2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
K3611-1995
生体工学用語(生体システム部門)
Technical terms for biological engineering (biosystem)
1. 適用範囲 この規格は,生体工学分野で用いる用語のうち,生体材料工学,生体機械工学及び生体計
測工学部門で用いる主な用語について規定する。
2. 分類 用語の分類は,次による。
(1) 生体材料工学
(1.1) 素材
(a) 天然高分子
(b) 合成高分子
(c) セラミックス
(d) 金属
(1.2) 生体との相互作用
(a) 生体反応
(b) 生体適合性
(c) 生体分解吸収性
(1.3) 評価・試験方法
(a) 力学特性
(b) 表面特性(表面分析)
(c) 安全試験法
(1.4) 滅菌
(1.5) 応用
(a) 診断系
(b) 一般外科系
(c) 歯科・口こう(腔)外科系
(d) 整形外科系
(e) 眼科系
(f) 血管外科系
(g) 胸部外科系
(h) 形成外科系
(i) 脳神経外科系
(j) じん(腎)疾患系
(k) 代謝系
2
K3611-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(l) ドラッグデリバリーシステム系
(2) 生体機械工学
(2.1) 運動メカニズム
(2.2) リハビリテーション
(2.3) ロボット
(2.4) 感覚・その他
(3) 生体計測工学
(3.1) 生体電気計測
(3.2) 生体磁気計測
(3.3) 放射線計測
(3.4) 磁気共鳴計測
(3.5) 生体超音波計測
(3.6) 生体温熱計測
(3.7) 生体光計測
(3.8) 生体成分計測
(3.9) 生体画像処理
3. 用語及び定義 用語及び定義は,次のとおりとする。
なお,参考のために対応英語を示す。
(1) 生体材料工学
(1.1) 素材
(a) 天然高分子
番号
用語
定義
対応英語(参考)
11001
アテロコラーゲン
抗原性をもつテロペプチドを取り除いたコラーゲンで,バ
イオマテリアルの原料。
atelocollagen
11002
アルギン酸
褐藻類から抽出される酸性多糖類で,D−マンヌロン酸及
びL−グルクロン酸のβ-1,4結合からなる直鎖状天然高分
子。
備考 親水性ゲルとして利用される。
alginic acid
11003
エラスチン
動脈,けん(腱),皮膚などのような生体内の伸縮性に富
んだ組織に存在する架橋構造をもつたん白質。
elastin
11004
グッタペルカ
植物の分泌液であるグッタを精製して固化した天然のト
ランス−1,4−ポリイソプレン。
備考1. 根管充てん(填)材やプラスチック副木など
に利用される。
2. ガッタパーチャーともいう。
gutta-percha
11005
寒天
ガラクトースの1,3結合及び1,4結合(割合は9 : 1)か
らなるガラクターンを主成分とするヘミセルロースの一
種。
備考 親水ゲルとして使用される。
agar
11006
キチン
N−アセチル−D−グルコサミンのβ-1,4結合からなる直
鎖状天然高分子。
備考 創傷被覆などに利用される。
chitin
3
K3611-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
11007
キトサン
キチンのN−アセチル基を加水分解した,2−アミノ−D−
グルコースの繰返し単位からなる塩基性多糖。
備考 水不溶の親水性ゲルを作る。
chitosan
11008
絹
蚕の繭から作られる,主にフィブロインから構成される天
然繊維。
備考 縫いやすい手術糸として利用されている。
silk
11009
グリコサミノグリ
カン
アミノ糖とウロン酸(又はガラクトース)からなる二糖の
繰返し単位で構成された複合多糖。
備考 旧称,ムコ多糖(11025参照)。
glycosaminoglycan
11010
血清アルブミン
血しょう(漿)中に含まれる成分のうち,最も多い球状た
ん白質。
備考 生体材料に対しては不活性。
serum albumin
11011
コラーゲン
動物の結合組織を構成する最も主要な三重ら旋たん白質
で,細胞間物質の一つ。
備考 生体由来のバイオマテリアルとして広く用いら
れる。
collagen
11012
酢酸セルロース
セルロースのヒドロキシル基をアセチル化したセルロー
ス誘導体の一つ。
備考 血液透析,逆浸透膜,ろ(濾)過膜などに使わ
れる。
cellulose acetate
11013
生体高分子
たん白質,核酸,多糖などの天然高分子。
備考 遺伝,物質代謝などの生命を維持する機能をも
つ。
biopolymer
11014
セルロース
β−D−グルコースが1と4の位置で脱水縮合した多糖。
備考 植物体の細胞壁を構成している天然高分子の一
つであり,血液透析膜として広く利用されてい
る。
cellulose
11015
ゼラチン
高等動物の全たん白質の31を占めるコラーゲンの三重ら旋
構造が壊れた変性体。
gelatin
11016
生体由来材料
生体材料のうち,動物や人の生体から得られる材料。
tissue-derived biomaterial
11017
デキストラン
グルコース残基だけからなり,α−1,6結合の主鎖に,α
−1,3などで結合した分岐をもつ高分子量の多糖。
dextran
11018
天然高分子
天然に存在する,動物と植物を構成する有機高分子。
natural polymer,
naturally-occurring
polymer
11019
天然ゴム
へベア樹の樹皮の切口から採取した乳白色のラテックス
を少量のぎ酸で凝固させて乾燥したシスポリイソプレン
を主体とする混合物。
natural rubber
11020
でんぷん
約20%のアミロース(α−1,4−グルコシド結合重合体)
と約80%のアミロペクチン(α−1,4−,α−1,6−グル
コシド結合重合体)の混合物。
starch
11021
トロポコラーゲン
コラーゲン繊維を構成している基本のコラーゲン分子。
tropocollagen
11022
ヒアルロン酸
β−D−N−アセチルグルコサミンの3位とβ−D−グルクロ
ン酸の4位が交互に結合してできた直鎖状の多糖。
hyaluronic acid
11023
ヒドロキシエチル
デンプン
でんぷんの酸化エチレンによる水酸基のヒドロキシエチ
ル化によって得られるでんぷん誘導体。
hydroxyethyl starch
11024
ポリβ−ヒドロキシ
酪酸,
PHB
微生物が産生する3−ヒドロキシ酪酸重合体である生分解
性脂肪族ポリエステル。
poly β-hydroxybutyric
acid
4
K3611-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
11025
ムコ多糖
動物の粘性分泌物から得られるアミノ糖を含む複合多糖
の総称。
備考 グリコサミノグリカンの旧称(11009参照)。
mucopolysaccharide acid
(b) 合成高分子
番号
用語
定義
対応英語(参考)
11026
可塑剤
高分子に添加して塑性柔軟性を与え,加工性を改良する物
質。
備考 ポリ塩化ビニルを軟質にする2−エチルヘキシ
ンジフタレートが代表的。
plasticizer
11027
共重合体
2種類又はそれ以上の異なる単量体から構成された重合
体。
copolymer
11028
合成高分子
主鎖が主として共有結合でできている人工的に合成され
た分子量が約10 000以上の巨大分子。
synthetic polymer
11029
高分子複合体
ミクロにみて高分子を2種類以上含んでいる高分子多相系
であり,ブロック共重合体,グラフト共重合体及びポリマ
ーアロイの総称。
polymer alloy
11030
シリコーン
有機けい素,化合物シロキサンの高分子同族体。
備考 ゲル及びエラストマーとして医療に使用され
る。
silicone
11031
常温重合開始剤
分解の活性化エネルギーが小さく,常温でラジカルイオン
などの活性種を容易に発生でき,連鎖重合を開始できる化
合物。
room-temperature
initiator
11032
水溶性高分子
分子中に水と強く相互作用する極性基(イオン性基,ヒド
ロキシル基,アミノ基,アミド基,エーテル基など)を数
多く含み,水に溶解する高分子。
water-soluble polymer
11033
多相系高分子材料
2種類以上の高分子を混合又は結合した系において,通常
の電子顕微鏡レベルの大きさで相構造の発生が認められ
る材料。
multi-phase polymer
material
11034
炭素繊維
単体炭素を主体とする繊維状材料。
carbon fiber
11035
ポリアミド
主鎖にアミド結合 (-CONH-) をもつ重合体の総称。
polyamide
11036
軟質ポリ塩化ビニ
ル,
可塑化ポリ塩化ビ
ニル
ポリ塩化ビニルに可塑剤を配合し,柔軟材を付与したポリ
塩化ビニル。
plasticized polyvinyl
chloride
11037
熱可塑性エラスト
マー
加熱すると塑性変形しやすくなり,常温付近で弾性を示す
高分子。
thermoplastic elastomer
11038
ヒドロゲル
水を分散媒とするゲル。
備考 含水ソフトコンタクトレンズなどとして用いら
れている。
hydrogel
11039
高分子複合材料
有機又は無機金属系の粒状物,ウイスカー,繊維などの強
化材を高分子樹脂の母材で固めて複合化し,力学的・物理
的特性を向上させた材料。
polymer composite
11040
ポリ(4−メチルペ
ンテン−1)
プロピレンのダイマー,4−メチルペンテン−1−CH2=
CHCH2CH (CH3) CH3−の重合体。
備考 透明性が高くディスポーザブル医療用具の素材
に適する。
poly (4-methylpentene-1)
5
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
11041
ポリウレタン
ウレタン結合−NHCOO−を主鎖中にもつ弾性のある重合
体。
備考 血液透析器のポッティング材及び血液接触材料
として利用される。
polyurethane
11042
ポリエチレン
エチレンの重合体− [CH2CH2] n−。
polyethylene
11043
ポリエチレングリ
コール
エチレンオキシドの繰返し構造をもつ水溶性高分子。
備考 改質材の一種。
polyethylene glycol
11044
ポリエチレンテレ
フタレート
エチレングリコールとテレフタル酸との重縮合によって
得られる構造をもつポリエステル。
備考 人工血液などの材料。
polyethylene
terephthalate
11045
ポリカーボネート
ビスフェノール−Aとホスゲンの重縮合体で得られる炭酸
エステル基を主鎖にもつポリマー。
備考 透明であり,医療用具のハウジングに多用され
ている。
polycarbonate
11046
ポリグリコール酸
グリコール酸 (HOCH2COOH) の重縮合体の構造をもつ生
体吸収性の合成脂肪族ポリエステル。
備考 ポリグリコリド (polyglycolide) ともいう。
polyglycolic acid
11047
ポリスルホン
主鎖に−SO2−をもつ高分子の総称。
polysulfone
11048
ポリテトラフルオ
ロエチレン
テトラフルオロエチレンを重合して得られる高分子。
備考 生体安全性と耐久性が高いのでバイオマテリア
ルとして広く利用されている。
polytetrafluoro-ethylene
11049
ポリ乳酸
乳酸 [HOCH (CH3) C00H] の重縮合体。
備考 生体吸収性の合成脂肪族ポリエステル。
polylactic acid
11050
ポリビニルアルコ
ール
ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる親水性重合体 [−
CH2CH (OH) n] 。
polyvinyl alcohol
11051
ポリメタクリル酸2
−ヒドロキシエ
チ
メタクリル酸2−ヒドロキシエチルの重合によって得られ
る重合体。
備考 ソフトコンタクトレンズなどに利用されている
ヒドロゲル。
poly2-hydroxyethyl
methacrylate
11052
ポリラクチド
ポリ乳酸(11049)の項参照。
polylactide
11053
ミクロ相分離構造
分子内にミクロ的に不均質な構造をとる高分子。
備考 微視的には,同種の成分どうしが集合して相分
離し,形成されたドメインがモザイク状に入り
組んだ構造。
microphase-separated
structure
11054
2−シアノアクリレ
ート
2−シアノアクリル酸 [CH2=C (CN) COOH] のエステル。
備考1. 水分で重合が常温で開始されるので生体用瞬
間接着剤として,緊急避難的に使用されるこ
とがある。
2. α−シアノアクリレート (α-cyanoacrylate) と
もいう。
2-cyanoacrylate
11055
ポリスチレン
スチレンの重合体。
備考 細胞培養や臨床検査にも用いられ,熱可塑性,
透明性に富むはん(汎)用プラスチック。
polystyrene
11056
ポリホスファゼン
りん原子と窒素原子が交互にりん−窒素二重結合体で結
合した無機高分子化合物の総称。一般式は− (PR2=N) n-。
備考 生体吸収性の誘導体も合成されている。
polyphosphazene
11057
ポリプロピレン
プロピレンの重合体− [CH2CH (CH3) ] n-。
備考 注射筒,縫合糸,膜材料などに使用される。
polypropylene
11058
ポリメタクリル酸
メチル
メタクリル酸メチルエステルの重合体。
備考 眼科,歯科,整形外科,血液浄化に称される。
polymethyl methacrylate
6
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(c) セラミックス
番号
用語
定義
対応英語(参考)
11059
アルミナ
Al2O3の化学組成をもつアルミニウム酸化物。
備考 硬組織代替材料に使用される。
alumina
11060
ウォラストナイト
CaSiO3の化学組成をもつ三斜晶系,空間群PTのけい酸カ
ルシウム。
備考 日本名は,けい灰石。
wollastonite
11061
結晶化ガラス
ガラスを適当な温度で再加熱してガラス中に微細な結晶
を析出させたガラスと結晶の複合体。
glass ceramics
11062
コーティング材料
生体適合性を高めるために基材の表面を被覆するために
用いる材料。
備考 抗血栓性や骨接着性を改善する材料。
coating material
11063
ジルコニア
ジルコニウムの酸化物 (ZrO2) 。
備考 安定化ジルコニアは高じん(靱)性をもち,従
来のセラミックスの欠点を補い,構造物に用い
られる。
zirconia
11064
生体活性セラミッ
クス
骨内に埋入するとセラミックス表面に骨の無機質と同じ
ヒドロキシアパタイトの膜を形成し,この膜を介して骨と
化学的に直接結合できるセラミックス。
bioactive ceramics
11065
生体不活性セラミ
ックス
生体内で化学的に安定で溶出物をもたないが,骨とは化学
的に結合しないセラミックス。
bioinert ceramics
11066
バイオガラス
Na2O-CaO−P2O5-CaF2-B2O3-SiO2系のガラスで,骨と直接化
学結合する組成範囲をもつガラス。
参考 1969年に米国のL. L. Henchが開発し,命名した。
bioglass
11067
バイオセラミック
ス
(1) 人体に埋入して生体機能の回復や増強をはかるために
用いられるセラミックス。
(2) 酵素固定化,細菌・ウィルス分離,生化学反応触媒な
どに用いられるバイオテクノロジーセラミックス。
備考 普通は(1)の意味で用いられる。
bioceramics
11068
パイロライトカー
ボン
メタン,プロパン,ベンゼンなどの炭化水素を700〜2 000℃
で熱分解して得られる炭素材料。熱分解炭素ともいう。
pyrolytic carbon
11069
ヒドロキシアパタ
イト
Ca10 (PO4) 6 (OH) 2の化学組成をもつ結晶。
備考1. 天然の骨や歯の無機質成分とほぼ同じ生体活
性セラミックスの一種。
2. HAともいう。
hydroxyapatite
11070
りん酸三カルシウ
ム
Ca3 (PO4) 2の化学組成をもつりん酸カルシウム。
備考1. 低温からβ,α,α'の三つの相があり,転移温
度はβ →
←
α1 120〜1 180℃,α →
←
α'1 470℃で
ある。
2. TCPともいう。
tricalcium phosphate
(d) 金属
番号
用語
定義
対応英語(参考)
11071
金属材料
電気と熱をよく導き,固体状態では展性や延性に富む物
質。
備考 主に硬組織代替材料として使用される。
metallic material
11072
形状記憶合金
温度変化によって結晶構造が双晶マルテンサイト変態を
起こすことで形状記憶効果を示す合金。
shape-memory alloy
11073
骨固定材
骨折の治療に用いる金属製の板,髄こう(腔)内に挿入す
るくぎ(釘),ロッド及びワイヤ。
bone fixation material
7
K3611-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
11074
Co-Cr-Mo合金
Co-Cr-Moを主成分とする合金。
備考 その鋳造体はバイタリウムとして知られ,耐食
性,耐摩耗性に優れた人体埋入用材料。
Co-Cr-Mo alloy
11075
ステンレス鋼
耐食性を向上させる目的で,クロム又はクロムとニッケル
を含有させた合金鋼。
備考 人体埋入用材料などに用いられる。
stainless steel
11076
多孔性金属
骨との結合性を改善するために表面に空孔を分布させた
人体埋入用金属材料。
porous metal
11077
Ti−6Al−4V合金
表面に酸化不動態膜を形成し,耐食性,強度,生体適合性
などに優れたチタン合金。
Ti-6Al-4V alloy
(1.2) 生体との相互作用
(a) 生体反応
番号
用語
定義
対応英語(参考)
12001
アレルギー
ある抗原に感作されている生体に,もう一度その抗原が侵
入した場合に過敏な免疫反応が起こる状態。
allergy
12002
アンチトロンビン
III
血液中に含まれているトロンビンを不活性化するたん白
質。
antithrombin III
12003
異物巨細胞
組織中に異物が介在する場合,これを囲んで異物性炎症が
起こるが,その際に異物周囲に形成されるマクロファージ
の融合した多核巨細胞。
foreign-body giant cell
12004
異物反応
液化も分解も困難な異物に対する炎症反応。
例 周囲からの肉芽組織によって異物が被包化される
ような反応。
foreign-body reaction
12005
ウロキナーゼ
フィブリン溶解酵素の前駆酵素であるプラスミノーゲン
を活性型のプラスミンに転化する酵素。
urokinase
12006
エリスロポエチン
赤血球系細胞の産生を増加させる作用をもつ糖たん白質
性の造血促進因子。
erythropoietin
12007
炎症反応
生体組織が有害な刺激を受けた場合に,これに続いてその
局所に引き起こされる一連の間葉組織の防衛反応。
備考 持続期間によって急性と慢性に区別される。
inflammatory reaction
12008
化学走化性因子
白血球を炎症反応局所へ走化させるための誘導因子。
例 免疫グロブリンのFc部分の分解産物,補体のC3a
又はC5aフラグメント。
chemotactic factor
12009
活性酸素
酸素分子から生成する反応性の高い分子やイオン。
備考 体細胞や細菌を破壊する。
例 スーパーオキシドラジカル (・O2-) ,スーパーオ
キシド (O2-) ,一重項酸素,過酸化水素。
active oxygen
12010
カプセル化
生体内に生じた,又は外部から侵入した吸収されにくい異
物の周囲に形成された肉芽組織がはんこん(痕)化し,異
物がその硬い結合組織の被膜で包まれる生体反応。
備考 被包化ともいう。
encapsulation
12011
カリクレイン
炎症における化学伝達因子の一つでキニン類に属し,キニ
ノーゲンに働いて,これをキニンに変えるエステラーゼ。
kallikrein
12012
感染
微生物が生体内に侵入して増殖しうる状態。
infection
12013
血液凝固
血液がゼラチン状に固まる現象。外傷による血液の流出を
防止する反応。
blood coagulation
12014
血液凝固系因子
血しょう(漿)中に主として存在し,血液凝固に必要な因
子。
blood coagulation factor
8
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
12015
血しょう(漿)たん
白質
血液に含まれる水溶性たん白質。
例 アルブミン,グロブリン,フィブリノーゲンなど。
plasma protein
12016
血小板
血液凝固に関係し,血液を構成する直径2〜4μmの無核の
細胞。
platelet
12017
血小板凝集
活性化血小板の膜糖たん白を介する凝集。
platelet aggregation
12018
好中球
末しょう(梢)血中に最も多い骨髄系細胞で,多葉の核を
もち,活発などん(貧)食殺菌作用をもつ白血球。
neutrophil
12019
高分子キニノーゲ
ン
生理活性ペプチドであるブラジキニンの前駆体で,血しょ
う(漿)中に存在するもう一種のキニノーゲン(低分子キ
ニノーゲン)とともに,血しょう(漿)や組織に存在する
カリクレインの基質として機能する分子量8〜10万の糖た
ん白質。
macromolecular
kininogen
12020
細胞外基質
生体組織内にある細胞間を満たすコラーゲンやプロテオ
グリカンなどの総称。
extracellular matrix
12021
細胞培養
組織や器官を構成している細胞をばらばらの状態にして
行う培養。
cell culture
12022
上皮細胞
上皮組織を構成している細胞間隔の狭い細胞。
epithelial cell
12023
食作用
細胞がエンドサイトーシス(細胞膜の形態的変化による内
向きの輸送作用)によって直径約1μm以上の粒子を細胞内
に取り込む活動。
phagocytosis
12024
石灰化
血液中に溶解しているカルシウムイオンが生体内に埋入
され材料表面に沈着する現象。
calcification
12025
繊維芽細胞
動物のほとんどすべての臓器の実質細胞の間を埋める間
葉系由来のコラーゲン分泌細胞。
fibroblast
12026
線溶系
血管内に形成された血栓を溶解して除去するプラスミン
などの酵素系。
fibrinolysis system
12027
創傷治癒
外傷などによって器官や組織の表面が破壊された後,生体
反応によって元の組織に修復される現象。
wound healing
12028
組織因子
組織トロンボプラスチン,トロンボプラスチン
(Thrombo-plastin),第III因子ともいわれている血液凝固促
進物質。
tissue factor
12029
ダウングロウス
異物を上皮組織内に,それが組織外に通じるように埋入し
た際,上皮組織が異物表面に沿って組織内部方向へ成長す
る現象。
down-growth
12030
多形核白血球
成熟した白血球では,いずれも核が分葉して多形核となる
が,その中で,特に核の形の多様性な好中球。
polymorphonuclear
leukocyte
12031
単球
血液中を遊走する直径約10μmの大形の運動性のアメーバ
様どん(貧)食細胞。広い細胞質と多数のリソソームと特
徴のある腎臓型の核をもつマクロファージの先駆細胞。
monocyte
12032
たん白質吸着
材料が血液などの体液と接触したときに,速やかに起こる
材料に対する生体反応の第一段階。
protein adsorption
12033
トランスグルタミ
ナーゼ
ペプチド中のグルタミル残基のγ−カルボキサミド基をア
シル供与体とし,種々の1級アミノ基を受容体とするアシ
ル転移反応を触媒する,主として血しょう(漿)中に含ま
れる酵素。
transglutaminase
12034
トロンビン
フィブリノーゲンに働いてフィブリンに転化させる作用
をもつ酵素。
thrombin
12035
トロンボキサンA
血小板内で,アラキドン酸から,プロスタグランジンG,
プロスタグランジンHを経由して生合成され,血小板凝集
を起こさせる生理活性物質。
thromboxane A
9
K3611-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
12036
肉芽形成
創傷治癒の過程における比較的未分化な,主として繊維芽
細胞と毛細血管からなる結合組織の形成。
granulation
12037
ハ−ゲマン因子
第XII因子ともいわれ,内因系の血液凝固の引き金となる
接触因子。
Hageman factor
12038
白血球
ほ(哺)乳類の血液有形成分の中の赤血球,血小板以外の
血液細胞。好中球,好酸球,好塩基球,リンパ球及び単球
からなる。
leukocyte
12039
はんこん(痕)組織 組織の修復過程において,盛んに増殖しつつある若い組織
が時間とともに細胞間にコラーゲン繊維を形成した肉芽
性の結合組織。
scar tissue
12040
肥厚化
生体材料などの異物に接触した生体組織が,細胞数を増加
させて正常値よりも厚くなる現象。
hyperplasia
12041
フィブリノーゲン
血液凝固系の最終段階に位置する凝固因子。第I因子,繊
維素原ともいわれる糖たん白質。
備考 ヒト血しょう(漿)中には,0.2〜0.3g/dl程度含
まれる。
fibrinogen
12042
フィブリン
血液凝固に関与する三次元たん白質の一種で,繊維素とも
いう。フィブリノーゲンがトロンビンの作用を受けて,フ
ィブリノペプチドAとBを脱離した残余のたん白質(単量
体)を構成単位とする重合体。
fibrin
12043
フィブロネクチン
動物の細胞表面,結合組織,血液中などに存在し,サブユ
ニットの分子量が約25万の細胞接着性糖たん白質。
fibronectin
12044
プラスミノーゲン
アクチベーター
不活性のプラスミノーゲンを活性化させてプラスミンに
変える作用をもつ線溶系酵素の一種。
plasminogen activator
12045
プラスミン
血しょう(漿)中に存在するフィブリンの分解酵素。
備考 フィブリノリジン,血清トリプターゼともいう。
plasmin
12046
プロスタグランジ
ン
アラキドン酸などのエイコサポリエン酸から生体内で生
合成される,血栓生成やその防止にも関与する生理活性物
質。
prostaglandin
12047
プロスタサイクリ
ン
プロスタグランジンI2ともいわれ,アラキドン酸から細胞
内で生合成される,強い抗血小板凝集活性を示すプロスタ
グランジン。
prostacyclin
12048
プロテインC
ビタミンKに結合した糖たん白質で,肝臓で合成され,血
液中に存在する血液凝固阻止因子。
protein C
12049
平滑筋細胞
平滑筋を作っている紡錘形の細胞。
備考 血管壁中にも存在し,また,人工血管の内膜肥
厚にも関与している。
smooth muscle cell
12050
ヘモグロビン
すべての血液に含まれる酸素の運搬用のグロビンとヘム
からなる色素たん白質。
hemoglobin
12051
補体
血液中に存在し,易熱変性で免疫複合体に非特異的に反応
する12種類の血清たん白質の総称。
備考 血液に接触する生体材料によっても活性化され
る。
complement
12052
骨形成たん白質
未分化間葉系細胞を軟骨細胞へ誘導し,骨組織を形成する
活性をもつたん白質。
備考 BMPともいう。
bone morphogenetic
protein
12053
マクロファージ
酵素を多量にもち,異物をどん(貧)食する生体防衛機能
をもつ,直径15〜20μmの単核細胞。
備考1. 偽足を出して運動する。
2. 大食細胞ともいう。
macrophage
10
K3611-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
12054
免疫調節剤
動物の免疫応答能力を調節する細胞や植物由来の免疫細
胞系活性化物質とか白血球を刺激するインターロイキン
や合成薬剤などの総称。
備考 免疫賦活剤ともいう。
immunomodulator
12055
レセプター
細胞に存在し,外からの刺激を認識して,伝達するたん白
質。糖鎖を含んだり,糖脂質の場合もある。
備考 受容体ともいう。
receptor
(b) 生体適合性
番号
用語
定義
対応英語 (参考)
12056
医療材料
医療目的に使用される天然及び人工材料の総称。
biomedical material
12057
界面的適合性
生体と材料とが接触したときに生じる界面に関連した生
体適合性。
interfacial
biocompatibility
12058
グラフト重合
重合を開始する活性点を高分子Aに作り,そこからAとは
異なる高分子Bに成長していくような単量体の重合。
graft polymerization
12059
抗血栓性
血液と接触した生体材料表面上に血栓が全く生成しない
という性質。
antithrombogenicity
12060
歯質接着性
人工材料と歯質とが強く,分子レベルの接着によって接合
する性質。
teeth bondability
12061
人工臓器
人の臓器を代替する人工物。
artificial organ
12062
人工組織
生体組織の人工的代替物。
artificial tissue
12063
臓器移植
同じ個体又は他の個体からとられた臓器の人への移植。
organ transplantation
12064
生体材料
生きた生体組織に直接的に接触して利用される医用材料。 biomaterial
12065
生体適合性,
生体親和性
長期間にわたって生体に悪影響も強い刺激も与えず,本来
の機能を果たしながら生体と共存できる材料の属性。
biocompatibility
12066
生体反応
外来刺激に対して生物が応答する現象。どう(瞳)孔反射,
脈拍,心音など生きていることを示す生体の反応をいう場
合もある。
biological reaction
12067
組織接着性
生体材料が生体組織とミクロ的にも強く接合する性質。
備考 硬組織接着性と軟組織接着性とがある。
tissue bondability
12068
軟組織接着性
筋肉,皮膚,血管などの軟組織に対する接着性。生体の異
物認識能への対策,コンプライアンスとの整合性など難し
い問題を含む。
adhesive to soft tissue
12069
非異物性表面
生体組織に接触したときに異物反応を非常に引き起こし
にくい材料表面。
mininum foreign surface
12070
非刺激性表面
生体を物理的にも化学的にも強く刺激しないような材料
表面。
non-stimulative surface
12071
不織布
織布を構成する繊維を接着剤でお互いを固着させた織布。 non-woven fabric
12072
表面修飾
生体材料に限らず,材料表面をその使用目的によってよく
合致するように改良する方法。
surface modification
12073
骨結合性材料
骨伝導性をもつか,又は骨を積極的に誘導することが可能
な生体適合性材料。
osteoconnective material
12074
骨組織接着性
人工関節や人工骨などの材料が生体の骨組織と強く接合
する性質。
bone bondability
12075
力学的適合性
特に大きな荷重のかかる部位に使用される生体材料に要
求される生体適合性の一種。
備考 機械的適合性ともいう。
mechanical
biocompatibility
11
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(c) 生体分解吸収性
番号
用語
定義
対応英語(参考)
12076
生体吸収性高分子
生体内に高分子材料を埋植したときに,生体環境下で分解
され,終末産物が生体の代謝系に組み込まれる可能性のあ
る高分子材料。
bioabsorbable polymer
12077
吸収性縫合糸,
生体吸収性縫合糸
生体内で酵素的,又は非酵素的に加水分解を受けて分解吸
収される手術用縫合糸。
bioabsorbable suture
12078
生体吸収性外科用
材料
生体器官の多くは自己修復能力を有するため,生体組織の
損傷が回復するまでの一定期間の手助けだけで,組織の治
癒後は速やかに吸収される外科用材料。
bioabsorbable surgical
material
12079
生分解性
生体や微生物のもつ生理活性物質によって初めて材料が
加水分解される性質。
biodegradable
12080
生分解性高分子
自然界の土壌中や海水中に生存する微生物や生体酵素に
よって比較的容易に分解され,その分解生成物が生体系に
無害である高分子材料。
biodegradable polymer
(1.3) 評価・試験方法
(a) 力学特性
番号
用語
定義
対応英語(参考)
13001
応力集中
材料中のき裂などの欠陥部分や断面が急激に変化する箇
所に周辺部に比べ非常に大きな応力が生じる現象。
stress concentration
13002
硬さ
2種の物質による相互の塑性変形に対する抵抗を主とする
種々の機械的性質を含んだ材料の強さを便宜的に表す物
理量。
hardness
13003
ぜい(脆)性
材料が破壊するとき,破壊に至るまでに生じる塑性流動が
小さい性質。
brittleness
13004
切欠き効果
物体の表面に切欠きがあるとき,外力を受けた際に,その
部分に応力集中が起こり,容易に破壊すること。
notch effect
13005
クリープ
物体に外力を加えて一定の応力に保持するとき,ひずみが
時間とともに増加していく現象。
creep
13006
クリープコンプラ
イアンス
クリープにおいて,一定の応力σ0を加えてから経過した時
をt,そのときのひずみをε (t) とし,ε (t) =J (t) σ0とおい
た場合のJ (t) 。
creep compliance
13007
クリープ破断
一定の応力の作用下で生じる低速度の変形過程中で発生
する破壊。
creep rupture
13008
グリフィスの条件
弾性体内のき裂の伝ぱ(播)に関する条件。
備考 物体の自由エネルギーの減少によって起こる。
物体の弾性率をE,表面エネルギーをγs,き裂長
さをcとするとき,グリフィスの破壊条件は,
c
Es
F
π
γ
σ
/
2
=
で与えられる。
Griffith's fracture
criterion
13009
コンプライアンス
弾性率の逆数。
compliance
13010
シミュレーター試
験
用具を実際の使用状態にできるだけ近い条件で行う実働
負荷試験
例 人工関節などの試験。
simulator test
13011
衝撃荷重
落下,衝突などに際して,物体に急激に加えられる荷重。 impact load
13012
じん(靱)性
応力−ひずみ曲線において破壊に至るまでに外力のなす
仕事。
toughness
13013
せん断弾性率
物体にせん断応力σが作用して,単純せん断γを生じるとき
のσ/γ。
shear modulus
13014
せん断破壊
破壊面に平行に原子結合が切れるとき,すなわち,せん断
によって起こる破壊。
shear fracture
12
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
13015
組織結合強度
生体組織中に埋入された医用材料と母地としての組織と
の結合の強さ。
tissue binding strength
13016
耐衝撃性
衝撃的な荷重が作用した場合,それを吸収分散させ,破壊
を防止する材料の特性。
impact load carrying
capacity
13017
耐食性
生体内環境下で腐食しにくい性質。
corrosion resistance
13018
耐疲労性
繰返し荷重が材料に作用すると,静的強度によって低い応
力で材料が破壊する。このような現象が起こりにくい特
性。
fatigue resistance
13019
耐腐食疲労性
腐食と疲労の相乗効果に耐える性質。
corrosion fatigue
resistance
13020
耐摩耗性
ある材料が他の材料と接触してこすられるときの摩擦に
よって損耗しにくい特性。
wear resistance
13021
弾性
物体に外力を加えたとき,外力の強さに比例して変形が生
じ,外力を除去すると元の状態に復帰する性質。
elasticity
13022
弾性限度
応力がある限界値を超えると,外力を除いてもひずみの一
部は残留して永久ひずみとなるが,このときの限界応力。
elastic limit
13023
緩和
物体に外力を加え,ある変形状態に保持するとき,物体内
の反力が時間とともに減衰する性質。
relaxation
13024
緩和弾性率
粘弾性体に時刻t=0で一定のひずみγ0を与えて応力緩和を
測定するとき,時刻tにおける応力σ (t) とγ0の比σ (t) /γ0。
relaxation modulus
13025
遅延弾性
ある種の弾性体に一定の応力を加えても,ひずみが時間と
ともに増加し,また,除荷した場合にひずみが回復するの
に時間を要するような弾性。
delayed elasticity
13026
破壊じん(靱)性
固体中をき裂が伝ぱ(播)しにくい性質。
備考 き裂先端で消費されるエネルギーが大きく,き
裂先端の局部変形(塑性変形)能力の高い材料
は破壊じん(靱)性が高い。
fracture toughness
13027
表面粗さ
材料の表面が滑らかにできている程度を表す表示方法。
surface roughness
13028
疲労
材料に応力を繰り返して多数回作用させたときに,小さな
応力で起こる破損過程。
fatigue
13029
疲労限
ある限界値以下の応力を無限回繰り返し加えても破壊が
起こらないときの限界値。
fatigue limit
13030
摩擦係数
二物体が滑り運動するとき,接触面の摩擦力と面に直角に
作用する圧力の比。
coefficient of friction
13031
劣化
材料が熱,光その他の環境からの作用によって物理化学的
変化を起こし,構造的性質が低下する現象。
degradation
(b) 表面特性(表面分析)
番号
用語
定義
対応英語(参考)
13032
ATR-IR
材料表面の定性分析に用いられる赤外反射スペクトルの
一種。
attenuated total reflection
infrared spectroscopy
13033
X線光電子分光法
試料に単色X線束を照射し,そのときに放出される光電子
の運動エネルギーを測定することによって,表面を構成す
る原子や分子の種類を決定する,表面分析のための電子分
光法。
X-ray photoelectron
spectroscopy
13034
X線マイクロアナ
ライザー
細く絞った電子線を固体試料に照射し,試料から発生する
特性X線の波長と強度を検出することによって,元素の種
類,分布及び量を決定する分析法。
X-ray micro analyzer
13035
走査型電子顕微鏡
電子線を走査させ,2次電子像又は反射電子像を観察する
装置。
scanning electron
microscope
13
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(c) 安全試験法
番号
用語
定義
対応英語(参考)
13036
亜急性毒性試験
検体を一定期間連続して投与する試験のうち,短期の毒性
を評価する試験。
subacute toxicity test
13037
安全性試験
医療用具が使用された場合に,被使用者に対して健康を脅
かす可能性の有無を評価する試験。
safety test
13038
埋込み試験
材料を筋肉内に移植した際の短期の組織毒性の試験。
implantation test
13039
急性毒性試験
生体に与えられた検体が短期間の毒性を評価する試験。
acute toxicity test
13040
吸着材
ガスや液体分子を取り込む材料。
備考 血液中の毒性物質を治療のために吸着除去する
ときに使う。
adsorbent
13041
抗原性
抗原抗体反応などの免疫応答を誘起する性質。
antigenicity
13042
発がん性試験
生物に悪性しゅよう(腫瘍)を作る能力を調べる試験。
carcinogenicity test
13043
発熱物質試験
静脈内に投与された際に発熱性物質の存在を検査する試
験。
例 医療品の不純物質や医療用具の汚染物質の試験。
pyrogen test
13044
皮下反応
溶出液を皮下注射すると,細胞毒性を示す物質が一定濃度
以上含まれていると,その箇所に浮しゅ(腫)や紅はん(斑)
などの組織変化が現れる現象。
subcutaneous reaction
13045
皮膚試験
皮膚に接触させて使用する医療用具に対して皮膚での接
触感作性を評価する試験。
skin test
13046
無菌試験
生きた細菌や真菌の有無を培養法によって検索する試験。 sterility test
13047
変異原性
自然突然変異が起こる確率よりもこれを高める効力をも
つ物理的,化学的性質。
備考 発がん(癌)性と関係がある。
mutagenicity
13048
溶血性試験
材料又は材料溶出液とうさぎの脱線維素血とを接触させ
たとき,赤血球に損傷を与え,ヘモグロビンが溶液中に遊
離してくるか否かの試験。
hemolysis test
13049
溶出物試験
材料,器具類から溶け出す物質の種類,量やその速度を調
べる試験。医療用具及びその素材の安全性を調べる基本的
試験。
extraction test
(1.4) 滅菌
番号
用語
定義
対応英語(参考)
14001
エチレンオキシド
化学式C2H4Oで表される三員環のエーテルで,常温で無色
可燃性ガス(沸点10.7℃)。
備考 水,アルコール,エーテルに溶け,眼や粘膜に
対して強い刺激性があり,滅菌試薬に使われる。
ethylene oxide
14002
エチレンオキシド
滅菌
エチレンオキシドガスを用いる滅菌。
ethylene oxide
sterilization
14003
高圧蒸気滅菌
水蒸気の圧力,熱,湿度を利用して滅菌する方法。
high pressure steam
sterilization
(autoclaved
sterilization)
14004
放射線滅菌
γ線,電子線などの電離性放射線を用いる滅菌。
radiation sterilization
(1.5) 応用
(a) 診断系
番号
用語
定義
対応英語(参考)
15001
固定化酵素
担体に結合,包括,又は架橋法で固定化され,安定性を増
した連続反復使用可能な酵素。
immobilized enzyme
14
K3611-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
15002
バイオリアクター
酵素,菌体,細胞,オルガネラなどの生体触媒による生化
学的反応を利用して,有用物質の生産,エネルギーの発生,
環境汚染物質の分解などに応用する反応器。
bioreactor
15003
酵素電極
反応素子としての酵素を適当な高分子膜中に包括固定化
し,これを隔膜電極上に装着させて得られる膜センサー用
電極。
enzymatic electrode
15004
酵素免疫測定法
抗原抗体反応を利用して,抗原又は抗体固定化膜と電気化
学デバイスとの組合せからなる免疫センサーに酵素免疫
分析法の原理を導入し,微量の抗体又は抗原,ホルモン,
薬物などを計測するシステム。
enzymatic immunoassay
15005
除たん白剤
天然物試料の特定成分の定性又は定量分析を行う際に混
在するたん白質をあらかじめ除去しておくために用いる
薬品。
deproteinizing agent
15006
診断用ラテックス
免疫学的凝集検査法によって,血清,血しょう(漿),尿
などの体液又は細胞の診断に使用される普通1μm以下の
微粉子。
latex for diagnosis
15007
バイオセンサー
触媒機能や分子識別機能をもつ酵素,たん白質,オルガネ
ラ,微生物及び細胞組織を反応素子とするバイオリアクタ
ーと物理学的デバイスとを組み合わせ,最終的に電気信号
に変換して特定の化学物質を選択的に計測する装置。
biosensor
(b) 一般外科系
番号
用語
定義
対応英語(参考)
15008
カットグット
羊,牛,馬,豚などの小腸粘膜の外層を縦に裂いた切片を
加工した吸収性縫合糸。腸線ともいう。
catgut
15009
カテーテル
体こう(腔),又は空洞性臓器へ挿入するための柔軟性が
ある有孔管。
catheter (tube, cannule)
15010
完全置換型人工臓
器
大きさ,形状,存在する位置などを問わず,荒廃又は切除
された臓器の機能を完全に代行する人工的装置。
total replacement
artificial organ
15011
経皮デバイス
人体を切開することなく,皮膚を通して治療又は診断を行
う器具。
percutaneous device
15012
外科用接着剤
外科領域において生体軟組織の接合に使用される接着剤。 surgical adhesive
15013
(体外循環)血液回
路
人工心肺,人工腎臓などを通る体外血液循環に用いるプラ
スチックチューブからなる回路。
(extracorporeal) circuit
15014
血液バッグ
輸血用血液の採取・分画・保存に用いられる可とう性のプ
ラスチック製で袋状の容器。
blood bag
15015
血管カテーテル
血管造影,血管内圧測定,モニター,投薬などの目的で血
管内に挿入されるカテーテル。
vessel catheter
15016
抗血液凝固剤
血液凝固を阻止する作用をもつ薬剤の総称。
備考 血栓・閉そく(塞)症の予防又は血栓・閉そく
(塞)の成長の阻止を目的として使用される。
ヘパリンがその代表格。
anticoagulant agent
15017
止血材
創面に直接付着させて物理的ないしは化学的に血液凝固
を助け,出血を止める材料。
備考 一定時間後,体内で溶け,吸収されるスポンジ
又はガーゼ状のものが多い。
hemostatic material
15018
手術用材料
外科手術に用いられる材料。
material for surgical
operation
15
K3611-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
15019
自動縫合用材料
手縫いではなく,自動的に縫合する器具に用いられる材
料。
例 金属製と吸収性の材料がある。
autosuturing material
15020
注射器
注射針とこれに連続して薬液を入れる容器と注射筒とか
ら成る,体内に薬液を注入する器具。
injector; syringe
15021
中心静脈圧モニタ
ーカテーテル
中心静脈圧を測定するために大静脈中に挿入されるカテ
ーテル。
central venous pressure
monitor catheter
15022
中心静脈栄養カテ
ーテル
高カロリー輸液に用いられる中心静脈用カテーテル。
intravenous
hyperalimentation
(IVH) catheter
15023
ディスポーザブル
医療製品用具
疾病の診断,治療又は予防に使用され,1回の使用だけで
捨てられる滅菌済み製品。
disposable medical
product
15024
フィブリンのり
(糊)
手術や外傷によって生じた損傷組織を接合する際に使用
され,フィブリン塊の生成によって創傷部を接着する生体
用の創縁接着剤。
fibrin adhesive (s)
15025
ヘパリン
D−グルコサミン,D−グルクロン酸,L−イズロン酸などか
らなる抗血液凝固作用と脂血清澄作用をもつアニオン性
多糖。
heparin
15026
神経誘導チャンネ
ル
断絶した神経末端が他の神経末端に向かって成長しやす
いように誘導する管状材料。
nerve guide channel
15027
縫合糸
傷口や外科の切開部を閉じるために用いる動植物由来又
は合成の線維から作られた細い糸。
suture ; thread
15028
滅菌
病原菌,非病原菌を問わず,すべての種類の微生物を殺滅
し微生物が全く存在しない状態を得るための方法。
sterilization
15029
輸液セット
輸液剤を輸液容器から静脈内に注入(点滴)する際に用い
る器具。
infusion set
15030
輸液バッグ
輸液として用いられる注射剤に使用する,内容500ml以上
の軟質のプラスチック製容器。
infusion solution bag
15031
癒着防止材
接着防止剤や抗凝固剤を使用せずにそれ自体で生体内の
組織間に癒着を生じさせない材料。
antiadhesive material
(non-adhesive)
15032
血液フィルター
血液浄化,輸血又は血液製剤調製に際し,血液中に存在す
る白血球や凝集塊を除去する目的で用いられるフィルタ
ー。
blood filter
15033
血液ポンプ
血液を変性,破壊及び汚染させることなく,かん(灌)流
させる能力をもつポンプ。
blood pump
15034
血球分離
全血からある血球成分を分離除去し,他の血球成分及び血
しょう(漿)を体内に返却すること。
cytapheresis
15035
ネラトンカテーテ
ル
胸こう(腔),腹こう(腔)などの排液の誘導や導尿に用い
られる軟質ゴム製カテーテル。
Nélaton's catheter
15036
ハイブリッド型人
工臓器
物質産生能のように人工材料だけでは構築が難しい機能
については生体の要素を活用して作り上げた人工臓器。
hybrid artificial organs
(c) 歯科・口こう(腔)外科系
番号
用語
定義
対応英語(参考)
15037
印象材
歯又は口こう(腔)内組織の複雑な形状を正確に写し取り,
また模型材を注入してその鋳型の役割をつとめる材料。
impression metarial
15038
インレー
歯に形成された,か(窩)洞の印象を採取し,口外でその
か(窩)洞に適合するような形態に調製された歯冠修復に
用いられる固型材料。
inlay
16
K3611-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
15039
裏装(層)材
歯髄保護の目的でか(窩)洞底部に塗布,てんそく(填塞)
し,薄膜層を作ることによって充てん (填) 物からの刺激
を遮断するための材料。
lining material, base
material
15040
エナメル質
歯冠象牙質を覆う外はい(胚)葉由来の,人体で最も硬い
組織。
備考 モース硬度計では6〜7度。無色半透明であるが
表面からみた色調は深層の象牙質の色を反映し
てやや淡黄色。細胞成分を含まず,ごく少量の
有機質を含むが,ほとんどはヒドロキシアパタ
イトの結晶。
enamel
15041
がく(顎)顔面補て
つ(綴)材
しゅよう(腫瘍),外傷,炎症,先天奇形などが原因で,顔
面又はがく(顎)骨とその周囲組織に生じた欠損部を非観
血的に,又は手術との併用によって失われた機能と形態の
回復を図るために利用する材料。
maxillofacial prosthetic
material
15042
義歯床
有床義歯の体部及び基底部として,人工歯を担い,かつ,
基底面で義歯の支持基盤である口こう(腔)粘膜と密接し
て,義歯を口こう(腔)内に維持させる構成部分。
denture base
15043
クラウン
充てん (填) 以外の歯冠修復物の総称。
crown
15044
グラスアイオノマ
ーセメント
アルミノシリケートガラスとポリアクリル酸の反応によ
って硬化する歯科用セメント。
glass ionomer cement
15045
歯科充てん (填) 材 う食り(罹)患歯の機能を回復させるために,病巣を削去
して生じたか(窩)洞に詰める硬化可能な治療用材料。
dental filling material
15046
歯科用アマルガム
歯科では充てん (填) 材として使用する水銀を含む合金の
総称。
dental amalgam
15047
歯科用コンポジッ
トレジン
多官能メタクリレート,フィラー,常温で重合開始可能な
触媒系を含む,むし歯治療用の形成充てん (填) 材料。
dental composite resin
(resin composite)
15048
歯科材料
歯科治療において使用される材料。
dental meterial
15049
歯科用セメント
修復物や矯正装置を合着する歯科で使用されるセメント
類の総称。
dental cement
15050
歯科用ワックス
脂肪酸と1価のアルコールのエステルのうち,常温で固形
状のもの。
備考 歯科ではパラフィン,脂肪,天然樹脂などのう
ち,常温でワックスのようなものも含める。
dental wax
15051
人工歯
歯の欠損部や崩壊した歯冠部を補い,その形態と機能を回
復するための材料。
artificial tooth
15052
人工歯根
永久歯が欠損した場合,がく(顎)骨内に人工物を埋植し,
その上部にクラウンや義歯を装着する支台歯を再建する
ために利用する人工物。
dental implant
15053
歯周病用材料
歯周病を治療するために用いる人工材料。歯周の炎症を抑
える薬物の徐放化や歯そう骨の再生を助けるために用い
られる。
biomaterial for
periodontic diseases
15054
人工がく(顎)
がく(顎)骨に大きな欠損が生じたときに,審美性と機能
性再建のために人工的に構築されたがく(顎)。
artificial jaw
15055
ブリッジ
少数歯欠損の場合,複数歯を支台歯として連結補てつ(綴)
し,機能と外観を回復させるために使用する補てつ(綴)
物。架橋義歯ともいう。
bridge
17
K3611-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
15056
埋没材
ロストワックス法で金属製補てつ(綴)物を製作する過程
で使う副資材。
備考 鋳造用埋没材と,金属製補てつ(綴)物をろう
(鑞)着するためのろう(鑞)付用埋没材の2
種類があり,耐熱性が特長。
investment
(d) 整形外科系
番号
用語
定義
対応英語(参考)
15057
仮骨
骨折部位やけん(腱)の裂断箇所が治癒する過程で形成さ
れる組織。
callus
15058
人工足関節
足首の距たい(腿)関節を中心とする足関節の機能を代替
する人工関節。
artificial ankle joint
15059
人工きゅうがい(臼
蓋)
こ(股)関節の球状の大腿骨頭を入れる半球カップ状の骨
盤側きゅうがい(臼蓋)をポリエチレンソケットなどの人
工物で置換したもの。
artificial acetabular cup
15060
人工肩関節
上腕骨,肩こう(胛)骨,鎖骨の三つの骨端部からなる肩
関節の機能を代替する非荷重人工関節。
artificial shoulder joint
15061
人工関節
金属,セラミックス,プラスチックなどの人工材料を組み
合わせ,生体関節の機能と構造の一部又は全部を代替する
体内埋込み器具。
artificial joint
15062
人工関節軟骨
関節軟骨の潤滑性,耐摩耗性,衝撃吸収性及び耐疲労性を
満たす人工組織。
artificial articular
cartilage
15063
人工筋肉
動物の駆動源を模擬する人工アクチュエーター。
artificial muscle
15064
人工筋膜
筋肉の外周を包んでいるたん白質の膜を代替する合成高
分子。
artificial fascia
15065
人工けん(腱)
筋力を骨に伝達するそのけん(腱)の機能を代替する材料。 artificial tendon
15066
人工こ(股)関節
ボールとソケットからなる人工球関節。
artificial hip joint
15067
人工骨
骨の有する機能の中で主として荷重支持,荷重伝達,形状
保持機能の代替をする材料。
artificial bone
15068
人工骨頭
こ(股)関節の大たい(腿)骨側球状体の代替をする人工
材料。
artificial femoral head
15069
人工じん(靱)帯
関節部の骨と骨を結合する組織であるじん(靱)帯の機能
を代替する材料。
artificial ligament
15070
人工手・手指関節
指関節(丁番),母指手根中手関節くら(鞍),だう(橈)
骨手根間接[か(顆)状]などの手,手指関節の機能を代
替する人工関節。
artificial hand and wrist
joint
15071
人工ひざ(膝)関節 ヒト関節中最大で運動自由度の大きいひざ(膝)関節を代
替する人工関節。
artificial knee joint
15072
人工ちゅう(肘)関
節
上腕骨と尺骨をつなぐ腕尺関節の機能を代替する人工関
節。
artificial elbow joint
15073
髄内くぎ(釘)
骨折部を髄内で固定するくぎ(釘)。
bone nail
15074
頭がい(蓋)骨形成
術
先天性又は外傷若しくは開頭術後の頭がい(蓋)骨欠損を
修復する術式。
cranioplasty
15075
整形外科用材料
整形外科領域で主として運動器の機能代替を行う人工材
料。
備考 各種人工骨・関節,内固定器具,人工けん(腱),
人工じん(靱)帯などに用いられる。
biomaterial for
orthopedic surgery
15076
セメントレス固定
骨組織と接触する材料を多孔質化し,ヒドロキシアパタイ
トなどのセラミックコーティングを併用してセメントを
使用せずに骨の再生によって人工関節を固定する方法。
sementless fixation
18
K3611-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
15077
骨吸収
骨組織の再生を促進するために破骨細胞によって行われ
る骨の吸収現象。
bone resorption
15078
骨形成
吸収された骨を骨芽細胞の働きによって再生し,骨内部組
織を構築する現象。
bone formation
15079
骨接合材料
骨折箇所を接合するための人工材料。ワイヤ,板,髄内く
ぎ(釘)などの内固定器具のほかに骨形成を助長する各種
セラミックスや骨セメントも含まれる。
bone connecting material
15080
骨セメント
人工関節を骨に固定するために用いる泥水物様物質の重
合によって人工関節と骨を固定する材料。
備考 主成分はメチルメタクリレートとポリメチルメ
タクリレート。
bone cement
15081
骨プレート
内副子の一種で,骨折部を固定し,治癒するための金属製
板状器具。
bone plate
15082
ルースニング
人工関節コンポーネントと骨の界面に緩みが生じ,使用に
耐えなくなる状態。
備考 骨セメントを使用した場合,その疲労破壊によ
って接着性を失うことに起因する場合が多い。
loosening
(e) 眼科系
番号
用語
定義
対応英語(参考)
15083
コンタクトレンズ
視力矯正を目的として角膜前面に接するように装着する
透明レンズ。
備考 ソフトタイプとハードタイプとがある。
contact lens
15084
人工角膜
損傷した角膜の人工的代替物。
備考 角膜の表層部又は全層を置換したり,角膜実質
に埋め込んで使用する。
artificial cornea
15085
人工硝子体
切除した硝子体の代わりに眼球の形状を保持する目的と
網膜を押しつけて網膜はく(剥)離の治療目的に用いられ
る材料。
synthetic vitreous
15086
眼内レンズ,
人工水晶体
混濁した水晶体を摘出した後,屈折異常を矯正するために
眼内に挿入する材料。人工水晶体ともいう。
intraocular lens
15087
ソフトコンタクト
レンズ
ヒドロゲル又は弾性材料を用いたコンタクトレンズ。
soft contact lens
15088
ハードコンタクト
レンズ
ポリメタクリル酸メチルに代表される透明な硬質材料で
作られたコンタクトレンズ。
hard contact lens
15089
網膜はく(剥)離用
バックリング材
網膜はく(剥)離の治療を目的に網膜を強膜に固定したり,
網膜の開孔部を閉鎖する材料。
scleral buckling material
15090
連続装用コンタク
トレンズ
閉どう(瞳)時(就寝時)に酸素を十分角膜に供給できる,
酸素透過性に富むコンタクトレンズ。
contact lens for
continuous use
(f) 血管外科系
番号
用語
定義
対応英語(参考)
15091
仮性内膜
生体内に移植された人工血管において,これを核として内
外面に覆う器質化した結合組織。
pseudointima
15092
経皮的冠動脈形成
術,
PTCA
先端にバルーンの付いた特殊なカテーテルを経皮的に末
しょう(梢)動脈から冠動脈の狭さく(窄)部に挿入し,
バルーンを膨らませることによって狭さく(窄)部位を拡
張する方法。
percutaneous transluminal
coronary angioplasty
15093
血管内皮細胞
血管の内壁を一層に覆う上皮様細胞。
vascular endothelical cell
15094
成分輸血療法
当該患者が必要とする成分だけを輸血する療法。
component transfusion
19
K3611-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
15095
人工血しょう(漿),
血しょう(漿)増量
剤
体液とほぼ等しい浸透圧をもち,静注可能な人工コロイド
液。
plasma expander
15096
血栓形成
正常な血管内皮細胞以外の人工物などに接触したときに,
引き起こされる血小板,凝固因子,補体などの活性化に続
いて起こる血液成分の凝集現象。
thrombus formation
15097
酸素運搬体
酸素分圧の変化で酸素を結合(又は溶解)したり,放出し
たりする機能をもつ物質。
oxygen carrier
15098
人工血液
人工赤血球,酸素運搬体,血しょう(漿)増量剤など数多
くある血液の機能を代替する物質。
artificial blood
15099
人工赤血球
天然の血液のもつ機能のうち,主として酸素運搬機能を代
行する人工物。
artificial red blood cell
15100
大動脈内バルーン
パンピング
補助循環法の一つ。バルーン(風船)付きカテーテルを,
その先端が鎖骨下動脈分岐部直下に位置するように固定
し,駆動装置によって心臓の拡張,収縮に同期させてバル
ーンの膨張,収縮を繰り返して行い,心不全患者などの弱
った心機能の回復を促す治療法。
intraaortic balloon
pumping
15101
人工血管,
代用血管
血行再建を目的とし,血管疾患部の修復に使用される血管
修復用補てつ(綴)材料。合成高分子材料の人工血管,動
物由来のxenograft,自家動・静脈を含めることがある。
artificial vessel, vascular
graft
15102
微小口径人工血管
内径が約3mm以下の小口径血管を再建するための人工材
料。
small-caliber vascular
graft
15103
機械弁
主として機能不全の心臓弁を置換することを目的とする
人工の逆止弁であって,構成基材が非生体由来の素材によ
る弁。
mechanical valve
15104
人工心臓
心臓のポンプ機能を代替する生体埋込み又は装着型の器
械。
備考 完全置換型と補助人工心臓とがある。
artificial heart
15105
人工心肺
心疾患などにおいて心臓を停止させて外科的治療を行う
場合に用いる呼吸循環代行システム。
備考 心臓のポンプ機能を代行するポンプと肺のガス
交換機能を代行する人工肺からなる。
artificial heart-lung
machine
15106
人工弁
重度機能不全の心臓弁を置換するために用いる人工的に
作られた心臓弁。
備考 機械弁と動物由来の生体弁とがある。
prosthetic valve
15107
心臓外科用パッチ
心臓の隔壁などにある欠損孔を修復するために利用する
当て布。延伸四ふっ化樹脂を使うことが多い。
patch for heart surgery
15108
ペースメーカー
周期的な電気刺激を与えることによって心筋細胞を脱分
極させて,適切な心臓収縮活動を維持するための装置。
備考1. 刺激パルス発生器と電極リードから構成され
る。
2. パルスジェネレーター (pulse generator) とも
いう。
pacemaker
15109
補助人工心臓
高度心不全患者の救命を目的として,心臓のポンプ機能の
一部又は大部分を一時的に代行するシステム。
備考 補助心臓ともいう。
ventricular assist device
20
K3611-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(g) 胸部外科系
番号
用語
定義
対応英語(参考)
15110
体外膜型酸素供給
肺の可逆的病変に起因した急性呼吸不全に対し,病変が改
善するまでの期間,膜型人工肺を用いて体外循環を行い,
肺機能のうちのガス交換を一時的に代行する供給法。
備考 ECMOともいう。
extracorporeal membrane
oxygenation
15111
体外炭酸除去
体外膜型酸素供給において,特に二酸化炭素の除去を目的
とした方法。
備考 ECCO2Rともいう。
extracorporeal CO2
removal
15112
気泡型人工肺
血液中に気泡状の酸素を吹送することによって,血液と酸
素を直接接触してガス交換を行う人工肺。
bubble oxygenator
15113
人工気管
気管と気管支の欠損補てつ(綴)に用いる材料。
tracheal prosthesis
(tracheo-bronchial
prosthesis)
15114
人工食道
食道がん(癌)などによって欠損した食道の修復に用いる
補てつ(綴)材料。
esophageal prosthesis
15115
人工肺
肺のガス交換機能を代替する人工臓器。肺型と気泡型とが
ある。
artificial lung
15116
膜型人工肺
血液と酸素含有ガスとの間で膜を介してガス交換を行う
人工肺。
membrane oxygenator
(h) 形成外科系
番号
用語
定義
対応英語(参考)
15117
人工乳房
美容のための豊胸又は乳がん(癌)患者が乳房を摘出した
後に体内埋込み用シリコーン材料によって再建された乳
房。
mary prosthesis
15118
創傷被覆材
一時的に創面を被覆して皮膚の機能の一部を代行する材
料。
wound dressing
15119
人工皮膚
真皮に及ぶ皮膚の損傷の一部を補う創傷被覆材。
artificial skin
15120
凍結乾燥硬膜
ヒト脳硬膜を薬品処理し,凍結法又は溶媒法によって乾燥
したもの。
備考 乾燥死体硬膜ともいう。
lyophilized dura
15121
凍結乾燥豚皮
豚の皮膚をよう素,よう化カリウム溶液で処理した後,凍
結乾燥し,γ線を照射して滅菌した創傷被覆材。
lyophilized porcine skin
(LPS)
15122
人工陰茎
先天的又は後天的理由で陰茎としての機能を失ってしま
った場合,その機能の一部,又はすべてを代用品として用
いることが可能なように人為的に作った製品。
penile prosthesis
15123
人工こう(睾)丸
美容形成的な目的,又は薬物の徐放化という機能をも有す
る,人工材料からなる義こう(睾)丸。
artificial testicle
15124
ハイブリッド型人
工皮膚
患者の皮膚を構成している細胞を,人工マトリックス中で
培養し,皮膚移植に利用する人工皮膚。
hybrid artificial skin
15125
補てん (填) 材料,
補てつ(綴)材料
身体の欠損や変形を補てん (填) [又は補てつ(綴)]する
目的で用いられる構造材料。
備考 体内に埋め込むものと体表で用いられるものと
がある。
prosthesis
(i) 脳神経外科系
番号
用語
定義
対応英語(参考)
15126
人工頭がい(蓋)骨 頭がい(蓋)骨の欠損部を補うため,主に常温重合型アク
リル樹脂で調製した頭がい(蓋)骨補てつ(綴)物。
artificial skull
21
K3611-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
15127
水頭症用シャント
水頭症治療に用いるバイパスチューブであり,このチュー
ブの一端を側脳室に入れ,他端をけい(頸)静脈から右心
房に入れて髄液を心臓内へ導入する。
lumber subarachnoid
peritoneal shunt
15128
クリップ
止血の目的で,血管を閉そく(塞)するために用いる金属
製用具。
clip
(j) じん(腎)疾患系
番号
用語
定義
対応英語(参考)
15129
β2−マイクログロ
ブリン
手根管症候群の原因物質として透析患者の体内に蓄積し
て障害を起こす分子量が11 800のたん白質。
β2-microglobulin
15130
境膜抵抗
表面と液体との界面の境膜による溶質の膜透過の際の抵
抗。
membrane resistance
15131
高分子膜
高分子によって調製された膜で,半透膜,ろ(濾)過膜,
逆浸透膜などがある。
polymer membrane
15132
ダイアリザンス
血液透析器の性能を表示する値。血液透析器中で1分間に
除去される溶質量を流入する血しょう(漿)中の濃度で除
して算出される数値。
dialyzance
15133
人工尿管
じん(腎)で生成された尿をぼうこう(膀胱)に導くため
の,天然又は合成高分子からなる長い円柱管。
artificial ureter
15134
人工ぼうこう(膀
胱)
ぼうこう(膀胱)の二大機能である尿貯留と尿排出を代行
するる人工物。
artificial bladder
15135
ダイアライザー
人工じん(腎)臓における透析を行う本体であり,透析膜
とこれを支持する構造からなる装置。
dialyzer
15136
内シャント
人工透析時のブラッドアクセスの一種。
備考 皮下で動・静脈をふん(吻)合することによっ
て静脈側の血流量を増加させ,ここに外からせ
ん(穿)刺して血液を人工じん(腎)臓へ導く。
internal shunt
15137
尿道カテーテル
排尿を目的に尿道挿入に適し,尿道を経てばうこう(膀胱)
に達し得るように作られた細長い中空管。
uretheral catheter
15138
腹くう(腔)カテー
テル
腹くう(腔)透析において腹くう(腔)に留置して使用さ
れるカテーテル。
peritoneal catheter
15139
ブラッドアクセス
血液の出入口。シャント(外シャント,内シャント)と非
シャントの総称。
blood access
15140
ふるい係数
血液ろ(濾)過などの場合,溶質が膜を透過するときの通
りやすさを表す値。
sieving coefficient
15141
外シャント
人工じん(腎)臓の動脈回路と静脈回路に接続し,人工透
析に利用する動・静脈に挿入されたカニューレ。
external shunt
15142
経口吸着剤
経口投与し,消化器内で不要物質を吸着して体外に排せつ
(泄)することを目的とする。
oral administration
adsorbent
15143
血液透析液
血液透析の際に半透膜を介して血液と接触させ,血中の老
廃物を透析除去するために電解質の種類と濃度を調節し
た水溶液。
dialysate
15144
血液透析器,
人工じん(腎)臓,
ダイアライザー
血液と透析液とを膜を介して接触させ,濃度差に基づいて
溶質を移動させて血液透析を行うための器具であり,透析
膜とこれを支持する構造からなる装置。
参考 同時に圧力差も与え,限外ろ(濾)過による除
水も行う。主として中空糸膜が用いられる。
hemodialyzer,
dialyzer
15145
血液ろ(濾)過
輸血領域において,血液中の異物,凝集塊,白血球,血小
板などをろ(濾)過によって除去する方法。
備考 血液浄化にも使用する。
blood filtration
22
K3611-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
15146
血液ろ(濾)過器
多孔質の限外ろ(濾)過膜によって血液をろ(濾)過し,
血液成分の分離や濃縮を行うための器具。
hemofilte
(k) 代謝系
番号
用語
定義
対応英語(参考)
15147
アフィニティ吸着
材
酵素−基質間や抗原−抗体間などにみられる生物学的特
異反応を利用して物質を選択的に吸着分離するために,い
ずれか一方の分子を吸着リガンドとして不溶性担体に結
合した吸着材。
affinity adsorbent
15148
活性炭
多孔性で単位体積当たりの表面積が大きく,高い物質吸着
能をもつ炭素材料。
備考 主として吸着を原理とした血液浄化に利用され
ている。
active carbon
15149
埋込型人工すい
(膵)臓
糖尿病患者の治療を目的に血糖値をモニターし,ポンプで
必要量のインスリンを投与する体内埋込み型装置。
implantable artificial
pancreas
15150
血液かん(灌)流
血液中から毒性物質を除去するために,血液を体外に導き
出し,吸着材料の中を流し,浄化血液を患者に返還する方
法。
hemoperfusion
15151
血液浄化法
血液中に存在する代謝産物や毒性物質を透析,ろ(濾)過,
吸着又はこれらの組合せによって除去して血液を浄化す
る方法。
blood purification
15152
劇症肝炎
急性肝炎が発症した後2か月以内に,肝細胞機能不全によ
る肝不全によって意識障害が出現する疾病。
fulminant hepátitis
15153
自己免疫疾患
自己の組織を構成する成分と反応する抗体又はリンパ球
が持続的に産生されることによってじゃっ(惹)起される
疾患。
autoimmune disease
15154
血しょう(漿)交換 血液から血しょう(漿)成分を分離し,新鮮凍結血しょう
(漿),アルブミンなどの置換液,又は分離した血しょう
(漿)中の特定成分を除去した処理血しょう(漿)などと
交換する方法。
plasma exchange
15155
人工括約筋
管こう(腔)又は臓器の口の口径を縮小若しくは閉鎖する
ための装置。人工こう(肛)門や人工尿道に不可欠である。
artificial sphincter
15156
人工肝臓
肝機能のうち,主に解毒を人工的に代替する装置。
artincial liver
15157
人工こう(肛)門
腸疾患,損傷及びその治療によってこう(肛)門の機能を
失った患者に対し,ふん(糞)便の排出口として腹壁上に
設けられた皮膚ろう(瘻)。
artificial anus,
stoma
15158
人工消化管システ
ム
長期経口不能の患者に対して,栄養素を腸管を経由しない
で直接血液中に投与するシステム。
備考1. 完全静脈栄養法 (total parenteral nutrition) 又
は高いカロリー輸液法 (intravenous
hyperalimentation) として知られる。
2. 人工腸管システムともいう。
artificial gut system
15159
人工胆管
肝臓と腸を連ねる胆管の狭さく(窄),閉そく(塞),欠陥
などに対して適用される人工物。
artificial bile duct
15160
人工ランゲルハン
ス島
すい(膵)臓ランゲルハンス島の主な機能であるインスリ
ン分泌を代償する装置。
備考 人工すい(膵)島ともいう。
artificial endocrine
pancreas,
artificial Langerhans' islet
15161
中空糸
血液浄化及び血液への酸素供給に用いられる,繊維内部が
中空になっている繊維。
備考 中空繊維ともいう。
hollow fiber
23
K3611-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
15162
透析膜
膜の両側の溶液の濃度差を駆動力として膜の両側に特別
に圧力を加えることなく,溶質と溶媒を分離する際に使用
する半透膜。
dialysis membrane
15163
内分泌型人工臓器
薬剤やホルモンなどの体内への放出を制御することによ
って,失われた臓器の機能の一部を代行する人工臓器。
endocrinous artificial
organ
15164
二重膜ろ(濾)過法 分画分子量の異なる2種類の孔径をもつろ(濾)過器[血
しょう(漿)分離器と血しょう(漿)分画分離器]を組み
合わせることによって,血ょう(漿)中の大分子量物質を
除去する治療法。
double filtration
plasmapheresis
15165
ハイブリッド型人
工肝臓
肝細胞を適当な人工材料で基質上で培養して装置に組み
込み,肝臓の機能を代行する人工臓器。
hybrid artificial liver
15166
ハイブリッド型人
工すい(膵)臓
インスリン産生能があるランゲルハンス島を利用する人
工的すい(膵)臓代替装置。
hybrid pancreas
(l) ドラッグデリバリーシステム系
番号
用語
定義
対応英語(参考)
15167
イオントフォレシ
ス
直流電流によって一定量の薬剤を皮膚又は粘膜を通して
投与する方法。
iontophoresis
15168
がん(癌)化学療法 化学物質や薬剤を用いて悪性しゅよう(腫瘍)を治療する
方法。
cancer chemotherapy
15169
クリアランス
血液中及び組織中の物質が除去される速度の尺度。
clearance
15170
経口投与
医薬を口から投与すること。
peroral administration
15171
経皮吸収促進剤
皮膚の薬剤透過性を高めて薬剤の経皮吸収を促進させる
効果をもつ化学物質。
transdermal absorption
promoting agent
15172
経皮治療吸収シス
テム
皮膚を透過させて薬物を投与し,治療するための製剤シス
テム。
transdermal therapeutic
system
15173
血中寿命
投与された薬物や物質が代謝,排せつ(泄)を受け血液中
から消失するのに要する時間の平均値。
lifetime in blood ,
life span in blood
15174
血中半減期
薬物の血中寿命の指標であり,投与された薬物や物質の血
液中における濃度が投与直後の濃度の21になるのに要す
る時間。
half-life in blood
15175
高分子医薬
薬効を改善する目的で高分子化された医薬品又は薬効性
をもつ高分子化合物。
polymer drug
15176
刺激応答性放出
生体内部に起こる環境の変化,又は生体外部から与えられ
る刺激に応じて投与量が変化するように設計された薬物
の放出。
stimuli-sensitive release
15177
初回通過効果
投与された薬物が循環系に入るまでに肝臓などによって
除去される現象。
first-pass effect
15178
徐放性
投与された薬物の体内における緩徐な放出。
備考 従来の投与方法と比べて薬効の増強や副作用の
軽減が期待される。
sustained (slow,
controlled) release
15179
ゼロ次放出
薬物の徐放性放出において,薬物が一定速度で放出するこ
と。
zero-order release
15180
ターゲティング
体内の特定の標的部位に選択的に到達する指向性を薬物
に与える技術。
targeting
15181
腸溶性製剤
食道と胃においては溶解せず,腸に達した時点で初めて溶
解するように加工された経口投与製剤。
enteric coated drug
15182
薬物送達システム
薬物の生体内挙動を制御する目的で投与方式を最適化す
るように工夫されたシステム。
備考 DDSともいう。
drug delivery system
24
K3611-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
15183
動脈そく(塞)栓術 特定の組織や器官の機能を低下させたりする目的で,種々
の物質を循環血液中に入れてその支配動脈を閉鎖する治
療法。
embolization
15184
非経口投与
経口投与以外の薬剤投与法。
備考 皮下,径静脈,径動脈,径粘膜などがある。
parenteral administration
15185
マイクロスフェア
ー
薬剤の含有,血管そく(塞)栓,細胞の包含などに用いら
れる微粒子。
備考 マイクロカプセルともいう。
microsphere,
microcapsule
15186
ミサイル療法
主に生物学的認識機構を利用して,特定の標的患部への能
動的な指向性を有する薬物運搬体を用いた薬物療法。
missile therapy
15187
薬物含有微粒子
平均粒子径が数百μmより小さい,薬物を含有している微
粒子状の製剤。
drug-containing
microparticles
15188
薬物注入ポンプ
薬物溶液を血管内に投与するためのポンプ。
infusion pump
15189
脂質,
リピド
エタノール,エーテル,クロロホルム,ベンゼンなどの脂
肪溶媒によって,動植物細胞から抽出された脂溶性物質。
lipid
15190
リポソーム
りん脂質,糖脂質などの極性脂質を水中に再分散したとき
にできる二重膜からなる小胞。
liposome
(2) 生体機械工学
(2.1) 運動メカニズム
番号
用語
定義
対応英語(参考)
21001
足のアーチ構造
複数の骨からなる足の弓がい(蓋)様骨格構造。
plantar arch
21002
α運動ニューロン
せき(脊)髄前柱に存在し,錘外筋線維を支配する神経。 α-motoneuron,
α motor neuron
21003
α-γ連関
α運動ニューロンとγ運動ニューロンの同時活動。
α-γ linkage
21004
一次求心性線維
感覚受容器の信号を最初に中枢神経系に伝える神経線維。 primary afferent fiber
21005
運動関連脳電位
自発性随意運動に関連して頭皮上から記録される脳電位。 movement-related cortical
potential
21006
運動学
(1) 人間の運動を研究・分析する学問であり,解剖・神経・
生理・物理及び心理学などの基礎的な科学の知識を総
合した応用科学。
(2) 物体又は物体系の運動を質量・力の影響を考慮せず,
その幾何学的関係に基づき分析する学問。
kinesiology,
kinematics
21007
運動学習
運動経験の結果として起こる比較的永続的な運動遂行上
の神経生理学的な変化。
motor learning
21008
運動技能
遺伝的に決まっている運動ではなく,練習,経験を通して
行う運動。
motor skill
21009
運動強度
運動やトレーニングにおける単位時間内の運動量。
intensity
21010
運動単位
1個のα運動ニューロンとそれが支配する筋線維群を総称
した機能単位。
motor unit
21011
運動ニューロン
せき(脊)髄前角にあり骨格筋を支配するニューロン。
motoneuron,
motor neuron
21012
運動プログラム
具体的な運動(運動の開始・実行・停止を含む。)を定め
る筋群への特定な指令。
motor program
21013
H波
末しょう(梢)神経の電気刺激によって求心性(感覚)神
経からせき(脊)髄運動ニューロンを興奮し,その末しょ
う(梢)神経に支配される筋に誘発された電位。
H wave
21014
覚せい(醒)
中脳膜様賦活系の興奮によって引き起こされる大脳の活
動状態。
arousal,
awakening
25
K3611-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
21015
構え
頭部,体幹,四肢の身体各部分の相対的位置関係を示す姿
勢。
attitude
21016
γ運動ニューロン
せき(脊)髄前角にあって,錘内筋せん(腺)維を支配す
る神経。
γ-motoneuron,
γ motor neuron
21017
基礎代謝
安静,覚せい(醒),空腹,温熱中間の条件をすべて満た
した状態における個体の最小限のエネルギー代謝。
basal metabolism
21018
きっ(拮)抗筋
関節運動において,主運動に対抗して,その運動を妨げる
のと反対方向の運動を生じさせる筋肉。
antagonist muscle
21019
機能的電気刺激
神経障害による麻ひ(痺)筋の運動機能回復のための末し
ょう(梢)神経電気刺激。
functional electrical
stimulation
21020
強縮
反復刺激による持続的筋収縮。
tetanus
21021
筋原線維
ミオシン及びアクチンを主成分とし,それらの反応によっ
て筋収縮を行う収縮構造。
myofibril,
muscle fibril
21022
筋線維
筋原線維を主成分とする線維状の細胞であり,筋収縮を行
う単位構造。
muscle fiber
21023
筋線維伝導速度
筋線維上を活動電位が伝導する速度。
muscle fiber conduction
velocity
21024
筋紡錘
骨格筋線維の中にある筋長の受容器。
muscle spindle
21025
屈曲反射
四肢の関節を屈曲する反射。
flexion reflex
21026
けん(腱)反射
けん(腱)のこう(叩)打がそのけん(腱)につながる筋
の収縮を起こす反射。
tendon jerk,
tendon reflex
21027
行動
人間などの生活体が当面するいろいろな事態で引き起こ
すさまざまな反応の総称。
behavior
21028
興奮収縮連関
筋の細胞膜に活動電位が発生してから筋収縮が起こるま
での過程。
exciatation-contraction
coupling
21029
最大酸素摂取量
生体が摂取し得る単位時間当たりの酸素量の最大値。
maxima oxygen uptake,
maximum oxygen intake
21030
最大随意筋力
随意的努力によって発揮することのできる最大の筋力。
maximum voluntary
contraction (MVC)
21031
姿勢
身体の構え (attitude) と体位 (position) の総称。
posture
21032
姿勢反射
一定の姿勢を維持するための固有反射以外の反射。
postural reflex
21033
神経インパルス
神経細胞膜に発生する活動電位。
nerve impulse
21034
神経支配比
一本の運動神経が支配する筋線維数。
innervation ratio
21035
伸張反射
引き伸ばされた筋を直ちに収縮させる反射。
stretch reflex
21036
心理的不応
二つの刺激が継時的に短時間で提示されるとき,二つ目の
刺激に対する反応が著しく遅れる現象。
psychological refractory
21037
随意運動
意志によって行われる筋運動。
voluntary movement
21038
随伴陰性変動
単純反応課題において警告刺激から命令刺激までの刺激
間隔に頭皮上から記録される陰性緩電位変動。
contingent negative
variation (CNV)
21039
せき(脊)髄
せき(脊)柱管の中にある中枢神経系の器官。
spinal cord
21040
絶対筋力
静的最大筋力と筋線維方向に直角な筋断面積の比。
absolute muscle strength
21041
体力
人間の活動や生存の基礎となる身体的能力。
physical fitness
21042
多シナプス反射
2個以上のシナプスを経由する反射。
polysynaptic reflex,
multisynaptic reflex
21043
単シナプス反射
一つのシナプスだけを経由する反射。
monosynapotic reflex
21044
単収縮
一発の刺激で生じる一回の筋収縮。
twitch
21045
T波
機械的刺激によるせき(脊)髄運動ニューロンの興奮性を
示す誘発電位。
T wave
21046
等尺性収縮
筋肉の両端を固定して長さが一定に保った場合の収縮。
isometric contraction
26
K3611-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
21047
等張性収縮
収縮中に筋に生じる張力が一定であるような収縮。
isotonic contraction
21048
トレーニング
生体に反復的に刺激を与え,心身の能力を向上させる過
程。
training
21049
トレーニング効果
種々のトレーニングによる心身の機能の改善,及び作業成
績が向上すること。運動を一定期間継続することに伴って
生じる生体内の変化。
training effect
21050
反回性抑制
α運動ニューロンの抑制機構。
recurrent inhibition
21051
反射弓
反射を引き起こす神経回路。
reflex arc
21052
反応時間
ある与えられた刺激によって決定される意識的応答の最
小の時間的遅れ。
reaction time
21053
有酸素運動
主として有酸素エネルギー(酸化的りん酸化)によって遂
行される身体運動。
aerobic exercise
(2.2) リハビリテーション
番号
用語
定義
対応英語(参考)
22001
アライメント
体節や義肢,装具の部分の配列状態や相対的位置関係。
alignment
22002
足継手
義肢・装具において足関節や足部の機能を代償するための
継手の総称。
ankle joint
22003
運動療法
身体障害をもつ者に対し,運動を手段として障害の回復又
はその維持,予防を図る医学的リハビリテーションの治療
法。
therapeutic exercise
22004
回外
手掌面を水平下向きにしたとき,その腹側が体の中心方向
に向くように回転する前腕の中心線回りの回転動作。
outward rotation,
supination
22005
回旋
物体があるものの周囲を回る動作,又は回すこと。
turn,
rotation
22006
回内
手掌面を水平下向きにしたとき,その背側が体の中心方向
に向くように回転する前腕の中心線回りの回転動作。
inward rotation,
pronation
22007
外転
四肢をたい(腿)軸から遠ざけ,指を手掌中心軸から遠ざ
ける方向への回転動作。
outward swing
22008
下たい(腿)義足
下たい(腿)切断によって下肢の一部を欠損した場合,元
の足の形態及び機能を復元するための義足。
below knee prosthesis
22009
仮義肢
アライメントを調整,変更し得る力伝達部材とソケットを
組み合わせた,切断直後又は訓練目的の義肢。
temporaly prosthesis
22010
解剖学的基本面
解剖学的肢位を基準として,人体の方向及び位置を表すた
めに用いる平面。
anatomical reference
plane
22011
解剖学的肢位
人体各部の位置や関節の運動を表現するために必要な基
準座標系を規定する場合の肢位。
anatomical position
22012
関節運動
人体運動のもととなる関節の動きを,関節のもっている自
由度に対応して表現する運動記述。
joint movement
22013
関節可動域
関節の各自由度に関する可動角度範囲。
備考 ROMともいう。
range of motion
22014
関節可動域テスト
他動的に運動させた場合の四肢及びく(躯)幹の関節可動
範囲を測定する運動障害評価テスト。
range of motion test
22015
関節力
相連なる二つの体節間で伝達される力。
joint force
22016
機能肢位
種々の関節角度が機能的に最も能率的な状態である人体
の姿勢。
functional position
22017
義手
上肢切断に用いる義肢。
upper extremity
prosthesis
22018
強直
骨,関節軟骨,滑膜,関節包などの関節構成体の異常によ
る関節運動の制限状態。
ankylose
27
K3611-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
22019
筋骨格モデル
人体の運動を剛体力学的に解析するために,対象とする運
動に本質的にかかわっていると考えられる体節,関節,筋
だけによって人体を構成した力学モデル。
musculo-skeletal model
22020
けい(痙)縮
すい(錐)体路系障害によって筋緊張が異常にこう(亢)
進していて,臨床的には関節を他動的に動かすと“折りた
たみナイフ現象”がみられる筋の異常な状態。
spasticity
22021
幻肢
四肢の切断において,切断され存在しない部分が存在する
かのように体験される四肢。
phantom limb
22022
固縮
すい(錐)体外路系障害によって筋緊張が異常にこう(亢)
進していて,臨床的には関節を他動的に動かすと“鉛管現
象”がみられる筋の異常な状態。
rigidity
22023
こ(股)義足
こ(股)関節離断,片側骨盤切除又は極短断端大たい(腿)
切断によって,下肢の一部を欠損した場合,元の足の形態
及び機能を復元するための義足。
hip disarticulation
prosthesis,
hemipelvectomy
prosthesis
22024
拘縮
筋,じん(靱)帯,神経,皮膚などの関節構成体以外の異
常による関節運動の制限状態。
contracture
22025
骨格構造義肢
中心軸に金属のパイプやその他の支柱を配置し,人間の手
足の構造に類似した方法で外力を負荷し,外観をプラスチ
ック・フォームなどの軟性材で整えた義肢。
endoskeletal prosthesis
22026
ざ(坐)骨受
大たい(腿)義足や免荷装具において,体重をざ(坐)骨
結節で支持する部分。
ischial seat
22027
自助具
身体障害者に機能を補助するために障害者自身が利用す
る道具。
self help device
22028
自由歩行
速度,歩調などに関して何ら制限を受けていない歩行。
free gait
22029
シレジアバンド
大たい(腿)義足の懸垂と回旋防止を目的として,健側の
腸骨りょう(稜)と大転子の間を通る幅の広い布又は皮革
帯で作られた部分。
silesian bandege
22030
神経生理学的アプ
ローチ
神経発達の概念を応用し運動の再学習を目的とした,中枢
神経系の障害に対する運動治療の一手技。
neuro physiological
approach
22031
スプリント
障害を受けた上肢の固定,保持を行う装具。
sprint
22032
整形靴
変形の矯正やとう(疾)痛軽減のため圧力分散など,医学
的治療を目的として医師の処方に基づき患者の足部に適
合させ作製される靴。
orthopedic shoes,
corrective shoes
22033
装具
体幹,四肢の機能障害の軽減を目的として使用する補助器
具。
orthosis,
brace
22034
ソケット
切断者の断端部を収納し,四肢の力や運動を義肢に伝達す
る義肢の一構造物。
socket
22035
ターンテーブル
義肢において,ソケットと継手の間,又は継手と継手の間
に設置し回旋機能をもつ部分。
turntable
22036
代償運動
ある筋に障害を受けた場合,元来その筋によって行われる
関節運動を代償するような,他の筋の収縮によって行われ
る類似の関節運動。
trick motion
22037
大たい(腿)義足
大たい(腿)切断によって下肢の一部を欠損した場合,元
の足の形態及び機能を復元するための義足。
above knee prosthesis
22038
単脚支持期
歩行における単脚支持の時期。
single stance phase
22039
短下肢装具
下たい(腿)部から足底にかけて装着し,足関節の機能を
補助する装具。
ankle foot orthosis,
short leg brace
22040
長下肢装具
大たい(腿)部から足底にかけて装着し,ひざ(膝)関節
と足関節の機能を補助する装具。
knee ankle foot orthosis,
long leg brace
28
K3611-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
22041
継手
人体の関節運動に対応した運動を行うために,屈曲・伸展,
内転・外転及び回旋運動などの運動を可能にする構造をも
った義肢・装具の部分。
joint
22042
定常歩行
正常か異常かにかかわらず,歩き方が一定の状態になった
歩行。
steady gait
22043
手先具
義手を人間の上肢との対応でみた場合,人の手の機能を代
償する部分。
terminal device
22044
徒手筋カテスト
筋又は筋群の随意的な筋力の程度を,セラピストによる徒
手的な抵抗若しくは重力を利用して段階づける運動障害
評価テスト。
manual muscle test
22045
内転
四肢をたい(腿)軸に近づけ,指を手掌中心軸に近づける
方向への回転運動。
inward swing
22046
日常生活動作
一人の人間が独立して生活するために行う基本的な,しか
も個の違いによらず共通に毎日繰り返される一連の身体
的動作群。
activities of daily living
22047
ひざ(膝)継手
義肢,装具においてひざ(膝)関節の機能を代償するため
の継手の総称。
knee joint
22048
フイッティング
義肢の機能解剖学的,生理学的及び生体力学的な適合状
態,又は適合するための義肢の装着方法。
fitting
22049
物理療法
光線,水,電気,温度(温熱,寒冷)などの物理的作用を
外部から人体に加えて,疾患又は外傷の治癒を図る医学的
リハビリテーションの治療法。
physical therapy
22050
歩行
人間及び移動ロボットが2本の足を用いて行い,両足のつ
いている時期のある最も一般的な移動動作。
gait,
walk
22051
歩行距離因子
歩行特性の中で,長さや位置など距離の次元に関する要
素。
gait distance factor
22052
歩行時間因子
歩行特性の中で,時間的区間や時刻などの時間の次元に関
する要素。
gait temporal factor
22053
歩行力学因子
歩行特性の中で,床反力の大きさや方向など力学的な要
素。
gait kinetic factor
22054
歩調
単位時間(通常は1分間)当たりの歩数。
cadence
22055
モジュラー義肢
義肢を継手,手先,足部などの構成単位の集合体として設
計し,共通となる構成単位に互換性をもたせ,実際の組立
はそれらの構成部分を選択し組み合わせることによって
作製する義肢。
modular prosthesis
22056
遊脚期
歩行において足が地面又は床面から離れている時期。
swing phase
22057
床反力
地面又は床面から足に作用する力。
floor reaction force
22058
床反力作用点
歩行運動や立位姿勢において,足底に分布して作用する床
反力と力学的に等価な単一の力の作用する位置。
point of application of
floor reaction force
22059
立脚期
歩行において足が地面又は床面に接している時期。
stance phase
22060
両脚支持期
歩行中に両足とも地面又は床面に接している時期。
double stance phase
(2.3) ロボット
番号
用語
定義
対応英語(参考)
23001
重心
運動部位のうちの,重力が作用するとみなせる点。
center of gravity
23002
キネティックス
運動学及び動力学を含む物体の運動を研究する学問。
kinetics
23003
ひざ(膝)
歩行型の移動ロボットの脚構造の上下構造体を連結する
関節
knee
23004
2足歩行ロボット
2本の脚で構成された歩行型の移動ロボット。人間型の歩
行ロボット。
bipedal walking robot
29
K3611-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
23005
3D映画
立体視を利用して人間に三次元的な立体感がある映像を
提示する映画。
3D movie
23006
4足歩行ロボット
4本の脚で構成された歩行型の移動ロボット。
quadrupedal walking
robot
23007
単脚支持
歩行において片足だけが地面や床面に接している状態。
single support
23008
遊脚
歩行において足底が床面から離れている状態の脚。
idling leg
23009
両脚支持
歩行において2脚の足底がともに床面に接している状態。 double stance
23010
支持脚
歩行において足底が地面(床面)に接している状態の脚。 supporting leg
23011
アーム
エンドエフェクタを搬送するアクチュエータを内蔵した
リンク機構。
arm
23012
あおり
手首関節の動作の表現において,手掌面を鉛直面と等しく
したときの鉛直面内の手掌の旋回動作。
pitch
23013
握力把握
メカニカルハンド又は人間の手が,特に摩擦力によって対
象物の運動を拘束する行為。
power grip
23014
アクチュエータ
機械の運動を発生させるためにエネルギーを力又は変位
に変換する装置。
actuator
23015
位置エネルギー
保存力の場において物体がもつ,位置に比例したエネルギ
ー。
potential energy
23016
位置計測装置
仮想現実感の技術において,現実の視点・視線や手の位
置・方向などを計測する装置。
position sensor
23017
位置決め精度
制御系を有するリンク機構の目標位置と実際に動いた位
置とのずれ。
positioning accuracy
23018
位置制御
制御系の目標値が,その制御系が準拠する座標系の一点で
与えられるような制御。
position control
23019
位置センサ
物体間の距離や移動距離又は回転変位量などを検出して
電気量に変換する装置。
position sensor
23020
位置と力のハイブ
リッド制御
作業空間に設定される座標系の各軸方向に対し力(トル
ク)と変位(角変位)を独立に指定できるロボットのアー
ムの制御法。
hybrid control of position
and force
23021
インピーダンス
粘性抵抗,弾性抵抗及び慣性抵抗の合計値。
impedance
23022
インピーダンス制
御
ロボットの運動を記述する動力学的関係を仮想的に変更
する制御法。
impedance control
23023
運動エネルギー
運動する物体がもつ力学的エネルギーで,その慣性質量と
速度の2乗との積の半分の量。
kinetic energy
23024
エネルギー源
生体や機械が運動するとき,筋肉やモータを駆動するのに
必要な動力源。
power source
23025
遠隔操作マニピュ
レーター
離れた位置にいる操作者からの指示によって操作される
マニピュレーター。
teleoperated manipulator
23026
開ループ制御
アクチュエータに指令値を与えるだけで制御対象の出力
をフィードバックしない制御系。
備考 オープンループ制御ともいう。
open-loop control
23027
障害物回避
作業空間中に存在する物理的な障害物を避けて,目的位置
へ移動ロボットやロボットアームを到達させる機能。
obstacle avoidance
23028
回転
物体をある軸を中心に回す動作,又は回ること。
rotation,
evolution,
roll
23029
学習制御
作業経験などを反映させ,適切な作業を行う制御。
learning control
23030
仮想環境表示シス
テム
仮想現実感を提示する装置。
virtual environment
display system
30
K3611-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
23031
仮想現実感,
バーチャルリアリ
ティー
架空の世界について,人間がそこにいたら感じるであろう
五感の情報を人工的に生成して提示し,人間にあたかもそ
の架空世界にいるかのように感じさせる技術,又はその技
術によって感じる仮想世界に対する感覚。
virtual reality
23032
仮想空間操作
仮想現実感の技術において,現実の手と同期して動く仮想
の手が仮想の物体を操作したときにはあたかも本当の操
作のように仮想の物体が動くコンピュータ・グラフィック
スの映像を生成することによって人間が仮想世界を操作
できるようにするヒューマンインターフェース技術。
virtual world
manipulation
23033
可操作度
マニピュレーター制御において関節角座標から作業座標
への変換写像のヤコビ行列がどれだけ特異的でないかを
示す指標。
manipulability
23034
可動度
系を構成するすべての可動リンクの位置を規定するため
に必要な独立パラメータの数で,系の運動能力の程度を示
す指標。
mobility
23035
感覚代行
先天的若しくは後天的に又は高齢化などによって,失われ
たり衰えたりした視覚や聴覚などの感覚機能を代行又は
補助する技術。
sensory substitution
23036
慣性モーメント
物体のある回転軸回りの慣性効果を表す指標。
moment of inertia
23037
関節トルク
慣性力,外力,重力などによって生じる回転関節駆動軸の
回転荷重,又は関節のアクチュエータが発生する回転力。
joint torque
23038
関節モーメント
慣性力,外力,重力などによって生じる屈曲関節駆動軸の
曲げ荷重。
joint moment
23039
関節型マニピュレ
ーター
先端の空間的な運動を複数の関節の動作で実現している
マニピュレーター。
articulated manipulator
23040
関節座標系
関節位置に設定され,関節の駆動軸を主軸にした座標系。 joint coordinate system
23041
外界センサー
ロボットなどの生体機械において,生体機械自身が行動す
るために生体機械自身と生体機械の置かれた環境との相
対的な関係を知るためのセンサー。
external sensor
23042
外骨格
機構の構成において,周辺部に構造部材を配置しその中心
部に関節の駆動源を配置したリンク(体節)の形態。
exoskeleton
23043
軌道制御
ロボットなどの生体機械の効果器又は各関節の運動の制
御において,各々の部位の時間変化を考慮して位置を制御
すること。
trajectory control
23044
教示
ロボットなどの生体機械に対して,動作実行前にその作業
を実行するために必要なデータを与える作業。
teaching
23045
逆運動学
マニピュレーターやリンク機構などの先端位置,速度など
から各関節の角度,角速度などを計算するアルゴリズム又
はそれを研究する学問。
inverse kinematics
23046
逆動力学
マニピュレーターやリンク機構などの先端の軌道から各
関節を駆動するのに必要なトルクを計算するアルゴリズ
ム又はそれを研究する学問。
inverse dynamics
23047
計算トルク法
運動方程式からあらかじめ計算して求めたトルク又は力
に基づきロボットの運動を制御する方法。
computed torque method
23048
形状記憶合金アク
チュエーター
形状記憶合金によるアクチュエーター。
shape memory alloy
actuator
23049
経路制御
ロボットなどの生体機械の効果器又は各関節の運動の制
御において,各々の部位の位置を制御すること。
path control
23050
効果器
作業を目的としたシステムにおいて,作業対象又は外界に
直接作用する装置。
effector
31
K3611-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
23051
固有振動数
構造物の機械特性又は制御系の特性などで決定され,外力
がなくても持続的に振動する場合の周波数。
natural frequency
23052
コンフィギュレー
ション空間
ある物体がもつ自由度に対応するパラメーターによって
記述される空間。
configulation space
23053
コンプライアンス
制御
ロボットが内蔵するアクチュエーターの発生力又は変位
を,それに作用する変位又は作用力に応じて調整すること
によって,外界と力学的に干渉するロボットの柔らかさを
制御する手法。
compliance control
23054
合力
物体に複数作用する力をある一点に等価的に置換した力。 resultant force
23055
ゴム人工筋
ゴムチューブを加圧することによって生じる弾性変形を
利用するアクチュエーター。
rubber artificial muscle
23056
サーボ機構
制御対象の出力が目標値に追従するように制御する機構。 servo mechanism
23057
サイバネティック
アクチュエータ
ー
固定,正変位(正転),逆変位(逆転)の3状態をとり得
ることができ,かつ,これらの状態が外部信号によって操
作できるアクチュエーター。
cybernetic actuator
23058
サイボーグ
脳を含む生体系と機械系の複合システム。
cyborg
23059
視覚センサー
対象の空間的配置や形状などを光などの非接触の手段に
よって計測するセンサー。
visual sensor
23060
視覚フィードバッ
ク
視覚機能によって作業対象の動きを検出して制御系に入
力する制御方法。
visual feedback
23061
時定数(ロボット
の)
一次遅れ要素のステップ応答が最終値 (1−e-−1) 倍(約
63.2%)に達するまでの時間。
time constant (of robot)
23062
自動制御
制御対象の出力が目標値に適合するように,制御系への操
作量が制御装置によって自動的に決定される制御。
automatic control
23063
重力補償
付加質量やリンク機構の構造体質量による死荷重の補償。 dead weight
compensation
23064
自由度
ロボットなどの生体機械の効果器の運動の自由さを確保
する数。
degree of freedom
23065
順運動学
マニピュレーターの制御において関節角座標を作業座標
に変換するアルゴリズム,又はそれを求める学問。
forward kinematics
23066
順動力学
マニピュレーターの制御において関節トルクから位置,速
度,加速度を計算するアルゴリズム,又はそれを求める学
問。
forward dynamics
23067
周波数応答
正弦波信号を入力したときの,制御系全体やこれを構成す
る制御要素の応答特性。
frequency response
23068
象形動作
手指で形を表現して相手との意思の伝達を行う動作。
signal motion
23069
冗長自由度
マニピュレーターなどの多自由度機構の自由度から作業
座標の次元を引いた差。
redundancy
23070
触覚センサー
対象との接触状態を計測又は検出するセンサー。
tactile sensor
23071
触覚テレビ
皮膚への刺激を介して生体に映像情報を伝達する感覚代
行システム。
備考 TVSSともいう。
tactile visual substitute
system
23072
触覚フィードバッ
ク
触覚機能によって作業対象の動きを検出して制御系にフ
ィードバックする制御方法。
tactile feedback
23073
人工筋
生体の筋肉に類似した特性をもつアクチュエーター。
artificial muscle
23074
伸縮型マニピュレ
ーター
伸縮機構からなる関節をもつマニピュレーター。
manipulator with slide
joint
23075
身体障害者用マニ
ピュレーター
身体障害者の日常生活,又は就労を支援するロボットマニ
ピュレーター。
manipulator for the
handicapped
32
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
23076
スクリュー理論
三次元空間内における機構の運動を直線上の並進と回転
の組合せで解析する理論。
theory of screw
23077
滑り説
筋の収縮はミオシンフィラメントの中にアクチンフィラ
メントが両側から引き込まれることによって起きるとい
う学説。
sliding theory
23078
精密把握
親指とその他の指で対向収縮して指先で物を把握する動
作。
precision grip
23079
接触倣い制御
対象物に接触し,常に接触している状態を保って滑りなが
ら運動させる技術。
touch and slide technique
23080
接触技術
対象物に力を作用させることなく,又は力を制御しながら
位置を一致させる技術。
touch technique
23081
センサー
物理量・化学量又は物理的・化学的性質を信号処理が可能
な連続量又は離散量に変換する素子又は装置。
sensor
23082
センサーインテグ
レーション
センサーフュージョンの一種で,多種又は多数のセンサー
を組み合わせることによって単一のセンサーの場合に比
べてより確実高精度の情報を取得する方法。
sensor integration
23083
センサーフュージ
ヨン
多種又は多数のセンサーからの情報を融合・統合すること
によって,単一のセンサーの場合に比べて,より確実高精
度,より統合的及びより高次の情報を取得する方法。
sensor fusion
23084
ゼロモーメント・ポ
イント
歩行において,着地した足に作用するモーメントがゼロに
なる点。
zero moment point
23085
操作反力
操作時に対象物から受ける反力。
reaction force of
manipulation
23086
速度ベクトル
物体の運動の表現において,その運動速度の大きさ及び方
向。
rate vector
23087
速度制御
多リンク機構の先端が目標とする速度になるように各関
節の動きを調節する制御。
rate control
23088
速度分解制御
マニピュレーターの速度制御において,関節角座標系での
速度と作業座標系での速度の関係を現す一次方程式を用
いて,作業座標系での指令速度から関節角座標系での指令
速度を計算する方法。
resolved motion rate
control
23089
多足歩行ロボット
1本又は複数本の脚で構成された歩行型の移動ロボット。
multi-legged walking
robot
23090
ダイレクトドライ
ブロボット
アクチュエーターを減速機などの付加機構を用いること
なく直接関節に搭載したロボット。
direct drive robot
23091
タッピング作業
手に持ったハンマーや指肢で物を繰り返したたく動作。
tapping task
23092
つまみ
親指と他の指の対向収縮による把持動作。
pinch
23093
適応制御
制御対象の特性,目標値,外乱などが,時間や周囲環境の
影響で変化しても,制御系の性能が変化しないようにする
制御方法。
adaptive control
23094
デナビット−ハー
テンバーグ変換
マニピュレーターの制御においてリンクの間の幾何学的
関係や手先効果器の位置・方向を記述する四次正方行列に
よる変換。D-H変換ともいう。
Denavit-Hartenberg
transformation
23095
テレイグジスタン
ス
人間の操縦者にあたかもロボットの代わりに自分が現場
で動作しているかのような臨場感をもたせる操縦装置を
構成する技術。
tele-existence
23096
テレオペレーター
人の手足などの運動系の機能を拡張することを目的とし
た,人によって効率的に操縦される柔軟な運動機構を備え
た遠隔操作型作業システム。
teleoperator
33
K3611-1995
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
23097
テレプレゼンス
現在いる場所とは異なる実在の場所にいるような錯覚を
人に与えること,又は与える技術。
telepresence
23098
テレロボティクス
遠隔操作されるロボットにかかわる課題を取り扱う学問。 telerobotics
23099
特異姿勢
多リンク機構が動作自由度の干渉によって速度制御不能
になる姿勢。
singular configuration
23100
動的歩行制御
幾何学的に安定な状態だけを考慮するのではなく,運動学
的に安定な状態を考慮した歩行の制御。
dynamic walking control
23101
動的補償
ロボットの運動を制御する際,慣性や粘性効果又は非線形
効果をも相殺するために,速度や加速度に応じて制御トル
クを変化させる補償法。
dynamic compensation
23102
動力学
物体やリンク機構などの各部に時間的に変化する力を加
えたときの運動を計算するアルゴリズム又はそれを研究
する学問。
dynamics
23103
トルク
物体をある軸回りに回す回転力。
torque
23104
内界センサー
生体機械が生体機械自身の状態を知るためのセンサー。
internal sensor
23105
内骨格
機構の構成において,中心部に構造部材を配置しその周囲
に関節の駆動源を配置したリンク(体節)の形態。
midskeleton
23106
握り
指の屈筋の収縮による動作で,指や手掌と対象物との接触
面積が大きい把持動作。
grasp,
grip
23107
ねじり
物体の一端を固定し,他端を回転して相対回転変位を起こ
す動作。
screwing
23108
粘性摩擦
物体と物体との間の相対速度に比例し,相対運動の抗力を
発生する現象。
viscous friction
23109
粘弾性
物体を変形させるのに必要な力が,変形速度によって異な
る現象。
viscoelasticity
23110
把握
手が対象物の運動を拘束する動作。
girp,
grasp
23111
はさみ
指先を対向させて物を拘束する把持動作。
nip,
pinch
23112
ハンド
人間の手に類似する機能をもつ機構。
hand
23113
ハンド・アイシステ
ム
視覚による外界認識機能に基づき制御されるロボットア
ーム・ハンドシステム。
hand eye system
23114
反力
効果器を通じて外界に力を作用させたときの反作用。
reaction force
23115
バイオメカニズム
生体の機能を工学的視点から取り扱う学問のうち,その機
構の合成に力点をおく分野。
biomechanism
23116
バイラテラルマニ
ピュレーター
遠隔操作型マニピュレーターのうち,マニピュレーターに
及ぼされる外界からの拘束力を操作者に感知させるため
の力の逆送機構を内蔵するもの。
bilateral manipulator
23117
パレタイジング
物体をパレットの決められた位置に搬送する作業。
palletizing
23118
ひねり
物体をその中に存在する特定軸の回りに回転する動作。
twist
23119
フィードフォワー
ド
制御対象の制御量の目標値からの偏差の原因となる外乱
を検出し,制御系へ入力する過程。
feedforward
23120
フィードバック
制御結果を検出して制御系(原因側)へ入力(反映)する
過程。
feedback
23121
振り
手首関節の動作の表現において,手掌面を鉛直面と等しく
したときの水平面の屈曲伸展動作。
yaw,
swing
23122
フレキシブルアー
ム
関節間を接続する部材などが柔らかく,関節のアクチュエ
ーターを駆動したときに先端に振動が発生しやすいアー
ム。
flexible arm
34
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
23123
閉ループ制御
制御対象の出力をフィードバックすることによって目標
値との誤差を低減する制御系。
備考 クローズドループ制御ともいう。
closed loop control
23124
マスタスレーブマ
ニピュレーター
操縦されるマニピュレーターと相似形の操縦カン(桿)を
もち,関節間の動作を1対1対応させて,操縦するタイプ
の遠隔操作型マニピュレーター。
master slave manipulator
23125
マニピュレーター
対象に作用を加えるために用いられる一種のロボットア
ーム。
manipulator
23126
メカノケミカル・ア
クチュエーター
化学的反応によるアクチュエーター。
mechanochemical
actuator
23127
力のモーメント
ある物体の軸を曲げるように作用する回転力。
moment
23128
モデルベーストマ
ニピュレーショ
ン
あらかじめ用意された環境の構造に対するモデルをもと
に環境を認識し,対象の操作を行うマニピュレーターの制
御技術。
model-based
manipulation
23129
ヤコビ行列
ロボット工学において運動学写像を関節角座標で偏微分
して得られる行列。
Jacobian matrix
23130
臨場感通信
仮想現実感を用いることによって遠隔地にいる人間どう
しがあたかも一堂に会する感覚で交信を行うことを可能
にする通信方式。
realistic sensations
communication
23131
ロコモーション
地上などの面上での移動動作又は機能。
locomotion
23132
ロボット
人や動物のような複雑な動作を自動的又は半自動的に行
う機械。
robot
23133
ロボット言語
人が比較的容易にロボットに指令を与えることを可能に
するための言語体系。
robot language
23134
ロボティクス
ロボットの技術又は心理,社会に与える経済効果など,ロ
ボットにかかわる課題を扱う学問。
robotics
23135
力覚センサー
ロボットの動作に関する力のセンサー。
force/torque sensor
23136
力制御
外界と力学的に干渉するロボットにおいて,ロボットと外
界との間に働く力又はトルクを希望値に保つ制御方法。
force control,
torque control
23137
立体視
生体が視覚系の情報を脳内で統合的に処理することで奥
行き知覚も含めた視覚情報を取得する感覚。
stereopsis,
3 dimensional vision
23138
両眼融合
左右両眼の各々の網膜上に結像した点が脳の情報処理の
過程で融合して一つの点として認識される両眼単一視が
成立すること。
binocular fusion
23139
ACTH
副腎皮質刺激ホルモンの略号。
adrenocorticotropic
hormone,
adrenocorticotropin
23140
ADP
ATPの加水分解産物。アデノシン5ʼ−二りん酸の略号。
adenosine 5'-diphosphate
23141
ATP
生体のエネルギー源となる化合物。アデノシン5ʼ−三り
ん酸の略号。
adenosine 5'-triphosphate
23142
FAD
生体の酸化還元補酵素の一種。フラビンアデニンジヌクレ
オチドの略号。
flavin adenine
dinucleotide
23143
Fアクチン
Gアクチンの多量体。
fibrous actin
23144
Gアクチン
筋肉の収縮性たん白質,アクチンの単量体。
globular actin
23145
アクチン
細胞内骨格系の細い線維の主成分となるたん白質。
actin
23146
アクチンフィラメ
ント
Gアクチンの線維状重合体。
actin filament
23147
アンチコドン
tRNAの遺伝暗号(コドン)認識に関与する3塩基連鎖。
anticodon
23148
アンチコドンルー
プ
tRNAのクローバーの葉構造の先端に位置し,コドン認識
に関与する輪状構造。
anticodon loop
35
K3611-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
23149
シトクロム
ヘムがFe2+ →
←
Fe3++e−の反応を生理的に行うたん白質。 cytochrome
23150
セントラルドグマ
遺伝情報は核酸からたん白質へと一方向にだけ流れ,たん
白質に発現された情報が核酸へと逆には流れないとする
分子遺伝学上の学説。
central dogma
23151
バクテリオロドプ
シン
高度好塩菌のHalobacterium halobiumの紫膜から発見され
た,ロドプシンに似た構造をもつ色素たん白質。
bacteriorhodopsin
23152
プロトンポンプ
生体膜の両側のH+の電気化学ポテンシャル差に逆らって
ATPのエネルギーでH+の能動輸送を行う膜たん白質。
proton pump
23153
ミオシン
重鎖2本と軽鎖4本とからなるATPアーゼ活性をもつ筋肉
たん白質。
myosin
23154
ミオシンフィラメ
ント
ミオシンのフィラメント状集合体。
myosin filament
23155
走光性
光の刺激に応じた細胞の運動。
phototaxis
23156
分子モーター
ATP加水分解活性をもち,生体運動のエネルギー変換を行
う酵素たん白質。
molecular motor
(2.4) 感覚・その他
番号
用語
定義
対応英語(参考)
24001
圧覚
単位面積当たりの力の感覚。
pressure sense
24002
体性感覚
皮膚,粘膜,筋肉,けん(腱),じん(靱)帯などに存在
するさまざまな容器によって生じる感覚。
somatic sensation
24003
シナプス
ニューロンとニューロン又はニューロンと筋細胞との情
報伝達のための接合部。
synapse
24004
シナプス前抑制
シナプス前線維に作用して起こる抑制。
presynaptic inhibition
24005
シナプス後抑制
シナプス後膜の抑制性電位変化に基づく抑制。
postsynaptic inhibition
24006
体脂肪率
体重に占める体脂肪量の割合。
percent of body fat
(3) 生体計測工学
(3.1) 生体電気計測
番号
用語
定義
対応英語(参考)
31001
アイソレーション
電気ショックに対する生体の安全を確保するために,又は
電刺激電流が他に影響を与えないように,装着部を絶縁
し,接地回路から生体を遊離する方法。
isolation
31002
アーティファクト
生体信号の計測時に人為的な要因によって出力に混入す
る不要信号。
artefact
31003
活動電位
細胞又は細胞の集合体の機能発現に伴い発生する細胞膜
の電位変化又はそれらの加算集合体電位の変化。
action potential
31004
関電極
生体電気現象を測定するために,活動電位の発生する場所
においた電極。探査電極ともいう。
different electrode
31005
差動増幅器
2点間の電位差を増幅・出力する増幅器。
differential amplifier
31006
時定数(生体電気計
測の)
ある系にステップ入力を加えたときの応答が時間tに対し
て1−e-t/Tに変化するときのTの値。
time constant (of
bioelectric
measurement)
31007
静止電位
非活動時における細胞膜内外の電位差。
resting potential
31008
双極導出
測定しようとする生体の適当な2点の電位差を信号として
検出する導出方式。
bipolar lead
31009
単極導出
測定しようとする生体の適当な一点の電位と基準となる
点の電位との電位差を信号として検出する導出方式。
unipolar lead
36
K3611-1995
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
31010
電極
生体電気現象の情報を体表又は生体内から電気的な量と
して導出するため,又はその逆に電気的エネルギーを生体
に与えるために使用する電子機器と生体をつなぐ導体。
electrode
31011
同相弁別比
差動増幅器の差動信号成分の増幅度(Ad)と同相信号成分の
増幅度(Ac)の比。又はそのデシベル表示。すなわち,20log
(Ad/Ac)
common mode rejection
ratio
31012
ハムフィルター
電源周波数成分(50Hz又は60Hz)を選択的に減衰させる
帯域除去ろ(濾)波器。
hum filter
31013
不関電極
生体電気現象を測定するために,電位のほとんど変化しな
い点においた電極。
indifferent electrode
31014
不分極電極
電流によって電位変化を生じない電極。
non-polarizable electrode
31015
分極電圧
電極と溶液間に,外部電流で発生した電位差。
polarization voltage
31016
微小電極
単一細胞の細胞内電位を測定するための電極。
microelectrode
31017
ペースト
皮膚表面と生体用電極との電気的接触を良くするために
両者の間に用いる電解質を含む可塑性の導体。
paste
(3.2) 生体磁気計測
番号
用語
定義
対応英語(参考)
32001
MSI
生体磁気計測によって生体内の電気活動の発生源の局在
性を表現する技術。
magnetic source imaging
(MSI)
32002
肝磁図
肝臓の中に蓄積した鉄などの磁性物質から発生する磁場。
備考 肝磁界ともいう。
magnetic field from the
liver
32003
眼磁図
眼球を動かしたり,眼に光を与えたときに眼とその周辺か
ら発生する磁場。
備考 眼磁界ともいう。
magneto oculogram
(MOG)
32004
磁気刺激
電磁誘導によって生体内に誘起される渦電流による神経
や筋の刺激。
magnetic stimulation,
electromagnetic
stimulation
32005
磁気遮へい(蔽)
磁場の遮へい(蔽)。
magnetic shielding
32006
磁性細菌
磁気を感知し,磁力線に沿って泳動する細菌。
magnetic bacteriun
32007
磁束検出コイル
生体から発生する磁束から検出するために,スクイド磁束
計の先端部に設置しているコイル。
magnetic detection coil
32008
神経磁界
神経の電気活動に伴って発生する磁場。
neuromagnetic field
32009
心磁図,
心磁界
心臓の収縮に伴って発生する磁場。
magneto cardiogram
32010
神経磁気学
神経の電気活動に伴って発生する磁場を対象とした学問。 neuromagnetism
32011
神経磁気刺激
電磁誘導によって生体内に誘起された渦電流による神経
の刺激。
magnetic nerve
stimulation
32012
生体磁気学
生体と磁気との関連を研究する学問。
biomagnetics
32013
生体磁気計測
生体から発生する微弱な磁場の計測。
biomagnetism
32014
生体磁気効果
生体に及ぼす磁気の効果。
biomagnetic effect,
biological effect of
magnetic fields
32015
体積電流
細胞の電気活動の発生源から周辺の組織を流れて帰る電
流。
volume current
32016
超伝導量子干渉素
子,
スクイド
ジョセフソン接合をもつ超伝導リング状の素子。
superconducting quantum
interference device
(SQUID)
32017
電流双極子
細胞の電流活動の発生源を正負の電荷の対として表現す
る微小電流源。
current dipole
37
K3611-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
32018
二次元脳電磁図法
脳波や脳磁図の頭皮上空間分布を二次元平面上に表す技
術。
brain electromagnetic
topography
32019
脳磁図
脳神経細胞の電気活動によって頭の周りに生じる磁場。脳
磁界ともいう。
magnetoencephalography
(MEG)
32020
脳磁図イメージン
グ
脳磁図を用いた脳機能画像構築技術。
neuromagnetic imaging
32021
肺磁図
肺の中に蓄積した磁性粉じん(塵)を体外から磁化した後,
体外から計測される時間とともに減少する磁場。
備考 肺磁界ともいう。
magnetopneumogram
(MPC)
32022
誘発脳磁図
末しょう(梢)神経や感覚受容器の刺激による一過性の,
脳の電気的活動によって生じる磁場。誘発脳磁界ともい
う。
evoked magnetic field
32023
逆問題
測定された生体磁場の空間分布を既知として,これらの生
体磁場の発生源の位置,強度,方向などを推定する問題。
inverse problem
32024
順問題
生体から発生する磁場の発生源の位置,強度,方向などを
既知として,それらの磁場の空間分布を求める問題。
forward problem
(3.3) 放射線計測
番号
用語
定義
対応英語(参考)
33001
(X線)管電圧
X線管の陽極と陰極との間に加える電位差。通常,ピーク
値をキロボルト (kV) で表す。
(X-ray) tube voltage
33002
(X線)管電流
X線管のターゲットに入射する電子ビームの電流。通常,
平均値をミリアンペア (mA) で表す。
(X-ray) tube current
33003
(X線)透視(法) 一連のX線パターンを連続的又は周期的に得,可視像とし
て,同時に,かつ,連続的に表示する技法。
(X-ray) radioscopy
33004
(放射)線源装置
放射線源と電離放射線に対する防護手段,更に必要な場合
は電撃に対する防護手段及び照射野限定システムを含め
た装置。例えば,X線源装置,γ線源装置,放射性線源装置。
(radiation) source
apparatus
33005
(放射性)半減期
単一の放射性壊変過程について,その放射能がその値の半
分に減少するのに必要とする時間。
(radiative) half-life
33006
RIジェネレーター
一つの親核種と一つの娘核種からなる放射性核種の混合
物を含む器具で,娘核種を簡単な手順で取り出すことがで
き,通常,放射線遮へい(蔽)物と一体になっている装置。
radionuclide generator
33007
RIスキャナー,
シンチレーション
スキャナー
単一又は複数の放射線検出装置を使用するシンチグラフ
ィー用機器。この機器は,被検体に対して検出器ヘッドを
移動し,その検出器出力を変換して対応する位置の放射線
画像を形成する。
radionuclide scanner,
scintillation scanner
33008
X線受像器
直接又は間接にX線パターンを可視像に変換する器具。
例 蛍光板,直接撮影用フィルムなど。
X-ray image receptor
33009
X線装置
X線発生装置,関連機器及び附属品の組合せによって構成
される装置。
X-ray equipment
33010
X線発生装置
少なくともX線高電圧装置を含み,X線の発生と制御のた
めのすべての機器を組合せた装置。
例 コンデンサー放電式X線発生装置。
X-ray generator
33011
ガンマカメラ,
シンチレーション
カメラ
被検体から放射される放射線を二次元的に同時検出する
ことによって画像を作成するシンチグラフィー用機器。
gamma camera,
scintillation camera
38
K3611-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
33012
コリメーター
放射性核種画像機器においては,1個以上の開口をもつ放
射線減弱物質のブロック。
備考 視野を規定し,放射線検出装置に到達する放射
線の立体角を限定するためのもの。
collimator
33013
コンピュータ断層
撮影(法)
記録と処理をコンピュータシステムで行う再構成断層撮
影法。
computed tomography
33014
バックグラウンド
放射線
問題としている線源以外のある点における電離放射線。自
然放射線及び人工線源からの放射線からなる。
background radiation
33015
(歯科用)パノラマ
X線撮影(法)
口こう(腔)用X線管を用いた,歯列の一部又は全部の直
接X線撮影法。
(dental) panoramic
radiography
33016
(歯科用)パノラマ
X線断層撮影
(法)
X線管とX線受像器の相対的な動きを組合せ,スリット状
絞りを用い,歯列の一部又は全部を撮影する直接X線撮影
法。
(dental) panoramic
tomography
33017
一次放射線
ターゲット又は放射性線源から直接放射される電離放射
線。
primary radiation
33018
監視区域
電離放射線防護において,電離放射線のレベルを監視して
いる区域。
area under surveillance
33019
管電流時間積
医用放射線においては,X線管に負荷をかけることによる
電気量。ミリアンペアで表した平均X線管電流と秒で表し
た負荷の継続時間との積としてミリアンペア秒で表す。
current time product
33020
管理区域
監視区域の一部で,電離放射線から人を防護するために,
立入り,占有及び作業条件の規制と管理を行っている限定
された区域。
controlled area
33021
間接(X線)撮影
(法)
受像面で得た情報を転送した後に記録するX線撮影法。
indirect (X-ray)
radiography
33022
狭角断層撮影法
被写体の比較的厚い層の像を得るための直接断層撮影法。
備考 ソノグラフィーともいう。
zonography
33023
公称焦点値
規定した条件下で測定したX線管の実効焦点の寸法に関す
る数値。
nominal focus spot value
33024
再構成断層撮影
(法)
被写体から得た情報を再構成処理することによって,断層
像を記録するトモグラフィー。
reconstructive
tomography
33025
散乱放射線
電離放射線と物質との相互作用によって放射される電離
放射線。相互作用によって放射線エネルギーの低下又は放
射線の方向の変化を伴う。
scattered radiation
33026
実効焦点
基準面への実焦点の垂直投影。
備考 単に焦点という場合は実効焦点を指す。
effective focal spot
33027
実効線量当量
不均等に又は部分的に照射される場合に,全身に対する重
み付けをした線量当量を実現するために使用される量。
effective dose equivalent
33028
実効半減期
あるシステムの特定の放射性核種の量について,放射性壊
変と,その他の過程[生物学的排せつ(泄)など]の両方
の結果として,その減少がおよそ指数法則に従う場合に,
その値の半分に減少するのに必要とされる時間。
effective half-time
33029
照射時間
規定の方法によって測定された照射期間。通常は,放射線
量率がある指定の基準を超えている時間。
irradiation time
39
K3611-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
33030
照射線量
電離放射線によって,空気中に生成される電荷。照射線量
はdQをdmで割った商として定められる。ここに,dQの
値:光子によって質量dmの空気中で放出されたすべての
電子(陰電子と陽電子)が空気中で完全に停止するとき,
空気中に生成される一つの符号(正又は負)のイオンの全
電荷の絶対値。
X=dm
dQ
照射線量の単位は,キログラム当たりのクーロン (C・kg−1)
である。
参考 照射線量の従来の単位はレントゲン(R)てあっ
て1Rは2.58×10-4C・kg-1に等しい。
exposure
33031
生物(学)的半減期 ある生体系の特定の物量の量について,その減少がおおよ
そ指数法則に従う場合に,生物学的過程によってその値の
半分に減少するのに必要とされる時間。
biological half-life
33032
線感度
指定したコリメーターと波高分析器ウインドウをもつ放
射性核種画像装置においては,線線源の放射能と検出器ヘ
ッドの計数率との比。
備考 線線源は指定した放射性核種を含む規定の寸法
をもち,コリメーター軸に垂直で,その中心は
入射面から指定した距離の軸上に置かれる。
line sensitivity
33033
像縮尺
放射性核種画像装置においては,記録又は表示された画像
中の2点A'とB'の距離をd'とし,コリメーターの入射面に
平行又はその軸に垂直な対象物内の面における,対応する
点AとBの距離をdとしたときのそれらの比d'/d。
scale factor
33034
担体
核医学においては,化学的又は物理的な過程を通じて,他
の物質をトレースするために加える適当な量の物質。
備考 キャリアーともいう。
carrier
33035
トモグラフィー,
断層撮影(法)
被写体内の一つ以上の層を得るためのX線撮影法。
tomography
33036
直接(X線)撮影
(法)
受像面で記録するX線撮影法。
direct radiography
33037
キモグラフィー,
動態撮影(法)
対象臓器の境界の変位像を得るための直接X線撮影法。
kymography
33038
二次放射線
一次放射線と物質との相互作用によって,その物質から放
射される電離放射線。
secondary radiation
33039
半価層
狭い線すい(錐)の条件で,特定の放射線エネルギーやス
ペクトルをもつγ線又はX線のもとで,カーマ率,照射線
量率又は吸収線量率が,物質のない状態で測定した値の半
分まで減少するときの指定した物質の厚さ。
備考 半価層はその物質名とその厚さをメートルに単
位の接頭語を付けたもので表す。
参考 通常は照射線量率についての値で表す。
half value layer
33040
比面感度
指定したコリメーターと波高分析器ウインドウとをもつ
放射性核種画像装置においては,画線源の単位面積当たり
の放射能と検出器ヘッドの計数率との比。
備考 面線源は指定した放射線核種を含む規定の寸法
をもち,コリメーター軸に垂直で,その中心は
入射面から指定した距離の軸上に置かれる。
specific plane sensitivity
40
K3611-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
33041
放射線パターン
被写体を透過することによって強度分布が変化した,電離
放射線ビームに含まれる情報。
例 X線パターン,γ線パターン,電子線パターンなど。
radiological pattern
33042
放射線業務従事者
自然電離放射線を除く一つ以上の放射線源から,規定のレ
ベル以上の電離放射線に,職業上,被ばくするおそれがあ
る人。
occupationally exposed
person
33043
放射線検出器
直接的又は間接的な方法で入射放射線の一つ以上の量を
測定するため,適切な信号又は他の指示を与える機器。
radiation detector
33044
放射線測定器
放射線学において,電離放射線に関する量を測定するため
に設計された機器で,1個以上の放射線検出器を含み,か
つ,関連組立品又は基礎的機能をもつユニットの組立品。
例 カーマメータ,カーマ率メータ,面積カーマ積計,
照射線量計,照射線量率計,面積照射線量積計な
ど。
radiation meter
33045
立体(X線)撮影
(法)
適当な光学的な手法で観察したとき,三次元の像となる一
対の写真を作り出すために,被写体を二方向から照射する
X線撮影法。
stereoradiography
33046
漏えい放射線
放射口を透過してくるものではなく,放射線源の防護遮へ
い(蔽)物を透過してくる電離放射線。
備考 ある方式のX線発生装置(例えば,クリッド制
御形X線管を用いたもの)や粒子加速装置では
負荷の前後に放射口を通過してくる電離放射線
を含む。
leakage radiation
(3.4) 磁気共鳴計測
番号
用語
定義
対応英語(参考)
34001
MRアンジオグラフ
ィー
磁気共鳴画像解析の方法を用いる血管撮影法。
MR angiography
34002
MR顕微鏡
高い空間分解能をもつ磁気共鳴画像装置。
MR microscope
34003
MR造影剤
磁気共鳴で画像濃度を選択的に変化させてコントラスト
をつけることによって診断をしやすくするために注入す
る物質。
MR contrast medium
34004
RFコイル
磁気共鳴でラジオ波の送信・受信に用いる円形又は層状に
巻いた電線。
RF coil
34005
RFパルス
短い時間のパルス状の高周波の電磁波。
RF (radio frequency)
pulse
34006
エコープラナー法
傾斜磁場を高速で連続的に反転させ,連続的にエコーを生
じさせて走査する超高速画像法。
echo planar imaging
34007
エコー時間
RFパルスを印加した後,エコーを生じさせるまでの時間。 time of echo
34008
化学シフト
軌道電子による遮へい(蔽)効果のために起こる原子核ス
ピンの磁気共鳴周波数の変化。
chemical shift
34009
化学シフトイメー
ジング
NMRスペクトルの特定の化学シフトの共鳴線の信号強度
に応じ画像構成をする方法。
chemical shift imaging
34010
シネMR撮像法
磁気共鳴画像から動画を作るための撮像法。
cine MR imaging
34011
シミング
主磁石が作る磁場の均一度を向上させるための方法。
shimming
34012
スピンエコー
RFパルスによって生じたFID信号が消失した後,180°パ
ルスの印加によって生じる信号。
spin echo
34013
NMRスペクトロス
コピー
NMR信号の周波数成分を解析する分光学。
NMR spectroscopy
41
K3611-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
34014
ズーグマトグラフ
ィー
線形磁場こう(勾)配を用いる磁気共鳴画像法。
zeugmatography
34015
パルス系列
磁気共鳴信号を有効に取り出すために印加するRFパルス
及び傾斜磁場パルスの時系列。
pulse sequence
34016
フーリエ変換映像
法
磁気共鳴信号のフーリエ変換によって画像を構成する方
法。
Fourier transformation
imaging
34017
ブロッホ方程式
巨視的な磁化ベクトルの運動を記述する古典論による運
動方程式。
Bloch equation
34018
マルチエコー
一回の励起パルスの後に得られる二つ以上のエコー信号。 multi echo
34019
ラーモア歳差運動
一定の磁場中で原子核磁気モーメントか行う歳差運動。
Larmor precession
34020
位相
磁気共鳴信号の回転座標からのずれ。
phase
34021
位相エンコード法
磁気共鳴の画像化技術において,位置や動きなどの情報を
位相の変化として符号化する方法。
phase encoding
34022
位相画像
磁気共鳴信号の位相のずれの大きさを画素の濃淡で示し
た画像。
phase image
34023
画像アーティファ
クト
画像処理の過程で発生する偽りの映像信号。
image artefact
34024
回転座標
ある基本的な座標系に対してその回りに回転している座
標系。
rotating frame
34025
拡散効果
分子などの粒子が熱によるランダム運動によって移動し
散らばっていくことによるMR信号への効果。
diffusion effect
34026
核スピン
原子核がもつスピン磁気モーメントの大きさ。
nuclear spin
34027
局所スペクトロス
コピー
局所的な領域から磁気共鳴信号を得ることを目的とした
スペクトロスコピー。
localized spectroscopy
34028
空間分解能
被写体の空間的な位置の違いを区別する能力。
spatial resolution
34029
繰返し時間
磁気共鳴のパルス系列の基本的な単位が繰り返される時
間間隔。
repetition time,
time of repetition
34030
傾斜磁場
空間の特定の方向に磁束密度の傾きをもつような磁場。
gradient magnetic field
34031
傾斜磁場エコー
傾斜磁場の逆転によって生じるエコー。
gradient field echo
34032
傾斜磁場コイル
傾斜磁場を生じさせるために用いられるコイル。
gradient coil
34033
血流測定
磁気共鳴を用いて行う血流又は血流速度の測定。
blood flow measurement
34034
高速スキャン法
測定時間の短い走査法。通常は傾斜磁場エコー法を用い
る。
fast scan method
34035
磁気モーメント
ある対象物質又は物体の磁気の強さを表す量。
magnetic moment
34036
磁気回転比
粒子のもつ磁気モーメントの大きさの角運動量の大きさ
に対する比。
gyromagnetic ratio
34037
磁気緩和
磁気モーメントが励起又は整列した状態からの緩和現象。 magnetic relaxation
34038
磁気共鳴画像診断
法
磁気共鳴画像を用いた臨床画像診断の技法。
magnetic resonance
imaging diagnosis
34039
磁場均一度
磁束密度の空間的な均一さの程度。
magnetic homogeneity
34040
自由誘導減衰
90度パルスなどによって生じた横磁化に応じて観測され
る信号。
free induction decay
34041
静磁場
磁気共鳴において時間的に変化しない磁場。
static magnetic field
34042
選択励起法
特定の部位又は波長領域だけが共鳴を起こすような励起
方法。
selective excitation
34043
多重共鳴
磁気的に結合した異なる磁気多重項の間の磁気遷移を幾
つか同時に起こさせる磁気共鳴。
multiple resonance
34044
超高速スキャン法
高速な走査の中でより高速なもの。
ultrafast scan
42
K3611-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
34045
定常自由歳差運動
RFパルスをT1,T2よりも短い時間間隔で繰り返し印加す
ることによって得られる励起と緩和の間のスピンの定常
状態。
steady state free
precession
34046
投影再構成法
MRIの画像技術で,被写体をめぐるすべての方向の投影に
対応したデータから画像を再構成する方法。
projection reconstruction
imaging
34047
反転回復法
180°パルスの印加又は高速断熱通過によってスピンが反
転した状態から,T1による回復に依存した信号強度をもつ
画像を得る方法。
inversion recovery
34048
表面コイル
被検体の表面付近の限られた領域からの信号を感度よく
取り出すためのRFコイル。
surface coil
34049
飽和回復法
スピン系を飽和させた後,T1による回復の程度に応じた強
度をもつ信号又は画像を得る方法。
saturation recovery
34050
読取り傾斜磁場
エコー信号の発生時に印加し,エコー信号の周波数の変化
から位置を読み取るためのこう(勾)配磁場。
read out field gradient
34051
サンプリング帯域
幅
磁気共鳴の信号採集のときの信号の周波数の幅。
sampling band width
34052
SAR
単位体重当たりの熱吸収率。MRIにおける被検者に対する
熱負荷。
specific absorption rate
34053
プリサチュレーシ
ョン法
画像化の信号収集前にスピン系を飽和させ血流やケミカ
ルシフトに起因するアーチファクトを除く方法。
pre-saturation method
34054
フロー・リフェイジ
ング
血流による磁気共鳴信号の位相のずれをこう(勾)配磁場
の印加によって戻す操作。
flow rephasing
34055
RF
波長が0.1〜103mの電磁波。
備考 無線周波数ともいう。
radio frequency
34056
MR
静磁場中に置かれた磁気モーメントの電磁エネルギー共
鳴吸収現象。
備考 磁気共鳴ともいう。
magnetic resonance
34057
MRI
磁場共鳴現象をもちいた撮像法又はその画像。
magnetic resonance
image
(3.5) 生体超音波計測
番号
用語
定義
対応英語(参考)
35001
AE
固体材料内部の微少な破壊又はそれと同様なエネルギー
解放過程によって発生する弾性波動現象。
acoustic emission
35002
Aモード
ブラウン管などの時間軸上にエコー(音波反響)を振幅の
変化の形で表示する方法。
参考 この方式による記録をエコー図という。
A-mode
35003
Bモード
ブラウン管の時間軸上にエコーの振幅に応じた明るさの
強弱を表示する方式。
B-mode
35004
FDA,
FCA
(1) 吸収,散乱などによる音波の伝搬損失(減衰)が周波
数に依存して変化する性質。
(2) 周波数の関数としての超音波伝搬減衰。
frequency dependence
characteristics of
attenuation
35005
Mモード
探触子は固定しておき運動するエコー源までの距離の時
間的変化を表示させる方式。
例 UCG,心エコー図など。
M-mode
35006
SLAM
試料中を伝搬した超音波によって生じる試料表面の波面
分布をレーザ走査光で計測し,その結果から試料の音速分
布の定量計測を行う超音波顕微鏡。
scanning laser acoustic
microscope
43
K3611-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
35007
STC
超音波探傷器や超音波診断装置などにおいて,増幅器の利
得(ゲイン)を,一掃引の間で,時間的に変え,距離によ
るエコーの減衰などを補正調節する方法。
sensitivity time control
35008
テクスチャ
超音波Bモード画像上の関心領域内の信号強度の分布状
態。
texture
35009
エコー
被検体の音響的不連続部分,又は音響的不均質部分から反
射された超音波信号。
echo
35010
シングアラウンド
法
試料透過後の受波パルスで次の入射パルスをトリガする
パルス発振系における発振周波数から試料音速を計測す
る方法。
sing around method
35011
スペックルパター
ン
不均一媒質中の散乱体間隔が超音波パルス長以下になる
と各散乱体からのエコーが干渉して生じる超音波画像上
のはん(斑)紋状のパターン。
speckle pattern
35012
パルス法
超音波計測技術において,照射波に継続時間の短いパルス
波を用いる方法。
pulse method
35013
ハイパーサーミア
全身又はしゅよう(腫瘍)組織の一部の温度を一定時間,
42〜45℃の温度範囲に維持させることによって,がん(癌)
を治療する方法。
hyperthermia
35014
ファントム
医用超音波用の標準試験体,又は対比用試験体。
備考 画質,音場,分解能などの校正用,測定用に使
用される。
phantom
35015
ランダム媒質
音速,密度,減衰特性などの音響定数が空間的に不規則に
変化している媒質。
random media
35016
圧電振動子
圧電現象(効果)を利用して,電気信号から超音波信号に,
又はその逆に超音波信号から電気信号に変換する電気音
響変換器(素子)。
piezoelectric vibrator
35017
液浸法
超音波診断装置などにおいて,探触子の超音波放射面を液
体の中に入れ,液体を介して検査対象に対し超音波を送受
する方法。
immersion method,
immersion testing
35018
音圧
媒質中の音波によって生じる,媒質内圧力の静圧からの変
化分で通常実効値で表す量。
備考 単位記号はPa (=N/m2)
sound pressure
35019
音響特性インピー
ダンス
平面進行波の音場内の任意の一点における音圧p (kg/m・s2)
と粒子速度v (m/s) との比(固有音響インピーダンス)。
acoustic characteristic
impedance
35020
音響フィルター
ある特定の周波数範囲の音を取り除き,それ以外の周波数
範囲の音を通過させるのに用いられる装置。
acoustic filter
35021
音響レンズ
(1) 超音波の伝搬する媒質と異なる音速をもち,かつ,音
響的に透明な(減衰が無視できるほど小さい)物体の
相対する面を曲面又は平面とし,超音波を集束(又は
発散)させる目的で使用するレンズ。
(2) 境界における媒質の音速差によって音波が屈折するこ
とを利用し,音速を目的の方向に向けるレンズ状の媒
質。
acoustic lens
35022
音響陰影
超音波画像において,伝搬路上に存在する伝搬を妨げる媒
質によって生じる画像の暗領域。
acoustic shadow
35023
音響強度
音場中一点において,音波の進行方向に垂直な単位面積を
単位時間に通過する音響エネルギー。
量記号はI又はJ。単位記号はW/m2。
sound intensity,
acoustic intensity
35024
音場
音波の存在する空間。
acoustic field
44
K3611-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
35025
開口合成法
(1) 小口径の振動子から被検体に超音波を放射しながら振
動子を走査し,対象からの反射信号(受波信号)に対
して適当な信号処理を行うことによって,実効的に大
きな開口の振動子と同等の方位分解能を得る映像法。
(2) 送受信を繰り返しながら送受波器を移動する間,受波
信号を位相も含めて記憶しておき,一定期間の信号を
位相を調整しつつ合成することによって移動距離に相
当する大きな音源に匹敵する高い分解能を得る方法。
synthetic aperture method
35026
回折
反射や屈折以外に,障害物や媒質の不均一性によって進行
方向の異なる波を生じる現象。
diffraction
35027
干渉
同一の場所に到着した同一周波数(振動数)の二つ以上の
波が,互いに強めあったり弱めあったりする現象。
interference
35028
緩和
物理系に影響を与える何らかの条件が急激に変化したと
き,その物理系が定常状態に近づく過程。
relaxation
35029
球放射圧計
液体媒質中で球状の物体に作用する音の放射圧を測定す
ることによって音の強さを測定する装置。
ball (sphere) radiation
force meter
35030
減衰
音波が媒質中を伝搬する際に,回折,吸収,散乱,反射な
どによって進行方向の音響エネルギーが減少すること。
attenuation
35031
散乱
音波が多くの方向に,反射又は回折・屈折して散らばるこ
と。
scattering
35032
指向性
振動子の超音波を送受する能力が振動子の軸からの方向
によって異なる特性。
directivity
35033
焦点収束法
電子フォーカスなどにおいて焦点距離を動的に変えるこ
と。
dynamic focusing
35034
衝撃波
(1) 気体,液体,固体及び多相媒質中に,高エネルギーが
一瞬集積し瞬時に解放されるときに現れる非線形な衝
撃的な波。
(2) 流体中の超音波の運動によって起こる衝撃的な波。
(3) 媒質又は構造物が伝搬するのに伴って起こる衝撃運動
(変位,圧力又はその他の変数)。
shock wave
35035
振動子
圧電現象や磁わい(歪)現象を利用して,電気信号から超
音波信号に,又はその逆に超音波信号から電気信号に変換
するための電気音響変換素子。
vibrator
35036
相互校正法
電気音響変換器の可逆性を利用して変換器の絶対校正を
行う方法。
reciprocity calibration
35037
走査法
超音波撮像や計測において,振動子からの超音波ビームの
放射位置,放射方向又は焦点距離を変化させる方法。
scanning method
35038
組織性状診断
(1) 生体組織のもつ音響特性と音響学的特異性とを病的状
態も含めて測定又は解明し,その特徴を明確化するこ
と。
(2) 超音波が生体内組織を伝搬する際に受ける物理量(減
衰,音速など)の変化に着目し,その組織の特性を定
量化する組織診断法。
tissue characterization
35039
探触子
超音波の送受信のための振動子及び附属機構(ダンパー
材,コイルなど)を含んだ超音波変換器。プローブともい
う。
probe
45
K3611-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
35040
探傷子(器)
主として,超音波探傷や医用診断に用いられる用語で,試
験体に関する情報を得るため,試験体中に超音波を送り込
んだり超音波を受信したりする超音波送受波器をいう。超
音波診断において,送受信のための振動子及び附属機構
(ダンパー料,コイルなど)を含んだ部分。
probe
35041
断層像
対象からの反射信号の強さに応じてCRTの輝度変調を行
い,Bモード又はCモードその他の方法によって描かれる
断面画像。
tomogram
35042
超音波CT
被検体を挟んで対向する一対の送受トランジューサー(超
音波送受波器)間の超音波の減衰量又は伝搬時間などを測
定し,その一次元的な影絵を360°方向から採集し,それ
らの投影データを計算(演算)処理して横断断層像を再構
成する超音波映像法。
ultrasonic CT (computed
tomography)
35043
超音波ドップラー
法
超音波反射波のドップラー効果を利用して検査・診断など
を行う方法。
ultrasonic Doppler
method
35044
超音波ホログラフ
ィー
超音波によるホログラム映像法。
ultrasonic holography
35045
超音波ルミネッセ
ンス
超音波の作用によって物質が発光する現象。
ultrasonic luminescence
35046
超音波血流計
超音波を血流に照射し,そのドップラー効果やパルス伝搬
時間などから血流速情報を検出する装置。
ultrasonic blood
flowmeter
35047
超音波顕微鏡
超高周波帯超音波(100MHz以上の超音波)によって物質
のミクロな部分の形状や弾性的性質の違いを映像化する
装置。
ultrasonic microscope,
acoustic microscope
35048
超音波診断装置
生体に超音波を入射し,その反射波,透過波などから反射
係数,吸収係数,音速,非線形パラメタなどの物理量を計
測し,又は画像化してその結果から診断情報を得る装置。
ultrasonic diagnostic
equipment
35049
超音波内視鏡
内視鏡先端部に探触子を装着し体こう(腔)内走査を行う
超音波診断装置。
ultrasonic endoscope
35050
超音波粘度計
超音波振動を利用して液体の粘度を測定する計測器。
ultrasonic viscometer
35051
超音波放射圧計
超音波音場内に板や球などの物体をつるし,これに作用す
る放射圧を測定することによって超音波強度(パワー)を
測定する計測器。
ultrasonic radiation force
meter
35052
透過法
送波器から受波器に向けて超音波又は音波を放射し,送受
波器間に置かれた被検体又は媒質中を通過して受波器に
到達した信号波のもつ情報を処理し,その結果から被検体
内部又は媒質中の情報を得る計測法。
transmission method,
penetration method
35053
反射
超音波が一つの媒質中を進行して他の媒質との境界面に
達したとき,進行方向が変わって再び元の媒質中を進行す
る現象。
reflection
35054
非線形パラメータ
媒質の音響的非線形性の大きさを表す指標。
nonlinear parameter
35055
分解能
近接する部分から反射を分離して表示し得る能力。
resolution
35056
連続波法
連続超音波を使った超音波映像法又は音響特性の測定法。 continuous wave method
35057
Cモード
超音波振動子を体表面上で走査し,振動子の位置に対応し
た画像上の点に一定の深さからのエコーの振幅に応じた
輝度変調をかけることによって,体表に平行な面の断層像
を得る方法。
C-mode
35058
吸収
音波が媒質中を伝搬する過程において,その音響エネルギ
ーが熱エネルギーなどの他のエネルギーに変換されるこ
と。
absorption
46
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
35059
分散
音波の伝搬速度が周波数によって変化すること。
dispersion
35060
超音波熱量測定法
超音波の吸収によって媒質中に単位時間ごとに生じる熱
量を測定し,これより振動子の全超音波出力又は媒質中の
超音波強度を決定する絶対測定法。
ultrasonic calorimetry,
calorimetric measurement
of ultrasound
(3.6) 生体温熱計測
番号
用語
定義
対応英語(参考)
36001
サーモグラフィー
物体の温度を測定して記録する方法。
備考 通常は,測定した温度分布,特に表面温度を図,
写真として表示する方法。
thermography
36002
温度分解能
測定可能な最小温度差。
temperature resolution
36003
概日リズム
時間に関係する外部刺激を除いた状態においても現れる
約24時間の周期をもつ内因性の生体リズム。概日周期と
もいう。
circadian rhythm
36004
核心温
恒温動物において,環境温の変動に際してもほぼ一定の温
度に維持されている生体深部(体幹,頭部など)の温度。
core temperature
36005
殻温
恒温動物において,環境温の変動に伴って容易に変化する
身体外層部(皮膚,四肢など)の温度。
shell temperature
36006
環境温
生体を取りまく外界の温度。
ambient temperature
36007
基礎体温
基礎条件下において測定された温度。通常は早朝覚せい
(醒)時,快適な温熱条件下において空腹状態で測定した
体温。
basal body temperature
36008
体温
生体の組織温度,通常は核心部の温度。
body temperature
36009
体温計
体温を測定するための機器。
clinical thermometer
36010
直腸温
直腸内の温度。
rectal temperature
36011
熱産生
代謝活動の結果の熱の発生。
heat production
36012
熱損失
体表面から外部環境へ,放射,対流,伝導,水分蒸発,又
はそれらの組合せによって行われる熱の移動。
heat loss
36013
熱流計
温度差,又はそれに起因する物理的諸量の差から熱流量
(熱流密度)を測定するセンサー。
heat flux transducer
36014
皮膚温
皮膚表面の温度。
skin temperature
36015
放射温度計
物体からの熱放射エネルギーを利用して温度を測定する
装置。
radiation thermometer
(3.7) 生体光計測
番号
用語
定義
対応英語(参考)
37001
FACS
レーザ光照射による蛍光現象を応用し,細胞を生きた状態
で分画収集する装置。
fluorescence-activated
cell sorting
37002
アフィニティセン
サー
生物学的分子が他の物質と特異的,可逆的な親和性を示す
性質を利用したセンサー。
affinity sensor
37003
スペックルパター
ン(光)
粗面でレーザ光が反射・屈折・透過などする際に,波面が
互いにランダムに干渉する結果として観察されるはん
(斑)状の干渉パターン。
speckle pattern (laser)
37004
ホログラフィー
光の干渉性を応用して物体からの波面を記録・再生する技
術。
holography
37005
レーザ顕微鏡
レーザ光を試料に照射しその透過波を画像化して表示す
る顕微鏡。
laser microscopy
37006
レーザ透過照明
試料にレーザ光を照射し,透過光を計測する手法。
laser transillumination
37007
レーザドップラー
血流計
血流によるレーザ光のドップラーシフトを利用した血流
計。
laser Doppler blood-
flowmetry
37008
回折計測
試料に光を照射した際の回折パターンによる計測方法。
diffraction measurement
47
K3611-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
37009
干渉計測
試料に光を照射したときに生じる干渉パターンによる計
測方法。
interference measurement
37010
吸収スペクトル
原子や分子が低いエネルギー準位から高いエネルギー準
位へ移るときに吸収される電磁波のスペクトル。
absorption spectrum
37011
蛍光・りん(燐)光
計測
物質を光で励起した際に発生する光を利用した計測。
fluorescence・
phosphorescence
measurement
37012
光CT
媒質の光透過特性を用いたCT技術。
optical CT
37013
光ファイバ計測
光ファイバを応用した計測。
fiber optical measurement
37014
散乱計測
試料の光散乱特性を応用した計測。
scattering measurement
37015
赤外線計測
赤外線を利用した計測。
infrared measurement
37016
分光分析
試料に光を照射した際の反射光や試料からの放射光のス
ペクトルによる分析法。
spectrometry
(3.8) 生体成分計測
番号
用語
定義
対応英語(参考)
38001
DNAシークエンサ
ー
DNAの塩基配列を自動的に解析する装置。
DNA sequencer
38002
ISFET
電界効果型トランジスタ (FET) のゲート部にイオン感応
膜を設け,ゲートと別個に設けた参照電極との間の電位差
から溶液のイオン濃度を検出する素子。
備考 イオン感応性電界効果トランジスターともい
う。
ion sensitive field effect
transistor
38003
イオン選択性電極
イオン選択感応膜をもつ電極で,参照電極との電位差から
イオン濃度の測定に用いられる電極。
ion selective electrode
38004
グルコースセンサ
ー
グルコースオキシダーゼなどを反応素子とするバイオセ
ンサーで,酵素作用によるグルコース酸化反応で消費され
る酸素又は過酸化水素の生成量を電流値の変化から計測
することによってぶどう糖濃度を定量する。
glucose sensor
38005
ディスクリート方
式分析システム
検体ごとに反応管を用い,検体・試薬の分注,呈色表示,
測定を行う方式の自動分析装置。
discrete type analyzer
38006
ドライ方式分析シ
ステム
乾燥状態の試薬などを体液中の水分によって溶解し,化学
反応させ生体内成分を測定する方式の分析装置。
dry type analyzer
38007
ビリルビン測定装
置
ビリルビンの吸光度とオキシヘモグロビンの吸光度から
総ビリルビン濃度を測定する装置。
bilirubin meter
38008
プロテインシーク
エンサー
たん白質の一次構造(アミノ酸配列順序)を自動的に決定
する装置。
protein sequencer
38009
ラテックス凝集反
応測定装置
免疫反応をラテックスの凝集として,比濁法(nephelometry
又はturbidimetry)で測定する装置。
latex aggregation analyzer
38010
レーザネフェロメ
ーター
免疫反応による抗原・抗体複合物を,レーザ光線の散乱
(laser nephelometry) で測定する装置。
laser nephelometer
38011
埋込型バイオセン
サー
酵素などの生体関連物質固定化膜と信号交換素子からな
るバイオセンサーのうち,体内埋込み用として小形化,生
体適合性などが考慮されたバイオセンサー。
in planted biosensor
38012
遠心方式分析シス
テム
遠心力を利用して試薬と検体の混合・かくはん(撹拝)を
行い,反応経過を測定セルを回転しながら比色する自動分
析装置。
centrifugal type analyzer
38013
化学・生物発光分析
法
化学反応,生物反応によって生じる発光現象を利用して微
量物質を分析定量する方法。
chemi-bioluminescence
analysis
48
K3611-1995
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
38014
化学修飾電極
表面が共有結合,又は強い吸着によって,低分子,若しく
は高分子物質によって覆われた機能性をもつ電極。
chemical modified
electrode
38015
経皮的ガス(イオ
ン)モニター
ガスセンサーを皮膚に密着させ,皮膚を加湿し,拡散して
きたガス濃度を測定することによって,体内ガス濃度を測
定する方法。
skin-through gas (ion)
monitor
38016
血液ガス測定装置
血液中の酸素分圧力 (PO2) ,炭酸ガス分圧 (PCO2) ,pH
を電極を用いて測定する装置。
blood gas analyzer
38017
血液凝固因子
血液凝固に必要なたん白質や無機,有機化合物類。
blood coagulation factor,
blood clotting factor
38018
血しょう(漿)たん
白質
血しょう(漿)中に存在するたん白質。
plasma protein
38019
血小板凝集測定装
置
血小板[多血小板血しょう(漿)]に凝集促進剤を添加し,
血小板の凝集経過を光学的に記録する装置。
platelet aggregation
analyzer
38020
血清コレステロー
ル
血清中に存在するコレステロール。
serum cholesterol
38021
血中無機物質
血液中に存在する無機物質。
blood inorganic
substance,
blood electrolyte
38022
顕微分光法
細胞,組織の微小局所中の微量物質を顕微鏡と分光光度計
を組み合わせた装置で同定,定量する方法。
micro-spectrophotometry
38023
酵素センサー
酵素反応を利用して化学物質を計測するセンサーの総称,
固定化酵素膜及び酵素反応で生じた変化を電気信号に変
換するデバイスとから構成されるセンサー。
enzyme sensor
38024
酵素免疫測定装置
免疫反応を利用し,抗原又は抗体に酵素を標識し,対応す
る抗原又は抗体量を測定する装置。
enzyme immunoassay
system
38025
自動免疫分析装置
免疫検査を自動分析する装置。
automated immunology
analyzer
38026
浸透圧計
生体試料の浸透圧を凝固点降下又は蒸気圧降下から間接
的に測定する装置。
osmometer
38027
生物電気化学セン
サー
電気化学検出器を用いるバイオセンサーの総称で,生体関
連物質固定化膜と電気化学検出器から構成されるバイオ
センサー。
bio-electrochemical
sensor
38028
多項目血球計数装
置
赤血球数,白血球数,血小板数,ヘモグロビン(血色素)
量,ヘマトクリット(赤血球容積)値を求める自動分析装
置。
multichannel blood cell
counter
38029
電解質分析装置
電解質 (Na, K, Cl) の分析装置。
electrolyte analyzer
38030
透析型分析法
血液を還流し,人工透析を行った血液成分を試料として,
分析する方法。
dialysis analysis
38031
尿素センサー
尿素を特異的に検出測定するための酵素センサーで,尿素
を分解する酵素であるウレアーゼと電気化学検出素子に
よって構成された尿素を特異的に検出測定するための酵
素センサー。
urea sensor
38032
尿中成分
尿に含まれる種々の無機,有機及び代謝物質。
urine component
38033
免疫センサー
抗原(又は抗体)を検出するために,抗体(又は抗原)を
固定した膜と検出素子から構成されるバイオセンサー。
immunological sensor
38034
連続流れ方式分析
装置
測定項目ごとに検体・試薬がチューブ内を流れ,一定間隔
で気泡が隔壁となり混合コイル,反応部(除たん白,加熱,
恒温槽など)を通過した後に比色定量を行う自動分析装
置。
continuous flow type
analyzer
49
K3611-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
38035
白血球自動分析装
置
白血球の形態を,大きさ,染色性を利用して光学的に分析
する装置。
leukocyte defferential
counter
(3.9) 生体画像処理
番号
用語
定義
対応英語(参考)
39001
三次元ディスプレ
イ
三次元の物体を,人の目に三次元の物体として見えるよう
にする表示法。
3D (3 dimensional)
display
39002
PACS
医用画像をディジタル化することによって,その保管,伝
送を電子的に効率よく行い,また,診断も電子的画像表示
媒体を利用して行うことを可能とするシステム。
備考 日本語では,医用画像保管通信システムという。
picture archiving and
communication system
39003
Radon積分法
Radon氏の開発した一次元投影から二次元像の再構成を行
う数学的手法。
Radon's integral method
39004
アレイ・プロセッサ 格子状(アレイ状)にプロセッサを並べ,すべてのプロセ
ッサが休みなく並列演算するパイプライン方式を取り入
れた高速演算装置。
array processor
39005
オーバレイ
画像の一部に他の画像,文字などを重ねる表示法。
overlay
39006
ガンマ補正
映像系や表示系の光エネルギーの電子的又は化学的エネ
ルギーへの,若しくは,この逆の過程の変換特性を所定の
表示濃度特性に変える処理。
gamma correction
39007
コントラスト増強
画像の入力に対し出力を増強する方法。
例 TVの入力信号に対し,出力の写真濃度を増強する
こと。
contrast enhancement
39008
テレメディスン
遠距離通信システムを利用して医用情報の送受信を行い,
遠隔地の患者の診断を可能にする技術。
telemedicine
39009
テレラジオグラフ
ィー
(1) X線の管球焦点とフィルム間距離を長くして撮影する
撮影法。
(2) 放射線画像を送受信して遠隔地で行う画像診断法。
teleradiography
39010
テレラジオロジー
X線写真などの放射線画像データを送受信するための,遠
距離通信システム技術。
teleradiology
39011
ディジタルフィル
ター
時系列又は空間のディジタル量に対し,その周波数特性を
変えるためのデジタル値で構成したフィルター。
digital filter
39012
フィルター補正逆
投影法
多方向の一次元投影データにディジタルフィルター処理
を行った後,逆投影するCTの画像再構成法の一種。
filtered backprojection
39013
モダリティ
生体画像などを得るために使われる機種,方式。
modality
39014
画質評価
画像の特質を知るための評価。
image evaluation
39015
画素
ディジタル化された画像は行列として表現され,その個々
の要素は,画像の対応する点の信号強度を表す数値とな
る。この行列の各要素。
備考 二次元はピクセル,三次元ではボクセルという。
picture element
39016
画像データベース
大量の,又は大規模な画像情報を効率よく蓄積・管理し,
その中から利用者が必要な情報を必要な形で抽出・利用す
ることのできる記録装置とデータの集合体。
image database
39017
画像圧縮
画像を保管又は伝送するための画像データ量の圧縮。
image compression
39018
画像強調
コントラストの強調,画像の鮮鋭度の向上などを目的とし
て画像に対して行う処理法。
image enhancement
39019
画像再構成法
一般に次元の低い画像データから次元の高い画像データ
に変換する方法。
例 一次元画像から二次元画像に復元すること。
image reconstruction
39020
画像処理
画像情報に対して変換,認識,計測を行う手法。
image procession
50
K3611-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
39021
解像度
画像上で物体の見える細かさ。
resolution
39022
階調
ディジタル画像において,各画素の濃淡の程度を現す数
値。
tone,
gray level
39023
階調補正
入力系によって画像を入力するとき,その系の性質によっ
て原画像と異なる特性の階調データを得るため,元の特性
に戻して見やすくするための手法。
gray level correction
39024
輝度
画像表示装置 (CRT) 上で画素の明るさ。
brightness
39025
逆投影法
多方向から取得されたデータを取得された方向に逆に割
り当てる方法。CTの画像再構成法の一種。
back projection method
39026
空間周波数(処理) 対象の細かさを表す指標で単位距離当たりの周波数。
spatial frequency
(processing)
39027
高速フーリエ変換
離散型フーリエ変換を高速に行う計算アルゴリズム。
備考 FFTともいう。
fast Fourier transform
39028
重畳積分再構成法
投影データにある種のディジタルフィルターを重畳積分
した後,逆投影するCT画像再構成法の一種。
convolution
reconstruction method
39029
投影データ
n次元の変数空間を加算して (n−1) 次元に圧縮したデー
タ。
備考 CTの用語の一つ。
projection data
39030
動態イメージ
時間的に変動する画像情報。
dynamic image
39031
特徴抽出
画像の記述に当たり,区別するための要素を抽出する処
理。
feature extraction
39032
濃度ヒストグラム
ディジタル画像において画素の濃度値が同じ値の画素の
個数を濃度値を横軸にプロットした図。
density histogram
39033
(空間)分解能
画像の二つの点が識別できる最小の距離。
備考 一般的には2個の変量が識別できる最小の値。
(spatial) resolution
39034
離散的コサイン変
換
画像圧縮するためにコサイン行列を用いて行う離散直交
変換。
備考 DCTともいう。
discrete cosine transform
39035
離散的フーリエ変
換
離散的な関数に対して行うフーリエ変換。
備考 DFTともいう。
discrete Fourier transform
関連規格 JIS K 0211 分析化学用語(基礎部門)
JIS K 0213 分析化学用語(電気化学部門)
JIS K 0214 分析化学用語(クロマトグラフィー部門)
JIS K 3600 バイオテクノロジー用語
JIS K 3610 生体工学用語(生体化学部門)
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K3611-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS K 3611 原案作成委員会本委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
鈴 木 周 一
埼玉工業大学
(副委員長)
筏 義 人
京都大学生体医療工学研究センター
(委員)
秋 山 純 一
株式会社島津製作所
阿 岸 鉄 三
東京女子医科大学腎臓総合医療センター
遠 藤 勲
理化学研究所
細 川 幹 雄
工業技術院標準部
香 川 靖 雄
自治医科大学医学部
川 瀬 晃
セイコー電子工業株式会社
菊 地 恒 男
工業技術院電子技術総合研究所
立 石 哲 也
工業技術院機械技術研究所
田 中 芳 雄
製品安全協会
永 村 寧 一
工業技術院生命工学工業技術研究所
馬 場 一 憲
東京大学医学部
(事務局)
柴 田 雄
財団法人日本規格協会
生体材料工学分科会 構成表
氏名
所属
(委員長)
香 川 靖 雄
自治医科大学医学部
(主査)
筏 義 人
京都大学生体医療工学研究センター
立 石 哲 也
工業技術院機械技術研究所
中 村 宣 男
東京医科歯科大学医用器材研究所
山 下 修 蔵
テルモ株式会社
(事務局)
柴 田 雄
財団法人日本規格協会
生体機械工学分科会 構成表
氏名
所属
(委員長)
香 川 靖 雄
自治医科大学医学部
(主査)
永 村 寧 一
工業技術院生命工学工業技術研究所
衣 笠 隆
筑波大学医療技術短期大学部
田 中 繁
帝京大学医学部
田 中 芳 雄
製品安全協会
谷 井 克 則
工業技術院生命工学工業技術研究所
橋 本 亮 一
工業技術院生命工学工業技術研究所
梅 田 章
工業技術院計量研究所
谷 江 和 雄
工業技術院機械技術研究所
藤 江 正 克
株式会社日立製作所
飯 倉 省 一
株式会社東芝
(事務局)
柴 田 雄
財団法人日本規格協会
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K3611-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
生体計測工学分科会 構成表
氏名
所属
(委員長)
香 川 靖 雄
自治医科大学医学部
(主査)
亀 井 裕 孟
工業技術院電子技術総合研究所
上 野 照 剛
九州大学工学部
馬 場 一 憲
東京大学医学部
中 鉢 憲 賢
東北大学工学部
小 谷 誠
東京電機大学工学部
古 幡 博
東京慈恵会医科大学
中 村 泰 治
昭和大学薬学部
賀 戸 久
株式会社超伝導センサ研究所
川 瀬 晃
セイコー電子工業株式会社
菊 地 恒 男
工業技術院電子技術総合研究所
矢 萩 勝 彦
セイコー電子工業株式会社
秋 山 純 一
株式会社島津製作所
田之上 司
株式会社東芝
山 根 巌
株式会社日立メディコ
(事務長)
柴 田 雄
財団法人日本規格協会