K 2540 : 2000
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日
本工業規格である。これによってJIS K 2540-1989は改正され,この規格に置き換えられる。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。通商産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
K 2540 : 2000
石油製品−潤滑油−
熱安定度試験方法
Petroleum products−Lubricating oils−Determination of thermal stability
1. 適用範囲 この規格は,潤滑油の熱安定性を試験する方法について規定する。
備考 この規格は,危険な薬品,操作及び装置を使うことがあるが,安全な使用方法をすべてにわた
って規定しているわけではないので,この試験方法の使用者は,試験に先立って,適切な安全
上及び健康上の禁止事項を決めておかなければならない。
関連規格 JIS K 2213 タービン油
JIS K 2215 内燃機関用潤滑油
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 7410 石油類試験用ガラス製温度計
JIS K 2207 石油アスファルト
JIS K 2251 原油及び石油製品−試料採取方法
JIS K 2839 石油類試験用ガラス器具
3. 試験の原理 試料を規定の試験時間加熱した後,試料及び試験容器底部における析出物の有無を調べ
ることによって潤滑油の加熱酸化劣化を調べる。
参考 試験温度及び試験時間は,個別製品規格などに規定されており,JISの製品規格では参考表1
の2件に規定されている。
参考表1 試験温度及び試験時間(例)
油種名
試験温度
℃
試験時間
h
製品規格の例
タービン油
170
12
JIS K 2213
舶用内燃機関用潤滑油
170
2
JIS K 2215
4. 潤滑油熱安定度試験器 潤滑油熱安定度試験器は,次のa)及びb)からなる。その組立図の一例を図1
に示す。
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図1 潤滑油熱安定度試験器(一例)
a) 恒温空気浴 二重壁をもつ角形の電熱式恒温空気浴で,試料温度を試験温度の±1 ℃に保つことがで
きる電気加熱器と温度調節装置とを備えたものとする。扉には温度及び内部の状況を観察するために,
一辺100mm以上の角形二重ガラス窓を設ける。換気を適切に行うことができるように,2個以上の空
気入口孔と2個以上の空気出口孔を設ける。空気入口孔は底部又は底部側壁に対称の位置に設け,そ
の全面積を1.3cm2以上とする。空気出口孔は頂部又は頂部近くの側壁に対称の位置に設け,その全面
積は1.3〜12.9cm2とする。恒温空気浴上部中央にはb)に規定する回転盤を毎分5〜6回転で回転させ
ることのできる電動装置を備える。
備考 恒温空気浴はJIS K 2207の薄膜加熱試験方法及び蒸発試験方法に規定するものを用いることが
できる。
b) 回転盤 アルミニウム軽合金製で,試験容器9個を円形状の定位置に配置できるもので,その内側と
外側には,各々9個の孔をもち,各容器定位置の間に補強板を配置し,円板の中央は回転軸に固定で
きる構造のもの。その一例を図2に示す。
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備考 回転盤はJIS K 2207の蒸発試験方法に規定するものを用いることができる。
図2 回転盤(一例)
c) 試験容器 ほうけい酸ガラス−1製で,図3に規定する形状・寸法のもの。
備考 試験容器は,JIS K 2839に規定する図153のものがこれに相当する。
図3 試験容器
d) 試料用温度計 全浸没温度計で目量0.5℃以下のもの。
備考 試験温度が170℃の場合は,JIS B 7410に規定する温度計番号63 (TTS) のものを用いる。
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5. 試料採取方法及び調製方法 試験用試料は,JIS K 2251に規定する一次試料の採取方法及び二次試料
の調製方法によるか,又はそれに準じた方法によって採取・調製する。
6. 試験の準備
6.1
試料の準備 試料を目視によって観察し,試料中に水,沈殿物などの異物が含まれていないことを
確認する。試料に異物が含まれている場合は,遠心分離,金網によるろ過などの方法でこれを取り除く。
6.2
恒温空気浴の温度設定 試験容器に試料,試料と似た性状をもつ潤滑油などを20 g±1 g採り,恒温
空気浴内の回転盤上に置き,これを温度測定用試料とする。これに試料用温度計を入れ,球部下端が容器
底部から2〜3 mm上になるように温度計を回転軸の横腕に取り付ける。回転盤を毎分5〜6回転で回転さ
せ,温度測定用試料の温度が規定の試験温度の±1 ℃になるように,恒温空気浴の温度を調節し(1),その
温度に保つ。
注(1) 試料の温度を調べるときは,回転盤の回転を止め扉の二重窓から行い,扉を開いて行ってはな
らない。
備考 試験温度が前回行った試験の試験温度と同じ場合は,恒温空気浴の温度を調節する操作を省略
して,前に設定したときと同じ温度に恒温空気浴の温度を保持してもよい。
7. 試験の手順 試験の手順は,次による。
a) 洗浄,乾燥した試験容器2個のそれぞれに,6.1によって得られた試料を20 g±1 gはかり採る。さら
に,別の試験容器に6.2に規定する温度測定用試料を20 g±1 gはかり採る。あらかじめ温度を調節し
た恒温空気浴内の回転盤上にこれらの試験容器を置き,温度測定用試料には試料用温度計を入れ,6.2
と同様にして回転軸の横腕に取り付ける。扉を閉じ,回転盤を回転させる。
備考1. 試験時間が異なる試料を同時に試験してはならない。
2. 種類の異なる試料を同時に試験する場合は,それらの中で最も大きい粘度又は密度をもつ試
料を温度測定用試料とする。
b) 温度測定用試料の温度が試験温度より1 ℃低い温度に達したら(1),この時点から規定の試験時間加熱
保持する。加熱中は温度測定用試料の温度が試験温度±1 ℃にあることを時々確認する(1)。
c) 規定の試験時間加熱後,試験容器を取り出し,デシケーター内に入れる。暗所で室温まで放冷して,
試料及び試験容器底部における析出物の有無を透視して調べる。
参考1. 析出物の有無を調べる場合,蛍光灯などを光源とする透視装置を用いて,試験容器を回しな
がら調べると判定が容易である。
2. 析出物の有無を調べる際,常温で固まる試料については流動性があり,なおかつ透明度を保
っている最低温度で判定してもよい。
8. 試験結果 試験結果は,次による。
a) 2個の試料及び試験容器底部のいずれにも析出物を認めない場合は“析出物なし”,また,いずれにも
析出物を認める場合は“析出物あり”とする。
b) 2個の試料及び試験容器底部のいずれか一方に析出物を認める場合は,再度7.の試験を行い,そのい
ずれにも析出物を認めない場合は“析出物なし”とし,いずれか一方又はいずれにも析出物を認める
場合は“析出物あり”とする。
c) 試験結果には,試験温度及び試験時間を付記する。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
9. 試験結果の報告 試験結果には,次の事項を記載する。
a) JIS規格番号:JIS K 2540
b) 試料名,試料採取場所及び採取年月日
c) 試験方法の名称・箇条番号及び8.によって得られた結果
d) 特記事項
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K 2540 : 2000
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石油試験方法工業標準原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
小 西 誠 一
元防衛大学校
大 嶋 清 治
工業技術院標準部材料規格課
本 城 薫
資源エネルギー庁石油部
高 橋 千 晴
工業技術院計量研究所熱物性部
近 藤 輝 男
工業技術院環境技術総合研究所エネルギー資源部
有 賀 正 夫
社団法人石油学会
中 村 麒久男
社団法人日本海事検定協会
高 野 敏 夫
社団法人自動車技術会
中 西 忠 雄
防衛庁装備局管理調達補給室
福 嶋 信一郎
日本鋼管株式会社鉄鋼技術センター環境・エネルギー部
中 村 準
菱日エンジニアリング株式会社本牧事業所システム開発部
新 倉 正 美
いすゞ自動車株式会社材料開発部
武 藤 敏 夫
東京電力株式会社火力部火力技術センター
君 島 孝 尚
石川島播磨重工業株式会社技術研究所機械要素研究部
金 子 吉 人
東燃株式会社研究技術部
松 崎 昭
日本石油株式会社中央技術研究所
清 宮 健
出光興産株式会社中央研究所物性構造センター
銅 屋 公 一
昭和シェル石油株式会社研究開発部
矢 野 恭 治
株式会社ジャパンエナジー精製部
下 平 武
日本科学機器団体連合会(田中科学機器製作株式会社)
(事務局)
西 川 輝 彦
石油連盟技術環境部
石油試験方法工業標準原案作成分科会 構成表
氏名
所属
(分科会長)
林 明
ゼネラル石油株式会社中央研究所石油製品部
山 本 茂
工業技術院標準部材料規格課
神 園 公 哉
出光興産株式会社中央研究所
近 藤 修
日本石油株式会社中央技術研究所
谷 口 宏
三菱石油株式会社開発研究所
神 保 知 世
東燃株式会社総合研究所分析センター
当 麻 勇
富士石油株式会社袖ヶ浦製油所技術管理部
広 田 義 則
株式会社コスモ総合研究所分析研究室
鈴 木 秀 雄
株式会社ジャパンエナジー商品開発研究所
中 田 亜洲生
昭和シェル石油株式会社中央研究所
大 森 道 昭
日本科学機器団体連合会(株式会社離合社)
下 平 武
日本科学機器団体連合会(田中科学機器製作株式会社)
橘 田 英 男
日本科学機器団体連合会(吉田科学器械株式会社)
近 義 彦
社団法人日本海事検定協会理化学研究所
村 谷 茂 典
財団法人新日本検定協会中央研究所
伊 藤 正 保
社団法人全国石油協会品質管理事業部
原 慎 一
社団法人潤滑油協会中央技術研究所技術1部
(事務局)
古 志 秀 人
石油連盟技術環境部