2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
K 3610-1992
生体工学用語(生体化学部門)
Technical terms for biological engineering (biochemistry)
1. 適用範囲 この規格は,生体工学分野で用いる用語のうち,生体化学部門で用いる主な用語について
規定する。
2. 分類 用語は,次のとおり分類する。
(1) 細胞工学
(1.1) 基礎・共通事項
(1.2) 遺伝情報
(1.3) 動物細胞
(1.4) 植物細胞
(1.5) 微生物
(1.6) 操作,手法及び技術
(2) たん白質工学
(2.1) 基礎事項
(2.2) たん白質の合成,修飾及び分解
(2.3) たん白質の構造,状態及び物性
(2.4) たん白質及びその集合体の機能
(2.5) 実験技術及び実験装置など(たん白質工学)
(3) 生体反応工学
(3.1) 基礎・共通事項
(3.2) 微生物工学
(3.3) 酵素工学
(3.4) 培養工学
(3.5) バイオリアクター
(3.6) 環境保全
(3.7) 操作,手法及び技術
2
K 3610-1992
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3. 用語及び定義 用語及び定義は,次のとおりとする。
なお,参考のために対応英語を示す。
(1) 細胞工学
(1.1) 基礎・共通事項
番号
用語
定義
対応英語(参考)
1101
アイソシゾマー
異なる菌株から単離され,認識塩基配列が互いに同じ制限酵素。
備考 イン制限酵素ともいう。
isoschizomer
1102
悪性転換
細胞が本来の組織内の制御を離れて無限増殖をし,動物にしゅよ
う(腫瘍)形成性を示すようになる遺伝子と細胞質の変化。
malignant transformation
1103
アロ抗原,
同種(異系)抗原
同種間の個体の間で遺伝的に異なる多型性抗原。
alloantigen
1104
異質3倍体(4倍体)
異種ゲノムが組み合わさって生じた倍数体。
allotriploid (allotetraploid)
1105
遺伝形質
遺伝子によって規定されている生物各個体に固有の性質。
genetic character
1106
遺伝子
DNA(一部のウィルスではRNA)分子内の塩基配列で規定され,
生物の形質を決定している遺伝の基本単位。
gene
1107
遺伝子地図
染色体にある遺伝子の種類,配列順序及び相対的位置関係を示し
た地図。
genetic map
1108
遺伝子治療
人体に遺伝子を導入して行う治療法。
gene therapy
1109
遺伝的不活化(精子の) 精子の染色体だけを破壊し,遺伝情報の伝達を不能にさせる操
作。
genetical inactivation of
sperm
1110
遺伝子病
DNAの塩基配列の変化による遺伝子の欠陥又は異常に起因する
遺伝性疾患。
genetic disease,
genopathy
1111
温度感受性突然変異
ある温度範囲でだけ野生型と異なる表現型を示す突然変異。
temperature sensitive
mutation
1112
温度感受性突然変異体
一定温度(許容温度)以下ではほぼ正常な形質を示すが,それ以
上では変異形質を発現する突然変異体。
temperature sensitive mutant
1113
核小体
真核細胞の核内にあり,リボソームRNAの合成とリボソームの
組立てを行う小器官。
nucleolus
1114
完全ホモ2倍体
すべての遺伝子が同型接合体となった生物個体。
complete homozygous
diploid
1115
キメラ
二対以上の異なった両親に由来する,2種類以上の異なった遺伝
子型の細胞から構成される個体。
chimera
1116
共生
異なる種類の生物個体が位置的・生理的に密接な関係を保って生
活している現象。
symbiosis
1117
極体
卵母細胞の成熟過程での不等分裂で生じる少量の細胞質を含む
娘細胞。
polar body
1118
形態形成
生物の発生の過程で新しい形態的特徴が形成される現象。
morphogenesis
1119
系統樹
生物の進化による種の相互の系統関係図。
genealogical tree,
evolutionary tree
1120
ゴースト,
細胞形がい(骸)
ファージ,細菌又は細胞に処理を施し,内容物を除去した外被膜
又は細胞膜。
ghost
1121
サイトプラスト,
細胞質体
生細胞から核を除去した細胞膜で包まれた細胞質体。
cytoplast
1122
サイブリッド,
細胞質雑種
無核の細胞質体(サイトプラスト)と性質の異なる細胞との融合
による細胞質雑種。
cybrid
1123
細胞周期
細胞の分裂と成長の周期。
cell cycle
1124
細胞内輸送
広義には細胞器官を含めて,細胞内で起こるあらゆる輸送現象。
狭義には(粗面)小胞体で合成された分泌たん白質が,ゴルジ体
を経由して細胞膜に輸送される過程。
intracellular transport
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
1125
雑種細胞
異なった種又は由来の細胞が融合し,核も融合して形成され,部
分的にでも両者の遺伝子が機能している細胞。
hybrid cell
1126
サルベージ合成経路
生体物質を完全に分解しないで分解途中の物質を回収して再利
用する反応経路。
salvage synthetic pathway
1127
真核細胞
核膜に包まれた核をもった細胞。
eukaryotic cell
1128
浸透圧調節剤
細胞内浸透圧又は体液浸透圧を調節する薬剤。
osmoregulating chemical
1129
スフェロプラスト
細菌又は植物細胞の細胞壁を酵素処理によって部分的に取り除
いた球形の原形質体。
spheroplast
1130
制限,
宿主支配性
外来性のDNAが,宿主の酵素によって分解される現象。
restriction,
host controlled
1131
性転換
個体の性が発生の途中で,遺伝的に決められた性とは逆の性に転
換する現象。
sex reversal
1132
性判別
動物個体の発生初期段階,特に着床前期卵の,組織学的・分子生
物学的手法による雌雄の判別。
sexing
1133
生物応答調節剤
免疫系などの生物機能を増強・調節する機能をもつ物質。
BRM(biological response
modifiers)
1134
世代時間
細胞レベルでは,細胞が分裂してから次に分裂するまでの時間。
個体レベルでは,個体の誕生から次の世代を生むまでの時間。
generation time
1135
前核
受精直後の卵にみられる卵細胞の核(雌性前核)と,卵子に侵入
した精子が形成する核(雄性前核)。
pronucleus
1136
染色体異常
染色体の数,組合せ又は構造についての異常。
chromosomal aberration
(abnormality)
1137
選択マーカー
保有細胞を適切な条件下で特異的に選択できるような遺伝子。
selectable markers
1138
セントロメア
染色体の動原体系の結合部で,対をなす娘染色体が互いに付着し
ている部位。
centromere
1139
全能性
一つの細胞が種々の組織器官に分化して,完全な個体を再生させ
ることができる潜在的な能力。
totipotency
1140
走化性
細胞又は個体が化学物質のある方へ移動したり,化学物質から遠
ざかる性質。
chemotaxis
1141
組織特異的発現
生物個体の特定の組織に限定された遺伝子発現。
tissue specific expression
1142
体細胞変異
体細胞に生じた突然変異。
somatic mutation
1143
TCA回路
クエン酸を介して有機物の完全酸化を行う代謝回路。
TCA cycle
1144
脱分化
(1) 器官,組織などの機能分化・形態分化している細胞が分裂を
開始して,カルス化する現象及び分化組織の反復培養によっ
て分化のレベルが低下する現象。(植物細胞のとき)
(2) 一度分化した細胞が特徴を失って未分化な状態に戻る過程。
(動物細胞のとき)
dedifferentiation
1145
多分化能
適切な環境に応じて,あらゆる種類の細胞に分化する未分化細胞
のもつ潜在能力。
pluripotency
1146
単為発生
卵が精子なしに物理的刺激などで新個体を発生する生殖法。
parthenogenesis
1147
致死突然変異
生物個体が成長の途中で死ぬような突然変異。
lethal mutation
1148
DNA再構成
リンパ球の分化のために,複数のエキソンが組換えを起こし発現
型遺伝子をつくる再配列過程。
DNA rearrangement
1149
テロメア
真核細胞での,染色体の複製や安定化に必要な特殊な構造をもつ
染色体の末端部分。
telomere
1150
転写
遺伝情報の発現される過程で,ゲノム上の塩基配列がRNAの塩
基配列に写しとられる核酸合成反応。
transcription
1151
転写調節
遺伝情報の発現過程において,転写段階に働く調節。
transcriptional control
1152
パイロジェン
体内に投与すると微量で発熱を引き起こす物質。
pyrogen
1153
発現
DNAの塩基配列情報に基づく遺伝子の転写による機能発現。
expression
4
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
1154
発生時期特異的発現
生物個体の特定の発生時期に限定された遺伝子発現。
stage speciffc expression
1155
微小核
ゲノムの一部だけを含む核。
micronucleus
1156
ヒストン
核内DNAと複合体を形成している塩基性たん白質。
histone
1157
封入体
細胞内で増殖したウイルス粒子などの集合体,又はウイルスなど
の感染,先天性代謝異常若しくは外部からの人為的な遺伝子の導
入の結果によって細胞内に蓄積した反応生成物。
inclusion body
1158
不和合性
2種類のプラスミドが同一細胞に導入されたとき,細胞増殖の過
程で同一細胞内に安定に共存できない現象。
incompatibility
1159
分化
受精卵が分裂を重ねてはい(胚)を形成し,発生が進行する過程
で等価の細胞から形態学的・機能的に特殊化した細胞になり,組
織・器官を形成する現象。
differentiation
1160
ヘテロクロマチン
細胞分裂間期から次の分裂前期に持続する転写不活性な染色体
又は染色体部分。異質染色質。
heterochromatin
1161
変異原物質
化学的メカニズムによって,生物に自然に起こる変異よりも高い
割合で変異を誘発する物質。突然変異誘発物質。
mutagen
1162
ホメオスタシス,
恒常性
生体内の組成・物理的状態を一定に維持する機能。
homeostasis
1163
ポリソーム
mRNA上にリボソームが一定の間隔をもって結合したmRNA−
リボソーム複合体。
polysome
1164
マイトジェン
細胞の分裂を誘起させる物質。
mitogen
1165
ワクチン
感染症予防の目的で,ヒトや動物を能動免疫するための抗原。
vaccine
(1.2) 遺伝情報
番号
用語
定義
対応英語(参考)
1201
Alu(ありゅ)配列
ヒトゲノム中に散在し制限酵素Alu Iで切断される部位 (AGCT)
をもつ約300bpの高頻度反復塩基配列。
Alu sequence
1202
アンチセンスDNA
mRNAと相補的で遺伝子発現の抑制機能をもつDNA。
antisense DNA
1203
遺伝子座活性化部位
染色体上の特定遺伝子座を活性化するシス作用性のDNAの構
造。
locus activating region
dominant control region
1204
遺伝的相補(細胞レベ
ルでの)
異なった機能に遺伝的欠陥のある細胞間で細胞融合させると,雑
種細胞では機能が相補ってその欠陥が消失する現象。
genetic complementation at
cellular level
1205
SOS遺伝子群
大腸菌のDNA損傷の際に生存のためにLexAたん白質によって
発現が制御されている15種類の遺伝子。
−
1206
エピソーム
宿主染色体と独立に増殖する状態及び宿主染色体に組み込まれ,
宿主染色体とともに複製が行われる状態をとり得る遺伝物質。プ
ラスミドと同概念。
episome
1207
オープンリーディング
フレーム
mRNA上の開始コドンで始まり終結コドンで終わる部分で,たん
白質のアミノ酸配列を決定する情報をもっている領域,又はたん
白質合成の情報をもっているDNA上の領域。
open reading frame
1208
オペレーター
DNA上にコードされた遺伝情報の発現を調節する遺伝子の一つ
で,負の制御因子であるレプレッサーの結合部位。
operator
1209
CAAT(かーと)ボッ
クス
真核細胞での,転写を調節しているであろうと推定されている,
転写開始点から上流約80〜100塩基離れた領域に存在するCAAT
という共通の塩基配列。
CAAT box
1210
がん(癌)遺伝子
細胞のがん(癌)化に不可欠の遺伝子又は細胞のがん化を誘導す
る活性をもつ遺伝子。
oncogene
1211
偽遺伝子
塩基配列において,機能する遺伝子と極めて相同であるが,点変
異や小さな欠失,挿入などの変異を受けているために発現の認め
られない不活性の遺伝子。
pseudogene
1212
逆位
染色体のDNAの配列が部分的に逆になっている構造変異現象。
inversion
5
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
1213
逆位反復配列
逆向きで相補的な反復塩基配列で,遺伝子内を動くことのできる
遺伝因子がもつ一般的特徴。
inverted repeat sequence
1214
キャップ形成
細胞表層のたん白質と脂質が抗体などで架橋して会合し,パッチ
を形成し,この会合体が細胞表面に移動して一極に集中する再分
布現象。
cap formation
1215
キャップ構造
ほとんどの真核細胞及びそのウイルスmRNAにおいてみられる
5'末端構造。5'末端への7-メチルグアノシンの付加及び5'末端の
最大2塩基までのリボースの2'OHのメチル化によって生じる構
造。
cap structure
1216
組換え修復
複製後に起きるDNA間の組換えによるDNA損傷回復機構。
recombination repair
1217
欠失
突然変異の一つで染色体又はDNAの一部が欠け失なわれる現
象。
deletion
1218
校正機構
DNAの複製時に誤って取り込まれた塩基を,DNAポリメラーゼ
の5'→3'エキソヌクレアーゼ活性によって取り除いたり,リボゾ
ーム上で翻訳時に結合するアミノ酸の誤りを修正したりする機
能。
proof reading function
1219
サイトエフェクト,
位置効果
染色体上の位置によって遺伝子の発現が阻害されたり,その発現
特異性が変化する現象。
site effect,
position effect
1220
再配列
リンパ細胞の分化に伴う抗体の多様性発現の機構で,免疫グロブ
リン遺伝子の組換えが起こる現象。
rearrangement
1221
サテライトDNA
真核細胞のDNAを塩化セシウム中で平衡密度こう(勾)配遠心
を行うと,主要な核DNAバンドと分かれて小さなバンドを形成
するDNA。
satellite DNA
1222
サテライトRNA
RNAウイルス粒子中に存在するRNA断片。
satellite RNA
1223
サプレッサー
抑制,抑圧などの負の調節を受け持つ生理活性物質。
suppressor
1224
サプレッサー遺伝子
他の遺伝子に起きた突然変異を抑制(サプレス)する遺伝子。
suppressor gene
1225
シス作用性DNA因子
ある遺伝子と同一DNA分子上に位置して作用する遺伝子発現制
御因子。
cis acting DNA element
1226
修復過程
高電圧パルスの印加によって一時的膜破壊を起こした細胞膜が
最配列し,修復する過程。
resealing process
1227
人工染色体
複製開始領域 (ARS),セントロメア及びテロメアを配して構築さ
れた酵母染色体。
artificial chromosme
1228
相同組換え
同じような塩基配列をもった二組のDNA間の交さ(叉)や遺伝
子組換え。
homologous recombination
1229
挿入
DNAの塩基配列上の一点を切断し,他のDNA断片を割り込ませ
た後に再び結合して新たな配列のDNAを生成させる遺伝子操
作。
insertion
1230
挿入配列
染色体,プラスミド又はファージDNA上を移動する最も小さく
簡単な構造をもつ塩基配列。(移動性DNA)
insertion sequence,
insertion element
1231
相補性
二つの突然変異が同じ細胞内にあるとき,各突然変異の作用以上
に機能の促進又は形質の発現がみられる現象。
complementation
1232
ターゲティング
染色体上の遺伝子と外来DNAとの間で相同的遺伝子組換えによ
って目的の遺伝子だけを任意に改変する方法。
targeting
1233
タンデム
同一DNA分子中に含まれる縦列反復配列。
tandem
1234
電気ブロッティング
電気泳動によって分画したDNA,たん白質などをゲルから膜構
造に電気的に転移する方法。
electro-blotting
1235
同時形質転換
二つ以上の遺伝子(形質)による同時的形質転換。
co-transformation
1236
同時トランスフェクシ
ョン
二つ以上の遺伝子(形質)による同時的形質導入。
co-transfection
1237
導入遺伝子
染色体の一部に組み込まれた外来遺伝子。
transgene
6
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
1238
トランスポゾン変異
トランスポゾンを導入して誘発した遺伝子変異。
transposon mutagenesis
1239
ナンセンス変異
塩基が置換して,あるアミノ酸の遺伝子暗号(コドン)が終止コ
ドンに変化した突然変異。
nonsense mutation
1240
ハウスキーピング遺伝
子
エネルギー代謝,複製など細胞の生存に必要な基本的なたん白質
をコードしている遺伝子。
housekeeping gene
1241
パリンドローム
2重鎖構造の核酸において,相補鎖をそれぞれ同じ方向 (5'→3')
から見ると同一の塩基配列をもつ部位。(自己相補的配列)
palindrome
1242
P因子
ショウジョウバエのバクテリア型トランスポゾンで任意の遺伝
子を個体に導入できる転移因子。
P element
1243
複製開始点
染色体やプラスミドのようなレプリコン上にあって複製開始反
応が起こる特定のDNA領域。
replication origin
1244
不死化遺伝子
動物細胞に,個体外で無限に増殖し続ける能力を付与する遺伝
子。
immortalizing gene
1245
プリブノーボックス
原核生物のプロモーター部位の上流10塩基対程に存在し,RNA
ポリメラーゼの結合する共通の塩基配列。
Pribnow box
1246
ホメオティック遺伝子
体節の特性化を規定する遺伝子。
homeotic gene
1247
ホメオボックス
各種の生物の形態形成をつかさどる遺伝子に共通な塩基配列。
(ホメオティック遺伝子)
homeobox
1248
マーカー遺伝子
遺伝学的解析に役立つ表現型のはっきりした遺伝子。
marker gene
1249
ミューテーター
他の遺伝子の自然突然変異率を増加させる作用をする遺伝子。突
然変異誘発遺伝子。
mutator
1250
メチル化(DNAの)
DNAの塩基の特定部位がメチル化される酵素反応。(DNA塩基
の修飾)
methylation
1251
メッセンジャーRNA
たん白質に翻訳されるべき情報を担うRNA。
messenger RNA
1252
免疫応答遺伝子
免疫応答において,遺伝的拘束性を発揮する遺伝子。
immune response gene
1253
薬剤耐性遺伝子
野生株の細胞が生育できない薬剤濃度において抵抗性を示す株
の耐性に関する遺伝情報をもつ遺伝子。
drug resistance gene
1254
レプレッサー
オペレーター遺伝子と特異的に結合して,それに続く遺伝子の発
現を抑制するたん白質。
repressor
1255
レプリコン
物理的に独立して増殖することができ,複製起点と複製開始たん
白質遺伝子をもつ最小の複製単位。
replicon
(1.3) 動物細胞
番号
用語
定義
対応英語(参考)
1301
アクセサリー細胞,
補助細胞
T細胞が抗原刺激されるときT細胞機能に補助的に作用する単核
系,マクロファージ由来の細胞。
accessory cell
1302
RB遺伝子
遺伝性のしゅよう(腫瘍)である網膜芽細胞しゅ(腫)の発症を
抑制する遺伝子。
RB gene,
retinoblastoma gene
1303
栄養外はい(胚)葉
ほ(哺)乳類はい(胚)盤胞期卵の単層細胞からなる壁。着床時
に子宮壁に侵入し,胎盤の一部に分化する細胞群。
trophectoderm
1304
L細胞(L株細胞)
マウス繊維芽細胞のメチルコラントレンによる発がん(癌)で生
じた,密度依存増殖抑制を欠く培養細胞株。
L cells,
strain L
1305
エールリッヒ腹水がん
(癌)
マウスの移植性乳がん(癌)細胞に由来し,腹水中で遊離細胞を
形成する細胞株。
Ehrlichʼs ascites carcinoma
1306
エンドクリン,
内分泌
内分泌せん(腺)から分泌された物質が血液を介して遠隔にある
標的細胞の受容体と結合し,その細胞固有の生理作用を促進又は
抑制する分泌形態。
endocrine
1307
自己分泌,
オートクリン
産生細胞自身に作用する分泌機構。
autocrine
7
K 3610-1992
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
1308
割球
受精卵の細胞分裂によって生じた発生初期にみられる形態的に
未分化な細胞。
blastomere
1309
過排卵
ほ(哺)乳類の雌に投与した薬剤又はホルモンの作用によって,
正常より多くの卵の成熟又は排卵を誘発する現象。
superovulation
1310
がん(癌)抑制遺伝子
がん(癌)細胞のがん形質[造しゅよう(腫瘍)性,軟寒天内増
殖能など]の発現を抑制する遺伝子。
tumor suppressor gene
1311
ガングリオシド
シアル酸を含むスフィンゴ糖脂質。
ganglioside
1312
完全ホモ動物,
完全(遺伝的)同型動
物
すべての遺伝子についてホモ(同型)の個体。
uniparental homozygote
1313
がん(癌)特異抗原,
しゅよう(腫瘍)特異
性抗原
細胞の悪性化に伴って発現する抗原。
tumor specific antigen
1314
偽足
異物などの摂取又は移動を目的として形成する原形質突起。
pseudopodia
1315
偽妊娠
妊娠が成立しない場合でも,排卵後形成された黄体が機能するこ
とによって又は黄体ホルモンによって妊娠と同様に維持されて
いる状態。
pseudopregnancy
1316
キメラはい(胚)
2個以上の受精卵に基づく卵割球からなるはい(胚)。
chimeric embryo
1317
クローン動物
同一個体の核をもつ動物集団で全く同一の遺伝子組織をもつ動
物。
clone animal
1318
桑実はい(胚)
多細胞動物の卵割期に,全割した割球が集塊状になっている時期
のはい(胚)。
morula
1319
形質細胞
最も分化の進んだ抗体産生性のBリンパ球。
plasma cell
1320
好塩基球
トルイジンブルーなどの塩基性色素によって,異染性(メタクロ
メジア)に染色される特殊か(顆)粒[好塩基性か(顆)粒]を
もつ骨髄由来のか(顆)粒白血球。
basophil,
basophilic leucocyte
1321
抗原提示細胞
自己のMHC抗原とともに,抗原を認識する機能をもった細胞。
antigen presenting cells
1322
好酸球
エオジン酸性色素で染色され,かつ,好酸性か(顆)粒[塩基性
たん白質を主成分とする特殊か(顆)粒]をもつ骨髄由来のか(顆)
粒白血球。
eosinophil,
acidophilic leucocyte
1323
抗体依存性細胞傷害
抗体受容基をもった細胞が,その受容基に結合した特異抗体を介
して標的細胞を傷害する反応。
antibody dependent cell
cytotoxicity
1324
好中球
ギムザ染色で淡紅又は淡青色に染まる好中性か(顆)粒をもち,
多形核の特徴的な核形態を示す骨髄由来のか(顆)粒白血球。
neutrophil,
neutrophil leucocyte
1325
コンカテマー
ファージなどのような単位DNAが複数個,端と端で連結して1
列に並んだ連鎖状集合体。
concatemer
1326
サイトカイン
細胞によって産生され,細胞の機能発現や細胞間相互作用に関与
するたん白性可溶性因子。
cytokine
1327
サプレッサーT細胞
免疫反応に対し抑制的に作用するT細胞亜群(サブセット)。
suppressor T cells
1328
受精能獲得(精子の)
卵透明帯の通過能及び配偶子融合能の獲得に必す(須)なステッ
プである,精子の先体領域の膜の変化。
sperm capacitation
1329
上皮細胞
器官の表面をおおう組織を形成する細胞。せん(腺)上皮細胞,
外はい(胚)葉性上皮細胞,繊毛上皮細胞。
epithelial cells
1330
神経芽細胞
神経細胞に分化することが予定された未分化細胞。(芽細胞)
neuroblast
1331
精子
核をもつ頭部と運動をつかさどる尾部とに特殊分化した雄の生
殖細胞。
spermatozoon=sperm
1332
成虫原基
昆虫の幼虫の体内に存在し,将来成虫に発育したときに複眼,触
角,はね(翅),あし(肢),生殖器,下唇,平衡かん(桿)など
に分化する未分化の細胞集団。
imaginal disc (disk)
1333
全雌魚種苗
種苗すべてを雌化した魚。
all female fish seed
8
K 3610-1992
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
1334
全雌不妊3倍体
3倍の染色体数をもつ不妊性の雌として発生した生物。
all female sterile-triploid
1335
CHO細胞(チャイニー
ズハムスター卵巣細
胞)
チャイニーズハムスター卵巣細胞由来する2倍性染色体,プロリ
ン要求性の培養細胞株。
CHO cell line,
Chinese hamster ovary cells
1336
T細胞
抗体産生の調節と,標的細胞の破壊を行う胸せん(腺)由来のリ
ンパ球。
T cell
1337
透明帯
ほ(哺)乳類受精卵の着床前期に最外層を形成する透明な卵膜。
zona pellucida
1338
内部細胞塊
はい(胚)盤胞の1層の細胞からなる壁の1か所から内空に向か
って突出した未分化細胞の塊。
inner cell mass
1339
ナチュラルキラー細胞
未感作の状態で種々の標的細胞に対して細胞障害性をもつエフ
ェクター細胞。
natural killer cell (NK cell),
spontaneous killer cell
1340
ヌードマウス
遺伝的に胸せん(腺)とTリンパ球機能を欠失した無毛のマウス。 nude mouse
1341
はい(胚)幹細胞株
未分化細胞株である内部細胞塊を分離して,未分化状態を保った
まま,培養液中で増殖し続けるように樹立された細胞株。
ES cell line,
embryonic stem cell line
1342
はい(胚)盤胞
ほ(哺)乳類の初期発生で卵割が終わり,1層の細胞からなる栄
養外はい(胚)葉と内部細胞塊とからなる胞状のはい(胚)。
blastocyst
1343
パラクリン,
パラ分泌
産生された局所で隣接する細胞に直接作用するホルモンの分泌
形態。
paracrine
1344
半数体症候群
染色体が半数しかないため起こる特殊な症候群。
haploid syndrome
1345
B細胞
抗原と特異的に結合する抗体を産生する骨髄由来のリンパ球。
B cell
1346
肥満細胞
染色上異染性(メタクロメジア)を示す好塩基性か(顆)粒をも
つ結合組織内の単核細胞。
mast cell
1347
HeLa(ひーら)細胞
Geyらによって樹立されたヒト子宮けい(頸)部がん(癌)由来
培養細胞株。
HeLa cell
1348
ファゴサイトーシス
細胞がエンドサイトーシスによって1μm以上の粒子を細胞内に
取り入れる活動。(食作用)
phagocytosis
1349
ヘルパーT細胞
B細胞に補助的に作用して免疫反応を誘導又は促進するT細胞亜
群(サブセット)の機能上での名称。
helper T cell
1350
胞はい(胚)腔
多細胞動物の発生初期に生じる胞はい(胚)の細胞に囲まれた空
所。
blastocoel (cavity)
1351
マクロファージ,
大食細胞
単核食細胞系細胞の総称で,狭義には血液中の単球が組織に出て
分化・成熟した細胞。
macrophage
1352
免疫細胞
種々の免疫反応に直接又は間接に関与する間葉系細胞群。
immunocyte
1353
モーリス肝がん(癌)
Morrisらによって,ラットに実験的に形成された移植継代可能で
形態・代謝が肝実質細胞に類似した肝がん(癌)。
Morris hepatoma
1354
雌性発生2倍体
卵子由来の染色体だけから作出された2倍体の個体。
gynogenetic diploid
1355
雄性発生2倍体
精子由来の染色体だけから作出された2倍体の個体。
androgenetic diploid
1356
誘発泌乳
ホルモン投与などによって,未成熟雌又は成熟雌の人工的な乳分
泌の誘発。
induced lactation
1357
卵丘細胞
排卵後の未受精卵を包む,か(顆)粒膜細胞の増殖肥厚した細胞。 cumulus cell
1358
卵巣
卵子の産生と内分泌をつかさどる雌の性せん(腺)。
ovary
1359
卵子
雄雌配偶子間に明りょう(瞭)な形態的分化がみられる生物の雌
性配偶子。
ovum
1360
卵母細胞
多細胞生物の卵形成過程に生じる,減数分裂前の成長期にある雌
性生殖細胞。
oocyte
1361
リンパ球
主としてリンパ節,ひ(脾)臓,胃腸のリンパろ(濾)胞,へん
(扁)桃,その他のリンパ組織で作られ,免疫機能をつかさどる
白血球の1種。
lymphocyte
1362
リンパ球混合反応(培
養)
遺伝的に異なる個体のリンパ球を混合培養するとリンパ球が幼
若化しDNA合成が促進される反応。
mixed lymphocyte reaction
(culture)
9
K 3610-1992
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
1363
リンパ芽球
リンパ球系幼若細胞で,未熟なリンパ球。
lymphoblast
1364
リンパしゅ(腫)
リンパ球又はマクロファージ由来のリンパ組織の悪性しゅよう
(腫瘍)。
lymphoma
1365
ロイコトリエン
エイコサポリエン酸のうちC-5に酸素をもち,3個の共役2重結
合をもつという構造的特徴をもった1群の生理活性物質。
leukotoriene
(1.4) 植物細胞
番号
用語
定義
対応英語(参考)
1401
一者培養,
アゼニック培養
目的とする1生物種だけの純粋培養。
axenic culture
1402
アブシジン酸
植物の生長抑制作用,休眠促進作用などを示す植物ホルモン。
(分子式C15H28O4の化合物)
abscisic acid
1403
アラビドプシス
アブラナ科に属するゲノムサイズの小さい越年性植物。シロイヌ
ナズナ。
Arabidopsis
1404
誘導因子,
エリシター
病原菌に感染した植物組織が特異的に合成する抗菌性化合物で
あるファイトアレキシンの合成を誘導する物質。
elicitor
1405
カリオプラスト
生細胞から分離された薄い細胞質層と細胞膜とで包まれた核。核
体。
karyoplast
1406
カリクローン
植物組織から誘導させたカルスによって再生させた植物体。
calliclone
1407
クローン植物
植物体の組織又は体細胞を培養し,増殖させて再生した植物。
clone plant
1408
茎葉再分化
植物の培養細胞を適切な条件下で培養することによって茎葉器
官の再分化を行うこと。
bud redifferentiation
1409
根粒,
[根がん(癌)]
マメ科植物と根粒菌との共生によって根に形成されるコブ状の
組織。
root nodule
1410
ジベレリン
ent-ジベレランを基本骨格としてもち,植物の茎や葉しょう(鞘)
の伸長促進作用などを示す植物ホルモン。
gibberellin
1411
植物ウイルス病
植物を宿主とするウイルスの感染によって引き起こされる植物
の病気。
plant viral disease
1412
柱頭・花柱培養
発達途中の花らい(蕾)の中から幼い雌しべの全部又は一部を切
り出して,試験管内 (in vitro) で培養し,柱頭様・花柱様器官を
発生・増殖させる方法,及びそれら新生器官を成・成熟させる方
法。
stigma and style culture
1413
ノパリン
非たん白態アミノ酸で,アグロバクテリウム属菌が植物に感染す
ることによって誘起されるしゅよう(腫瘍)細胞で特異的に合成
されるオパイン。
nopaline
1414
鉢上げ
人工条件下で培養した幼植物体を,土壌又はこれに替わる培養土
に移植し,活着させること。
naturalization
1415
不定はい(胚)
受精卵以外の細胞を起源とし,受精卵からのはい(胚)発生と極
めて類似した形態発生をたどる構造。
somatic embryo
1416
マンノピン
非たん白態アミノ酸で,アグロバクテリウム属菌が植物に感染す
ることによって誘起されるしゅよう(腫瘍)細胞で特異的に合成
されるオパイン。
mannopine
1417
雄性不ねん(稔)
雄性配偶子(花粉)の形成が不完全なため種子形成の不能による
ねん(稔)性の喪失。
male sterility
(1.5) 微生物
番号
用語
定義
対応英語(参考)
1501
アオコ
富栄養化した湖沼に発生する浮遊性の微小な藻類。
microcystis
1502
アグロバクテリウムツ
メファシエンス
グラム陰性細菌アグロバクテリウムの1種類で,Tiプラスミドを
保持し,植物にがん(癌)状のしゅよう(腫瘍),冠えい(クラ
ウンゴール)を引き起こす植物病原細菌。
Agrobacterium tumefaciens
10
K 3610-1992
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
1503
アグロバクテリウムリ
ゾゲネス
グラム陰性細菌アグロバクテリウムの1種類で,Riプラスミドを
保持し,植物の毛根病を引き起こす病原細菌。
Agrobacterium rhizogenes
1504
アデノウイルス
ほ乳類を宿主とするマストアデノウイルス属,鳥類を宿主とする
アビアデノウイルス属の2属になる動物DNAウイルスの1科。
adenovirus
1505
インフルエンザウイル
ス
インフルエンザの病原体である,オルソミクソウイルス科
(orthomyxo viridae) に属するRNAウイルス。
influenza virus
1506
ウシ乳頭しゅ(腫)ウ
イルス
ウシの皮膚又は粘液に乳頭しゅ(腫)を作る,パポバウイルス科
の小形の2本鎖DNAウイルス。
bovine papilloma virus
(BPV)
1507
オートグラファカリフ
ォルニアニュークレア
昆虫の細胞核内に多角体を形成し,膜たん白質の発現に使うバキ
ュロウイルスの1種類。
autographa California
nuclear
1508
核多角体病ウイルス
(カイコの)
カイコに感染し,核内で増殖して多角体(多数のウイルス粒子か
らなるたん白様結晶構造)を形成する,バキュロウイルス属の2
本鎖DNAウイルス。
nuclear polyhedrosis virus
silkworm (BmNPV)
1509
枯草菌
グラム陽性,胞子形成性,かつ形質転換可能のバチルス属細菌。 Bacillus subtilis
1510
カリフラワーモザイク
ウイルス
カリフラワーなどアブラナ科を主な宿主とする植物病原性ウイ
ルスで,遺伝子情報物質として1部1本鎖のギャップ構造をもつ
環状2本鎖DNAウイルス。
califlower mosaic virus
1511
がん(癌)ウイルス
動物細胞に感染ししゅよう(腫瘍)を発生させるウイルス。
tumor virus
1512
きょう(莢)膜
多くの細菌類がもつ細胞膜の外側の粘性をもつ膜。
capsules
1513
原核細胞
クロモゾームDNAが核膜によって包まれていない細胞。
prokaryotic cell
1514
光合成細菌
光をエネルギー源として利用する細菌。狭義にはらん(藍)色細
菌やハロバクテリアを除く真正細菌,古細菌など。
photosynthetic bacteria
1515
紅色細菌
光合成細菌のうち,紫色や紅色の種を多く含む系統的に1群をな
す細菌。広義には,それらと系統的に1群をなす非光合成細菌を
含む細菌。
purple bacteria
1516
古細菌
生物界をリボソーム塩基配列の相同性で系統的に3群に大別した
ときに真核生物,真正細菌以外の1群をなす細菌。
archaebacteria
1517
コリシンE1
大腸菌由来のある種のプラスミドが生産する熱ショックたん白
質性の抗菌性物質。
colicin E1
1518
潜伏感染
ウイルスなどの病原菌の侵入,すなわち感染があっても,それが
細胞内組織などに潜伏して病原作用を示さないままで長く生存
している状態。
latent infection
1519
センダイウイルス
パラミクソウイルス科のパラインフルエンザウイルスの1種類で
1本鎖RNAを遺伝子にもつ直径100〜200nmのウイルス。(血球
凝集性ウイルス)
Sendai virus
1520
単純ヘルペスウイルス
ヘルペスウイルス科の代表的な1群の正20面体キャプシドをも
つDNAウイルス。1型と2型の2亜群に分類される。
herpes simplex virus
1521
DNAしゅよう(腫瘍)
ウイルス
動物に接種するとしゅよう(腫瘍)を誘発したり,培養細胞を形
質転換させる能力をもつDNAウイルス,しゅよう(腫瘍)ウイ
ルス。
DNA tumor virus
1522
ビィフィズスファクタ
ー
ヒト腸管内に生息する通称,ビィフィズス菌の生育促進因子。
bifidus factor
1523
ビリオン
細胞外にあるウイルス粒子。
virion
1524
プリオン
中枢神経系に感染を起こす疎水性のたん白質様物質で,非定型ウ
イルス群としてまとめられていた因子のうちでたん白質性の粒
子。
prion
1525
分解系プラスミド
物質分解(代謝)遺伝子(群)を保有するプラスミド。
degradative plasmid
1526
放線菌,
アクチノミセテス
菌糸状の形態をとり得る細菌。
Actinomycetes
11
K 3610-1992
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
1527
ポリオーマウイルス
動物DNAウイルスのうちパポーバウイルス科に属する1群のウ
イルス。
Polyoma virus
1528
マイコプラズマ,
(PPLO)
125〜250nmの大きさで,細胞壁がなく,3層からなる細胞膜で覆
われている完全合成培地で増殖できる最小の微生物。
mycoplasma
1529
λファージ,
ラムダファージ
大腸菌K12株から分離されたオタマジャクシ状の,DNA分子量
3千万の溶原性ファージ。
λ phage
1530
らん(藍)色細菌
酸素発生型光合成を行う細菌。狭義には,そのうちフィコビリン
系の光捕集色素をもつ細菌。(真正細菌)
cyanobacteria
1531
緑色細菌
光合成細菌のうち,光捕集小器官としてクロロソームを含む細
菌。(光合成細菌,真正細菌)
green bacteria
1532
レトロウイルス
RNAウイルスのうち,プラス(センス)1本鎖RNAをもち逆転
写酵素活性を示し,成熟ウイルス放出が細胞膜から出芽性に行わ
れる1群のウイルス。
retrovirus
1533
ワクシニアウイルス
とう(痘)そうに対する生ワクチンとして用いられるポックスウ
イルス科のウイルス。
vaccinia virus
(1.6) 操作,手法及び技術
番号
用語
定義
対応英語(参考)
1601
遺伝子直接導入
遺伝子をベクターなどによらず直接細胞内へ導入する技術。
direct gene transfer
1602
遺伝子導入
細胞にその細胞以外の遺伝子 (DNA) を導入する技術。
gene introduction,
gene transfer
1603
遺伝手術
細胞毒を組織特異的に発現させて,細胞毒発現細胞だけを動物個
体から除去する方法。
genetic ablation,
toxigenics
1604
イムノブロッティング
法
膜に試料を移し取り,抗原抗体反応によって目的物質の検出を行
う方法。
immunoblotting
1605
エイムス試験
ヒスチジンの生合成系に欠損のあるサルモネラ菌変異株が,ヒス
チジン非要求性となる復帰突然変異を利用した高感度変異原性
試験法。
備考 がん(癌)原性物質の短期検索法。
Ames test
1606
S1マッピング法
S1ヌクレアーゼを用いて,遺伝子の特定機能部位の位置又は長さ
を決定する方法。
S1 mapping method
1607
エチレン
分子式C2H4の揮発性の炭水化物で,植物の果実の熟成促進作用
などを示す植物ホルモン。
ethylene
1608
M(えむ)13改変ベク
ター
組換えDNAを1本鎖として回収するためにM13ファージを基に
して作製された運搬体DNA(ベクター)。
M13-based vector
1609
エリトリエーターシス
テム
遠心機の連続ローターを改造し,溶媒の流れを遠心力との組合せ
によって細胞を大きさ・密度の違いで分離する方法。
elutoriator system
1610
塩基アナログイムノス
テイン法
核酸塩基アナログに対する抗体を用いた免疫染色法。
base analogue
immunostaining
1611
核移植
ある細胞の核を他の細胞に移植する操作。
備考 特に発生・分化での核と細胞質の機能を調べる上で有
効な手段。
nuclear transfer,
nuclear transplantation
1612
ギムザ染色
培養細胞,血液塗抹標本などに広く用いられている核を青紫に,
酸性物質を赤く染める染色方法。
Giemsa stain
1613
ギムザバンディング
ギムザ染色の変法で1染色体上のしま(縞)を分染し識別するた
めに開発された染色法。
Giemsa banding
1614
CAT(きやっと)アッ
セイ法
大腸菌のクロラムフェニコールアセチル基転移酵素 (CAT) の遺
伝子の上流に測定しようとするDNA断片を接続したプラスミド
を作り,これを用いて挿入DNA断片のエンハサー活性を測定す
る方法。
CAT-assay
12
K 3610-1992
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
1615
クローニング[ほ(哺)
乳類動物はい(胚)の]
親と同じ遺伝形質をもつ子孫を,同一細胞から有性生殖によらず
増やす技術。
cloning (of mammalian
embryos)
1616
ゲルシフト法
DNAにたん白質が結合すると電気泳動による移動速度が遅くな
ることを利用して,特異的なたん白質とDNAとの結合を検出す
る方法。
gel-shift assay,
gel retardation assay
1617
酵母ベクター
酵母に目的の遺伝子を導入し,増殖させるための運搬体DNA。
yeast vector
1618
コス細胞
CV-1細胞を複製起点欠損のSV40DNAでトランスフォームした
細胞株。
備考 温度感受性T抗原をもつSV40をベクターとした系に
用いられる。
COS cell
1619
ゴースト注入法
赤血球ゴーストを用いて細胞にDNAや生理活性物質を微量注入
する方法。
ghost medicated
microinjection
1620
骨髄移植
提供者 (Donor) の骨髄細胞を宿主 (Host) へ移植する技術。
bone marrow transplantation
1621
コロニーハイブリダイ
ゼーション
固体平板培地にまいた単一細胞由来のコロニーから,目的の遺伝
子を増殖しているコロニーを検出する方法。
colony hybridization
1622
細胞解離法
組織を構成する細胞間結合をほぐして,単一細胞に分離する処理
技術。
cell dissociation method
1623
サザン解析
電気泳動とハイブリダイゼーションによる特定の塩基配列をも
つDNAの検出法。
Southern analysis
1624
シャロンファージ
λファージ由来で,遺伝子中央に外来DNAを組み込めるクローニ
ングベクターとして開発された一連のファージ。
Charon phage
1625
除核
人工的に核を細胞から除去する操作。又は核の機能を選択的に不
活化する技術。
enucleation
1626
ジーンターゲッティン
グ
高等生物の細胞で,染色体上の遺伝子と外来性の相同遺伝子間の
遺伝的組換えによって,特定の位置に遺伝子を挿入する技術。
gene targeting
1627
刷り込み
動物発生の早期に植え付けられる経験の習得。
imprinting
1628
セルフクローニング
DNA供与体と分類学上同一の種に属する宿主,及び同一の種に
属する生物由来のベクターを用いてDNA断片をクローニングす
る技術。
self cloning
1629
線状ファージベクター
線状ファージの性質を利用したベクター。
filamentous phage vector
1630
染色
生物の組織全体や特定部位を色素で着色する技術。
staining
1631
染色体導入法
分裂中期の染色体を分離し他の細胞に導入する方法。
chromosome transfer
1632
染色体歩行
既に得られている,目的部位近傍のDNA断片を出発材料として,
相補鎖間の結合を利用して順次隣接するDNAを長い距離にわた
ってクローニングを進める技術。
chromosome walking
1633
第1卵割阻止
受精後の第1回目の卵割阻止。
first supression of cleavage
1634
第2極体放出阻止
減数分列の最終段階の第2極体放出の阻止。
retention of 2nd polar body
1635
チミジンキナーゼ手術
ヘルペス単純ウイルスのチミジンキナーゼを発現している増殖
中の細胞だけを,抗ウイルス性ヌクレオシド類似体投与期間中に
限って,動物個体から除去する方法。
thymidine kinase obliteration
1636
着床
ふ(孵)化したはい(胚)盤胞が子宮壁に定着する過程。
implantation
1637
Ti(ていーあい)プラ
スミド
土壌細菌である根頭がんしゅ(癌腫)病菌 (Agrobacterium
tumefaciens) のもつ大形のプラスミドで,根頭がんしゅ(癌腫)
病菌が主として双子葉植物に感染したときに生じる植物しゅよ
う(腫瘍)(クラウンゴール)の原因となるプラスミド。
Ti plasmid
1638
DNAパッケージング
ウイルスやファージなどのDNA分子を試験管内 (in vitro) でた
ん白質の殻に詰め込んで粒子を形成させる操作。
DNA packaging
1639
低コピー数プラスミド
増殖複製の型によって決まっている細胞染色体当たりのコピー
数が少ないプラスミド。
low copy number plasmid
13
K 3610-1992
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
1640
電気せんこう(穿孔)
法
細胞に数千V/cmの高電圧をマイクロ秒オーダーのパルスで与え
ることによってDNAを導入する方法。(遺伝子導入法)
electroporation
1641
電気的細胞融合
細胞懸濁液に高周波及びパルス状高圧電界を印加することによ
って,細胞を融合させる技術。
electrical cell fusion
1642
トランスフェクション
DNAを直接細胞に取り込ませる技術。(遺伝子導入法)
transfection
1643
トリペアレンタルメイ
ティング
伝達性がないプラスミドを伝達機能をもつヘルパープラスミド
を用いて受容菌に接合伝達する方法。
tri-parental mating
1644
ニックトランスレーシ
ョン法
DNA鎖にDNAseで切れ目(ニック)を作り,標識ヌクレオチド
でポリメラーゼによる修復を行って,試験管内 (in vitro) で標識
する方法。
nick translation
1645
はい(胚)移植(受精
卵移植)
初期発生はい(胚)を母体から取り出し,再び他の個体の子宮や
卵管に移植すること,又は体外で受精させたはい(胚)を子宮や
卵管に戻す操作。
embryo transfer
(transplantation)
1646
はい(胚)移植
供与体雌の体外に取り出されたほ(哺)乳類の受精卵又は初期は
い(胚)を,受容体雌の生殖器内に移植する技術。
embryo transfer
1647
ハイコピープラスミド
コピー数の多いプラスミド。
high-copy-number plasmid
1648
ハイブリッド形成
(1) 2種類の細胞を融合化させ,雑種クローンを得る技術。
(2) 分子内の塩基間の相補性に基づいて,DNA/DNA,DNA/RNA,
RNA/RNAの2本鎖を再生する現象。
hybridization
1649
ハイブリッド形成法
DNA-DNA又はDNA-RNAハイブリダイゼーションを行い,細胞
中又は組織中で,特定遺伝子又はその転写産物をオートラジオグ
ラフィー又は類似の方法によって検出する方法。
in situ hybridization
1650
バキュロウイルスベク
ター
バキュロウイルスを基に無せきつい(脊椎)動物,特に昆虫の系
に用いることができるようにしたベクター。
baculovirus vector
1651
バクテロイデスプラス
ミドベクター
バクテロイデス (Bacteroides) 属の嫌気性菌がもっているプラス
ミドから作ったシャトルベクター。
bacteroides plasmid vector
1652
ハートウイッヒ効果
一方の配偶子に照射する線量を変化させたときにみられる生存
率の特殊な変化。
Hertwig effect
1653
パールチェーン
細胞が接着し複数個つながった状態。
pearl chain
1654
パンニング法
不溶性物質に抗体を結合し,これに対する結合性の違いによって
細胞を選別する方法。
panning method
1655
ビオチン標識プローブ
組換えDNA実験で,目的遺伝子をアビジン−ビオチンの結合力
で検出するために用いるビオチンで標識したDNA断片。
biotin-labelled probe
1656
pBR322
2種類の薬剤耐性遺伝子をもち,クロラムフェニコールによって
増幅可能となる非伝達性プラスミドベクター。
pBR322
1657
pUCプラスミド
薬剤耐性遺伝子のほかにマルチクローニング部位とlacZα遺伝子
(ラックジーン)をもつ一連のプラスミドベクター。
pUC plasmid
1658
標識化技術
分子を構成する原子(群)を,特定の目印となる原子(群)で置
き換え又は付加することによって物理化学的にこの分子を検出
できるようにする技術。
labeling
1659
微量注入法
(1) 微小ガラス管を用いて細胞にDNAや生理活性物質を微量注
入する方法。
(2) 細胞に微量注入を行う方法全般。
microinjection
1660
ファスミドベクター
ファージDNAとプラスミドとのハイブリッドでどちらの複製様
式でも増殖可能な運搬体DNA(ベクター)。
phasmid vector
1661
フィンガープリント法
ろ(濾)紙電気泳動とろ(濾)紙クロマトグラフを組み合わせた
2次元の分析法。
fingerprinting method
1662
付着末端
ある種のファージの2本鎖DNAの末端にある相補的な関係の1
本鎖部分及びそれに類似したDNAの末端構造。
cohesive end,
sticky end,
staggered end
14
K 3610-1992
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
1663
プラスミドレスキュー
細胞DNAに組み込まれた状態の大腸菌プラスミドを導入した細
胞から分離回収する技術。
plasmid rescue
1664
プリッキング
微細ガラス針を用いた細胞(又は核)への微量注入法。
pricking
1665
フルオログラフィー
蛍光体を共存させて,低温下でX線フィルムを露出することによ
って,放射能標識物質の検出感度を上げる技術。
fluorograpby
1666
ブルースクリプトベク
ター
プラスミドと1本鎖DNAファージの性質を併せもち,ガラクト
シダーゼ遺伝子の中に外来DNAを組み込める多機能ベクター。
bluescript vector
1667
プロトクローン
プロトプラストに由来する単細胞クローン。
protoclone
1668
プロトプラスト融合法
プラスミドを含む大腸菌のプロトプラストを,細胞と融合させる
ことによって,プラスミドを細胞に融合する方法,又はプロトプ
ラスト化した二つ以上の細胞を融合化させる方法。
protoplast fusion
1669
分染法
染色体の塩基対若しくは構造の違い又は染色分体の違いを識別
するための染色法。
differential staining
technique
1670
ポリエチレングリコー
ル
細胞融合を促進する作用をもつエチレングリコールの重合体。
備考 化学構造H(OCH2・CH2)nOH(n≧4) 重合度によって分
子量200〜9 000の多種が調製されている。低分子の
ものは常温で粘性のある液体,高分子のものは白い固
体。水や有機溶媒に溶けて粘度の高い無色の溶液とな
る。
polyethylene glycol
1671
マイクロプロパゲーシ
ョン
植物を栄養繁殖する組織培養法。
micropropagation
1672
マキシセル
紫外線照射によって染色体DNAだけが崩壊し,プラスミドDNA
だけが完全な形で残った大腸菌細胞。
maxi cell
1673
マクサム−ギルバート
法
塩基特異的化学修飾によって核酸の塩基配列を決定する方法。
Maxam-Gilbert method
1674
膜の一時破壊
細胞膜の内側と外側の間に0.3〜3Vの電力が印加されると膜が一
時的に乱される,この膜の乱れた状態。
temporary menbrene
breakdown
1675
マッピング
特定遺伝子の遺伝子地図上の位置を決定する手法。
mapping
1676
ミニセル
細胞分裂変異によって染色体DNAをもたなくなった小細胞。
mini cell
1677
免疫手術
抗体を用い,この抗体と反応する抗原を表層にもつ細胞だけを動
物固体から除去する方法。
immunosurgery
1678
戻し交雑
交雑によって生じた雑種 (F1) とその両親,又は両親と同じ遺伝
子型をもつ個体との交配。
backcross
1679
ラジオイムノアッセイ
放射性同位元素で標識された抗原又は抗体を用いて生体の微量
成分を測定する方法。
radioimmunoassay
1680
ラナウェイ プラスミ
ド
コピー数制御が温度感受性であるため,非許容温度域でのコピー
数が増大するようなプラスミド。
runaway plasmid
1681
ラムダgt11,
λgt11(らむだじーてぃ
−いれぶん)
λファージ由来で大腸菌のガラクトシダーゼ遺伝子中に外来遺伝
子を組み込み,それを発現させることのできるλgtファージ類の
クローニング用発現ベクター。
λgt11
1682
ラムダgt10,
λgt10(らむだじーてぃ
ーてん)
λファージのC1レプレッサー中に外来DNAを組み込むことがで
きるクローニングベクターで,434ファージ部分をもつλgtファー
ジ。
λgt10
1683
ラムダZAP,
λZAP(らむだずぃーえ
ーぴー)
λファージ由来で,f1ファージの複製開始及び停止領域を含み,
プラスミドベクターのサブクローニングが容易に行えるクロー
ニングベクター。
λZAP
1684
リーフディスク法
アグロバクテリウム (Agrobacterium) を用いて植物形質転換体を
得る場合の植物体へのアグロバクテリウム (Agrobacterium) の接
種法。
leaf desk method
15
K 3610-1992
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
1685
りん酸カルシウム法
DNAとりん酸カルシウムの共沈澱を用いてDNAを細胞に取り込
ませる方法(遺伝子導入法)。
transfection using DNA- Ca
phosphate coprecipitation
1686
レックアッセイ
DNA組換え修復欠損株 (rec-) と野生株の成育の差から,DNAに
損傷を誘発する化学物質を検出する方法。
rec-assey
(2) たん白質工学
(2.1) 基礎事項
番号
用語
定義
対応英語(参考)
2101
アミノ酸組成
たん白質やペプチドに含まれるアミノ酸残基の組成比。
amino acid composition
2102
アミノ酸置換
複数の相同たん白質の対応する部位でのアミノ酸残基が変異を
示す現象,又は異変をさせる技術。
amino acid substitution
2103
アンチコドン
tRNA中に存在し,mRNAのコドンと相補的な3個の塩基の組。
anticodon
2104
イソ酵素,
アイソザイム
同一個体中にあり,特定の同一反応を触媒するが,化学的な構造
を異にする酵素群。
isozyme
2105
イソタイプ,
アイソタイプ
免疫グロブリンの各クラス又はサブクラスに固有の抗原構造。
isotype
2106
1文字表記(アミノ酸
の)
天然のα−L−アミノ酸(残基)をアルファベットの1文字で表す
表記法。
single character code (of
amino acid)
2107
イノシトールりん脂質
イノシトールりん酸とジグリセリドからなるりん脂質。
phosphatidyl inositol
2108
細胞器官,
オルガネラ
真核細胞の内部にあって特定の機能をもつ小器官。
organelle
2109
開始コドン
たん白質合成の開始を指定するmRNA上のコドン。
initiation codon
2110
界面活性剤
界面に集合してその性質を変化させ消泡,可溶化,洗浄などを可
能にする物質。
detergent,
surfactant
2111
架橋結合
鎖状分子の特定の原子間に形成される化学結合。
cross-linking
2112
核膜
真核細胞の核と細胞質を隔てる2重構造膜。
nuclear membrane,
nuclear envelope
2113
活性酸素
通常の酸素分子よりも著しく反応性に富む酸素原子を含む化学
種。
active oxygen
2114
きっ(拮)抗阻害剤
酵素の活性部位に基質と競合して結合し,酵素本来の触媒反応速
度を低下させる物質。
competitive inhibitor
2115
起プロトン力
プロトン輸送を駆動する電気化学ポテンシャル。
proton motive force
2116
凝集(たん白質の)
多数のたん白質分子が変性した状態で会合する現象。
aggregation
2117
形質転換
(1) 菌体から単離したDNAが他の細胞に取り込まれ,細胞染色
体と組換えを起こす現象。
(2) 動物細胞へのがん遺伝子などの導入によって誘起される表
現形質の変化。
transformation
2118
抗体工学
免疫原をデザインして抗体を作製する,又は抗体分子を改変して
より有用な機能を付与する工学。
antibody engineering
2119
好熱性生物
55℃以上の高温環境下で成育する生物。
thermophile
2120
コドン
たん白質のアミノ酸残基又は翻訳終了に対応する遺伝暗号とな
る3塩基連鎖。
codon
2121
ゴースト
(1) DNA又はRNAを除いた,たん白質部分からなる,バクテリ
オファージ又はウィルス。
(2) 溶血後の赤血球。
ghost
2122
細胞外酵素
細胞外に分泌される酵素。
extracellular enzyme
2123
細胞膜
細胞質と直接接触し,外界と細胞の内部とを隔てる生体膜。
cell membrane
2124
サルコメア,
筋節
横紋筋の筋原繊維を形成する単位構造。
sarcomere
2125
酸化還元酵素
生体物質の酸化還元反応を触媒する酵素。
oxidoreductase
16
K 3610-1992
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
2126
3文字表記(アミノ酸
の)
天然のα−L−アミノ酸(残基)をアルファベットの3文字で表す
表記法。
three letter code (of amino
acid)
2127
終止コドン
たん白質合成の終結を指定するmRNAのコドン。
termination codon
2128
触媒反応
反応終了後に反応前と同じ状態で存在し得る物質(触媒)を,化
学量論量以下の極微量添加して反応速度を高度に加速して行う
化学反応。
catalysis
2129
自己集合
構成要素が自律的に集合して,機能をもつ高次の構造体を形成す
る現象。
self assembly
2130
自己組織化
無秩序な状態にある系が,外的条件の変化に応じて自発的に起こ
す秩序形成過程。
self organization
2131
受容体,
レセプター
刺激物質又は物理的な刺激を識別して,細胞の応答を誘起するた
ん白質。
receptor
2132
生体工学
生体機能を解明し,それに基づいて生体機能を利用したり,生体
機能を超える機能をもつ模倣・代替系を構成する工学。
bioengineering
2133
生物活性
化学物質が作用する生物体に誘起する物質又は量的変化。
biological activity
2134
生分解性高分子
自然環境の下で微生物や酵素の働きによって分解される。
biodegradable polymer
2135
セントラルドグマ
DNA, RNA,たん白質の順に遺伝情報が伝えられるという基本概
念。
central dogma
2136
耐熱酵素
熱に対して抵抗性をもつ酵素。狭義には好熱菌の酵素。
heat-stable enzyme,
thermostable enzyme
2137
中性プロテアーゼ
中性付近に最適pHをもつプロテアーゼ。
neutral protease
2138
転移RNA,
tRNA
エステル結合によってアミノ酸をリボソームに輸送するRNA。
transfer RNA
2139
糖鎖
脂質やたん白質と結合し,種々の生理機能に関与する鎖状の糖。 sugar chain
2140
糖脂質
糖鎖を結合している脂質。
glycolipid
2141
突然変異
分離 (segregation) や組換えによらない遺伝形質の変化。
mutation
2142
トランスロケーション
細胞運動を担う運動性たん白質による物質の移動。
translocation
2143
ヌクレオソーム
真核細胞の染色質(クロマチン)を構成する核たん白質構造体。
nucleosome
2144
比活性
単位質量当たりの酵素活性。
specific activity
2145
光呼吸
植物細胞が光照射時に行う呼吸作用。
photorespiration
2146
バイオミメティックス
生体の機能を模倣・代替する系を作る工学。
biomimetics
2147
不きっ(拮)抗阻害剤
酵素−基質複合体に結合して酵素−基質−阻害剤複合体を形成
し,本来の触媒反応速度を低下させる物質。
uncompetitive inhibitor
2148
分子進化
多種多様な生物を構成する生体(高)分子の存在形態や様式の長
期間にわたる時間的変遷。
molecular evolution
2149
プロテインキナーゼ,
たん白質りん酸化酵素
ATPのγ−りん酸を,たん白質の水酸基に転移し,りん酸化たん
白質を生成する酵素。
protein kinase
2150
補因子
酵素活性を増強する補助的な(天然の)因子。
cofactor
2151
膨潤
高分子固体が液体を吸収して体積を増加する現象。
swelling
2152
膜間電圧
電界によって細胞膜の内側と外側の間に誘起される電位差。
transmembrane potential
2153
膜輸送
生体膜を通して,本来脂質2重層を透過しにくい物質が運ばれる
現象。
membrane transport
2154
膜流動性
生体膜の極性脂質が示す動的構造。
membrane fluidity
2155
野性型
野性(自然)集団中で最も高頻度で存在する特定の生物の型,系
統又は遺伝子。
wild type
2156
誘導酵素
細胞に特定の誘導物質を加えるとその合成速度が増加する酵素。
inducible enzyme
2157
リガンド
(1) 金属錯体中の中心にある金属原子又はイオンに配位する原
子,分子若しくはイオン。
(2) たん白質と特異的に結合する物質。
ligand
17
K 3610-1992
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
2158
リボソーム
極性脂質が2分子膜構造を形成している人工膜小胞。
liposome
2159
ワクチン工学,
エピトープ工学
抗原分子の構造を解析し,遺伝子工学的手法などを用いてワクチ
ンをデザインし生産する工学。
epitope engineering
(2.2) たん白質の合成,修飾及び分解
番号
用語
定義
対応英語(参考)
2201
RNAポリメラーゼ
DNAを鋳型としてRNAを合成する酵素。
RNA polymerase
2202
アテニュエーター
オペロン内部の転写終結部位。
attenuator
2203
アニーリング
2本鎖のDNAを解離させた後,再び元のように相補鎖を会合さ
せる徐冷再構成操作。
annealing
2204
アミノアシルtRNA合
成酵素
ATPとアミノ酸からアミノアシルアデニル酸を生成し,更にこれ
をtRNAに転移結合する酵素。
aminoacyl tRNA synthetase
2205
亜りん酸アミダイト法
一方のヌクレオチドの亜りん酸アミダイト基にエステル型の保
護基を1個導入し,これを他方のヌクレオチドの糖水酸基と結合
する合成方法。
phosphoamidite method
2206
亜りん酸トリエステル
法
ヌクレオチド間結合を生成する方法の1種類で,一方のヌクレオ
チドの亜りん酸基にエステル型の保護基を1個導入し,これを他
方のヌクレオチドの糖水酸基と結合する方法。
phosphite triester method
2207
αファクター前駆体
酵母の性フェロモンペプチドの前駆体。
α-factor precursor
2208
アンチセンスRNA
メッセンジャーRNAと相補的な塩基配列をもつRNA。
antisense RNA
2209
アンバーサプレッサー
変異
遺伝的変異によって生じた終始コドンの一つ,UAGをあるアミ
ノ酸として読み取り,たん白質の合成を回復する変異。
amber suppressor mutation
2210
遺伝子銀行
有用生物,その組換え体などの遺伝子を収集,保存又は品質管理
し,必要に応じて研究者へ配布する機関。
gene bank
2211
遺伝子重複
染色体上に遺伝子群又はある遺伝子が複数存在する現象。
gene duplication
2212
遺伝子増幅
生物の生活環境又は細胞の環境変化などによって,ある特定の遺
伝子が増幅する現象。
gene amplification
2213
遺伝子導入ベクター
細胞内へ遺伝子を導入するベクター(プラスミドベクター,ウィ
ルスベクター)。
gene-transferring vector,
vector forgene transfer
2214
HUたん白質
微生物の核様体を構成する主要なたん白質。
HU protein
2215
APエンドヌクレアー
ゼ
DNAの塩基が欠落したとき,その部位を識別して近傍の1本鎖
を切断する酵素。
AP-endonuclease
2216
エキソンシャフリング
遺伝子においてエキソン単位で組換えが起きる現象。
exon shaffling
2217
SD配列
(Shine-Dalgarno配
列)
原核生物のmRNAの開始コドンの上流に共通して存在するプリ
ンに富む領域。
Shine-Dalgarno sequence
2218
Sp1転写因子
GCに富む塩基配列に結合して転写開始を促進するたん白質因
子。
Sp1 transcription factor
2219
M(えむ)13ファージ
ベクター
1本鎖DNAファージの1種類,M13ファージのDNAを用いるベ
クター。
M13 phage vector
2220
塩基置換
遺伝子を構成する核酸塩基の置換え。
base substitution
2221
オーバーラップ遺伝
子,
重複遺伝子
部分的に複数の読取枠をもつ遺伝子。
overlapping gene
2222
カセット変異導入法
変異DNAを2本鎖とも合成して一組のベクターを作製し,遺伝
子DNAの特定部位にこれらを組み込み,意図する複数の変異を
導入する方法。
cassette mutation
2223
可動因子
染色体上で他の部位へ移動できるDNA単位(トランスポゾン)。 movable element
2224
逆転写酵素
RNAを鋳型としてDNAに転写する酵素。
reverse transcriptase
2225
組込み型ベクター
宿主細胞の染色体に組み込まれた状態で保持されるベクター。
integration vector
18
K 3610-1992
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
2226
クレノウ酵素,
Klenowフラグメント
DNAポリメラーゼ1の限定分解で生じるDNAポリメラーゼとエ
キソヌクレアーゼ活性をもつ断片。
Klenow fragment
2227
コスミドベクター
λ−ファージのcos領域近傍のDNA配列をプラスミドに組み込
み,ファージとプラスミドの両者の性質をもたせたベクター。
cosmid vector
2228
コドン使用頻度
構造遺伝子における各コドンの出現頻度。
codon usage
2229
コドンバイアス
構造遺伝子における各コドン出現比と各種転移RNAの存在比と
の相違。
codon bias
2230
コンセンサス配列,
共通配列
プロモーター領域に共通してみられる特徴的な塩基配列。
consensus sequence
2231
シグナル塩基配列
分泌たん白質のシグナルペプチドに対応する塩基配列。
signal sequence
2232
シグナルペプチド
分泌たん白質の細胞膜透過に必要な,アミノ酸残基15-30からな
り,N端末に結合しているペプチド。
signal peptide
2233
シャトルベクター
2種類以上の宿主内で増殖可能なベクター。
shuttle vector
2234
ショットガンクローニ
ング
染色体DNAをランダムに切断して得た多数のDNA断片をベクタ
ーに連結し,宿主に導入して適合するDNA断片をクローン化す
る技術。
shot gun cloning
2235
ジデオキシ法
DNAポリメラーゼ活性をもつ酵素とジデオキシヌクレオチドを
用いて塩基配列を解析する技術。
dideoxy chain termination
method
2236
セレノシステイン
硫黄原子がセレンに置換したシステイン。
selenocysteine
2237
センチモルガン
染色体地図における距離の単位。モルガンの100
1。
centi-morgan
2238
相補性
(1) 2本鎖を構成するDNAにおいて互いに塩基対を形成し得る
相互関係。
(2) 接触する複数の分子表面の部分的な形状が互いに凸凹状態
で適合する性質。
(3) 接触する複数の分子の表面電荷が,形状の相補性と同時に,
正負互いに対を成して分布する性質。
complementarity
2239
多コピー型ベクター
宿主細胞中で複製し,多数個存在できる型のベクター。
multicopy vector
2240
DNA結合たん白質
DNAに親和性をもち特異的又は非特異的に結合するたん白質。
DNA binding protein
2241
DNA多型
同一種内の正常な個体間に存在するDNAの塩基配列の多様性。
DNA polymorphism
2242
DNAプローブ
DNA又はRNAの特定の配列に相補的に結合する,ラジオアイソ
トープ又は蛍光物質によって標識した,DNA。
DNA probe
2243
DNAヘリカーゼ
DNA2重らせん構造を巻き戻す酵素。
DNA helicase
2244
DNAポリメラーゼ
鋳型DNAの塩基配列に相補的なDNA鎖の重合を触媒する酵素。 DNA polymerase
2245
ディノーボ (denovo)
合成(たん白質の)
既存のたん白質の改変ではなく,全く新しく設計し,合成して意
図する機能を発揮させるたん白質工学の技術。
de novo synthesis (of
protein)
2246
トポイソメラーゼ
2本鎖DNAのらせんの巻数を変える酵素。
topoisomerase
2247
トリプティックペプチ
ド
たん白質又はペプチドがトリプシンによって消化されて生じる
ペプチド。
tryptic peptide
2248
2本鎖RNA
2重らせん構造をもったRNA分子。
double-stranded RNA,
double helical RNA
2249
熱変性(核酸の)
DNA又はRNAの加熱による2本鎖の解離など物理化学的諸性質
の変化。
thermal denaturation of DNA
(of nucleic acid)
2250
発現ベクター
遺伝子組換え技術において,クローン化された遺伝子の形質発現
を行わせる目的で用いられるベクター。
expression vector
2251
反復配列
半数染色体の一組(ゲノム)中に,数十回から数百万回,繰返し
現れる塩基配列。
repeated sequence
2252
ファージベクター
ファージに由来し,ファージの性質をもつクローニングベクタ
ー。
phage vector
2253
封入体
菌体内で外来たん白質を大量に発現させた場合に時々生じる,た
ん白質の不溶性の塊。
inclusion body
19
K 3610-1992
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
2254
フットプリント法
DNA結合たん白質が特異的に結合する部位の塩基配列をDNAア
ーゼで決定する方法。
footprinting method
2255
フレームシフト変異
塩基の付加又は除去によって,DNA配列のトリプレットコドン
の読取枠が変化して生じる変異。
frame shift mutation
2256
ペリプラズム
グラム陰性菌の細胞内膜とその外側にあるペプチドグリカン層
との中間部。
periplasm
2257
翻訳,
トランスレーション
mRNAの情報を基にりボソーム上でたん白質の生合成が行われ
る過程。
translation
2258
翻訳効率
mRNAが翻訳され,たん白質分子鎖が合成される効率。
translation rate
2259
翻訳後修飾
生合成された後,たん白質が最終的に機能を発現する前に受ける
種々の化学的構造の変更。
post-translational
modification
2260
ポリメラーゼ連鎖反
応,
PCR
酵素による試験管内DNA合成と2本鎖DNAの加熱による解離の
繰返しによって,プライマーDNAによってDNA上に指定した塩
基配列を増幅する技術。
polymerase chain reaction,
PCR
2261
マルチプライム法
1本鎖DNA断片にオリゴヌクレオチドをハイブリッド形成させ,
これをプライマーとして標識ヌクレオチドを取り込ませ標識
DNA鎖を作る方法。
multi prime method
2262
モルガン
減数分裂1回当たり平均1回の交さ(叉)を起こす染色体上の距
離の単位。
morgan
2263
葉緑体DNA
葉緑体に存在する2重鎖の環状DNA。
chloroplast DNA
2264
λレプレッサー
λ−ファージが溶原状態で生産する負の調節たん白質。
λ-repressor
2265
リバースジェネティク
ス
たん白質を高度に精製してアミノ酸配列を決定し,その塩基配列
を化学合成してたん白質をコードする遺伝子をクローン化する
手法。
reverse genetics
2266
リボヌクレアーゼ,
RNアーゼ
RNAに作用してヌクレオチドを切断する酵素。
ribonuclease,
RNase
2267
リンカー
二つのDNA断片を試験管内で結合するときに,その結合部位に
制限酵素切断部位を形成する目的でつなぎ目に挿入できる制限
酵素認識塩基配列をもつオリゴヌクレオチド。
linker
2268
りん酸ジエステル法
一方のヌクレオチドの保護されていないりん酸基と他方のヌク
レオチドの糖水酸基を結合する合成方法。
phosphodiester method
2269
りん酸トリエステル法
一方のヌクレオチドのりん酸基にエステル型の保護基を1個導入
し,これを他方のヌクレオチドの糖水酸基と結合する合成方法。
phosphotriester method
2270
レックたん白質
細菌やバクテリオファージで,DNAの相同的組換えに関与する
たん白質。
rec protein
20
K 3610-1992
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(2.3) たん白質の構造,状態及び物性
番号
用語
定義
対応英語(参考)
2301
R因子
(1) 抗菌性物質に対する耐性を発現する遺伝子を担っているプ
ラスミド。
(2) X線結晶構造解析における,回折強度の観測値と構造模型由
来の計算値の相対誤差。
R factor
2302
アラインメント,
整列,
並置
複数のたん白質のアミノ酸配列又は対応する核酸配列を,配列成
分の類似度を基に並べて比較する方法。
alignment
2303
α/βたん白質
分子中にαヘリックスとβシートが交互に連結した構造をもつた
ん白質。
α/β protein
2304
EFハンド構造
カルシウム結合たん白質に存在し,カルシウムイオン結合部位を
形成する構造モチーフ。
EF hand motif
2305
位相決定
結晶にX線を照射するとき,その回折によって失われる位相情報
を回復する操作。
phase determination
2306
エピトープ
抗原分子上に存在して,抗体が識別する最少単位の構造。
epitope
2307
オリゴマー
二つ以上数十個の構成成分からなる重合体又は会合体。
oligomer
2308
折りたたみ
細胞内又は水溶液中で,たん白質が自律的に立体構造を形成する
過程。
folding
2309
温度因子
結晶中の原子の熱振動に由来する電子密度の広がりを表す指標。 temperature factor
2310
界面動電現象
液体を含む不均一系において2相の相対運動と界面の電気2重層
との関係によって起こる現象。
electrokinetic phenomenon
2311
核オーバーハウザー効
果 (NOE)
核磁気共鳴 (NMR) において,ある核を照射すると,近接する他
の核からのシグナルが核間距離に応じて変化する効果。
nuclear Overhauser effect
2312
機能モチーフ
たん白質の特定の機能に必す(須)のアミノ酸残基が示す規則的
な配列様式。
functional motif
2313
結晶構造(たん白質の) 結晶試料のX線又は電子線回折像を解析して得られるたん白質
の立体構造。
crystal structure (of protein)
2314
構造モチーフ
複数の2次構造部分が折れ曲がり部分によって次々に結ばれて形
成される構造様式。
structural motif
2315
構造予測
たん白質のアミノ酸配列から,その構造又は機能に関係する情報
を解読する技術。
prediction of structure of
protein
2316
コンホメーション
分子の3次元立体構造。
conformation
2317
極低温電子線回折
たん白質の2次元結晶試料を液体ヘリウム温度以下に冷却し,照
射によって試料の損傷を低減しながら,結晶の電子線回折像を得
て行う構造解析方法。
cryo-electron diffraction
2318
最近接(媒体分子)包
絡面積
特定の形態をもつ多原子分子の表面を,媒体分子を球状プローブ
として,包絡する面積。
accessible surface area
2319
主鎖構造,
骨格構造(たん白質の)
アミノ酸残基のα位の炭素Cα(及びペプチド基の炭素C'と窒素
N)の原子座標に基づいて表されるペプチド鎖の立体構造。
main chain structure,
backbone structure
2320
初期構造
原子間の距離情報に基づき立体構造を推定するとき,又はシミュ
レーションにおいて,最初に設定する構造。
initial structure
2321
触媒活性部位
酵素において基質と特異的に結合し触媒作用を発現する部位。
active site
2322
ジスルフィド結合
二つのチオール (SH) 基が,酸化されて形成する化学結合。
disulfide bond
2323
ジスルフィド結合安定
性
ジスルフィド結合に基づくたん白質構造の安定性。
disulfide bond stability
2324
重原子同型置換法
結晶中の分子に,その結晶構造を変化させずに,重原子を結合さ
せ,その位置を手掛かりに回折点の位相を決める結晶構造解析方
法。
heavy atom isomorphic
replacement
2325
柔構造
たん白質や核酸分子が動的に変化し得る立体構造。
dynamic structure
21
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
2326
受容体結合部位
情報伝達物質とその特異的レセプターとが選択的に結合する分
子表面領域。
receptor binding site
2327
水素結合
水素原子より電気陰性度が高い2種類の原子XとYが,中間に
水素原子を介して形成する結合。
bydrogen bonding
2328
スーパーファミリー
構造類似性をもつ多数のたん白質の1群。
superfamily
2329
スピノーダル分解
熱力学的不安定状態で起こる相分離現象。
spinodal decomposition
2330
Znフィンガー構造
DNA結合たん白質に存在して,二つのシステインと二つのヒス
チジン又は四つのシステインが亜鉛原子に配位する構造モチー
フ。
Zn finger motif
2331
静電的相互作用
電荷間に両者の距離に反比例し,同符号電荷間では斥力,異符号
電荷間では引力として働く作用。
electrostatic interaction
2332
セグメント
高分子鎖に沿ってある長さをもち,ミクロブラウン運動の運動単
位となる部分。
segment
2333
相同性
ホモロジー,
比較する複数の生物,細胞,生体高分子(DNA,RNAたん白質)
などが,共通する祖先に由来してもつと推定される特徴。
homology
2334
相同たん白質
1次構造に相同性が認められる,たん白質群。
homologous protein
2335
相補性決定領域,
CDR
リガンドと形状及び電荷分布に相補性をもつたん白質分子の表
面領域。
complementarity determining
region,
CDR
2336
疎水結合
疎水性分子又は疎水性基の間で,立体的に可能な範囲で水との接
触が少なくなる配置をとる結合。
hydrophobic bonding
2337
疎水性
水分子と親和性が少ない非極性基が,水溶液中で集合する性質。 hydrophobicity
2338
疎水性ポケット
たん白質表面にある非極性アミノ酸残基によって形成され,基質
などが結合するくぼみ。
hydrophobic pocket
2339
体系的帰属法
NMRシグナルが帰属する残基の種類を同定し,1次構造と比較し
ながら連続する核間距離の情報を系統的に抽出する方法。
systematic asignment
2340
耐熱性決定部位
たん白質の耐熱性発現に必す(須)の領域。
thermophillic determinant
2341
耐熱性付与
たん白質の耐熱性決定部位を改変して熱安定性を向上する技術。
thermal stabilization
2342
超可変領域
免疫グロブリンの可変領域のうちでアミノ酸置換が特に多い領
域。
hypervariable region
2343
超2次構造(たん白質
の)
たん白質における2次構造の会合体。
super secondary structure (of
protein)
2344
Chou-fasman法
P. Y. ChouとG. D. Fasmanによる,たん白質の1次構造から2次構
造を予測する経験的な方法。
Chou-Fasman method
2345
低温変性
常温で安定なたん白質が,0℃付近の温度範囲で変性する特性。
cold denaturation,
cold sensitive
2346
ディスタンスジオメト
リー法
各構成単位(原子,粒子)の相対距離が構成単位の構造座標を起
こす数学的手法。
distance geometry
2347
特性値(アミノ酸残基
の)
たん白質を構成する個々のアミノ酸残基の性質を表す値。
attributes (of amino acid
residues)
2348
動的不安定性
繊維状たん白質分子集合体の末端での分子の付加(伸長)と解離
(短縮)とがある確率で繰り返される現象。
dynamic instability
2349
ドメイン
たん白質での構造上,又は機能上の小区域又は単位。
domain
2350
ドラッグデザイン
有効な薬剤を合理的な過程に従って設計し,作り出す方法。
drug design
2351
2次元NMR,
2次元核磁気共鳴
2次元の周波数域上に展開されるNMR分光法。
two-dimensional NMR
2352
2次元結晶(たん白質
の)
基板上に,同一のたん白質分子が一定方向に配位し,規則正しく
配列している単分子膜。
two-dimensional crystal
2353
2次構造(たん白質の) 3〜20個のアミノ酸残基からなる部分鎖が,主鎖のペプチド基間
の水素結合によって形成する規則的な立体構造。
secondary structure
22
K 3610-1992
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
2354
熱安定性(たん白質の) 環境の温度変化に対して,たん白質分子が示す抵抗性。
thermal stability
2355
パラクリスタル
繊維状分子又は繊維状超分子の短距離秩序だけをもつ会合体。秩
序をもつ会合分子集合体。
paracrystal
2356
ヒンジ領域
免疫グロブリン重鎖CH1とCH2とを結ぶ柔軟性に富む領域。
hinge region
2357
不変残基
相同たん白質のアミノ酸配列で,同じ位置に共通して存在する残
基。
invariant residue
2358
フレームワーク
たん白質の機能発現に必す(須)の構造領域を結び合わせて支え
る枠組構造。
framework
2359
不連続型抗原決定基
アミノ酸配列の上では離れている複数の残基部分からなる抗原
決定基。
antigenic area determinant
2360
分子構造精密化
電子密度分布又は散乱振幅を参照して,結晶分子中の原子座標を
精密に決定する方法。
refinement
2361
分子表面積
特定の形態をなしている分子の表面積。
molecular surface area
2362
分子力学
多原子分子の,内部回転などによる,種々の立体配座(構造)に
対応するエネルギーを,経験的なポテンシャル関数に基づいて計
算し,各構造の安定性を比較検討する方法。
molecular mechanics
2363
プロテインデータバン
ク
たん白質データのうち3次元構造の座標データを集めたデータバ
ンク。
protein data bank,
PDB
2364
プロトン間距離
化合物における水素原子核間の距離。
interproton distance
2365
ヘリカルネット
ヘリックスを構成するアミノ酸残基の同心円筒面における位置
を平面に展開して残基相互の配置を示す図。
helical net
2366
ヘリカルホイール
ヘリックスを構成するアミノ酸残基の位置を,軸に直交する平面
上に投映し,同心円筒面における残基配置の部分的な特徴を強調
して示す図。
helical wheel
2367
変異データマトリック
ス
同族たん白質のアミノ酸配列を比較して得た,アミノ酸残基間
の,相対置換頻度を要素とするマトリックス。
mutation data matrix
2368
βターン
たん白質やポリペプチドが分子内水素結合によって形成するペ
プチド鎖の折れ曲がり部分の2次構造。
β turn
2369
βバレル構造
βシートが円柱状又はたる(樽)状をなしている構造。
β barrel
2370
免疫グロブリン超分子
群
免疫グロブリンと相同性のあるドメイン構造をもつ分子群。
immunoglobulin superfamily
2371
免疫グロブリンフォー
ルド
免疫グロブリンのドメインに存在するポリペプチド鎖の折りた
たみ構造。
immunoglobulin fold
2372
溶液構造(たん白質の) NMRなどによって決定される溶液中の立体構造。
solution structure
2373
立体構造(たん白質の) たん白質分子中の原子の空間的配置。
protein structure
2374
立体障害(たん白質の) 内部回転の安定な位置を占める分子構造が,他の分子又は原子団
との衝突によって,その空間的な配置に変化を生じる現象。
steric (volume) exclusion
2375
両親媒性
分子又は2次構造が,親水性の部分と疎水性の部分を併せもって
いる性質。
amphiphilicity
2376
類似度(アミノ酸残基
又は配列の)
アミノ酸残基又は配列相互の類似性を表す指標。
similarity (of amino acids)
2377
連続型抗原決定基
アミノ酸配列が連続する複数の残基部分からなる抗原決定基。
sequential antigenic
determinant
(2.4) たん白質及びその集合体の機能
番号
用語
定義
対応英語(参考)
2401
亜鉛たん白質
亜鉛を含むたん白質。
zinc protein
2402
アクチン
筋肉のIフィラメントを構成する主要なたん白質。
actin
2403
アクチン調節たん白質
アクチンに結合してその動態を調節する運動性たん白質。
actin modulating protein
23
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
2404
アゴニスト
細胞表面に存在するレセプターと特異的に結合し,細胞に特定の
生理活性作用を発現させる物質。レセプター結合物質。
agonist
2405
アジュバンド
抗原とともに投与することによって,抗原に対する免疫反応を非
特異的に増強する物質。
adjuvant
2406
アスパラギン酸プロテ
アーゼ
アスパラギン酸残基のβ−カルボキシル基を活性中心とするプロ
テアーゼ。
aspartic protease
2407
アデノシン三りん酸
アデノシンのリボースの5'位の水酸基にトリポリりん酸が結合し
た構造をもち,生体エネルギーの源となるヌクレオチド。
adenosine 5'-triphosphate
2408
アデノシン三りん酸加
水分解酵素
ATPのγ位のりん酸をMg2又はCa2存在下でADPと無機りん酸に
加水分解する酵素。
adenosine triphosphatase
2409
アフラトキシン
糸状菌(A. spergillus flavusやA. parasiticusなど)の真菌類が産生
するかび毒素(マイコトキシン)であって強力な発がん(癌)物
質。
aflatoxin
2410
アブザイム,
触媒抗体,
酵素様抗体
抗原物質の化学反応を触媒する活性をもつ抗体。
abzyme,
catalytic-antibody
2411
アルファ−フェトプロ
テイン
血清アルブミンと構造的・機能的に類似した胎児性たん白質。
α-fetoprotein
2412
アロステリック酵素
エフェクターの濃度に依存してその反応速度が協同現象的に変
化する酵素。
allosteric enzyme
2413
アンタゴニスト
レセプターに結合するが生体に対する作用を現すことがないた
め,アゴニストに対してきっ(拮)抗的に働く物質。
antagonist
2414
安定化
不可逆反応によって(たん白質の)活性低下,消失を防止する方
法。
stabilization
2415
アンチナクロロフィル
光量子を捕そく(捉)して,光化学反応中心に伝達するクロロフ
ィル類。
antenna chlorophyll
2416
アンテナ色素
光量子を捕そく(捉)して,光化学反応中心に伝達する色素類。
antenna pigment
2417
イオノフォア
生体膜,人工脂質膜又は液膜でのイオン透過性を特異的に高める
働きのある物質。
ionophore
2418
イオンチャンネル
細胞膜上に存在し,たん白質集合体によって構成される各種イオ
ンの流路。
ion channel
2419
鋳型効果
鎖状分子の環化反応の収率に対する共存添加物の効果。反応制
御。
template effect
2420
1次メッセンジャー
細胞膜の表面に存在する種々のレセプターに結合し,各種情報を
伝達する細胞外の情報伝達物質。
first messenger
2421
イディオタイプ
免疫グロブリンの可変領域固有の抗原構造。
idiotype
2422
インスリン様増殖因子
抗インスリン抗体で抑制されないインスリン類似の増殖因子。
insulin-like growth factor
2423
インターフェロン
ウイルスの増殖を抑制するリンフォカイン。
interferon
2424
インターロイキン
免疫反応に関連する細胞間相互作用を媒介するポリペプチド性
物質。
interleukin
2425
インテグリン
細胞外マトリックス分子に接着する細胞表面レセプター。
integrin
2426
SH酵素
活性を発揮するのにチオール基(SH基)が不可欠である酵素。
SH enzyme
2427
NAD
ニコチンアミドモノヌクレオチドとアデニル酸とがホスホジエ
ステル結合した酸化還元補酵素。
nicotinamide adenine
dinucleotide
2428
NADP
リボースにりん酸が結合したアデニル酸とニコチンアミドモノ
ヌクレオチドとがホスホジエステル結合してできた化合物。
nicotinamide adenine
dinucleotide pbosphate
2429
エフオーエフワンエー
ティーピーアーゼ
プロトンの電気化学ポテンシャル差を利用して,ADPとPiから
ATPを合成する酵素。ATP加水分解酵素。
FOF1-ATPase
2430
Fcレセプター
免疫グロブリンのFc部分と選択的に結合する細胞表面上の糖た
ん白質。
Fc receptor
24
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
2431
エリスロポエチン
増血能を促進する,主として腎臓で産生される糖たん白質。
erythropoietin
2432
エンドトキシン,
内毒素
グラム陰性細菌のリポ多糖類毒素。
endotoxic,
lipopolisaccharide
2433
オーキシン
植物の若い茎に低濃度で与えたとき,縦方向に不可逆的な生長促
進作用を示す植物ホルモン。
auxin
2434
オクトピン
たこ(蛸)に存在するアルギニンプロピオン酸。
octopine
2435
オパイン
TiプラスミドのT-DNA領域にオパイン合成遺伝子をもつ
agrobacterium属菌が感染して誘起される非たん白質性アミノ酸。
opine
2436
オピエイト
モルヒネなどの麻薬や鎮痛ペプチドを成分とする鎮痛剤。
opiate
2437
オプソニン
細菌や異物粒子に付着して,補体存在下でどん(貪)食作用を受
けやすくなる血清因子。
opsonin
2438
改変たん白質
天然に存在するたん白質を,たん白質工学などの手法によって改
変した人工たん白質。
engineered protein,
taylored protein
2439
化学浸透圧説
生体膜におけるエネルギー変換の機構において,膜を隔てたプロ
トンの電気化学的ポテンシャル差を中心に考える説。
chemiosmotic theory
2440
化学受容
化学物質を受容してインパルスに転換する現象。
chemoreception
2441
花成ホルモン
花成を誘導すると想定されるホルモン。
florigen,
flowering hormone
2442
カドヘリン
動物細胞におけるカルシウム依存性又は非依存性の細胞接着性
たん白質分子。
cadherin
2443
カルシウムチャンネル
細胞膜に存在し,生体によって高度に制御されたカルシウムイオ
ンの通路。
calcium channel
2444
カルモジュリン
カルシウムイオン依存的に,ホスホジエステラーゼ活性など多く
の酵素活性を制御する機能をもつたん白質。
calmodulin
2445
がん(癌)胎児性抗原
しゅよう(腫瘍)細胞及び胎児細胞に発現している抗原,しゅよ
う関連抗原。
oncofetal antigen
2446
基質認識機構
酵素が特異的な基質だけを認識する機構。
substrate binding mechanism
2447
基質類似体
酵素と安定な複合体を形成する阻害剤。
substrate analog
2448
キネシン
微小管に沿ってその+エンドに向かってATP依存性に移動する
ことのできる分子モーター。
kinesin
2449
キメラ抗体
げっ(齧)歯類の抗体由来の可変部とヒトの抗体由来の定常部か
らなる抗体分子。
chimeric antibody
2450
胸せん(腺)ホルモン
T細胞の成熟分化に関与する胸せん(腺)由来の因子。
thymic hormone
2451
協同現象
物質の構成粒子間の相互作用の総合的な結果として現れる巨視
的現像。
cooperative phenomenon
2452
金属たん白質
金属イオン又は金属イオンを含む原子団をもつたん白質。
metalloprotein
2453
クラスター化合物
複数の金属イオンがそれぞれ共有結合したり,官能基で架橋され
て原子団を形成した化合物。
cluster compound
2454
クロスブリッジ
筋肉細胞のミオシンフィラメントから突出し,アクチンフィラメ
ントと結合するミオシン分子の架橋構造。
cross-bridge
2455
クロマトフォア,
色素胞
光合成細菌の細胞の破砕物中から得られる光合成エネルギー変
換機能を保持した生体膜小胞。
chromatophore
2456
クロロソーム
緑色光合成細菌に存在するバクテリオクロロフィルc,d,又はe
を主成分とする小胞状の集光性構造体。
chlorosome
2457
クロロフィルたん白質
クロロフィル類を結合しているたん白質。
chlorophyll protein
2458
ケージ化化合物
目的の化合物を未反応状態に保持しておき,必要時に光照射によ
って開裂し,目的の化合物を遊離する化合物。
caged compound
2459
化学的メディエーター
生体の中で各種の情報伝達を受けもつ化学物質。
chemical mediator
2460
抗イディオタイプワク
チン
病原体に対する抗体のイディオタイプを認識する抗体を用いた
ワクチン。
anti-idiotype vaccine
25
K 3610-1992
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
2461
抗ウイルス剤
ウイルスの感染,又は増殖を抑制する薬剤。
antiviral drug
2462
光化学系1,
光化学系I
光化学反応中心色素,P700の光酸化に伴い,究極的にフェレドキ
シンを介してNADPを光還元する光化学反応系。
photosystem 1,
photosystem I,
photochemical system I
2463
光化学系2,
光化学系II
水の光酸化とプラストキノンの光還元を起こす光化学反応の場。
緑色植物,藻類,ランソウ(酸素発生型生物)の2種類の光化学
系の一つ。
photosystem 2,
photosystem II,
photochemical system II
2464
抗がん(癌)剤
がん(癌)治療のために用いられる薬剤。
antitumor agent,
anticancer drug
2465
抗原認識
抗体が抗原を識別する機構。
antigen recognition
2466
光合成反応中心
分子群又はそれらの分子群を含んだたん白質複合体を形成し,光
吸収による励起エネルギーを化学的な酸化還元のエネルギーに
変換する反応場。
photosynthetic reaction
center
2467
酵素耐熱化
酵素に耐熱性を付与する操作。
enzyme thermophilization
2468
酵素標識抗体
酵素を化学的に抗体と結合し標識した抗体。
enzyme-labeled antibody,
enzyme-linked antibody
2469
構造活性相関
生物活性をもつ物質の構造とその活性との関係。
structure-activity relation
2470
コロニー刺激因子
軟寒天中のか(顆)粒球・マクロファージ幹細胞を刺激して,成
熟したか(顆)粒球やマクロファージからなるコロニーを形成さ
せる因子。
colony stimulating factor
2471
サイトカイニン
6-アミノプリンを基本骨格としてもち,細胞分裂を促進する植物
ホルモン。
cytokinin
2472
細胞間接着装置
細胞膜に存在して,細胞間の認識と結合を仲介する分子集合体。 intercellular junction
2473
細胞外マトリックス
動物組織中の細胞間にある繊維状たん白質を主成分とする複雑
な会合体。
extracellular matrix
2474
細胞骨格
細胞内部にあって,その構造,運動及び情報伝達機能を支える繊
維状構造体。
cytoskeleton
2475
細胞接着活性
動物組織内にある細胞間の結合強度を表す指標。
cell adhesion activity
2476
散逸構造
熱平衡のない物質系に現れる巨視的な構造。
dissipative structure
2477
シクロデキストリン合
成酵素
でん(澱)粉系基質に作用して,グルコースがα-1,4結合で環状
につながるシクロデキストリンを生成する酵素。
cyclodextrin synthetase
2478
シデロフォー
微生物がその生育に必要な鉄の吸収を促すために産出する鉄輸
送化合物。
siderophore
2479
集光性クロロフィルた
ん白質
光量子を捕そく(捉)して,光化学反応中心に伝達するクロロフ
ィル類を結合したたん白質。
light harvesting chlorophyll
protein
2480
集光性色素たん白質複
合体
光量子を吸収捕そく(捉)してそのエネルギーを光化学反応中色
素に伝達する色素とたん白質の複合体。
light harvesting pigment
protein complex
2481
しゅよう(腫瘍)壊死
因子
しゅよう(腫瘍)細胞に直接傷害を及ぼしてその壊死を引き起こ
すたん白質性の物質。
tumor necrosis factor
2482
主要組織適合抗原
同種移植のとき最も強い拒絶反応を引き起こす抗体。
major histocompatibility
antigen
2483
しゅよう(腫瘍)増殖
因子
非形質転換細胞を可逆的に形質転換細胞様に変換させる因子。
transforming growth factor
2484
初期電子受容体
光化学反応中色素が光酸化を受けるとき,放出される電子によっ
て最初に光還元を受ける物質。
primary electron acceptor
2485
初期光化学反応
光合成光化学反応において最も初期に起こる素反応。
primary reaction,
early reaction
2486
触媒回路
出発原料である基質が,一連の反応を経た後に再生される代謝反
応の経路。
catalytic cycle
26
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
2487
植物ホルモン
微量で植物の代謝制御をする物質。
plant hormone,
phytohormone
2488
初発電荷分離
光のエネルギーを利用して起こる最初の電荷分離反応。
primary charge separation
2489
GTP結合たん白質
グアノシン三りん酸との結合能をもつたん白質。
GTP binding protein
2490
循環的電子伝達
複数の成分から構成される経路が閉じた環を形成する電子伝達。
cyclic electron transfer
2491
人工酵素
人工的な操作で作成した酵素と類似の触媒能をもつ高分子。
artificial enzyme
2492
人工制限酵素
人工的に合成した制御酵素。
artificial restriction enzyme
2493
スーパーオキシドジス
ムターゼ
酵素ラジカル(活性酵素)を分解し,不活性化する酵素。
superoxide dismutase
2494
接着受容体
細胞間又は細胞と細胞外マトリックスとの結合に関与するレセ
プター。
adhesion receptor
2495
セリンプロテアーゼ
セリン残基の水酸基を活性中心とするプロテアーゼ。
serine protease
2496
繊毛
運動性細胞の外側自由表面に多数はえている小器官。
cilium
2497
担体,
人工抗原
ハプテンに結合し,免疫原性を増強する構造体。
carrier
2498
たん白質性酵素阻害剤
酵素活性の調節因子として働くたん白質系の阻害剤。
proteineous enzyme inhibitor
2499
ダイニン
真核細胞の繊毛・べん(鞭)毛において周辺微小管から出ている
腕構造を構成し,ATPase活性をもつたん白質。
dynein
2500
中間径繊維
細胞骨格を形成する主要な,直系10nmの枝分かれのない構造の
繊維。
intermediate filament
2501
チューブリン
微小管構成たん白質。
tubulin
2502
超酵素
天然酵素よりも,ある面で優れた機能を付与した酵素。
superenzyme
2503
超たん白質
設計された構造をもち,要求どおりの機能を発揮する人口たん白
質。
superprotein
2504
超分子
たん白質や核酸などで構成される分子集合体。
super molecule
2505
超分子複合体
たん白質が複合体をつくり,高次構造をとることによって形成さ
れる,高次機能をもつ複合体。分子集合系。
supramolecular complex,
macromolecular assemblage
2506
チラコイド膜
葉緑体内膜の単位構造(チラコイド)を構成するへん(扁)平な
袋状の膜。
thylakoid membrane
2507
T細胞レセプター
標的になる細胞膜上の抗原を特異的に認識し,結合するT細胞の
細胞膜たん白質。
T cell receptor
2508
ティッシュー・プラス
ミノーゲン・アクチベ
ーター (TPA)
血管内皮細胞で産生され,血栓に特異的に吸着し,血栓を溶かす
たん白質分解酵素。
tissue plasminogen activator
2509
鉄−硫黄たん白質
非ヘム鉄たん白質のうち,鉄イオン又は不安定硫黄と鉄イオンの
つくるクラスターにシステインが配位した活性中心をもつたん
白質。
iron-sulfur protein
2510
デヒドロアラニン
セリンが脱水して生成する非たん白質性アミノ酸。
dehydroalanine
2511
電位形成反応
生体膜中の化学反応又は分子の移動・変形反応のうち,膜電位の
変化を伴う反応,又はそのうちで膜電位の絶対値を大きくする反
応。
electrogenic reaction
2512
電子伝達系
一連の酸化還元物質(電子伝達体)によって構成される多段階の
電子授受反応系。
electron transfer system
2513
電子伝達たん白質
生体中の電子伝達反応において電子の授受を受けもつたん白質。 electron transferring protein
2514
トポロジー効果
分子の認識において特定の分子を構造,形,大きさ,光学異性な
どで見分けるときの相互作用の要因となる構造的効果。
topology
2515
トリガー(全体工学の) 生体内においてある反応を開始したり,構造変換を引き起こす引
金の役割を果たす物質又は信号若しくは現象。
trigger
2516
トレッドミリング
F-アクチンなどの方向性をもつたん白質。
treadmilling
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
2517
動原体,
キネトコア
染色体の一部で,微小管の結合する部位。
kinetochore
2518
銅たん白質
銅イオンを含むたん白質。
copper protein
2519
2次メッセンジャー
細胞膜上に存在するレセプターから発せられる情報を細胞内部
へ伝達する役を担う化学物質。
second messenger
2520
ニトロゲナーゼ
ATPの加水分解を伴い分子状窒素を還元してアンモニアを生成
する酸化還元酵素。
nitrogenase
2521
バクテリオクロロフィ
ル2量体
光合成細菌の光化学反応中心において,光エネルギーによって電
荷の分離にたずさわるクロロフィルの2量体。
bacteriochlorophyll dimer
2522
光プロトンポンプ
光をエネルギー源として,プロトンの能動輸送を行う膜たん白
質。
light-driven proton pump
2523
非共有結合錯体
共有結合によらず分子間相互作用によって形成される複合体又
は錯体。
non-covalently bonded
complex
2524
ヒドロゲナーゼ
分子状水素による電子受容体の還元と,その逆反応による水素発
生を触媒する酵素。
hydrogenase
2525
非ヒストンたん白質
ヒストン,プロタミン以外の細胞核に含まれるたん白質。
non-histone protein
2526
非ヘム鉄たん白質
鉄イオンがヘムに配位せずに結合しているたん白質。
non-heme iron protein
2527
氷核たん白質
氷晶形成の核となる表面構造をもつたん白質。
ice nucleating protein
2528
ビオチン化化合物
共有結合でビオチンを結合した化合物。
biotinylated compound
2529
微小管
真核細胞内部に存在する外径25nmの管状構造体。
microtubule
2530
ビトロネクチン
血清中に含まれる細胞接着性の糖たん白質。
vitronectin
2531
フィトアレキシン
植物が微生物感染時に産生する抗微生物作用物質。
phytoalexin
2532
フィトクローム
光によって可逆的な吸収スペクトル変化をし,環境の光条件を感
受して生体の諸機能を調節する植物に存在する色素たん白質。
phytochrome
2533
フェリチン
生体中で鉄の貯蔵と過剰な鉄からの生体の保護を担う水溶性非
ヘム鉄たん白質トランスフェリン。
ferritin
2534
フェレドキシン
鉄−硫黄クラスターを分子内にもつ電子伝達たん白質。
ferredoxin
2535
不凍化たん白質,
抗凍結たん白質
生物体液の凝固温度を低下させる効果をもつたん白質。
anti-freeze protein
2536
分子機械
特異的な立体構造と機能をもつたん白質又は核酸,及びそれらの
集合体。
molecular machine
2537
分子識別
抗体,受容体又は酵素が特定の化学物質と結合して,特異的に反
応すること。
molecular recognition
2538
分子モーター
イオン流を用い,べん(鞭)毛回転運動のエネルギー変換をつか
さどる酵素たん白質。
molecular motor
2539
プラストキノン
光合成電子伝達系の酸化還元成分の一つで,緑色植物や藻類に存
在するp-ベンゾキノン誘導体。
plastoquinone
2540
プロトタイプ
あるものの基礎又は手本となっている原型,又はある生物集団の
基礎と考えられる原始形態。
prototype
2541
βラクタマーゼ
ペニシリンなどのβ−ラクタム環を開裂する加水分解酵素。
β lactamase
2542
べん(鞭)毛
細菌,原生動物,精子などの線維状の運動器官。
flagellum
2543
べん(鞭)毛モーター
細菌べん(鞭)毛の基部にあって膜中に固定され,べん毛を回転
させるたん白質分子の集合体。
flagellar motor
2544
ホスホジエステラーゼ
3':5'-環状ヌクレオチドを加水分解して,5'-ヌクレオチドを生成
する酵素。
phosphodiesterase
2545
ホスホリパーゼ
りん脂質加水分解酵素。
phospholipase
2546
ホスホロチオエート型
ヌクレオチド類似物
ヌクレオチドのりん酸部分の酵素原子を硫黄原子で置き換えた
化合物。
phosphorothioate nucleotide
analog
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
2547
ミオシン
筋肉の太いフィラメントを形成し,ATPase活性をもち,筋収縮に
あずかる酵素たん白質。
myosin
2548
メタロチオネイン
各種金属によって合成が誘導され,金属と特異的に結合する分子
量6 000のたん白質。
metallothionein
2549
免疫クロブリン
抗原となる高分子を特異的に結合する血清たん白質。
immunoglobulin
2550
免疫毒素複合体
抗体と毒素又はそのフラグメントとを架橋することによって形
成される複合体。
immunotoxin
2551
免疫複合物(体)
抗原と抗体から構成される複合物。
immune complex
2552
モノカイン
単球から放出される生理活性たん白質。
monokine
2553
輸送担体
生体膜,人工脂質膜又は液膜にあって物質の輸送を仲介する物
質。
carrier
2554
ラリアート効果
非共有結合錯体の安定性に寄与する側鎖の効果。
lariat effect
2555
リボザイム
RNAのホスホジエステル結合を自ら切断する機能をもつRNA分
子。
ribozyme
2556
リボソーム
たん白質の生合成を担う,複数のリボソームRNAと数十個のた
ん白質分子からなる集合体。
ribosome
2557
リンパ球表面抗原
リンパ球の表面に現れている血清学的に識別できる抗原群。
lymphocyte surface antigen
2558
リンホカイン
正常リンパ球のマイトジェン刺激,感作リンパ球の対応抗原刺激
などによって,リンパ球が産生する免疫グロブリン以外の可溶性
生理活性たん白質。
lymphokine
2559
ルシフェラーゼ
生物発光を触媒するオキシゲナーゼ。
luciferase
2560
レクチン
糖鎖と選択的に結合する免疫学的産物以外のたん白質又は糖た
ん白質。
lectin
2561
レニン
アンジオテンシンノーゲンを特異的に加水分解してアンジオテ
ンシンIを遊離させる分子量約4万の酸性プロテアーゼ。
renin
(2.5) 実験技術及び実験装置など(たん白質工学)
番号
用語
定義
対応英語(参考)
2601
X線吸収端微細構造
X線吸収端近傍にみられる微細構造のうち,約50eV以内の微細
スペクトル。
X-ray absorption near edge
structure,
XANES
2602
広帯域X線吸収微細構
造
X線の吸収端後にみられる微細構造のうち,約50eVより高エネ
ルギー側の微細スペクトル。
extended X-ray absorption
fine structure,
EXAFS
2603
示差走査熱量計,
DSC
試料と基準物質の温度差が等しくなるように加えるエネルギー
を直接記録する型の熱量計。
differential scanning
calorimeter,
DSC
2604
旋光分散
旋光度が波長に依存して変化する現象。
optical rotatory dispersion
2605
超遠心法
高い遠心力による巨大分子混合物の分離方法,又は巨大分子の分
子量や分子量分布を決定する分析方法。
ultracentrifugation
(3) 生体反応工学
(3.1) 基礎・共通事項
番号
用語
定義
対応英語(参考)
3101
エネルギー変換(バイ
オ)
植物,微生物などによる光エネルギーから化学エネルギー又は電
気的エネルギーへ,化学エネルギーから電気的エネルギー又は光
エネルギーへなどの変換。
energy conversion
(biotechnology)
3102
固相法
固相担体を反応開始部位として利用する合成法。
solid phase synthesis
3103
固定化担体
酵素,微生物などの生体触媒又はリガンドを固定化するための不
溶性固体。
immobilization support
29
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
3104
従属栄養生物
生育に必要な炭素源を有機化合物に依存している生物。
heterotroph
3105
微水系
従来の一般的な酵素反応・微生物反応に比較して有機溶媒中で使
用される水の量が著しく少ない反応系。
microaqueous system
3106
不斉反応
分子内の対称性をもつ均斉な部分に不斉な環境のもとで不斉中
心を導入する反応で,不斉中心のD体とL体の生成比が1 : 1と
ならない反応。
asymmetric reaction
3107
無菌室
組織培養や生体の生育・培養を無菌的に行うため無菌環境とした
部屋。
bioclean room
3108
リポソーム
りん脂質など極性脂質の2分子層膜で包まれた人工的につくられ
た小胞。
liposome
(3.2) 微生物工学
番号
用語
定義
対応英語(参考)
3201
SCP,
微生物たん白質
石油,天然ガス,アルコール,廃糖密,農産物などを発酵原料と
して大量生産される微生物菌体又は菌体からのたん白抽出物。
single cell protein
3202
休止菌体
増殖能力を保持するが,増殖していない状態の微生物菌体。
resting microorganism
3203
グラム陰性菌
グラム染色法 (Gram stain) で染色されず,対比染色によって赤色
に染まる細菌。
Gram-negative bacteria
3204
グラム陽性菌
グラム染色法 (Gram stain) で紫色に染色される細菌。
Gram-positive bacteria
3205
嫌気的発酵,
嫌気性発酵
嫌気性菌を用いて分子状酸素のない状態で行われる発酵。
anaerobic fermentation
3206
好塩菌,
好塩性細菌
1.2%以上の食塩濃度の培地が発育に好適な細菌。
halophile,
halophilic bacteria
3207
好気発酵
酸素呼吸を伴う微生物の作用で有機物を分解し,新たな物質を生
産する方法。
aerobic fermentation
3208
光合成細菌
光のエネルギーを利用して二酸化炭素の光合成的同化,有機化合
物の光合成などを行う細菌。
photosynthetic bacteria
3209
高度好熱菌
通常75℃以上でも生育できる細菌。
extreme thermophile
3210
呼吸率,
呼吸商
生体の排出する炭酸ガス量と呼吸する酸素量の比。
respiratory quotient,
RQ
3211
固定化クロロプラスト
不溶性担体に吸着させたり,高分子の網目構造の内部に包括する
などして固定化したクロロプラスト(葉緑体)。
immobilized chloroplast
3212
固定化細胞,
固定化酵母
不溶性担体に結合させるか,又はゲルマトリックスで吸収,若し
くは包括して固定化した細胞。
immobilized cell,
immobilized yeast
3213
固定化微生物
不溶性担体に担持されるか,又は内部空間に閉じ込められた微生
物。
immobilized microbial cells
3214
斜面培養,
傾斜培養
試験管内に固形培地を斜面に調製し,その斜面上で,微生物を培
養する方法。
slant culture
3215
初代培養
生体から分離した器官,組織又は細胞を体外培養に移してから植
え継ぎを行うまでの培養。
primary culture
3216
せん(穿)刺培養
垂直に保った試験管中で寒天培地を固化させた固形培地の中へ,
白金線によって微生物を深く突き刺して接種する培養法。
stab culture
3217
体細胞雑種,
雑種細胞
生殖細胞でない体細胞間で,細胞融合によって作られた雑種細
胞。
somatic hybrid
3218
代謝産物抑制
酵素の生合成が,それらが関連する代謝経路の産物によって抑制
される現象。
catabolite repression
3219
脱窒,
脱窒素作用
硝酸又は亜硝酸が微生物によって還元されて窒素ガスなどのガ
ス状窒素となって放出される作用。
denitrification
3220
単細胞たん白質
酵母,細菌,糸状菌,藻類などのたん白質に富んだ単細胞生物を
殺菌し,乾燥した物。
single cell protein
30
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
3221
窒素固定細菌
分子状窒素を還元してアンモニアにする活性をもつ細菌。
nitrogen fixing bacteria
3222
条件的嫌気性菌
遊離酸素の存在下でも非存在下でも生育のできる微生物。
facultative anaerobic bacteria
3223
低温菌,
好冷性細菌
低温で増殖する細菌及び真菌。
psychrotroph,
psychrotrophic-microorganis
m
3224
独立栄養微生物
微生物の中で,その細胞構成成分の炭素分をCO2の還元によって
合成して生育できる微生物。
autotrophic microorganisms,
autotroph
3225
乳酸発酵
糖質が微生物の作用を受けて主として乳酸を生成する現象。
lactic acid fermentation
3226
発芽(胞子の)
真菌類の各種胞子が休眠後又は形成直後に栄養成長を開始する
現象。
germination
3227
発酵収率
発酵生産における消費原料に対する生産物収率。
yield of fermentation
3228
微生物農薬
微生物を原体とした農薬。
microbial pesticide
3229
微生物変換
微生物を利用して化合物の分子構造を変化させる反応方法。
microbial transformation
3230
絶対嫌気性菌
酸素存在下では生育できない細菌。
strictly anaerobic bacteria
3231
絶対好気性菌
遊離酸素が存在しない環境では生育できない細菌。
strict aerobic bacteria
(3.3) 酵素工学
番号
用語
定義
対応英語(参考)
3301
アロステリック酵素
基質と結合する活性部位のほかに,基質とは立体構造的に異なる
物質と結合する部位(アロステリック部位)をもち,そこに低分
子のリガンドが結合することによって活性と高次構造が変化す
る酵素。
allosteric enzyme
3302
活性保持率(固定化の) 固定化による酵素自身の失活と速度パラメーターの変化などを
考慮して数値化された,真の酵素活性の保持率。
activity retention rate (in
immobilization)
3303
競合阻害
阻害剤分子が,酵素の基質結合部位に対する結合を,基質分子と
競合することによって,酵素活性が低下する現象。
competitive inhibition
3304
共有結合法
生体触媒を水不溶性の担体の共有結合によって固定する方法。
covalent binding method
3305
合成酵素
(1) 加水分解の逆反応を用いて物質合成を行い得る加水分解酵
素。
(2) EC4群に分類されるリアーゼのうち,逆反応,すなわち合成
方向の反応(付加反応)が重要である酵素。
(3) EC6群酵素の総称で,ATPなどのりん酸結合の開裂に共役し
て二つの分子が結合する反応を触媒する酵素群。
enzymes for synthesis
3306
酵素安定化剤
酸素の貯蔵中にその失活を防止し,混入微生物の生育を阻止する
ために添加する添加物。
stabilizer of enzyme
3307
酵素活性の単位
最適条件下で,1秒間に1 molの基質を変換する酵素量。単位は
カタール (kat)。1日単位はマイクロモル/分。
unit of enzyme activity
3308
酵素の安定化
単離精製した酵素の活性を保存中又は使用中に低下させないよ
うにする方法。
stabilization of enzyme
3309
酵素マイクロカプセル
半透性の薄膜からなるマイクロカプセル内に酵素を閉じ込めた
包括型の固定化酵素。
microencapsulated enzyme
3310
固定化収率
生体触媒の固定化の前と後の活性の割合。
immobilization yield
3311
固定化酵素反応器
固定化酵素を充てん(填)し,物質の分解・合成・化学変換など
を行う反応装置。
immobilized enzyme reactor
3312
混合型阻害
作用形式を異にする阻害(酵素反応の速度を低下させる)が併行
して起こる現象。
mixed inhibition
3313
再活性化
失活酵素の高次構造・活性基を復元して低下した酵素の活性を回
復する技術。
reactivation
3314
残存活性
酵素反応又は失活の過程で示す酵素活性。
remaining activity
31
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
3315
水酸化酵素
分子状酸素を利用し,有機化合物をヒドロキシル化する反応を触
媒する酵素。
hydroxylase
3316
多機能性酵素
同一分子内に二つ以上の触媒機能を発現する基をもっていたり,
また,サブユニット構造の変化に伴う反応特異性の変化によっ
て,多種類の反応を触媒する酵素。
multifunctional enzyme
3317
複合酵素系
細胞内の各種の代謝反応が,一定の秩序だった配列をした一連の
酵素群又は複数のサブユニットで構成される酵素で行われる反
応系。
multi-enzyme system
(3.4) 培養工学
番号
用語
定義
対応英語(参考)
3401
足場依存性
細胞接着の有無による細胞増殖特性。
anchorage dependency
3402
エアレーション,通気
生物体及び細胞の培養での酸素を含むガスを供給する技術。
aeration
3403
回分培養
新鮮な培地に少量の種培養液を加え,培養の途中では培養液の出
し入れを行わないで細胞を増殖させる培養法。
batch culture
3404
かん(灌)流培養,
かん(灌)流システム
細胞培養において,成育阻害物質の除去などのため,旧培地を抜
き取りながら新鮮培地を補充し,連続的に培地交換を行う方法。
perfusion
3405
希釈率
連続培養において培養液量に対する培地供給流量の比。
dilution rate
3406
ケモスタット
連続培養において,制限基質を含む培地の供給速度を一定に保持
することによって,定常状態を得る連続培養方式,又はそのため
の装置。
chemostat
3407
固体培養
固体(固形)培地を使った微生物又は動植物細胞の培養方法。
solid culture
3408
混合培養
複数種の異なる微生物を同一環境条件下で同時に生育させる培
養方法。
mixed culture
3409
細胞固定化培養
細胞を支持体に固定化した状態で行う培養技術。
immobilized cell culture
3410
仕切板形培養装置
高分子膜又はセラミックスのような多孔板で流体の流れを二つ
以上仕切った分離形反応器。
partitioned fermentor
3411
種培養
本培養を効率よく行えるように微生物又は細胞の条件を整え,か
つ,それらの数量を確保するための培養。
seed culture
3412
深部培養
液体培地中で微生物又は動植物の細胞を培養する方法。
submerged culture
3413
生育速度
生物の単位時間当たりの生育の度合い。
growth speed (growth rate)
3414
管形バイオリアクター
流れと直角な方向には一様な速度分布をもち,流れ方向には流体
の混合も拡散もなく,反応器入口から出口に向かってピストンで
押し出されるように反応流体が移動する状態の培養装置。
tubular bioreactor
3415
増殖制限基質
細胞の増殖に対して律速的になっている栄養基質。
growth limiting substrate
3416
増殖非連動型発酵生産
生産物の生成速度が細胞濃度に比例し,細胞の増殖速度には無関
係であるような型式の発酵生産。
non-growth associated
production
3417
多段槽形培養装置
かくはん形培養装置を何段にも連ねた連続培養装置。
multi-stage stirred tank
reactor
3418
通気かくはん形培養装
置
装置下部から無菌空気を吹き込み,かくはん羽根で装置内の液を
均一に混合し,殺菌又は温度調節のためジャケット又は蛇管を付
設した培養装置。
備考 好気性微生物反応器として最も広く使用されている
装置。
jar fermentor
3419
同調培養
微生物などの細胞集団の培養において,培養系内の細胞の生活周
期を人為的にそろえ,同一周期で同時に分裂を繰り返させる培養
方法。
synchronous culture,
synchoronized culture,
phased culture
3420
倍増時間,
倍加時間
微生物又は動植物の培養細胞で,細胞数が2倍になるために要す
る時間。
doubling time,
mass doubling time
3421
半回分培養
培地を添加しながら培養を行う培養方法。
semi-batch culture
32
K 3610-1992
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
3422
表面培養
培地表面で細胞を増殖させる培養方法。
surface culture
3423
浮遊担体培養
天然若しくは人工の高分子又は無機材質の担体表面に微生物又
は動・植物組織細胞を付着又は同定化し,細胞を容器に付着させ
ることなく液体培地の中で浮遊させた状態で増殖させる培養。
carrier suspension culture
3424
浮遊培養
培養液中に細胞が浮遊した状態で行う培養技術。
suspension culture
3425
マイクロキャリア培養
細胞を微小粒子表面に付着させ,浮遊状態で行う培養技術。
microcarrier culture
3426
モノ−モデル
細胞の比増殖速度と制限基質濃度との関係を示す経験則。
Monod model
3427
誘導期
新しい培地に移植された細胞が活発に増殖を開始するまでの期
間。
lag phase
3428
流加培養
回分培養において培養の進行とともにある特定の成分を逐次又
は連続的に添加し,終了まで培養液を引き抜かない培養方法。
feeding culture
(3.5) バイオリアクター
番号
用語
定義
対応英語(参考)
3501
回転円板形バイオリア
クター
固定化酵素(又は菌体)のゲル円板が回転することによって,液
相中の基質をくみ上げ,ガス状生成物を気相へ移動させる気・
液・固液バイオリアクター。
rotated disk-type bioreactor
3502
固定化菌体バイオリア
クター
固定化菌体を用いて物質の分解・合成・化学変換,環境浄化など
を行う反応装置。
immobilized cell bioreactor
3503
診断用バイオリアクタ
ー
病気の原因や病態を判定するための生化学反応を行う装置,又は
システム。
bioreactor for diagnosis
3504
中空糸膜反応器
内径数百μm,肉厚数十〜数百μmの細管を束ねた中空糸膜モジュ
ールを用い,中空部分,膜内,膜面,シェル側などに酵素などの
生体触媒を保持した反応器。
hollow fiber membrane
reactor
3505
分離形反応装置,
分離形バイオリアクタ
ー
高分子,セラミックなどを素材にした多孔体を組み込んだ装置を
用いて,生物反応と生産物との分離を同時に行う反応装置。
separation attainable
bioreactor
3506
流動層バイオリアクタ
ー
微生物菌体又は固定化微生物・酵素などの固体粒子を充てん(填)
した反応装置の下部から,液又はガスを通して固体粒子を流動化
し,発酵又は発酵反応を行う装置。
fluidized bed bioreactor
(3.6) 環境保全
番号
用語
定義
対応英語(参考)
3601
汚泥齢,
汚泥日齢
活性汚泥のばっ(曝)気槽内での平均滞留時間。
sludge age
3602
活性汚泥,
活性スラッジ
汚水中の溶解性有機物を吸着,分解,凝集沈殿するなどの機能を
もつ細菌又は原生動物の集団。
activated sludge
3603
余剰汚泥,
余剰スラッジ
活性スラッジ法で最後沈殿池からばっ(曝)気槽へ活性スラッジ
の一定量を循環使用した後に残る廃棄しなければならないスラ
ッジ。
excess sludge
3604
嫌気性処理
嫌気性菌の代謝活性を利用して,有機性の廃水又は廃棄物を処理
する方法。
anaerobic treatment
3605
酸化池法
浅い池に廃水を滞留させて表面ばっ(曝)気によって酸素を供給
する生物学的廃水処理法。
oxidation pond treatment
3606
散水ろ(濾)床法
表面に微生物を付着させた担体層の上部から廃水を散布する生
物学的廃水処理法。
tricking filter
3607
純酸素ばっ(曝)気法
空気の代わりに純酸素を通気する活性汚泥処理法。
aeration system using oxygen
3608
じゅん(馴)養
微生物又は動植物の細胞を新しい環境に適応させる操作。
acclimatization
3609
深層ばっ(曝)気法
水深の大きいばっ(曝)気槽を用いる活性汚泥処理法。
aeration system using a
deep vessel
33
K 3610-1992
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
3610
制限ばっ(曝)気法
一つの処理槽で嫌気処理,好気処理,沈殿,放流の一連の工程を
繰返し行う回分式の活性汚泥法。
limited aeration method
(system)
3611
生分解
高分子化合物又は有機化合物を生物の作用によって低分子化合
物又は二酸化炭素と水に分解する現象。
biodegradation
3612
発酵乾燥(コンポスト
化)
廃棄物の高分子の有機物(都市ゴミ,下水汚泥,農畜産廃棄物な
どの混合物)が好気性条件で分解又は無機化し最終生成物として
生物学的に分解困難で生物学的に安定な腐植質に変換する方法。
composting
3613
BODセンサー
固定化微生物を組み込んだBOD測定用機器。
BOD sensor
3614
微生物汚染
(1) 社会的には細菌,有毒物質,放射性物質などによる環境(水
質,大気,土壌)の悪化。
(2) 微生物学では目的とする微生物以外の雑菌などの混入。
microbial contamination
3615
微生物分解
微生物の作用による物質の低分子化。
microbial degradation
3616
富栄養化
栄養源に富み,生物活動が活発な水域に遷移する現象。
eutrophication
3617
返送比
汚水処理プロセスにおいて流入汚水に対する返送処理水又は返
送活性スラッジの比率。
recirculation ratio
3618
ラグーン法
汚水を池に導き,水面から吸収される酸素又は藻類の炭酸同化作
用によって発生する酸素を利用して好気性微生物が有機物を分
解することを特徴とする生物的廃水処理方法。
lagoon treatment
(3.7) 操作,手法及び技術
番号
用語
定義
対応英語(参考)
3701
けい(珪)藻土ろ(濾)
過法
けい藻土をあらかじめ支持面に積層(コンブレート)し,その層
でろ(濾)過する方法。
diatomaceous earth filtration
3702
酵素免疫測定法
抗体(又は抗原)の特異性を利用して抗原抗体物質を検出・定量
する方法で,酵素標識した抗体(又は抗原)を利用する方法。
enzyme immunoassay
3703
自己消化法,
自己溶菌法
細胞又は組織自体がもつ酵素の作用によって細胞組織を破壊す
る方法。
autolysis method
3704
除菌膜
気体中や液体中に混在する微生物を除去するためのろ(濾)過膜。 membrane for separation of
microorganisms
3705
浸透圧処理
細胞内成分を取り出すために,高濃度の塩や糖の水溶液を用いて
浸透圧を変えることによって細胞膜を破壊する方法。
osmotic pressure treatment
3706
凍結融解処理
微生物細胞などの生体材料を凍結し,更に融解する操作を繰り返
して,たん白質などの成分を抽出する方法。
freezing and thawing method
3707
バイオアッセイ,
生物学的定量法
ある物質を生体に与えて,それに対する生物反応から,その物質
の含有量,構成成分及び効力を推定する方法。
bioassay,
biological assay
3708
融合チャンバー
電気的細胞融合を行わせるため,電界を印加する一対の電極を備
えた容器。
fusion chamber
34
K 3610-1992
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS K 3610 原案作成委員会本委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
香 川 靖 雄
自治医科大学医学部
(副委員長)
大 島 泰 郎
東京工業大学生命理工学部
佐 竹 一 夫
東京理科大学理学部
津 田 圭四郎
北海道東海大学工学部
脊 山 洋 右
東京大学医学部
菊 地 眞
防衛医科大学校
奥 山 典 生
東京都立大学理学部
増 田 優
通商産業省基礎産業局
細 川 幹 夫
工業技術院標準部
田 中 英 明
工業技術院化学技術研究所
白 木 勝
工業技術院微生物工業技術研究所
坂 井 士
工業技術院繊維高分子材料研究所
前 田 英 勝
工業技術院微生物工業技術研究所
久 保 安 正
日本化学技術情報センター
(事務局)
柴 田 雄
財団法人日本規格協会
細胞工学分科会 構成表
氏名
所属
(主査)
脊 山 洋 右
東京大学医学部
(副主査)
前 田 英 勝
工業技術院微生物工業技術研究所
吉 倉 廣
東京大学医学部
永 井 和 夫
東京工業大学工学部
山 本 健 一
工業技術院標準部
宮 入 祥 夫
工業技術院化学技術研究所
結 城 惇
雪印乳業株式会社
中 野 衞 一
キッコーマン株式会社
奥 山 大 策
メルシャン株式会社
福 井 史 生
昭和産業株式会社
田 仲 昭 子
森永乳業株式会社
奥 村 康
アサヒビール株式会社
佐久間 定 俊
明治乳業株式会社
(事務局)
柴 田 雄
財団法人日本規格協会
たん白質工学分科会 構成表
氏名
所属
(主査)
坂 井 士
工業技術院繊維高分子材料研究所
今 中 忠 行
大阪大学工学部
中 村 泰 治
昭和大学薬学部
大 倉 一 郎
東京工業大学
地 神 芳 文
工業技術院化学技術研究所
三 宅 淳
工業技術院微生物工業技術研究所
山 本 健 一
工業技術院標準部
玉 沖 英 恒
三共株式会社
増 保 安 彦
帝人株式会社
藤 本 秀 喜
三菱油化株式会社
(事務局)
柴 田 雄
財団法人日本規格協会
35
K 3610-1992
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
生体反応工学分科会 構成表
氏名
所属
(主査)
前 田 英 勝
工業技術院微生物工業技術研究所
山 本 健 一
工業技術院標準部
一 条 久 夫
工業技術院繊維高分子材料研究所
田 中 重 信
通商産業省北海道工業開発試験所
中 嶋 光 敏
農林水産省食品総合研究所
長谷川 淳 三
鐘渕化学工業株式会社
高 木 基 福
日本鉱業株式会社
山 田 富 明
日揮株式会社
上 島 孝 之
ノボノルディスクバイオインダストリー株式会社
長 棟 輝 行
理化学研究所
(事務局)
柴 田 雄
財団法人日本規格協会