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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K3611-1995 

生体工学用語(生体システム部門) 

Technical terms for biological engineering (biosystem)  

1. 適用範囲 この規格は,生体工学分野で用いる用語のうち,生体材料工学,生体機械工学及び生体計

測工学部門で用いる主な用語について規定する。 

2. 分類 用語の分類は,次による。 

(1) 生体材料工学 

(1.1) 素材 

(a) 天然高分子 

(b) 合成高分子 

(c) セラミックス 

(d) 金属 

(1.2) 生体との相互作用 

(a) 生体反応 

(b) 生体適合性 

(c) 生体分解吸収性 

(1.3) 評価・試験方法 

(a) 力学特性 

(b) 表面特性(表面分析) 

(c) 安全試験法 

(1.4) 滅菌 

(1.5) 応用 

(a) 診断系 

(b) 一般外科系 

(c) 歯科・口こう(腔)外科系 

(d) 整形外科系 

(e) 眼科系 

(f) 血管外科系 

(g) 胸部外科系 

(h) 形成外科系 

(i) 脳神経外科系 

(j) じん(腎)疾患系 

(k) 代謝系 

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K3611-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(l) ドラッグデリバリーシステム系 

(2) 生体機械工学 

(2.1) 運動メカニズム 

(2.2) リハビリテーション 

(2.3) ロボット 

(2.4) 感覚・その他 

(3) 生体計測工学 

(3.1) 生体電気計測 

(3.2) 生体磁気計測 

(3.3) 放射線計測 

(3.4) 磁気共鳴計測 

(3.5) 生体超音波計測 

(3.6) 生体温熱計測 

(3.7) 生体光計測 

(3.8) 生体成分計測 

(3.9) 生体画像処理 

3. 用語及び定義 用語及び定義は,次のとおりとする。 

なお,参考のために対応英語を示す。 

(1) 生体材料工学 

(1.1) 素材 

(a) 天然高分子 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

11001 

アテロコラーゲン 

抗原性をもつテロペプチドを取り除いたコラーゲンで,バ
イオマテリアルの原料。 

atelocollagen 

11002 

アルギン酸 

褐藻類から抽出される酸性多糖類で,D−マンヌロン酸及
びL−グルクロン酸のβ-1,4結合からなる直鎖状天然高分

子。 

備考 親水性ゲルとして利用される。 

alginic acid 

11003 

エラスチン 

動脈,けん(腱),皮膚などのような生体内の伸縮性に富
んだ組織に存在する架橋構造をもつたん白質。 

elastin 

11004 

グッタペルカ 

植物の分泌液であるグッタを精製して固化した天然のト
ランス−1,4−ポリイソプレン。 

備考1. 根管充てん(填)材やプラスチック副木など

に利用される。 

2. ガッタパーチャーともいう。 

gutta-percha 

11005 

寒天 

ガラクトースの1,3結合及び1,4結合(割合は9 : 1)か
らなるガラクターンを主成分とするヘミセルロースの一
種。 

備考 親水ゲルとして使用される。 

agar 

11006 

キチン 

N−アセチル−D−グルコサミンのβ-1,4結合からなる直

鎖状天然高分子。 

備考 創傷被覆などに利用される。 

chitin 

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K3611-1995  

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番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

11007 

キトサン 

キチンのN−アセチル基を加水分解した,2−アミノ−D−
グルコースの繰返し単位からなる塩基性多糖。 

備考 水不溶の親水性ゲルを作る。 

chitosan 

11008 

絹 

蚕の繭から作られる,主にフィブロインから構成される天
然繊維。 

備考 縫いやすい手術糸として利用されている。 

silk 

11009 

グリコサミノグリ
カン 

アミノ糖とウロン酸(又はガラクトース)からなる二糖の
繰返し単位で構成された複合多糖。 

備考 旧称,ムコ多糖(11025参照)。 

glycosaminoglycan 

11010 

血清アルブミン 

血しょう(漿)中に含まれる成分のうち,最も多い球状た
ん白質。 

備考 生体材料に対しては不活性。 

serum albumin 

11011 

コラーゲン 

動物の結合組織を構成する最も主要な三重ら旋たん白質
で,細胞間物質の一つ。 

備考 生体由来のバイオマテリアルとして広く用いら

れる。 

collagen 

11012 

酢酸セルロース 

セルロースのヒドロキシル基をアセチル化したセルロー
ス誘導体の一つ。 

備考 血液透析,逆浸透膜,ろ(濾)過膜などに使わ

れる。 

cellulose acetate 

11013 

生体高分子 

たん白質,核酸,多糖などの天然高分子。 

備考 遺伝,物質代謝などの生命を維持する機能をも

つ。 

biopolymer 

11014 

セルロース 

β−D−グルコースが1と4の位置で脱水縮合した多糖。 

備考 植物体の細胞壁を構成している天然高分子の一

つであり,血液透析膜として広く利用されてい
る。 

cellulose 

11015 

ゼラチン 

高等動物の全たん白質の31を占めるコラーゲンの三重ら旋

構造が壊れた変性体。 

gelatin 

11016 

生体由来材料 

生体材料のうち,動物や人の生体から得られる材料。 

tissue-derived biomaterial 

11017 

デキストラン 

グルコース残基だけからなり,α−1,6結合の主鎖に,α

−1,3などで結合した分岐をもつ高分子量の多糖。 

dextran 

11018 

天然高分子 

天然に存在する,動物と植物を構成する有機高分子。 

natural polymer, 
naturally-occurring 

polymer 

11019 

天然ゴム 

へベア樹の樹皮の切口から採取した乳白色のラテックス
を少量のぎ酸で凝固させて乾燥したシスポリイソプレン
を主体とする混合物。 

natural rubber 

11020 

でんぷん 

約20%のアミロース(α−1,4−グルコシド結合重合体)
と約80%のアミロペクチン(α−1,4−,α−1,6−グル

コシド結合重合体)の混合物。 

starch 

11021 

トロポコラーゲン 

コラーゲン繊維を構成している基本のコラーゲン分子。 

tropocollagen 

11022 

ヒアルロン酸 

β−D−N−アセチルグルコサミンの3位とβ−D−グルクロ

ン酸の4位が交互に結合してできた直鎖状の多糖。 

hyaluronic acid 

11023 

ヒドロキシエチル
デンプン 

でんぷんの酸化エチレンによる水酸基のヒドロキシエチ
ル化によって得られるでんぷん誘導体。 

hydroxyethyl starch 

11024 

ポリβ−ヒドロキシ

酪酸, 

PHB 

微生物が産生する3−ヒドロキシ酪酸重合体である生分解
性脂肪族ポリエステル。 

poly β-hydroxybutyric 

acid 

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K3611-1995  

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番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

11025 

ムコ多糖 

動物の粘性分泌物から得られるアミノ糖を含む複合多糖
の総称。 

備考 グリコサミノグリカンの旧称(11009参照)。 

mucopolysaccharide acid 

(b) 合成高分子 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

11026 

可塑剤 

高分子に添加して塑性柔軟性を与え,加工性を改良する物
質。 

備考 ポリ塩化ビニルを軟質にする2−エチルヘキシ

ンジフタレートが代表的。 

plasticizer 

11027 

共重合体 

2種類又はそれ以上の異なる単量体から構成された重合
体。 

copolymer 

11028 

合成高分子 

主鎖が主として共有結合でできている人工的に合成され
た分子量が約10 000以上の巨大分子。 

synthetic polymer 

11029 

高分子複合体 

ミクロにみて高分子を2種類以上含んでいる高分子多相系
であり,ブロック共重合体,グラフト共重合体及びポリマ
ーアロイの総称。 

polymer alloy 

11030 

シリコーン 

有機けい素,化合物シロキサンの高分子同族体。 

備考 ゲル及びエラストマーとして医療に使用され

る。 

silicone 

11031 

常温重合開始剤 

分解の活性化エネルギーが小さく,常温でラジカルイオン
などの活性種を容易に発生でき,連鎖重合を開始できる化
合物。 

room-temperature 

initiator 

11032 

水溶性高分子 

分子中に水と強く相互作用する極性基(イオン性基,ヒド
ロキシル基,アミノ基,アミド基,エーテル基など)を数
多く含み,水に溶解する高分子。 

water-soluble polymer 

11033 

多相系高分子材料 

2種類以上の高分子を混合又は結合した系において,通常
の電子顕微鏡レベルの大きさで相構造の発生が認められ
る材料。 

multi-phase polymer 

material 

11034 

炭素繊維 

単体炭素を主体とする繊維状材料。 

carbon fiber 

11035 

ポリアミド 

主鎖にアミド結合 (-CONH-) をもつ重合体の総称。 

polyamide 

11036 

軟質ポリ塩化ビニ

ル, 

可塑化ポリ塩化ビ

ニル 

ポリ塩化ビニルに可塑剤を配合し,柔軟材を付与したポリ
塩化ビニル。 

plasticized polyvinyl 

chloride 

11037 

熱可塑性エラスト

マー 

加熱すると塑性変形しやすくなり,常温付近で弾性を示す
高分子。 

thermoplastic elastomer 

11038 

ヒドロゲル 

水を分散媒とするゲル。 

備考 含水ソフトコンタクトレンズなどとして用いら

れている。 

hydrogel 

11039 

高分子複合材料 

有機又は無機金属系の粒状物,ウイスカー,繊維などの強
化材を高分子樹脂の母材で固めて複合化し,力学的・物理
的特性を向上させた材料。 

polymer composite 

11040 

ポリ(4−メチルペ

ンテン−1) 

プロピレンのダイマー,4−メチルペンテン−1−CH2=
CHCH2CH (CH3) CH3−の重合体。 

備考 透明性が高くディスポーザブル医療用具の素材

に適する。 

poly (4-methylpentene-1)  

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K3611-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

11041 

ポリウレタン 

ウレタン結合−NHCOO−を主鎖中にもつ弾性のある重合
体。 

備考 血液透析器のポッティング材及び血液接触材料

として利用される。 

polyurethane 

11042 

ポリエチレン 

エチレンの重合体− [CH2CH2] n−。 

polyethylene  

11043 

ポリエチレングリ

コール 

エチレンオキシドの繰返し構造をもつ水溶性高分子。 

備考 改質材の一種。 

polyethylene glycol 

11044 

ポリエチレンテレ

フタレート 

エチレングリコールとテレフタル酸との重縮合によって
得られる構造をもつポリエステル。 

備考 人工血液などの材料。 

polyethylene 

terephthalate 

11045 

ポリカーボネート 

ビスフェノール−Aとホスゲンの重縮合体で得られる炭酸
エステル基を主鎖にもつポリマー。 

備考 透明であり,医療用具のハウジングに多用され

ている。 

polycarbonate 

11046 

ポリグリコール酸 

グリコール酸 (HOCH2COOH) の重縮合体の構造をもつ生
体吸収性の合成脂肪族ポリエステル。 

備考 ポリグリコリド (polyglycolide) ともいう。 

polyglycolic acid 

11047 

ポリスルホン 

主鎖に−SO2−をもつ高分子の総称。 

polysulfone 

11048 

ポリテトラフルオ

ロエチレン 

テトラフルオロエチレンを重合して得られる高分子。 

備考 生体安全性と耐久性が高いのでバイオマテリア

ルとして広く利用されている。 

polytetrafluoro-ethylene 

11049 

ポリ乳酸 

乳酸 [HOCH (CH3) C00H] の重縮合体。 

備考 生体吸収性の合成脂肪族ポリエステル。 

polylactic acid 

11050 

ポリビニルアルコ

ール 

ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる親水性重合体 [−
CH2CH (OH) n] 。 

polyvinyl alcohol 

11051 

ポリメタクリル酸2

−ヒドロキシエ
チ 

メタクリル酸2−ヒドロキシエチルの重合によって得られ
る重合体。 

備考 ソフトコンタクトレンズなどに利用されている

ヒドロゲル。 

poly2-hydroxyethyl 

methacrylate 

11052 

ポリラクチド 

ポリ乳酸(11049)の項参照。 

polylactide 

11053 

ミクロ相分離構造 

分子内にミクロ的に不均質な構造をとる高分子。 

備考 微視的には,同種の成分どうしが集合して相分

離し,形成されたドメインがモザイク状に入り
組んだ構造。 

microphase-separated 

structure 

11054 

2−シアノアクリレ

ート 

2−シアノアクリル酸 [CH2=C (CN) COOH] のエステル。 

備考1. 水分で重合が常温で開始されるので生体用瞬

間接着剤として,緊急避難的に使用されるこ
とがある。 

2. α−シアノアクリレート (α-cyanoacrylate) と

もいう。 

2-cyanoacrylate 

11055 

ポリスチレン 

スチレンの重合体。 

備考 細胞培養や臨床検査にも用いられ,熱可塑性,

透明性に富むはん(汎)用プラスチック。 

polystyrene 

11056 

ポリホスファゼン 

りん原子と窒素原子が交互にりん−窒素二重結合体で結
合した無機高分子化合物の総称。一般式は− (PR2=N) n-。 

備考 生体吸収性の誘導体も合成されている。 

polyphosphazene 

11057 

ポリプロピレン 

プロピレンの重合体− [CH2CH (CH3) ] n-。 

備考 注射筒,縫合糸,膜材料などに使用される。 

polypropylene 

11058 

ポリメタクリル酸

メチル 

メタクリル酸メチルエステルの重合体。 

備考 眼科,歯科,整形外科,血液浄化に称される。 

polymethyl methacrylate 

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K3611-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(c) セラミックス 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

11059 

アルミナ 

Al2O3の化学組成をもつアルミニウム酸化物。 

備考 硬組織代替材料に使用される。 

alumina 

11060 

ウォラストナイト 

CaSiO3の化学組成をもつ三斜晶系,空間群PTのけい酸カ
ルシウム。 

備考 日本名は,けい灰石。 

wollastonite 

11061 

結晶化ガラス 

ガラスを適当な温度で再加熱してガラス中に微細な結晶
を析出させたガラスと結晶の複合体。 

glass ceramics 

11062 

コーティング材料 

生体適合性を高めるために基材の表面を被覆するために
用いる材料。 

備考 抗血栓性や骨接着性を改善する材料。 

coating material 

11063 

ジルコニア 

ジルコニウムの酸化物 (ZrO2) 。 

備考 安定化ジルコニアは高じん(靱)性をもち,従

来のセラミックスの欠点を補い,構造物に用い
られる。 

zirconia 

11064 

生体活性セラミッ

クス 

骨内に埋入するとセラミックス表面に骨の無機質と同じ
ヒドロキシアパタイトの膜を形成し,この膜を介して骨と
化学的に直接結合できるセラミックス。 

bioactive ceramics 

11065 

生体不活性セラミ

ックス 

生体内で化学的に安定で溶出物をもたないが,骨とは化学
的に結合しないセラミックス。 

bioinert ceramics 

11066 

バイオガラス 

Na2O-CaO−P2O5-CaF2-B2O3-SiO2系のガラスで,骨と直接化
学結合する組成範囲をもつガラス。 

参考 1969年に米国のL. L. Henchが開発し,命名した。 

bioglass 

11067 

バイオセラミック

ス 

(1) 人体に埋入して生体機能の回復や増強をはかるために

用いられるセラミックス。 

(2) 酵素固定化,細菌・ウィルス分離,生化学反応触媒な

どに用いられるバイオテクノロジーセラミックス。 
備考 普通は(1)の意味で用いられる。 

bioceramics 

11068 

パイロライトカー

ボン 

メタン,プロパン,ベンゼンなどの炭化水素を700〜2 000℃
で熱分解して得られる炭素材料。熱分解炭素ともいう。 

pyrolytic carbon 

11069 

ヒドロキシアパタ

イト 

Ca10 (PO4) 6 (OH) 2の化学組成をもつ結晶。 

備考1. 天然の骨や歯の無機質成分とほぼ同じ生体活

性セラミックスの一種。 

2. HAともいう。 

hydroxyapatite 

11070 

りん酸三カルシウ

ム 

Ca3 (PO4) 2の化学組成をもつりん酸カルシウム。 

備考1. 低温からβ,α,α'の三つの相があり,転移温

度はβ →

α1 120〜1 180℃,α →

α'1 470℃で

ある。 

2. TCPともいう。 

tricalcium phosphate 

(d) 金属 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

11071 

金属材料 

電気と熱をよく導き,固体状態では展性や延性に富む物
質。 

備考 主に硬組織代替材料として使用される。 

metallic material 

11072 

形状記憶合金 

温度変化によって結晶構造が双晶マルテンサイト変態を
起こすことで形状記憶効果を示す合金。 

shape-memory alloy 

11073 

骨固定材 

骨折の治療に用いる金属製の板,髄こう(腔)内に挿入す
るくぎ(釘),ロッド及びワイヤ。 

bone fixation material 

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K3611-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

11074 

Co-Cr-Mo合金 

Co-Cr-Moを主成分とする合金。 

備考 その鋳造体はバイタリウムとして知られ,耐食

性,耐摩耗性に優れた人体埋入用材料。 

Co-Cr-Mo alloy 

11075 

ステンレス鋼 

耐食性を向上させる目的で,クロム又はクロムとニッケル
を含有させた合金鋼。 

備考 人体埋入用材料などに用いられる。 

stainless steel 

11076 

多孔性金属 

骨との結合性を改善するために表面に空孔を分布させた
人体埋入用金属材料。 

porous metal 

11077 

Ti−6Al−4V合金 

表面に酸化不動態膜を形成し,耐食性,強度,生体適合性
などに優れたチタン合金。 

Ti-6Al-4V alloy 

(1.2) 生体との相互作用 

(a) 生体反応 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

12001 

アレルギー 

ある抗原に感作されている生体に,もう一度その抗原が侵
入した場合に過敏な免疫反応が起こる状態。 

allergy 

12002 

アンチトロンビン

III 

血液中に含まれているトロンビンを不活性化するたん白
質。 

antithrombin III 

12003 

異物巨細胞 

組織中に異物が介在する場合,これを囲んで異物性炎症が
起こるが,その際に異物周囲に形成されるマクロファージ
の融合した多核巨細胞。 

foreign-body giant cell 

12004 

異物反応 

液化も分解も困難な異物に対する炎症反応。 

例 周囲からの肉芽組織によって異物が被包化される

ような反応。 

foreign-body reaction 

12005 

ウロキナーゼ 

フィブリン溶解酵素の前駆酵素であるプラスミノーゲン
を活性型のプラスミンに転化する酵素。 

urokinase 

12006 

エリスロポエチン 

赤血球系細胞の産生を増加させる作用をもつ糖たん白質
性の造血促進因子。 

erythropoietin 

12007 

炎症反応 

生体組織が有害な刺激を受けた場合に,これに続いてその
局所に引き起こされる一連の間葉組織の防衛反応。 

備考 持続期間によって急性と慢性に区別される。 

inflammatory reaction 

12008 

化学走化性因子 

白血球を炎症反応局所へ走化させるための誘導因子。 

例 免疫グロブリンのFc部分の分解産物,補体のC3a

又はC5aフラグメント。 

chemotactic factor 

12009 

活性酸素 

酸素分子から生成する反応性の高い分子やイオン。 

備考 体細胞や細菌を破壊する。 
例 スーパーオキシドラジカル (・O2-) ,スーパーオ

キシド (O2-) ,一重項酸素,過酸化水素。 

active oxygen 

12010 

カプセル化 

生体内に生じた,又は外部から侵入した吸収されにくい異
物の周囲に形成された肉芽組織がはんこん(痕)化し,異
物がその硬い結合組織の被膜で包まれる生体反応。 

備考 被包化ともいう。 

encapsulation 

12011 

カリクレイン 

炎症における化学伝達因子の一つでキニン類に属し,キニ
ノーゲンに働いて,これをキニンに変えるエステラーゼ。 

kallikrein 

12012 

感染 

微生物が生体内に侵入して増殖しうる状態。 

infection 

12013 

血液凝固 

血液がゼラチン状に固まる現象。外傷による血液の流出を
防止する反応。 

blood coagulation 

12014 

血液凝固系因子 

血しょう(漿)中に主として存在し,血液凝固に必要な因
子。 

blood coagulation factor 

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K3611-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

12015 

血しょう(漿)たん

白質 

血液に含まれる水溶性たん白質。 

例 アルブミン,グロブリン,フィブリノーゲンなど。 

plasma protein 

12016 

血小板 

血液凝固に関係し,血液を構成する直径2〜4μmの無核の

細胞。 

platelet 

12017 

血小板凝集 

活性化血小板の膜糖たん白を介する凝集。 

platelet aggregation 

12018 

好中球 

末しょう(梢)血中に最も多い骨髄系細胞で,多葉の核を
もち,活発などん(貧)食殺菌作用をもつ白血球。 

neutrophil 

12019 

高分子キニノーゲ

ン 

生理活性ペプチドであるブラジキニンの前駆体で,血しょ
う(漿)中に存在するもう一種のキニノーゲン(低分子キ
ニノーゲン)とともに,血しょう(漿)や組織に存在する
カリクレインの基質として機能する分子量8〜10万の糖た
ん白質。 

macromolecular 

kininogen 

12020 

細胞外基質 

生体組織内にある細胞間を満たすコラーゲンやプロテオ
グリカンなどの総称。 

extracellular matrix 

12021 

細胞培養 

組織や器官を構成している細胞をばらばらの状態にして
行う培養。 

cell culture 

12022 

上皮細胞 

上皮組織を構成している細胞間隔の狭い細胞。 

epithelial cell 

12023 

食作用 

細胞がエンドサイトーシス(細胞膜の形態的変化による内
向きの輸送作用)によって直径約1μm以上の粒子を細胞内

に取り込む活動。 

phagocytosis 

12024 

石灰化 

血液中に溶解しているカルシウムイオンが生体内に埋入
され材料表面に沈着する現象。 

calcification 

12025 

繊維芽細胞 

動物のほとんどすべての臓器の実質細胞の間を埋める間
葉系由来のコラーゲン分泌細胞。 

fibroblast 

12026 

線溶系 

血管内に形成された血栓を溶解して除去するプラスミン
などの酵素系。 

fibrinolysis system 

12027 

創傷治癒 

外傷などによって器官や組織の表面が破壊された後,生体
反応によって元の組織に修復される現象。 

wound healing 

12028 

組織因子 

組織トロンボプラスチン,トロンボプラスチン 
(Thrombo-plastin),第III因子ともいわれている血液凝固促
進物質。 

tissue factor 

12029 

ダウングロウス 

異物を上皮組織内に,それが組織外に通じるように埋入し
た際,上皮組織が異物表面に沿って組織内部方向へ成長す
る現象。 

down-growth 

12030 

多形核白血球 

成熟した白血球では,いずれも核が分葉して多形核となる
が,その中で,特に核の形の多様性な好中球。 

polymorphonuclear 

leukocyte 

12031 

単球 

血液中を遊走する直径約10μmの大形の運動性のアメーバ

様どん(貧)食細胞。広い細胞質と多数のリソソームと特
徴のある腎臓型の核をもつマクロファージの先駆細胞。 

monocyte 

12032 

たん白質吸着 

材料が血液などの体液と接触したときに,速やかに起こる
材料に対する生体反応の第一段階。 

protein adsorption 

12033 

トランスグルタミ

ナーゼ 

ペプチド中のグルタミル残基のγ−カルボキサミド基をア

シル供与体とし,種々の1級アミノ基を受容体とするアシ
ル転移反応を触媒する,主として血しょう(漿)中に含ま
れる酵素。 

transglutaminase 

12034 

トロンビン 

フィブリノーゲンに働いてフィブリンに転化させる作用
をもつ酵素。 

thrombin 

12035 

トロンボキサンA 

血小板内で,アラキドン酸から,プロスタグランジンG,
プロスタグランジンHを経由して生合成され,血小板凝集
を起こさせる生理活性物質。 

thromboxane A 

background image

K3611-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

12036 

肉芽形成 

創傷治癒の過程における比較的未分化な,主として繊維芽
細胞と毛細血管からなる結合組織の形成。 

granulation 

12037 

ハ−ゲマン因子 

第XII因子ともいわれ,内因系の血液凝固の引き金となる
接触因子。 

Hageman factor 

12038 

白血球 

ほ(哺)乳類の血液有形成分の中の赤血球,血小板以外の
血液細胞。好中球,好酸球,好塩基球,リンパ球及び単球
からなる。 

leukocyte 

12039 

はんこん(痕)組織 組織の修復過程において,盛んに増殖しつつある若い組織

が時間とともに細胞間にコラーゲン繊維を形成した肉芽
性の結合組織。 

scar tissue 

12040 

肥厚化 

生体材料などの異物に接触した生体組織が,細胞数を増加
させて正常値よりも厚くなる現象。 

hyperplasia 

12041 

フィブリノーゲン 

血液凝固系の最終段階に位置する凝固因子。第I因子,繊
維素原ともいわれる糖たん白質。 

備考 ヒト血しょう(漿)中には,0.2〜0.3g/dl程度含

まれる。 

fibrinogen 

12042 

フィブリン 

血液凝固に関与する三次元たん白質の一種で,繊維素とも
いう。フィブリノーゲンがトロンビンの作用を受けて,フ
ィブリノペプチドAとBを脱離した残余のたん白質(単量
体)を構成単位とする重合体。 

fibrin 

12043 

フィブロネクチン 

動物の細胞表面,結合組織,血液中などに存在し,サブユ
ニットの分子量が約25万の細胞接着性糖たん白質。 

fibronectin 

12044 

プラスミノーゲン

アクチベーター 

不活性のプラスミノーゲンを活性化させてプラスミンに
変える作用をもつ線溶系酵素の一種。 

plasminogen activator 

12045 

プラスミン 

血しょう(漿)中に存在するフィブリンの分解酵素。 

備考 フィブリノリジン,血清トリプターゼともいう。 

plasmin 

12046 

プロスタグランジ

ン 

アラキドン酸などのエイコサポリエン酸から生体内で生
合成される,血栓生成やその防止にも関与する生理活性物
質。 

prostaglandin 

12047 

プロスタサイクリ

ン 

プロスタグランジンI2ともいわれ,アラキドン酸から細胞
内で生合成される,強い抗血小板凝集活性を示すプロスタ
グランジン。 

prostacyclin 

12048 

プロテインC 

ビタミンKに結合した糖たん白質で,肝臓で合成され,血
液中に存在する血液凝固阻止因子。 

protein C 

12049 

平滑筋細胞 

平滑筋を作っている紡錘形の細胞。 

備考 血管壁中にも存在し,また,人工血管の内膜肥

厚にも関与している。 

smooth muscle cell 

12050 

ヘモグロビン 

すべての血液に含まれる酸素の運搬用のグロビンとヘム
からなる色素たん白質。 

hemoglobin 

12051 

補体 

血液中に存在し,易熱変性で免疫複合体に非特異的に反応
する12種類の血清たん白質の総称。 

備考 血液に接触する生体材料によっても活性化され

る。 

complement 

12052 

骨形成たん白質 

未分化間葉系細胞を軟骨細胞へ誘導し,骨組織を形成する
活性をもつたん白質。 

備考 BMPともいう。 

bone morphogenetic 

protein 

12053 

マクロファージ 

酵素を多量にもち,異物をどん(貧)食する生体防衛機能
をもつ,直径15〜20μmの単核細胞。 

備考1. 偽足を出して運動する。 

2. 大食細胞ともいう。 

macrophage 

background image

10 

K3611-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

12054 

免疫調節剤 

動物の免疫応答能力を調節する細胞や植物由来の免疫細
胞系活性化物質とか白血球を刺激するインターロイキン
や合成薬剤などの総称。 

備考 免疫賦活剤ともいう。 

immunomodulator 

12055 

レセプター 

細胞に存在し,外からの刺激を認識して,伝達するたん白
質。糖鎖を含んだり,糖脂質の場合もある。 

備考 受容体ともいう。 

receptor 

(b) 生体適合性 

番号 

用語 

定義 

対応英語 (参考) 

12056 

医療材料 

医療目的に使用される天然及び人工材料の総称。 

biomedical material 

12057 

界面的適合性 

生体と材料とが接触したときに生じる界面に関連した生
体適合性。 

interfacial 

biocompatibility 

12058 

グラフト重合 

重合を開始する活性点を高分子Aに作り,そこからAとは
異なる高分子Bに成長していくような単量体の重合。 

graft polymerization 

12059 

抗血栓性 

血液と接触した生体材料表面上に血栓が全く生成しない
という性質。 

antithrombogenicity 

12060 

歯質接着性 

人工材料と歯質とが強く,分子レベルの接着によって接合
する性質。 

teeth bondability 

12061 

人工臓器 

人の臓器を代替する人工物。 

artificial organ 

12062 

人工組織 

生体組織の人工的代替物。 

artificial tissue 

12063 

臓器移植 

同じ個体又は他の個体からとられた臓器の人への移植。 

organ transplantation 

12064 

生体材料 

生きた生体組織に直接的に接触して利用される医用材料。 biomaterial 

12065 

生体適合性, 
生体親和性 

長期間にわたって生体に悪影響も強い刺激も与えず,本来
の機能を果たしながら生体と共存できる材料の属性。 

biocompatibility 

12066 

生体反応 

外来刺激に対して生物が応答する現象。どう(瞳)孔反射,
脈拍,心音など生きていることを示す生体の反応をいう場
合もある。 

biological reaction 

12067 

組織接着性 

生体材料が生体組織とミクロ的にも強く接合する性質。 

備考 硬組織接着性と軟組織接着性とがある。 

tissue bondability 

12068 

軟組織接着性 

筋肉,皮膚,血管などの軟組織に対する接着性。生体の異
物認識能への対策,コンプライアンスとの整合性など難し
い問題を含む。 

adhesive to soft tissue 

12069 

非異物性表面 

生体組織に接触したときに異物反応を非常に引き起こし
にくい材料表面。 

mininum foreign surface 

12070 

非刺激性表面 

生体を物理的にも化学的にも強く刺激しないような材料
表面。 

non-stimulative surface 

12071 

不織布 

織布を構成する繊維を接着剤でお互いを固着させた織布。 non-woven fabric 

12072 

表面修飾 

生体材料に限らず,材料表面をその使用目的によってよく
合致するように改良する方法。 

surface modification 

12073 

骨結合性材料 

骨伝導性をもつか,又は骨を積極的に誘導することが可能
な生体適合性材料。 

osteoconnective material 

12074 

骨組織接着性 

人工関節や人工骨などの材料が生体の骨組織と強く接合
する性質。 

bone bondability 

12075 

力学的適合性 

特に大きな荷重のかかる部位に使用される生体材料に要
求される生体適合性の一種。 

備考 機械的適合性ともいう。 

mechanical 

biocompatibility 

background image

11 

K3611-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(c) 生体分解吸収性 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

12076 

生体吸収性高分子 

生体内に高分子材料を埋植したときに,生体環境下で分解
され,終末産物が生体の代謝系に組み込まれる可能性のあ
る高分子材料。 

bioabsorbable polymer 

12077 

吸収性縫合糸, 
生体吸収性縫合糸 

生体内で酵素的,又は非酵素的に加水分解を受けて分解吸
収される手術用縫合糸。 

bioabsorbable suture 

12078 

生体吸収性外科用

材料 

生体器官の多くは自己修復能力を有するため,生体組織の
損傷が回復するまでの一定期間の手助けだけで,組織の治
癒後は速やかに吸収される外科用材料。 

bioabsorbable surgical 
 material 

12079 

生分解性 

生体や微生物のもつ生理活性物質によって初めて材料が
加水分解される性質。 

biodegradable 

12080 

生分解性高分子 

自然界の土壌中や海水中に生存する微生物や生体酵素に
よって比較的容易に分解され,その分解生成物が生体系に
無害である高分子材料。 

biodegradable polymer 

(1.3) 評価・試験方法 

(a) 力学特性 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

13001 

応力集中 

材料中のき裂などの欠陥部分や断面が急激に変化する箇
所に周辺部に比べ非常に大きな応力が生じる現象。 

stress concentration 

13002 

硬さ 

2種の物質による相互の塑性変形に対する抵抗を主とする
種々の機械的性質を含んだ材料の強さを便宜的に表す物
理量。 

hardness 

13003 

ぜい(脆)性 

材料が破壊するとき,破壊に至るまでに生じる塑性流動が
小さい性質。 

brittleness 

13004 

切欠き効果 

物体の表面に切欠きがあるとき,外力を受けた際に,その
部分に応力集中が起こり,容易に破壊すること。 

notch effect 

13005 

クリープ 

物体に外力を加えて一定の応力に保持するとき,ひずみが
時間とともに増加していく現象。 

creep 

13006 

クリープコンプラ

イアンス 

クリープにおいて,一定の応力σ0を加えてから経過した時
をt,そのときのひずみをε (t) とし,ε (t) =J (t) σ0とおい

た場合のJ (t) 。 

creep compliance 

13007 

クリープ破断 

一定の応力の作用下で生じる低速度の変形過程中で発生
する破壊。 

creep rupture 

13008 

グリフィスの条件 

弾性体内のき裂の伝ぱ(播)に関する条件。 

備考 物体の自由エネルギーの減少によって起こる。

物体の弾性率をE,表面エネルギーをγs,き裂長
さをcとするとき,グリフィスの破壊条件は,

c

Es

F

π

γ

σ

/

2

=

で与えられる。 

Griffith's fracture 

criterion 

13009 

コンプライアンス 

弾性率の逆数。 

compliance 

13010 

シミュレーター試

験 

用具を実際の使用状態にできるだけ近い条件で行う実働
負荷試験 

例 人工関節などの試験。 

simulator test 

13011 

衝撃荷重 

落下,衝突などに際して,物体に急激に加えられる荷重。 impact load 

13012 

じん(靱)性 

応力−ひずみ曲線において破壊に至るまでに外力のなす
仕事。 

toughness 

13013 

せん断弾性率 

物体にせん断応力σが作用して,単純せん断γを生じるとき
のσ/γ。 

shear modulus 

13014 

せん断破壊 

破壊面に平行に原子結合が切れるとき,すなわち,せん断
によって起こる破壊。 

shear fracture 

background image

12 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

13015 

組織結合強度 

生体組織中に埋入された医用材料と母地としての組織と
の結合の強さ。 

tissue binding strength 

13016 

耐衝撃性 

衝撃的な荷重が作用した場合,それを吸収分散させ,破壊
を防止する材料の特性。 

impact load carrying 

capacity 

13017 

耐食性 

生体内環境下で腐食しにくい性質。 

corrosion resistance 

13018 

耐疲労性 

繰返し荷重が材料に作用すると,静的強度によって低い応
力で材料が破壊する。このような現象が起こりにくい特
性。 

fatigue resistance 

13019 

耐腐食疲労性 

腐食と疲労の相乗効果に耐える性質。 

corrosion fatigue 

resistance 

13020 

耐摩耗性 

ある材料が他の材料と接触してこすられるときの摩擦に
よって損耗しにくい特性。 

wear resistance 

13021 

弾性 

物体に外力を加えたとき,外力の強さに比例して変形が生
じ,外力を除去すると元の状態に復帰する性質。 

elasticity 

13022 

弾性限度 

応力がある限界値を超えると,外力を除いてもひずみの一
部は残留して永久ひずみとなるが,このときの限界応力。 

elastic limit 

13023 

緩和 

物体に外力を加え,ある変形状態に保持するとき,物体内
の反力が時間とともに減衰する性質。 

relaxation 

13024 

緩和弾性率 

粘弾性体に時刻t=0で一定のひずみγ0を与えて応力緩和を
測定するとき,時刻tにおける応力σ (t) とγ0の比σ (t) /γ0。 

relaxation modulus 

13025 

遅延弾性 

ある種の弾性体に一定の応力を加えても,ひずみが時間と
ともに増加し,また,除荷した場合にひずみが回復するの
に時間を要するような弾性。 

delayed elasticity 

13026 

破壊じん(靱)性 

固体中をき裂が伝ぱ(播)しにくい性質。 

備考 き裂先端で消費されるエネルギーが大きく,き

裂先端の局部変形(塑性変形)能力の高い材料
は破壊じん(靱)性が高い。 

fracture toughness 

13027 

表面粗さ 

材料の表面が滑らかにできている程度を表す表示方法。 

surface roughness 

13028 

疲労 

材料に応力を繰り返して多数回作用させたときに,小さな
応力で起こる破損過程。 

fatigue 

13029 

疲労限 

ある限界値以下の応力を無限回繰り返し加えても破壊が
起こらないときの限界値。 

fatigue limit 

13030 

摩擦係数 

二物体が滑り運動するとき,接触面の摩擦力と面に直角に
作用する圧力の比。 

coefficient of friction 

13031 

劣化 

材料が熱,光その他の環境からの作用によって物理化学的
変化を起こし,構造的性質が低下する現象。 

degradation 

(b) 表面特性(表面分析) 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

13032 

ATR-IR 

材料表面の定性分析に用いられる赤外反射スペクトルの
一種。 

attenuated total reflection 

infrared spectroscopy 

13033 

X線光電子分光法 

試料に単色X線束を照射し,そのときに放出される光電子
の運動エネルギーを測定することによって,表面を構成す
る原子や分子の種類を決定する,表面分析のための電子分
光法。 

X-ray photoelectron 
 spectroscopy 

13034 

X線マイクロアナ

ライザー 

細く絞った電子線を固体試料に照射し,試料から発生する
特性X線の波長と強度を検出することによって,元素の種
類,分布及び量を決定する分析法。 

X-ray micro analyzer 

13035 

走査型電子顕微鏡 

電子線を走査させ,2次電子像又は反射電子像を観察する
装置。 

scanning electron 

microscope 

background image

13 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(c) 安全試験法 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

13036 

亜急性毒性試験 

検体を一定期間連続して投与する試験のうち,短期の毒性
を評価する試験。 

subacute toxicity test 

13037 

安全性試験 

医療用具が使用された場合に,被使用者に対して健康を脅
かす可能性の有無を評価する試験。 

safety test 

13038 

埋込み試験 

材料を筋肉内に移植した際の短期の組織毒性の試験。 

implantation test 

13039 

急性毒性試験 

生体に与えられた検体が短期間の毒性を評価する試験。 

acute toxicity test 

13040 

吸着材 

ガスや液体分子を取り込む材料。 

備考 血液中の毒性物質を治療のために吸着除去する

ときに使う。 

adsorbent 

13041 

抗原性 

抗原抗体反応などの免疫応答を誘起する性質。 

antigenicity 

13042 

発がん性試験 

生物に悪性しゅよう(腫瘍)を作る能力を調べる試験。 

carcinogenicity test 

13043 

発熱物質試験 

静脈内に投与された際に発熱性物質の存在を検査する試
験。 

例 医療品の不純物質や医療用具の汚染物質の試験。 

pyrogen test 

13044 

皮下反応 

溶出液を皮下注射すると,細胞毒性を示す物質が一定濃度
以上含まれていると,その箇所に浮しゅ(腫)や紅はん(斑)
などの組織変化が現れる現象。 

subcutaneous reaction 

13045 

皮膚試験 

皮膚に接触させて使用する医療用具に対して皮膚での接
触感作性を評価する試験。 

skin test 

13046 

無菌試験 

生きた細菌や真菌の有無を培養法によって検索する試験。 sterility test 

13047 

変異原性 

自然突然変異が起こる確率よりもこれを高める効力をも
つ物理的,化学的性質。 

備考 発がん(癌)性と関係がある。 

mutagenicity 

13048 

溶血性試験 

材料又は材料溶出液とうさぎの脱線維素血とを接触させ
たとき,赤血球に損傷を与え,ヘモグロビンが溶液中に遊
離してくるか否かの試験。 

hemolysis test 

13049 

溶出物試験 

材料,器具類から溶け出す物質の種類,量やその速度を調
べる試験。医療用具及びその素材の安全性を調べる基本的
試験。 

extraction test 

(1.4) 滅菌 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

14001 

エチレンオキシド 

化学式C2H4Oで表される三員環のエーテルで,常温で無色
可燃性ガス(沸点10.7℃)。 

備考 水,アルコール,エーテルに溶け,眼や粘膜に

対して強い刺激性があり,滅菌試薬に使われる。 

ethylene oxide 

14002 

エチレンオキシド

滅菌 

エチレンオキシドガスを用いる滅菌。 

ethylene oxide 

sterilization 

14003 

高圧蒸気滅菌 

水蒸気の圧力,熱,湿度を利用して滅菌する方法。 

high pressure steam 

sterilization 
(autoclaved 
sterilization)  

14004 

放射線滅菌 

γ線,電子線などの電離性放射線を用いる滅菌。 

radiation sterilization 

(1.5) 応用 

(a) 診断系 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

15001 

固定化酵素 

担体に結合,包括,又は架橋法で固定化され,安定性を増
した連続反復使用可能な酵素。 

immobilized enzyme 

background image

14 

K3611-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

15002 

バイオリアクター 

酵素,菌体,細胞,オルガネラなどの生体触媒による生化
学的反応を利用して,有用物質の生産,エネルギーの発生,
環境汚染物質の分解などに応用する反応器。 

bioreactor 

15003 

酵素電極 

反応素子としての酵素を適当な高分子膜中に包括固定化
し,これを隔膜電極上に装着させて得られる膜センサー用
電極。 

enzymatic electrode 

15004 

酵素免疫測定法 

抗原抗体反応を利用して,抗原又は抗体固定化膜と電気化
学デバイスとの組合せからなる免疫センサーに酵素免疫
分析法の原理を導入し,微量の抗体又は抗原,ホルモン,
薬物などを計測するシステム。 

enzymatic immunoassay 

15005 

除たん白剤 

天然物試料の特定成分の定性又は定量分析を行う際に混
在するたん白質をあらかじめ除去しておくために用いる
薬品。 

deproteinizing agent 

15006 

診断用ラテックス 

免疫学的凝集検査法によって,血清,血しょう(漿),尿
などの体液又は細胞の診断に使用される普通1μm以下の

微粉子。 

latex for diagnosis 

15007 

バイオセンサー 

触媒機能や分子識別機能をもつ酵素,たん白質,オルガネ
ラ,微生物及び細胞組織を反応素子とするバイオリアクタ
ーと物理学的デバイスとを組み合わせ,最終的に電気信号
に変換して特定の化学物質を選択的に計測する装置。 

biosensor 

(b) 一般外科系 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

15008 

カットグット 

羊,牛,馬,豚などの小腸粘膜の外層を縦に裂いた切片を
加工した吸収性縫合糸。腸線ともいう。 

catgut 

15009 

カテーテル 

体こう(腔),又は空洞性臓器へ挿入するための柔軟性が
ある有孔管。 

catheter (tube, cannule)  

15010 

完全置換型人工臓

器 

大きさ,形状,存在する位置などを問わず,荒廃又は切除
された臓器の機能を完全に代行する人工的装置。 

total replacement 
 artificial organ 

15011 

経皮デバイス 

人体を切開することなく,皮膚を通して治療又は診断を行
う器具。 

percutaneous device 

15012 

外科用接着剤 

外科領域において生体軟組織の接合に使用される接着剤。 surgical adhesive 

15013 

(体外循環)血液回

路 

人工心肺,人工腎臓などを通る体外血液循環に用いるプラ
スチックチューブからなる回路。 

 (extracorporeal) circuit 

15014 

血液バッグ 

輸血用血液の採取・分画・保存に用いられる可とう性のプ
ラスチック製で袋状の容器。 

blood bag 

15015 

血管カテーテル 

血管造影,血管内圧測定,モニター,投薬などの目的で血
管内に挿入されるカテーテル。 

vessel catheter 

15016 

抗血液凝固剤 

血液凝固を阻止する作用をもつ薬剤の総称。 

備考 血栓・閉そく(塞)症の予防又は血栓・閉そく

(塞)の成長の阻止を目的として使用される。
ヘパリンがその代表格。 

anticoagulant agent 

15017 

止血材 

創面に直接付着させて物理的ないしは化学的に血液凝固
を助け,出血を止める材料。 

備考 一定時間後,体内で溶け,吸収されるスポンジ

又はガーゼ状のものが多い。 

hemostatic material 

15018 

手術用材料 

外科手術に用いられる材料。 

material for surgical 

operation 

background image

15 

K3611-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

15019 

自動縫合用材料 

手縫いではなく,自動的に縫合する器具に用いられる材
料。 

例 金属製と吸収性の材料がある。 

autosuturing material 

15020 

注射器 

注射針とこれに連続して薬液を入れる容器と注射筒とか
ら成る,体内に薬液を注入する器具。 

injector; syringe 

15021 

中心静脈圧モニタ

ーカテーテル 

中心静脈圧を測定するために大静脈中に挿入されるカテ
ーテル。 

central venous pressure 

monitor catheter 

15022 

中心静脈栄養カテ

ーテル 

高カロリー輸液に用いられる中心静脈用カテーテル。 

intravenous 

hyperalimentation 
(IVH) catheter 

15023 

ディスポーザブル

医療製品用具 

疾病の診断,治療又は予防に使用され,1回の使用だけで
捨てられる滅菌済み製品。 

disposable medical 

product 

15024 

フィブリンのり

(糊) 

手術や外傷によって生じた損傷組織を接合する際に使用
され,フィブリン塊の生成によって創傷部を接着する生体
用の創縁接着剤。 

fibrin adhesive (s)  

15025 

ヘパリン 

D−グルコサミン,D−グルクロン酸,L−イズロン酸などか
らなる抗血液凝固作用と脂血清澄作用をもつアニオン性
多糖。 

heparin 

15026 

神経誘導チャンネ

ル 

断絶した神経末端が他の神経末端に向かって成長しやす
いように誘導する管状材料。 

nerve guide channel 

15027 

縫合糸 

傷口や外科の切開部を閉じるために用いる動植物由来又
は合成の線維から作られた細い糸。 

suture ; thread 

15028 

滅菌 

病原菌,非病原菌を問わず,すべての種類の微生物を殺滅
し微生物が全く存在しない状態を得るための方法。 

sterilization 

15029 

輸液セット 

輸液剤を輸液容器から静脈内に注入(点滴)する際に用い
る器具。 

infusion set 

15030 

輸液バッグ 

輸液として用いられる注射剤に使用する,内容500ml以上
の軟質のプラスチック製容器。 

infusion solution bag 

15031 

癒着防止材 

接着防止剤や抗凝固剤を使用せずにそれ自体で生体内の
組織間に癒着を生じさせない材料。 

antiadhesive material 

(non-adhesive)  

15032 

血液フィルター 

血液浄化,輸血又は血液製剤調製に際し,血液中に存在す
る白血球や凝集塊を除去する目的で用いられるフィルタ
ー。 

blood filter 

15033 

血液ポンプ 

血液を変性,破壊及び汚染させることなく,かん(灌)流
させる能力をもつポンプ。 

blood pump 

15034 

血球分離 

全血からある血球成分を分離除去し,他の血球成分及び血
しょう(漿)を体内に返却すること。 

cytapheresis 

15035 

ネラトンカテーテ

ル 

胸こう(腔),腹こう(腔)などの排液の誘導や導尿に用い
られる軟質ゴム製カテーテル。 

Nélaton's catheter 

15036 

ハイブリッド型人

工臓器 

物質産生能のように人工材料だけでは構築が難しい機能
については生体の要素を活用して作り上げた人工臓器。 

hybrid artificial organs 

(c) 歯科・口こう(腔)外科系 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

15037 

印象材 

歯又は口こう(腔)内組織の複雑な形状を正確に写し取り,
また模型材を注入してその鋳型の役割をつとめる材料。 

impression metarial 

15038 

インレー 

歯に形成された,か(窩)洞の印象を採取し,口外でその
か(窩)洞に適合するような形態に調製された歯冠修復に
用いられる固型材料。 

inlay 

background image

16 

K3611-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

15039 

裏装(層)材 

歯髄保護の目的でか(窩)洞底部に塗布,てんそく(填塞)
し,薄膜層を作ることによって充てん (填) 物からの刺激
を遮断するための材料。 

lining material, base 

material 

15040 

エナメル質 

歯冠象牙質を覆う外はい(胚)葉由来の,人体で最も硬い
組織。 

備考 モース硬度計では6〜7度。無色半透明であるが

表面からみた色調は深層の象牙質の色を反映し
てやや淡黄色。細胞成分を含まず,ごく少量の
有機質を含むが,ほとんどはヒドロキシアパタ
イトの結晶。 

enamel 

15041 

がく(顎)顔面補て

つ(綴)材 

しゅよう(腫瘍),外傷,炎症,先天奇形などが原因で,顔
面又はがく(顎)骨とその周囲組織に生じた欠損部を非観
血的に,又は手術との併用によって失われた機能と形態の
回復を図るために利用する材料。 

maxillofacial prosthetic 
 material 

15042 

義歯床 

有床義歯の体部及び基底部として,人工歯を担い,かつ,
基底面で義歯の支持基盤である口こう(腔)粘膜と密接し
て,義歯を口こう(腔)内に維持させる構成部分。 

denture base 

15043 

クラウン 

充てん (填) 以外の歯冠修復物の総称。 

crown 

15044 

グラスアイオノマ

ーセメント 

アルミノシリケートガラスとポリアクリル酸の反応によ
って硬化する歯科用セメント。 

glass ionomer cement 

15045 

歯科充てん (填) 材 う食り(罹)患歯の機能を回復させるために,病巣を削去

して生じたか(窩)洞に詰める硬化可能な治療用材料。 

dental filling material 

15046 

歯科用アマルガム 

歯科では充てん (填) 材として使用する水銀を含む合金の
総称。 

dental amalgam 

15047 

歯科用コンポジッ

トレジン 

多官能メタクリレート,フィラー,常温で重合開始可能な
触媒系を含む,むし歯治療用の形成充てん (填) 材料。 

dental composite resin 

(resin composite)  

15048 

歯科材料 

歯科治療において使用される材料。 

dental meterial 

15049 

歯科用セメント 

修復物や矯正装置を合着する歯科で使用されるセメント
類の総称。 

dental cement 

15050 

歯科用ワックス 

脂肪酸と1価のアルコールのエステルのうち,常温で固形
状のもの。 

備考 歯科ではパラフィン,脂肪,天然樹脂などのう

ち,常温でワックスのようなものも含める。 

dental wax 

15051 

人工歯 

歯の欠損部や崩壊した歯冠部を補い,その形態と機能を回
復するための材料。 

artificial tooth 

15052 

人工歯根 

永久歯が欠損した場合,がく(顎)骨内に人工物を埋植し,
その上部にクラウンや義歯を装着する支台歯を再建する
ために利用する人工物。 

dental implant 

15053 

歯周病用材料 

歯周病を治療するために用いる人工材料。歯周の炎症を抑
える薬物の徐放化や歯そう骨の再生を助けるために用い
られる。 

biomaterial for 

periodontic diseases 

15054 

人工がく(顎) 

がく(顎)骨に大きな欠損が生じたときに,審美性と機能
性再建のために人工的に構築されたがく(顎)。 

artificial jaw 

15055 

ブリッジ 

少数歯欠損の場合,複数歯を支台歯として連結補てつ(綴)
し,機能と外観を回復させるために使用する補てつ(綴)
物。架橋義歯ともいう。 

bridge 

background image

17 

K3611-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

15056 

埋没材 

ロストワックス法で金属製補てつ(綴)物を製作する過程
で使う副資材。 

備考 鋳造用埋没材と,金属製補てつ(綴)物をろう

(鑞)着するためのろう(鑞)付用埋没材の2
種類があり,耐熱性が特長。 

investment 

(d) 整形外科系 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

15057 

仮骨 

骨折部位やけん(腱)の裂断箇所が治癒する過程で形成さ
れる組織。 

callus 

15058 

人工足関節 

足首の距たい(腿)関節を中心とする足関節の機能を代替
する人工関節。 

artificial ankle joint 

15059 

人工きゅうがい(臼

蓋) 

こ(股)関節の球状の大腿骨頭を入れる半球カップ状の骨
盤側きゅうがい(臼蓋)をポリエチレンソケットなどの人
工物で置換したもの。 

artificial acetabular cup 

15060 

人工肩関節 

上腕骨,肩こう(胛)骨,鎖骨の三つの骨端部からなる肩
関節の機能を代替する非荷重人工関節。 

artificial shoulder joint 

15061 

人工関節 

金属,セラミックス,プラスチックなどの人工材料を組み
合わせ,生体関節の機能と構造の一部又は全部を代替する
体内埋込み器具。 

artificial joint 

15062 

人工関節軟骨 

関節軟骨の潤滑性,耐摩耗性,衝撃吸収性及び耐疲労性を
満たす人工組織。 

artificial articular 

cartilage 

15063 

人工筋肉 

動物の駆動源を模擬する人工アクチュエーター。 

artificial muscle 

15064 

人工筋膜 

筋肉の外周を包んでいるたん白質の膜を代替する合成高
分子。 

artificial fascia 

15065 

人工けん(腱) 

筋力を骨に伝達するそのけん(腱)の機能を代替する材料。 artificial tendon 

15066 

人工こ(股)関節 

ボールとソケットからなる人工球関節。 

artificial hip joint 

15067 

人工骨 

骨の有する機能の中で主として荷重支持,荷重伝達,形状
保持機能の代替をする材料。 

artificial bone 

15068 

人工骨頭 

こ(股)関節の大たい(腿)骨側球状体の代替をする人工
材料。 

artificial femoral head 

15069 

人工じん(靱)帯 

関節部の骨と骨を結合する組織であるじん(靱)帯の機能
を代替する材料。 

artificial ligament 

15070 

人工手・手指関節 

指関節(丁番),母指手根中手関節くら(鞍),だう(橈)
骨手根間接[か(顆)状]などの手,手指関節の機能を代
替する人工関節。 

artificial hand and wrist 

joint 

15071 

人工ひざ(膝)関節 ヒト関節中最大で運動自由度の大きいひざ(膝)関節を代

替する人工関節。 

artificial knee joint 

15072 

人工ちゅう(肘)関

節 

上腕骨と尺骨をつなぐ腕尺関節の機能を代替する人工関
節。 

artificial elbow joint 

15073 

髄内くぎ(釘) 

骨折部を髄内で固定するくぎ(釘)。 

bone nail 

15074 

頭がい(蓋)骨形成

術 

先天性又は外傷若しくは開頭術後の頭がい(蓋)骨欠損を
修復する術式。 

cranioplasty 

15075 

整形外科用材料 

整形外科領域で主として運動器の機能代替を行う人工材
料。 

備考 各種人工骨・関節,内固定器具,人工けん(腱),

人工じん(靱)帯などに用いられる。 

biomaterial for 
 orthopedic surgery 

15076 

セメントレス固定 

骨組織と接触する材料を多孔質化し,ヒドロキシアパタイ
トなどのセラミックコーティングを併用してセメントを
使用せずに骨の再生によって人工関節を固定する方法。 

sementless fixation 

background image

18 

K3611-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

15077 

骨吸収 

骨組織の再生を促進するために破骨細胞によって行われ
る骨の吸収現象。 

bone resorption 

15078 

骨形成 

吸収された骨を骨芽細胞の働きによって再生し,骨内部組
織を構築する現象。 

bone formation 

15079 

骨接合材料 

骨折箇所を接合するための人工材料。ワイヤ,板,髄内く
ぎ(釘)などの内固定器具のほかに骨形成を助長する各種
セラミックスや骨セメントも含まれる。 

bone connecting material 

15080 

骨セメント 

人工関節を骨に固定するために用いる泥水物様物質の重
合によって人工関節と骨を固定する材料。 

備考 主成分はメチルメタクリレートとポリメチルメ

タクリレート。 

bone cement 

15081 

骨プレート 

内副子の一種で,骨折部を固定し,治癒するための金属製
板状器具。 

bone plate 

15082 

ルースニング 

人工関節コンポーネントと骨の界面に緩みが生じ,使用に
耐えなくなる状態。 

備考 骨セメントを使用した場合,その疲労破壊によ

って接着性を失うことに起因する場合が多い。 

loosening 

(e) 眼科系 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

15083 

コンタクトレンズ 

視力矯正を目的として角膜前面に接するように装着する
透明レンズ。 

備考 ソフトタイプとハードタイプとがある。 

contact lens 

15084 

人工角膜 

損傷した角膜の人工的代替物。 

備考 角膜の表層部又は全層を置換したり,角膜実質

に埋め込んで使用する。 

artificial cornea 

15085 

人工硝子体 

切除した硝子体の代わりに眼球の形状を保持する目的と
網膜を押しつけて網膜はく(剥)離の治療目的に用いられ
る材料。 

synthetic vitreous 

15086 

眼内レンズ, 
人工水晶体 

混濁した水晶体を摘出した後,屈折異常を矯正するために
眼内に挿入する材料。人工水晶体ともいう。 

intraocular lens 

15087 

ソフトコンタクト

レンズ 

ヒドロゲル又は弾性材料を用いたコンタクトレンズ。 

soft contact lens 

15088 

ハードコンタクト

レンズ 

ポリメタクリル酸メチルに代表される透明な硬質材料で
作られたコンタクトレンズ。 

hard contact lens 

15089 

網膜はく(剥)離用

バックリング材 

網膜はく(剥)離の治療を目的に網膜を強膜に固定したり,
網膜の開孔部を閉鎖する材料。 

scleral buckling material 

15090 

連続装用コンタク

トレンズ 

閉どう(瞳)時(就寝時)に酸素を十分角膜に供給できる,
酸素透過性に富むコンタクトレンズ。 

contact lens for 

continuous use 

(f) 血管外科系 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

15091 

仮性内膜 

生体内に移植された人工血管において,これを核として内
外面に覆う器質化した結合組織。 

pseudointima 

15092 

経皮的冠動脈形成

術, 

PTCA 

先端にバルーンの付いた特殊なカテーテルを経皮的に末
しょう(梢)動脈から冠動脈の狭さく(窄)部に挿入し,
バルーンを膨らませることによって狭さく(窄)部位を拡
張する方法。 

percutaneous transluminal 

coronary angioplasty 

15093 

血管内皮細胞 

血管の内壁を一層に覆う上皮様細胞。 

vascular endothelical cell 

15094 

成分輸血療法 

当該患者が必要とする成分だけを輸血する療法。 

component transfusion 

background image

19 

K3611-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

15095 

人工血しょう(漿), 
血しょう(漿)増量

剤 

体液とほぼ等しい浸透圧をもち,静注可能な人工コロイド
液。 

plasma expander 

15096 

血栓形成 

正常な血管内皮細胞以外の人工物などに接触したときに,
引き起こされる血小板,凝固因子,補体などの活性化に続
いて起こる血液成分の凝集現象。 

thrombus formation 

15097 

酸素運搬体 

酸素分圧の変化で酸素を結合(又は溶解)したり,放出し
たりする機能をもつ物質。 

oxygen carrier 

15098 

人工血液 

人工赤血球,酸素運搬体,血しょう(漿)増量剤など数多
くある血液の機能を代替する物質。 

artificial blood 

15099 

人工赤血球 

天然の血液のもつ機能のうち,主として酸素運搬機能を代
行する人工物。 

artificial red blood cell 

15100 

大動脈内バルーン

パンピング 

補助循環法の一つ。バルーン(風船)付きカテーテルを,
その先端が鎖骨下動脈分岐部直下に位置するように固定
し,駆動装置によって心臓の拡張,収縮に同期させてバル
ーンの膨張,収縮を繰り返して行い,心不全患者などの弱
った心機能の回復を促す治療法。 

intraaortic balloon 

pumping 

15101 

人工血管, 
代用血管 

血行再建を目的とし,血管疾患部の修復に使用される血管
修復用補てつ(綴)材料。合成高分子材料の人工血管,動
物由来のxenograft,自家動・静脈を含めることがある。 

artificial vessel, vascular 

graft 

15102 

微小口径人工血管 

内径が約3mm以下の小口径血管を再建するための人工材
料。 

small-caliber vascular 

graft 

15103 

機械弁 

主として機能不全の心臓弁を置換することを目的とする
人工の逆止弁であって,構成基材が非生体由来の素材によ
る弁。 

mechanical valve 

15104 

人工心臓 

心臓のポンプ機能を代替する生体埋込み又は装着型の器
械。 

備考 完全置換型と補助人工心臓とがある。 

artificial heart 

15105 

人工心肺 

心疾患などにおいて心臓を停止させて外科的治療を行う
場合に用いる呼吸循環代行システム。 

備考 心臓のポンプ機能を代行するポンプと肺のガス

交換機能を代行する人工肺からなる。 

artificial heart-lung 

machine 

15106 

人工弁 

重度機能不全の心臓弁を置換するために用いる人工的に
作られた心臓弁。 

備考 機械弁と動物由来の生体弁とがある。 

prosthetic valve 

15107 

心臓外科用パッチ 

心臓の隔壁などにある欠損孔を修復するために利用する
当て布。延伸四ふっ化樹脂を使うことが多い。 

patch for heart surgery 

15108 

ペースメーカー 

周期的な電気刺激を与えることによって心筋細胞を脱分
極させて,適切な心臓収縮活動を維持するための装置。 

備考1. 刺激パルス発生器と電極リードから構成され

る。 

2. パルスジェネレーター (pulse generator) とも

いう。 

pacemaker 

15109 

補助人工心臓 

高度心不全患者の救命を目的として,心臓のポンプ機能の
一部又は大部分を一時的に代行するシステム。 

備考 補助心臓ともいう。 

ventricular assist device 

background image

20 

K3611-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(g) 胸部外科系 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

15110 

体外膜型酸素供給 

肺の可逆的病変に起因した急性呼吸不全に対し,病変が改
善するまでの期間,膜型人工肺を用いて体外循環を行い,
肺機能のうちのガス交換を一時的に代行する供給法。 

備考 ECMOともいう。 

extracorporeal membrane 

oxygenation 

15111 

体外炭酸除去 

体外膜型酸素供給において,特に二酸化炭素の除去を目的
とした方法。 

備考 ECCO2Rともいう。 

extracorporeal CO2 

removal 

15112 

気泡型人工肺 

血液中に気泡状の酸素を吹送することによって,血液と酸
素を直接接触してガス交換を行う人工肺。 

bubble oxygenator 

15113 

人工気管 

気管と気管支の欠損補てつ(綴)に用いる材料。 

tracheal prosthesis 

(tracheo-bronchial 
prosthesis)  

15114 

人工食道 

食道がん(癌)などによって欠損した食道の修復に用いる
補てつ(綴)材料。 

esophageal prosthesis 

15115 

人工肺 

肺のガス交換機能を代替する人工臓器。肺型と気泡型とが
ある。 

artificial lung 

15116 

膜型人工肺 

血液と酸素含有ガスとの間で膜を介してガス交換を行う
人工肺。 

membrane oxygenator 

(h) 形成外科系 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

15117 

人工乳房 

美容のための豊胸又は乳がん(癌)患者が乳房を摘出した
後に体内埋込み用シリコーン材料によって再建された乳
房。 

mary prosthesis 

15118 

創傷被覆材 

一時的に創面を被覆して皮膚の機能の一部を代行する材
料。 

wound dressing 

15119 

人工皮膚 

真皮に及ぶ皮膚の損傷の一部を補う創傷被覆材。 

artificial skin 

15120 

凍結乾燥硬膜 

ヒト脳硬膜を薬品処理し,凍結法又は溶媒法によって乾燥
したもの。 

備考 乾燥死体硬膜ともいう。 

lyophilized dura 

15121 

凍結乾燥豚皮 

豚の皮膚をよう素,よう化カリウム溶液で処理した後,凍
結乾燥し,γ線を照射して滅菌した創傷被覆材。 

lyophilized porcine skin 

(LPS)  

15122 

人工陰茎 

先天的又は後天的理由で陰茎としての機能を失ってしま
った場合,その機能の一部,又はすべてを代用品として用
いることが可能なように人為的に作った製品。 

penile prosthesis 

15123 

人工こう(睾)丸 

美容形成的な目的,又は薬物の徐放化という機能をも有す
る,人工材料からなる義こう(睾)丸。 

artificial testicle 

15124 

ハイブリッド型人

工皮膚 

患者の皮膚を構成している細胞を,人工マトリックス中で
培養し,皮膚移植に利用する人工皮膚。 

hybrid artificial skin 

15125 

補てん (填) 材料, 
補てつ(綴)材料 

身体の欠損や変形を補てん (填) [又は補てつ(綴)]する
目的で用いられる構造材料。 

備考 体内に埋め込むものと体表で用いられるものと

がある。 

prosthesis 

(i) 脳神経外科系 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

15126 

人工頭がい(蓋)骨 頭がい(蓋)骨の欠損部を補うため,主に常温重合型アク

リル樹脂で調製した頭がい(蓋)骨補てつ(綴)物。 

artificial skull 

background image

21 

K3611-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

15127 

水頭症用シャント 

水頭症治療に用いるバイパスチューブであり,このチュー
ブの一端を側脳室に入れ,他端をけい(頸)静脈から右心
房に入れて髄液を心臓内へ導入する。 

lumber subarachnoid 

peritoneal shunt 

15128 

クリップ 

止血の目的で,血管を閉そく(塞)するために用いる金属
製用具。 

clip 

(j) じん(腎)疾患系 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

15129 

β2−マイクログロ

ブリン 

手根管症候群の原因物質として透析患者の体内に蓄積し
て障害を起こす分子量が11 800のたん白質。 

β2-microglobulin 

15130 

境膜抵抗 

表面と液体との界面の境膜による溶質の膜透過の際の抵
抗。 

membrane resistance 

15131 

高分子膜 

高分子によって調製された膜で,半透膜,ろ(濾)過膜,
逆浸透膜などがある。 

polymer membrane 

15132 

ダイアリザンス 

血液透析器の性能を表示する値。血液透析器中で1分間に
除去される溶質量を流入する血しょう(漿)中の濃度で除
して算出される数値。 

dialyzance 

15133 

人工尿管 

じん(腎)で生成された尿をぼうこう(膀胱)に導くため
の,天然又は合成高分子からなる長い円柱管。 

artificial ureter 

15134 

人工ぼうこう(膀

胱) 

ぼうこう(膀胱)の二大機能である尿貯留と尿排出を代行
するる人工物。 

artificial bladder 

15135 

ダイアライザー 

人工じん(腎)臓における透析を行う本体であり,透析膜
とこれを支持する構造からなる装置。 

dialyzer 

15136 

内シャント 

人工透析時のブラッドアクセスの一種。 

備考 皮下で動・静脈をふん(吻)合することによっ

て静脈側の血流量を増加させ,ここに外からせ
ん(穿)刺して血液を人工じん(腎)臓へ導く。 

internal shunt 

15137 

尿道カテーテル 

排尿を目的に尿道挿入に適し,尿道を経てばうこう(膀胱)
に達し得るように作られた細長い中空管。 

uretheral catheter 

15138 

腹くう(腔)カテー

テル 

腹くう(腔)透析において腹くう(腔)に留置して使用さ
れるカテーテル。 

peritoneal catheter 

15139 

ブラッドアクセス 

血液の出入口。シャント(外シャント,内シャント)と非
シャントの総称。 

blood access 

15140 

ふるい係数 

血液ろ(濾)過などの場合,溶質が膜を透過するときの通
りやすさを表す値。 

sieving coefficient 

15141 

外シャント 

人工じん(腎)臓の動脈回路と静脈回路に接続し,人工透
析に利用する動・静脈に挿入されたカニューレ。 

external shunt 

15142 

経口吸着剤 

経口投与し,消化器内で不要物質を吸着して体外に排せつ
(泄)することを目的とする。 

oral administration 

adsorbent 

15143 

血液透析液 

血液透析の際に半透膜を介して血液と接触させ,血中の老
廃物を透析除去するために電解質の種類と濃度を調節し
た水溶液。 

dialysate 

15144 

血液透析器, 
人工じん(腎)臓, 
ダイアライザー 

血液と透析液とを膜を介して接触させ,濃度差に基づいて
溶質を移動させて血液透析を行うための器具であり,透析
膜とこれを支持する構造からなる装置。 

参考 同時に圧力差も与え,限外ろ(濾)過による除

水も行う。主として中空糸膜が用いられる。 

hemodialyzer, 
dialyzer 

15145 

血液ろ(濾)過 

輸血領域において,血液中の異物,凝集塊,白血球,血小
板などをろ(濾)過によって除去する方法。 

備考 血液浄化にも使用する。 

blood filtration 

background image

22 

K3611-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

15146 

血液ろ(濾)過器 

多孔質の限外ろ(濾)過膜によって血液をろ(濾)過し,
血液成分の分離や濃縮を行うための器具。 

hemofilte 

(k) 代謝系 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

15147 

アフィニティ吸着

材 

酵素−基質間や抗原−抗体間などにみられる生物学的特
異反応を利用して物質を選択的に吸着分離するために,い
ずれか一方の分子を吸着リガンドとして不溶性担体に結
合した吸着材。 

affinity adsorbent 

15148 

活性炭 

多孔性で単位体積当たりの表面積が大きく,高い物質吸着
能をもつ炭素材料。 

備考 主として吸着を原理とした血液浄化に利用され

ている。 

active carbon 

15149 

埋込型人工すい

(膵)臓 

糖尿病患者の治療を目的に血糖値をモニターし,ポンプで
必要量のインスリンを投与する体内埋込み型装置。 

implantable artificial 

pancreas 

15150 

血液かん(灌)流 

血液中から毒性物質を除去するために,血液を体外に導き
出し,吸着材料の中を流し,浄化血液を患者に返還する方
法。 

hemoperfusion 

15151 

血液浄化法 

血液中に存在する代謝産物や毒性物質を透析,ろ(濾)過,
吸着又はこれらの組合せによって除去して血液を浄化す
る方法。 

blood purification 

15152 

劇症肝炎 

急性肝炎が発症した後2か月以内に,肝細胞機能不全によ
る肝不全によって意識障害が出現する疾病。 

fulminant hepátitis 

15153 

自己免疫疾患 

自己の組織を構成する成分と反応する抗体又はリンパ球
が持続的に産生されることによってじゃっ(惹)起される
疾患。 

autoimmune disease 

15154 

血しょう(漿)交換 血液から血しょう(漿)成分を分離し,新鮮凍結血しょう

(漿),アルブミンなどの置換液,又は分離した血しょう
(漿)中の特定成分を除去した処理血しょう(漿)などと
交換する方法。 

plasma exchange 

15155 

人工括約筋 

管こう(腔)又は臓器の口の口径を縮小若しくは閉鎖する
ための装置。人工こう(肛)門や人工尿道に不可欠である。 

artificial sphincter 

15156 

人工肝臓 

肝機能のうち,主に解毒を人工的に代替する装置。 

artincial liver 

15157 

人工こう(肛)門 

腸疾患,損傷及びその治療によってこう(肛)門の機能を
失った患者に対し,ふん(糞)便の排出口として腹壁上に
設けられた皮膚ろう(瘻)。 

artificial anus, 
stoma 

15158 

人工消化管システ

ム 

長期経口不能の患者に対して,栄養素を腸管を経由しない
で直接血液中に投与するシステム。 

備考1. 完全静脈栄養法 (total parenteral nutrition) 又

は高いカロリー輸液法 (intravenous 
hyperalimentation) として知られる。 

2. 人工腸管システムともいう。 

artificial gut system 

15159 

人工胆管 

肝臓と腸を連ねる胆管の狭さく(窄),閉そく(塞),欠陥
などに対して適用される人工物。 

artificial bile duct 

15160 

人工ランゲルハン

ス島 

すい(膵)臓ランゲルハンス島の主な機能であるインスリ
ン分泌を代償する装置。 

備考 人工すい(膵)島ともいう。 

artificial endocrine 

pancreas, 

artificial Langerhans' islet 

15161 

中空糸 

血液浄化及び血液への酸素供給に用いられる,繊維内部が
中空になっている繊維。 

備考 中空繊維ともいう。 

hollow fiber 

background image

23 

K3611-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

15162 

透析膜 

膜の両側の溶液の濃度差を駆動力として膜の両側に特別
に圧力を加えることなく,溶質と溶媒を分離する際に使用
する半透膜。 

dialysis membrane 

15163 

内分泌型人工臓器 

薬剤やホルモンなどの体内への放出を制御することによ
って,失われた臓器の機能の一部を代行する人工臓器。 

endocrinous artificial 

organ 

15164 

二重膜ろ(濾)過法 分画分子量の異なる2種類の孔径をもつろ(濾)過器[血

しょう(漿)分離器と血しょう(漿)分画分離器]を組み
合わせることによって,血ょう(漿)中の大分子量物質を
除去する治療法。 

double filtration 

plasmapheresis 

15165 

ハイブリッド型人

工肝臓 

肝細胞を適当な人工材料で基質上で培養して装置に組み
込み,肝臓の機能を代行する人工臓器。 

hybrid artificial liver 

15166 

ハイブリッド型人

工すい(膵)臓 

インスリン産生能があるランゲルハンス島を利用する人
工的すい(膵)臓代替装置。 

hybrid pancreas 

(l) ドラッグデリバリーシステム系 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

15167 

イオントフォレシ

ス 

直流電流によって一定量の薬剤を皮膚又は粘膜を通して
投与する方法。 

iontophoresis 

15168 

がん(癌)化学療法 化学物質や薬剤を用いて悪性しゅよう(腫瘍)を治療する

方法。 

cancer chemotherapy 

15169 

クリアランス 

血液中及び組織中の物質が除去される速度の尺度。 

clearance 

15170 

経口投与 

医薬を口から投与すること。 

peroral administration 

15171 

経皮吸収促進剤 

皮膚の薬剤透過性を高めて薬剤の経皮吸収を促進させる
効果をもつ化学物質。 

transdermal absorption 

promoting agent 

15172 

経皮治療吸収シス

テム 

皮膚を透過させて薬物を投与し,治療するための製剤シス
テム。 

transdermal therapeutic 

system 

15173 

血中寿命 

投与された薬物や物質が代謝,排せつ(泄)を受け血液中
から消失するのに要する時間の平均値。 

lifetime in blood , 
life span in blood 

15174 

血中半減期 

薬物の血中寿命の指標であり,投与された薬物や物質の血
液中における濃度が投与直後の濃度の21になるのに要す

る時間。 

half-life in blood 

15175 

高分子医薬 

薬効を改善する目的で高分子化された医薬品又は薬効性
をもつ高分子化合物。 

polymer drug 

15176 

刺激応答性放出 

生体内部に起こる環境の変化,又は生体外部から与えられ
る刺激に応じて投与量が変化するように設計された薬物
の放出。 

stimuli-sensitive release 

15177 

初回通過効果 

投与された薬物が循環系に入るまでに肝臓などによって
除去される現象。 

first-pass effect 

15178 

徐放性 

投与された薬物の体内における緩徐な放出。 

備考 従来の投与方法と比べて薬効の増強や副作用の

軽減が期待される。 

sustained (slow, 

controlled) release 

15179 

ゼロ次放出 

薬物の徐放性放出において,薬物が一定速度で放出するこ
と。 

zero-order release 

15180 

ターゲティング 

体内の特定の標的部位に選択的に到達する指向性を薬物
に与える技術。 

targeting 

15181 

腸溶性製剤 

食道と胃においては溶解せず,腸に達した時点で初めて溶
解するように加工された経口投与製剤。 

enteric coated drug 

15182 

薬物送達システム 

薬物の生体内挙動を制御する目的で投与方式を最適化す
るように工夫されたシステム。 

備考 DDSともいう。 

drug delivery system 

background image

24 

K3611-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

15183 

動脈そく(塞)栓術 特定の組織や器官の機能を低下させたりする目的で,種々

の物質を循環血液中に入れてその支配動脈を閉鎖する治
療法。 

embolization 

15184 

非経口投与 

経口投与以外の薬剤投与法。 

備考 皮下,径静脈,径動脈,径粘膜などがある。 

parenteral administration 

15185 

マイクロスフェア

ー 

薬剤の含有,血管そく(塞)栓,細胞の包含などに用いら
れる微粒子。 

備考 マイクロカプセルともいう。 

microsphere, 

microcapsule 

15186 

ミサイル療法 

主に生物学的認識機構を利用して,特定の標的患部への能
動的な指向性を有する薬物運搬体を用いた薬物療法。 

missile therapy 

15187 

薬物含有微粒子 

平均粒子径が数百μmより小さい,薬物を含有している微

粒子状の製剤。 

drug-containing 

microparticles 

15188 

薬物注入ポンプ 

薬物溶液を血管内に投与するためのポンプ。 

infusion pump 

15189 

脂質, 
リピド 

エタノール,エーテル,クロロホルム,ベンゼンなどの脂
肪溶媒によって,動植物細胞から抽出された脂溶性物質。 

lipid 

15190 

リポソーム 

りん脂質,糖脂質などの極性脂質を水中に再分散したとき
にできる二重膜からなる小胞。 

liposome 

(2) 生体機械工学 

(2.1) 運動メカニズム 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

21001 

足のアーチ構造 

複数の骨からなる足の弓がい(蓋)様骨格構造。 

plantar arch 

21002 

α運動ニューロン 

せき(脊)髄前柱に存在し,錘外筋線維を支配する神経。 α-motoneuron,  

α motor neuron 

21003 

α-γ連関 

α運動ニューロンとγ運動ニューロンの同時活動。 

α-γ linkage 

21004 

一次求心性線維 

感覚受容器の信号を最初に中枢神経系に伝える神経線維。 primary afferent fiber 

21005 

運動関連脳電位 

自発性随意運動に関連して頭皮上から記録される脳電位。 movement-related cortical 

potential 

21006 

運動学 

(1) 人間の運動を研究・分析する学問であり,解剖・神経・

生理・物理及び心理学などの基礎的な科学の知識を総
合した応用科学。 

(2) 物体又は物体系の運動を質量・力の影響を考慮せず,

その幾何学的関係に基づき分析する学問。 

kinesiology, 
kinematics 

21007 

運動学習 

運動経験の結果として起こる比較的永続的な運動遂行上
の神経生理学的な変化。 

motor learning 

21008 

運動技能 

遺伝的に決まっている運動ではなく,練習,経験を通して
行う運動。 

motor skill 

21009 

運動強度 

運動やトレーニングにおける単位時間内の運動量。 

intensity 

21010 

運動単位 

1個のα運動ニューロンとそれが支配する筋線維群を総称

した機能単位。 

motor unit 

21011 

運動ニューロン 

せき(脊)髄前角にあり骨格筋を支配するニューロン。 

motoneuron,  
motor neuron 

21012 

運動プログラム 

具体的な運動(運動の開始・実行・停止を含む。)を定め
る筋群への特定な指令。 

motor program 

21013 

H波 

末しょう(梢)神経の電気刺激によって求心性(感覚)神
経からせき(脊)髄運動ニューロンを興奮し,その末しょ
う(梢)神経に支配される筋に誘発された電位。 

H wave 

21014 

覚せい(醒) 

中脳膜様賦活系の興奮によって引き起こされる大脳の活
動状態。 

arousal, 
awakening 

background image

25 

K3611-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

21015 

構え 

頭部,体幹,四肢の身体各部分の相対的位置関係を示す姿
勢。 

attitude 

21016 

γ運動ニューロン 

せき(脊)髄前角にあって,錘内筋せん(腺)維を支配す
る神経。 

γ-motoneuron,  
γ motor neuron 

21017 

基礎代謝 

安静,覚せい(醒),空腹,温熱中間の条件をすべて満た
した状態における個体の最小限のエネルギー代謝。 

basal metabolism 

21018 

きっ(拮)抗筋 

関節運動において,主運動に対抗して,その運動を妨げる
のと反対方向の運動を生じさせる筋肉。 

antagonist muscle 

21019 

機能的電気刺激 

神経障害による麻ひ(痺)筋の運動機能回復のための末し
ょう(梢)神経電気刺激。 

functional electrical 

stimulation 

21020 

強縮 

反復刺激による持続的筋収縮。 

tetanus 

21021 

筋原線維 

ミオシン及びアクチンを主成分とし,それらの反応によっ
て筋収縮を行う収縮構造。 

myofibril,  
muscle fibril 

21022 

筋線維 

筋原線維を主成分とする線維状の細胞であり,筋収縮を行
う単位構造。 

muscle fiber 

21023 

筋線維伝導速度 

筋線維上を活動電位が伝導する速度。 

muscle fiber conduction 

velocity 

21024 

筋紡錘 

骨格筋線維の中にある筋長の受容器。 

muscle spindle 

21025 

屈曲反射 

四肢の関節を屈曲する反射。 

flexion reflex 

21026 

けん(腱)反射 

けん(腱)のこう(叩)打がそのけん(腱)につながる筋
の収縮を起こす反射。 

tendon jerk,  
tendon reflex 

21027 

行動 

人間などの生活体が当面するいろいろな事態で引き起こ
すさまざまな反応の総称。 

behavior 

21028 

興奮収縮連関 

筋の細胞膜に活動電位が発生してから筋収縮が起こるま
での過程。 

exciatation-contraction 

coupling 

21029 

最大酸素摂取量 

生体が摂取し得る単位時間当たりの酸素量の最大値。 

maxima oxygen uptake,  
maximum oxygen intake 

21030 

最大随意筋力 

随意的努力によって発揮することのできる最大の筋力。 

maximum voluntary 

contraction (MVC)  

21031 

姿勢 

身体の構え (attitude) と体位 (position) の総称。 

posture 

21032 

姿勢反射 

一定の姿勢を維持するための固有反射以外の反射。 

postural reflex 

21033 

神経インパルス 

神経細胞膜に発生する活動電位。 

nerve impulse 

21034 

神経支配比 

一本の運動神経が支配する筋線維数。 

innervation ratio 

21035 

伸張反射 

引き伸ばされた筋を直ちに収縮させる反射。 

stretch reflex 

21036 

心理的不応 

二つの刺激が継時的に短時間で提示されるとき,二つ目の
刺激に対する反応が著しく遅れる現象。 

psychological refractory 

21037 

随意運動 

意志によって行われる筋運動。 

voluntary movement 

21038 

随伴陰性変動 

単純反応課題において警告刺激から命令刺激までの刺激
間隔に頭皮上から記録される陰性緩電位変動。 

contingent negative 

variation (CNV)  

21039 

せき(脊)髄 

せき(脊)柱管の中にある中枢神経系の器官。 

spinal cord 

21040 

絶対筋力 

静的最大筋力と筋線維方向に直角な筋断面積の比。 

absolute muscle strength 

21041 

体力 

人間の活動や生存の基礎となる身体的能力。 

physical fitness 

21042 

多シナプス反射 

2個以上のシナプスを経由する反射。 

polysynaptic reflex, 
multisynaptic reflex 

21043 

単シナプス反射 

一つのシナプスだけを経由する反射。 

monosynapotic reflex 

21044 

単収縮 

一発の刺激で生じる一回の筋収縮。 

twitch 

21045 

T波 

機械的刺激によるせき(脊)髄運動ニューロンの興奮性を
示す誘発電位。 

T wave 

21046 

等尺性収縮 

筋肉の両端を固定して長さが一定に保った場合の収縮。 

isometric contraction 

background image

26 

K3611-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

21047 

等張性収縮 

収縮中に筋に生じる張力が一定であるような収縮。 

isotonic contraction 

21048 

トレーニング 

生体に反復的に刺激を与え,心身の能力を向上させる過
程。 

training 

21049 

トレーニング効果 

種々のトレーニングによる心身の機能の改善,及び作業成
績が向上すること。運動を一定期間継続することに伴って
生じる生体内の変化。 

training effect 

21050 

反回性抑制 

α運動ニューロンの抑制機構。 

recurrent inhibition 

21051 

反射弓 

反射を引き起こす神経回路。 

reflex arc 

21052 

反応時間 

ある与えられた刺激によって決定される意識的応答の最
小の時間的遅れ。 

reaction time 

21053 

有酸素運動 

主として有酸素エネルギー(酸化的りん酸化)によって遂
行される身体運動。 

aerobic exercise 

(2.2) リハビリテーション 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

22001 

アライメント 

体節や義肢,装具の部分の配列状態や相対的位置関係。 

alignment 

22002 

足継手 

義肢・装具において足関節や足部の機能を代償するための
継手の総称。 

ankle joint 

22003 

運動療法 

身体障害をもつ者に対し,運動を手段として障害の回復又
はその維持,予防を図る医学的リハビリテーションの治療
法。 

therapeutic exercise 

22004 

回外 

手掌面を水平下向きにしたとき,その腹側が体の中心方向
に向くように回転する前腕の中心線回りの回転動作。 

outward rotation,  
supination 

22005 

回旋 

物体があるものの周囲を回る動作,又は回すこと。 

turn,  
rotation 

22006 

回内 

手掌面を水平下向きにしたとき,その背側が体の中心方向
に向くように回転する前腕の中心線回りの回転動作。 

inward rotation, 
pronation 

22007 

外転 

四肢をたい(腿)軸から遠ざけ,指を手掌中心軸から遠ざ
ける方向への回転動作。 

outward swing 

22008 

下たい(腿)義足 

下たい(腿)切断によって下肢の一部を欠損した場合,元
の足の形態及び機能を復元するための義足。 

below knee prosthesis 

22009 

仮義肢 

アライメントを調整,変更し得る力伝達部材とソケットを
組み合わせた,切断直後又は訓練目的の義肢。 

temporaly prosthesis 

22010 

解剖学的基本面 

解剖学的肢位を基準として,人体の方向及び位置を表すた
めに用いる平面。 

anatomical reference 

plane 

22011 

解剖学的肢位 

人体各部の位置や関節の運動を表現するために必要な基
準座標系を規定する場合の肢位。 

anatomical position 

22012 

関節運動 

人体運動のもととなる関節の動きを,関節のもっている自
由度に対応して表現する運動記述。 

joint movement 

22013 

関節可動域 

関節の各自由度に関する可動角度範囲。 

備考 ROMともいう。 

range of motion 

22014 

関節可動域テスト 

他動的に運動させた場合の四肢及びく(躯)幹の関節可動
範囲を測定する運動障害評価テスト。 

range of motion test 

22015 

関節力 

相連なる二つの体節間で伝達される力。 

joint force 

22016 

機能肢位 

種々の関節角度が機能的に最も能率的な状態である人体
の姿勢。 

functional position 

22017 

義手 

上肢切断に用いる義肢。 

upper extremity 

prosthesis 

22018 

強直 

骨,関節軟骨,滑膜,関節包などの関節構成体の異常によ
る関節運動の制限状態。 

ankylose 

background image

27 

K3611-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

22019 

筋骨格モデル 

人体の運動を剛体力学的に解析するために,対象とする運
動に本質的にかかわっていると考えられる体節,関節,筋
だけによって人体を構成した力学モデル。 

musculo-skeletal model 

22020 

けい(痙)縮 

すい(錐)体路系障害によって筋緊張が異常にこう(亢)
進していて,臨床的には関節を他動的に動かすと“折りた
たみナイフ現象”がみられる筋の異常な状態。 

spasticity 

22021 

幻肢 

四肢の切断において,切断され存在しない部分が存在する
かのように体験される四肢。 

phantom limb 

22022 

固縮 

すい(錐)体外路系障害によって筋緊張が異常にこう(亢)
進していて,臨床的には関節を他動的に動かすと“鉛管現
象”がみられる筋の異常な状態。 

rigidity 

22023 

こ(股)義足 

こ(股)関節離断,片側骨盤切除又は極短断端大たい(腿)
切断によって,下肢の一部を欠損した場合,元の足の形態
及び機能を復元するための義足。 

hip disarticulation 

prosthesis, 

hemipelvectomy 

prosthesis 

22024 

拘縮 

筋,じん(靱)帯,神経,皮膚などの関節構成体以外の異
常による関節運動の制限状態。 

contracture 

22025 

骨格構造義肢 

中心軸に金属のパイプやその他の支柱を配置し,人間の手
足の構造に類似した方法で外力を負荷し,外観をプラスチ
ック・フォームなどの軟性材で整えた義肢。 

endoskeletal prosthesis 

22026 

ざ(坐)骨受 

大たい(腿)義足や免荷装具において,体重をざ(坐)骨
結節で支持する部分。 

ischial seat 

22027 

自助具 

身体障害者に機能を補助するために障害者自身が利用す
る道具。 

self help device 

22028 

自由歩行 

速度,歩調などに関して何ら制限を受けていない歩行。 

free gait 

22029 

シレジアバンド 

大たい(腿)義足の懸垂と回旋防止を目的として,健側の
腸骨りょう(稜)と大転子の間を通る幅の広い布又は皮革
帯で作られた部分。 

silesian bandege 

22030 

神経生理学的アプ

ローチ 

神経発達の概念を応用し運動の再学習を目的とした,中枢
神経系の障害に対する運動治療の一手技。 

neuro physiological 
 approach 

22031 

スプリント 

障害を受けた上肢の固定,保持を行う装具。 

sprint 

22032 

整形靴 

変形の矯正やとう(疾)痛軽減のため圧力分散など,医学
的治療を目的として医師の処方に基づき患者の足部に適
合させ作製される靴。 

orthopedic shoes,  
corrective shoes 

22033 

装具 

体幹,四肢の機能障害の軽減を目的として使用する補助器
具。 

orthosis,  
brace 

22034 

ソケット 

切断者の断端部を収納し,四肢の力や運動を義肢に伝達す
る義肢の一構造物。 

socket 

22035 

ターンテーブル 

義肢において,ソケットと継手の間,又は継手と継手の間
に設置し回旋機能をもつ部分。 

turntable 

22036 

代償運動 

ある筋に障害を受けた場合,元来その筋によって行われる
関節運動を代償するような,他の筋の収縮によって行われ
る類似の関節運動。 

trick motion 

22037 

大たい(腿)義足 

大たい(腿)切断によって下肢の一部を欠損した場合,元
の足の形態及び機能を復元するための義足。 

above knee prosthesis 

22038 

単脚支持期 

歩行における単脚支持の時期。 

single stance phase 

22039 

短下肢装具 

下たい(腿)部から足底にかけて装着し,足関節の機能を
補助する装具。 

ankle foot orthosis,  
short leg brace 

22040 

長下肢装具 

大たい(腿)部から足底にかけて装着し,ひざ(膝)関節
と足関節の機能を補助する装具。 

knee ankle foot orthosis,  
long leg brace 

background image

28 

K3611-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

22041 

継手 

人体の関節運動に対応した運動を行うために,屈曲・伸展,
内転・外転及び回旋運動などの運動を可能にする構造をも
った義肢・装具の部分。 

joint 

22042 

定常歩行 

正常か異常かにかかわらず,歩き方が一定の状態になった
歩行。 

steady gait 

22043 

手先具 

義手を人間の上肢との対応でみた場合,人の手の機能を代
償する部分。 

terminal device 

22044 

徒手筋カテスト 

筋又は筋群の随意的な筋力の程度を,セラピストによる徒
手的な抵抗若しくは重力を利用して段階づける運動障害
評価テスト。 

manual muscle test 

22045 

内転 

四肢をたい(腿)軸に近づけ,指を手掌中心軸に近づける
方向への回転運動。 

inward swing 

22046 

日常生活動作 

一人の人間が独立して生活するために行う基本的な,しか
も個の違いによらず共通に毎日繰り返される一連の身体
的動作群。 

activities of daily living 

22047 

ひざ(膝)継手 

義肢,装具においてひざ(膝)関節の機能を代償するため
の継手の総称。 

knee joint 

22048 

フイッティング 

義肢の機能解剖学的,生理学的及び生体力学的な適合状
態,又は適合するための義肢の装着方法。 

fitting 

22049 

物理療法 

光線,水,電気,温度(温熱,寒冷)などの物理的作用を
外部から人体に加えて,疾患又は外傷の治癒を図る医学的
リハビリテーションの治療法。 

physical therapy 

22050 

歩行 

人間及び移動ロボットが2本の足を用いて行い,両足のつ
いている時期のある最も一般的な移動動作。 

gait,  
walk 

22051 

歩行距離因子 

歩行特性の中で,長さや位置など距離の次元に関する要
素。 

gait distance factor 

22052 

歩行時間因子 

歩行特性の中で,時間的区間や時刻などの時間の次元に関
する要素。 

gait temporal factor 

22053 

歩行力学因子 

歩行特性の中で,床反力の大きさや方向など力学的な要
素。 

gait kinetic factor 

22054 

歩調 

単位時間(通常は1分間)当たりの歩数。 

cadence 

22055 

モジュラー義肢 

義肢を継手,手先,足部などの構成単位の集合体として設
計し,共通となる構成単位に互換性をもたせ,実際の組立
はそれらの構成部分を選択し組み合わせることによって
作製する義肢。 

modular prosthesis 

22056 

遊脚期 

歩行において足が地面又は床面から離れている時期。 

swing phase 

22057 

床反力 

地面又は床面から足に作用する力。 

floor reaction force 

22058 

床反力作用点 

歩行運動や立位姿勢において,足底に分布して作用する床
反力と力学的に等価な単一の力の作用する位置。 

point of application of 

floor reaction force 

22059 

立脚期 

歩行において足が地面又は床面に接している時期。 

stance phase 

22060 

両脚支持期 

歩行中に両足とも地面又は床面に接している時期。 

double stance phase 

(2.3) ロボット 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

23001 

重心 

運動部位のうちの,重力が作用するとみなせる点。 

center of gravity 

23002 

キネティックス 

運動学及び動力学を含む物体の運動を研究する学問。 

kinetics 

23003 

ひざ(膝) 

歩行型の移動ロボットの脚構造の上下構造体を連結する
関節 

knee 

23004 

2足歩行ロボット 

2本の脚で構成された歩行型の移動ロボット。人間型の歩
行ロボット。 

bipedal walking robot 

background image

29 

K3611-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

23005 

3D映画 

立体視を利用して人間に三次元的な立体感がある映像を
提示する映画。 

3D movie 

23006 

4足歩行ロボット 

4本の脚で構成された歩行型の移動ロボット。 

quadrupedal walking 

robot 

23007 

単脚支持 

歩行において片足だけが地面や床面に接している状態。 

single support 

23008 

遊脚 

歩行において足底が床面から離れている状態の脚。 

idling leg 

23009 

両脚支持 

歩行において2脚の足底がともに床面に接している状態。 double stance 

23010 

支持脚 

歩行において足底が地面(床面)に接している状態の脚。 supporting leg 

23011 

アーム 

エンドエフェクタを搬送するアクチュエータを内蔵した
リンク機構。 

arm 

23012 

あおり 

手首関節の動作の表現において,手掌面を鉛直面と等しく
したときの鉛直面内の手掌の旋回動作。 

pitch 

23013 

握力把握 

メカニカルハンド又は人間の手が,特に摩擦力によって対
象物の運動を拘束する行為。 

power grip 

23014 

アクチュエータ 

機械の運動を発生させるためにエネルギーを力又は変位
に変換する装置。 

actuator 

23015 

位置エネルギー 

保存力の場において物体がもつ,位置に比例したエネルギ
ー。 

potential energy 

23016 

位置計測装置 

仮想現実感の技術において,現実の視点・視線や手の位
置・方向などを計測する装置。 

position sensor 

23017 

位置決め精度 

制御系を有するリンク機構の目標位置と実際に動いた位
置とのずれ。 

positioning accuracy 

23018 

位置制御 

制御系の目標値が,その制御系が準拠する座標系の一点で
与えられるような制御。 

position control 

23019 

位置センサ 

物体間の距離や移動距離又は回転変位量などを検出して
電気量に変換する装置。 

position sensor 

23020 

位置と力のハイブ

リッド制御 

作業空間に設定される座標系の各軸方向に対し力(トル
ク)と変位(角変位)を独立に指定できるロボットのアー
ムの制御法。 

hybrid control of position 

and force 

23021 

インピーダンス 

粘性抵抗,弾性抵抗及び慣性抵抗の合計値。 

impedance 

23022 

インピーダンス制

御 

ロボットの運動を記述する動力学的関係を仮想的に変更
する制御法。 

impedance control 

23023 

運動エネルギー 

運動する物体がもつ力学的エネルギーで,その慣性質量と
速度の2乗との積の半分の量。 

kinetic energy 

23024 

エネルギー源 

生体や機械が運動するとき,筋肉やモータを駆動するのに
必要な動力源。 

power source 

23025 

遠隔操作マニピュ

レーター 

離れた位置にいる操作者からの指示によって操作される
マニピュレーター。 

teleoperated manipulator 

23026 

開ループ制御 

アクチュエータに指令値を与えるだけで制御対象の出力
をフィードバックしない制御系。 

備考 オープンループ制御ともいう。 

open-loop control 

23027 

障害物回避 

作業空間中に存在する物理的な障害物を避けて,目的位置
へ移動ロボットやロボットアームを到達させる機能。 

obstacle avoidance 

23028 

回転 

物体をある軸を中心に回す動作,又は回ること。 

rotation,  
evolution,  
roll 

23029 

学習制御 

作業経験などを反映させ,適切な作業を行う制御。 

learning control 

23030 

仮想環境表示シス

テム 

仮想現実感を提示する装置。 

virtual environment 

display system 

background image

30 

K3611-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

23031 

仮想現実感, 
バーチャルリアリ

ティー 

架空の世界について,人間がそこにいたら感じるであろう
五感の情報を人工的に生成して提示し,人間にあたかもそ
の架空世界にいるかのように感じさせる技術,又はその技
術によって感じる仮想世界に対する感覚。 

virtual reality 

23032 

仮想空間操作 

仮想現実感の技術において,現実の手と同期して動く仮想
の手が仮想の物体を操作したときにはあたかも本当の操
作のように仮想の物体が動くコンピュータ・グラフィック
スの映像を生成することによって人間が仮想世界を操作
できるようにするヒューマンインターフェース技術。 

virtual world 

manipulation 

23033 

可操作度 

マニピュレーター制御において関節角座標から作業座標
への変換写像のヤコビ行列がどれだけ特異的でないかを
示す指標。 

manipulability 

23034 

可動度 

系を構成するすべての可動リンクの位置を規定するため
に必要な独立パラメータの数で,系の運動能力の程度を示
す指標。 

mobility 

23035 

感覚代行 

先天的若しくは後天的に又は高齢化などによって,失われ
たり衰えたりした視覚や聴覚などの感覚機能を代行又は
補助する技術。 

sensory substitution 

23036 

慣性モーメント 

物体のある回転軸回りの慣性効果を表す指標。 

moment of inertia 

23037 

関節トルク 

慣性力,外力,重力などによって生じる回転関節駆動軸の
回転荷重,又は関節のアクチュエータが発生する回転力。 

joint torque 

23038 

関節モーメント 

慣性力,外力,重力などによって生じる屈曲関節駆動軸の
曲げ荷重。 

joint moment 

23039 

関節型マニピュレ

ーター 

先端の空間的な運動を複数の関節の動作で実現している
マニピュレーター。 

articulated manipulator 

23040 

関節座標系 

関節位置に設定され,関節の駆動軸を主軸にした座標系。 joint coordinate system 

23041 

外界センサー 

ロボットなどの生体機械において,生体機械自身が行動す
るために生体機械自身と生体機械の置かれた環境との相
対的な関係を知るためのセンサー。 

external sensor 

23042 

外骨格 

機構の構成において,周辺部に構造部材を配置しその中心
部に関節の駆動源を配置したリンク(体節)の形態。 

exoskeleton 

23043 

軌道制御 

ロボットなどの生体機械の効果器又は各関節の運動の制
御において,各々の部位の時間変化を考慮して位置を制御
すること。 

trajectory control 

23044 

教示 

ロボットなどの生体機械に対して,動作実行前にその作業
を実行するために必要なデータを与える作業。 

teaching 

23045 

逆運動学 

マニピュレーターやリンク機構などの先端位置,速度など
から各関節の角度,角速度などを計算するアルゴリズム又
はそれを研究する学問。 

inverse kinematics 

23046 

逆動力学 

マニピュレーターやリンク機構などの先端の軌道から各
関節を駆動するのに必要なトルクを計算するアルゴリズ
ム又はそれを研究する学問。 

inverse dynamics 

23047 

計算トルク法 

運動方程式からあらかじめ計算して求めたトルク又は力
に基づきロボットの運動を制御する方法。 

computed torque method 

23048 

形状記憶合金アク

チュエーター 

形状記憶合金によるアクチュエーター。 

shape memory alloy 

actuator 

23049 

経路制御 

ロボットなどの生体機械の効果器又は各関節の運動の制
御において,各々の部位の位置を制御すること。 

path control 

23050 

効果器 

作業を目的としたシステムにおいて,作業対象又は外界に
直接作用する装置。 

effector 

background image

31 

K3611-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

23051 

固有振動数 

構造物の機械特性又は制御系の特性などで決定され,外力
がなくても持続的に振動する場合の周波数。 

natural frequency 

23052 

コンフィギュレー

ション空間 

ある物体がもつ自由度に対応するパラメーターによって
記述される空間。 

configulation space 

23053 

コンプライアンス

制御 

ロボットが内蔵するアクチュエーターの発生力又は変位
を,それに作用する変位又は作用力に応じて調整すること
によって,外界と力学的に干渉するロボットの柔らかさを
制御する手法。 

compliance control 

23054 

合力 

物体に複数作用する力をある一点に等価的に置換した力。 resultant force 

23055 

ゴム人工筋 

ゴムチューブを加圧することによって生じる弾性変形を
利用するアクチュエーター。 

rubber artificial muscle 

23056 

サーボ機構 

制御対象の出力が目標値に追従するように制御する機構。 servo mechanism 

23057 

サイバネティック

アクチュエータ
ー 

固定,正変位(正転),逆変位(逆転)の3状態をとり得
ることができ,かつ,これらの状態が外部信号によって操
作できるアクチュエーター。 

cybernetic actuator 

23058 

サイボーグ 

脳を含む生体系と機械系の複合システム。 

cyborg 

23059 

視覚センサー 

対象の空間的配置や形状などを光などの非接触の手段に
よって計測するセンサー。 

visual sensor 

23060 

視覚フィードバッ

ク 

視覚機能によって作業対象の動きを検出して制御系に入
力する制御方法。 

visual feedback 

23061 

時定数(ロボット

の) 

一次遅れ要素のステップ応答が最終値 (1−e-−1) 倍(約
63.2%)に達するまでの時間。 

time constant (of robot)  

23062 

自動制御 

制御対象の出力が目標値に適合するように,制御系への操
作量が制御装置によって自動的に決定される制御。 

automatic control 

23063 

重力補償 

付加質量やリンク機構の構造体質量による死荷重の補償。 dead weight 

compensation 

23064 

自由度 

ロボットなどの生体機械の効果器の運動の自由さを確保
する数。 

degree of freedom 

23065 

順運動学 

マニピュレーターの制御において関節角座標を作業座標
に変換するアルゴリズム,又はそれを求める学問。 

forward kinematics 

23066 

順動力学 

マニピュレーターの制御において関節トルクから位置,速
度,加速度を計算するアルゴリズム,又はそれを求める学
問。 

forward dynamics 

23067 

周波数応答 

正弦波信号を入力したときの,制御系全体やこれを構成す
る制御要素の応答特性。 

frequency response 

23068 

象形動作 

手指で形を表現して相手との意思の伝達を行う動作。 

signal motion 

23069 

冗長自由度 

マニピュレーターなどの多自由度機構の自由度から作業
座標の次元を引いた差。 

redundancy 

23070 

触覚センサー 

対象との接触状態を計測又は検出するセンサー。 

tactile sensor 

23071 

触覚テレビ 

皮膚への刺激を介して生体に映像情報を伝達する感覚代
行システム。 

備考 TVSSともいう。 

tactile visual substitute 

system 

23072 

触覚フィードバッ

ク 

触覚機能によって作業対象の動きを検出して制御系にフ
ィードバックする制御方法。 

tactile feedback 

23073 

人工筋 

生体の筋肉に類似した特性をもつアクチュエーター。 

artificial muscle 

23074 

伸縮型マニピュレ

ーター 

伸縮機構からなる関節をもつマニピュレーター。 

manipulator with slide 

joint 

23075 

身体障害者用マニ

ピュレーター 

身体障害者の日常生活,又は就労を支援するロボットマニ
ピュレーター。 

manipulator for the 

handicapped 

background image

32 

K3611-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

23076 

スクリュー理論 

三次元空間内における機構の運動を直線上の並進と回転
の組合せで解析する理論。 

theory of screw 

23077 

滑り説 

筋の収縮はミオシンフィラメントの中にアクチンフィラ
メントが両側から引き込まれることによって起きるとい
う学説。 

sliding theory 

23078 

精密把握 

親指とその他の指で対向収縮して指先で物を把握する動
作。 

precision grip 

23079 

接触倣い制御 

対象物に接触し,常に接触している状態を保って滑りなが
ら運動させる技術。 

touch and slide technique 

23080 

接触技術 

対象物に力を作用させることなく,又は力を制御しながら
位置を一致させる技術。 

touch technique 

23081 

センサー 

物理量・化学量又は物理的・化学的性質を信号処理が可能
な連続量又は離散量に変換する素子又は装置。 

sensor 

23082 

センサーインテグ

レーション 

センサーフュージョンの一種で,多種又は多数のセンサー
を組み合わせることによって単一のセンサーの場合に比
べてより確実高精度の情報を取得する方法。 

sensor integration 

23083 

センサーフュージ

ヨン 

多種又は多数のセンサーからの情報を融合・統合すること
によって,単一のセンサーの場合に比べて,より確実高精
度,より統合的及びより高次の情報を取得する方法。 

sensor fusion 

23084 

ゼロモーメント・ポ

イント 

歩行において,着地した足に作用するモーメントがゼロに
なる点。 

zero moment point 

23085 

操作反力 

操作時に対象物から受ける反力。 

reaction force of 

manipulation 

23086 

速度ベクトル 

物体の運動の表現において,その運動速度の大きさ及び方
向。 

rate vector 

23087 

速度制御 

多リンク機構の先端が目標とする速度になるように各関
節の動きを調節する制御。 

rate control 

23088 

速度分解制御 

マニピュレーターの速度制御において,関節角座標系での
速度と作業座標系での速度の関係を現す一次方程式を用
いて,作業座標系での指令速度から関節角座標系での指令
速度を計算する方法。 

resolved motion rate 

control 

23089 

多足歩行ロボット 

1本又は複数本の脚で構成された歩行型の移動ロボット。 

multi-legged walking 

robot 

23090 

ダイレクトドライ

ブロボット 

アクチュエーターを減速機などの付加機構を用いること
なく直接関節に搭載したロボット。 

direct drive robot 

23091 

タッピング作業 

手に持ったハンマーや指肢で物を繰り返したたく動作。 

tapping task 

23092 

つまみ 

親指と他の指の対向収縮による把持動作。 

pinch 

23093 

適応制御 

制御対象の特性,目標値,外乱などが,時間や周囲環境の
影響で変化しても,制御系の性能が変化しないようにする
制御方法。 

adaptive control 

23094 

デナビット−ハー

テンバーグ変換 

マニピュレーターの制御においてリンクの間の幾何学的
関係や手先効果器の位置・方向を記述する四次正方行列に
よる変換。D-H変換ともいう。 

Denavit-Hartenberg 

transformation 

23095 

テレイグジスタン

ス 

人間の操縦者にあたかもロボットの代わりに自分が現場
で動作しているかのような臨場感をもたせる操縦装置を
構成する技術。 

tele-existence 

23096 

テレオペレーター 

人の手足などの運動系の機能を拡張することを目的とし
た,人によって効率的に操縦される柔軟な運動機構を備え
た遠隔操作型作業システム。 

teleoperator 

background image

33 

K3611-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

23097 

テレプレゼンス 

現在いる場所とは異なる実在の場所にいるような錯覚を
人に与えること,又は与える技術。 

telepresence 

23098 

テレロボティクス 

遠隔操作されるロボットにかかわる課題を取り扱う学問。 telerobotics 

23099 

特異姿勢 

多リンク機構が動作自由度の干渉によって速度制御不能
になる姿勢。 

singular configuration 

23100 

動的歩行制御 

幾何学的に安定な状態だけを考慮するのではなく,運動学
的に安定な状態を考慮した歩行の制御。 

dynamic walking control 

23101 

動的補償 

ロボットの運動を制御する際,慣性や粘性効果又は非線形
効果をも相殺するために,速度や加速度に応じて制御トル
クを変化させる補償法。 

dynamic compensation 

23102 

動力学 

物体やリンク機構などの各部に時間的に変化する力を加
えたときの運動を計算するアルゴリズム又はそれを研究
する学問。 

dynamics 

23103 

トルク 

物体をある軸回りに回す回転力。 

torque 

23104 

内界センサー 

生体機械が生体機械自身の状態を知るためのセンサー。 

internal sensor 

23105 

内骨格 

機構の構成において,中心部に構造部材を配置しその周囲
に関節の駆動源を配置したリンク(体節)の形態。 

midskeleton 

23106 

握り 

指の屈筋の収縮による動作で,指や手掌と対象物との接触
面積が大きい把持動作。 

grasp,  
grip 

23107 

ねじり 

物体の一端を固定し,他端を回転して相対回転変位を起こ
す動作。 

screwing 

23108 

粘性摩擦 

物体と物体との間の相対速度に比例し,相対運動の抗力を
発生する現象。 

viscous friction 

23109 

粘弾性 

物体を変形させるのに必要な力が,変形速度によって異な
る現象。 

viscoelasticity 

23110 

把握 

手が対象物の運動を拘束する動作。 

girp,  
grasp 

23111 

はさみ 

指先を対向させて物を拘束する把持動作。 

nip,  
pinch 

23112 

ハンド 

人間の手に類似する機能をもつ機構。 

hand 

23113 

ハンド・アイシステ

ム 

視覚による外界認識機能に基づき制御されるロボットア
ーム・ハンドシステム。 

hand eye system 

23114 

反力 

効果器を通じて外界に力を作用させたときの反作用。 

reaction force 

23115 

バイオメカニズム 

生体の機能を工学的視点から取り扱う学問のうち,その機
構の合成に力点をおく分野。 

biomechanism 

23116 

バイラテラルマニ

ピュレーター 

遠隔操作型マニピュレーターのうち,マニピュレーターに
及ぼされる外界からの拘束力を操作者に感知させるため
の力の逆送機構を内蔵するもの。 

bilateral manipulator 

23117 

パレタイジング 

物体をパレットの決められた位置に搬送する作業。 

palletizing 

23118 

ひねり 

物体をその中に存在する特定軸の回りに回転する動作。 

twist 

23119 

フィードフォワー

ド 

制御対象の制御量の目標値からの偏差の原因となる外乱
を検出し,制御系へ入力する過程。 

feedforward 

23120 

フィードバック 

制御結果を検出して制御系(原因側)へ入力(反映)する
過程。 

feedback 

23121 

振り 

手首関節の動作の表現において,手掌面を鉛直面と等しく
したときの水平面の屈曲伸展動作。 

yaw,  
swing 

23122 

フレキシブルアー

ム 

関節間を接続する部材などが柔らかく,関節のアクチュエ
ーターを駆動したときに先端に振動が発生しやすいアー
ム。 

flexible arm 

background image

34 

K3611-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

23123 

閉ループ制御 

制御対象の出力をフィードバックすることによって目標
値との誤差を低減する制御系。 

備考 クローズドループ制御ともいう。 

closed loop control 

23124 

マスタスレーブマ

ニピュレーター 

操縦されるマニピュレーターと相似形の操縦カン(桿)を
もち,関節間の動作を1対1対応させて,操縦するタイプ
の遠隔操作型マニピュレーター。 

master slave manipulator 

23125 

マニピュレーター 

対象に作用を加えるために用いられる一種のロボットア
ーム。 

manipulator 

23126 

メカノケミカル・ア

クチュエーター 

化学的反応によるアクチュエーター。 

mechanochemical 

actuator 

23127 

力のモーメント 

ある物体の軸を曲げるように作用する回転力。 

moment 

23128 

モデルベーストマ

ニピュレーショ
ン 

あらかじめ用意された環境の構造に対するモデルをもと
に環境を認識し,対象の操作を行うマニピュレーターの制
御技術。 

model-based 

manipulation 

23129 

ヤコビ行列 

ロボット工学において運動学写像を関節角座標で偏微分
して得られる行列。 

Jacobian matrix 

23130 

臨場感通信 

仮想現実感を用いることによって遠隔地にいる人間どう
しがあたかも一堂に会する感覚で交信を行うことを可能
にする通信方式。 

realistic sensations 

communication 

23131 

ロコモーション 

地上などの面上での移動動作又は機能。 

locomotion 

23132 

ロボット 

人や動物のような複雑な動作を自動的又は半自動的に行
う機械。 

robot 

23133 

ロボット言語 

人が比較的容易にロボットに指令を与えることを可能に
するための言語体系。 

robot language 

23134 

ロボティクス 

ロボットの技術又は心理,社会に与える経済効果など,ロ
ボットにかかわる課題を扱う学問。 

robotics 

23135 

力覚センサー 

ロボットの動作に関する力のセンサー。 

force/torque sensor 

23136 

力制御 

外界と力学的に干渉するロボットにおいて,ロボットと外
界との間に働く力又はトルクを希望値に保つ制御方法。 

force control,  
torque control 

23137 

立体視 

生体が視覚系の情報を脳内で統合的に処理することで奥
行き知覚も含めた視覚情報を取得する感覚。 

stereopsis,  
3 dimensional vision 

23138 

両眼融合 

左右両眼の各々の網膜上に結像した点が脳の情報処理の
過程で融合して一つの点として認識される両眼単一視が
成立すること。 

binocular fusion 

23139 

ACTH 

副腎皮質刺激ホルモンの略号。 

adrenocorticotropic 

hormone,  

adrenocorticotropin 

23140 

ADP 

ATPの加水分解産物。アデノシン5ʼ−二りん酸の略号。 

adenosine 5'-diphosphate 

23141 

ATP 

生体のエネルギー源となる化合物。アデノシン5ʼ−三り
ん酸の略号。 

adenosine 5'-triphosphate 

23142 

FAD 

生体の酸化還元補酵素の一種。フラビンアデニンジヌクレ
オチドの略号。 

flavin adenine 

dinucleotide 

23143 

Fアクチン 

Gアクチンの多量体。 

fibrous actin 

23144 

Gアクチン 

筋肉の収縮性たん白質,アクチンの単量体。 

globular actin 

23145 

アクチン 

細胞内骨格系の細い線維の主成分となるたん白質。 

actin 

23146 

アクチンフィラメ

ント 

Gアクチンの線維状重合体。 

actin filament 

23147 

アンチコドン 

tRNAの遺伝暗号(コドン)認識に関与する3塩基連鎖。 

anticodon 

23148 

アンチコドンルー

プ 

tRNAのクローバーの葉構造の先端に位置し,コドン認識
に関与する輪状構造。 

anticodon loop 

background image

35 

K3611-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

23149 

シトクロム 

ヘムがFe2+ →

Fe3++e−の反応を生理的に行うたん白質。 cytochrome 

23150 

セントラルドグマ 

遺伝情報は核酸からたん白質へと一方向にだけ流れ,たん
白質に発現された情報が核酸へと逆には流れないとする
分子遺伝学上の学説。 

central dogma 

23151 

バクテリオロドプ

シン 

高度好塩菌のHalobacterium halobiumの紫膜から発見され
た,ロドプシンに似た構造をもつ色素たん白質。 

bacteriorhodopsin 

23152 

プロトンポンプ 

生体膜の両側のH+の電気化学ポテンシャル差に逆らって
ATPのエネルギーでH+の能動輸送を行う膜たん白質。 

proton pump 

23153 

ミオシン 

重鎖2本と軽鎖4本とからなるATPアーゼ活性をもつ筋肉
たん白質。 

myosin 

23154 

ミオシンフィラメ

ント 

ミオシンのフィラメント状集合体。 

myosin filament 

23155 

走光性 

光の刺激に応じた細胞の運動。 

phototaxis 

23156 

分子モーター 

ATP加水分解活性をもち,生体運動のエネルギー変換を行
う酵素たん白質。 

molecular motor 

(2.4) 感覚・その他 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

24001 

圧覚 

単位面積当たりの力の感覚。 

pressure sense 

24002 

体性感覚 

皮膚,粘膜,筋肉,けん(腱),じん(靱)帯などに存在
するさまざまな容器によって生じる感覚。 

somatic sensation 

24003 

シナプス 

ニューロンとニューロン又はニューロンと筋細胞との情
報伝達のための接合部。 

synapse 

24004 

シナプス前抑制 

シナプス前線維に作用して起こる抑制。 

presynaptic inhibition 

24005 

シナプス後抑制 

シナプス後膜の抑制性電位変化に基づく抑制。 

postsynaptic inhibition 

24006 

体脂肪率 

体重に占める体脂肪量の割合。 

percent of body fat 

(3) 生体計測工学 

(3.1) 生体電気計測 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

31001 

アイソレーション 

電気ショックに対する生体の安全を確保するために,又は
電刺激電流が他に影響を与えないように,装着部を絶縁
し,接地回路から生体を遊離する方法。 

isolation 

31002 

アーティファクト 

生体信号の計測時に人為的な要因によって出力に混入す
る不要信号。 

artefact 

31003 

活動電位 

細胞又は細胞の集合体の機能発現に伴い発生する細胞膜
の電位変化又はそれらの加算集合体電位の変化。 

action potential 

31004 

関電極 

生体電気現象を測定するために,活動電位の発生する場所
においた電極。探査電極ともいう。 

different electrode 

31005 

差動増幅器 

2点間の電位差を増幅・出力する増幅器。 

differential amplifier 

31006 

時定数(生体電気計

測の) 

ある系にステップ入力を加えたときの応答が時間tに対し
て1−e-t/Tに変化するときのTの値。 

time constant (of 

bioelectric 
measurement)  

31007 

静止電位 

非活動時における細胞膜内外の電位差。 

resting potential 

31008 

双極導出 

測定しようとする生体の適当な2点の電位差を信号として
検出する導出方式。 

bipolar lead 

31009 

単極導出 

測定しようとする生体の適当な一点の電位と基準となる
点の電位との電位差を信号として検出する導出方式。 

unipolar lead 

background image

36 

K3611-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

31010 

電極 

生体電気現象の情報を体表又は生体内から電気的な量と
して導出するため,又はその逆に電気的エネルギーを生体
に与えるために使用する電子機器と生体をつなぐ導体。 

electrode 

31011 

同相弁別比 

差動増幅器の差動信号成分の増幅度(Ad)と同相信号成分の
増幅度(Ac)の比。又はそのデシベル表示。すなわち,20log 
(Ad/Ac)  

common mode rejection 

ratio 

31012 

ハムフィルター 

電源周波数成分(50Hz又は60Hz)を選択的に減衰させる
帯域除去ろ(濾)波器。 

hum filter 

31013 

不関電極 

生体電気現象を測定するために,電位のほとんど変化しな
い点においた電極。 

indifferent electrode 

31014 

不分極電極 

電流によって電位変化を生じない電極。 

non-polarizable electrode 

31015 

分極電圧 

電極と溶液間に,外部電流で発生した電位差。 

polarization voltage 

31016 

微小電極 

単一細胞の細胞内電位を測定するための電極。 

microelectrode 

31017 

ペースト 

皮膚表面と生体用電極との電気的接触を良くするために
両者の間に用いる電解質を含む可塑性の導体。 

paste 

(3.2) 生体磁気計測 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

32001 

MSI 

生体磁気計測によって生体内の電気活動の発生源の局在
性を表現する技術。 

magnetic source imaging 

(MSI)  

32002 

肝磁図 

肝臓の中に蓄積した鉄などの磁性物質から発生する磁場。 

備考 肝磁界ともいう。 

magnetic field from the 

liver 

32003 

眼磁図 

眼球を動かしたり,眼に光を与えたときに眼とその周辺か
ら発生する磁場。 

備考 眼磁界ともいう。 

magneto oculogram 
 (MOG)  

32004 

磁気刺激 

電磁誘導によって生体内に誘起される渦電流による神経
や筋の刺激。 

magnetic stimulation,  
electromagnetic 

stimulation 

32005 

磁気遮へい(蔽) 

磁場の遮へい(蔽)。 

magnetic shielding 

32006 

磁性細菌 

磁気を感知し,磁力線に沿って泳動する細菌。 

magnetic bacteriun 

32007 

磁束検出コイル 

生体から発生する磁束から検出するために,スクイド磁束
計の先端部に設置しているコイル。 

magnetic detection coil 

32008 

神経磁界 

神経の電気活動に伴って発生する磁場。 

neuromagnetic field 

32009 

心磁図, 
心磁界 

心臓の収縮に伴って発生する磁場。 

magneto cardiogram 

32010 

神経磁気学 

神経の電気活動に伴って発生する磁場を対象とした学問。 neuromagnetism 

32011 

神経磁気刺激 

電磁誘導によって生体内に誘起された渦電流による神経
の刺激。 

magnetic nerve 

stimulation 

32012 

生体磁気学 

生体と磁気との関連を研究する学問。 

biomagnetics 

32013 

生体磁気計測 

生体から発生する微弱な磁場の計測。 

biomagnetism 

32014 

生体磁気効果 

生体に及ぼす磁気の効果。 

biomagnetic effect,  
biological effect of 

magnetic fields 

32015 

体積電流 

細胞の電気活動の発生源から周辺の組織を流れて帰る電
流。 

volume current 

32016 

超伝導量子干渉素

子, 

スクイド 

ジョセフソン接合をもつ超伝導リング状の素子。 

superconducting quantum 

interference device 
(SQUID)  

32017 

電流双極子 

細胞の電流活動の発生源を正負の電荷の対として表現す
る微小電流源。 

current dipole 

background image

37 

K3611-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

32018 

二次元脳電磁図法 

脳波や脳磁図の頭皮上空間分布を二次元平面上に表す技
術。 

brain electromagnetic 

topography 

32019 

脳磁図 

脳神経細胞の電気活動によって頭の周りに生じる磁場。脳
磁界ともいう。 

magnetoencephalography 

(MEG)  

32020 

脳磁図イメージン

グ 

脳磁図を用いた脳機能画像構築技術。 

neuromagnetic imaging 

32021 

肺磁図 

肺の中に蓄積した磁性粉じん(塵)を体外から磁化した後,
体外から計測される時間とともに減少する磁場。 

備考 肺磁界ともいう。 

magnetopneumogram 

(MPC)  

32022 

誘発脳磁図 

末しょう(梢)神経や感覚受容器の刺激による一過性の,
脳の電気的活動によって生じる磁場。誘発脳磁界ともい
う。 

evoked magnetic field 

32023 

逆問題 

測定された生体磁場の空間分布を既知として,これらの生
体磁場の発生源の位置,強度,方向などを推定する問題。 

inverse problem 

32024 

順問題 

生体から発生する磁場の発生源の位置,強度,方向などを
既知として,それらの磁場の空間分布を求める問題。 

forward problem 

(3.3) 放射線計測 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

33001 

(X線)管電圧 

X線管の陽極と陰極との間に加える電位差。通常,ピーク
値をキロボルト (kV) で表す。 

 (X-ray) tube voltage 

33002 

(X線)管電流 

X線管のターゲットに入射する電子ビームの電流。通常,
平均値をミリアンペア (mA) で表す。 

 (X-ray) tube current 

33003 

(X線)透視(法) 一連のX線パターンを連続的又は周期的に得,可視像とし

て,同時に,かつ,連続的に表示する技法。 

 (X-ray) radioscopy 

33004 

(放射)線源装置 

放射線源と電離放射線に対する防護手段,更に必要な場合
は電撃に対する防護手段及び照射野限定システムを含め
た装置。例えば,X線源装置,γ線源装置,放射性線源装置。 

 (radiation) source 

apparatus 

33005 

(放射性)半減期 

単一の放射性壊変過程について,その放射能がその値の半
分に減少するのに必要とする時間。 

 (radiative) half-life 

33006 

RIジェネレーター 

一つの親核種と一つの娘核種からなる放射性核種の混合
物を含む器具で,娘核種を簡単な手順で取り出すことがで
き,通常,放射線遮へい(蔽)物と一体になっている装置。 

radionuclide generator 

33007 

RIスキャナー, 
シンチレーション

スキャナー 

単一又は複数の放射線検出装置を使用するシンチグラフ
ィー用機器。この機器は,被検体に対して検出器ヘッドを
移動し,その検出器出力を変換して対応する位置の放射線
画像を形成する。 

radionuclide scanner,  
scintillation scanner 

33008 

X線受像器 

直接又は間接にX線パターンを可視像に変換する器具。 

例 蛍光板,直接撮影用フィルムなど。 

X-ray image receptor 

33009 

X線装置 

X線発生装置,関連機器及び附属品の組合せによって構成
される装置。 

X-ray equipment 

33010 

X線発生装置 

少なくともX線高電圧装置を含み,X線の発生と制御のた
めのすべての機器を組合せた装置。 

例 コンデンサー放電式X線発生装置。 

X-ray generator 

33011 

ガンマカメラ, 
シンチレーション

カメラ 

被検体から放射される放射線を二次元的に同時検出する
ことによって画像を作成するシンチグラフィー用機器。 

gamma camera, 
scintillation camera 

background image

38 

K3611-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

33012 

コリメーター 

放射性核種画像機器においては,1個以上の開口をもつ放
射線減弱物質のブロック。 

備考 視野を規定し,放射線検出装置に到達する放射

線の立体角を限定するためのもの。 

collimator 

33013 

コンピュータ断層

撮影(法) 

記録と処理をコンピュータシステムで行う再構成断層撮
影法。 

computed tomography 

33014 

バックグラウンド

放射線 

問題としている線源以外のある点における電離放射線。自
然放射線及び人工線源からの放射線からなる。 

background radiation 

33015 

(歯科用)パノラマ

X線撮影(法) 

口こう(腔)用X線管を用いた,歯列の一部又は全部の直
接X線撮影法。 

 (dental) panoramic 

radiography 

33016 

(歯科用)パノラマ

X線断層撮影
(法) 

X線管とX線受像器の相対的な動きを組合せ,スリット状
絞りを用い,歯列の一部又は全部を撮影する直接X線撮影
法。 

 (dental) panoramic 

tomography 

33017 

一次放射線 

ターゲット又は放射性線源から直接放射される電離放射
線。 

primary radiation 

33018 

監視区域 

電離放射線防護において,電離放射線のレベルを監視して
いる区域。 

area under surveillance 

33019 

管電流時間積 

医用放射線においては,X線管に負荷をかけることによる
電気量。ミリアンペアで表した平均X線管電流と秒で表し
た負荷の継続時間との積としてミリアンペア秒で表す。 

current time product 

33020 

管理区域 

監視区域の一部で,電離放射線から人を防護するために,
立入り,占有及び作業条件の規制と管理を行っている限定
された区域。 

controlled area 

33021 

間接(X線)撮影

(法) 

受像面で得た情報を転送した後に記録するX線撮影法。 

indirect (X-ray)  

radiography 

33022 

狭角断層撮影法 

被写体の比較的厚い層の像を得るための直接断層撮影法。 

備考 ソノグラフィーともいう。 

zonography 

33023 

公称焦点値 

規定した条件下で測定したX線管の実効焦点の寸法に関す
る数値。 

nominal focus spot value 

33024 

再構成断層撮影

(法) 

被写体から得た情報を再構成処理することによって,断層
像を記録するトモグラフィー。 

reconstructive 

tomography 

33025 

散乱放射線 

電離放射線と物質との相互作用によって放射される電離
放射線。相互作用によって放射線エネルギーの低下又は放
射線の方向の変化を伴う。 

scattered radiation 

33026 

実効焦点 

基準面への実焦点の垂直投影。 

備考 単に焦点という場合は実効焦点を指す。 

effective focal spot 

33027 

実効線量当量 

不均等に又は部分的に照射される場合に,全身に対する重
み付けをした線量当量を実現するために使用される量。 

effective dose equivalent 

33028 

実効半減期 

あるシステムの特定の放射性核種の量について,放射性壊
変と,その他の過程[生物学的排せつ(泄)など]の両方
の結果として,その減少がおよそ指数法則に従う場合に,
その値の半分に減少するのに必要とされる時間。 

effective half-time 

33029 

照射時間 

規定の方法によって測定された照射期間。通常は,放射線
量率がある指定の基準を超えている時間。 

irradiation time 

background image

39 

K3611-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

33030 

照射線量 

電離放射線によって,空気中に生成される電荷。照射線量
はdQをdmで割った商として定められる。ここに,dQの
値:光子によって質量dmの空気中で放出されたすべての
電子(陰電子と陽電子)が空気中で完全に停止するとき,
空気中に生成される一つの符号(正又は負)のイオンの全
電荷の絶対値。 

X=dm

dQ 

照射線量の単位は,キログラム当たりのクーロン (C・kg−1) 
である。 

参考 照射線量の従来の単位はレントゲン(R)てあっ

て1Rは2.58×10-4C・kg-1に等しい。 

exposure 

33031 

生物(学)的半減期 ある生体系の特定の物量の量について,その減少がおおよ

そ指数法則に従う場合に,生物学的過程によってその値の
半分に減少するのに必要とされる時間。 

biological half-life 

33032 

線感度 

指定したコリメーターと波高分析器ウインドウをもつ放
射性核種画像装置においては,線線源の放射能と検出器ヘ
ッドの計数率との比。 

備考 線線源は指定した放射性核種を含む規定の寸法

をもち,コリメーター軸に垂直で,その中心は
入射面から指定した距離の軸上に置かれる。 

line sensitivity 

33033 

像縮尺 

放射性核種画像装置においては,記録又は表示された画像
中の2点A'とB'の距離をd'とし,コリメーターの入射面に
平行又はその軸に垂直な対象物内の面における,対応する
点AとBの距離をdとしたときのそれらの比d'/d。 

scale factor 

33034 

担体 

核医学においては,化学的又は物理的な過程を通じて,他
の物質をトレースするために加える適当な量の物質。 

備考 キャリアーともいう。 

carrier 

33035 

トモグラフィー, 
断層撮影(法) 

被写体内の一つ以上の層を得るためのX線撮影法。 

tomography 

33036 

直接(X線)撮影

(法) 

受像面で記録するX線撮影法。 

direct radiography 

33037 

キモグラフィー, 
動態撮影(法) 

対象臓器の境界の変位像を得るための直接X線撮影法。 

kymography 

33038 

二次放射線 

一次放射線と物質との相互作用によって,その物質から放
射される電離放射線。 

secondary radiation 

33039 

半価層 

狭い線すい(錐)の条件で,特定の放射線エネルギーやス
ペクトルをもつγ線又はX線のもとで,カーマ率,照射線

量率又は吸収線量率が,物質のない状態で測定した値の半
分まで減少するときの指定した物質の厚さ。 

備考 半価層はその物質名とその厚さをメートルに単

位の接頭語を付けたもので表す。 

参考 通常は照射線量率についての値で表す。 

half value layer 

33040 

比面感度 

指定したコリメーターと波高分析器ウインドウとをもつ
放射性核種画像装置においては,画線源の単位面積当たり
の放射能と検出器ヘッドの計数率との比。 

備考 面線源は指定した放射線核種を含む規定の寸法

をもち,コリメーター軸に垂直で,その中心は
入射面から指定した距離の軸上に置かれる。 

specific plane sensitivity 

background image

40 

K3611-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

33041 

放射線パターン 

被写体を透過することによって強度分布が変化した,電離
放射線ビームに含まれる情報。 

例 X線パターン,γ線パターン,電子線パターンなど。 

radiological pattern 

33042 

放射線業務従事者 

自然電離放射線を除く一つ以上の放射線源から,規定のレ
ベル以上の電離放射線に,職業上,被ばくするおそれがあ
る人。 

occupationally exposed 

person 

33043 

放射線検出器 

直接的又は間接的な方法で入射放射線の一つ以上の量を
測定するため,適切な信号又は他の指示を与える機器。 

radiation detector 

33044 

放射線測定器 

放射線学において,電離放射線に関する量を測定するため
に設計された機器で,1個以上の放射線検出器を含み,か
つ,関連組立品又は基礎的機能をもつユニットの組立品。 

例 カーマメータ,カーマ率メータ,面積カーマ積計,

照射線量計,照射線量率計,面積照射線量積計な
ど。 

radiation meter 

33045 

立体(X線)撮影

(法) 

適当な光学的な手法で観察したとき,三次元の像となる一
対の写真を作り出すために,被写体を二方向から照射する
X線撮影法。 

stereoradiography 

33046 

漏えい放射線 

放射口を透過してくるものではなく,放射線源の防護遮へ
い(蔽)物を透過してくる電離放射線。 

備考 ある方式のX線発生装置(例えば,クリッド制

御形X線管を用いたもの)や粒子加速装置では
負荷の前後に放射口を通過してくる電離放射線
を含む。 

leakage radiation 

(3.4) 磁気共鳴計測 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

34001 

MRアンジオグラフ

ィー 

磁気共鳴画像解析の方法を用いる血管撮影法。 

MR angiography 

34002 

MR顕微鏡 

高い空間分解能をもつ磁気共鳴画像装置。 

MR microscope 

34003 

MR造影剤 

磁気共鳴で画像濃度を選択的に変化させてコントラスト
をつけることによって診断をしやすくするために注入す
る物質。 

MR contrast medium 

34004 

RFコイル 

磁気共鳴でラジオ波の送信・受信に用いる円形又は層状に
巻いた電線。 

RF coil 

34005 

RFパルス 

短い時間のパルス状の高周波の電磁波。 

RF (radio frequency) 

pulse 

34006 

エコープラナー法 

傾斜磁場を高速で連続的に反転させ,連続的にエコーを生
じさせて走査する超高速画像法。 

echo planar imaging 

34007 

エコー時間 

RFパルスを印加した後,エコーを生じさせるまでの時間。 time of echo 

34008 

化学シフト 

軌道電子による遮へい(蔽)効果のために起こる原子核ス
ピンの磁気共鳴周波数の変化。 

chemical shift 

34009 

化学シフトイメー

ジング 

NMRスペクトルの特定の化学シフトの共鳴線の信号強度
に応じ画像構成をする方法。 

chemical shift imaging 

34010 

シネMR撮像法 

磁気共鳴画像から動画を作るための撮像法。 

cine MR imaging 

34011 

シミング 

主磁石が作る磁場の均一度を向上させるための方法。 

shimming 

34012 

スピンエコー 

RFパルスによって生じたFID信号が消失した後,180°パ
ルスの印加によって生じる信号。 

spin echo 

34013 

NMRスペクトロス

コピー 

NMR信号の周波数成分を解析する分光学。 

NMR spectroscopy 

background image

41 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

34014 

ズーグマトグラフ

ィー 

線形磁場こう(勾)配を用いる磁気共鳴画像法。 

zeugmatography 

34015 

パルス系列 

磁気共鳴信号を有効に取り出すために印加するRFパルス
及び傾斜磁場パルスの時系列。 

pulse sequence 

34016 

フーリエ変換映像

法 

磁気共鳴信号のフーリエ変換によって画像を構成する方
法。 

Fourier transformation 

imaging 

34017 

ブロッホ方程式 

巨視的な磁化ベクトルの運動を記述する古典論による運
動方程式。 

Bloch equation 

34018 

マルチエコー 

一回の励起パルスの後に得られる二つ以上のエコー信号。 multi echo 

34019 

ラーモア歳差運動 

一定の磁場中で原子核磁気モーメントか行う歳差運動。 

Larmor precession 

34020 

位相 

磁気共鳴信号の回転座標からのずれ。 

phase 

34021 

位相エンコード法 

磁気共鳴の画像化技術において,位置や動きなどの情報を
位相の変化として符号化する方法。 

phase encoding 

34022 

位相画像 

磁気共鳴信号の位相のずれの大きさを画素の濃淡で示し
た画像。 

phase image 

34023 

画像アーティファ

クト 

画像処理の過程で発生する偽りの映像信号。 

image artefact 

34024 

回転座標 

ある基本的な座標系に対してその回りに回転している座
標系。 

rotating frame 

34025 

拡散効果 

分子などの粒子が熱によるランダム運動によって移動し
散らばっていくことによるMR信号への効果。 

diffusion effect 

34026 

核スピン 

原子核がもつスピン磁気モーメントの大きさ。 

nuclear spin 

34027 

局所スペクトロス

コピー 

局所的な領域から磁気共鳴信号を得ることを目的とした
スペクトロスコピー。 

localized spectroscopy 

34028 

空間分解能 

被写体の空間的な位置の違いを区別する能力。 

spatial resolution 

34029 

繰返し時間 

磁気共鳴のパルス系列の基本的な単位が繰り返される時
間間隔。 

repetition time, 
time of repetition 

34030 

傾斜磁場 

空間の特定の方向に磁束密度の傾きをもつような磁場。 

gradient magnetic field 

34031 

傾斜磁場エコー 

傾斜磁場の逆転によって生じるエコー。 

gradient field echo 

34032 

傾斜磁場コイル 

傾斜磁場を生じさせるために用いられるコイル。 

gradient coil 

34033 

血流測定 

磁気共鳴を用いて行う血流又は血流速度の測定。 

blood flow measurement 

34034 

高速スキャン法 

測定時間の短い走査法。通常は傾斜磁場エコー法を用い
る。 

fast scan method 

34035 

磁気モーメント 

ある対象物質又は物体の磁気の強さを表す量。 

magnetic moment 

34036 

磁気回転比 

粒子のもつ磁気モーメントの大きさの角運動量の大きさ
に対する比。 

gyromagnetic ratio 

34037 

磁気緩和 

磁気モーメントが励起又は整列した状態からの緩和現象。 magnetic relaxation 

34038 

磁気共鳴画像診断

法 

磁気共鳴画像を用いた臨床画像診断の技法。 

magnetic resonance 

imaging diagnosis 

34039 

磁場均一度 

磁束密度の空間的な均一さの程度。 

magnetic homogeneity 

34040 

自由誘導減衰 

90度パルスなどによって生じた横磁化に応じて観測され
る信号。 

free induction decay 

34041 

静磁場 

磁気共鳴において時間的に変化しない磁場。 

static magnetic field 

34042 

選択励起法 

特定の部位又は波長領域だけが共鳴を起こすような励起
方法。 

selective excitation 

34043 

多重共鳴 

磁気的に結合した異なる磁気多重項の間の磁気遷移を幾
つか同時に起こさせる磁気共鳴。 

multiple resonance 

34044 

超高速スキャン法 

高速な走査の中でより高速なもの。 

ultrafast scan 

background image

42 

K3611-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

34045 

定常自由歳差運動 

RFパルスをT1,T2よりも短い時間間隔で繰り返し印加す
ることによって得られる励起と緩和の間のスピンの定常
状態。 

steady state free 

precession 

34046 

投影再構成法 

MRIの画像技術で,被写体をめぐるすべての方向の投影に
対応したデータから画像を再構成する方法。 

projection reconstruction 

imaging 

34047 

反転回復法 

180°パルスの印加又は高速断熱通過によってスピンが反
転した状態から,T1による回復に依存した信号強度をもつ
画像を得る方法。 

inversion recovery 

34048 

表面コイル 

被検体の表面付近の限られた領域からの信号を感度よく
取り出すためのRFコイル。 

surface coil 

34049 

飽和回復法 

スピン系を飽和させた後,T1による回復の程度に応じた強
度をもつ信号又は画像を得る方法。 

saturation recovery 

34050 

読取り傾斜磁場 

エコー信号の発生時に印加し,エコー信号の周波数の変化
から位置を読み取るためのこう(勾)配磁場。 

read out field gradient 

34051 

サンプリング帯域

幅 

磁気共鳴の信号採集のときの信号の周波数の幅。 

sampling band width 

34052 

SAR 

単位体重当たりの熱吸収率。MRIにおける被検者に対する
熱負荷。 

specific absorption rate 

34053 

プリサチュレーシ

ョン法 

画像化の信号収集前にスピン系を飽和させ血流やケミカ
ルシフトに起因するアーチファクトを除く方法。 

pre-saturation method 

34054 

フロー・リフェイジ

ング 

血流による磁気共鳴信号の位相のずれをこう(勾)配磁場
の印加によって戻す操作。 

flow rephasing 

34055 

RF 

波長が0.1〜103mの電磁波。 

備考 無線周波数ともいう。 

radio frequency 

34056 

MR 

静磁場中に置かれた磁気モーメントの電磁エネルギー共
鳴吸収現象。 

備考 磁気共鳴ともいう。 

magnetic resonance 

34057 

MRI 

磁場共鳴現象をもちいた撮像法又はその画像。 

magnetic resonance 

image 

(3.5) 生体超音波計測 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

35001 

AE 

固体材料内部の微少な破壊又はそれと同様なエネルギー
解放過程によって発生する弾性波動現象。 

acoustic emission 

35002 

Aモード 

ブラウン管などの時間軸上にエコー(音波反響)を振幅の
変化の形で表示する方法。 

参考 この方式による記録をエコー図という。 

A-mode 

35003 

Bモード 

ブラウン管の時間軸上にエコーの振幅に応じた明るさの
強弱を表示する方式。 

B-mode 

35004 

FDA, 
FCA 

(1) 吸収,散乱などによる音波の伝搬損失(減衰)が周波

数に依存して変化する性質。 

(2) 周波数の関数としての超音波伝搬減衰。 

frequency dependence 

characteristics of 
attenuation 

35005 

Mモード 

探触子は固定しておき運動するエコー源までの距離の時
間的変化を表示させる方式。 

例 UCG,心エコー図など。 

M-mode 

35006 

SLAM 

試料中を伝搬した超音波によって生じる試料表面の波面
分布をレーザ走査光で計測し,その結果から試料の音速分
布の定量計測を行う超音波顕微鏡。 

scanning laser acoustic 

microscope 

background image

43 

K3611-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

35007 

STC 

超音波探傷器や超音波診断装置などにおいて,増幅器の利
得(ゲイン)を,一掃引の間で,時間的に変え,距離によ
るエコーの減衰などを補正調節する方法。 

sensitivity time control 

35008 

テクスチャ 

超音波Bモード画像上の関心領域内の信号強度の分布状
態。 

texture 

35009 

エコー 

被検体の音響的不連続部分,又は音響的不均質部分から反
射された超音波信号。 

echo 

35010 

シングアラウンド

法 

試料透過後の受波パルスで次の入射パルスをトリガする
パルス発振系における発振周波数から試料音速を計測す
る方法。 

sing around method 

35011 

スペックルパター

ン 

不均一媒質中の散乱体間隔が超音波パルス長以下になる
と各散乱体からのエコーが干渉して生じる超音波画像上
のはん(斑)紋状のパターン。 

speckle pattern 

35012 

パルス法 

超音波計測技術において,照射波に継続時間の短いパルス
波を用いる方法。 

pulse method 

35013 

ハイパーサーミア 

全身又はしゅよう(腫瘍)組織の一部の温度を一定時間,
42〜45℃の温度範囲に維持させることによって,がん(癌)
を治療する方法。 

hyperthermia 

35014 

ファントム 

医用超音波用の標準試験体,又は対比用試験体。 

備考 画質,音場,分解能などの校正用,測定用に使

用される。 

phantom 

35015 

ランダム媒質 

音速,密度,減衰特性などの音響定数が空間的に不規則に
変化している媒質。 

random media 

35016 

圧電振動子 

圧電現象(効果)を利用して,電気信号から超音波信号に,
又はその逆に超音波信号から電気信号に変換する電気音
響変換器(素子)。 

piezoelectric vibrator 

35017 

液浸法 

超音波診断装置などにおいて,探触子の超音波放射面を液
体の中に入れ,液体を介して検査対象に対し超音波を送受
する方法。 

immersion method, 
immersion testing 

35018 

音圧 

媒質中の音波によって生じる,媒質内圧力の静圧からの変
化分で通常実効値で表す量。 

備考 単位記号はPa (=N/m2)  

sound pressure 

35019 

音響特性インピー

ダンス 

平面進行波の音場内の任意の一点における音圧p (kg/m・s2) 
と粒子速度v (m/s) との比(固有音響インピーダンス)。 

acoustic characteristic 

impedance 

35020 

音響フィルター 

ある特定の周波数範囲の音を取り除き,それ以外の周波数
範囲の音を通過させるのに用いられる装置。 

acoustic filter 

35021 

音響レンズ 

(1) 超音波の伝搬する媒質と異なる音速をもち,かつ,音

響的に透明な(減衰が無視できるほど小さい)物体の
相対する面を曲面又は平面とし,超音波を集束(又は
発散)させる目的で使用するレンズ。 

(2) 境界における媒質の音速差によって音波が屈折するこ

とを利用し,音速を目的の方向に向けるレンズ状の媒
質。 

acoustic lens 

35022 

音響陰影 

超音波画像において,伝搬路上に存在する伝搬を妨げる媒
質によって生じる画像の暗領域。 

acoustic shadow 

35023 

音響強度 

音場中一点において,音波の進行方向に垂直な単位面積を
単位時間に通過する音響エネルギー。 
量記号はI又はJ。単位記号はW/m2。 

sound intensity, 
acoustic intensity 

35024 

音場 

音波の存在する空間。 

acoustic field 

background image

44 

K3611-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

35025 

開口合成法 

(1) 小口径の振動子から被検体に超音波を放射しながら振

動子を走査し,対象からの反射信号(受波信号)に対
して適当な信号処理を行うことによって,実効的に大
きな開口の振動子と同等の方位分解能を得る映像法。 

(2) 送受信を繰り返しながら送受波器を移動する間,受波

信号を位相も含めて記憶しておき,一定期間の信号を
位相を調整しつつ合成することによって移動距離に相
当する大きな音源に匹敵する高い分解能を得る方法。 

synthetic aperture method 

35026 

回折 

反射や屈折以外に,障害物や媒質の不均一性によって進行
方向の異なる波を生じる現象。 

diffraction 

35027 

干渉 

同一の場所に到着した同一周波数(振動数)の二つ以上の
波が,互いに強めあったり弱めあったりする現象。 

interference 

35028 

緩和 

物理系に影響を与える何らかの条件が急激に変化したと
き,その物理系が定常状態に近づく過程。 

relaxation 

35029 

球放射圧計 

液体媒質中で球状の物体に作用する音の放射圧を測定す
ることによって音の強さを測定する装置。 

ball (sphere) radiation 

force meter 

35030 

減衰 

音波が媒質中を伝搬する際に,回折,吸収,散乱,反射な
どによって進行方向の音響エネルギーが減少すること。 

attenuation 

35031 

散乱 

音波が多くの方向に,反射又は回折・屈折して散らばるこ
と。 

scattering 

35032 

指向性 

振動子の超音波を送受する能力が振動子の軸からの方向
によって異なる特性。 

directivity 

35033 

焦点収束法 

電子フォーカスなどにおいて焦点距離を動的に変えるこ
と。 

dynamic focusing 

35034 

衝撃波 

(1) 気体,液体,固体及び多相媒質中に,高エネルギーが

一瞬集積し瞬時に解放されるときに現れる非線形な衝
撃的な波。 

(2) 流体中の超音波の運動によって起こる衝撃的な波。 
(3) 媒質又は構造物が伝搬するのに伴って起こる衝撃運動

(変位,圧力又はその他の変数)。 

shock wave 

35035 

振動子 

圧電現象や磁わい(歪)現象を利用して,電気信号から超
音波信号に,又はその逆に超音波信号から電気信号に変換
するための電気音響変換素子。 

vibrator 

35036 

相互校正法 

電気音響変換器の可逆性を利用して変換器の絶対校正を
行う方法。 

reciprocity calibration 

35037 

走査法 

超音波撮像や計測において,振動子からの超音波ビームの
放射位置,放射方向又は焦点距離を変化させる方法。 

scanning method 

35038 

組織性状診断 

(1) 生体組織のもつ音響特性と音響学的特異性とを病的状

態も含めて測定又は解明し,その特徴を明確化するこ
と。 

(2) 超音波が生体内組織を伝搬する際に受ける物理量(減

衰,音速など)の変化に着目し,その組織の特性を定
量化する組織診断法。 

tissue characterization 

35039 

探触子 

超音波の送受信のための振動子及び附属機構(ダンパー
材,コイルなど)を含んだ超音波変換器。プローブともい
う。 

probe 

background image

45 

K3611-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

35040 

探傷子(器) 

主として,超音波探傷や医用診断に用いられる用語で,試
験体に関する情報を得るため,試験体中に超音波を送り込
んだり超音波を受信したりする超音波送受波器をいう。超
音波診断において,送受信のための振動子及び附属機構
(ダンパー料,コイルなど)を含んだ部分。 

probe 

35041 

断層像 

対象からの反射信号の強さに応じてCRTの輝度変調を行
い,Bモード又はCモードその他の方法によって描かれる
断面画像。 

tomogram 

35042 

超音波CT 

被検体を挟んで対向する一対の送受トランジューサー(超
音波送受波器)間の超音波の減衰量又は伝搬時間などを測
定し,その一次元的な影絵を360°方向から採集し,それ
らの投影データを計算(演算)処理して横断断層像を再構
成する超音波映像法。 

ultrasonic CT (computed 
 tomography)  

35043 

超音波ドップラー

法 

超音波反射波のドップラー効果を利用して検査・診断など
を行う方法。 

ultrasonic Doppler 

method 

35044 

超音波ホログラフ

ィー 

超音波によるホログラム映像法。 

ultrasonic holography 

35045 

超音波ルミネッセ

ンス 

超音波の作用によって物質が発光する現象。 

ultrasonic luminescence 

35046 

超音波血流計 

超音波を血流に照射し,そのドップラー効果やパルス伝搬
時間などから血流速情報を検出する装置。 

ultrasonic blood 

flowmeter 

35047 

超音波顕微鏡 

超高周波帯超音波(100MHz以上の超音波)によって物質
のミクロな部分の形状や弾性的性質の違いを映像化する
装置。 

ultrasonic microscope, 
acoustic microscope 

35048 

超音波診断装置 

生体に超音波を入射し,その反射波,透過波などから反射
係数,吸収係数,音速,非線形パラメタなどの物理量を計
測し,又は画像化してその結果から診断情報を得る装置。 

ultrasonic diagnostic 
 equipment 

35049 

超音波内視鏡 

内視鏡先端部に探触子を装着し体こう(腔)内走査を行う
超音波診断装置。 

ultrasonic endoscope 

35050 

超音波粘度計 

超音波振動を利用して液体の粘度を測定する計測器。 

ultrasonic viscometer 

35051 

超音波放射圧計 

超音波音場内に板や球などの物体をつるし,これに作用す
る放射圧を測定することによって超音波強度(パワー)を
測定する計測器。 

ultrasonic radiation force 

meter 

35052 

透過法 

送波器から受波器に向けて超音波又は音波を放射し,送受
波器間に置かれた被検体又は媒質中を通過して受波器に
到達した信号波のもつ情報を処理し,その結果から被検体
内部又は媒質中の情報を得る計測法。 

transmission method, 
penetration method 

35053 

反射 

超音波が一つの媒質中を進行して他の媒質との境界面に
達したとき,進行方向が変わって再び元の媒質中を進行す
る現象。 

reflection 

35054 

非線形パラメータ 

媒質の音響的非線形性の大きさを表す指標。 

nonlinear parameter 

35055 

分解能 

近接する部分から反射を分離して表示し得る能力。 

resolution 

35056 

連続波法 

連続超音波を使った超音波映像法又は音響特性の測定法。 continuous wave method 

35057 

Cモード 

超音波振動子を体表面上で走査し,振動子の位置に対応し
た画像上の点に一定の深さからのエコーの振幅に応じた
輝度変調をかけることによって,体表に平行な面の断層像
を得る方法。 

C-mode 

35058 

吸収 

音波が媒質中を伝搬する過程において,その音響エネルギ
ーが熱エネルギーなどの他のエネルギーに変換されるこ
と。 

absorption 

background image

46 

K3611-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

35059 

分散 

音波の伝搬速度が周波数によって変化すること。 

dispersion 

35060 

超音波熱量測定法 

超音波の吸収によって媒質中に単位時間ごとに生じる熱
量を測定し,これより振動子の全超音波出力又は媒質中の
超音波強度を決定する絶対測定法。 

ultrasonic calorimetry,  
calorimetric measurement 

of ultrasound 

(3.6) 生体温熱計測 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

36001 

サーモグラフィー 

物体の温度を測定して記録する方法。 

備考 通常は,測定した温度分布,特に表面温度を図,

写真として表示する方法。 

thermography 

36002 

温度分解能 

測定可能な最小温度差。 

temperature resolution 

36003 

概日リズム 

時間に関係する外部刺激を除いた状態においても現れる
約24時間の周期をもつ内因性の生体リズム。概日周期と
もいう。 

circadian rhythm 

36004 

核心温 

恒温動物において,環境温の変動に際してもほぼ一定の温
度に維持されている生体深部(体幹,頭部など)の温度。 

core temperature 

36005 

殻温 

恒温動物において,環境温の変動に伴って容易に変化する
身体外層部(皮膚,四肢など)の温度。 

shell temperature 

36006 

環境温 

生体を取りまく外界の温度。 

ambient temperature 

36007 

基礎体温 

基礎条件下において測定された温度。通常は早朝覚せい
(醒)時,快適な温熱条件下において空腹状態で測定した
体温。 

basal body temperature 

36008 

体温 

生体の組織温度,通常は核心部の温度。 

body temperature 

36009 

体温計 

体温を測定するための機器。 

clinical thermometer 

36010 

直腸温 

直腸内の温度。 

rectal temperature 

36011 

熱産生 

代謝活動の結果の熱の発生。 

heat production 

36012 

熱損失 

体表面から外部環境へ,放射,対流,伝導,水分蒸発,又
はそれらの組合せによって行われる熱の移動。 

heat loss 

36013 

熱流計 

温度差,又はそれに起因する物理的諸量の差から熱流量
(熱流密度)を測定するセンサー。 

heat flux transducer 

36014 

皮膚温 

皮膚表面の温度。 

skin temperature 

36015 

放射温度計 

物体からの熱放射エネルギーを利用して温度を測定する
装置。 

radiation thermometer 

(3.7) 生体光計測 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

37001 

FACS 

レーザ光照射による蛍光現象を応用し,細胞を生きた状態
で分画収集する装置。 

fluorescence-activated 

cell sorting 

37002 

アフィニティセン

サー 

生物学的分子が他の物質と特異的,可逆的な親和性を示す
性質を利用したセンサー。 

affinity sensor 

37003 

スペックルパター

ン(光) 

粗面でレーザ光が反射・屈折・透過などする際に,波面が
互いにランダムに干渉する結果として観察されるはん
(斑)状の干渉パターン。 

speckle pattern (laser)  

37004 

ホログラフィー 

光の干渉性を応用して物体からの波面を記録・再生する技
術。 

holography 

37005 

レーザ顕微鏡 

レーザ光を試料に照射しその透過波を画像化して表示す
る顕微鏡。 

laser microscopy 

37006 

レーザ透過照明 

試料にレーザ光を照射し,透過光を計測する手法。 

laser transillumination 

37007 

レーザドップラー

血流計 

血流によるレーザ光のドップラーシフトを利用した血流
計。 

laser Doppler blood- 

flowmetry 

37008 

回折計測 

試料に光を照射した際の回折パターンによる計測方法。 

diffraction measurement 

background image

47 

K3611-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

37009 

干渉計測 

試料に光を照射したときに生じる干渉パターンによる計
測方法。 

interference measurement 

37010 

吸収スペクトル 

原子や分子が低いエネルギー準位から高いエネルギー準
位へ移るときに吸収される電磁波のスペクトル。 

absorption spectrum 

37011 

蛍光・りん(燐)光

計測 

物質を光で励起した際に発生する光を利用した計測。 

fluorescence・

phosphorescence 
measurement 

37012 

光CT 

媒質の光透過特性を用いたCT技術。 

optical CT 

37013 

光ファイバ計測 

光ファイバを応用した計測。 

fiber optical measurement 

37014 

散乱計測 

試料の光散乱特性を応用した計測。 

scattering measurement 

37015 

赤外線計測 

赤外線を利用した計測。 

infrared measurement 

37016 

分光分析 

試料に光を照射した際の反射光や試料からの放射光のス
ペクトルによる分析法。 

spectrometry 

(3.8) 生体成分計測 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

38001 

DNAシークエンサ

ー 

DNAの塩基配列を自動的に解析する装置。 

DNA sequencer 

38002 

ISFET 

電界効果型トランジスタ (FET) のゲート部にイオン感応
膜を設け,ゲートと別個に設けた参照電極との間の電位差
から溶液のイオン濃度を検出する素子。 

備考 イオン感応性電界効果トランジスターともい

う。 

ion sensitive field effect 

transistor 

38003 

イオン選択性電極 

イオン選択感応膜をもつ電極で,参照電極との電位差から
イオン濃度の測定に用いられる電極。 

ion selective electrode 

38004 

グルコースセンサ

ー 

グルコースオキシダーゼなどを反応素子とするバイオセ
ンサーで,酵素作用によるグルコース酸化反応で消費され
る酸素又は過酸化水素の生成量を電流値の変化から計測
することによってぶどう糖濃度を定量する。 

glucose sensor 

38005 

ディスクリート方

式分析システム 

検体ごとに反応管を用い,検体・試薬の分注,呈色表示,
測定を行う方式の自動分析装置。 

discrete type analyzer 

38006 

ドライ方式分析シ

ステム 

乾燥状態の試薬などを体液中の水分によって溶解し,化学
反応させ生体内成分を測定する方式の分析装置。 

dry type analyzer 

38007 

ビリルビン測定装

置 

ビリルビンの吸光度とオキシヘモグロビンの吸光度から
総ビリルビン濃度を測定する装置。 

bilirubin meter 

38008 

プロテインシーク

エンサー 

たん白質の一次構造(アミノ酸配列順序)を自動的に決定
する装置。 

protein sequencer 

38009 

ラテックス凝集反

応測定装置 

免疫反応をラテックスの凝集として,比濁法(nephelometry
又はturbidimetry)で測定する装置。 

latex aggregation analyzer 

38010 

レーザネフェロメ

ーター 

免疫反応による抗原・抗体複合物を,レーザ光線の散乱 
(laser nephelometry) で測定する装置。 

laser nephelometer 

38011 

埋込型バイオセン

サー 

酵素などの生体関連物質固定化膜と信号交換素子からな
るバイオセンサーのうち,体内埋込み用として小形化,生
体適合性などが考慮されたバイオセンサー。 

in planted biosensor 

38012 

遠心方式分析シス

テム 

遠心力を利用して試薬と検体の混合・かくはん(撹拝)を
行い,反応経過を測定セルを回転しながら比色する自動分
析装置。 

centrifugal type analyzer 

38013 

化学・生物発光分析

法 

化学反応,生物反応によって生じる発光現象を利用して微
量物質を分析定量する方法。 

chemi-bioluminescence 

analysis 

background image

48 

K3611-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

38014 

化学修飾電極 

表面が共有結合,又は強い吸着によって,低分子,若しく
は高分子物質によって覆われた機能性をもつ電極。 

chemical modified 

electrode 

38015 

経皮的ガス(イオ

ン)モニター 

ガスセンサーを皮膚に密着させ,皮膚を加湿し,拡散して
きたガス濃度を測定することによって,体内ガス濃度を測
定する方法。 

skin-through gas (ion) 

monitor 

38016 

血液ガス測定装置 

血液中の酸素分圧力 (PO2) ,炭酸ガス分圧 (PCO2) ,pH
を電極を用いて測定する装置。 

blood gas analyzer 

38017 

血液凝固因子 

血液凝固に必要なたん白質や無機,有機化合物類。 

blood coagulation factor,  
blood clotting factor 

38018 

血しょう(漿)たん

白質 

血しょう(漿)中に存在するたん白質。 

plasma protein 

38019 

血小板凝集測定装

置 

血小板[多血小板血しょう(漿)]に凝集促進剤を添加し,
血小板の凝集経過を光学的に記録する装置。 

platelet aggregation 

analyzer 

38020 

血清コレステロー

ル 

血清中に存在するコレステロール。 

serum cholesterol 

38021 

血中無機物質 

血液中に存在する無機物質。 

blood inorganic 

substance,  

blood electrolyte 

38022 

顕微分光法 

細胞,組織の微小局所中の微量物質を顕微鏡と分光光度計
を組み合わせた装置で同定,定量する方法。 

micro-spectrophotometry 

38023 

酵素センサー 

酵素反応を利用して化学物質を計測するセンサーの総称,
固定化酵素膜及び酵素反応で生じた変化を電気信号に変
換するデバイスとから構成されるセンサー。 

enzyme sensor 

38024 

酵素免疫測定装置 

免疫反応を利用し,抗原又は抗体に酵素を標識し,対応す
る抗原又は抗体量を測定する装置。 

enzyme immunoassay 

system 

38025 

自動免疫分析装置 

免疫検査を自動分析する装置。 

automated immunology 

analyzer 

38026 

浸透圧計 

生体試料の浸透圧を凝固点降下又は蒸気圧降下から間接
的に測定する装置。 

osmometer 

38027 

生物電気化学セン

サー 

電気化学検出器を用いるバイオセンサーの総称で,生体関
連物質固定化膜と電気化学検出器から構成されるバイオ
センサー。 

bio-electrochemical 

sensor 

38028 

多項目血球計数装

置 

赤血球数,白血球数,血小板数,ヘモグロビン(血色素)
量,ヘマトクリット(赤血球容積)値を求める自動分析装
置。 

multichannel blood cell 

counter 

38029 

電解質分析装置 

電解質 (Na, K, Cl) の分析装置。 

electrolyte analyzer 

38030 

透析型分析法 

血液を還流し,人工透析を行った血液成分を試料として,
分析する方法。 

dialysis analysis 

38031 

尿素センサー 

尿素を特異的に検出測定するための酵素センサーで,尿素
を分解する酵素であるウレアーゼと電気化学検出素子に
よって構成された尿素を特異的に検出測定するための酵
素センサー。 

urea sensor 

38032 

尿中成分 

尿に含まれる種々の無機,有機及び代謝物質。 

urine component 

38033 

免疫センサー 

抗原(又は抗体)を検出するために,抗体(又は抗原)を
固定した膜と検出素子から構成されるバイオセンサー。 

immunological sensor 

38034 

連続流れ方式分析

装置 

測定項目ごとに検体・試薬がチューブ内を流れ,一定間隔
で気泡が隔壁となり混合コイル,反応部(除たん白,加熱,
恒温槽など)を通過した後に比色定量を行う自動分析装
置。 

continuous flow type 

analyzer 

background image

49 

K3611-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

38035 

白血球自動分析装

置 

白血球の形態を,大きさ,染色性を利用して光学的に分析
する装置。 

leukocyte defferential 

counter 

(3.9) 生体画像処理 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

39001 

三次元ディスプレ

イ 

三次元の物体を,人の目に三次元の物体として見えるよう
にする表示法。 

3D (3 dimensional) 

display 

39002 

PACS 

医用画像をディジタル化することによって,その保管,伝
送を電子的に効率よく行い,また,診断も電子的画像表示
媒体を利用して行うことを可能とするシステム。 

備考 日本語では,医用画像保管通信システムという。 

picture archiving and 

communication system 

39003 

Radon積分法 

Radon氏の開発した一次元投影から二次元像の再構成を行
う数学的手法。 

Radon's integral method 

39004 

アレイ・プロセッサ 格子状(アレイ状)にプロセッサを並べ,すべてのプロセ

ッサが休みなく並列演算するパイプライン方式を取り入
れた高速演算装置。 

array processor 

39005 

オーバレイ 

画像の一部に他の画像,文字などを重ねる表示法。 

overlay 

39006 

ガンマ補正 

映像系や表示系の光エネルギーの電子的又は化学的エネ
ルギーへの,若しくは,この逆の過程の変換特性を所定の
表示濃度特性に変える処理。 

gamma correction 

39007 

コントラスト増強 

画像の入力に対し出力を増強する方法。 

例 TVの入力信号に対し,出力の写真濃度を増強する

こと。 

contrast enhancement 

39008 

テレメディスン 

遠距離通信システムを利用して医用情報の送受信を行い,
遠隔地の患者の診断を可能にする技術。 

telemedicine 

39009 

テレラジオグラフ

ィー 

(1) X線の管球焦点とフィルム間距離を長くして撮影する

撮影法。 

(2) 放射線画像を送受信して遠隔地で行う画像診断法。 

teleradiography 

39010 

テレラジオロジー 

X線写真などの放射線画像データを送受信するための,遠
距離通信システム技術。 

teleradiology 

39011 

ディジタルフィル

ター 

時系列又は空間のディジタル量に対し,その周波数特性を
変えるためのデジタル値で構成したフィルター。 

digital filter 

39012 

フィルター補正逆

投影法 

多方向の一次元投影データにディジタルフィルター処理
を行った後,逆投影するCTの画像再構成法の一種。 

filtered backprojection 

39013 

モダリティ 

生体画像などを得るために使われる機種,方式。 

modality 

39014 

画質評価 

画像の特質を知るための評価。 

image evaluation 

39015 

画素 

ディジタル化された画像は行列として表現され,その個々
の要素は,画像の対応する点の信号強度を表す数値とな
る。この行列の各要素。 

備考 二次元はピクセル,三次元ではボクセルという。 

picture element 

39016 

画像データベース 

大量の,又は大規模な画像情報を効率よく蓄積・管理し,
その中から利用者が必要な情報を必要な形で抽出・利用す
ることのできる記録装置とデータの集合体。 

image database 

39017 

画像圧縮 

画像を保管又は伝送するための画像データ量の圧縮。 

image compression 

39018 

画像強調 

コントラストの強調,画像の鮮鋭度の向上などを目的とし
て画像に対して行う処理法。 

image enhancement 

39019 

画像再構成法 

一般に次元の低い画像データから次元の高い画像データ
に変換する方法。 

例 一次元画像から二次元画像に復元すること。 

image reconstruction 

39020 

画像処理 

画像情報に対して変換,認識,計測を行う手法。 

image procession 

background image

50 

K3611-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

39021 

解像度 

画像上で物体の見える細かさ。 

resolution 

39022 

階調 

ディジタル画像において,各画素の濃淡の程度を現す数
値。 

tone, 
gray level 

39023 

階調補正 

入力系によって画像を入力するとき,その系の性質によっ
て原画像と異なる特性の階調データを得るため,元の特性
に戻して見やすくするための手法。 

gray level correction 

39024 

輝度 

画像表示装置 (CRT) 上で画素の明るさ。 

brightness 

39025 

逆投影法 

多方向から取得されたデータを取得された方向に逆に割
り当てる方法。CTの画像再構成法の一種。 

back projection method 

39026 

空間周波数(処理) 対象の細かさを表す指標で単位距離当たりの周波数。 

spatial frequency 

(processing)  

39027 

高速フーリエ変換 

離散型フーリエ変換を高速に行う計算アルゴリズム。 

備考 FFTともいう。 

fast Fourier transform 

39028 

重畳積分再構成法 

投影データにある種のディジタルフィルターを重畳積分
した後,逆投影するCT画像再構成法の一種。 

convolution 

reconstruction method 

39029 

投影データ 

n次元の変数空間を加算して (n−1) 次元に圧縮したデー

タ。 

備考 CTの用語の一つ。 

projection data 

39030 

動態イメージ 

時間的に変動する画像情報。 

dynamic image 

39031 

特徴抽出 

画像の記述に当たり,区別するための要素を抽出する処
理。 

feature extraction 

39032 

濃度ヒストグラム 

ディジタル画像において画素の濃度値が同じ値の画素の
個数を濃度値を横軸にプロットした図。 

density histogram 

39033 

(空間)分解能 

画像の二つの点が識別できる最小の距離。 

備考 一般的には2個の変量が識別できる最小の値。 

 (spatial) resolution 

39034 

離散的コサイン変

換 

画像圧縮するためにコサイン行列を用いて行う離散直交
変換。 

備考 DCTともいう。 

discrete cosine transform 

39035 

離散的フーリエ変

換 

離散的な関数に対して行うフーリエ変換。 

備考 DFTともいう。 

discrete Fourier transform 

関連規格 JIS K 0211 分析化学用語(基礎部門) 

JIS K 0213 分析化学用語(電気化学部門) 

JIS K 0214 分析化学用語(クロマトグラフィー部門) 

JIS K 3600 バイオテクノロジー用語 

JIS K 3610 生体工学用語(生体化学部門) 

51 

K3611-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS K 3611 原案作成委員会本委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

鈴 木 周 一 

埼玉工業大学 

(副委員長) 

筏   義 人 

京都大学生体医療工学研究センター 

(委員) 

秋 山 純 一 

株式会社島津製作所 

阿 岸 鉄 三 

東京女子医科大学腎臓総合医療センター 

遠 藤   勲 

理化学研究所 

細 川 幹 雄 

工業技術院標準部 

香 川 靖 雄 

自治医科大学医学部 

川 瀬   晃 

セイコー電子工業株式会社 

菊 地 恒 男 

工業技術院電子技術総合研究所 

立 石 哲 也 

工業技術院機械技術研究所 

田 中 芳 雄 

製品安全協会 

永 村 寧 一 

工業技術院生命工学工業技術研究所 

馬 場 一 憲 

東京大学医学部 

(事務局) 

柴 田   雄 

財団法人日本規格協会 

生体材料工学分科会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

香 川 靖 雄 

自治医科大学医学部 

(主査) 

筏   義 人 

京都大学生体医療工学研究センター 

立 石 哲 也 

工業技術院機械技術研究所 

中 村 宣 男 

東京医科歯科大学医用器材研究所 

山 下 修 蔵 

テルモ株式会社 

(事務局) 

柴 田   雄 

財団法人日本規格協会 

生体機械工学分科会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

香 川 靖 雄 

自治医科大学医学部 

(主査) 

永 村 寧 一 

工業技術院生命工学工業技術研究所 

衣 笠   隆 

筑波大学医療技術短期大学部 

田 中   繁 

帝京大学医学部 

田 中 芳 雄 

製品安全協会 

谷 井 克 則 

工業技術院生命工学工業技術研究所 

橋 本 亮 一 

工業技術院生命工学工業技術研究所 

梅 田   章 

工業技術院計量研究所 

谷 江 和 雄 

工業技術院機械技術研究所 

藤 江 正 克 

株式会社日立製作所 

飯 倉 省 一 

株式会社東芝 

(事務局) 

柴 田   雄 

財団法人日本規格協会 

52 

K3611-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

生体計測工学分科会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

香 川 靖 雄 

自治医科大学医学部 

(主査) 

亀 井 裕 孟 

工業技術院電子技術総合研究所 

上 野 照 剛 

九州大学工学部 

馬 場 一 憲 

東京大学医学部 

中 鉢 憲 賢 

東北大学工学部 

小 谷   誠 

東京電機大学工学部 

古 幡   博 

東京慈恵会医科大学 

中 村 泰 治 

昭和大学薬学部 

賀 戸   久 

株式会社超伝導センサ研究所 

川 瀬   晃 

セイコー電子工業株式会社 

菊 地 恒 男 

工業技術院電子技術総合研究所 

矢 萩 勝 彦 

セイコー電子工業株式会社 

秋 山 純 一 

株式会社島津製作所 

田之上   司 

株式会社東芝 

山 根   巌 

株式会社日立メディコ 

(事務長) 

柴 田   雄 

財団法人日本規格協会