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K 3823:2012  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 1 

4 試験菌,試薬及び培地 ······································································································· 2 

4.1 試験菌 ························································································································· 2 

4.2 試薬 ···························································································································· 2 

4.3 培地 ···························································································································· 2 

5 装置······························································································································· 2 

6 準備······························································································································· 3 

6.1 試験菌液の準備 ············································································································· 3 

6.2 装置の洗浄及び殺菌 ······································································································· 4 

7 試験操作························································································································· 4 

8 計算······························································································································· 4 

9 試験の報告事項 ················································································································ 4 

附属書A(規定)保存菌株及び濃厚菌液の調製方法 ···································································· 6 

附属書B(規定)限外ろ過モジュール用試験装置の洗浄及び殺菌 ··················································· 7 

附属書C(規定)器具の滅菌 ·································································································· 8 

附属書D(規定)生菌数の測定 ······························································································· 9 

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(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人膜分

離技術振興協会(AMST)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規

格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規

格である。 

これによって,JIS K 3823: 2006は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 3823:2012 

限外ろ過モジュールの細菌阻止性能試験方法 

Testing methods for determining bacterial rejection of ultrafiltration modules 

序文 

この規格は,1990年に制定され,その後1回の改正を経て今日に至っている。今回,その後の関連する

JISの改正に対応するために改正した。 

なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。 

適用範囲 

この規格は,試験菌としてブレブンディモナス・ディミヌタ(Brevundimonas diminuta)を用いて,限外

ろ過モジュールの細菌阻止性能を試験する方法について規定する。 

注記 この試験に用いる細菌阻止性能試験装置(以下,装置という。)は,JIS K 3824に規定するエン

ドトキシン阻止性能試験にも使用できる。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 7411 一般用ガラス製棒状温度計 

JIS B 7505-1 アネロイド型圧力計−第1部:ブルドン管圧力計 

JIS B 7551 フロート形面積流量計 

JIS B 9922 クリーンベンチ 

JIS K 0101 工業用水試験方法 

JIS K 3802 膜用語 

JIS K 8150 塩化ナトリウム(試薬) 

JIS R 3503 化学分析用ガラス器具 

JIS R 3505 ガラス製体積計 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS K 3802によるほか,次による。 

3.1 

限外ろ過モジュール 

次によって構成されるもの。 

a) 限外ろ過膜 分子量が数百〜数百万程度の溶質又は粒子を,ろ過によって分離するために用いる膜。 

b) モジュール 1本(又は1枚)以上のエレメントを圧力容器に納め,一体化したもの。 

K 3823:2012  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

c) エレメント 膜とその支持体及び流路材とを一体化し,圧力容器に納めるように成形加工した部品。 

d) ハウジング エレメントを収納する容器。 

3.2 

細菌阻止性能 

限外ろ過膜によって細菌を阻止する性能を示す値(箇条8参照)。 

3.3 

ダミーモジュール 

装置の洗浄,殺菌などのときに限外ろ過モジュールの代わりに用いるもの。 

試験菌,試薬及び培地 

4.1 

試験菌 

試験菌は,ブレブンディモナス・ディミヌタ JCM 2428,NBRC 14213,又はATCC 19146とする。ただ

し,マスターシードロットから継代数が5代を超えないものとする。 

注記 日本薬局方における無菌試験法の培地性能試験及び手法の適合性試験用菌株の保存管理に準じ

る。 

4.2 

試薬 

試薬は,次による。 

a) 水 JIS K 0101の2.(12)(水)に規定する蒸留水,又はイオン交換を行った後に試験を行う限外ろ過

モジュールの膜と同等若しくはより小さい孔径の膜でろ過した水。 

b) 塩化ナトリウム JIS K 8150に規定するもの又は日本薬局方に定めるもの。 

4.3 

培地 

保存菌株及び濃厚菌液の調製に関する培地は附属書A,生菌数の測定に関する培地は附属書Dによる。 

装置 

装置は,次による。 

5.1 

装置の構成及び部品 装置の構成部品は,ステンレス鋼,プラスチックなどのさびが発生しにくい

材料を用いる。 

また,装置は,洗浄,清掃及び滅菌が容易で,配管内に液だまりが生じにくい構造であり,外部からの

雑菌が混入せず,試験菌液が外部に漏れない構造とする。装置の構成例を,図1に示す。 

なお,モジュールヘの供給水量を調節するため,及び測定条件を一定に保つために,バイパスラインを

設けてもよい。 

5.2 

計装部品及びバルブ類 装置は,タンク,ポンプ及び限外ろ過モジュール,それらをつなぐ配管,

圧力計・温度計・流量計などの計装部品,及び圧力調節を行うバルブ類で構成し,次による。 

a) タンク タンクの容量は,液を循環して使用できる程度の大きさがあればよい。蓋付き構造であって,

底部が円すい形又は鏡形のもの。ポンプ吸入口につなぐ排水口は,タンク底部に付いたものが望まし

い。 

b) ポンプ 試験に用いる限外ろ過モジュールの形状及び大きさによって規定される,必要な圧力及び流

量を供給することができるもの。 

なお,必要水量及び必要圧力は,限外ろ過モジュール製造業者の推奨条件による。 

c) 配管及びバルブ類 常用運転圧力に耐える設計仕様のもの。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

d) 圧力計 JIS B 7505-1に規定する圧力計であり,試験条件をモニターできる測定レンジをもつダイヤ

フラム式圧力計,又はそれと同等以上の性能をもち,圧力測定の際に液体が直接圧力計内部に浸入し

ないもの。 

e) 温度計 JIS B 7411に規定する温度計,又はそれと同等の性能をもつもの。 

f) 

流量計 JIS B 7551に規定する流量計のうち,最小目盛が最大想定流量の10分の1〜100分の1のも

ので,最大測定流量が測定する流量の1.5〜2倍程度の流量計又はそれと同等以上の性能をもつもの。 

図1−装置の構成例 

準備 

6.1 

試験菌液の準備 

細菌阻止性能試験用保存菌株及び濃厚菌液の調製方法は,附属書Aによる。A.3によって調製した濃厚

菌液を次の方法によって希釈して,試験菌液を準備する。 

タンクに4.2 a)の水を入れ,その中に濃厚菌液を入れて,試験菌液とする。 



タンク

TI

PI

PI

PI

温度計

バイパス弁

モジュール入口弁

ポンプ

モジュール出口圧力計

モジュール入口圧力計

モジュール出口流量計

透過水流量計

透過水圧力計

サンプリング弁

モジュール入口流量計

透過水弁

モジュール出口弁

バイパスライン 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

6.2 

装置の洗浄及び殺菌 

装置の洗浄及び殺菌は,附属書Bによる。 

試験操作 

試験操作は,次による。 

a) タンクに4.2 a)の水を入れる。 

b) ポンプを運転して,試験条件を次のとおり調節し,圧力,温度及び流量を記録する。 

1) モジュール入口水温は,20〜30 ℃の範囲とする。 

2) 平均膜差圧は,次の式によって算出する。 

p

o

i

mtm

2

)

(

P

P

P

P

ここに, 

Pmtm: 平均膜差圧(kPa) 

Pi: モジュール入口圧力(kPa) 

Po: モジュール出口圧力(kPa) 

Pp: 透過水圧力(kPa) 

3) 回収率は,次の式によって算出し,50 %以下にする。 

100

i

Q

Q

R=

ここに, 

R: 回収率(%) 

Qp: 透過水の流量(m3/h,L/min等) 

Qi: モジュールの入口流量(m3/h,L/min等) 

c) 透過水1 000 mlを採取し,生菌数測定に用いて空試験とする。空試験で生菌が検出された場合は,試

験全体を無効とする。 

d) 濃厚試験菌液をタンクに添加し,添加後の試験菌液濃度が106 CFU/ml以上となるように調製する。 

e) 菌液を添加してから,装置を10分運転経過後,透過水1 000 ml及び試験菌液約10 mlを採取し,生菌

数測定に供する。試料の採取は,附属書Cによって滅菌した容器を用い,開放時間をできるだけ短く

するために試料液で容器を洗浄することなく直接採取する。採取後,直ちに生菌数の測定ができない

場合は,試料を2〜6 ℃で保存し,6時間以内に測定を実施する。 

f) 

生菌数の測定は,附属書Dによる。 

計算 

細菌阻止性能は,次の式によって算出する。 

B

A

U

10

log

ここに, 

U: 細菌阻止性能(無次元) 

A: 試験液1 000 ml当たりの試験菌の生菌数(CFU) 

B: 透過水1 000 ml中の試験菌の生菌数(CFU) 

生菌数(CFU)ゼロの場合は,Bに1を代入して,U≧log10Aと表示する。 

試験の報告事項 

試験の報告事項は,次による。 

a) 試験を行った限外ろ過モジュール 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

1) 製造業者による形状・形式 

2) 製造業者による品番 

3) 製造業者名 

4) 製造番号 

b) 試験条件 

1) 圧力(モジュール入口,モジュール出口,透過水及び平均膜差圧) 

2) 試験菌液の温度 

3) 流量(モジュール入口,モジュール出口及び透過水) 

c) 菌数 

附属書Dによって測定した空試験,試験菌液及び透過水の生菌数。 

d) 細菌阻止性能 

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附属書A 

(規定) 

保存菌株及び濃厚菌液の調製方法 

A.1 培地 

培地は,次による。 

a) ソイビーンカゼインダイジェスト寒天培地 ソイビーンカゼインダイジェスト寒天培地の製造業者

の取扱説明書に従って調製する。 

b) ソイビーンカゼインダイジェストブイヨン培地 ソイビーンカゼインダイジェストブイヨン培地の

製造業者の取扱説明書に従って調製する。 

c) 加塩乳糖ブイヨン培地 三角フラスコに水970 mlを入れ,塩化ナトリウム7.6 gを溶かす。別に,乳

糖ブイヨン1.3 gを水100 mlに溶かしたものから30 mlをとり,三角フラスコに入れ,高圧蒸気滅菌

器を用い,121 ℃で20分間滅菌する。 

A.2 細菌阻止性能における試験用保存菌株の調製 

細菌阻止性能における試験用保存菌株(以下,保存菌株という。)の調製は,次による。 

a) ブレブンディモナス・ディミヌタJCM 2428,NBRC 14213,又はATCC 19146を平板塗抹法によって

培養し,菌株の純度を調べ,コロニーの形態が均一であることを確認する。 

b) a)で培養したコロニーを無菌的に採取し,ソイビーンカゼインダイジェスト寒天の斜面培地に植菌し

た後,30±2 ℃で,24時間培養する。 

c) 培養後の斜面培地を4 ℃で保存する1)。必要に応じて滅菌した流動パラフィンをかけて保存すること

もできる。 

注1) 菌株を長期にわたって保存する場合は,凍結乾燥又は液化窒素中保存等によって行う。 

A.3 濃厚菌液の調製方法 

濃厚菌液の調製方法は,次による。 

a) 滅菌したソイビーンカゼインダイジェストブイヨン培地10 mlに,A.2で調製した保存菌株を植菌し,

30±2 ℃で24時間培養する。 

b) 加塩乳糖ブイヨン培地1 000 mlに,a)で培養した菌液2 mlを入れ,よくかくはんする。 

c) b)の菌液を30±2 ℃で24時間培養し,濃厚菌液とする2)。 

注2) この濃厚菌液は,4 ℃で8時間まで保存できる。 

d) c)で培養した菌液が試験菌の純粋培養であることを,試験操作後にa)によって確認する。 

e) 附属書Dによってc)の濃厚菌液中の生菌数を測定する。 

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附属書B 

(規定) 

限外ろ過モジュール用試験装置の洗浄及び殺菌 

B.1 

洗浄 

装置の洗浄は,次による。 

a) 装置にダミーモジュールを取り付ける。 

b) タンクに洗浄水としての水を入れる。 

c) ポンプを運転して,全ての配管の中を洗浄する。汚れ及び装置の材質に応じ,酸,アルカリ,酸化剤

などの洗浄剤を用いることができる。この場合,タンクに洗浄剤を入れ,b)で入れた水を混合し,洗

浄液とする。必要に応じてタンクの中の洗浄液を交換する。 

注記 洗浄液が希薄で汚れによって消費され,洗浄液としての効果がなくなる場合は,洗浄液の濃

度を分析して消費量分を補充するか,又は新しく洗浄液を作り直すとよい。 

d) 汚れが出てこなくなるまで洗浄を繰り返し,新しい水を用いて,すすぎ洗いをする。 

e) 系内の水を抜いた後,ダミーモジュールを,試験をする限外ろ過モジュールに交換する。 

f) 

タンクに4.2 a)の水を入れる。 

g) 透過水弁を閉じてポンプを運転し,膜の一次側を約30分間洗浄する。次に,透過水弁を開き,モジュ

ール出口弁を調節し,膜の二次側を約30分間洗浄する。 

h) 新しい水を用いてすすぎ洗いをする。 

なお,洗浄剤を使用した場合には,洗浄剤が残留していないことを確認する。 

B.2 

殺菌 

装置及びモジュールの殺菌方法には,殺菌剤,熱水などによる方法があり,次による。 

なお,装置及びモジュールの洗浄において,洗浄剤が殺菌剤としての効果も併せもつ場合には,洗浄と

殺菌とを同時に実施したとみなしてよい。 

a) 殺菌剤による場合 殺菌剤をタンクに準備し,ポンプによって膜の一次側及び二次側を殺菌する。殺

菌後,殺菌剤が残留していないことを確認する。 

なお,殺菌剤の種類及び条件については,製造業者が取扱説明書などで推奨するものに従う。 

注記1 一般に殺菌剤として推奨されているものには,次亜塩素酸ナトリウム,JIS K 1463に規定

する過酸化水素などがある。 

b) 熱水による場合 熱水をタンクに準備し,ポンプによって膜の一次側及び二次側を殺菌する。殺菌時

間は,60分間程度とする。 

なお,熱水処理条件については,製造業者が取扱説明書などで推奨するものに従う。 

注記2 高圧蒸気による滅菌方法もある。 

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附属書C 
(規定) 

器具の滅菌 

C.1 器具の滅菌 

器具の滅菌は,次による。 

a) 乾熱滅菌 乾熱滅菌は,乾熱滅菌器を用い,170 ℃で3時間滅菌する。日本薬局方“微生物殺滅法”

を参考にし,温度及び時間を変更することができる。ただし,その場合は,あらかじめ適切な微生物

モニタリング法を用いて汚染状態(汚染微生物の種類及び汚染程度)並びに滅菌処理の効果を確認し

たうえで行う必要がある。 

b) 高圧蒸気滅菌 高圧蒸気滅菌は,高圧蒸気滅菌器を用い,121 ℃で20分間滅菌する。 

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附属書D 
(規定) 

生菌数の測定 

D.1 器具 

器具は,次による。 

なお,器具の滅菌は,附属書Cによる。 

a) クリーンベンチ JIS B 9922に規定するもの。 

b) ピペット JIS R 3505に規定するもの又は同等の性能をもつもの。 

c) フィルターホルダー d)の分析用精密ろ過膜を装着できるろ過器。 

d) 分析用精密ろ過膜 孔径0.45 μm以下のもの。 

e) ペトリ皿 ペトリ皿は,附属書Cによって乾熱滅菌をしたもの。ただし,市販のプラスチック製滅菌

シャーレを用いてもよい。 

f) 

乾熱滅菌器 温度を170 ℃以上に調節できるもの。 

g) 高圧蒸気滅菌器 温度を121 ℃以上に加熱でき,器内絶対圧力210 kPa以上の飽和水蒸気中で使用で

きるもの。 

h) 三角フラスコ JIS R 3503に規定する密栓形で呼び容量1 000 ml以上のもの。三角フラスコは,附属

書Cによって乾熱滅菌又は高圧蒸気滅菌しておく。 

D.2 試薬及び培地 

試薬及び培地は,次による。 

a) 0.1 %ペプトン水 ペプトン1 gを1 000 mlの水に溶かし,121 ℃で20分間高圧蒸気滅菌したもの。 

b) 0.9 %塩化ナトリウム水溶液 塩化ナトリウム9 gを水1 000 mlに溶かしたもの。 

c) 生菌数測定用寒天培地 ソイビーンカゼインダイジェスト寒天培地をペトリ皿に流したもの。 

d) ソイビーンカゼインダイジェスト寒天培地 製造業者の取扱説明書に従って調製する。 

D.3 生菌数の測定 

生菌数の測定は,2回の併行測定を行う。試験菌液試料については,希釈した後にa)の平板塗抹法によ

る。透過水試料及び空試験試料については,b)のMF法による。 

a) 平板塗抹法 

1) ピペットを用いて試験菌液をとり,0.1 %ペプトン水を加えて,10−3,10−4及び10−5倍の希釈液を

調製する。 

2) 希釈液の0.1 mlを採取し,生菌数測定用寒天培地に塗布し,30±2 ℃で48時間培養する。 

3) コロニー1)を数え,試験菌液の生菌数を求める。 

注1) コロニー数20〜200個の希釈液が数えやすい。 

b) MF法 

1) 採取した試料をそのまま試料液とし,1 000 mlをD.1 d)の精密ろ過膜で無菌的にろ過する。 

2) 精密ろ過膜を,付着している水分をできるだけ除いた後,装置から取り外す。 

10 

K 3823:2012  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3) 精密ろ過膜の裏面を生菌数測定用寒天培地の中央に密着2)させてペトリ皿を逆さにし,30±2 ℃で

48時間以上培養する。 

注2) 膜と培地との密着面の間に気泡が入らないように注意する。 

4) 培養後,精密ろ過膜上に発育したコロニー数を計測し,試料当たりの生菌数を算出する。 

参考文献 JIS K 1463 過酸化水素 

JIS K 3824 限外ろ過モジュールのエンドトキシン阻止性能試験方法