K 3703-2:2004
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,財団法人バイオインダストリー協会(JBA)/
財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本
工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 6888-2:1999,Microbiology of food
and animal feeding stuffs−Horizontal method for the enumeration of coagulase-positive staphylococci
(Staphylococcus aureus and other species)−Part 2: Technique using rabbit plasma fibrinogen agar mediumを基礎
として用いた。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案
登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
JIS K 3703-2には,次に示す附属書がある。
附属書(参考) JISと対応する国際規格との対比表
JIS K 3703の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS K 3703-1 第1部:ベアード・パーカー寒天培地
JIS K 3703-2 第2部:ウサギ血しょう(漿)フィブリノーゲン寒天培地
K3703-2:2004
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
0. 序文 ······························································································································ 1
1. 適用範囲 ························································································································ 2
2. 引用規格 ························································································································ 2
3. 定義 ······························································································································ 2
4. 一般原則 ····················································································································· 2
5. 希釈液及び寒天培地 ······································································································ 3
6. 装置及びガラス器具 ···································································································· 4
7. 試料の採取 ····················································································································· 4
8. 試料の調製 ····················································································································· 4
9. 実施手順 ····················································································································· 4
10. 結果の表示 ··················································································································· 5
11. 精度 ···························································································································· 6
12. 試験報告書 ··················································································································· 6
参考文献 ····························································································································· 7
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表 ····································································· 8
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日本工業規格 JIS
K 3703-2:2004
コアグラーゼ陽性ブドウ球菌(黄色ブドウ球菌など)
の菌数測定方法−第2部:ウサギ血しょう(漿)フ
ィブリノーゲン寒天培地
Horizontal method for the enumeration of coagulase-positive staphylococci
(Staphylococcus aureus and other species)-
Part 2:Technique using rabbit plasma fibrinogen agar medium
0. 序文 この規格は,1999年に第1版として発行されたISO 6888-2:1999,Microbiology of food and animal
feeding stuffs−Horizontal method for the enumeration of coagulase-positive staphylococci (Staphylococcus aureus
and other species)−Part 2: Technique using rabbit plasma fibrinogen agar mediumを翻訳し,技術的内容を変更し
て作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変更の一覧
表をその説明を付けて,附属書(参考)に示す。
1. 適用範囲 この規格は,ウサギ血しょうフィブリノーゲン寒天培地(以下、寒天培地という。)を用い
て35 ℃又は37 ℃で好気的に培養して得られるコロニー数を測定する方法について規定する。
この規格は、人が摂取する食品及び動物用飼料(これらは、工業標準化法の適用対象となるものに限る。)
中に存在するコアグラーゼ陽性ブドウ球菌の菌数測定を目的とする[参考文献1)]。
食品及び動物用飼料には多種多様な製品が存在するため,特定の製品に関しては,この測定方法がすべ
てに適しているとは限らない。その場合,正当な技術的理由があれば,このような製品に限定される別の
方法を用いてもよい。しかし,可能な限りこの測定方法を適用するように努めなければならない。
JIS K 3703規格群で,エンテロトキシン産生株を含むコアグラーゼ陽性ブドウ球菌の菌数測定方法につ
いて二つの測定方法(JIS K 3703-1及びJIS K 3703-2)を規定している。主に黄色ブドウ球菌(Staphylococcus
aureus)が対象であるが,S. intermedius 及び S. hyicus の一部も対象となる。
一般的にはJIS K 3703-1をエンテロトキシン産生株を含むコアグラーゼ陽性ブドウ球菌の菌数測定に適
用する。しかし,次に示す菌によって汚染される可能性のある食材(生乳から製造されたチーズ及び生肉
製品など工業標準化法の対象とならないものは除く。)に限っては,JIS K 3703-2に示す手順を適用するこ
とが望ましい。
− ベアード・パーカー寒天培地上に非定形コロニーを形成するブドウ球菌
− 求めるコロニーが埋もれてしまうようなバックグラウンド・フローラ〔細菌そう(叢)〕
JIS K 3703-2では,ブドウ球菌の確認はコアグラーゼ陽性反応に基づいている。しかし,黄色ブドウ球
菌にはコアグラーゼ陽性反応が弱い菌株があることが知られている。この反応の弱い菌株は他の細菌と混
2
K 3703-2:2004
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
同される可能性があるが,JIS K 3703-2には含まれていない試験を追加することによって識別することが
できる。その試験法には,リゾスタフィンの感受性,溶血性毒素の産生,耐熱性ヌクレアーゼの産生,マ
ンニトール分解による酸産生の試験などがある〔参考文献2〕。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO 6888-2:1999,Microbiology of food and animal feeding stuffs−Horizontal method for the
enumeration of coagulase-positive staphylococci (Staphylococcus aureus and other species)−Part
2: Technique using rabbit plasma fibrinogen agar medium (MOD)
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 3703-1 コアグラーゼ陽性ブドウ球菌(黄色ブドウ球菌など)の菌数測定方法−第1部:ベア
ード・パーカー寒天培地
JIS K 8008 生化学試薬通則
ISO 6887-1 Microbiology of food and animal feeding stuffs−Preparation of test samples,of initial
suspension and decimal dilutions for microbiological examination−Part 1: General rules for the
preparation of the initial suspension and decimal dilutions
ISO 7218 Microbiology of food and animal feeding stuffs−General rules for microbiological examinations
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。
3.1
コアグラーゼ陽性ブドウ球菌(coagulase-positive staphylococci) この規格の試験によって,寒天培
地上に定形及び/又は非定形コロニーを形成し,コアグラーゼ陽性反応を示す細菌。
3.2
コアグラーゼ陽性ブドウ球菌の菌数測定方法(enumeration of the coagulase-positive staphylococci)
この規格の試験によって得られる製品1 ml又は1 g当たりのコアグラーゼ陽性ブドウ球菌の数の測定方法。
3.3
精製水 JIS K 8008の3.2に規定するA2の水。
備考 これを超す精製度のものを使用することに関しては制限しない。
なお,滅菌水は,イオン交換水の品質以上のものをオートクレーブ滅菌又はフイルターでろ
過し滅菌したものとする。また,市販の精製水を用いる場合は,この規定の精製水と同等以上
の品質のものとする。
4. 一般原則
4.1
ウサギ血しょうフィブリノーゲン寒天培地に,製品が液体の場合は規定量の製品を,液体以外の製
品の場合は規定量の試料懸濁液を接種した寒天平板培地を作る。
さらに,試料の10倍段階希釈試料液を接種し,各希釈段階につき2枚ずつ寒天平板培地を作る。
4.2
35 ℃又は37 ℃(1)で各寒天平板培地を18〜24時間培養する。必要であれば更に24時間培養する。
注(1) この温度は,関係者で合意を得るものとし,試験報告書に記載する。
4.3
各寒天平板培地当たりの定形コロニー数から,製品1 ml又は1g当たりのコアグラーゼ陽性ブドウ球
菌数を算出する。
3
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5. 希釈液及び寒天培地
5.1
一般的な試験指針 一般的な試験指針はISO 7218による。
5.2
希釈液 ISO 6887-1及び試験対象の製品を規定する規格による。
5.3
ウサギ血しょうフィブリノーゲン寒天培地 [参考文献3)及び4)]
備考 市販の培地を用いてもよい。ただし,製造ロットのばらつきを考慮して,ウシフィブリノーゲ
ン及びウサギ血しょう溶液の各ロットを陽性対照及び陰性対照を用いて使用前に試験すること
が望ましい。
5.3.1
基礎培地 JIS K 3703-1の5.3.1に示すとおりに基礎寒天培地を調製する。ただし,分注量は,フ
ラスコ又は瓶1個当たり90 mlとする。
5.3.2
溶液
5.3.2.1
亜テルル酸カリウム溶液 JIS K 3703-1の5.3.2.1に示すとおりに亜テルル酸カリウム溶液を調製
する。
5.3.2.2
ウシフィブリノーゲン溶液
5.3.2.2.1
組成
表 1 ウシフィブリノーゲン溶液の組成
ウシフィブリノーゲン
5〜7 g(2)
滅菌精製水
100 ml
注(2) ウシフィブリノーゲンの純度による。
備考 代替物はない。BSE(牛海綿状脳症)が否定されたものを用いる。
5.3.2.2.2 調製 無菌条件下で,使用直前にウシフィブリノーゲンを滅菌精製水に溶解する。
5.3.2.3
ウサギ血しょう(EDTAコアグラーゼ血しょう)及びトリプシンインヒビター溶液
5.3.2.3.1
組成
表 2 ウサギ血しょう及びトリプシンインヒビター溶液の組成
コアグラーゼ試験用EDTA添加ウサギ血しょう
30 ml
トリプシンインヒビター
30 mg
5.3.2.3.2
調製 無菌条件下で,使用直前に各成分を滅菌精製水を用いて溶解する。
ウサギ血しょうを凍結乾燥した場合,滅菌精製水に溶解する必要がある。この場合,凍結乾燥ウサギ血
しょうを滅菌水に溶解し,同溶液にトリプシンインヒビターを溶解する。
5.3.3
最終使用寒天培地
5.3.3.1
組成
表 3 最終使用寒天培地の組成
基礎寒天培地(5.3.1)
90 ml
亜テルル酸カリウム溶液(5.3.2.1)
0.25 ml
ウシフィブリノーゲン溶液(5.3.2.2)
7.5 ml
ウサギ血しょう及びトリプシンインヒビター溶液(5.3.2.3)
2.5 ml
5.3.3.2
調製 基礎寒天培地を融解し,ウォーターバス(6.3)中で約48 ℃±1 ℃まで冷却する。
無菌条件下で,あらかじめウォーターバス(6.3)中で48 ℃±1 ℃に温めておいた3種類の溶液を加え
る。各溶液を加えた後は,できるだけ泡立たないようにかき回してよく混和する。
血しょうの沈殿を避けるため,最終使用培地は調製後直ちに用いる。
警告:市販のウシフィブリノーゲン及びウサギ血しょう溶液を用いる場合,この溶液及び最終使
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用培地の調製については製造業者の取扱説明書に厳密に従う。特に基礎培地の温度が適切
でなければ,培地が完全に失活するおそれがある。
5.4
寒天平板培地の調製 JIS K 3703-1の5.3.4を参照。
6. 装置及びガラス器具
備考 仕様が適していれば,ガラス器具の代わりに使い捨て器具を用いてもよい。
通常の微生物試験用器具を次に示す。
6.1
オーブン及びオートクレーブ オーブンは,乾熱で170〜180 ℃に設定可能なもので主にガラス又は
金属などを滅菌するのに用いる。オートクレーブは,飽和蒸気温度が最低121 ℃(制御部誤差±1 ℃)に
設定できるもの。
6.2
インキュベータ 接種済みの培地,寒天平板培地及び試験管を35 ℃±1 ℃又は37 ℃±1 ℃で保存
できるもの。
6.3
ウォーターバス又は類似の装置 48 ℃±1 ℃に維持できるもの。
6.4
シャーレ ガラス製又はプラスチック製で滅菌済みのもの。
6.5
吐出式メスピペット 容量が1 ml,2 ml又は10 mlで,それぞれ0.1 ml,0.1 ml又は0.5 mlの目盛付
きのもの。
7. 試料の採取 試料の採取方法については,この規格では規定しない。試験対象の製品からの試料採取
について,特定の日本工業規格が存在しない場合は関係者で合意を得ることが望ましい。
試験対象を代表する試料が,輸送中又は保存中に損傷を受けず,かつ変化もなく試験室に届けられるこ
とが重要である。
8. 試料の調製 試験対象の製品に適用される日本工業規格に従って試料を調製する。このような規格が
ない場合には,関係者で調製について合意を得ることが望ましい。
9. 実施手順
9.1
試料,試料懸濁液及び希釈 試料,試料懸濁液及び希釈液は,ISO 6887-1及び試験対象の製品に適
用する特定の規格による。
9.2
接種及び培養
9.2.1
滅菌シャーレ(6.4)を2枚用意する。滅菌済み吐出式メスピペット(6.5)を用いて,液体製品の
場合は液体1 ml,液体以外の製品の場合は試料懸濁液1 mlを,各シャーレにそれぞれ入れる。別に2枚の
滅菌シャーレを用意し,試料懸濁液の10倍希釈試料液1 mlを各シャーレに入れる。
連続する10倍段階希釈液のそれぞれについて,新しい滅菌済み吐出式メスピペットを用い,この操作を
繰り返す。
9.2.2
各シャーレ(9.2.1)に,調製直後の最終使用培地(5.3.3)を厚さ約3 mmとなるよう直ちに注ぐ。
この培地は調製後速やかに用い,液体状では保存しない。試料を培地に接種し,水平面上にシャーレを置
いて,固化するまで放置する。
9.2.3
培地が完全に固まったら,シャーレを倒置して,35 ℃又は37 ℃(1)に設定したインキュベーター
(6.2)中で18〜24時間培養する。必要であれば,更に18〜24時間培養する。
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9.3
コロニーの測定方法 十分な培養時間の後(9.2.3参照),ブドウ球菌は黒色,灰色又は白色の小さな
コロニーを形成する。コロニーは,コアグラーゼ活性を示す析出物のハローで囲まれている。培養初期に
は,コアグラーゼ陽性ブドウ球菌によく似た外観をもつProteus属のコロニーが出現することもある。し
かし,24時間又は48時間培養後には,コロニーは,より拡散し茶色がかった外観を示すようになり,ブ
ドウ球菌と区別できるようになる。この条件に基づき各寒天平板培地の定形コロニー数を測定する。
備考 ウサギ血しょうフィブリノーゲン寒天培地は,コアグラーゼ反応が基本となっているので,コ
アグラーゼ活性を改めて確認する必要はない。
10. 結果の表示
10.1 一般例 最大で300コロニー(連続する2段階の希釈試料液で,100個の定形コロニーを含む。)が
出現している寒天平板培地を選択する。一つの寒天平板培地は少なくとも15個の定形コロニーを含んでい
なければならない。
連続する2段階の希釈試料液から,次の式を用いて試料中に存在するコアグラーゼ陽性ブドウ球菌数(N)
の加重平均を算出する。
(
)d
n
n
V
C
N
2
1
1.0
+
=
∑
ここで, ∑C: 選定した全寒天平板培地上のブドウ球菌の全定形コロニ
ー数
V: 各寒天平板培地への接種量(ml)
n1: 選定した希釈倍率の寒天平板培地数
n2: n1に続く希釈倍率の寒天平板数
d: 選定した試料希釈液(n1)の希釈率
算出結果は,四捨五入して有効数字2けたとする。
この結果を,1 ml当たり(液体製品)又は1 g当たり(液体製品以外)のコアグラーゼ陽性ブドウ球菌
数とする。菌数は,1.0〜9.9の数値に10x(xは,整数を示す。)を乗じた形で記述する。
例 製品1 mlを接種したところ,次のような結果となった。
− 選定した試料希釈率(10-2)の寒天平板培地に出現したコロニー数:
定形コロニー66個及び定形コロニー54個
− 選定した希釈率に続く希釈率(10-3)の寒天平板培地に出現したコロニー数:
定形コロニー4個及び定形コロニー7個
955
5
10
2.2
7
4
54
66
2
=
×
+
+
+
=
−
N
これを四捨五入し,6.0×103 (CFU/ml)(3)となった。
注(3)
コロニー形成単位 [Colony Forming Unit (CFU)]
10.2 菌数が少ない場合の推定法
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10.2.1 液体製品又は試料懸濁液(液体製品以外)を接種した2枚の寒天平板培地のそれぞれに出現したコ
ロニー数が15個未満である場合,次のように結果を報告する。
a) 液体製品については,1 ml当たりのコアグラーゼ陽性ブドウ球菌数を次の式によって推定する。
2
e
C
N=
ここで,
C: 選定した2枚の寒天平板培地上に出現したコアグラーゼ陽
性ブドウ球菌(9.3)の全コロニー数
b) 液体製品以外については,1 g当たりのコアグラーゼ陽性ブドウ球菌数を次の式によって推定する。
d
C
N
×
=2
e
ここで,
C: 選定した2枚の寒天平板培地上に出現したコアグラーゼ陽
性ブドウ球菌(9.3)の全コロニー数
d: 試料懸濁液の希釈率
10.2.2 液体製品又は試料懸濁液(液体製品以外)を接種した2枚の寒天平板培地のそれぞれにおいてコア
グラーゼ陽性ブドウ球菌のコロニーが認められない場合は,次のように結果を報告する。
− 1 ml当たり(液体製品)のコアグラーゼ陽性ブドウ球菌数は,1(CFU/ml)未満
− 1 g当たり(液体製品以外)のコアグラーゼ陽性ブドウ球菌数は,1 /d(CFU/ml)未満(dは試料懸濁液
の希釈率)
11. 精度 ISO 7218参照
12. 試験報告書 試験報告書には次の事項を明記する。
− 試料を完全に特定するために必要な全情報
− 採用した検体採取方法(判明している場合)
− 採用した試験方法
− 採用した培養温度
− この規格で規定していない操作又は任意の操作についての詳細及び試験結果に影響を及ぼす可能性の
ある事項についての詳細
− 得られた結果
参考文献
1) IDF 145A:1997, Milk and milk products−Enumeration of coagulase-positive staphylococci−Colony-count
technique.
2) Kloos W.E. Systematics and the natural history of staphylococci. In: Staphylococci, J. Appl. Bacteriol. Symp.
Suppl., 69, 1990, pp. 25 - 37; and Bergeyʼs Manual of Determinative Bacteriology, 9th ed., 1994.
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
3) Beckers H.L. et al., Evaluation of a pour-plate system with rabbit plasma-bovine fibrinogen agar for the
enumaration of Staphylococcus aureus in food. Can. J. Microbiol., 30, 1984, pp. 470-474.
4) Sawhney D, The toxicity of potassium tellurite to Staphylococcus aureus in rabbit plasma fibrinogen agar, J.
Applied Bacteriology, 61, 1986, pp. 149-155.
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附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表
JIS K 3703-2:2004 コアグラーゼ陽性ブドウ球菌(黄色ブドウ球菌など)の菌数測定方
法−第2部:ウサギ血しょう(漿)フィブリノーゲン寒天培地
ISO 6888-2:1999,食品及び動物用飼料の微生物試験−コアグラーゼ陽性ブ
ドウ球菌(黄色ブドウ球菌など)の菌数測定方法−第2部:ウサギ血しょうフ
ィブリノーゲン寒天培地
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ) 国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異
の項目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごとの
評価
技術的差異の内容
1.適用範
囲
1
MOD/追加
補足説明を追加。
除外規定を追加。
適用範囲の重要な補足説明のため原国
際規格の序文項目番号0.1〜0.3の記述
を適用範囲に移した。
工業標準化法の対象とならないものを
除いた。
2.引用規
格
2
MOD/追加
JISK3703-1,JISK800
8を追加。
原国際規格の序文項目番号0.2の記述
を適用範囲に移したため引用規格とし
た。
3.定義
3
MOD/追加
精製水を追加。
水の定義が記載されていないため追記
した。
4.一般原
則
4
IDT
5.希釈液
及び寒天
培地
5
MOD/追加
5.3.2.2.1表1に備考
を追加。
5.3.2.3.2調製手順を
追記した。
BSEを考慮し備考を追加した。
原国際規格に内容の記載がないため追
記した。
6.装置及
びガラス
器具
6
MOD/追加
6.1で,内容の概要を
追記。
原国際規格に内容の記載がないため追
記した。
7.試料の
採取
7
IDT
2
K
3
7
0
3
-2
:
0
0
0
0
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8.試料の
調製
8
IDT
9.実施手
順
9
IDT
10.結果
の表示
10
MOD/追加
10.1で,単位及び注
を追加した。
単位の記載がないため注と共に追記し
た。
11.精度
11
IDT
12.試験
報告書
12
IDT
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:MOD
備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― IDT……………… 技術的差異がない。
― MOD/追加……… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
2.
JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― MOD………………国際規格を修正している。
2
K
3
7
0
3
-2
:
0
0
0
0