K 4806:2010
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 1
4 種類······························································································································· 1
5 性能······························································································································· 2
6 構成部品························································································································· 3
6.1 工業雷管 ······················································································································ 3
6.2 電気雷管 ······················································································································ 3
7 試料採取方法 ··················································································································· 3
8 試験方法························································································································· 3
8.1 鉛板試験 ······················································································································ 3
8.2 鈍性爆薬試験 ················································································································ 4
8.3 くぎ試験 ······················································································································ 5
8.4 点火電流試験 ················································································································ 5
8.5 耐水試験 ······················································································································ 5
8.6 段別爆発試験 ················································································································ 5
8.7 耐静電気試験 ················································································································ 5
9 包装······························································································································· 6
10 表示 ····························································································································· 6
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(2)
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本火薬工業会
(JEIA)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの
申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS K 4806:2009は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責
任はもたない。
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日本工業規格
JIS
K 4806:2010
工業雷管及び電気雷管
Blasting caps and electric blasting caps
序文
この規格は,1950年に制定され,その後5回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は,2009年に
行われたが,今回,試験方法に新たにくぎ試験を追加するために改正した。
なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。
1
適用範囲
この規格は,工業雷管及び電気雷管について規定する。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS A 5508 くぎ
JIS K 4800 火薬用語
JIS K 4813 トリニトロトルエン
JIS G 3532 鉄線
JIS Z 8801-1 試験用ふるい−第1部:金属製網ふるい
JIS Z 8901 試験用粉体及び試験用粒子
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS K 4800による。
4
種類
工業雷管及び電気雷管の種類は,その特徴によって,表1に示すとおりとする。
2
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表1−工業雷管及び電気雷管の種類
種類
特徴
工業雷管
導火線を用いて点火し,爆薬を起爆させるもの。
電気
雷管
瞬発電気雷管
延時装置がなく,直流電源にて1.0 Aの回路電流を通電したとき,通電開始から爆
発までの時間が10ミリ秒未満のもの。
段発電
気雷管
DS電気雷管 電気点火装置と装薬との間に延時装置を施したものであって,延時秒時が通常,表
2に示すもの。
MS電気雷管 電気点火装置と装薬との間に延時装置を施したものであって,延時秒時が通常,表
3に示すもの。
表2−DS電気雷管の延時秒時
DS電気雷管
段別
2
3
4
5
6
7
8
9
10
延時秒時(秒)
0.25
0.50
0.75
1.00
1.25
1.50
1.75
2.00
2.30
表3−MS電気雷管の延時秒時
MS電気雷管
段別
2
3
4
5
6
7
8
9
10
延時秒時(ミリ秒)
25
50
75
100
130
160
200
250
300
5
性能
工業雷管及び電気雷管は,箇条8(試験方法)によって試験し,工業雷管は表4,電気雷管は表5の規定
に適合しなければならない。
なお,表4及び表5の鈍性爆薬試験及びくぎ試験は,いずれか一つを選択し,その規定に適合すること
とする。
表4−工業雷管の性能
項目
性能
試験方法
鉛板試験
厚さ4 mmの鉛板を貫く。
8.1
鈍性爆薬試験
トリニトロトルエン(以下,TNTという。)質量分率70 %,タルク質量分率
30 %の試験体を起爆する。
8.2
くぎ試験
くぎの曲がり角度が平均で14度以上である。
8.3
表5−電気雷管の性能
項目
性能
試験方法
鉛板試験
厚さ4 mmの鉛板を貫く。
8.1
鈍性爆薬試験
TNT質量分率70 %,タルク質量分率30 %の試験体を起爆する。
8.2
くぎ試験
くぎの曲がり角度が平均で14度以上である。
8.3
点火電流試験
0.25 Aの直流電流で30秒間通電し,爆発しない。1.0 Aの直流電流で10ミリ
秒通電し,爆発する。
8.4
耐水試験
水圧98.1 kPaで1時間以上浸した後,鉛板試験を行い,鉛板を貫く。
8.5
段別爆発試験
段発電気雷管の場合において,段数の低いものから順次爆発する。
8.6
耐静電気試験
脚線と管体との間において2 000 pF,8 kVを印加時に爆発しない。
8.7
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構成部品
6.1
工業雷管
6.1.1
管体 管体の材質は,銅,鉄又はアルミニウムとする。
6.1.2
内管 管体に内接するようにはめ込み,管体を補強するもので,薬面から管口までに少なくとも
12 mm以上の空所をおく。
6.1.3
装薬 ペンスリット,テトリル,ぺントライトなどを主剤とする添装薬及びジアゾジニトロフェノ
ール(以下,DDNPという。),アジ化鉛などを主剤とする起爆薬からなる。添装薬量は,0.40 g±0.04 gと
し,起爆薬量は,添装薬を完爆させるのに必要な薬量とする。
6.2
電気雷管
6.2.1
管体 管体の材質は,銅,鉄又はアルミニウムとする。
6.2.2
装薬 ペンスリット,テトリル,ぺントライトなどを主剤とする添装薬及びDDNP,アジ化鉛など
を主剤とする起爆薬からなる。添装薬量は,0.40 g±0.04 gとし,起爆薬量は,添装薬を完爆させるのに必
要な薬量とする。
6.2.3
脚線 脚線は,心線をプラスチックなどで被覆したものである。
なお,脚線の端末は,30 mm以上被覆をはぎ,心線を短絡する。心線材料は,主として銅とし,その径
は,0.4 mm以上とする。脚線は,段数を判別できるように色別する及び/又は段数を表示した段ラベルを
ちょう(貼)付する。また,抵抗値は脚線の長さによって抵抗値が異なるが,発破設計上必要なため電気
雷管の基準抵抗値を表示する。
7
試料採取方法
品質が同一とみなすことができる1ロットの製品から試料雷管を採取する。ロットの設定,試料雷管採
取の時間及び場所については,受渡当事者間の協定による。
8
試験方法
8.1
鉛板試験
40 mm平方,厚さ4 mmの鉛板を鉄管の上に水平に置き,試料雷管を鉛板の中央に直立させて起爆し,
鉛板を貫くことを調べる(図1参照)。
4
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単位 mm
1 導火線又は脚線 2 試料雷管 3 鉛板 4 試料台(鉄管)
図1−鉛板試験配置図
8.2
鈍性爆薬試験
JIS K 4813に規定する等級2のTNT微結晶粒をJIS Z 8801-1に規定するふるいで150〜500 μmにふるい
分け,このTNTを質量分率70 %,JIS Z 8901に規定するタルクを質量分率30 %の割合で混ぜ,その30 g
を図2に示す形に定圧プレスにて成形し,これを鈍性爆薬試験体とする。
このとき成形する圧力は,98.1 MPaとする。この鈍性爆薬試験体に試料雷管を挿入し,70 mm平方,厚
さ30 mmの鉛板上で爆発させ,爆こんから起爆したことを調べる。
単位 mm
1
2
3
4
1 導火線又は脚線 2 試料雷管 3 鈍性爆薬試験体 4 鉛板
図2−鈍性爆薬試験配置図
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8.3
くぎ試験
くぎ試験に用いるくぎは,JIS A 5508に規定する鉄丸くぎN100のうち,JIS G 3532に規定するくぎ用鉄
線の引張強さ700 N/mm2以上のものとする。試料雷管をくぎ頭部より45 mm下方の位置に,雷管底部をく
ぎ頭部に向けて図3のように粘着テープ又はひも(紐)で,試料雷管及びくぎ胴部の間にすき(隙)間が
できないように固定する。
試料雷管を起爆させたあと,最小目盛1度以下の分度器を用いてくぎの曲がり角度を測定する。
なお,試料数は,10とし,くぎの曲がり角度の平均値を求め,小数点以下1けたで丸め曲がり角度の平
均値とする(図3参照)。
単位 mm
1 導火線又は脚線 2 試料雷管 3 粘着テープ 4 くぎ 5 曲がり角度
図3−くぎ試験配置図
8.4
点火電流試験
点火電流試験は,次による。
a) 直流電源を用い,可変抵抗器によって回路電流が0.25 Aになるように調節し,30秒間通電し,電気雷
管が爆発しないことを調べる。
b) a)と同様に,可変抵抗器によって回路電流が1.0 Aになるように調節し,10ミリ秒通電し,電気雷管
が爆発することを調べる。
8.5
耐水試験
試料雷管を水深1 m(水圧98.1 kPa)にて1時間以上浸した後,水を切り,8.1の鉛板試験を行う。
8.6
段別爆発試験
試料雷管を各段から1個ずつ取り,段数の順に直列に結線し,通電して,段別の順に爆発することを調
べる。
8.7
耐静電気試験
図4の例に示す試験回路の高圧コンデンサを8 kVに充電し,この電荷を電気雷管の短絡した脚線と管体
との間で印加したとき,爆発しないことを調べる。
4
6
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1
直流電圧電源装置
2
高圧抵抗1GΩ
3
静電形電圧計
4
高圧コンデンサ2 000 pF
5
スイッチ
6
電気雷管
図4−耐静電気試験回路図の例
9
包装
工業雷管及び電気雷管の包装は,法令に定めるところによる。
注記 平成10年通商産業省告示第149号参照
10 表示
工業雷管及び電気雷管の包装には,次の事項を表示しなければならない。
a) この規格の番号
b) 種類
c) 数量
d) 製造所名(製造会社名及び工場名)
e) 製造年月日
f)
電気雷管には,その内装に抵抗値(脚線を含む。)を表示する。
g) 段発電気雷管には,脚線の色別及び又はラベルで段別する。