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K 4811:2009  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

1 適用範囲 ························································································································· 1 

2 引用規格 ························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 1 

4 爆薬及び雷管の試験の種類 ································································································· 1 

5 ガス試験方法 ··················································································································· 1 

5.1 ガス試験A法 ················································································································ 1 

5.2 ガス試験B法 ················································································································ 3 

5.3 ガス試験C法 ················································································································ 3 

5.4 ガス試験D法(雷管) ···································································································· 4 

6 炭じん試験方法 ················································································································ 6 

6.1 炭じん試験A法 ············································································································· 6 

6.2 炭じん試験B法 ············································································································· 7 

6.3 炭じん試験C法 ············································································································· 7 

K 4811:2009  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づき,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本

工業規格である。 

これによって,JIS K 4811:1996は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責

任はもたない。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 4811:2009 

石炭鉱山の坑内における 

爆薬及び雷管の安全度試験方法 

Testing methods for explosives and electric blasting caps  

used for coal mining in underground 

適用範囲 

この規格は,石炭鉱山の坑内における爆薬及び雷管の安全度試験方法について規定する。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS K 4800 火薬用語 

JIS K 4806 工業雷管及び電気雷管 

JIS K 4820 導爆線 

JIS M 7602 干渉計形精密可燃性ガス検定器 

JIS Z 8801-1 試験用ふるい−第1部:金属製網ふるい 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS K 4800による。 

爆薬及び雷管の試験の種類 

爆薬及び雷管の試験の種類は,表1による。 

表1−試験の種類 

ガス試験 

A法 

B法 

C法 

D法 

炭じん試験 

A法 

B法 

C法 

ガス試験方法 

5.1 

ガス試験A法 

5.1.1 

要旨 

炭鉱の可燃性の坑内ガスに対する安全性を確認する試験であり,400グラム爆薬及び600グラム爆薬の

試験に適用する。爆発室に所定の濃度のメタンガスを充てんし,装てん孔を模擬したきゅう砲から起爆し

てガスへの引火の有無を調べる。 

なお,雷管はきゅう砲の孔口に最も近い薬包の孔口側に孔底に向けて装着し,起爆する。 

5.1.2 

試験装置及び器具 

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K 4811:2009  

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.1.2.1 試験装置 鋼板製の円筒管であって,爆発室と放爆室とからなる。爆発室の一端は,中央部に開

口を設けた鋼板で閉じ,他端はクラフト紙又はビニルフィルムでガスが漏えいしないように隔壁を作る。 

なお,爆発室内には炭じん棚,ガス送入口及びガス排気口を設ける。また,後ガス排気のため排風機を

設ける。爆発室側には,1 mおきに圧力及び火炎測定用の機器を各4〜7個ずつ取り付ける。また,消音を

必要とする場合には,坑道部終端に多孔をもつ閉そく板を挿入する。試験装置を図1に示す。 

5.1.2.2 きゅう砲 きゅう砲は,径560 mm,長さ1 500 mmの鋳鋼製で,装薬孔は,径55 mm,長さ1 200 

mmとする。 

きゅう砲は,台車に載せて動かし,試験時には,きゅう砲の装薬口を爆発室の開口部に接着させる。 

5.1.2.3 電気雷管 JIS K 4806に規定する雷管。 

5.1.2.4 ガス検定器 JIS M 7602に規定する干渉計形精密可燃性ガス検定器又はこれと同等以上の精度を

もつもの。 

単位 mm 

図1−ガス試験装置の一例 

5.1.3 材料 試験に使用するガスの成分は,メタン95 %(体積分率)以上で,水素2 %(体積分率)以

下,炭酸ガス2 %(体積分率)以下とする。 

5.1.4 試料 100 gの爆薬の薬包のもの4本又は6本。 

5.1.5 操作 

K 4811:2009  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

操作は,次による。 

a) 試料400 g又は600 gをきゅう砲の装薬孔に装てんする。 

b) 雷管を孔口に最も近い薬包の孔口側に孔底に向けて装着し(以下,正起爆という。),込物はしない。 

c) 爆発室にガスを注入し,空気との混合気を作り,メタン濃度を9±0.3 %(体積分率)とする。 

d) 爆薬を起爆し,ガスへの引火の有無を調べる。 

e) a)〜d)の操作を10回繰り返し,引火しないことを確認する。 

5.1.6 試験条件 

爆発室は,温度5〜35 ℃,湿度90 %以下,内圧は大気圧とする。 

5.2 ガス試験B法 

5.2.1 要旨 

炭鉱の可燃性の坑内ガスに対する安全性を確認する試験であり,EqS-I爆薬及びEqS-II爆薬の試験に適

用する。装薬孔を模擬したきゅう砲から起爆してガスへの引火の有無を調べる。 

なお,雷管はきゅう砲の孔底部に孔口を向けて装着し,起爆する。 

5.2.2 試験装置及び器具 5.1.2による。 

5.2.3 材料 5.1.3による。 

5.2.4 試料 100 gの爆薬の薬包を4本。 

5.2.5 操作 

雷管をきゅう砲の孔底部に最も近い薬包の孔口に向けて装着(以下,逆起爆という。)し,試料400 gを

きゅう砲に装てんする。その他は5.1.5による。 

5.2.6 試験条件 

5.1.6による。 

5.3 ガス試験C法 

5.3.1 要旨 

炭鉱の可燃性の坑内ガスに対する安全性を確認する試験であり,EqS-II爆薬の試験に適用する。爆発室

に所定濃度のメタンガスを充てんし,溝切きゅう砲上から起爆してガスへの引火の有無を調べる。 

5.3.2 試験装置及び器具 

図1の爆発室内に図2に示すように溝切きゅう砲及び反射板を設置する。反射板と溝切きゅう砲の溝の

辺との距離は,650 mmとし,反射板と他の溝の辺との角度を45°とする。その他は5.1.2による。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

単位 mm 

図2−溝切きゅう砲試験装置の一例 

5.3.3 材料 5.1.3による。 

5.3.4 試料 100 gの爆薬の薬包を3本。 

5.3.5 操作 

試料爆薬300 gを溝切きゅう砲上に設置し,雷管を孔口に最も近い薬包に装着し,爆発させる。その他

は5.1.5による。 

5.3.6 試験条件 

5.1.6による。 

5.4 ガス試験D法(雷管) 

5.4.1 要旨 

炭鉱の可燃性の坑内ガスに対する安全性を確認する試験であり,雷管の試験に適用する。 

爆発室に所定濃度のメタンガスを充てんし,雷管を起爆して引火の有無を調べる。 

5.4.2 試験装置及び器具 

5.4.2.1 試験装置 図3に示したように,300 mm×300 mm×400 mmの鋼板製容器にガスかき混ぜ翼を取

り付けたもの。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

単位 mm 

図3−雷管試験装置の一例 

K 4811:2009  

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.4.2.2 ガス検定器 5.3.2による。 

5.4.3 

材料 5.1.3による。 

5.4.4 

試料 

試料は,次による。 

a) 瞬発電気雷管は,そのままを試料とする。段発電気雷管は,延時薬種の異なるごとにその最長段のも

のを試料とする。 

b) 工業雷管は,電気雷管に用いるのと同様の構造をもつ電気着火装置を付けて試料とする。 

5.4.5 

操作 

操作は,次による。 

a) 試験装置に試料1個を装置の中心部に下向きに装着する(図3参照)。 

b) 試験装置の上部開口部にクラフト紙を張る。 

c) かき混ぜ翼を回しながら,ガス送入口からガスを送り込み,ガス検知器を用いてメタンガス濃度を9.0

±0.3 %(体積分率)にする。 

d) 試験雷管を起爆して,ガスへの引火の有無を調べる。 

e) a)〜d)の操作を30回繰り返し,引火しないことを確認する。 

炭じん試験方法 

6.1 

炭じん試験A法 

6.1.1 要旨 

炭鉱の炭じんに対する安全性を検定する試験であり,400グラム爆薬及び600グラム爆薬の試験に適用

する。爆発室に所定量の炭じんを置き,装薬孔を模擬したきゅう砲によって起爆して炭じんへの着火の有

無を調べる。 

なお,雷管は正起爆となるように装着し,起爆する。 

6.1.2 試験装置及び器具 

6.1.2.1 試験装置 5.1.2.1による。 

6.1.2.2 きゅう砲 5.1.2.2による。 

6.1.2.3 電気雷管 5.1.2.3による。 

6.1.2.4 試験用ふるい JIS Z 8801-1に規定するもの 

6.1.3 材料 試験に使用する炭じんは,揮発分35 %(質量分率)以上,灰分10 %(質量分率)以下及び

水分2 %(質量分率)以下の石炭を粉砕したもので,その粒度は,試験用ふるいの106 μmを通過し,更

に75 μm通過のものが75±5 %(質量分率)であるもの。 

6.1.4 試料 100 gの爆薬の薬包を4本又は6本 

6.1.5 操作 

操作は,次による。 

a) 試料及び雷管のきゅう砲への装てんは,5.1.5のa)及びb)による。 

b) 炭じん1 500 gを4個の棚にほぼ均等に置く。 

c) 雷管を起爆して,炭じんへの着火の有無を調べる。 

d) a)〜c)の操作を5回繰り返し,着火しないことを確認する。 

6.1.6 試験条件 

爆発室は温度5〜35 ℃,湿度80 %以下,内圧は大気圧とする。 

K 4811:2009  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

6.2 

炭じん試験B法 

6.2.1 要旨 

炭鉱の炭じんに対する安全性を確認する試験であり,EqS-I爆薬及びEqS-II爆薬の試験に適用する。爆

発室に所定量の炭じんを浮遊させ,装薬孔を模擬したきゅう砲から起爆して炭じんへの引火の有無を調べ

る。 

なお,雷管は逆起爆となるように装着して起爆する。 

6.2.2 試験装置及び器具 6.1.2による。 

6.2.3 材料 6.1.3による炭じん及びJIS K 4820に規定する50グレイン導爆線。 

6.2.4 試料 100 gの爆薬の薬包を4本。 

6.2.5 操作 

操作は,次による。 

a) 試料400 gをきゅう砲に装てんする。 

b) 逆起爆となるように雷管を装着する。 

c) 爆発室の中央床面上に長さ3.5 mの等辺山形鋼を置き,その底部に置いた導爆線(長さ3.5 m)を起爆

し,等辺山形鋼の炭じん1.5 kgを浮遊させる。 

注記 計算上の浮遊炭じん濃度は,224 g/m3である。 

d) 浮遊炭じん形成後0.3秒の後,きゅう砲中の爆薬を起爆爆発させて炭じんへの着火の有無を調べる。 

e) a)〜d)の操作を5回繰り返し,着火しないことを確認する。 

6.2.6 試験条件 

6.1.6による。 

6.3 

炭じん試験C法 

6.3.1 要旨 

炭鉱の炭じんに対する安全性を確認する試験であり,EqS-II爆薬の試験に適用する。爆発室に所定量の

炭じんを浮遊させ,溝切きゅう砲から起爆して,炭じんへの着火の有無を調べる。 

6.3.2 試験装置及び器具 

6.3.2.1 試験装置 5.3.2による。 

6.3.2.2 器具 6.1.2.3及び6.1.2.4による。 

6.3.3 材料 6.2.3による。 

6.3.4 試料 100 gの爆薬の薬包を3本。 

6.3.5 操作 

操作は,次による。 

a) 試料爆薬300 gを溝切きゅう砲上に設置し,雷管を坑口に最も近い薬包に装着する。 

b) 爆発室の中央床面上で溝切きゅう砲側の支持台に長さ3.5 mの等辺山形鋼を置き,その底部に置いた

長さ3.5 mの導爆線を起爆することによって,等辺山形鋼上の炭じん2.0 kgを浮遊させる。 

注記 計算上の浮遊炭じん濃度は,235 g/m3である。 

c) 浮遊炭じん形成後0.3秒の後,きゅう砲中の爆薬を起爆させて炭じんへの着火の有無を調べる。 

d) a)〜c)の操作を5回繰り返し,着火しないことを確認する。 

6.3.6 試験条件 

6.1.6による。