K 4805:2006
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本火薬工業会/
財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本
工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS K 4805:1994は改正され,この規格に置き換えられる。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任をもたない。
K 4805:2006
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 定義 ······························································································································ 1
4. 種類 ······························································································································ 1
5. 品質 ······························································································································ 1
6. サンプリング方法 ············································································································ 1
7. 試験方法 ························································································································ 1
8. 記録 ······························································································································ 2
9. 包装 ······························································································································ 2
10. 表示 ···························································································································· 2
11. 安全取扱い上の注意事項 ·································································································· 3
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
K 4805:2006
黒色火薬
Black powders
序文 この規格は,今回,JIS K 4805の粒径,包装などを改正した規格である。
なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。
1. 適用範囲 この規格は,硝酸カリウム,硫黄及び木炭からなる黒色火薬について規定する。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 4800 火薬用語
JIS K 4806 工業雷管及び電気雷管
JIS K 4809 火薬類分析試験方法
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS K 4800による。
4. 種類 黒色火薬の種類は,表1による。
5. 品質 黒色火薬は,7.によって試験したとき,表1の品質に適合しなければならない。
表 1 黒色火薬の品質
種 類
かさ密度
g/cm3
MkⅢ弾動きゅう砲値
%
水分
%
黒色鉱山火薬
0.85〜1.05
−
1.7以下
黒色小粒火薬
0.85〜1.05
45〜65
1.7以下
6. サンプリング方法 品質が同一とみなすことができる1ロットの製品から,代表的な試料を採取する。
なお,ロットサイズの設定,サンプリングの時期及び場所については,必要に応じて,受渡当事者間の
協定によってもよい。
7. 試験方法 試験方法は,次による。
a) かさ密度 試料約120 gを付図1に示すかさ密度計を用い,容積100 ml(100 cm3)の容器に高さ75 mm
のホッパーから落下させ,過剰の試料をかきとって,受器の試料の質量(W)からかさ密度(D)を
次の式(1)から求める。Dは,小数点3けた目を四捨五入して小数点2けた目まで表示する。
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V
W
D=
································································································································ (1)
ここに,
D: かさ密度 (g/cm3)
W: 受器の試料の質量 (g)
V: 受器容量 (cm3)
b) MkⅢ弾動きゅう砲 試料5 g及び点火玉を紙筒に入れ,付図2に示すMkⅢ弾動きゅう砲試験機を用
い,きゅう砲内に装てんし,砲口に投射物2 kgを挿入する。点火玉を発火させ,きゅう砲の振れ幅(X1)
を測定する。塩素酸カリウム質量分率47.5 %,ロダン鉛質量分率47.5 %及びニトロセルロース(窒
素含有量質量分率10〜12 %)質量分率5 %からなる点火薬8 mgを使用した点火玉を使用する。ト
リニトロトルエンを基準薬とし,JIS K 4806に規定する電気雷管で起爆して振れ幅(X2)を測定する。
さらに電気雷管だけによる振れ幅(X3)を測定し,両者の振れ幅を差し引いてトリニトロトルエンの
正味の振れ幅(X2−X3)を求め、次の式(2)からMを求める。Mは,小数点1けた目を四捨五入して整
数で表示する。
100
3
2
1
×
−
=
X
X
X
M
·········································································································· (2)
ここに,
M: MkⅢ弾動きゅう砲値 (%)
X1: きゅう砲の振れ幅
X2: トリニトロトルエンを電気雷管で起爆したときの振れ幅
X3: 電気雷管だけによる振れ幅
c) 水分 水分の試験は,JIS K 4809による。
d) 判定 7.a)〜c)の試験結果が,5.に適合する場合は“適合”,適合しない場合は“不適合”とする。
8. 記録 試験方法(規格番号),試験実施日,試験実施者,試験環境,試験結果,その他必要な事項を記
録する。
9. 包装 黒色火薬の包装は,次によるほか,法令の定めるところによる。
黒色火薬は,その内容物が外部にこぼれないような防湿性の袋に入れて,1箱に収納する。
参考 黒色火薬の1箱の薬量,1箱に収納する袋の数については,参考表1に参考値を示す。平成10
年通商産業省告示第149号(火薬類の容器包装の基準を定める告示)で,火薬類の種類ごとに,
容器包装の技術上の基準が定められている。
参考表 1 黒色火薬の包装
種 類
1箱の薬量
kg
1箱に収納する袋の数
黒色鉱山火薬
20
4
黒色小粒火薬
20
5
10. 表示 黒色火薬の外装の表示は, 次による。
a) 種類
b) 数量(薬量)
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
c) 製造所名
d) 製造年月日
11. 安全取扱い上の注意事項 黒色火薬には,火気,衝撃,摩擦などを与えないほか,取扱いについては
関連法令による。
参考 関連法令には,火薬類取締法,鉱山保安法,労働安全衛生法などがある。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位 mm
付図 1 かさ密度計
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位 mm
a)
b)
付図 2 MkⅢ弾動きゅう砲試験機