2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
K 3211 : 1990
界面活性剤用語
Technical terms for surface active agents
1. 適用範囲 この規格は,界面活性剤工業において用いられる主な用語及びその定義について規定する。
対応国際規格:
ISO 862 Surface active agents−Vocabulary
2. 用語の分類 用語の分類は,次の2分類とする。
(1) 一般基本用語(用語番号:1001〜1170)
(2) 応用製品用語(用語番号:2001〜2151)
3. 用語,定義,参考 用語及び定義は,次のとおりとする。
なお,参考のために対応英語を示す。
備考 対応英語の中で太字で示したものは,ISO 862-1984 (Surface active agents−Vocabulary) 規定の用
語を示す。
(1) 一般基本用語
番号
用 語
定 義
対応英語(参考)
1001
アニオン界面活性剤
水中でイオン化し,界面活性を示す部分が陰イ
オンである界面活性剤。
anionic surface active
agent
1002
アルキルフェノール
ベンゼン核の水素原子の1個を水酸基,残りの
水素原子の1個以上をアルキル基で置換した化
合物。主として炭素数8又は9のアルキル基1
個で置換したものはノニオン界面活性剤の原料
として用いられる。
alkylphenol
1003
アルキルベンゼン
ベンゼン核の水素原子の1個以上をアルキル基
で置換した炭化水素類の総称。主として炭素数
12のアルキル基1個で置換したものはアニオン
界面活性剤の原料として用いられる。
alkylbenzene,
alkylbenzen
1004
アルファオレフィン
末端の炭素−炭素結合が二重結合である炭化水
素。炭素数が10〜20の混合物はスルホン化,中
和してアニオン界面活性剤として用いられる。
α−olefin
1005
泡
気泡と泡まつの両方の意味に使われる総称。
foam ,
froth ,
bubble
1006
泡立ち
泡ができること,また,それが持続する状態。
foaming
1007
泡立ち試験
起泡力試験と同じ。
foaming test
1008
陰イオン界面活性剤
アニオン界面活性剤と同じ。
anionic surface active
agent
1009
エーロゾル
気体中に,液体又は固体の微粒子が分散,浮遊
aerosol
2
K 3211 : 1990
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番号
用 語
定 義
対応英語(参考)
した系。エアロゾルともいう。
1010
液晶
流動性はあるが,光学的等方性がなく,複屈折
を示し,結晶のような性質をもつ状態又はその
ような状態を示す物質。
liquid crystal
1011
エステル化
エステルを生成する反応の総称。通常は酸とア
ルコールとの脱水反応。
esterification
1012
エタノール可溶分
合成洗剤を規定の方法でエタノールに溶解した
とき,溶解する物質又はその量を百分率で表し
たもの(JIS K 3362参照)。
ethanol soluble matter
1013
エタノール不溶分
石けんを規定の方法で95%のエタノールに溶解
したとき,溶解せずに残る物質又はその量を百
分率で表したもの(JIS K 3304参照)。
ethanol insoluble matter
1014
エチレンオキシド
で表される化合物。エチレンの酸化
で得られ,ノニオン界面活性剤の原
ethylene oxide
料として用いられる。
1015
HLB
(えっちえるびー)
界面活性剤の親水性と親油性(疎水性)の程度
を表す尺度。親水性の強いものほど値は大きい。
親水性親油性比と同じ。
HLB (hydrophile-lipophile
balance)
1016
エトキシル化
活性水素をもつ化合物にエチレンオキシドを反
応させ,−(C2H4O) nHを導入する反応。
ethoxylation,
oxyethylation
1017
エプトン法
アニオン界面活性剤の定量分析法の一つ。カチ
オン界面活性剤とコンプレックスを生成する性
質を利用した測定法。
Epton method
1018
エマルション
互いに溶解しない二液体の一方が微粒子となっ
て他方の液体に分散した系。
emulsion
1019
LB膜
(えるびーまく)
単分子膜を固体表面上に何層も重ね合わせたも
の。創案者ラングミュア,ブロジェットの名前
に由来する。累積膜ともいう。
LB membrane
1020
塩析
ある物質の水溶液に無機塩類などを加えて,先
に溶けていた物質を析出させること。石けんの
製造に応用されている。
graining out,
salting out
1021
O/W型
(おーだぶりゅーがた)
水中油型と同じ。
oil-in-water type
1022
界面活性
界面に吸着が起こって界面張力を低下させるな
ど界面の性質を著しく変える性質。
surface activity
1023
界面活性剤
分子中に適当な親水基と親油基をもち,液体に
溶けて低濃度で界面活性を示す物質。
surface active agent,
surfactant
1024
界面現象
表面や界面の性質が顕著に現れるために起こる
現象。毛管現象,ぬれ,起泡などがその代表的
な例である。
surface phenomenon,
interfacial phenomenon
1025
界面自由エネルギー
液体や固体の界面が内部に比べ過剰にもってい
る自由エネルギー。
surface free energy
1026
界面張力
単位面積当たりの界面自由エネルギー。
interfacial tension
1027
カチオン界面活性剤
水中でイオン化し,界面活性を示す部分が陽イ
オンである界面活性剤。
cationic surface active
agent
1028
可溶化
溶媒に難溶な物質が,界面活性剤のミセル中に
溶解することによって溶媒に溶けたようになる
現象。
solubilization
1029
カルボキシメチルセルロ
ース
セルロースとグリコール酸とのエーテルのナト
リウム塩。アルカリセルロースとモノクロロ酢
carboxymethylcellulose
(CMC)
3
K 3211 : 1990
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番号
用 語
定 義
対応英語(参考)
酸ナトリウムとの反応で得られる。
1030
カルボン酸塩
カルボキシル基 (−COOH) をもつ有機化合物
の塩の総称。
carboxylate
1031
気泡
液体や固体の内部に取り込まれた気体の巨視的
大きさをもつ相。
bubble
1032
起泡力
溶液にかくはんなどの外力を加え比較的安定な
泡を作らせる能力。界面活性剤の代表的な性能
の一つ。
foaming power
1033
起泡力試験
溶液の起泡力を,かくはんしたり気体を吹き込
んだりして測定する方法。ロスマイルス試験法
はその代表的な例。
foaming test
1034
逆ミセル
有機溶媒中で水中とは逆に,親水基を内側に疎
水基を外(溶媒)側に向けて集合した界面活性
剤分子の集合体。
reversed micelle
1035
吸着
気相,液相中のある物質が,その相と異なる相
(固相,液相)との界面において相内部の濃度
と異なる現象。
adsorption
1036
吸着質
固体や液体の表面や界面に吸着する物質。
adsorbate
1037
吸着層
物質が表面や界面に吸着することによって形成
される層。
adsorption layer
1038
吸着等温式
一定温度の下で,固体や液体の表面や界面に吸
着している物質の量とその物質の濃度(気体の
場合は圧力)との関係を示す式。
adsorption isotherm
formula
1039
吸着等温線
一定温度の下で,固体や液体の表面や界面に吸
着している物質の量とその物質の濃度(気体の
場合は圧力)との関係を示す曲線。
adsorption isotherm
1040
吸着膜
物質が表面や界面に吸着することによって形成
される膜。
adsorption film
1041
境界濁滑
境界層の厚さが数分子〜数十分子層と薄くな
り,油の粘度などの流体力学的法則が適用でき
なくなった領域の潤滑。
boundary lubrication
1042
凝集
コロイド状粒子などが媒体中で互いに付着し合
い,大きな粒子に変化する現象。
flocculaion,
aggregation
1043
凝集エネルギー
分子間に引力が働くために,分子をばらばらの
状態から集合させたときに発生する安定化エネ
ルギー。
cohesive energy
1044
極性基
分子に大きな双極子モーメントを与える原子
団。アミノ基,カルボキシル基,水酸基などが
その代表的な例。
polar group
1045
キレート化剤
キレート結合によって金属イオンを封鎖する薬
剤。
chelating agent
1046
金属イオン封鎖剤
水溶液中で金属イオンと可溶性の錯塩を形成
し,金属の活性を抑制する作用をもつ薬剤。
sequestering agent
1047
曇り点
ノニオン界面活性剤水溶液の温度を上昇させた
とき,白濁し始める温度。通常は,白濁し相分
離が起こる。曇点ともいう。
cloud temperature,
cloud point
1048
クラフト点
界面活性剤の水への溶解度を温度を変えて測定
したとき,溶解度が急に大きくなる温度。
Krafft temperature,
Krafft point
1049
グリセリン
CH2OH・CHOH・CH2OHで表される代表的な三
価アルコール。天然油脂の加水分解又は合成に
glycerol,
glycerin,
4
K 3211 : 1990
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番号
用 語
定 義
対応英語(参考)
よって得られる。
glycerine
1050
蛍光増白剤
近紫外部の光を吸収し,紫青又は青の蛍光を発
し,繊維を白く感じさせる染料。繊維製品のほ
か,紙,パルプの増白にも用いられ,洗剤にも
配合される。
fluorescent brightener
1051
ゲル
コロイド粒子が連なったり,高分子鎖が架橋し
たりして網目構造をつくり運動性を失った状態
又はその状態を示す物質。
gel
1052
ゲル化
溶液やゾルが,温度,pH,塩濃度などの条件の
変化によってゲルになる現象。
gelatintion
1053
けん化
油脂又はエステルがアルカリによって加水分解
し,石けんを生成する反応。脂肪酸のアルカリ
による中和反応も含まれる。
saponification
1054
けん化価
試料の油脂1gを完全にけん化するのに必要な
水酸化カリウムのミリグラム数。
saponification value
1055
懸濁
液体中に固体の微粒子が分散する現象又は分散
している系。後者の場合は懸濁液と同じ。
suspension
1056
懸濁液
液体中に固体の微粒子が分散したもので,粒子
の大きさが比較的大きいものをいう。
suspension
1057
懸濁質
懸濁液中に分散している粒子又はその粒子を構
成している物質。
suspensoid
1058
コアセルベーション
高分子や界面活性剤の溶液が条件の変化によっ
て液/液相分離を起こす現象。二つの相は同成
分を異なる割合で含み平衡を保つ。
coacervation
1059
硬化油
不飽和脂肪酸成分を含む油脂に水素を添加し
て,不飽和部の一部又は全部を飽和させて得ら
れる固形油脂。
hardened oil,
hydrogenated oil
1060
高級アルコール
炭素数8以上の脂肪族一価アルコールの総称。
天然油脂を原料とするものと石油化学製品を原
料とするものとがある。
higher alcohol
1061
硬水
カルシウム,マグネシウムなどの塩類が比較的
多量に含まれている水で,一般には酸化カルシ
ウムとして100mg/l以上を含む水をいう。
hard water
1062
合成アルコール
石油化学製品を原料として得られる高級アルコ
ールの総称。天然油脂を原料とする高級アルコ
ールに対比して,合成高級アルコールを単に合
成アルコールと称する。
synthetic alcohol
1063
高分子界面活性剤
比較的高分子量の界面活性剤。
high molecular weight
surface active agent,
polysoap
1064
コロイド溶液
コロイド粒子が媒体中に分散したもの。巨大分
子やミセル程度の大きさの粒子を含む真の溶液
の場合と,より大きな粒子を含む熱力学的に不
安定な分散液の場合とがある。
colloidal solution
1065
コロイド粒子
粗大な粒子と分子の大きさの中間に位置し,
1μm〜1nm程度の大きさをもつ粒子の総称。
colloidal particle
1066
再汚染
布などの基質から一度除去された汚れが再び付
着して汚染すること。
soil redeposition
1067
サスペンション
懸濁と同じ。
suspension
1068
酸価
油脂1g中の遊離脂肪酸を中和するのに必要な
acid value
5
K 3211 : 1990
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用 語
定 義
対応英語(参考)
水酸化カリウムのミリグラム数。
1069
酸化エチレン
エチレンオキシドと同じ。
ethylene oxide
1070
酸化プロピレン
プロピレンオキシドと同じ。
propylene oxide
1071
CMC
(しーえむしー)
カルボキシメチルセルロースと同じ。
carboxymethylcellulose
(CMC)
1072
cmc
(しーえむしー)
臨界ミセル濃度と同じ。
critical micelle
concentration (cmc)
1073
COD
(しーおーでぃー)
排水や環境中の水域の水の汚染指標の一つで,
水中に含まれる被酸化性物質,主として有機物
によって消費される酸化剤の量を対応する酸素
の量 (mg/l) で表したもの。化学的酸素要求量と
もいう。
chemical oxygen demand
(COD)
1074
湿潤
ぬれと同じ。
wetting
1075
湿潤性
ぬれやすさの程度。接触角がその目安となる。
wetting tendency,
wettability
1076
脂肪
油脂のうち常温で固体のもの。
また,常温で液体の脂肪油を含めた油脂と同義
語として用いられることもある。
fat
1077
脂肪アルコール
天然油脂又はろうを原料として得られる高級ア
ルコール。
fatty alcohol
1078
脂肪酸
カルボキシル基を1個もつ鎖式カルボン酸の総
称。狭義には天然油脂を構成する長鎖のモノカ
ルボン酸をいう。
fatty acid
1079
縮合りん酸塩
りんを2個以上含むりん酸塩化合物で,りん酸
の脱水縮合反応によって得られる。トリポリり
ん酸ナトリウムはその代表例。
condensed phosphate,
polyphosphate
1080
純石けん分
石けん試料中の石けん分(脂肪酸中和物)含量。 pure soap content
1081
植物油
植物の種子,果実,核,はい芽などを原料とし
て得られる油脂。
vegetable oil
1082
親水基
界面活性剤などの分子中で,水によくなじむ官
能基。
hydrophilic group
1083
親水性
水に親和性を示す性質。
hydrophily,
hydrophilic property
1084
親水性親油性比
HLBと同じ。
hydrophile-lipophile
balance (HLB)
1085
真性コロイド
たん白質や合成高分子のように,分子1個が既
にコロイド次元の大きさをもつ物質の溶液又は
その分子。分子コロイドともいう。
eucolloid
1086
浸透
液体が紙や繊維などの固体組織内部に入り込む
現象。
penetration
1087
親油基
界面活性剤などの分子中の油によくなじむ官能
基。通常は炭化水素基。
lipophilic group
1088
親油性
油に親和性を示す性質。
lipophilicity,
lipophilic property
1089
水酸基価
ヒドロキシル価と同じ。
hydroxyl value
1090
水中油型
分散媒(連続相)が水で,分散相が油であるエ
マルションの型。O/W型とも表す。
oil-in-water type,
O/W type
1091
スルホン化
アルキルベンゼン,オレフィンなどの有機化合
物にスルホン酸基 (−SO3H) を導入する反応。
sulfonation
1092
スルホン化油
脂肪油をスルホン化し中和したもので,アニオ
sulfonated oil
6
K 3211 : 1990
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番号
用 語
定 義
対応英語(参考)
ン界面活性剤の一種。
1093
生分解
有機化合物が微生物の作用によって分解するこ
と。
biodegradation
1094
ζ電位
(ぜーたでんい)
固体と液体の界面における電位差のうち,界面
動電現象に有効に作用する部分。すなわち固体
と液体が相対運動するとき,固体表面上の液体
分子の固着相と液体内部との電位差のことで,
界面動電位ともいう。
zeta potential
1095
ゼオライト
結晶性アルミノシリケートの含水アルカリ金属
塩,又はアルカリ土類金属塩。洗剤のビルダー
としても使用される。
zeolite
1096
石油エーテル可溶分
合成洗剤などの試料中の石油エーテルに溶解抽
出される物質。
petroleum ether soluble
matter
1097
接触角
固体面上にある液体が気体又は液体中にあると
き,液体と固体面のなす角のうち液体を含む角。
contact angle
1098
洗浄力
汚れを基質から除去し,これを溶液又は分散状
態にする能力。
detergency
1099
洗浄力試験
洗剤の洗浄力を測定する試験。洗剤の用途によ
って各種の試験方法がある。
detergency test
1100
相乗効果
二つ又は二つ以上の要因が作用を及ぼす場合,
それらの要因が助け合って単独作用の効果の和
より大きい効果を現すこと。
synergistic effect
1101
疎水基
分子内の水に親和性を示さない部分。親油基と
同じ。
hydrophobic group
1102
疎水性
水になじまない性質。
hydrophoby,
hydrophobic property
1103
ゾル
コロイド分散系が流動性をもっている状態,又
はその状態を示す物質。
sol
1104
ソルビトール
C6H8 (OH) 6で表される六価の多価アルコール。
ソルビットともいう。ノニオン界面活性剤の原
料としても用いられる。
sorbitol
1105
対イオン
コロイド粒子の表面やイオン交換体内部に存在
する固定イオンと反対の電荷をもつイオン。
counter ion
1106
第一級アミン
アンモニアの水素原子の1個をアルキル基など
で置換した一般式R-NH2で表される化合物。
primary amine
1107
耐硬水性
界面活性剤やその他の物質の硬水中における安
定性。
stability in hard water
1108
第三級アミン
アンモニアの水素原子のすべてをアルキル基な
どで置換した一般式
で表される化合
物。カチオン界面活性剤,両性界面活性剤の原
料として用いられる。
tertiary amine
1109
第四級アンモニウム塩
アンモニウムイオンの4個の水素原子をすべて
アルキル基などで置換した構造をもつ化合物。
カチオン界面活性剤として用いられる。
quaternary ammonium salt
1110
多価アルコール
同一分子内に水酸基を2個以上もつアルコー
ル。グリセリン,ソルビトールなどはその代表
例。
polyhydric alcohol
1111
脱脂力
固体表面に付着した油類を除去する能力。
degreasing power
1112
W/O型
(だぶりゅーおーがた)
油中水型と同じ。
water-in-oil type
7
K 3211 : 1990
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用 語
定 義
対応英語(参考)
1113
単分子層
固体又は液体の表面に吸着によって分子が1分
子の厚さに並んだ状態。たん白質などの高分子
が水面上に広がり1nm程度の厚さであるときも
単分子層と呼ぶ。
monomolecularlayer,
monolayer
1114
単分子膜
固体又は液体の表面に吸着によって分子が1分
子の厚さで配列してできた膜。表面上での広が
りの程度によって気体膜,膨張膜,凝縮膜など
に区別される。
monomolecular film
1115
チキソトロピー
温度一定の下で単にかき混ぜたり振り混ぜたり
することによってゲルが流動性のゾルに変わ
り,これを放置すると再びゲルに戻る性質。
thixotropy
1116
中和
酸とアルカリが反応して塩を生成する反応。脂
肪酸とアルカリによる石けん生成反応をいうこ
ともある。
neutralization
1117
転相
エマルションの連続相と分散相が逆転してO/W
型エマルションからW/O型エマルションへ(又
はその逆に)変化する現象。
phase inversion
1118
等電点
両性電解質が,溶液中で陰陽両イオンの電荷の
代数和が0になる状態の溶液のpH値。
isoelectric point
1119
動物油
動物体から採取される油脂。陸産動物油と水産
動物油に分類される。
animal oil
1120
軟水
カルシウム,マグネシウムなどの塩類の溶存量
の少ない水。
soft water
1121
二分子膜
水中で界面活性剤の二分子層が疎水基どうしを
合わせ親水基を外側に向けて平面状に集合し,
膜状になったもの。ラメラともいう。
bilayer membrane
1122
乳化
互いに溶解しない二液体の一方が微粒子となっ
て他方の液体中に分散し,エマルションを生成
する現象。
emulsification
1123
乳化機
均一には溶解しない液体−液体を完全に混合,
乳化し,容易には分離しない分散状態にする機
械。
emulsifier,
emulsifying machine
1124
乳化試験
エマルションを調製し,エマルションの状態や
安定性を調べる試験。乳化剤の選択,乳化条件
の決定,農薬乳剤の品質管理などに利用される。
emulsification test
1125
ぬ(濡)れ
液体が固体表面から気体を押しのけて広がる現
象。
wetting
1126
ノニオン界面活性剤
水中においてイオン解離しないで界面活性をも
つ界面活性剤。
nonionic surface active
agent
1127
排液
固体面に付着した液体,泡まつの中の液体及び
多泡系中に含まれる液体が重力の作用で流下離
脱する現象及びその液体。
drainage
1128
バイオサーファクタント
動植物の生体内に存在する天然の界面活性剤及
び微生物の代謝によって生産される界面活性物
質。
biosurfactant
1129
白色度
物体の白さの程度を表す指標。色差計と呼ばれ
る測定器などによって測定され,洗浄力試験の
評価などに利用される。
whiteness degree
8
K 3211 : 1990
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用 語
定 義
対応英語(参考)
1130
半コロイド
鎖状重合体のうち平均重合度が10〜100,分子
量が1万以下のもの。天然高分子の分解や不飽
和化合物の重合によって得られる。
hemi colloid
1131
反射率
物体表面での反射において,入射光の強度に対
する反射光の強度を百分率で表した数値。洗浄
力試験の評価などに利用される。
reflectance,
reflectivity
1132
非イオン界面活性剤
ノニオン界面活性剤と同じ。
nonionic surface active
agent
1133
PEG
(ぴーいーじー)
ポリエチレングリコールと同じ。
polyethylene glycol (PEG)
1134
BOD
(びーおーでぃー)
排水や環境中の水域の水の汚染指標の一つで,
水中の好気性微生物の増殖又は呼吸作用によっ
て消費される溶存酸素量 (mg/l)。生物化学的酸
素要求量ともいう。
biochemical oxygen
demand (BOD)
1135
比界面張力
灯油の試験液に対する界面張力と灯油の水に対
する界面張力との比。通常は滴容法によって求
める。
relative interfacial tension
1136
非極性基
分子に大きな双極子モーメントを与えないよう
な原子団。
non-polar group
1137
ヒドロキシル価
試料中のヒドロキシル基 (−OH) 含量を示す値
で,試料1g中に含まれるヒドロキシル基の量を
それと当量の水酸化カリウムのミリグラム数で
表した値。水酸基価と同じ。
hydroxyl value
1138
比表面張力
水と試験液の表面張力の比。通常は滴容法によ
って求める。
relative surface tension
1139
表面張力
液体の表面に作用する表面積をできるだけ小さ
くしようとする力。液体表面の単位面積当たり
の自由エネルギーで表す。
surface tension
1140
表面張力計
液体の表面張力を測定する器械。デュヌイ (Du
Nouy) 表面張力計やウィルヘルム表面張力計な
どがある。
surface tension balance
1141
ビルダー(洗剤用)
石けんや合成洗剤に添加してその洗浄作用を向
上させるために用いられる物質。けい酸ソーダ,
ゼオライトはその代表例。
builder (for detergents)
1142
プロピレンオキシド
で表される化合物。プロピレン
の直接酸化又は塩素化後アル
propylene oxide
カリ処理によって得られる。ノニオン界面活性
剤の原料として用いられる。
1143
プロポキシル化
活性水素基をもつ化合物にプロピレンオキシド
を反応させ,-(C3H6O) nHを導入する反応。
propoxylation
1144
分散
一つの相の中に他の物質が微粒子状に散在する
現象。
dispersion
1145
分散性
界面活性剤の代表的な性能の一つで,分散系を
つくる性質のこと。
dispersibility
1146
分散相
分散系において,分散媒中に微粒子となって散
在する物質。
dispersed phase
1147
分散媒
分散系の媒質を形成する均質な物質。
dispersion medium
1148
ベシクル
リポソームと同じ。
vesicle
1149
泡まつ(沫)
固体又は液体の薄い膜で隔てられた気泡が多数
集合した状態。
foam
9
K 3211 : 1990
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用 語
定 義
対応英語(参考)
1150
保護コロイド
コロイド粒子間の凝集を防ぎ,分散安定性を改
善するために加えられる別種のコロイド。
protective colloid
1151
ポリエチレングリコール
エチレンオキシドの開環重合で得られ,一般式
HO (CH2CH2O) nHで表される線状ポリエーテル
の総称。ノニオン界面活性剤の原料としても用
いられる。
polyethylene glycol (PEG)
1152
ミセル
界面活性剤溶液の一定濃度以上で現れる分子又
はイオンの集合体。
micelle,
micell
1153
ミセル形成
界面活性剤分子が溶液中で多数集まってミセル
をつくること。
micelle formation
1154
ミセルコロイド
臨界ミセル濃度以上の界面活性剤溶液や,ある
種の染料溶液などが形成するコロイド系。
micelle colloid
1155
毛管活性
溶液中の物質が界面張力を減少させ,毛管中を
上昇する性質。
capillary activity
1156
遊離アルカリ
石けん中に過剰に存在するアルカリ分。
free alkali
1157
油中水型
分散媒(連続相)が油で分散相が水であるエマ
ルションの型。W/O型とも表す。
water-in-oil type,
W/O type
1158
油膜強度
潤滑油膜の機械的強さのこと。
film strength (for lubricant)
1159
陽イオン界面活性剤
カチオン界面活性剤と同じ。
cationic surface active
agent
1160
よう素価
油脂などの不飽和度を表すもので,試料100gに
吸収されるハロゲンの量をよう素に換算し,グ
ラム数で表した値。
iodine value
1161
四級化
第四級アンモニウム塩を生成する反応。第三級
アミンと塩化メチルなどのハロゲン化アルキル
との反応はその代表例。
−
1162
リポソーム
脂質の二分子膜からなる閉鎖小胞。
liposome
1163
硫酸化
一般に有機化合物に硫酸基を導入する反応。特
にアルコール性のOH基を硫酸エステルにする
反応。
sulfation
1164
硫酸化油
脂肪油を硫酸化し中和したもので,アニオン界
面活性剤の一種。
sulfated oil
1165
両親媒性
分子内に親水基と親油基を同時にもつことによ
って現れる性質。界面活性剤はすべて両親媒性
物質である。
amphiphilic property,
amphipathic property
1166
両性界面活性剤
同一分子内に陽イオン活性基と陰イオン活性基
をもち,水中で条件によってアニオン又はカチ
オン界面活性剤のいずれかの性質を示す界面活
性剤。
ampholytic surface active
agent,
amphoteric surface active
agent
1167
臨界ミセル濃度
界面活性剤溶液においてミセルの存在する最低
濃度。
critical micelle
concentration (cmc)
1168
りん酸化
−OH又は−NHなどの基をもつ有機化合物か
ら,りん酸エステル又はりん酸アミドなどを生
成する反応。
phosphation
1169
レシチン
ホスファチジルコリン。最も典型的なグリセロ
りん脂質の一つで,りん脂質混合物の総称とし
て使われることもある。
lecithin
1170
ロート油
ひまし油を硫酸化し中和したもので,硫酸化油
の一種。
turkey red oil
10
K 3211 : 1990
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(2) 応用製品用語
番号
用 語
定 義
対応英語(参考)
2001
アジュバント(濃薬用)
農薬製剤中農薬以外に分散,乳化及び薬効向上
などの目的で用いられる助剤。
adjuvant
2002
アスファルト乳剤
乳化剤を用いてアスファルトを水中に分散した
液体。アスファルト乳剤を使用すれば道路舗装
などを,加熱せずに施工できる。
asphalt emulsion
2003
アスファルトはく離防止
剤
舗装用アスファルトと骨材との接着性を向上さ
せる薬剤。通常カチオン界面活性剤が用いられ
る。
asphalt antistripping agent
2004
圧 延 油
金属材料を圧延加工するとき,潤滑性を向上さ
せるために用いられる油剤。
rolling oil
2005
編み立て油剤
編み立て工程において繊維と金属の摩擦を調整
し,静電気の発生,糸切れを防止するために用
いられる油剤。
knitting oil
2006
泡安定剤
気泡安定剤と同じ。
foam stabilizer
2007
泡切り剤
破泡剤と同じ。
foam breaker
2008
泡立て剤
起泡剤と同じ。
foaming agent
2009
泡立て増進剤
起泡力増進剤と同じ。
foam booster
2010
EOR
(いーおーあーる)
地下の油層に界面活性剤,ポリマーなどを圧入
したり熱を加えることによって,残っている原
油を取り出すこと。原油の二・三次回収又は三
次回収ともいう。
enhanced oil recovery
(EOR)
2011
移染防止剤
染着した染料が,繊維上の他の部分へ移行する
ことによる色むらを防止する薬剤。
migration proofing agent
2012
色 止 め
水,汗,洗濯などに対する染色堅ろう度を高め
る処理。
color fixing
2013
AE剤
(えーいーざい)
コンクリートなどの中に多数の微細な気泡を均
一に分布させるために用いられる混和剤。
air entraining agent
2014
液体洗剤
製品形態が液体の洗浄剤。狭義には,粉体の衣
料用洗剤に対比して,液体の衣料用洗剤をいう
ことがある。
liquid detergent
2015
エマルション塗料
樹脂エマルションに顔料を配合した塗料。
emulsion paint
2016
オイリング剤(繊維用)
繊維加工において繊維と繊維,又は繊維と金属
の摩擦を調整し,静電気の発生を防止し,かつ
繊維の柔らかさを調整する薬剤。
oiling agent
2017
カーディング油
羊毛のそ毛紡績のカーディング工程において,
金属−繊維間の摩擦を低減し工程を円滑にする
ために用いられる油剤。
carding oil
2018
カードソープ
含核石けんのことで,油脂をけん化塩析したま
まの石けん。外観がミルクカードに似ているの
でこの名称がある。
curd soap
2019
解こう(膠)剤
凝結したコロイドの沈殿又は固体ゾルをコロイ
ド溶液の状態に戻すために用いられる薬剤。
peptizer,
deflocculation
2020
海水用石けん
海水で用いても洗浄作用のある石けん。比較的
低級な脂肪酸を主体とするやし油などから製造
する。
marine soap
2021
解乳化剤
乳化破壊剤と同じ。
demulsifier,
emulsion breaker
2022
加 脂 剤
なめした革に用いて,革繊維の固着を防ぎ,柔
軟性,弾性などを高める薬剤。
fat liquoring oil,
stuffing agent
11
K 3211 : 1990
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用 語
定 義
対応英語(参考)
2023
家庭用洗剤
家庭で用いられる洗剤で,衣料用,台所用,住
宅・家具用などがある。
household detergent
2024
可溶化剤
界面活性剤など可溶化のために用いられる薬
剤。
solubilizing agent
2025
カリ石けん
高級脂肪酸のカリウム塩。軟石けんともいう。
soft potassium soap,
potash soap
2026
緩 染 剤
(かんせんざい)
染色速度を緩やかにし,色むらを防止する薬剤。 retarding agent
2027
機械練石けん
石けん素地を小片又は削片にして乾燥し,着色
料,香料を混練して押出機で圧出し,成型した
石けん。
milled soap
2028
気泡安定剤
溶液の泡まつの安定性を増す作用をする薬剤。
foam stabilizer
2029
起 泡 剤
安定な泡を立てるために用いられる薬剤。界面
活性剤やたん白質などが用いられる。
foaming agent
2030
起泡力増進剤
溶液の起泡力を増すのに役立つ薬剤。起泡剤と
併用されることが多い。
foam booster
2031
起毛助剤
布面から毛羽をかき出しやすくするために摩擦
の調整及び静電気の発生を防止するために用い
られる油剤。
raising agent
2032
逆性石けん
カチオン界面活性剤の別名。水中で界面活性を
示す部分が通常の石けんと逆の正荷電をもつの
でこの名称が用いられる。殺菌剤として使用さ
れることが多い。
inverted soap,
cationic soap
2033
キャリア(染色用)
疎水性繊維を分散染料などで染色するとき,繊
維を膨潤して染料の繊維内拡散速度を高めて促
染効果を与える染色助剤。
carrier
2034
給油剤
繊維加工工程に用いられる紡糸油剤,紡績油剤,
編み立て油剤などの総称。
textile lubricant
2035
凝 集 剤
凝集を容易にするのに役立つ薬剤。
flocculant
2036
極圧添加剤
(きょくあつてんかざい)
境界潤滑における摩擦面間の油膜強度を増し,
摩擦面間の焼付け防止のために用いられる薬
剤。
extreme pressure agent
2037
均 染 剤
繊維を均一に染色するために用いられる薬剤。
levelling agent,
level agent,
level dyeing agent
2038
金属石けん
高級脂肪酸のアルカリ金属以外の,亜鉛,アル
ミニウムなどの金属塩。水に難溶又は不溶で,
合成樹脂の安定剤,グリース,防水剤などとし
て使われる。
metallic soap,
metal soap
2039
空気連行剤
AE剤と同じ。
air entraining agent
2040
クリーム
極めて濃厚なエマルションで,粘性が非常に高
く半固体状ののりのような外観を呈するもの。
食用クリーム,化粧用クリームなどがある。
cream
2041
クレンザー
ベントナイト,けいそう土などの研磨材に少量
の界面活性剤を配合した洗剤。
cleanser
2042
軽質洗剤
軽い汚れの繊維,又は洗濯機などの機械的な力
をかけない方がよい絹,毛などを手洗いすると
きに用いられる合成洗剤。主として中性洗剤で
ある。
light duty detergent
12
K 3211 : 1990
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用 語
定 義
対応英語(参考)
2043
化粧石けん
洗顔,手洗い,身体洗浄などに使用する石けん。
石けん素地を乾燥し,香料などを混練し,押出
機で成形する機械練石けんと,枠に流し入れて
固化させる枠練石けんとがある。
toilet soap
2044
ゲル化剤
ゾルの状態からゲルの状態にするのに役立つ薬
剤。
gelling agent
2045
減 水 剤
コンクリートなどの単位水量を増やすことな
く,流動性をよくするか,流動性を変えること
なく単位水量を減らすために用いられる混和
剤。
water reducing agent
2046
減 摩 剤
金属加工,繊維加工などの際に摩擦を減少させ
るために用いられる薬剤。
lubricant
2047
高級アルコール系洗剤
高級アルコール系界面活性剤を主成分とする洗
剤。通常は高級アルコール又は高級アルコール
エトキシル化物の硫酸エステル塩を主成分とす
るものをいう。
detergent prepared from
higher alcohol
2048
工業用石けん
繊維工業,機械・金属工業,合成ゴム工業など
の諸工業分野で用いられる石けん。
industrial soap
2049
工業用洗剤
繊維工業,機械・金属工業,食品工業などの諸
工業分野で用いられる洗剤。
detergent for industrial use
2050
硬水用石けん
硬水中で用いても洗浄作用のある石けん。海水
石けんはその一種。
hard water soap
2051
合成洗剤
石けん以外の,アルキルベンゼンスルホン酸ソ
ーダ,アルファオレフィンスルホン酸ソーダな
どの合成によって製造された界面活性剤を主成
分とする洗剤。
synthetic detergent,
syndet
2052
抗乳化剤
潤滑油など水に不溶性の油に添加し,水による
エマルションの生成を防止する薬剤。
また乳化破壊剤と同じ意味に用いられることも
ある。
demulsifier,
antiemulsifier
2053
コーニング油
糸をコーンに巻くとき潤滑の目的に用いられる
油剤。
coning oil
2054
固結防止剤
粉末,粉状物質が吸湿,加圧などで固まるのを
防ぐ薬剤。肥料などには界面活性剤が用いられ
る。
anticaking agent
2055
COM
(こむ)
微粉炭を重油に混合分散,安定化させた液状化
燃料。分散,安定化のために界面活性剤が用い
られる。
coal oil mixture (COM)
2056
コンクリート流動化剤
主としてレデーミクストコンクリートに用いら
れ,減水性とスランプロス防止性の機能をもつ
混和剤。
superplasticizer
2057
再汚染防止剤
繊維を洗浄するとき,一度除去された汚れが再
び付着するのを防止する目的で洗浄剤に配合さ
れる添加剤。
antisoil redeposition agent
2058
サイズ剤
紙を適度に疎水化し,筆記時のにじみを防止し
たり,紙の加工工程での吸水性を調節したりす
る目的で製紙工程に用いられる薬剤。
sizing agent
2059
殺 菌 剤
バクテリア,かびなどの菌類の繁殖を防止し,
死滅させる薬剤。
disinfectant,
germicide
13
K 3211 : 1990
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用 語
定 義
対応英語(参考)
2060
CWM
(しーだぶりゅうえむ)
微粉炭を水に混合分散し,安定化させた液状化
燃料。石炭−水スラリーともいわれる。分散,
安定化及び高濃度化のために界面活性剤が用い
られる。
coal water mixture (CWM)
2061
湿 潤 剤
湿潤作用を促進させる薬剤。界面活性剤が用い
られる。
wetting agent
2062
シャンプー
頭髪及び頭の地肌の汚れを落とすのに用いられ
る洗浄剤。
shampoo
2063
重質洗剤
アルカリ性ビルダーなどが配合された,汚れの
度合いの大きいものの洗浄に用いられる合成洗
剤。
heavy duty detergent
2064
柔 軟 剤
織物などの感触を柔らかくするために用いられ
る薬剤。
softening agent
2065
縮じゅう(絨)助剤
羊毛製品のフェルト生成を円滑にするために用
いられる薬剤。
milling assistant
2066
潤 滑 油
接触する固体間の相対運動を円滑にする油。
lubricating oil
2067
蒸解助剤
ケミカルパルプ製造工程において,蒸解作用を
促進するために添加される薬剤。
digesting assistant
2068
消 泡 剤
破泡剤,抑泡剤の総称。特殊な界面活性剤又は
シリコーン油が用いられる。
antifoaming agent,
defoaming agent
2069
助 燃 剤
燃料の燃焼を促進し,不完全燃焼による油煙の
生成を少なくする薬剤。
combustion improver
2070
浸 透 剤
浸透を促進させるために用いられる薬剤。主と
して界面活性剤が用いられる。
penetrant
2071
水 和 剤
水に加えると粒子が水中に浮遊して懸濁液とな
る農薬製剤の一つ。
wettable powder
2072
スランプロス
混練したコンクリートの流動性が経時的に失わ
れる現象。コンクリートの作業性に大きな影響
を及ぼす因子。
slump loss
2073
清浄分散剤
主に内燃機関用潤滑油に添加し,燃料の燃焼な
どによって副生する酸成分を中和したり,スラ
ッジを分散させたりする薬剤。
detergent-dispersant
2074
精 練
繊維及び繊維製品に含まれる一次不純物を除去
し,清浄にすること。染色,漂白工程前の洗浄
工程を意味する場合もある。
scouring,
degumming,
boiling off
2075
精 練 剤
精練に用いられる薬剤。
scouring agent
2076
石 け ん
高級脂肪酸の塩類。通常はアルカリ塩をいう。
soap
2077
切 削 油
金属材料を切削加工するとき,金属と工具の摩
擦を低減し摩擦熱を除去することによって,工
具の寿命を延ばし,製品の仕上げ精度を上げる
ために用いられる油剤。水溶性及び不水溶性の
ものがある。
cutting oil
2078
繊維助剤
繊維の各種加工工程に用いられる薬剤の総称。
textile auxiliaries
2079
洗 剤
固体の表面に付着した汚れに対し洗浄作用をも
つ薬剤。主として合成洗剤をいう。
detergent
2080
洗 浄 剤
洗剤と同じ。
cleaning agent,
cleaner
2081
染色堅ろう(牢)度増進剤 繊維染色物の水,汗,洗濯などに対して堅ろう
度を増すために用いられる薬剤。
dye fixing agent
14
K 3211 : 1990
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用 語
定 義
対応英語(参考)
2082
染色助剤
染色加工において,染着濃度の調整,均染性の
向上などの目的に用いられる染料以外の薬剤。
dyeing auxiliaries
2083
洗濯堅ろう(牢)度
染色された繊維製品の洗濯によって起こる変退
色,他の繊維製品への汚染に対する抵抗性。
fastness to washing
2084
洗濯石けん
洗濯に用いられる石けん。固型及び粉末のもの
があり,それぞれに無添剤と添剤入りとがある。
laundry soap
2085
洗 毛 剤
原毛中の不純物(ウールグリース,スイント,
土砂など)を除去するのに用いられる薬剤。
raw wool scouring agent
2086
増 粘 剤
液体に分散又は溶解させて粘度を増すのに用い
られる薬剤。
thickener
2087
増 摩 剤
摩擦抵抗を大にして滑り止めを目的とする薬
剤。
antislipping agent
2088
ソーピング
染色又は処理加工の最後の工程において,未染
着染料や不用の加工剤を除去すること。
soaping
2089
そ(梳)毛油
羊毛のそ毛紡績工程で摩擦調整,静電気防止の
ために用いられる油剤。
worsted oil
2090
帯電防止剤
プラスチック,繊維などの加工工程や使用時の
帯電を防止するために用いられる薬剤。界面活
性剤が主に用いられる。
antistatic agent
2091
台所用洗剤
野菜,果物,食器及び調理器具などの洗浄のた
めに,主として台所,調理室で用いられる洗剤。
detergent for kitchen
2092
脱 脂 剤
金属などの表面に付着している油脂類を除去す
るための薬剤。
degreasing agent
2093
脱色助剤
染色されたものの脱色に用いられる酸化剤,還
元剤などの脱色剤の効果を向上させる薬剤。
decoloring assistant
2094
脱 墨 剤
印刷古紙(特に新聞紙)からインキを取り除き,
再使用可能なパルプに戻す脱インキ工程で用い
られる薬剤。
deinking agent
2095
チャージソープ
ドライクリーニングにおいて,溶剤に添加して
抱水性を付与し洗浄効果を高める薬剤。主とし
て油溶性の界面活性剤が用いられる。
dry cleaning detergent
2096
中性洗剤
標準使用濃度で水素イオン濃度(pH値)が6.0
以上8.0以下を示す中性の合成洗剤。
−
2097
展 着 剤
植物の茎,葉や病害虫に農薬を均一に付着させ,
その効果を十分に発揮させるために,乳剤,水
和剤又は液剤の希釈液に添加する補助剤。
spreading agent,
spreader
2098
透明石けん
グリセリンなどの透明化剤を配合して製造した
透明な固形化粧石けん。
transparent soap
2099
ドライクリーニング
クリーニング業界で溶剤を用いて衣料を洗濯す
ること。通常溶剤には少量のチャージソープと
水が加えられる。
dry cleaning
2100
トライボロジー
摩擦,摩耗,潤滑などに関する総合的な科学,
技術の総称。
tribology
2101
なめし剤
動物の皮を革に変える性質をもつ薬剤。
tanning agent
2102
ニートソープ
石けん製造工程中,仕上塩析によって上層に分
離してくる精製された石けん。
neat soap
2103
ニ グ ル
石けん製造工程で仕上塩析の場合,食塩濃度の
比較的低いとき,下層に分離してくる不純物を
含む石けん液層。
nigre
15
K 3211 : 1990
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用 語
定 義
対応英語(参考)
2104
乳 化 剤
安定なエマルションを生成するのに用いられる
薬剤。
emulsifier
2105
乳化重合
乳化剤を用いて単量体を水中に分散させ,重合
させる方法。
emulsion polymerization
2106
乳化破壊剤
エマルションを破壊して二液相に分離するため
に用いられる薬剤。
demulsifier,
emulsion breaker
2107
練 り
生糸を精練してセリシンを一部又は全部除去す
る工程。
degumming
2108
ねん(撚)糸油
ねん糸工程において糸の摩擦調整及び静電気防
止のために用いられる油剤。
twisting oil
2109
燃料油貯蔵安定剤
重質燃料油中のスラッジの凝集や,沈降を防止
し,その貯蔵の安定化を図る薬剤。
fuel oil stabilizer
2110
のり(糊)抜き
精練・染色の前に織物に付いているのりを除去
すること。
desizing
2111
媒染助剤
媒染剤の作用を強化するために用いられる薬
剤。
mordanting assistant
2112
はっ(撥)水剤
繊維表面に水をはじく性質を与える薬剤。
water repellent agent
2113
抜染助剤
抜染剤(すず化合物など)の浸透及び分解染料
の溶出を容易にし,抜染を促進するために用い
られる薬剤。
discharging assistant
2114
発 泡 剤
起泡剤と同じ。
foaming agent
2115
はつ(撥)油剤
繊維,紙などに油をはじく性質を付与する薬剤。
主に有機ふっ素化合物が用いられ,同時に,は
っ水作用も示す。
oil repellent agent
2116
破 泡 剤
生成した泡まつを消す作用のある薬剤。
foam breaker
2117
反 毛 油
(はんもうゆ)
反毛工程で適度の滑りを与え静電気の発生を防
止するために用いられる油剤。
rag oil
2118
引 抜 油
(ひきぬきゆ)
金属材料を引抜き加工するとき,潤滑性を向上
させ工具の摩耕を防ぎ製品の仕上げを美しくす
るために用いられる油剤。
drawing oil
2119
ピッチコントロール剤
パルプの製造工程や抄紙工程で生じるピッチト
ラブルを軽減又は抑制するために用いられる薬
剤。
pitch controller
2120
標準重量
化粧石けんの表示に関する公正競争規約施行規
則(昭和47年公正取引委員会告示)で定められ
た化粧石けんの販売で製造後約5か月の乾燥減
による予想される重量。
−
2121
漂白助剤
漂白剤を繊維に均一に浸透させることによって
漂白をむらなくさせるために用いられる薬剤。
bleaching assistant
2122
フェルト洗浄剤
抄紙工程において用いられるフェルトの汚れを
落とすために用いられる洗浄剤。
felt cleaning agent
2123
複合石けん
石けん以外の界面活性剤を配合した石けん。主
としてカルシウム石けんの分散剤が配合されて
いる。
complexed soap
2124
腐食防止剤
金属表面に保護膜を形成し,金属が腐食性物質
に侵されるのを防止するために用いられる添加
剤。
corrosion inhibitor
2125
浮遊選鉱
鉱石の細粉を水系サスペンションから気泡を用
いて浮上させ,目的とする鉱石を他の鉱石と分
離すること。
ore floatation
16
K 3211 : 1990
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用 語
定 義
対応英語(参考)
2126
フラッシング剤
顔料製造工程において含水顔料に油性物質を加
え,顔料の油相への移行を促進させるための薬
剤。
flushing agent
2127
分 散 剤
微粒子を液中に分散させて,安定な懸濁液をつ
くるために用いられる薬剤。界面活性剤の代表
的用途の一つである。
dispersing agent,
dispersant
2128
粉末洗剤
粉末状の洗剤。主として合成洗剤をいう。
powdered detergent
2129
防 汚 剤
織物などに汚れが付着するのを防止する薬剤。
一度ついた汚れを落ちやすくする加工剤を含む
こともある。
stain-proofing agent
2130
紡 糸 油
紡糸工程で糸に対し潤滑性,静電気防止性,均
一な延伸性を与えるために用いられる薬剤。
spinning oil,
spinning finish
2131
紡糸浴添加剤
特に紡糸浴槽を清澄にし,紡糸ノズルがふさが
れることを防ぐために用いられる薬剤。
spinning bath additive
2132
防 水 剤
布などに水を通しにくくする加工に用いられる
薬剤。
water-proofing agent
2133
紡績油剤
紡績工程において,繊維と繊維及び繊維と金属
の摩擦を調節し,静電気の発生を防止するため
に用いられる油剤。
spinning oil
2134
防 曇 剤
ガラスや高分子フィルムの表面で水蒸気が凝縮
し,曇るのを防ぐ薬剤。
anticlouding agent
2135
防 毛 油
羊毛の防毛績工程で摩擦調節,静電気発生防止
のために用いられる油剤。
woolen oil
2136
捕 集 剤
粒子表面を疎水化して気泡に付着しやすくし,
浮遊選鉱や古紙の脱インキ工程などに用いて,
目的とする鉱石粒子や脱離されたインキ粒子を
捕集するための薬剤。
collector
2137
ボディシャンプー
身体の汚れを落とし,清潔にするのに用いられ
る主として液体の洗浄剤。
−
2138
マーセル化助剤
マーセル化のとき,濃厚なアルカリ液が繊維へ
均一に浸透するのを促進するために用いられる
薬剤。
mercerizing assistant
2139
マルセル石けん
繊維工業などに使われる石けん。オリーブ油を
主原料としたフランスのマルセーユ地方で製造
された石けんに由来している。
marseilles soap
2140
焼入れ油
金属材料を焼入れ処理するとき,冷却速度を調
節して材料を均一に冷却することによって,金
属の焼き割れを防止するために用いられる油
剤。水溶性と不水溶性のものとがある。
quenching oil
2141
薬用石けん
消毒,殺菌などの医療又は衛生用に使うために
殺菌剤を配合した石けん。
medicated soap
2142
油性向上剤
金属表面に吸着膜を形成することによって潤滑
性能を向上させる添加剤。
oiliness improver
2143
抑 泡 剤
起泡作用を抑止する薬剤。
foam inhibitor,
foam suppressor
2144
浴用石けん
入浴時に用いられる石けん。
bath soap
2145
ラテックス
ゴム植物の樹皮に切付をしたときに流れ出る牛
乳状の液体又は乳化重合によって得られた高分
子乳剤。
latex
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K 3211 : 1990
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用 語
定 義
対応英語(参考)
2146
ランドリー
布はくや衣類を洗濯すること。広義には洗濯一
般を意味するが,狭義にはクリーニング業界で
の水を使う洗濯処理を意味する。
laundry
2147
離 型 剤
プラスチックやコンクリートの型離れを良くす
る薬剤。
mold release agent,
mould release agent,
releasing agent
2148
流出油処理剤
海上や河川に流出した油類を乳化分散するため
の薬剤。油処理剤とも呼ばれる。
dispersant for oil spill
2149
流動点降下剤
潤滑油,燃料油などが流動し得る最低の温度を
降下させる薬剤。
pour point depressant
2150
リンス
洗髪後の頭髪に柔軟性と平滑性を付与し,くし
けずりやブラッシングを容易にさせ,更に外的
な影響から頭髪表面を保護するために用いられ
る処理剤。主にカチオン界面活性剤が配合され
る。
−
2151
枠練石けん
(わくねりせっけん)
石けん素地を溶融したまま枠に入れて個化させ
て作った石けん。
framed soap
改正原案作成委員会 構成表
氏 名
所 属
本委員会
分科会
(委員長)
浅 原 照 三
東京大学名誉教授
○
○
荻 野 圭 三
東京理科大学理工学部
○
−
須 原 康 夫
工業技術院科学技術研究所
○
−
森 田 全 三
東京農工大学工学部
○
−
寺 西 大三郎
通商産業省基礎産業局
○
−
細 川 幹 夫
工業技術院標準部
○
−
田 坂 勝 芳
工業技術院標準部
○
○
前 田 雄 男
花王株式会社研究開発本部
○
○
松 隈 義 則
日本石鹼洗剤工業会
○
○
湯 村 崇 男
日本化学繊維協会技術部
○
−
大内山 彗
日本合成ゴム株式会社生産物流部
○
−
池 田 克 己
富士興産株式会社
○
−
伊 佐 弘
ライオン株式会社研究開発本部
○
−
(分科会主査)
中 村 好 伸
東邦化学工業株式会社研究本部
○
○
半 田 卓 郎
旭電化工業株式会社化学品開発研究所
○
−
岡 野 孝 一
三洋化成工業株式会社研究技術部
○
○
久田原 辰 夫
第一工業製薬株式会社技術開発本部
○
−
井 出 袈裟市
日本油脂株式会社油化技術部
○
○
武 捨 清
旭電化工業株式会社化学品開発研究所
−
○
山 本 敏 昭
第一工業製薬株式会社技術開発本部
−
○
植 田 茂 幸
ライオン株式会社研究開発本部
−
○
吉 田 一 郎
日本界面活性剤工業会
○
−
(事務局)
緒 方 尤
日本界面活性剤工業会
−
○