サイトトップへこのカテゴリの一覧へ

K 4854:2006 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本煙火協会(JPA)/財団法人日本

規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査

会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。 

K 4854:2006 

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

1. 適用範囲 ························································································································ 1 

2. 引用規格 ························································································································ 1 

3. 定義 ······························································································································ 1 

4. 種類 ······························································································································ 2 

5. 試験方法 ························································································································ 3 

5.1 薬量の測定 ··················································································································· 3 

5.2 形状寸法の計測 ············································································································· 4 

5.3 取付け強度試験 ············································································································· 4 

5.4 落下試験 ······················································································································ 5 

5.5 燃焼試験 ······················································································································ 5 

5.6 導火線秒時測定試験 ······································································································· 5 

5.7 鉄分含有量測定試験 ······································································································· 5 

5.8 硫化ひ素の確認試験 ······································································································· 6 

5.9 筒の圧縮試験 ················································································································ 6 

5.10 底止め強さ試験 ············································································································ 6 

5.11 発射試験 ····················································································································· 8 

5.12 測定値の処理方法 ········································································································· 9 

6. 試験報告書 ····················································································································· 9 

試験報告書 ························································································································· 10 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 4854:2006 

がん具煙火−種類及び試験方法 

Toy fireworks-Types and test methods 

1. 適用範囲 この規格は,安全を確保するために,がん具煙火の種類及び試験方法について規定する。 

警告 この規格は,危険な火薬類に関するものであるが,すべてにわたって安全な方法を詳細に規定

しているわけではない。安全で健康な作業の確保と,関連するすべての法律等の遵守は使用者

の責任である。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 7507 ノギス 

JIS B 7601 上皿天びん 

JIS B 7721 引張・圧縮試験機−力計測系の校正・検証方法 

JIS C 1509-1 電気音響−サウンドレベルメータ(騒音計)−第1部:仕様 

JIS K 4800 火薬用語 

JIS Z 8401 数値の丸め方 

3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS K 4800によるほか,次による。 

a) 回転 火薬の入ったパイプ又はパイプを取り付けた盤が,一定以上の回転数で回る現象。 

b) 内筒 パラシュート,星などを入れたか,又は星を取り付けた円筒形若しくは球形のもの。 

c) 台 花火を安定させるために,本体のパイプなどに取り付けたもの。 

d) 発射台 ロケット類,流星などを安定して燃焼させるために附属しているもの。 

e) 燃焼 がん具煙火が,炎,火の粉,火花などを出しながら,規定のとおり定常的に燃える現象。 

f) 

速燃 規定のとおり定常的に燃えるべきものが,異常に短時間で燃える現象。 

g) 爆発音 爆薬を用いて出す音(表1のF‐1〜F‐5に属するもので,火薬を用いて破裂音を出す場合も

爆発音という。)。 

h) 笛音 火薬又は爆薬をパイプに固く詰め,燃焼したとき発する音。 

i) 

導火線 がん具煙火の点火用に取り付けたもので,紙で黒色火薬をより込んだもの,又は紙,糸など

で黒色火薬を中央にして,ひも状に織り込んだ火工品。 

j) 

導火線秒時 導火線の先端を線香で点火し,噴出,回転などの主たる現象が始まるまでの秒時。 

k) 本体 がん具煙火の構造のうち,火薬又は爆薬が,詰められているか,塗られているか又は接着され

ている部分。蛇玉のように火薬が成形加工されているものも本体という。 

l) 

柄 手持ちがん具煙火の構造のうち,消費時にその一部を手に持って本体を支える部分。 

background image

K 4854:2006 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

m) ひも 糸付銀波及び糸付回転のものに,手で持つこと又は固定することを目的として取り付けられた

糸など。 

n) 回転盤 回転するもので,薬筒又は薬包を取り付けた盤。 

o) 薬筒 火薬又は爆薬が入ったパイプ。 

p) 薬包 火薬又は爆薬を紙で包み込んで棒状にしたもの。 

q) 底止め 火の粉,火花,ガスなどが,後方に吹き出すことを防止するため,火薬を詰めたパイプなど

の底又は中底に取り付けたもの。 

r) 尾 飛しょうするもののうち,ロケット,流星などの上昇を安定させるために取り付けた棒状のもの。 

s) 

羽根 飛しょうするもののうち,人工衛星などの上昇を安定させるために取り付けたもの。 

t) 

導管 走行するもののうち,ケーブルカーなどの本体に糸を通すために取り付けたもの。 

4. 種類 種類は,がん具煙火の動作の形態によって表1のとおり区分し,更に用途,その他によって種

類を細分する。 

なお,種類の呼び方を例に示す。 

例 A‐1 

表 1 種類 

動作の形態 

用途・その他 

記号 

区分 

記号 

区分 

炎,火の粉又は火花を出
すことを主とするもの 

吹き出し,スモールトーチ,噴火山その他の筒物,すすきその
他柄付きの筒物又は球物 

朝顔その他の炎を出す柄付きのより物 

銀波その他のひも付きのより物 

スパークラーその他の光輝ある火の粉を出す柄付きのねり物
で,火薬が露出しているもの 

サーチライト,コメットその他の柄付きのねり物で,紙に包ま
れたもの 

線香花火その他の火花を出す柄付きのより物,又は火薬が露出
しているねり物 

回転することを主とす
るもの 

ピンホイールその他の円盤の周囲に,火薬を紙で包んだ管を巻
き付けたもの 

サキソンその他の筒又は板の端に筒物を装着したもの。 

ヨーヨーその他の円盤又は板に,輪形のより物をはり付けたも
の 

走行することを主とす
るもの 

金魚その他の水上を走行する筒物 

小笛その他の笛音を出す筒物 

ケーブルカーその他の糸を通す筒などを装着した筒物 

花車その他の紡錘形又は輪形のより物 

爆龍その他の火薬を紙で包んで折りたたんだもの 

飛しょうすることを主
とするもの 

笛ロケットその他の笛音を出す尾付きの筒物 

流星その他の尾付きの筒物 

人工衛星その他の板に筒物を装着し,回転上昇するもの 

打ち揚げることを主と
するもの 

乱玉その他の星を打ち揚げる筒物 

パラシュートその他の内筒に入れた放出物を打ち揚げる筒物 

background image

K 4854:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表1 種類(続き) 

動作の形態 

用途・その他 

記号 

区分 

記号 

区分 

爆発音を出すことを主
とするもの 

スモーククラッカー及びファイヤークラッカーその他の点火に
よって爆発音を出す筒物。ただし,マッチの側薬又は頭薬との
摩擦によって発火するものを除く 

クラッカーボール 

クリスマスクラッカーその他の摩擦によって爆発音を出す小形
の筒物を内部に装着し,その爆発によって軽量の紙テープなど
を放出するもの 

平玉及び巻玉 

爆竹(点火によって爆発音を出す筒物を連結したもの) 

煙を出すことを主とす
るもの 

− 

煙幕その他の筒物又は球物 

その他のもの 

− 

蛇玉 

セット品 

− 

A〜Hの製品を組み合わせて袋などの外装に入れたもの 

5. 試験方法  

5.1 

薬量の測定 薬量の測定は,動作の形態によって種類ごとに区分し,表2による。 

なお,導火線の薬量の測定は,表2の備考による。 

表 2 薬量の測定 

種類 

計量方法 

A,E,G,

a) はかりは,JIS B 7601に規定する上皿天びんで,感量0.1 g以下のものを用いる。ただし,薬量が

1 g以下の物には,感量0.01 g以下のものを用いる。また,A‐6(線香花火)には,感量0.001 g以
下のものを用いる。 

b) 1個ずつ火薬を取り出して計量する。 
 

B,C,D 

a) はかりは,JIS B 7601に規定する上皿天びんで,感量0.01 g以下のものを用いる。ただし,爆薬

を含有するものは,感量0.001 g以下のものを用いる。 

b) 1個ずつ火薬又は爆薬を取り出して計量する。 
c) 爆薬を含有するものは,火薬と爆薬とを丁寧に分けて,各々を計量する。 

a) はかりは,JIS B 7601に規定する上皿天びんで,火薬には感量0.001 g以下のものを,爆薬には感

量0.000 5 g以下のものを用いる。ただし,F‐4(平玉及び巻玉)には,感量0.000 1 g以下のもの
を用いる。 

b) 1個ずつ火薬又は爆薬を取り出して計量する。 
c) F‐2(クラッカーボール)の爆薬量は,爆薬が砂利に付着したままの状態で取り出して計量する。5

粒分の計量値をa(g)とする。爆薬の付着した砂利をよく水洗して砂利だけを取り出す。爆薬のな
くなったことを確かめた後,取り出した砂利を乾燥する。乾燥した砂利の計量値をb(g)とする。
次の式によって得た質量を1粒分の薬量とする。 

(a−b)×1/5=1粒の薬量(g) 

d) F‐3(クリスマスクラッカー)の爆薬量は,引玉を丁寧に取り出し,よく乾燥した後計量する。1本

ずつの計量値をa(g)とする。引玉を水に浸して,爆薬をよく水洗し,流し落とす。爆薬のなくな
ったことを確かめた後で,残った紙,ひもなどを乾燥する。紙,ひもなどの乾燥後の計量値をb(g)
とする。次の式の計算によって得た質量を,1本分の薬量とする(1)。 

a−b=1本の薬量(g) 

background image

K 4854:2006 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表2 薬量の測定(続き) 

種類 

計量方法 

e) F-4(平玉及び巻玉)の爆薬量は,5粒分を切り取り,乾燥状態で計量した値をa(g)とする。これを

水に浸して,爆薬をよく水洗し,流し落とす。爆薬のなくなったことを確かめた後で,残った紙
などを乾燥する。乾燥後の計量値をb(g)とする。次の式によって得た質量を,1粒分の薬量とす
る(1)。 

(a−b)×1/5=1粒の薬量(g) 

セット品は,内容の製品ごとに,A〜Hに属する方法で薬量の測定を行う。 

注(1) 爆薬は,危険なので絶対に乾燥した状態で取り扱ってはならない。 
備考 導火線の火薬量の測定は,次による。 

a) あらかじめ同一種類の導火線からランダムに10個を抜き取り,1個ずつの全体質量を計量する。1個ずつ

火薬を取り出して計量し,全体質量に対する火薬量の比率を,1個ずつ計算する。比率の平均値を当該導
火線の火薬量係数kとする。 

b) 導火線1個の全体質量を計量する。計量値をa(g)として,次の式によって得た質量b(g)を1個分の薬量と

する。   b=k×a(g) 

5.2 

形状寸法の計測 E‐1(乱玉),F‐1(スモーククラッカー及びファイヤークラッカー),F‐2(クラッ

カーボール),F‐4(平玉及び巻玉)及びF‐5(爆竹)の形状寸法の測定には,0.05 mmまで計測できる直

尺,JIS B 7507に規定するノギスなどを用いる。 

5.3 

取付け強度試験 取付け強度試験は,種類ごとに区分し,表3による。 

表 3 取付け強度試験方法 

種類 

試験箇所 

試験方法 

共通 

導火線 

導火線を保持し,本体に所定のおもりを付けて1分間保持したときの本体の落下の有無
を調べる。 

A‐1,A‐2,
A‐6 

柄 

本体を保持し,柄などに所定のおもりを付けて1分間保持したときの本体の落下の有無
を調べる。 

A‐3,B‐1,
B‐2,B‐3 

ひも 

ひもの一端を保持し,本体に所定のおもりを付けて1分間保持したときの本体の落下の
有無を調べる。 

A‐1,B‐2,

台 

台を保持し,本体に所定のおもりを付けて1分間保持したときの本体の落下の有無を調
べる。 

D‐1,D‐2 発射台 

台座を保持し,支柱に所定のおもりを付けて1分間保持したときの本体の落下の有無を
調べる。 

B‐2,B‐3 

回転盤 

回転盤を保持し,所定のおもりを付けて1分間保持したときの本体の落下の有無を調べ
る。 

C‐3 

導管 

本体を保持し,導管に所定のおもりを付けて1分間保持したときの導管の落下の有無を
調べる。 

D‐1,D‐2 尾 

尾を保持し,本体に所定のおもりを付けて1分間保持したときの本体の落下の有無を調
べる。 

D‐3 

羽根 

羽根を保持し,本体に所定のおもりを付けて1分間保持したときの本体の落下の有無を
調べる。 

備考 おもりは,受渡当事者間の協定による。 

  

background image

K 4854:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.4 

落下試験 落下試験は,種類ごとに区分し,表4による。 

表 4 落下試験方法 

種類 

試験方法 

A‐4 

スパークラーの試験方法は,水平にした厚さ30 mm以上の木板上に,高さ約400 mmから試料をほぼ
水平にして,同一品を3回落下させ,はがれた火薬を計量する。 

E‐1 

乱玉の試験方法は,次による。 
a) 乱玉の導火線を露出させて試料とする。 
b) 試料点火部(導火線)を下にして,厚さ30 mm以上の木板上に,高さ約100 mmから試料をほぼ垂

直にして,同一品を3回落下させ,こぼれた火薬を計量する。 

F‐1 

スモーククラッカー及びファイヤークラッカーの試験方法は,次による。 
厚さ30 mm以上の木板上に,高さ約400 mmから試料をほぼ水平にして,同一品を3回落下させ,点
火薬がはがれないか又は火薬がこぼれないかを調べる。 

F‐2 

クラッカーボールの試験方法は,厚さ30 mm以上の木板上に,高さ4mから同一品を3回落下させ,
火薬がこぼれないか又は発火しないかを調べる。 

F‐4 

平玉及び巻玉の試験方法は,平玉を厚さ30 mm以上の木板上に,高さ約400 mmから試料をほぼ水平
になるようにして,同一品を3回落下させ,火薬がはがれないか又はこぼれがないかを調べる。 

煙幕,その他の試験方法は,次による。 
a) 個装のまま高さ2 mからコンクリート面に1回落下させ,発火(発煙)の有無を調べる。 
b) 個装から取り出した状態で高さ1 mからコンクリート板に1回落下させ,発火(発煙) 及び破損の

有無を調べる。 

5.5 

燃焼試験  

5.5.1 

燃焼試験条件 燃焼試験は,風速約5 m/s以下の比較的凹凸のない水平な場所で,可燃物のない広

い場所で行う。ただし,F‐3(クリスマスクラッカー)及びF‐4(平玉及び巻玉)は,屋内で行う。 

5.5.2 

燃焼試験方法 燃焼試験は,種類ごとに区分し,表5による。 

表 5 燃焼試験方法 

種類 

試験方法 

A,E,F,
G,H 

製品に表示された使用方法のとおりに燃焼させ,燃焼の状態を観察・記録する。 

製品に表示された使用方法のとおりに燃焼させ,移動距離の計測及び燃焼の状態を観察・記録する。 

製品に表示された使用方法のとおりに燃焼させ,走行距離の計測及び燃焼の状態を観察・記録する。 

5.11の発射試験の測定方法によって,上昇角度の計測及び燃焼の状態を観察・記録する。 

備考1. 燃焼試験では,表5によるほか,爆燃,速燃などの異常な燃焼及び現象の範囲について,観察・記録する。 

2. 台付のものは,石などを用いて固定せずに燃焼試験を実施する。 
3. 音,開発音及び打揚音以外に現象の中で音を発するものは,燃焼位置から20 m離れた位置に地表から1.5 m

の位置にJIS C 1509-1に規定する時間重み付けサウンドレベルメータを設置し,その最大音圧dB(A特性)
を測定する。 

5.6 

導火線秒時測定試験 導火線秒時の測定は,導火線の先端に線香で点火し,噴出,打上などの主た

る現象が始まるまでの秒時をストップウォッチで計測する。導火線秒時は,0.01秒の単位を四捨五入し,

JIS Z 8401によって0.1秒のけたに丸める。 

5.7 

鉄分含有量測定試験 A‐4(スパークラー)の鉄分含有量の測定は,次による。 

a) 火薬をほぐしたものを試料とし,試料を2 gはかりとる。 

b) 試料を温水で処理して酸化剤(硝酸バリウム,硝酸カリウムなど)を溶解した後,ろ過する。 

c) b)で得た不溶解残さに水酸化ナトリウム水溶液(約20 %)を加えて,アルミニウムを十分に溶解させる。 

d) あらかじめ乾燥して計量しておいたろ紙でc)の溶液をろ過し,不溶解残さをとる。これを水でよく洗

浄した後,よく乾燥して計量し,その質量からろ紙の質量を差し引いた値をa(g)とする。 

background image

K 4854:2006 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

e) d)で得た不溶解残さを0.3 gはかりとり,これに過塩素酸アンモニウム2 g及び硫黄0.1 gを加えてよ

く混和する。これを内径約3 mmの紙パイプに詰めるか,又は和紙などを用いて紙をより状にしてよ

り込み,一端から点火して燃焼させる。燃焼現象を目視観察し,チタン火花の有無を確認する。 

f) 

e)の試験でチタン火花が認められない場合は,鉄分含有量を次の式によって求める。 

鉄分含有量(%)=50×a(g) 

g) e)の試験でチタン火花が認められた場合は,d)で得た不溶解残さ[e) の試験で用いた0.3 gを除いた残

り]を磁石を用いて吸着しながら磁性のないものと分離し,吸着したものを計量しb(g)とする。鉄分

含有量は,次の式によって求める。 

鉄分含有量(%)=50×a×b/(a−0.3) 

5.8 

硫化ひ素の確認試験 D‐2(流星など)の硫化ひ素の有無の試験方法は,次による。 

a) 火薬をほぐしたものを試料とし,試料を1 gはかりとる。 

b) 試料を温水で処理して酸化剤などを溶解した後,ろ過し,不溶解残さを十分に乾燥する。 

c) 顕微鏡によって不溶解残さ中の硫化ひ素結晶の存在の有無を目視観察する。 

5.9 

筒の圧縮試験 筒の圧縮試験は,E‐1(乱玉)に対してだけ行い,その試験方法は,次による。 

a) 試料の底止めのない部分を長さ100 mmに切断し,中の火薬を丁寧に取り出して試験試料とする。 

b) 使用する試験機は,JIS B 7721 に規定する引張・圧縮試験機を用い,試験条件は,試験速度1.7×10-4 m/s,

チャートスピード1.7×10-3 m/sとする。 

c) 図1に示すとおり試験機下側の受け部プレート上に,試料を中央に真っすぐ置き,上側の押さえ部プ

レートを降下させて圧縮し,記録する。 

単位 mm 

図 1 筒の圧縮試験方法 

d) c)で記録した圧縮曲線がピークを示す場合にはその値を,なだらかな曲線の場合には,こう配がゼロ

に近い部分の値を圧縮強さ(N)とする。 

5.10 底止め強さ試験 E‐1(乱玉)の底止め強さ試験方法は,次による。 

a) 試料を図2に示す長さに切断し,中の火薬を丁寧に取り出して試験試料とする。 

受け部プレート 

(φ100) 

(固定) 

試料 

押さえ部プレート 

(φ100) 

(下降移動) 

圧 

縮 

方 

向 

background image

K 4854:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

16φ〜 

Xφ 

単位 mm 

図 2 試料の長さ 

b) 使用する試験機は,JIS B 7721に規定する引張・圧縮試験機を用い,試験条件は,試験速度5×10-3 m/s,

チャートスピード 5×10-2 m/sとする。 

c) 図3に示すとおり底止め部を中心に,上側にきねを,下側に受け具を挿入する。 

単位 mm 

      

  

図 3 試験補助具の形状・寸法 

d) きねは,直径5 mmから0.3 mm間隔で用意し,筒の内径に対し円滑に挿入できる直径のものを用いる。 

e) 図4に示すとおりに試験機の下台の受け部プレートの上に受け具を置いて,試料の下部を差し込み,

試料の上部にきねを挿入して真っすぐに立て,きねの頭部が軽く固定される程度に調整し,きね,試

料及び受け具が真っすぐになっていることを確認し,場合によっては真っすぐになるように手で軽く

支えながら圧縮する。 

φX 

φX 

1

5

4

5

5

試料断面図 

底止め 

6

0

受け具 

きね 

φ16以上 

X=5以上 

(0.3間隔) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

background image

K 4854:2006 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図 4 試験手順 

f) 

押さえ部プレートの移動区間10 mmの最大耐荷重値を,底止めの強さ(N)とする。 

5.11 発射試験 D (飛しょうするもの)の発射試験は,図5の発射試験装置によってD‐1(笛ロケットなど)

及びD‐2(流星など)は試験方法Ⅰを,D‐3(人工衛星など)は試験方法Ⅱを適用する。その条件及び手順は,

次による。 

a) 試験は,風速が約5 m/s 以下のときに行う。 

b) 試験は,屋外で安全な広さを得られる場所を選び,雨天を避ける。 

c) 尾付きのものの試験には発射用パイプを用いて発射し,尾翼又は発射台をもつもの及び人工衛星は,

発射台の上から発射させて飛しょうする角度を観測する。観測は,3方向から各1名,合計3名で行

う。 

d) 発射用パイプ(内径10〜12 mm)は,鉄製以外のパイプで,長さ300 mmとし,上部から150 mmの箇所

に底を設ける。 

e) 発射用パイプは,図5の発射点に,パイプの上部が地面から高さ200 mmに位置するように垂直に固

定する。 

f) 

発射台(木板,コンクリートなどで作った台)は,上面が水平になるように図5の発射点に置き,上面

の高さは,地表から200 mmとする。 

g) 試料の尾をパイプに立てて発射させる。 

h) 発射台を用いて試験するものは,試料を台上に置いて発射させる。 

試験方法Ⅰ 発射点の上方2 100 mmの位置に,中軸線に対し25°の範囲にリングを設け,発射されたもの

が,このリングの内側を通過するかを確認する。 

試験方法Ⅱ 発射点の上方2 100 mmの位置に,中軸線に対し50°の範囲にリングを設け,発射されたもの

が,このリングの内側を通過するかを確認する。 

押さえ部プレート 

きね 

試料 

底止め 

受け具 

受け部プレート 

background image

K 4854:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図 5 発射試験装置の形状寸法 

5.12 測定値の処理方法 測定値の丸め方は,JIS Z 8401による。 

6. 試験報告書 管理保存用などのために試験報告書を作成することが望ましい。報告書には,測定者,

試験年月日,気温,相対湿度,大気圧,試験方法・測定方法(計測器などの種類,試験条件,試験結果)及び

その他特記すべき事項を記載する。表形式の試験報告書の一例を図6に示す。 

50° 

50° 

2

1

0

2

0

980 

25° 

980 

2 500 

試験方法Ⅱ 

のリング 

2 500 

発射点 

試験方法Ⅰ 

のリング 

単位 mm

中軸 

発射点

25° 

background image

10 

K 4854:2006 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

試験報告書 

記録者番号 

記録日 

責任者(事業所名) 

品名及び種類の呼び 

規格番号 

試験の種類 

測定者(2名以上) 

試験年月日 

試験場所 

試験開始時間 

試験終了時間 

件 

天  候 

気  温 

℃ 

相対湿度 

% 

大 気 圧 

hPa 

測定器などの種類 

験 

現   象 

試験[ 有 (                 )  ・ 無 ] 

導火線秒時 

試験[ 有 (                 )  ・ 無 ] 

その他燃焼状況(分類によって変更) 

法 

薬   量 

試験の[ 有 (                 )  ・ 無 ] 

柄・尾の取付け強度 試験の[ 有 (                 )  ・ 無 ] 

落下試験 

試験の[ 有 (                 )  ・ 無 ] 

筒圧縮強度試験 

試験の[ 有 (                 )  ・ 無 ] 

底止め強度 

試験の[ 有 (                 )  ・ 無 ] 

その他特筆すべき事項 

備考 組成表,構造図を添付すること。 

図 6 試験報告書の一例 

11 

K 4854:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

関連規格 JIS K 0211 分析化学用語(基礎部門) 

JIS Z 8103 計測用語