サイトトップへこのカテゴリの一覧へ

K 2536-2:2003  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,石油連盟(PAJ)から,工業標準原案を具して

日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した

日本工業規格である。 

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案

登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。 

JIS K 2536-2には,次に示す附属書がある。 

附属書(規定)ガスクロマトグラフによる迅速な全成分の求め方 

JIS K 2536の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS K 2536-1 石油製品−成分試験方法 第1部:蛍光指示薬吸着法 

JIS K 2536-2 石油製品−成分試験方法 第2部:ガスクロマトグラフによる全成分の求め方 

JIS K 2536-3 石油製品−成分試験方法 第3部:ガスクロマトグラフによる芳香族の求め方 

JIS K 2536-4 石油製品−成分試験方法 第4部:タンデム式ガスクロマトグラフによる成分の求め方 

JIS K 2536-5 石油製品−成分試験方法 第5部:ガスクロマトグラフによる酸素化合物の求め方 

JIS K 2536-6 石油製品−成分試験方法 第6部:酸素検出式ガスクロマトグラフによる酸素分・酸素

化合物の求め方 

K 2536-2:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

1. 適用範囲 ························································································································ 1 

2. 引用規格 ························································································································ 2 

3. 定義 ······························································································································ 3 

4. 試験の原理 ····················································································································· 3 

5. 試験器及び器具 ··············································································································· 3 

6. 試薬 ······························································································································ 5 

7. 試験の準備 ····················································································································· 5 

7.1 ガスクロマトグラフの調整······························································································· 5 

7.2 保持時間の測定 ············································································································· 8 

7.3 相対補正係数 ················································································································ 9 

8. 試料の採取方法及び調製方法 ···························································································· 11 

9. 試験の手順 ···················································································································· 11 

10. 計算方法及び精度 ········································································································· 23 

10.1 計算方法 ···················································································································· 23 

10.2 精度 ·························································································································· 24 

11. 試験結果の報告············································································································· 25 

附属書(規定)ガスクロマトグラフによる迅速な全成分の求め方·················································· 26 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 2536-2:2003 

石油製品−成分試験方法 

第2部:ガスクロマトグラフによる全成分の求め方 

Liquid petroleum products−Testing method of components 

Part 2: Determination of total components by gas chromatography 

1. 適用範囲 この規格は,JIS K 2254に規定する常圧法蒸留試験方法による終点が250 ℃以下の石油製

品中のベンゼン,トルエン,キシレン,メタノール,エタノール,メチルターシャリーブチルエーテル(以

下,MTBEという。),エチルターシャリーブチルエーテル(以下,ETBEという。)及びその他の炭化水素

成分並びに灯油分をガスクロマトグラフ法で定量する方法について規定する。 

備考1. この規格による定量範囲は,ベンゼン,トルエン,キシレン,メタノール,エタノール,MTBE,

ETBE及びその他の炭化水素成分はそれぞれ0.1容量%以上,灯油分1.0〜5.0容量%である。 

2. この規格は,加鉛ガソリンには適用しない。 

3. この規格は,アルコール類及びエーテル類などの酸素化合物を含む試料に適用できるが,メ

タノール,エタノール,MTBE,ETBE以外の酸素化合物を測定する場合は,その成分の分離

確認,同定及び相対補正係数などを決定してから測定する。 

4. ベンゼン,メタノール,エタノール,MTBE,ETBE及び灯油分の測定は,参考表1のガスク

ロマトグラフによる各試験方法の規定に準じた試験器及び器具を用いてもよい。ただし,試

験結果に疑義が生じたときは,成分認証標準物質を用いて調整した,5.に規定された試験器

及び器具を用いて得られた結果による。 

5. この規格は,危険な試薬,操作及び試験器を用いることがあるが,安全な使用方法をすべて

にわたって規定しているわけではないので,この試験方法の使用者は,試験に先立って,適

切な安全及び健康上の禁止事項を決めておかなければならない。 

参考1. この規格群には,参考表1に示す試験方法がある。 

2. この試験方法は,ISO NWI N-1784:1994,Determination of individual components and groups of 

components in gasoline by high efficiency open tubular column gas chromatography (detailed 

hydrocarbon analysis) を参考にして技術的に不備な箇所を補足して作成した。 

background image

K 2536-2:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

参考表 1 試験方法の種類 

規格群 

種類 

試験する成分 

適用区分 

単位 

適用油種例 

K 2536-1 

蛍光指示薬吸着法 飽和分 

オレフィン分 
芳香族分 

終点が315 ℃以下(1)の
石油製品に適用する。 

容量% 

自動車ガソリン 
航空ガソリン 
航空タービン燃料油 
灯油 

K 2536-2 

ガスクロマトグラ
フによる全成分の
求め方 

全成分 
ベンゼン 
トルエン 
キシレン 
メタノール 
エタノール 
MTBE 
ETBE 
灯油分 

終点が250 ℃以下(1)の
石油製品に適用する。 

質量% 
又は 
容量% 

自動車ガソリン 

附属書(規定) 
ガスクロマトグラ
フによる迅速な全
成分の求め方 

K 2536-3 

ガスクロマトグラ
フによる芳香族の
求め方 

芳香族分 
ベンゼン 
トルエン 
キシレン 

終点が220 ℃以下(1)の
石油製品に適用する。 

自動車ガソリン 
航空ガソリン 

K 2536-4 

タンデム式ガスク
ロマトグラフによ
る成分の求め方 

ベンゼン 
トルエン 
キシレン 
メタノール 
MTBE 
灯油分 

終点が250 ℃以下(1)の
石油製品に適用する。 

容量% 

自動車ガソリン 

K 2536-5 

ガスクロマトグラ
フによる酸素化合
物の求め方 

メタノール 
MTBE 

K 2536-6 

酸素検出式ガスク
ロマトグラフによ
る酸素分・酸素化
合物の求め方 

酸素分 
メタノール 
エタノール 
MTBE 
ETBE 
その他の酸素化合物 

質量%
又は 
容量% 

自動車ガソリン 

注(1) 終点は,JIS K 2254に規定する常圧法蒸留試験方法による。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS K 0114 ガスクロマトグラフ分析通則 

JIS K 0512 水素 

JIS K 1107 高純度窒素 

JIS K 2249 原油及び石油製品−密度試験方法及び密度・質量・容量換算表 

JIS K 2251 原油及び石油製品−試料採取方法 

JIS K 2254 石油製品−蒸留試験方法 

JIS K 2536-3 石油製品−成分試験方法 第3部:ガスクロマトグラフによる芳香族の求め方 

JIS K 2536-6 石油製品−成分試験方法 第6部:酸素検出式ガスクロマトグラフによる酸素分・酸 

素化合物の求め方 

K 2536-2:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS K 8101 エタノール(99.5)(試薬) 

JIS K 8891 メタノール(試薬) 

JIS K 9703 2,2,4-トリメチルペンタン(試薬) 

JIS Q 0034 標準物質生産者の能力に関する一般要求事項 

JIS Q 0035 標準物質の認証−一般的及び総計学的原則 

JIS Z 8401 数値の丸め方 

JIS Z 8402-6 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)−第6部:精確さに関する値の実用的

な使い方 

3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。 

a) パラフィン分 アルカン(炭素と炭素が直鎖状又は枝分かれ状に結合しているもの)の総和。 

備考 直鎖状に結合しているものをノルマルパラフィン,枝分かれ状に結合しているものをイソパラ

フィンという。 

b) オレフィン分 アルケン(炭素と炭素の結合で1か所に二重結合があって直鎖状,枝分かれ状又は環

状に結合しているもの)及びジエン(炭素と炭素の結合で,2か所に二重結合があるもの)の総和。 

c) 飽和ナフテン分 シクロアルカン(炭素と炭素の結合が環状結合しているもの)の総和。単にナフテ

ンともいう。 

d) 不飽和ナフテン分 オレフィン類であって炭素と炭素の結合が環状結合しているものの総和。 

e) 芳香族分 単環又は多環の芳香族炭化水素,芳香族オレフィン炭化水素の総和。 

f) 

灯油分 この試験方法では,n-トリデカン及びn-テトラデカンの合計量(容量%)に係数14を乗じて

算出したもの。 

g) 全成分 ガスクロマトグラフによる全成分の求め方で測定した含有量が0.1容量%以上の成分の総称。 

参考 炭化水素化合物のタイプ分類には,パラフィン類,オレフィン類,ナフテン類及び芳香族類に

分類したPONAと呼ぶ分類法がある。さらに,パラフィン類をノルマルパラフィンとイソパラ

フィンに分けたPiONAと呼ぶ分類法もある。 

4. 試験の原理 試料をキャピラリカラムに導入して各成分を分離及び溶出させる。これを水素炎イオン

化検出器で検出し,クロマトグラム及びピーク面積積分値を記録させる。ピークの保持時間から各成分を

同定し,ピーク面積から補正面積百分率法によってベンゼン,トルエン,キシレン(エチルベンゼンを含

む。),メタノール,エタノール,MTBE,ETBE,を含む全成分の含有量を求める。 

なお,灯油分は,n-トリデカン及びn-テトラデカンの合計量から求める。 

5. 試験器及び器具 試験器及び器具は,次による。 

a) ガスクロマトグラフ 主要部が次の性能を満たす昇温プログラム付きガスクロマトグラフを用いる。 

なお,ガスクロマトグラフに共通する一般事項は,JIS K 0114の規定による。 

1) 試料導入部 試料を手動又は自動によるスプリット方式で導入できるもの。 

2) カラム槽 カラム槽は,5〜200 ℃の範囲を1分間当たり0.1 ℃単位で,多段昇温ができるもの。 

3) カラム カラムは,表1に規定するプレカラムとメインカラムを連結したもの。 

background image

K 2536-2:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表 1 カラム 

メインカラム 

プレカラム 

材質 

溶融シリカ 

溶融シリカ 

内径 mm 

0.25 

0.25 

長さ m 

100 

液相 

メチルシリコン 

5 %フェニルメチルシリコン 

膜の厚さ μm 

0.5 

1.0 

保持係数ペンタン(35 ℃)(2) 

0.44以上 

理論段数ペンタン(35 ℃)(3) 

400 000以上 

分離度(35 ℃)(4) 
1-メチルシクロペンテンとベンゼン 

1.4 以上 

注(2) カラムの保持係数は,6. f)1)の標準物質を表3の試験条件(カラム温度35 ℃)で測定し,次の式によって求

める。 

なお,この測定は,ヘプタンまで行い,残りの成分は無視してもよい(残りの成分は,カラム温度220 ℃で

20分間保って,カラムから溶出させる)。 

M

M

R

t

t

t

K

=

ここに, 

K: 保持係数 

tR: ペンタンの保持時間(min) 

tM: メタンの保持時間(min) 

(3) 理論段数は,注(2)のペンタンのピークから次の式によって求める。 

2

1/2h

R

545

.5

=

W

t

n

ここに, 

n: 理論段数 

W1/2h: ピークの半値幅 

(4) 分離度は,注(2)で測定した1-メチルシクロペンテンとベンゼンのピークから,次の式によって求める。 

)

(

177

.1

)

(2

1/2hM

1/2hB

RM

RB

W

W

t

t

R

+

=

ここに, 

R: 分離度 

tRB: ベンゼンの保持時間(min) 

tRM: 1-メチルシクロペンテンの保持時間(min) 

W1/2hB: ベンゼンの半値幅 

W1/2hM: 1-メチルシクロペンテンの半値幅 

4) 検出器 検出器は,感度0.015クーロン/g以上,最低検出能が炭素5×10-12g/s,直線性107以上の性

能をもつ水素炎イオン化検出器を用いる。 

b) データ処理装置 データ処理装置は,次の性能をもつもの。 

1) 1回の測定で,400以上のピーク処理能力があるもの。 

2) ノイズ及びスパイクが除去できるもの。 

3) 垂線法及び接線法によってピーク面積が分割できるもの。 

4) クロマトグラムを記録するとともに,個々のピークの保持時間及びピーク面積積分値が記録できる

もの。 

5) 相対補正係数で補正した全ピーク面積から各成分の割合(%)が計算できるもの。 

c) マイクロシリンジ 試料導入量(0.1〜0.5 μL)に応じて適切な容量のもの。 

備考 自動試料導入装置を使用してもよい。 

background image

K 2536-2:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

6. 試薬 試薬は,次による。 

a) ヘリウム 純度99.99容量%以上のもの。 

b) 窒素 JIS K 1107に規定するもの。 

備考 検出器の付加ガスは,ヘリウム又は窒素を用いる。 

c) 水素 JIS K 0512に規定するもの。 

d) 空気 乾燥空気を用いる。 

e) メタン 純度50 %以上のもの。 

f) 

標準物質 標準物質は,次による。 

1) 分離確認用標準物質 カラムの性能評価,各成分の分離確認用などに用いるもので,その一例を表

2に示す。 

表 2 分離確認用標準物質(一例) 

単位 質量% 

成分 

濃度 

成分 

濃度 

エタノール 

 8.00 

n-オクタン 

 2.00 

n-ペンタン 

 2.00 

エチルベンゼン 

25.00 

t-ブタノール 

 0.50 

p-キシレン 

 1.00 

2-メチル-2-ブテン 

 2.50 

2,3-ジメチルヘプタン 

 0.20 

2,3-ジメチルブタン 

 0.50 

n-ノナン 

 2.00 

MTBE 

10.00 

5-メチルノナン 

 0.20 

n-ヘキサン 

 2.00 

1-メチル-2-エチルベンゼン 

 0.50 

1-メチルシクロペンテン 

 0.50 

n-デカン 

 1.00 

ベンゼン 

 1.00 

n-ウンデカン 

 0.50 

シクロヘキサン 

28.90 

1,2,3,5-テトラメチルベンゼン 

 0.25 

3-エチルペンタン 

 0.20 

ナフタレン 

 0.50 

1-t,3-ジメチルシクロペンタン 

 0.50 

n-ドデカン 

 0.25 

n-ヘプタン 

 2.00 

1-メチルナフタレン 

 0.25 

2,3,3-トリメチルペンタン 

 0.50 

n-トリデカン 

 0.25 

トルエン 

 7.00 

参考 表2の各成分を混合した分離確認用標準物質は,市販されている。 

2) 成分認証標準物質 保持時間の測定,試験結果の真度の点検などに使用し,JIS Q 0034及びJIS Q 

0035に従って認証されたもの。 

参考 社団法人石油学会から供給されている。 

g) メタノール JIS K 8891に規定するもの。 

h) エタノール JIS K 8101に規定するもの。 

i) 

MTBE 純度99 %以上のもの。 

j) 

ETBE 純度97 %以上のもの。 

k) 2,2,4-トリメチルペンタン JIS K 9703に規定するもの。 

l) 

希釈用ガソリン メタノール,エタノール,MTBE及びETBEの相対補正係数測定試料の調製用で,

メタノール,エタノール,MTBE及びETBEが混入していない市販ガソリンを用いる。 

7. 試験の準備 試験の順備は,次による。 

7.1 

ガスクロマトグラフの調整 ガスクロマトグラフの調整は,次による。 

a) ガスクロマトグラフの取扱説明書に従って設置し,プレカラム,メインカラムの順に連結する。試験

background image

K 2536-2:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

条件は,表3を参考にして設定し,カラムの出口を検出器の入口に接続して系全体に漏れがないかを

調べる。 

なお,設置中及び測定していないときは,カラム温度を35 ℃に設定するのが望ましい。 

表 3 試験条件 

カラム槽昇温プログラム  初期温度 

℃   5 

初期温度保持時間 

min  10 

第一段昇温速度 

℃/min   5.0 

第一段保持温度 

℃  50 

第一段保持時間 

min オクタン溶出後11(約43) 

第二段昇温速度 

℃/min   1.6 

最終温度 

℃ 200 

最終温度保持時間 

min   5 

キャリヤーガス 

種類 

 ヘリウム 

圧力 

kPa 約277(40) 

線速度(5) 

cm/s(35 ℃)  24 

試料導入部 

温度 

℃ 250 

スプリット比(6) 

 100〜200:1 

試料導入量 

μL 0.1〜0.2 

検出器 

種類 

 水素炎イオン化検出器 

温度 

℃ 250 

燃料ガス 

mL/min 水素  30 

助燃ガス 

mL/min 空気 300 

付加ガス 

mL/min ヘリウム又は窒素 20 

注(5) カラム温度35 ℃で,メタン又は天然ガスを導入し,キャリヤーガスの圧力を調整してメ

タンの保持時間が7.00±0.02分であれば,線速度は24 cm/sになり,5 ℃におけるメタン
の保持時間は,6.53分となる。 

(6) キャリヤーガスの流量を最終調整した後,導入部のスプリット流量を調整し,d)に従っ

てスプリッターの直線性を確認してスプリット比を望ましい値にする。 

なお,スプリット比は,次の式によってカラム流量を算出し,実測したスプリット流

量(cm3/min)から求める。 

0

i

P

P

P=

1

1

2

3

3

2

×

=

P

P

J

J

U

U

av

C=

60

C

C

C

×

×

=

A

U

F

C

C

S

p

F

F

F

S

+

=

ここに, 

P: 圧力比 

Pi: ゲージ圧(kPa)+大気圧(kPa) 

P0: 大気圧(101.3 kPa) 

J: 圧力こう配係数(圧縮係数) 

Uc: カラム出口線速度(cm/s) 

Uav: 平均線速度(cm/s) 

Fc: カラム流量(cm3/min) 

K 2536-2:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

Ac: カラム断面積(cm2)[3.14×(カラム内径/2)2] 

Sp: スプリット比 

Fs: スプリット流量(cm3/min) 

備考 表1以外のカラムを使用したときは,表3を参考にしてそのカラムの最適条件に設定す

る。 

b) カラム槽温度を試験条件の最高温度に設定してベースラインが安定するのを待つ。 

c) カラム槽を初期温度まで冷却し,昇温プログラム及び記録計をスタートさせ,空試験でのベースライ

ンが安定していることを確認する。 

d) スプリッターの直線性を次の操作によって確認する。 

1) 6. f)1)の分離確認用標準物質を注(6)で調整したスプリット比にして,9.に従って測定し,10.1に

よって各成分を求める。 

2) 1)で求めた測定値と標準値から,次の式によって相対誤差を算出する。 

100

×

標準値

測定値−標準値

相対誤差(%)=

3) 各成分の相対誤差が3 %以下であれば,直線性の範囲とする。 

なお,相対誤差が3 %を超える場合は,スプリット流量を再調整し,1)及び2)によってスプリ

ッターの直線性を確認する。 

備考 スプリッターの直線性は,次の操作によって確認してもよい。 

1) 50 mLの共栓付きフラスコにn-ペンタン及びn-ウンデカンをそれぞれ5質量%になるよう

に1 mgのけたまではかり採り,2,2,4-トリメチルペンタンで希釈して約20 gの直線性確認

試料を調製する。n-ペンタン及びn-ウンデカンの調合値(質量%)を計算する。 

2) 直線性確認試料をカラム温度5〜200 ℃まで5 ℃/minの条件で測定する。n-ペンタン及び

n-ウンデカンの測定値を10.1によって求める。 

3) 2)と同様に測定値と標準値(調合値)を比較して相対誤差を求め,3 %以下であれば直線

性の範囲とみなす。 

なお,相対誤差が3 %を超える場合は,3)と同様にスプリット流量を再調整する。 

e) あらかじめ約4 ℃に冷却した6. f)1)の分離確認用標準物質を表3の試験条件で測定して,表4に示

す成分間の分離及び保持指数(7)を確認する。また,ETBEと3,3-ジメチル-1-ペンテンの分離も同様に

確認する。 

なお,表4の成分間の分離が不完全なときは,表3の試験条件のカラム槽昇温プログラムを変更し,

試験条件の最適化を行う。 

background image

K 2536-2:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表 4 分離確認成分及び保持指数 

分離確認成分 

保持指数 

メタノールとイソブタン,1-ブテン及びイソブチレン 

メタノール 
イソブタン 
イソブチレン 

: 380.0 
: 366.0 
: 392.0 

エタノールと3-メチル-1-ブテン 

エタノール 
3-メチル-1-ブテン 

: 455.6 
: 460.5 

t-ブタノールはc-2-ペンテンと2-メチル-2-ブテンの間 

c-2-ペンテン 
t-ブタノール 

2-メチル-2-ブテン 

: 519.7 
: 522.8 
: 525.0 

MTBEは2,3ジメチルブタンと2-メチルペンタンの間 

2,3ジメチルブタン 
MTBE 
2-メチルペンタン 

: 569.6 
: 571.3 
: 574.1 

ETBEと3,3-ジメチル-1-ペンテン 

ETBE 
3,3-ジメチル-1-ペンテン 

: 620.0 
: 621.2 

1-メチルシクロペンテンとベンゼン 

1-メチルシクロペンテン 
ベンゼン 

: 648.4 
: 649.4 

P-キシレンと2,3ジメチルヘプタン 

P-キシレン 

2,3ジメチルヘプタン 

: 866.3 
: 867.2 

5-メチルノナンと1,2-メチルエチルベンゼン 

5-メチルノナン 
1,2-メチルエチルベンゼン 

: 968.8 
: 970.0 

1-メチルナフタレンとn-トリデカン 

1-メチルナフタレン 

n-トリデカン 

:1 297.6 
:1 300.0 

注(7) 保持指数は,次の式によって算出する。 

n

t

t

t

t

RI

100

100

)

log(

)

log(

)

log(

)

log(

n

1

n

n

i

i

+

×

=

+

ここに, 

RIi: 成分iの保持指数(コバット保持指数) 

n: 成分iの直前に溶出するn-パラフィンの炭素数 

ti: 成分iの補正保持時間(成分iの保持時間−メタンの保持時間) 

tn: 成分iの直前に溶出するn-パラフィンの補正保持時間(成分i

の直前に溶出するn-パラフィンの保持時間−メタンの保持時
間) 

tn+1: 成分iの直後に溶出するn-パラフィン(炭素数n+1)の補正

保持時間(成分iの直後に溶出するn-パラフィンの保持時間−
メタンの保持時間) 

備考 分離確認は,6. f)2)の成分認証標準物質を測定し,ベンゼン,トルエン,キシレン,メタノ

ール,エタノール,MTBE,ETBE,n-トリデカン及びn-テトラデカンが他成分と分離している

かを調べることができる。 

f) 

メタノールのピークを次の操作によって確認する。 

1) 100 mLの共栓付きフラスコにメタノールを0.1質量%になるように1 mgのけたまではかり採り,

2,2,4-トリメチルペンタンで希釈して約100 gのピーク確認用試料を調製する。 

2) ピーク確認用試料を表3の試験条件で測定して,メタノールのピークが検出されることを確認する。 

なお,確認できなかった場合は,試料導入量,スプリット比及びデータ処理装置の感度を再調整

する。 

7.2 

保持時間の測定 保持時間の測定は,7.1によって調整した試験条件で,6. f)の標準物質などを導

入して,クロマトグラム上の試料導入時から各成分のピーク頂点までの時間を読み取る。 

background image

K 2536-2:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

なお,この操作は,カラム,試験条件などを変更しない限り,一度行っておけばよい。 

参考 保持時間の測定は,参考表2に示した保持指数を参考にするとよい。 

7.3 

相対補正係数 相対補正係数は,次による。 

a) 炭化水素の相対補正係数 炭化水素の検出器応答の違いを補正する相対補正係数は,ヘプタンを基準

にして次の式によって求める。この式によって算出した主要成分の相対補正係数を表5に示す。 

なお,未同定成分の相対補正係数は,1.000 0を用いる。 

05

839

.0

)

(

)

(

n

aw

n

aw

n

aw

×

×

×

+

×

=

C

C

H

H

C

C

Fh

ここに, 

Fh: 炭化水素族の相対補正係数 

Caw: 炭素の原子量(12.011) 

Cn: その族における炭素原子の数 

Haw: 水素の原子量(1.008) 

Hn: その族における水素原子の数 

0.839 05: ヘプタンを基準(1.000 0)にしたときの補正係数 

表 5 相対補正係数 

炭素数 

パラフィン類 

オレフィン類 

飽和ナフテン類 

不飽和ナフテン類 

芳香族類 

1.120 7 

− 

− 

− 

− 

1.050 3 

− 

− 

− 

− 

1.026 8 

0.979 9 

− 

− 

− 

1.015 1 

− 

− 

− 

1.008 0 

0.979 9 

0.951 7 

− 

1.003 4 

0.956 4 

0.909 5 

1.000 0 

0.959 8 

0.919 5 

0.997 5 

0.962 3 

0.927 1 

0.995 5 

0.964 2 

0.932 9 

10 

0.994 0 

0.965 8 

0.937 6 

11 

0.992 7 

0.967 1 

0.941 5 

12 

0.991 6 

0.968 1 

0.944 7 

13 

0.990 7 

0.969 0 

0.947 4 

14 

0.989 9 

0.969 8 

0.949 7 

15 

0.989 3 

0.970 5 

0.951 7 

備考 表5中のオレフィン類はモノオレフィン類,飽和ナフテン類は単環飽和炭化水素類,不飽和ナフテン類は

単環モノオレフィン類,芳香族類は一環芳香族類の相対補正係数を示す。 

b) メタノール,エタノール,MTBE及びETBEの相対補正係数 メタノール,エタノール,MTBE及び

ETBEの検出器応答の違いを補正する相対補正係数は,次の操作によって求める。 

1) メタノール,エタノール,MTBE及びETBEの相対補正係数測定試料の調製 4個の50 mL共栓付

き三角フラスコに表6に示す成分を1 mgのけたまでメタノール用,MTBE用,エタノール及びETBE

用を別々にはかり採り,それぞれ約20 gの相対補正係数測定試料を調製する。各成分の濃度(質量%)

を計算し,JIS Z 8401の規定によって丸めの幅を0.000 1に丸める。 

background image

10 

K 2536-2:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表 6 メタノール,エタノール,MTBE及びETBEの相対補正係数測定試料 

単位 質量% 

成分 

混合割合 

メタノール用 

エタノール用 

MTBE用 

ETBE用 

メタノール 

− 

− 

− 

エタノール 

− 

− 

− 

MTBE 

− 

− 

− 

ETBE 

− 

− 

− 

希釈用ガソリン 

99 

95 

93 

95 

2) メタノール,エタノール,MTBE及びETBEの相対補正係数の測定 この測定は,次の2.1)〜2.4)

によって行う。 

2.1) 相対補正係数測定試料0.1〜0.2 μLをマイクロシリンジに採り,7.1によって調整した試験条件で

試験を開始する。 

2.2) 相対補正係数測定試料の全成分が溶出し,クロマトグラムの記録が終了した後,ピーク面積積分

値を出力させる。 

2.3) 各ピークの保持時間を7.2で求めた保持時間と比較し,全成分を同定する。 

2.4) 4種類の相対補正係数測定試料を測定し,メタノール,エタノール,MTBE及びETBEのピーク面

積積分値から次の式によって,相対補正係数をJIS Z 8401の規定によって丸めの幅を0.000 1に丸

める。 

)

100

(

)

(

sw

s

sw

1

i

i

s

C

A

C

f

A

f

n

i

×

×

=∑

=

ここに, 

fs: 各成分の相対補正係数 

As: 各成分のピーク面積積分値 

Csw: 各成分の濃度(質量%) 

Ai: 成分iのピーク面積積分値(各成分を除く。) 

fi: 成分iの相対補正係数(各成分を除く。) 

n: 全ピーク数(各成分を除く。) 

備考1. メタノール,エタノール,MTBE及びETBEのピークが他の成分と重複した場合は,次によ

ってこれらのピーク面積積分値を求める。 

a) 希釈用ガソリンだけを測定し,重複成分とその近くにある構造の似た第3成分のピーク

を選び,次の式によってピーク面積比を求める。 

2

1

A

A

f=

ここに, 

f: ピーク面積比 

A1: 重複成分のピーク面積積分値 

A2: 第3の成分ピーク面積積分値 

b) 相対補正係数測定試料を測定し,メタノールなどのピーク面積積分値を次の式によって

求める。 

f

A

A

A

×

=

4

3

s

ここに, As: メタノールなどの面積積分値 

11 

K 2536-2:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

A3: メタノールなどと重複したピーク面積積分値 

A4: 第3成分のピーク面積積分値 

f: a)で求めたピーク面積比 

2. メタノール,エタノール,MTBE及びETBE以外の酸素化合物も7.3 b)の操作に準じて求め

ることができる。 

8. 試料の採取方法及び調製方法 試料は,JIS K 2251に規定する一次試料の採取方法及び二次試料の調

製方法によるか,又はそれに準じた方法によって採取及び調製する。 

9. 試験の手順 試験の手順は,次による。 

a) 7.1によって,ガスクロマトグラフが正しく調整されていることを確認し,カラム槽を初期温度まで冷

却する。 

b) あらかじめ約4 ℃に冷却した試料0.1〜0.2 μLをマイクロシリンジで導入し,昇温プログラム及びデ

ータ処理装置を始動させる。 

クロマトグラムの一例を図1に示す。 

c) 試料の全成分を溶出させて,クロマトグラム及びピーク面積積分値を記録する。 

d) 各ピークの保持時間を7.2で求めた保持時間と比較し,全成分を同定する。 

備考1. 参考表2に示した保持指数を用いて同定してもよい。 

2. 試料によっては,トルエンと2,3,3-トリメチルペンタンのピークが重なることがある。ピー

クが重なって,トルエンの測定値に疑義が生じたときは,JIS K 2536-3によって得られた結

果による。 

3. 試料によっては,ETBEと3,3-ジメチル-1-ペンテン又は3-メチル-t-2-ペンテンのピークが重

なることがある。この場合は,次の式によってETBEのピーク面積積分値を求める。 

53

.1

MP

ED

E

×

=

A

A

A

ここに, 

AE: ETBEの面積積分値 

AED: 重複したピーク面積積分値 

AMP: 3-メチル-c-2ペンテンのピーク面積積分値 

1.53: 3,3-ジメチル-1-ペンテン又は3-メチル-t-2-ペンテンのピーク

面積積分値を推定するための係数 

background image

12 

K 2536-2:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図 1 ガスクロマトグラフの一例 

background image

13 

K 2536-2:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図 1 ガスクロマトグラフの一例(続き) 

background image

14 

K 2536-2:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図 1 ガスクロマトグラフの一例(続き) 

background image

15 

K 2536-2:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図 1 ガスクロマトグラフの一例(続き) 

background image

16 

K 2536-2:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図 1 ガスクロマトグラフの一例(続き) 

background image

17 

K 2536-2:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

参考表 2 全成分の保持指数 

成分 

保持指数 

メタン 

100.00 

エチレン 

178.10 

エタン 

200.00 

プロピレン 

283.00 

プロパン 

300.00 

イソブタン 

366.00 

メタノール 

380.00 

1-ブテン 

389.20 

イソブチレン 

392.00 

1,3-ブタジエン 

395.00 

n-ブタン 

400.00 

ビニルアセチレン 

407.15 

t-2-ブテン 

412.00 

2,2-ジメチルプロパン 

414.70 

c-2-ブテン 

427.50 

1,2-ブタジエン 

450.00 

エタノール 

455.60 

3-メチル-1-ブテン 

460.55 

イソペンタン 

477.20 

アセトン 

477.25 

1,4-ペンタジエン 

481.50 

2-ブチン 

488.00 

1-ペンテン 

490.80 

イソプロパノール 

494.15 

2-メチル-1-ブテン 

496.80 

n-ペンタン 

500.00 

イソプレン 

506.00 

t-2-ペンテン 

510.80 

3,3-ジメチル-1-ブテン 

516.90 

c-2-ペンテン 

519.75 

t-ブタノール 

522.80 

2-メチル-2-ブテン 

525.20 

1-t,3-ペンタジエン 

528.20 

3-メチル-1,2-ブタジエン 

535.50 

シクロペンタジエン 

538.10 

2,2-ジメチルブタン 

540.60 

1-c,3-ペンタジエン 

541.20 

シクロペンテン 

557.45 

n-プロパノール 

561.40 

4-メチル-1-ペンテン 

562.45 

3-メチル-1-ペンテン 

563.25 

シクロペンタン 

567.05 

2,3-ジメチルブタン 

569.60 

MTBE 

571.30 

4-メチル-c-2-ペンテン 

573.20 

2-メチルペンタン 

574.10 

background image

18 

K 2536-2:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

参考表 2 全成分の保持指数(続き) 

成分 

保持指数 

2,3-ジメチル-1-ブテン 

574.15 

4-メチル-t-2-ペンテン 

576.05 

2-メチル-1,4-ペンタジエン 

578.00 

1,5-ヘキサジエン 

581.60 

3-メチルペンタン 

585.70 

2-メチル-1-ペンテン 

590.35 

1-ヘキセン 

591.20 

2-ブタノール 

594.60 

2-エチル-1-ブテン 

598.80 

n-ヘキサン 

600.00 

ジイソプロピルエーテル 

602.10 

t-3-ヘキセン 

603.10 

c-3-ヘキセン 

603.75 

t-2-ヘキセン 

605.70 

2-メチル-2-ペンテン 

608.20 

3-メチル-c-2-ペンテン 

610.45 

3-メチルシクロペンテン 

611.60 

c-2-ヘキセン 

614.75 

ETBE 

620.00 

3,3-ジメチル-1-ペンテン 

621.25 

3-メチル-t-2-ペンテン 

622.30 

イソブタノール 

622.40 

4,4-ジメチル-t-2-ペンテン 

623.10 

2,2-ジメチルペンタン 

624.15 

メチルシクロペンタン 

625.60 

2,4-ジメチルペンタン 

630.75 

2,3,3-トリメチル-1-ブテン 

631.65 

2,2,3-トリメチルブタン 

635.10 

3,4-ジメチル-1-ペンテン 

642.90 

4,4-ジメチル-c-2-ペンテン 

646.70 

2,4-ジメチル-1-ペンテン 

647.50 

1-メチルシクロペンテン 

648.40 

ベンゼン 

649.40 

3-エチル-1-ペンテン 

650.00 

n-ブタノール 

650.05 

3-メチル-1-ヘキセン 

651.00 

2-メチル-c-3-ヘキセン 

652.80 

3,3-ジメチルペンタン 

654.40 

5-メチル-1-ヘキセン 

655.90 

シクロヘキサン 

657.40 

2-メチル-t-3-ヘキセン 

661.00 

2-エチル-3-メチル-1-ブテン 

663.00 

4-メチル-1-ヘキセン 

664.00 

4-メチル-t/c-2-ヘキセン 

666.40 

2-メチルヘキサン 

667.60 

2-3-ジメチルペンタン 

668.75 

background image

19 

K 2536-2:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

参考表 2 全成分の保持指数(続き) 

成分 

保持指数 

5-メチル-t-2-ヘキセン 

670.00 

1,1-ジメチルシクロペンタン 

671.00 

t-アミルメチルエーテル 

672.50 

シクロヘキセン 

673.40 

3-メチルヘキサン 

675.90 

1,6-ヘプタジエン 

677.40 

3,4-ジメチル-c-2-ペンテン 

679.50 

5-メチル-c-2-ヘキセン 

680.00 

1-c,3-ジメチルシクロペンタン 

681.40 

1-t,3-ジメチルシクロペンタン 

684.10 

3-エチルペンタン 

685.75 

1-t,2-ジメチルシクロペンタン 

686.95 

2,2,4-トリメチルペンタン 

688.30 

1-ヘプテン 

688.50 

2-エチル-1-ペンテン 

689.50 

1,5-ヘプタジエン 

691.60 

3-メチル-c-3-ヘキセン 

694.80 

t-3-ヘプテン 

698.45 

n-ヘプタン 

700.00 

c-3-ヘプテン 

701.00 

2-メチル-2-ヘキセン 

701.30 

3-メチル-c-2-ヘキセン 

702.50 

3-メチル-t-3-ヘキセン 

703.20 

t-2-ヘプテン 

704.70 

3-エチル-2-ペンテン 

706.00 

c-2-ヘプテン 

708.80 

3-メチル-t-2-ヘキセン 

709.50 

2,3-ジメチル-2-ペンテン 

711.70 

3-エチルシクロペンテン 

712.70 

1-c,2-ジメチルシクロペンタン 

716.40 

メチルシクロヘキサン 

717.40 

2,2-ジメチルヘキサン 

720.35 

1,1,3-トリメチルシクロペンタン 

720.40 

エチルシクロペンタン 

728.50 

2,5-ジメチルヘキサン 

730.00 

2,2,3-トリメチルペンタン 

730.90 

2,4-ジメチルヘキサン 

731.90 

1-c,2-t,4-トリメチルシクロペンタン 

736.80 

3,3-ジメチルヘキサン 

738.20 

1-t,2-c,3-トリメチルシクロペンタン 

744.20 

2,3,4-トリメチルペンタン 

746.60 

トルエン 

751.45 

2,3,3-トリメチルペンタン 

751.47 

2,3-ジメチルヘキサン 

757.70 

2-メチル-3-エチルペンタン 

758.90 

1,1,2-トリメチルシクロペンタン 

760.30 

background image

20 

K 2536-2:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

参考表 2 全成分の保持指数(続き) 

成分 

保持指数 

2-メチルヘプタン 

764.00 

2-エチル-1-ヘキセン 

764.02 

4-メチルヘプタン 

765.60 

3-メチル-3-エチルペンタン 

766.50 

3,4-ジメチルヘキサン 

767.20 

1-c,2-c,4-トリメチルシクロペンタン 

768.75 

1-c,3-ジメチルシクロヘキサン 

769.80 

3-メチルヘプタン 

771.60 

1-c,2-t,3-トリメチルシクロペンタン 

772.60 

3-エチルヘキサン 

773.40 

1-t,4-ジメチルシクロヘキサン 

774.50 

1,3-オクタジエン 

777.10 

1,1-ジメチルシクロヘキサン 

780.10 

2,2,5-トリメチルヘキサン 

783.00 

3-c-エチルメチルシクロペンタン 

784.05 

2,6-ジメチル-1-ヘプテン 

785.20 

3-t-エチルメチルシクロペンタン 

786.20 

2-t-エチルメチルシクロペンタン 

787.50 

1-オクテン 

787.60 

1,1-メチルエチルシクロペンタン 

789.20 

2,2,4-トリメチルヘキサン 

790.90 

1-t,2-ジメチルシクロヘキサン 

792.30 

t-4-オクテン 

794.25 

3,5,5-トリメチル-1-ヘキセン 

795.00 

t-3-オクテン 

796.00 

1-c,2-c,3-トリメチルシクロペンタン 

797.20 

1-t,3-ジメチルシクロヘキサン 

798.40 

n-オクタン 

800.00 

1-c,4-ジメチルシクロヘキサン 

801.50 

3,3-ジメチル-1-ヘプテン 

802.50 

2-オクテン 

805.00 

イソプロピルシクロペンタン 

808.50 

2,4,4-トリメチルヘキサン 

809.00 

2,2,3,4-テトラメチルペンタン 

817.90 

2,3,4-トリメチルヘキサン 

819.20 

2,3,3-トリメチル-1-ヘキセン 

826.00 

1-c,2-ジメチルシクロヘキサン 

827.50 

2,3,5-トリメチルヘキサン 

828.80 

2,2-ジメチルヘプタン 

831.40 

1,1,4-トリメチルシクロヘキサン 

834.20 

2,2,3-トリメチルヘキサン 

837.10 

2,4-ジメチルヘプタン 

838.40 

4,4-ジメチルヘプタン 

840.60 

エチルシクロヘキサン 

842.20 

n-プロピルシクロペンタン 

843.40 

1-c,3-c,5-トリメチルシクロヘキサン 

844.02 

background image

21 

K 2536-2:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

参考表 2 全成分の保持指数(続き) 

成分 

保持指数 

2,6-ジメチルヘプタン 

845.30 

2,5-ジメチルヘプタン 

846.50 

3,5-ジメチルヘプタン 

847.50 

3,3-ジメチルヘプタン 

849.00 

1,1,3-トリメチルシクロヘキサン 

850.80 

2,4-ジメチル-1-ヘプテン 

853.70 

エチルベンゼン 

856.50 

1-c,2-t,4-t-トリメチルシクロヘキサン 

858.20 

2-メチル-1-オクテン 

862.20 

2-メチル-2-オクテン 

863.90 

1,3-ジメチルベンゼン 

865.40 

1,4-ジメチルベンゼン 

866.30 

2,3-ジメチルヘプタン 

867.20 

3,4-ジメチルヘプタン 

868.80 

3,4-ジメチルヘプタン 

869.50 

4-エチルヘプタン 

873.50 

4-メチルオクタン 

874.50 

2-メチルオクタン 

875.40 

1-c,2-t,3-トリメチルシクロヘキサン 

878.35 

3-エチルヘプタン 

879.55 

3-メチルオクタン 

880.60 

3,3-ジエチルペンタン 

880.62 

1-c,2-t,4-c-トリメチルシクロヘキサン 

882.10 

1,1,2-トリメチルシクロヘキサン 

882.80 

1,2-ジメチルベンゼン 

883.70 

1-ノネン 

891.00 

イソブチルシクロペンタン 

892.00 

t-7-メチル-3-オクテン 

895.02 

c-2-ノネン 

897.65 

t-3-ノネン 

899.00 

n-ノナン 

900.00 

1,1-メチルエチルシクロヘキサン 

901.30 

3,7-ジメチル-1-オクテン 

902.90 

t-2,2,5,5-テトラメチル-3-ヘキセン 

906.70 

イソプロピルベンゼン 

912.00 

c-3-ノネン 

915.00 

イソプロピルシクロヘキサン 

917.10 

2,2-ジメチルオクタン 

920.95 

2,4-ジメチルオクタン 

924.00 

2,6-ジメチルオクタン 

930.35 

2,5-ジメチルオクタン 

932.20 

n-ブチルシクロペンタン 

935.60 

3,3-ジメチルオクタン 

941.80 

n-プロピルベンゼン 

945.75 

3,6-ジメチルオクタン 

946.90 

3-メチル-5-エチルヘプタン 

948.90 

background image

22 

K 2536-2:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

参考表 2 全成分の保持指数(続き) 

成分 

保持指数 

1,3-メチルエチルベンゼン 

953.80 

1,4-メチルエチルベンゼン 

955.70 

1,3,5-トリメチルベンゼン 

961.20 

2,3-ジメチルオクタン 

961.90 

5-メチルノナン 

968.85 

1,2-メチルエチルベンゼン 

970.00 

2-メチルノナン 

971.30 

3-エチルオクタン 

973.90 

3-メチルノナン 

976.75 

3-エチル-2-メチル-2-ヘプテン 

978.72 

1,2,4-トリメチルベンゼン 

983.00 

t-ブチルベンゼン 

983.02 

イソブチルシクロヘキサン 

986.20 

1-デセン 

992.50 

2,3-ジメチル-2-オクテン 

993.80 

1-t-メチル-2-n-プロピルシクロヘキサン 

994.60 

イソブチルベンゼン 

995.70 

sec-ブチルベンゼン 

998.20 

n-デカン 

1 000.00 

1,2,3-トリメチルベンゼン 

1 006.70 

1,3-メチルイソプロピルベンゼン 

1 009.70 

1,4-メチルイソプロピルベンゼン 

1 013.00 

2,3-ジヒドロインデン 

1 019.00  

sec-ブチルシクロヘキサン 

1 022.10 

1,2-メチルイソプロピルベンゼン 

1 027.50 

3-エチルノナン 

1 029.30 

1,3-ジエチルベンゼン 

1 039.80 

1,3-メチル-n-プロピルベンゼン 

1 042.45 

1,4-ジエチルベンゼン 

1 045.25 

1,4-メチル-n-プロピルベンゼン 

1 046.25 

n-ブチルベンゼン 

1 047.30 

1,3-ジメチル-5-エチルベンゼン 

1 049.55 

1,2-ジエチルベンゼン 

1 051.50 

t-デカヒドロナフタレン 

1 052.90 

1,2-メチル-n-プロピルベンゼン 

1 057.50 

1,4-ジメチル-2-エチルベンゼン 

1 067.80 

1,3-ジメチル-4-エチルベンゼン 

1 069.45 

1,2-ジメチル-4-エチルベンゼン 

1 075.10 

1,3-ジメチル-2-エチルベンゼン 

1 080.65 

1-ウンデセン 

1 090.40 

1,4-メチル-t-ブチルベンゼン 

1 091.95 

1,2-ジメチル-3-エチルベンゼン 

1 093.05 

1,2-エチルイソプロピルベンゼン 

1 097.20 

n-ウンデカン 

1 100.00 

1,4-エチルイソプロピルベンゼン 

1 102.65 

1,2,4,5-テトラメチルベンゼン 

1 104.90 

background image

23 

K 2536-2:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

参考表 2 全成分の保持指数(続き) 

成分 

保持指数 

1,2-メチル-n-ブチルベンゼン 

1 107.30 

1,2,3,5-テトラメチルベンゼン 

1 108.75 

1,2-メチル-t-ブチルベンゼン 

1 122.80 

5-メチルインダン 

1 127.25 

4-メチルインダン 

1 133.45 

1,2-エチル-n-プロピルベンゼン 

1 136.35 

2-メチルインダン 

1 138.00 

1,3-メチル-n-ブチルベンゼン 

1 140.55 

1,3-ジイソプロピルベンゼン 

1 142.55 

s-アミルベンゼン 

1 144.05 

n-アミルベンゼン 

1 149.00 

1,2-ジイソプロピルベンゼン 

1 153.00 

1,4-ジイソプロピルベンゼン 

1 159.25 

テトラヒドロナフタレン 

1 163.20 

ナフタレン 

1 168.20 

1-t-ブチル-3,5-ジメチルベンゼン 

1 169.05 

1,4-エチル-t-ブチルベンゼン 

1 173.80 

1,3-ジ-n-プロピルベンゼン 

1 189.00 

1-ドデセン 

1 192.40 

n-ドデカン 

1 200.00 

1,3,5-トリエチルベンゼン 

1 211.70 

1,2,4-トリエチルベンゼン 

1 230.40 

1,4-メチル-n-アミルベンゼン 

1 241.60 

n-ヘキシルベンゼン 

1 252.50 

1,2,3,4,5-ペンタメチルベンゼン 

1 274.00 

2-メチルナフタレン 

1 282.50 

1-トリデセン 

1 290.30 

1-メチルナフタレン 

1 297.60 

n-トリデカン 

1 300.00 

10. 計算方法及び精度 計算方法及び精度は,次による。 

10.1 計算方法 計算方法は,次による。 

a) 炭化水素化合物及び酸素化合物の含量は,同定した各成分のピーク面積積分値から次の式によって,

それぞれの含有率を求め,JIS Z 8401の規定によって丸めの幅を0.1に丸める。ただし,n-トリデカン

及びn-テトラデカンは,丸めの幅を0.01に丸める。 

100

)

(

1

i

i

i

i

iw

×

×

×

=∑

=

n

i

f

A

f

A

C

ここに, Ciw: 成分iの含量(質量%) 
 

Ai: 成分iのピーク面積積分値 

fi: 成分iの相対補正係数(7.3の相対補正係数を用いる。) 

n: 全ピーク数 

b) a)で求めた各成分の含量を容量%で算出する場合は,次の式によって算出し,JIS Z 8401の規定によ

って丸めの幅を0.1に丸める。ただし,n-トリデカン及びn-テトラデカンは,丸めの幅を0.01に丸め

background image

24 

K 2536-2:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

る。 

i

iw

iv

d

d

C

C

×

=

ここに, 

Civ: 成分iの含量(容量%) 

Ciw: 成分iの含量(質量%) 

d: 試料の15 ℃の密度(g/cm3) 

di: 成分iの15 ℃の密度(g/cm3) 

なお,試料及び成分iの密度は,JIS K 2249の規定によって測定し,メタノール,エタノール,MTBE, 

ETBE,n-トリデカン及びn-テトラデカンの密度は,表7を用いる。 

表 7 各成分の密度 

単位 g/cm3 

成分 

密度 15 ℃ 

メタノール 

0.796 

エタノール 

0.795 

MTBE 

0.745 

ETBE 

0.746 

n-トリデカン 

0.756 

n-テトラデカン 

0.762 

備考 芳香族炭化水素の密度は,JIS K 2536-3に規定しているものを用いることができる。また,成

分iの密度はほかの文献値を用いることができる。 

c) 灯油分は,b)で求めたn-トリデカン及びn-テトラデカンの合計量(容量%)に係数14(8)を乗じて,

JIS Z 8401の規定によって丸めの幅を0.1に丸める。ただし,灯油分が1.0容量%未満の場合はすべて

1.0容量%未満とする。 

注(8) 市販灯油中のn-トリデカンとn-テトラデカンの合計量の平均値に,市販灯油間のこれらの成分

のばらつき(3シグマ限界)を考慮して算出した係数。 

d) 各成分を炭化水素タイプ別に集計する場合は,質量%又は容量%の集計結果をJIS Z 8401の規定によ

って丸めの幅を0.1に丸める。 

e) 各酸素化合物の酸素量(質量%)は,次の式で算出できる。各酸素化合物の酸素含有率は,JIS K 2536-6 

10. b)1)による。 

x

iw

iw

O

C

O

×

=

ここに, Oiw: 成分iの酸素分(質量%) 
 

Ciw: 成分iの含量(質量%) 

Ox: 成分iの酸素含有率 

10.2 精度 この試験法によって得られたベンゼン,トルエン,キシレン,メタノール,エタノール,MTBE,

ETBE及び灯油分の試験結果の許容差(確率0.95)は,次による。その他の成分については精度を規定し

ない。 

備考 試験結果が許容差を外れた場合には,JIS Z 8402-6の規定によって処理する。 

a) 室内併行精度 同一試験室において,同一人が同一試験器で,引き続き短時間内に同一試料を2回試

験したときの試験結果の差の許容差を表8に示す。 

b) 室間再現精度 異なる2試験室において,別人が別の試験器で,同一試料をそれぞれ1回試験したと

き,2個の試験結果の差の許容差を表8に示す。 

background image

25 

K 2536-2:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表 8 精度 

単位 容量% 

成分 

濃度範囲 

室内併行許容差 

室間再現許容差 

ベンゼン 

0.5〜5 

0.03X+0.02 

0.10X+0.05 

トルエン 

5〜25 

0.05X 

0.13X 

キシレン 

3〜15 

0.07X+0.15 

0.14X+0.30 

メタノール 

0.5〜3 

0.09X+0.13 

0.19X+0.13 

エタノール 

1〜10 

0.019X+0.05 

0.059X+0.20 

MTBE 

2〜10 

0.03X+0.10 

0.10X+0.31 

ETBE 

1〜10 

0.011X+0.02 

0.086X+0.11 

灯油分 

1〜5 

0.09X+0.16 

0.25X+0.31 

備考1. Xは,試験結果の平均値。 

2. トルエンと2,3,3-トリメチルペンタンのピークが重なる場合,トルエンの精度は適用でき

ない。 

11. 試験結果の報告 試験結果には,次の事項を記載する。 

a) 試料名,採取場所及び採取年月日 

b) 日本工業規格番号:JIS K 2536-2 

c) 10.1によって得られた結果 

d) 特記事項 

26 

K 2536-2:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書(規定)ガスクロマトグラフによる迅速な全成分の求め方 

1. 適用範囲 この附属書は,ガソリン中のベンゼン,トルエン,キシレン,メタノール,エタノール,

メチルターシャリーブチルエーテル(以下,MTBEという。),エチルターシャリーブチルエーテル(以下,

ETBEという。),灯油分及びその他の炭化水素をガスクロマトグラフ法で定量する方法について規定する。 

なお,この方法はJIS K 2254に規定する常圧蒸留性状の終点が250 ℃以下の石油製品に適用する。 

備考1. この試験方法によって得られたベンゼン,トルエン,キシレン,メタノール,エタノール,

MTBE,ETBE,灯油分及びその他の炭化水素の試験結果に疑義が生じたときは,本体試験方

法によって得られた結果による。 

2. この規格は,アルコール類及びエーテル類などの酸素化合物を含む試料に適用できるが,メ

タノール,エタノール,MTBE,ETBE以外の酸素化合物を測定する場合は,その成分の分離

確認,同定及び相対補正係数などを決定してから測定する。 

参考 この附属書は,本体試験方法の試験時間を短縮することを目的に作成した。 

2. 引用規格 引用規格は本体2.による。 

3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。 

a) パラフィン分 アルカン(炭素と炭素が直鎖状又は枝分かれ状に結合しているもの)の総和。 

備考 直鎖状に結合しているものをノルマルパラフィン,枝分かれ状に結合しているものをイソパラ

フィンという。 

b) オレフィン分 アルケン(炭素と炭素の結合で1か所に二重結合があって直鎖状,枝分かれ状又は環

状に結合しているもの)及びジエン(炭素と炭素の結合で,2か所に二重結合があるもの)の総和。 

c) 飽和ナフテン分 シクロアルカン(炭素と炭素の結合が環状結合しているもの)の総和。単にナフテ

ンともいう。 

d) 不飽和ナフテン分 オレフィン類であって炭素と炭素の結合が環状結合しているものの総和。 

e) 芳香族分 単環又は多環の芳香族炭化水素,芳香族オレフィン炭化水素の総和。 

f) 

灯油分 この試験方法では,n-トリデカン及びn-テトラデカンの合計量(容量%)に係数14を乗じて

算出したもの。 

g) 全成分 ガスクロマトグラフによる迅速な全成分の求め方で測定した含有量が0.1容量%以上の成分

の総称。 

参考 炭化水素化合物のタイプ分類には,パラフィン類,オレフィン類,ナフテン類及び芳香族類に

分類したPONAと呼ぶ分類法がある。さらに,パラフィン類をノルマルパラフィンとイソパラ

フィンに分けたPiONAと呼ぶ分類法もある。 

4. 試験の原理 メチルシリコーン系カラム液相(無極性)をコーティングしたキャピラリーカラムに試

料を導入し,ガソリン中の成分を分離,溶出させる。溶出成分は水素炎イオン化検出器で検出し,補正面

積百分率法によってそれぞれの含有量を算出する。 

27 

K 2536-2:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5. 試験器 試験器は,次による。 

a) ガスクロマトグラフ 主要部が次の性能を満たす昇温プログラム付きガスクロマトグラフを用いる。 

なお,ガスクロマトグラフに共通する一般事項はJIS K 0114の規定による。 

1) カラム 内径0.20〜0.22 mm,長さ50 m,膜厚0.25〜0.33 μmの溶融シリカカラムにメチルシリコー

ン系液相をコーティングしたキャピラリーカラムを用いる。 

2) 検出器 水素炎イオン化検出器を用いる。 

b) データ処理装置 データ処理装置は,次の1)〜3)の性能をもつもの。 

1) 1回の測定で,400以上のピークを処理できるものを用いる。 

2) 垂線法及び接線法によってピーク面積を分割できるものを用いる。 

3) クロマトグラム,保持時間及び面積値を記録できるものを用いる。 

6. 試薬 試薬は,次による。 

a) ヘリウム 純度99.99容量%以上のもの。 

b) 水素 JIS K 0512に規定するもの。 

c) 空気 乾燥空気を用いる。 

d) メタン 純度50 %以上のもの。 

e) n-ペンタン 純度99 %以上のもの。 

f) n-ウンデカン 純度99 %以上のもの。 

g) メタノール JIS K 8891に規定するもの。 

h) エタノール JIS K 8101に規定するもの。 

i) 

MTBE 純度99 %以上のもの。 

j) 

ETBE 純度97 %以上のもの。 

k) n-トリデカン 純度99 %以上のもの。 

l) 

n-テトラデカン 純度99 %以上のもの。 

m) 2,2,4-トリメチルペンタン JIS K 9703に規定するもの。 

n) 成分認証標準物質 保持時間の測定,試験結果の真度の点検などに使用し,JIS Q 0034及びJIS Q 0035

に従って認証されたもの。 

参考 社団法人石油学会から供給されている。 

o) 調製ガソリン メタノール,エタノール,MTBE,ETBE,n-トリデカン及びn-テトラデカンが含まれ

ていない市販レギュラーガソリンに,これらの成分を附属書表1のとおり加えて調製し,成分認証標

準物質の代替に用いる。 

background image

28 

K 2536-2:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書表 1 調製ガソリン 

単位 質量% 

成分 

濃度 

メタノール 

エタノール 

MTBE 

ETBE 

n-トリデカン 

 0.2 

n-テトラデカン 

 0.2 

レギュラーガソリン 

81.6 

備考 レギュラーガソリンはオレフィン分を約11 %以上含むものを用いる。 

7. 試験の準備 試験の準備は,次による。 

7.1 

ガスクロマトグラフの調整 ガスクロマトグラフの調整は,次による。 

a) 附属書表2の試験条件の一例を参考に分析パラメータを設定し,ガス漏れ検査後,水素炎イオン化検

出器のガスに点火する。 

b) カラム温度を200 ℃まで昇温し,ゴーストピークがなく,ベースラインが安定していることを確認す

る。 

附属書表 2 試験条件(一例) 

カラム槽昇温プロ
グラム 

初期温度 

℃   0 

初期温度保持時間 

min  20 

昇温速度 

℃/min   3 

最終温度 

℃ 200 

最終温度保持時間 

min   5 

キャリヤーガス 

種類 

 ヘリウム 

圧力 

kPa 202 

線速度(1) 

cm/s  23 

試料導入部 

温度 

℃ 250 

スプリット比 

 350:1 

試料導入量 

μL   0.3 

検出器 

種類 

 水素炎イオン化検出器 

温度 

℃ 250 

燃料ガス 

mL/min 水素  45 

助燃ガス 

mL/min 空気 450 

注(1) カラム温度35 ℃でメタンを導入し,次の式によって線速度を求める。 

 
 
 

7.2 

性能確認 性能確認は,次による。 

a) スプリッターの直線性を確認するため,それぞれn-ペンタン及びn-ウンデカンを附属書表3のとおり

調製する(合計約35 g)。その調製した試薬を9.の測定操作によって測定する。ただし,カラム槽温度

は0 ℃(初期温度保持時間0分)から200度まで3 ℃/minで昇温して,測定する。次に,10.の計算

から求めた測定値は次の式によって相対誤差を算出し,相対誤差が3 %以内であることを確認する。

相対誤差が3 %を超える場合は試料注入量,スプリット比を調整する。 

メタンの保持時間(

カラムの長さ(

)=

線速度(

s

cm

cm/s

background image

29 

K 2536-2:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

100

×

調製値

測定値−調製値

相対誤差(%)=

附属書表 3 スプリット確認用調製試薬 

単位 質量% 

成分 

濃度 

n-ペンタン 

約 5 

n-ウンデカン 

約 5 

2,2,4-トリメチルペンタン 

約90 

b) 最小検出量を確認するため附属書表4のとおりメタノール,エタノール,MTBE及びETBEを調製す

る(合計約70 g)。その調製した試薬は9.の測定操作によって測定する。メタノール,エタノール,

MTBE及びETBEピークはクロマトチャートのフルスケールの3 %以上で検出でき,データ処理装置

に記録できることを確認する。不検出の場合は試料注入量,スプリット比及びデータ処理の感度を調

整する。 

附属書表 4 最小検出量確認用調製試薬 

単位 質量% 

成分 

濃度 

メタノール 

 0.1 

エタノール 

 0.1 

MTBE 

 0.1 

ETBE 

 0.1 

2,2,4-トリメチルペンタン 

99.6 

c) 成分認証標準物質又は調製ガソリンを用い,9.の測定操作によってガソリンを測定し,附属書表5の

成分が分離できることを確認する。分離が不完全な場合は試験条件のカラム槽昇温プログラムを変更

し,最適化を行う。 

附属書表 5 分離確認成分 

分離確認成分 

メタノールとイソブタン及びイソブテン,1-ブテン 

エタノールと3-メチル-1-ブテン 

MTBEと2,3-ジメチルブタン及び2-メチルペンタン 

ベンゼンと1-メチルシクロペンテン 

n-トリデカンと1-メチルナフタレン 

7.3 

相対補正係数の算出 相対補正係数の算出は,次による。 

a) 炭化水素の面積値を質量に変換するため附属書表6に示す相対補正係数を用いる。この係数はn-ヘプ

タンを基準に求めたもので次の式によって算出する。 

なお,不明成分の相対補正係数は1.000 0を用いる。 

05

839

.0

)

(

)

(

n

aw

n

aw

n

aw

×

×

×

+

×

=

C

C

H

H

C

C

Fh

ここに, 

Fh: 炭化水素族の相対補正係数 

Caw: 炭素の原子量(12.011) 

Cn: その族における炭素原子の数 

Haw: 水素の原子量(1.008) 

Hn: その族における水素原子の数 

0.839 05: n-ヘプタンを基準(1.000 0)にしたときの補正係数 

background image

30 

K 2536-2:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書表 6 相対補正係数 

炭素数 

パラフィン類 

オレフィン類 

飽和ナフテン類 

不飽和ナフテン類 

芳香族類 

1.120 7 

− 

− 

− 

− 

1.050 3 

− 

− 

− 

− 

1.026 8 

0.979 9 

− 

− 

− 

1.015 1 

− 

− 

− 

1.008 0 

0.979 9 

0.951 7 

− 

1.003 4 

0.956 4 

0.909 5 

1.000 0 

0.959 8 

0.919 5 

0.997 5 

0.962 3 

0.927 1 

0.995 5 

0.964 2 

0.932 9 

10 

0.994 0 

0.965 8 

0.937 6 

11 

0.992 7 

0.967 1 

0.941 5 

12 

0.991 6 

0.968 1 

0.944 7 

13 

0.990 7 

0.969 0 

0.947 4 

14 

0.989 9 

0.969 8 

0.949 7 

15 

0.989 3 

0.970 5 

0.951 7 

b) メタノール,エタノール,MTBE及びETBEの相対補正係数は成分認証標準物質又は調製ガソリンを

用い,9.の測定操作によって測定し,次の式から連立方程式によってそれぞれの補正係数を求める。 

)

100

(

)

(

sw

s

sw

1

i

i

s

C

A

C

f

A

f

n

i

×

×

=∑

=

ここに, 

fs: 各成分の相対補正係数 

As: 各成分のピーク面積積分値 

Csw: 各成分の濃度(質量%) 

Ai: 成分iのピーク面積積分値(各成分を除く。) 

fi: 成分iの相対補正係数(各成分を除く。) 

n: 全ピーク数(各成分を除く。) 

備考 メタノール,エタノール,MTBE及びETBEのピークが他の成分と重複した場合は,次によっ

てこれらのピーク面積積分値を求める。 

a) 希釈用ガソリンだけを測定し,重複成分とその近くにある構造の似た第3成分のピークを

選び,次の式によってピーク面積比を求める。 

2

1

A

A

f=

ここに, 

f: ピーク面積比 

A1: 重複成分のピーク面積積分値 

A2: 第3成分のピーク面積積分値 

b) 相対補正係数測定試料を測定し,メタノールなどのピーク面積積分値を次の式によって求

める。 

f

A

A

A

×

=

4

3

s

ここに, As: メタノールなどの面積積分値 
 

A3: メタノールなどと重複したピーク面積積分値 

A4: 第3成分のピーク面積積分値 

background image

31 

K 2536-2:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

f: a)で求めたピーク面積比 

8. 試料の採取方法及び調製方法 試料は,JIS K 2251に規定する一次試料の採取方法及び二次試料の調

製方法によるか,又はそれに準じた方法によって採取及び調製する。 

9. 試料の測定 試料の測定は,次による。 

a) ガスクロマトグラフ,データ処理装置が7.1 a)の試験条件を参考に正しく調整されていることを確認

し,カラム槽を初期温度まで冷却する。 

b) あらかじめ約4 ℃に冷却した試料0.2〜0.5 μLをガスクロマトグラフに導入し,直ちに昇温プログラ

ム,データ処理装置を始動させ,クロマトグラム,ピーク面積などを記録する。 

c) 全成分の溶出が終了後,昇温プログラム,データ処理装置を停止する。 

d) 各成分の同定は附属書図1のガソリンの標準クロマトグラム又は試薬の保持時間と比較して行う。成

分の略号は附属書表7に示す。 

e) クロマトグラムには一部重複した成分があり,その場合は,附属書表8に示す基本の成分として報告

する。また,MTBE,アルキレート又はオレフィンを混合したガソリンの場合は,表中の該当する成

分として報告する。 

附属書表 7 成分の略号 

成分の略号 

成分の略号 

成分の略号 

成分の略号 

n:ノルマル 

P:プロピル 

C13:トリデカン 

To:トルエン 

i:イソ 

Bu:ブチル 

C14:テトラデカン 

X:キシレン 

t:トランス 

C3:プロパン 

C4=:ブテン 

Ia:インダン 

c:シス 

C4:ブタン 

C5=:ペンテン 

Naph:ナフタレン 

o:オルト 

C5:ペンタン 

C6=:ヘキセン 

=,=:ジエン 

m:メタ 

C6:ヘキサン 

C7=:ヘプテン 

EtOH:エタノール 

p:パラ 

C7:ヘプタン 

C8=:オクテン 

D:ジ 

C8:オクタン 

C9=:ノネン 

T:トリ 

C9:ノナン 

C10=:デセン 

Te:テトラ 

C10:デカン 

C11=:ウンデセン 

M:メチル 

C11:ウンデカン 

Cy:シクロ 

E:エチル 

C12:ドデカン 

B:ベンゼン 

background image

32 

K 2536-2:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書表 8 重複成分の選択の一例 

重複成分 

基本 

混合成分 

EtOH 

MTBE又は 

ETBE 

アルキレート 

オレフィン(2) 

C4=1, iC4= 

C4=1 

← 

← 

← 

← 

tC4=2, 22DMC3 

tC4=2 

← 

← 

← 

← 

EtOH, 3MC4=1 

3MC4=1 

分割(3) 

3MC4=1 

← 

← 

22DMC4, cC5=1, =3 

22DMC4 

← 

← 

← 

← 

4MC5=1, 3MC5=1 

4MC5=1 

← 

← 

← 

← 

MTBE, 23DMC4=1 

23DMC4=1 

← 

MTBE 

23DMC4=1 

← 

nC6, 2EC4=1 

nC6 

← 

← 

← 

← 

tC6=3, cC6=3 

tC6=3 

← 

← 

← 

← 

ETBE, 3MtC5=2 

3MtC5=2 

← 

分割(4) 

3MtC5=2 

← 

MCyC5, 22DMC5 

MCyC5 

← 

← 

← 

← 

24DMC5, 23DMC5=2 

24DMC5 

← 

← 

← 

← 

2MC6=1, 224TMC5 

2MC6=1 

← 

← 

224TMC5 

2MC6=1 

MCyC6, cC7=2 

MCyC6 

← 

← 

← 

← 

To, 233TMC5 

To 

← 

← 

分割(5) 

To 

T12DMCyC6, C8=1 

t12DMCyC5 

← 

← 

← 

C8=1 

iPCyC5, tC8=2 

iPCyC5 

← 

← 

← 

tC8=2 

1E2MCyC5, 235TMC6 

1E2MCyC5 

← 

← 

235TMC6 

1E2MCyC5 

nPCyC5, ECyC5 

nPCyC5 

← 

← 

← 

← 

1M2EB, 4MC9 

1M2EB 

← 

← 

← 

← 

1M4nPB, nBB 

1M4nPB 

← 

← 

← 

← 

13DM4EB, 2MC10 

13DM4EB 

← 

← 

← 

← 

12DM4EB, 3MC10 

12DM4EB 

← 

← 

← 

← 

注(2) ガソリン中に多量のオレフィン(約11 %以上)を含む試料。 

(3) 試料によっては,エタノールと3-メチル-1-ブテンのピークが重なることがある。この場合は,次の式によって

エタノールのピーク面積積分値を求める。 

18

.0

2M

Et3M

Et

×

=

A

A

A

ここに, 

AEt: エタノールの面積積分値 

AEt3M: 重複したピーク面積積分値 

A2M: 2MC4=1のピーク面積積分値 

0.18: 3MC4=1のピーク面積積分値を推定するための係数 

(4) 試料によっては,ETBEと3,3-ジメチル-1-ペンテン又は3-メチル-t-2-ペンテンのピークが重なることがある。こ

の場合は,次の式によってETBEのピーク面積積分値を求める。 

53

.1

MP

ED

E

×

=

A

A

A

ここに, 

AE: ETBEの面積積分値 

AED: 重複したピーク面積積分値 

AMP: 3McC5=2のピーク面積積分値 

1.53: 33DMC5=1又は3MtC5=2のピーク面積積分値を推定するための係数 

(5) トルエンと重複する2,3,3-トリメチルペンタンの面積は次の式によって算出する。 

153

.1

5

234

5

233

×

=

TMC

TMC

5

233

)5

233

(

TMC

TMC

To

To

+

=

ここに, 

233TMC5: 233TMC5の面積値 

234TMC5: 234TMC5の面積値 

To: Toの面積値 

background image

33 

K 2536-2:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

10. 計算方法 計算方法は,次による。 

a) 炭化水素化合物及び酸素化合物の含量は,同定した各成分のピーク面積積分値から次の式によって,

それぞれの含有率を求め,JIS Z 8401の規定によって丸めの幅を0.1に丸める。ただし,n-トリデカン

及びn-テトラデカンは,丸めの幅を0.01に丸める。 

100

)

(

1

i

i

i

i

iw

×

×

×

=∑

=

n

i

f

A

f

A

C

ここに, Ciw: 成分iの含量(質量%) 
 

Ai: 成分iのピーク面積積分値 

fi: 成分iの相対補正係数 

n: 全ピーク数 

b) a)で求めた各成分の含量を容量%で算出する場合は,次の式によって算出し,JIS Z 8401の規定によ

って丸めの幅を0.1に丸める。ただし,n-トリデカン及びn-テトラデカンは,丸めの幅を0.01に丸め

る。 

i

iw

iv

d

d

C

C

×

=

ここに, 

Civ: 成分iの含量(容量%) 

Ciw: 成分iの含量(質量%) 

d: 試料の15 ℃の密度(g/cm3) 

di: 成分iの15 ℃の密度(g/cm3) 

なお,試料及び成分iの密度はJIS K 2249の規定によって測定し,ベンゼン,トルエン,エチルベ

ンゼン,m-キシレン,p-キシレン,o-キシレン,メタノール,エタノール,MTBE,ETBE,n-トリデ

カン及びn-テトラデカンの密度は附属書表9の値を用いる。ただし,その他の成分iの密度は“C1か

らC10の炭化水素の物理定数(6)”などの値を引用することができる。 

注(6) この物理定数には,ASTM DATA SERIES PUBLICATION DS 4Aがある。 

附属書表 9 各成分の密度(15 ℃) 

単位 g/cm3 

成分 

密度 

ベンゼン 

0.884 

トルエン 

0.872 

エチルベンゼン 

0.871 

m-キシレン 

0.868 

p-キシレン 

0.865 

o-キシレン 

0.884 

メタノール 

0.796 

エタノール 

0.795 

MTBE 

0.745 

ETBE 

0.746 

n-トリデカン 

0.756 

n-テトラデカン 

0.762 

c) 灯油分は,b)で求めたn-トリデカン及びn-テトラデカンの合計量(容量%)に係数14(7)を乗じて,

JIS Z 8401の規定によって丸めの幅を0.1に丸める。ただし,灯油分が1.0容量%未満の場合はすべて

1.0容量%未満とする。 

注(7) 市販灯油中のn-トリデカンとn-テトラデカンの合計量の平均値に,市販灯油間のこれらの成分

background image

34 

K 2536-2:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

のばらつき(3シグマ限界)を考慮して算出した係数。 

d) 各成分を炭化水素タイプ別に集計する場合は,質量%又は容量%の集計結果をJIS Z 8401の規定によ

って丸めの幅を0.1に丸める。 

e) 各酸素化合物の酸素量(質量%)は,次の式で算出できる。各酸素化合物の酸素含有率は,JIS K 2536-6 

による。 

x

iw

iw

O

C

O

×

=

ここに, Oiw: 成分iの酸素分(質量%) 
 

Ciw: 成分iの含量(質量%) 

Ox: 成分iの酸素含有率 

11. 精度 この試験法によって得られた附属書表10に示す各成分の試験結果の許容差(確率0.95)は,次

による。 

備考 試験結果が許容差を外れた場合には,JIS Z 8402-6の規定によって処理する。 

11.1 室内併行精度 同一試験室において,同一人が同一試験器で引き続き短時間内に同一試料を2回試

験したときの試験結果の差の許容差を附属書表10に示す。 

11.2 室内再現精度 異なる2試験室において,別人が別の試験器で,同一試料をそれぞれ1回試験した

とき,2個の試験結果の差の許容差を附属書表10に示す。 

附属書表 10 精度 

単位 容量% 

成分 

濃度範囲 

室内併行許容差 

室間再現許容差 

ベンゼン 

0.5〜5 

0.04X 

0.06X+0.04 

トルエン 

7〜26 

0.03X 

0.09X+0.17 

エチルベンゼン 

1〜7 

0.06X 

0.16X 

m-キシレン 

1〜7 

0.06X 

0.16X 

p-キシレン 

1〜3 

0.11X 

0.33X 

o-キシレン 

1〜7 

0.06X 

0.16X 

メタノール 

0.5〜3 

0.10X+0.03 

0.25X 

エタノール 

1〜10 

0.021X+0.07 

0.074X+0.28 

MTBE 

2〜10 

0.02X+0.35 

0.04X+0.50 

ETBE 

1〜10 

0.010X+0.07 

0.064X+0.18 

灯油分 

1〜5 

0.08X+0.32 

0.17X+0.21 

その他の各成分 

0.5〜13 

0.07X 

0.15X 

パラフィン分 

25〜44 

0.04X+0.08 

0.08X+0.55 

ナフテン分 

2〜6 

0.04X+0.08 

0.08X+0.55 

オレフィン分 

10〜25 

0.06X 

0.22X 

芳香族分 

25〜44 

0.04X+0.08 

0.08X+0.55 

備考1. Xは試験結果の平均値。 

2. トルエンと2,3,3-トリメチルペンタンのピークが重なる場合,トルエンの精度は適用でき

ない。 

12. 試験結果の報告 試験結果には,次の事項を記載する。 

a) 試料名,採取場所及び採取年月日 

b) 日本工業規格番号:JIS K 2536-2 附属書 

background image

35 

K 2536-2:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

c) 10.によって得られた結果 

d) 特記事項 

附属書図 1 ガソリンの標準ガスクロマトグラフ 

background image

36 

K 2536-2:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書図 1 ガソリンの標準ガスクロマトグラフ(続き) 

background image

37 

K 2536-2:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書図 1 ガソリンの標準ガスクロマトグラフ(続き) 

background image

38 

K 2536-2:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書図 1 ガソリンの標準ガスクロマトグラフ(続き) 

background image

39 

K 2536-2:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書図 1 ガソリンの標準ガスクロマトグラフ(続き) 

background image

40 

K 2536-2:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書図 1 ガソリンの標準ガスクロマトグラフ(続き)