取したバイアルは必要なときまで
密閉しておかなければならない。
3. あらかじめCATB溶液に浸したフィルターを使用する場合には,紙タオルなどで余分なCATB
溶液を吸い取り,フィルターが完全に乾く前にフィルターホルダーに取り付ける。
9.2
方法1 CTABろ液のスルホこはく酸ジ−2−エチルヘキシルナトリウム溶液による最大濁度までの自
動滴定 [附属書1(参考)の2.を参照]
a) 自動滴定装置の準備は製造業者の取扱書による。スルホこはく酸ジ−2−エチルヘキシルナトリウム溶
液の容器には十分な溶液が入っていること,並びに,溶液のライン及びポンプに気泡がなく,滴定液
で十分に置換されていることを確認する。電源を入れ,液が流れるに伴って滴定液容器に空気が入る
ように,容器のふたを緩める。滴下速度は10bm3/min,又はATMAST自動滴定装置を使用する場合に
は製造業者の指示に従って6cm3/minに調整する。
b) ATMAST自動滴定装置を使用する場合の滴定の手順は,次による。
41mmの回転子の入ったビーカーに45cm3の水を入れる。5cm3のオクチルフェノキシポリエトキシ
エタノール溶液を加える。ろ過されたCTAB溶液の10.00cm3を,泡が立たないようにピペットでビー
カーに移し替える。滴定装置のサンプルを入れる場所にビーカーを置き,ビーカーを通る光線の上に
渦が発生するようにマグネチックスターラの速度を調節する。滴定針がわずかに液面下にもぐるよう
に滴定液供給部を下げる。滴定液供給部のストップコックを開け,カウンターをリセットし,ポンプ
の操作スイッチを“titrate”の位置にし,“start”ボタンを押す。最大濁度に達し,ポンプとカウンタ
ーが止まるまで待つ。カウンター(容量)を0.01cm3まで正しく読み取り,記録する。
滴定液供給部をビーカーの上部に引き上げる。ポンプの操作スイッチを“flush” にし,2〜3滴の
滴定液を流して滴定針を洗う。試薬の最後の1滴が滴定針から落ちたら,ポンプのスイッチを切る。
ポンプを止めた後でストップコックを閉め,滴定針をきれいなティッシュペーパーでふく。溶剤は使
わない。装置はこれで次のサンプルの準備状態となっている。
c) a)及びb)を他の4試料について繰り返す。
d) 9.6の操作に進む。
9.3
方法2 CTABろ液のスルホこはく酸ジ−2−エチルヘキシルナトリウム溶液による最大濁度までの
手動滴定
a) 滴定装置の準備 正確な終点を得るためには,滴定を行う前に次のような滴定装置の準備が必要であ
る。
1) 22mmの回転子の入ったビーカーに55cm3の水を入れる。CTAB溶液 (5.2) の5.00cm3を,泡が立た
ないようにピペットでビーカーに移し替える。ビーカーをマグネチックスターラの上に置き,静か
にかくはんする(回転数は,毎分約200回転に合わせる。)。
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2) 可変抵抗器を光源と直列に接続し,光源を,ビーカーの底と液面のほぼ中間でビーカーのすぐ後ろ
に置く。ビーカーの溶液を通して水平に見たとき,光源のフィラメントが赤橙色になるように可変
抵抗器を調節する。
3) スルホこはく酸ジ−2−エチルヘキシルナトリウム溶液を,混合液が濁りはじめるまでビュレットか
ら速い速度で加える。溶液に濁りが現れたら,その後は1滴ずつゆっくりと,滴定間隔が15秒程度
で滴定液を加える。終点の直前には濁りが急激に増す。滴定液を加えるのを止め,約10秒間かくは
んする。このとき,懸濁液を通して見ると,フィラメントがかすかに見える。更に滴定液を加え,
混合液を通してフィラメントが見えなくなったときが終点である。
備考1. 終点に達してから更に滴定液を追加すると,凝集が生じ,ゆっくりとフィラメントが見え始
める。
2. 終点になってもフィラメントが見えなくならないか又は終点になる前に見えなくなったら,
フィラメントの明るさを可変抵抗器で調節し,操作を繰り返す。
3. 可変抵抗器の設定は同じ抵抗値のところで校正や滴定が行われるように注意する。
b) 滴定 22mmの回転子の入ったビーカーに50cm3の水を入れる。ろ過されたCTAB溶液の10.00cm3を,
泡が立たないようにピペットでビーカーに移し替える。滴定装置が調整できた後,ビーカーをマグネ
チックスターラの上で,上と同様に設定された光源のすぐ前に置く。
a)3)によって滴定する。
使用したスルホこはく酸ジ−2−エチルヘキシルナトリウム溶液の量を0.05cm3まで正しく読み取り
記録する。
備考 再び使用する前にビーカーをアセトンで洗い,水で洗い流す。
c) b)を他の4試料について繰り返す。
d) 9.6の操作に進む。
9.4
方法3 CTABろ液のスルホこはく酸ジ−2−エチルヘキシルナトリウム溶液による変色点までの手
動滴定
a) 32mmの回転子の入ったビーカーに,ろ過されたCTAB溶液の10.00cm3をピペットで移し替える。
約0.15cm3(3滴)のブロモフェノールブルー指示薬を加える。加える指示薬の量が極めて重要で,
すべての滴定に同じ量を用いなければならない。マグネチックスターラの上にビーカーを置き,静か
にかくはんする。
b) ビーカーの真後ろで,かつビーカーの底より若干高い位置に光源を置き,光線がビーカーの底に反射
して見えるようにする。光線の傾斜角度は水平より30°から45°にするとよい。目の高さでビーカー
の底の反射が見えるように装置を調節する。
e) スルホこはく酸ジ−2−エチルヘキシルナトリウム溶液を,混合液が濁りはじめるまでビュレットから
速い速度で加える。溶液に濁りが現れたら,マグネチックスターラをやや早くし,反射光が橙色を帯
びて見え,混合液の濁りが鮮明な青色になるまで1滴ずつ速い速度で加え続ける。その後1秒間隔で
1滴ずつゆっくりと加え,1滴ごとにマグネチックスターラを止める。終点の直前には濁りが急激に増
すことが観察される。最後の1滴が濁った青い混合液の分離をもたらすまで,1秒に1滴の速度で滴
下を続ける。指示薬の大部分が凝集物に移行して青い濁りが薄くなることで,濁りの分離が判断でき
る。かくはんを止めると凝集物が上に浮いてくる。
使用したスルホこはく酸ジ−2−エチルヘキシルナトリウム溶液の量を0.05cm3まで正しく読み取り
記録する。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
備考 再び使用する前にビーカーをアセトンで洗い,水で洗い流す。
d) a)〜c)を他の4試料について繰り返す。
e) 9.6の操作に進む。
9.5
方法4 CTABろ液のSDS溶液による変色点までの手動滴定
a) 32mmの回転子の入った三角フラスコに,ろ過されたCTAB溶液の10.00cm3をピペットで移し替える。
約0.30cm3(6滴)のジクロロフルオレセイン指示薬を加え,SDS溶液の入ったビュレットの下に置
いたマグネチックスターラの上に載せる。泡立ちを最小限におさえ,かつ混合液を急速にかくはんす
るようにマグネチックスターラの速度を設定する。
淡紅色が消え,混合液の色が鮮明な黄色に戻るまで,SDS溶液で滴定する。
使用したSDS溶液の量を0.05cm3まで正しく読み取り記録する。
備考 滴定の始まりでは,色はほとんど黄色であるが,わずかに淡紅色を帯びている。滴定を進める
につれて黄色は消え,強く鮮明な淡紅色になる。この淡紅色は,終点に近づいたことの兆候の
最初のものであり,この淡紅色が現れるまではビュレットの最大流量で滴定液を加えてもよい。
混合液が淡紅色になった後の次の段階では,大きな色の変化は伴わずに濁りが発生してくる。
このとき淡紅色は鮭肉色を帯びた橙色に変化しはじめ,この兆候が現れたら1滴ずつ滴定をす
すめる。鮭肉色の色合いが消え,混合液が鮮明な黄色に変化するまで滴定を続ける。
b) a)を他の4試料について繰り返す。
c) 9.6の操作に進む。
9.6
補正係数の計算 試料質量msに対し,これに対応した滴定量Vsをプロットする(図2を参照。)。こ
れらの点に対して最もよく合う直線を引くか、又は最小二乗法を用いて,容量軸切片V0 (cm3) と傾き4
(cm3/g) を求める。
各々の試料質量に対応した値を用い,ITRBの比表面積を10.の式によって計算する。計算したITRBの
比表面積は,公称値との差が0.75m2/gを超えてはならない。
備考 計算例を附属書1(参考)に記述する。V0とaの新しい値を定めるための標定は,新しい溶液
を調製したときにも必要である。溶液が長い間保管される場合,毎月標定することが望ましい。
9.7
試料測定
a) 6.の手順で乾燥したカーボンブラック試料質量を0.1mgまで正しくはかり取る。この量は,表1のグ
レードや予測される比表面積によって決める。
表1 グレード別試料質量の目安
グレード
CTAB吸着比表面積の範囲
m2/g
試料質量
g
N100
125〜150
0.30
N200
100〜130
0.35
N300
75〜105
0.40
N351〜N400
50〜75
0.60
N500〜N600
35〜50
0.90
N700〜
25〜30
1.35
備考 もし,カーボンブラックのグレードを明確にできないときは,
JIS K 6217-1又はJIS K 6217-2に従いグレードを決める。
b) 9.1のc)で示したように,CTAB溶液で平衡吸着させる。
c) 9.1のd)で示したように,フィルターでろ過する。
10
K 6217-3 : 2001
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
d) 試薬の標定で実施したのと同じ方法で,CTABろ液10.00cm3を滴定する。
備考 どのような試験でも滴定量V1が19cm3未満になったら結果は有効ではない。このような場合に
は,試料質量mを次の式の値まで減らし,試験を繰り返す。
1
0
1
23
V
V
m
m
−
=
ここに,
m: 試料質量 (g)
m1: 1回目の測定時の試料質量 (g)
V1: 滴定量 (cm3)
V0: 容量軸切片 (cm3)
10. 試験結果のまとめ方 CTAB吸着比表面積は次の式によって算出し,JIS Z 8401に従って整数位に丸
める。
)
(
CTAB
0
CTAB
a
S
m
V
V
S
−
′
×
−
=
ここに,
SCTAB: 試料のCTAB吸着比表面積 (m2/g)
V: CTABろ液の滴定に用いた滴定液の量 (cm3)
V0: 容量軸切片 (cm3)
a: 傾き (cm3/g)
m: 試料質量 (g)
S'CTAB: ITRBのCTAB吸着比表面積の公称値 (m2/g)
11. 記録 試験報告書には,次の事項を記録する。
a) 適用規格番号
b) 試料の履歴
c) 試験条件
d) 試料の質量
e) 使用した滴定法
f)
試験結果
g) ITRBの種類とそのCTAB吸着比表面積の公称値
h) 適用した乾燥温度
11
K 6217-3 : 2001
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図2 補正係数の算出
12
K 6217-3 : 2001
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書1(参考) CTAB吸着比表面積測定のための補正係数の計算例及び
自動滴定装置による測定方法
序文 この附属書(参考)は,CTAB吸着比表面積測定のための補正係数の計算例及び自動滴定装置によ
る測定方法について説明するものであり,規定の一部ではない。
1. 補正係数の計算例
1.1
ここでは一般的な直線式に基づく補正係数の計算方法を説明する。
y=ax+b
ここに,
a: 直線の傾き
b: y軸の切片
これらの例ではmsはxに,Vsはyに,V0はbに対応する。
作図(図2)と補正係数の計算のためにITRBの五つの試験区分のmsとVsのデータが用いられる(附属
書1表1)。
ITRBの公称のCTAB吸着比表面積は83m2/gである。
1.2
V0とaの計算
1.2.1
図からの計算 V0とaの値は図2から次のように導くことができる。V0は縦軸(容量)の切片で,
図2から47.9である。aは直線の傾きで,図2の直線上のどこか2点から,次の式によって計算できる。
1
2
1
0
m
m
V
V
a
−
−
=
例として,図2から座標0.3と35及び0.45と28.5の点を用いると,この直線の傾きは次のように計算
される。
33
.
43
30
.0
45
.0
0.
35
5.
28
−
=
−
−
=
a
msとVsのデータ及びこれらの補正係数を用いてITRBの各試験区分の比表面積が計算される。得られた
値と公称値との差を附属書1表2に示した。
1.2.2
最小二乗法による計算 V0とaの値は以下のように最小二乗法による回帰式を用いて計算できる。
D
V
m
V
m
n
a
D
m
V
m
m
V
V
m
m
n
D
S
S
S
S
S
S
S
S
S
S
0
2
S
2
2
)
(
∑
∑
−
∑
=
∑
∑
−
∑
∑
=
∑
−
∑
=
附属書1表1のデータを用い,補正係数を計算する。
05
.
43
5.0
55
.
153
2
115
.
57
5
93
.
47
5.0
2
115
.
57
9.0
55
.
153
5.0
2
9.0
5
0
2
−
=
×
−
×
=
=
×
−
×
=
=
−
×
=
a
V
D
このmsとVsのデータ及びこれらの補正係数を用い,ITRBの各試験区分の比表面積が計算される。得ら
13
K 6217-3 : 2001
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
れた値と公称値との差を附属書1表2に示す。
附属書1表1
試験区分
No.
試料の質量 (ms)
g
ms2
滴定容量 (Vs)
cm3
msVs
1
0.200 0
0.040 0
39.25
7.850 0
2
0.300 0
0.090 0
35.00
10.500 0
3
0.400 0
0.160 0
30.85
12.340 0
4
0.500 0
0.250 0
26.45
13.225 0
5
0.600 0
0.360 0
22.00
13.200 0
n=5
Σms=2.0000
Σms2=0.900 0
ΣVs=153.55
ΣmsVs=57.115 0
附属書1表2
ITRBの試験区分
No.
計算結果S'CTAB(計算値−公称値)
m2/g
図法
最小二乗法
1
82.85 (−0.15)
83.67 (+0.67)
2
82.37 (−0.63)
83.10 (+0.10)
3
81.65 (−1.35)
82.33 (−0.67)
4
82.18 (−0.82)
82.83 (−0.17)
5
82.69 (−0.31)
83.32 (+0.32)
2. 自動滴定装置を用いた方法
2.1
この方法は,一般的に用いられている“ATMAST” に関するものである。
2.2
標準的方法では,光電素子が濁度による終点を検知し,滴定液の送液ポンプを停止させる。
より正確な結果は,このポンプの停止の代わりに,滴定液供給装置のソレノイドバルブを閉鎖するよう
に修正することによって得られる。すなわち,ポンプを取り外して,代わりにビュレットで滴定液の供給
を行い,終点での滴定液の停止をビュレットに附属したソレノイドバルブを閉鎖することで行う。
次に述べる配置が提案されている。
a) 三方コックのついた50cm3のビュレットに重力で滴定液を供給するのに都合のよい,400cm3の溶液貯
蔵容器。
b) ビュレットの底部と滴定針をつなぐポリエチレンの配管。滴定針の先端は,滴定操作のあいだCTAB
溶液に漬かっている。
c) ポリエチレンの配管の途中に接続されたソレノイドバルブ。
d) ソレノイドバルブは,取り外す前のポンプにつながっていた配管の端に接続される。
1
4
K
6
2
1
7
-3
:
2
0
0
1
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書2(参考)JISと対応する国際規格との対比表
JIS K 6217-3 : 2001 ゴム用カーボンブラック−基本特性−第3部:比表面積の求め
方−CTAB吸着法
ISO 6810 : 1995 ゴム配合原材料−カーボンブラック−CTAB吸着法による比表面
積の求め方
(I) JISの規定
(II) 国際規格
番号
(III) 国際規格の規定
(IV) JISと国際規格との技術的差異の項
目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線
(V) JISと国際規格との技術的
差異の理由及び今後の対策
項目番号
内容
項目番号 内容
項目ごとの
評価
技術的差異の内容
1.適用範囲
カーボンブラックの
CTAB吸着比表面積に
ついての規定
ISO 6810
1
JISに同じ
IDT
−
2.引用規格
JIS K 6216-2
2
ISO TR 6809
IDT
−
JIS K 6217-1
2
ISO 1304
MOD/変
更
引用したJISは,対応する
ISO規格とほぼ同等である。
JIS K 6217-2
2
ISO 4652-1
MOD/変
更
引用したJISは,対応する
ISO規格とほぼ同等である。
JIS R 3505
2
ISO 385-1, ISO 648
IDT
−
JIS Z 8401
−
記述なし
MOD/追
加
JISでは有効けた数を決め
る手段としてJIS Z 8401を
用いるのが有効であるため,
これを採用した。
ISO規格の次回見直し時に提案
する。
ISO 1126
JISに同じ
IDT
−
3.原理
試験方法の原理
3
JISに同じ
IDT
−
4.器具及び装置
5
4.1化学はかり
5.1
JISに同じ
IDT
−
4.2乾燥器
5.2
105±2℃及び125±2℃
の能力を記述
MOD/変
更
125±1℃に調節可能で温度
分布が±5℃以内のものに変
更した。
ISO規格の次回見直し時に提案
する。
4.3〜4.17
超音波槽その他
5.3〜5.17 JISに同じ
IDT
−
1
5
K
6
2
1
7
-3
:
2
0
0
1
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I) JISの規定
(II) 国際規格
番号
(III) 国際規格の規定
(IV) JISと国際規格との技術的差異の項
目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線
(V) JISと国際規格との技術的
差異の理由及び今後の対策
項目番号
内容
項目番号 内容
項目ごとの
評価
技術的差異の内容
4.18広口瓶
−
記述なし
MOD/追
加
メンブレンフィルターを
CTAB溶液に予備浸せきす
るための容器を追加した。
ISO規格の次回見直し時に提案
する。
4.19〜4.24
容器その他
5.18〜
5.23
JISに同じ
IDT
−
5.試薬
溶液の調製方法
4
JISに同じ
IDT
−
6.試料の調製
試験試料の乾燥
6
105℃と125℃の2種の
乾燥温度を記述
MOD/変
更
乾燥温度は125℃だけに変
更した。
ISO規格の次回見直し時に提案
する。
7.試験条件
7
JISに同じ
IDT
−
8.フィルターの確
認及び準備
メンブレンフィルター
の性能確認及びメンブ
レンフィルターの予備
浸せき
8
メンブレンフィルター
の予備浸せきについて
の記述なし
MOD/追
加
メンブレンフィルターを使
用前にCTAB溶液に予備浸
せきすることを規定した。
ISO規格の次回見直し時に提案
する。
9.試験方法の手順
9
JISに同じ
IDT
−
9.1試薬の標定
9.1
a)〜c)
試料の乾燥その他
9.1.1〜
9.1.3
JISに同じ
IDT
−
d)
フィルターホルダーの
組立て,ろ過及び予備浸
せきしたフィルターの
取付け方法
9.1.4
予備浸せきしたフィル
ターの取付け方法の記
述なし
MOD/追
加
予備浸せきしたフィルター
の取付け方法を追加した。
ISO規格の次回見直し時に提案
する。
9.2方法1
9.1.5
JISに同じ
IDT
−
a)
自動滴定装置の準備
9.1.5.1
JISに同じ
IDT
−
b)
特定の自動滴定装置の
操作であることを明記
9.1.5.2
一般的な自動滴定装置
の操作として記述
MOD/変
更
操作手順が,特定の自動滴定
装置 (ATMAST) を対象と
していることを明記した。
ISO規格の次回見直し時に提案
する。
c),d)
操作の繰返しその他
9.1.5.3
9.1.5.4
JISに同じ
IDT
−
9.3方法2
9.1.6
JISに同じ
IDT
1
6
K
6
2
1
7
-3
:
2
0
0
1
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I) JISの規定
(II) 国際規格
番号
(III) 国際規格の規定
(IV) JISと国際規格との技術的差異の項
目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線
(V) JISと国際規格との技術的
差異の理由及び今後の対策
項目番号
内容
項目番号 内容
項目ごとの
評価
技術的差異の内容
9.4方法3
9.1.7
JISに同じ
IDT
−
9.5方法4
9.1.8
JISに同じ
IDT
−
9.6補正係数の計
算
9.1.9
JISに同じ
IDT
−
9.7試料測定
9.2
JISに同じ
IDT
−
a)
試料の質量
9.2.1
JISに同じ
IDT
−
b)〜d)
試料測定の手順
9.2.2
〜
9.2.4
JISに同じ
IDT
−
10.試験結果のま
とめ方
10
数値の丸め方について
の記述なし
MOD/追
加
JISでは有効けた数を決め
る手段としてJIS Z 8401を
用いるのが有効であるため,
これを採用した。
ISO規格の次回見直し時に提案
する。
11. 記録
11
JISに同じ
IDT
−
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:MOD
備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
− IDT………………技術的差異がない。
− MOD/追加…… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− MOD/変更…… 国際規格の規定内容を変更している。
2. JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
− MOD…………… 国際規格を修正している。
17
K 6217-3 : 2001
17
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS K 6217-3(ゴム用カーボンブラック−基本特性−第3部:比表面積の求め方−CTAB吸着法)
原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
長谷部 嘉 彦
元横浜ゴム株式会社
(委員)
西 出 徹 雄
通商産業省基礎産業局
橋 本 進
財団法人日本規格協会
鈴 木 守
社団法人日本ゴム協会
近 藤 武 志
財団法人化学物質評価研究機構
當 間 満 義
日本ゴム工業会
三 橋 健 八
日本ゴム工業会ISO/TC45国内審議委員会
(横浜ゴム株式会社)
中津留 仙太郎
カーボンブラック協会
大 場 匡 介
旭カーボン株式会社
池 上 幹 彦
株式会社ブリヂストン
加 藤 宏 泰
東海ゴム工業株式会社
金 井 孝 陽
新日化カーボン株式会社
高 橋 良 尚
藤倉ゴム工業株式会社
高 橋 秀 剛
藤倉ゴム工業株式会社
林 田 克 己
横浜ゴム株式会社
樋 渡 泰 典
三菱化学株式会社
村 岡 清 繁
住友ゴム工業株式会社
村 松 勝 利
昭和キャボット株式会社
山 田 睦 親
東海カーボン株式会社
(オブザーバー)
八 田 勲
通商産業省工業技術院
(事務局)
長 田 浩
日本ゴム工業会ISO/TC45国内審議委員会
文責:大場 匡介