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K 2536-1:2003  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,石油連盟(PAJ)から,工業標準原案を具して

日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した

日本工業規格である。 

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 3837:1993,Liquid petroleum products

−Determination of hydrocarbon types−Fluorescent indicator adsorption methodを基礎として用いた。 

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。 

JIS K 2536-1には,次に示す附属書がある。 

附属書1(規定)ペンタン以下留分の分取方法 

附属書2(規定)ペンタン以下留分のガスクロマトグラフによる成分の求め方 

附属書3(参考)JISと対応する国際規格との対比表 

JIS K 2536の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS K 2536-1 石油製品−成分試験方法 第1部:蛍光指示薬吸着法 

JIS K 2536-2 石油製品−成分試験方法 第2部:ガスクロマトグラフによる全成分の求め方 

JIS K 2536-3 石油製品−成分試験方法 第3部:ガスクロマトグラフによる芳香族の求め方 

JIS K 2536-4 石油製品−成分試験方法 第4部:タンデム式ガスクロマトグラフによる成分の求め方 

JIS K 2536-5 石油製品−成分試験方法 第5部:ガスクロマトグラフによる酸素化合物の求め方 

JIS K 2536-6 石油製品−成分試験方法 第6部:酸素検出式ガスクロマトグラフによる酸素分・酸素

化合物の求め方 

K 2536-1:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1. 適用範囲 ························································································································ 1 

2. 引用規格 ························································································································ 2 

3. 定義 ······························································································································ 3 

4. 試験の原理 ····················································································································· 3 

5. 試験器 ··························································································································· 5 

6. 試薬 ······························································································································ 8 

7. 試料の採取方法及び調製方法 ····························································································· 9 

8. 試験の手順 ····················································································································· 9 

8.1 試験器の準備 ················································································································ 9 

8.2 試料を溶離する手順 ······································································································· 9 

9. 計算方法 ······················································································································· 11 

10. 結果の表し方 ··············································································································· 12 

11. 精度 ··························································································································· 13 

12. 試験結果の報告 ············································································································ 15 

附属書1(規定)ペンタン以下留分の分取方法 ·········································································· 16 

附属書2(規定)ペンタン以下留分のガスクロマトグラフによる成分の求め方 ································ 23 

附属書3(参考)JISと対応する国際規格との対比表 ·································································· 32 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 2536-1:2003 

石油製品−成分試験方法 

第1部:蛍光指示薬吸着法 

Liquid petroleum products−Testing method of components 

Part 1: Fluorescent indicator adsorption method 

序文 この規格は,1993年に第1版として発行されたISO 3837:1993,Liquid petroleum products−

Determination of hydrocarbon types−Fluorescent indicator adsorption methodを翻訳し,技術的内容を変更して

作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変

更の一覧表をその説明を付けて,附属書3(参考)に示す。 

1. 適用範囲 この規格は,315 ℃以下で留出する石油製品中の炭化水素成分を蛍光指示薬吸着法によっ

て,飽和炭化水素(1〜95容量%),オレフィン炭化水素(0.3〜55容量%)及び芳香族炭化水素(5〜99

容量%)の3種類の炭化水素タイプに類別して定量する方法について規定する。 

備考1. この方法は,適用範囲の範囲を超える試料の分析に用いることができるが,精度は適用でき

ない。 

2. この規格は,沸点範囲が広域に分布する試料に適しており,315 ℃付近の狭い沸点範囲で分

画した試料には適用できない。このような試料では,適切に溶出しないため,誤差が大きく

なる。 

3. この規格は,石炭,けつ岩及びタールサンドのような石油以外の化石燃料から得られる製品

には,適用できるかどうかを確認していないので,精度を適用しない。 

4. この規格は,酸素化合物を混合した燃料及び加鉛ガソリンには,精度を適用しない。 

5. この規格は,メタノール,エタノール,メチルターシャリーブチルエーテル,メチルターシ

ャリーアミルエーテル及びエチルターシャリーブチルエーテルが通常含まれる試料では,こ

れらの酸素化合物は溶離材と共に溶出するため,妨害しない。他の酸素化合物を含む試料で

は個々に確認しなければならない。炭化水素タイプの濃度は,酸素化合物を含まない基準で

報告するか,又は酸素化合物の濃度が分かっている場合には試料全体の基準に補正して報告

することができる。 

6. この規格は,蛍光色のバンドの読取りを妨害するような,暗色成分を含む試料には適用しな

い。 

7. この規格は,危険な試薬,操作及び試験器を用いることがあるが,安全な使用法をすべてに

規定しているわけではないので,この試験方法の使用者は試験に先立って,適切な安全上及

び健康上の禁止事項を決めておかなければならない。 

8. この規格の対応国際規格を,次に示す。 

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K 2536-1:2003  

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なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD

(修正している),NEQ(同等でない)とする。 

ISO 3837:1993,Liquid petroleum products−Determination of hydrocarbon types−Fluorescent 

indicator adsorption method (MOD) 

参考 この規格群には,参考表1に示す試験方法がある。 

参考表 1 試験方法の種類 

規格群 

種類 

試験する成分 

適用区分 

単位 

適用油種例 

K 2536-1 

蛍光指示薬吸着法 飽和分 

オレフィン分 
芳香族分 

終点が315 ℃以下(1)の
石油製品に適用する。 

容量% 

自動車ガソリン 
航空ガソリン 
航空タービン燃料油 
灯油 

K 2536-2 

ガスクロマトグラ
フによる全成分の
求め方 

全成分 
ベンゼン 
トルエン 
キシレン 
メタノール 
エタノール 
MTBE 
ETBE 
灯油分 

終点が250 ℃以下(1)の
石油製品に適用する。 

質量% 
又は 
容量% 

自動車ガソリン 

附属書(規定) 
ガスクロマトグラ
フによる迅速な全
成分の求め方 

K 2536-3 

ガスクロマトグラ
フによる芳香族の
求め方 

芳香族分 
ベンゼン 
トルエン 
キシレン 

終点が220 ℃以下(1)の
石油製品に適用する。 

自動車ガソリン 
航空ガソリン 

K 2536-4 

タンデム式ガスク
ロマトグラフによ
る成分の求め方 

ベンゼン 
トルエン 
キシレン 
メタノール 
MTBE 
灯油分 

終点が250 ℃以下(1)の
石油製品に適用する。 

容量% 

自動車ガソリン 

K 2536-5 

ガスクロマトグラ
フによる酸素化合
物の求め方 

メタノール 
MTBE 

K 2536-6 

酸素検出式ガスク
ロマトグラフによ
る酸素分・酸素化
合物の求め方 

酸素分 
メタノール 
エタノール 
MTBE 
ETBE 
その他の酸素化合物 

質量%
又は 
容量% 

自動車ガソリン 

注(1) 終点は,JIS K 2254に規定する常圧法蒸留試験方法による。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS C 7604 高圧水銀ランプ 

JIS K 0114 ガスクロマトグラフ分析通則 

JIS K 0557 用水・排水の試験に用いる水 

JIS K 2251 原油及び石油製品−試料採取方法 

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K 2536-1:2003  

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JIS K 2254 石油製品−蒸留試験方法 

JIS K 2536-2 石油製品−成分試験方法 第2部:ガスクロマトグラフによる全成分の求め方 

JIS K 2839 石油類試験用ガラス器具 

JIS K 8034 アセトン(試薬) 

JIS K 8839 2-プロパノール(試薬) 

JIS Q 0034 標準物質生産者の能力に関する一般要求事項 

JIS Q 0035 標準物質の認証−一般的及び統計学的原則 

JIS R 3503 化学分析用ガラス用具 

JIS Z 8401 数値の丸め方 

JIS Z 8402-6 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)−第6部:精確さに関する値の実用的

な使い方 

ISO 3171 Petroleum liquids−Automatic pipeline sampling 

3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。 

a) 炭化水素タイプ 炭素と水素だけからなる化合物を,結合状態の違いによって飽和炭化水素(以下,

飽和分という。),オレフィン炭化水素(以下,オレフィン分という。)及び芳香族炭化水素(以下,芳

香族分という。)の3種類に分けて分類した総称。 

b) 飽和分(saturates) アルカン(直鎖状又は分枝状に結合している鎖式飽和炭化水素)及びシクロア

ルカン(環式飽和炭化水素)の総和。容量%で表す。 

備考 アルカン及びシクロアルカンは,それぞれパラフィン系炭化水素及びナフテン系炭化水素とも

いう。 

c) オレフィン分(olefins) アルケン(1個の二重結合をもって直鎖状又は分枝状に結合している鎖式

不飽和炭化水素),シクロアルケン(1個の二重結合をもつ環式不飽和炭化水素)及びアルカジエン(2

個の二重結合をもつ鎖式不飽和炭化水素)の総和。容量%で表す。 

d) 芳香族分(aromatics) 単環又は多環の芳香族炭化水素,芳香族オレフィン炭化水素,一部のジエン

化合物の総和。容量%で表す。 

e) C5以下留分 附属書1に従って蒸留したときの,受器に回収された留分の総称。C5以下の炭化水素で,

アルコール及びエーテル類を含む場合がある。 

f) C6以上留分 附属書1に従って蒸留したときの,フラスコに残った残油分の総称。C6以上の炭化水素

で,アルコール及びエーテル類を含む場合がある。 

4. 試験の原理 微細なシリカゲルと少量の蛍光染料付きシリカゲルを詰めた規定の吸着管に,試料の

0.75 mLを注入する。試料の全部をシリカゲルに吸着させた後,2-プロパノールを加えて試料を脱着させ,

吸着管の下部方向に展開させる。このとき,各炭化水素成分は,シリカゲルへの吸着親和力の差によって,

芳香族分,オレフィン分及び飽和分の各層に分離する。また,蛍光染料も各炭化水素と共に選択的に分離

する。 

炭化水素タイプの境界は,蛍光染料の位置とし,紫外線光源を用いて判定する。各炭化水素タイプの濃

度(容量%)は,カラムに展開した成分別の展開層の長さを測定し,長さの割合から求める。 

備考1. C3以下の炭化水素を含む試料,C4以下の炭化水素分が5 %を超える試料,C4及びC5炭化水

素の合計量が10 %を超える試料の場合には,7. b)2)に従って,附属書1を用いて試料の

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K 2536-1:2003  

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前処理を行った後,附属書2の操作も行う。 

2. アルコール及びエーテル類を含む試料では,アルコール及びエーテル類を別の試験方法(JIS 

K 2536-2の試験方法など)で測定したときは蛍光指示薬吸着法で求めた炭化水素タイプの値

とアルコール及びエーテル類の測定値との合計が100容量%になるようにする。アルコール

及びエーテル類を測定しないときは炭化水素タイプの総和が100容量%になるようにする。 

参考1. 蛍光指示薬吸着法の手順を参考図1に示す。 

2. 蛍光指示薬吸着法は,FIA法(Fluorescent Indicator Adsorption)と呼ぶこともある。 

3. 試験結果の真度(偏り)の点検にはJIS Q 0034及びJIS Q 0035に従って認証された認証標準

物質を用いるとよい。 

なお,真度の統計的処理方法は,JIS Z 8402-4を参照するとよい。 

4. 3.の認証標準物質は社団法人石油学会から供給されている。 

参考図 1 蛍光指示薬吸着手順 

はい 

いいえ 

試料 

C5以下の留分が

7. b) 2)の基準か 

8.による分析 
飽和分,オレフィン分,
芳香族分 

附属書1による分取 

C6以上 

留分 

C5以下 

留分 

附属書2による測定 
オレフィン分,飽和分(MTBE分) 
 
JIS K 2536-2による測定 
アルコール及びエーテル類 

9.による計算 

結果 

飽和分,オレフィン分,芳香族分 

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5. 試験器 試験器は,次による。 

a) 蛍光指示薬吸着試験器 図1に示す構造のもので,1)〜3)からなる。 

単位 mm 

図 1 蛍光指示薬吸着試験器(一例) 

1) 吸着管 図2に示す寸法及び形状のⅡ形吸着管(2)。 

注(2) JIS K 2839に規定する図145のものが相当する。 

備考 吸着管測定部の寸法の検査方法は次による。 

a) 内径寸法の検査 測定部に水銀を入れ,次の式によって算出する。 

ρ

×

×

=

l

W

D

14

.3

2

ここに, 

D: 内径(cm) 

W: 水銀の質量(g) 

l: 測定部の水銀の長さ(cm) 

ρ: 測定温度における水銀の密度(g/cm3) 

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b) 内径の均一性の検査 測定部に約100 mmの長さに水銀を入れ,これを移動してその長さ

を測ったとき,測定値の最大と最小の寸法差は0.3 mm以下でなければならない。 

                                 単位 mm 

図 2 Ⅱ形吸着管 

2) 上部アダプタ 図3に示す寸法及び形状のもの(3)。 

注(3) JIS K 2839に規定する図146のものが相当する。 

3) 加圧装置 加圧調整弁及び圧力計からなり,上部アダプタに耐圧ゴム管を接続して加圧したとき,

圧力を0〜103 kPaの範囲で調節できるもの。 

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単位 mm 

図 3 上部アダプタ(一例) 

b) 層長測定器 可動式の金属指示クリップ4個を備えた長さ800〜1 200 mmの目盛板及び目盛板支え板

からなり,その組立構造の一例を図4に示す。層長さを測定する方法の代わりの方法として,吸着管

に色鉛筆で印を付け,長さをものさしで測ってもよい。 

単位 mm 

図 4 層長測定器(一例) 

c) 紫外線 365 nmの波長をもつもので,フィルタ付き水銀灯(4)又は適切な紫外線光源が得られるもの。

長さ915 mm又は1 220 mmの紫外線光源を吸着管に平行に取り付ける場合は,最良の蛍光が得られる

ように位置を調節する。 

注(4) JIS C 7604に規定するHF100が適切である。 

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d) 電気振動器 シリカゲルを吸着管に詰めるために,個々の管を振動させるか,多数の管を支える台を

適切に振動できるもの。 

e) シリンジ 筒は,容量が1 mL,最小目盛が0.01 mL又は0.02 mLのもの。針は,ステンレス鋼製で,

長さが約100 mm,外径が1 mmのもの。 

6. 試薬 試薬は,次による。 

a) シリカゲル 表1の規格に適合したもの。使用に先立ち,シリカゲルを浅い容器に入れて176±5 ℃

で3時間乾燥し,熱いうちに密封容器に移して保存する。保存中には大気中の湿気に触れないように

する。 

表 1 シリカゲルの規格 

表面積 

430〜530 m2/g 

5 %水-スラリーのpH 

5.5〜7.0 

955 ℃の強熱減量 

4.5〜10.0質量% 

鉄分(乾燥状態でのFe2O3として) 

50質量ppm以下 

ふるい試験 

標準ふるい呼び寸法(μm) 

ふるいを通過する量の割合(質量%) 

180 

100 

150 

95以上 

 75 

15以下 

備考1. 5 %水-スラリーのpH測定は,250 mLビーカにシリカゲル5 gをはかり採り,水100 

mLと回転子を加えて,かくはん器で20分間かき混ぜた後に測定する。pHの測定は,
pH4及びpH7の標準液を用いて校正したpH計を用いる。 

2. シリカゲルのロットによっては,規格に適合した場合であってもオレフィン部の蛍光

が明確でないときがある。このような現象を引き起こす理由は不明であり,このよう
なシリカゲルは正確度及び精度に影響を及ぼすため,用いてはならない。 

参考 表面積の測定は,ASTM D 3663を参照するとよい。 

b) 蛍光染料付きシリカゲル 蛍光染料付きシリカゲルは,再結晶したペトロールレッドAB4,一定の手

順でクロマトグラフ吸着を用いて精製したオレフィン染料及び芳香族染料の混合物をシリカゲル上に

沈着させたもの。既製の蛍光染料付きシリカゲルを用いてもよい。この蛍光染料付きシリカゲルは,

窒素中で密栓をして暗所に保存しなければならない。このような条件で保存すると,長時間(例えば,

5年間。)保存できる。保存している蛍光染料付きシリカゲルは,一部をガラス瓶に移して,JIS Q 0034

及びJIS Q 0035に従って認証された認証標準物質を用いて定期的に性能の検査をすることを推奨する。 

参考1. 既製の蛍光染料付きシリカゲルは,米国UOP社(25 E.Algonquin RD., Des Plaines, IL 

60017-5015 USA)から“FIA Standard Dryd Gel”,UOP Product No.675として入手することが

できる。これは市販品の適切な製品の一例である。この情報はこの規格使用者の利便のため

に提供するものであって,品質を保証するものではない。 

2. 認証標準物質は社団法人石油学会から供給されている。 

c) 3-メチル-1-ブタノール 純度99 %以上のもの。 

d) 2-プロパノール JIS K 8839に規定するもの。 

e) 圧縮ガス 吸着管の上部において,その圧力を0〜103 kPaの範囲に調節できる空気,又は窒素。 

f) 

アセトン JIS K 8034に規定するもの。 

g) 水 JIS K 0557に規定するA3のもの。 

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7. 試料の採取方法及び調製方法 試料の採取方法及び調製方法は,次による。 

a) 試料は,JIS K 2251に規定する一次試料の採取方法及び二次試料の調製方法によるか,又はそれに準

じた方法によって採取及び調製する。自動サンプリングの場合には,ISO 3171によってもよい。試料

は試験に用いるまで2〜4 ℃で保存する。 

b) C5以下留分及びC6以上留分の調製 調製方法は,次による。 

1) アルコール及びエーテル類の混入が予想される場合及びC5以下の炭化水素の存在が不明確な場合

には,JIS K 2536-2の試験方法によって試験する。 

2) 次に示す試料については,附属書1によってC5以下留分とC6以上留分に分ける。 

− C3以下の炭化水素を含む場合。 

− C4炭化水素を5容量%以上含む場合。 

− C4とC5炭化水素の合計を10容量%以上含む場合。 

備考 試料が濃く着色していると,8.2において境界線の読取りが困難になる場合がある。このような

場合には,JIS K 2254に規定する常圧法蒸留試験方法によって着色物質を除いて8.2の試料と

する。 

3) C5以下留分については,附属書2によって飽和分とオレフィン分を定量する。 

備考1. アルコール及びエーテル類(MTBEを除く。)を含む試料については附属書2を適用できない。

この場合にはJIS K 2536-2を用いてもよい。 

2. ガスクロマトグラフ分析を行ったとき,C5以下留分にC6以上の炭化水素の濃度が分取操作

を行う前の試料に換算して3容量%以上の場合は,附属書1によって分取操作をやり直す。 

8. 試験の手順 試験の手順は,次による。 

8.1 

試験器の準備 試験器の準備は,次による。 

a) 蛍光指示薬吸着試験器を,炭化水素タイプの境界の観測を容易にするため,暗室又は暗くできる場所

に組み立てる。 

b) 洗浄及び乾燥した吸着管を,図1に示すように上部アダプタ下方の吸着管クランプで固定する。 

c) 下部アダプタは,シリカゲルを保持するために直径6 mmのリン青銅若しくは銅製の金網(74 μm)又

はグラスウールを詰め,吸着管の測定部とをジョイントクリップを用いて固定する。 

d) シリカゲルを注入部からガラス製漏斗を用いて少量ずつ入れながら,電気振動器を用いて下方に移動

させて,分離部の半分まで均一に詰める。電気振動器を止め,蛍光染料付きシリカゲルを3〜5 mmの

厚さに加える。再びシリカゲルを追加して,吸着管を電気振動器で振動させ,注入部の75 mmの高さ

まで固く詰める。さらに,シリカゲルを均一にするため(5),吸着管を約4分間,電気振動器で振動す

る。 

注(5) シリカゲルの詰め方が不均一の場合,試験結果に影響する。 

備考 シリカゲルを吸着管に詰めるときは,静電気の発生によって均一にならないことがあるので,

湿った布で吸着管をふ(拭)く。 

e) シリカゲルを詰めた吸着管を架台に垂直に固定する。目盛板を使用する場合には,吸着管に取り付け,

ゴムバンドを用いて固定する。 

8.2 

試料を溶離する手順 試料を溶離する手順は,次による。 

a) シリンジを2〜4 ℃に冷却する。 

b) シリンジに試料の0.75±0.03 mLをはかり採り,吸着管の注入部のシリカゲル表面から約30 mm下部

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10 

K 2536-1:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

に注入する。 

c) 2-プロパノール(6)を注入部の球面すり合わせの所まで満たし,吸着管と上部アダプタを連結して,14 

kPaで2.5分間加圧して液を下方に押し流す。次に2.5分間圧力を34 kPaに加圧し,試料の注入からd)

の測定までの所要時間が約1時間になるように圧力(7)を調整する。圧力調整をした後は,試験の途中

で圧力調節の操作を行ってはならない。 

注(6) 205 ℃以上で留出する成分を20容量%以上含む試料では,2-プロパノールの代わりに3-メチル

-1-ブタノールを用いると,溶離がよくなる場合がある。 

(7) 試料がガソリンの場合は28〜69 kPa,航空タービン燃料油の場合は69〜103 kPaの圧力を必要

とするが,この圧力はシリカゲルの詰め具合及び試料の分子量によって異なる。所要時間は1

時間が最適であるが,高分子量試料ではそれよりも長くかかることもある。 

d) 2-プロパノールと芳香族の境界の赤いバンドが測定部の上部から約350 mm進んだ後,紫外線光源(8)

を用いて速やかに,最下端(ぬれの最下端)から表2に示す境界の判定基準に従って,飽和分,オレ

フィン分及び芳香族分の各層の境界に指示クリップなどで印をつける。各層の長さを1 mm単位まで

測定し,記録する。 

なお,各層の長さの合計が500 mm以下の場合は,分離が不完全であるか,シリカゲルの詰め方が

不適切であるとみなして試験を8.1 d)からやり直す。 

注(8) 紫外線は有害である。特に目への直接暴露をしないように注意する。 

備考 アルコール及びエーテル類を含む試料では,その混入量に応じて展開層が短くなる。この場合

は試料のはかり採り量を増やしてやり直す。 

表 2 境界の判定方法 

注(9) 無色の試料では,アルコールと芳香族分の境界線は染料の赤の

バンドによって明確に区別することができる。しかし,分解ガ
ソリンでは,不純物によって赤のバンドは褐色で不鮮明なバン
ドになって,その発色長さが変動することがある。このような
場合,この不鮮明な部分を芳香族分の一部とする。ただし,青
の層がない場合は,褐色又は赤のバンドをこの下で明確に判定

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11 

K 2536-1:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

できる層の一部とする。 

参考 蛍光染料付きシリカゲルの違いによっては,黄の蛍光色の色調

が異なり,黄色の最強部が存在しない場合がある。このような
場合は,黄の層を飽和分とする。 

e) 赤いバンドが下方に更に約50 mm進んだ後,d)とは逆の順序で,上方から各層の境界に印をつけ,

各層の長さを1 mm単位まで測定して記録する。 

参考 この読取り操作は,印を付ける間に境界線の位置が移動するために起こる誤差を最小にする。 

f) 

吸着管への加圧を止めて上部アダプタ及び下部アダプタの接続を外す。吸着管のシリカゲルをキャピ

ラリー管などを用いて抜き出し,水及びアセトンで洗浄した後,圧縮ガスを通して乾燥する。 

参考 シリカゲルの抜き出しには,外径1〜1.5 mm,長さ約1.5 mのステンレス製キャピラリー管を

水道管口に接続したものを用いると便利である。 

9. 計算方法 計算方法は,次による。 

a) 酸素化合物を混合していない石油製品の場合  

1) C5以下留分の分取操作を行わなかったとき 8.2 d)及びe)の測定値を用いて,小数点以下2けた

まで算出する。 

100

=L

L

A

100

=L

L

O

100

=L

L

S

ここに, 

A: 芳香族分(容量%) 

O: オレフィン分(容量%) 

S: 飽和分(容量%) 

La: 芳香族分の層の長さ(mm) 

Lo: オレフィン分の層の長さ(mm) 

Ls: 飽和分の層の長さ(mm) 

L: 各成分の層の長さの総和(La+Lo+Ls)(mm) 

2) C5以下留分の分取操作を行ったとき 8.2 d)及びe)の測定値を用いて,小数点以下2けたまで算

出する。 

H

L

L

A

×

=

a

100

)

100

(

o

o

G

H

H

L

L

O

×

+

×

=

100

)

100

(

s

s

G

H

H

L

L

S

×

+

×

=

ここに, 

H: C6以上留分の収率(容量%)(附属書1参照) 

Go: C5以下留分中のオレフィン分(容量%)(附属書2参照) 

Gs: C5以下留分中の飽和分(容量%)(附属書2参照) 

b) 酸素化合物を混合している石油製品の場合  

1) C5以下留分の分取操作を行わなかったとき 8.2 d)及びe)の測定値を用いて,小数点以下2けた

まで算出する。 

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12 

K 2536-1:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

)

100

(

a

M

L

L

A

×

=

)

100

(

o

M

L

L

O

×

=

)

100

(

s

M

L

L

S

×

=

ここに, 

A: 芳香族分(容量%) 

O: オレフィン分(容量%) 

S: 飽和分(容量%) 

La: 芳香族分の層の長さ(mm) 

Lo: オレフィン分の層の長さ(mm) 

Ls: 飽和分の層の長さ(mm) 

L: 各成分の層の長さの総和(La+Lo+Ls)(mm) 

M: JIS K 2536-2のガスクロマトグラフ試験方法で測定したアル

コール及びエーテル類の総和(容量%) 

2) C5以下留分の分取操作を行ったとき 8.2 d)及びe)の測定値を用いて,小数点以下2けたまで算

出する。 

×

+

×

=

100

)

100

(

m

a

G

H

M

H

L

L

A

100

)

100

(

100

)

100

(

o

m

o

G

H

G

H

M

H

L

L

O

×

+

×

+

×

=

100

)

100

(

100

)

100

(

s

m

s

G

H

G

H

M

H

L

L

S

×

+

×

+

×

=

ここに, 

H: C6以上留分の収率(容量%)(附属書1参照) 

Go: C5以下留分中のオレフィン分(容量%)(附属書2参照) 

Gs: C5以下留分中の飽和分(容量%)(附属書2参照) 

Gm: C5以下留分中のアルコール及びエーテル類の総和(容量%) 

備考 アルコール及びエーテル類(MTBEを除く。)を含む石油製品を測定した場合は,蛍光指示薬吸

着法で求めた炭化水素タイプの値とアルコール及びエーテル類を別の試験方法(JIS K 2536-2

又は同等の試験方法など)で測定した値との合計が100容量%になるようにする。また,アル

コール及びエーテル類を測定しないときは,炭化水素タイプの総和が100容量%になるように

する。この際,アルコール及びエーテル類を除いた炭化水素タイプの濃度であることを付記す

る。 

10. 結果の表し方 結果の表し方は,次による。 

a) 各炭化水素タイプの濃度は,9)で求めた2組の計算値の平均値を算出し,JIS Z 8401の規定によって

丸めの幅0.1に丸め,容量%で表す。 

なお,芳香族分,オレフィン分及び飽和分の濃度の合計の和が100容量%にならない場合は,濃度

の高い方の測定値を加減して100容量%にする。 

13 

K 2536-1:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

11. 精度 精度は,次による。 

この試験方法によって得られた試験結果の許容差(確率0.95)は,次のとおりである。 

備考1. 試験結果が許容差を外れた場合には,JIS Z 8402-6の規定によって処理する。 

2. アルコール及びエーテル類を含む石油製品の場合は,精度を適用しない。 

a) 室内併行精度 同一試験室において,同一人が同一試験器で,引き続き短時間に同一試料を2回試験

したとき,試験結果の差の許容差を表3に示す。 

b) 室間再現精度 異なる試験室において,別人が別の試験器で,同一試料をそれぞれ1回ずつ試験して

求めた2個の試験結果の差の許容差を表3に示す。 

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14 

K 2536-1:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表 3 精度 

単位 容量% 

炭化水素タイプ 

濃度 

室内併行許容差 

室間再現許容差 

芳香族分 

 5 

0.7 

1.5 

15 

1.2 

2.5 

25 

1.4 

3.0 

35 

1.5 

3.3 

45 

1.6 

3.5 

50 

55 

65 

1.5 

3.3 

75 

1.4 

3.0 

85 

1.2 

2.5 

96 

0.7 

1.5 

99 

0.3 

0.7 

オレフィン分 

 1 

0.4 

1.7 

 3 

0.7 

2.9 

 5 

0.9 

3.7 

10 

1.2 

5.1 

15 

1.5 

6.1 

20 

1.6 

6.8 

25 

1.8 

7.4 

30 

1.9 

7.8 

35 

2.0 

8.2 

40 

8.4 

45 

8.5 

50 

2.1 

8.6 

55 

2.0 

8.5 

飽和分 

 1 

0.3 

1.1 

 5 

0.8 

2.4 

15 

1.2 

4.0 

25 

1.5 

4.8 

35 

1.7 

5.3 

45 

5.6 

50 

55 

65 

5.3 

75 

1.5 

4.8 

85 

1.2 

4.6 

95 

0.3 

2.4 

15 

K 2536-1:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

12. 試験結果の報告 試験結果には,次の事項を記載する。 

a) 試料名,採取場所及び採取年月日 

b) 日本工業規格番号:JIS K 2536-1 

c) 10.によって得られた結果 

d) 特記事項 

関連規格 JIS Z 8402-4 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)−第4部:標準測定方法の真度

を求めるための基本的方法 

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16 

K 2536-1:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書1(規定)ペンタン以下留分の分取方法 

1. 適用範囲 この附属書は,試料からC5以下留分を蒸留によって分取する方法について規定する。 

備考 ここで分取したC5以下留分は附属書2の試料とし,残油分のC6以上留分は蛍光指示薬吸着法

試験の試料とする。 

2. 引用規格 引用規格は,本体2.による。 

3. 試験の原理 50 mLの試料をはかり採り,49 ℃まで蒸留してC5以下留分(留出分)を分取し,C6以

上留分(残油分)とに分ける。C6以上留分の収率は,試料はかり採り量とC6以上留分の容量とから求め

る。 

備考1. この方法では,残油分には少量のC5以下留分が,留出分には少量のC6以上の炭化水素が混

入する。通常,この混入量は分取に用いた試料の2容量%以下である。 

2. MTBEを含む試料を分取した場合,MTBEは留出分と残油分の両方に分配される。 

参考 C5以下留分の収率は,100からC6以上留分の収率を減じて求める。 

4. 試験器 試験器は,次による。 

4.1 

分取装置 次のa)〜h)からなり,その組立図の一例を附属書1図1に示す。 

a) 蒸留カラム 附属書1図2に示す形状及び寸法のガラス製のもので,還流凝縮器,軽質留分トラップ,

及びフラスコを接続できる構造のもの(1)。温度計挿入部は,カラムの内壁及びその他のガラス部から

温度計を5 mm以上離して,外気の温度の影響ができるだけ少なくなるような構造とする。また,全

還流及び1:1還流時において,凝縮液がb)に規定する還流凝縮器から温度計に直接落ちないような

構造であり,温度計の先端は蒸留カラムの中心軸に一致しなければならない。カラムの保温用真空ジ

ャケット(2)は,133 μPa以下で封じ込め,その封じ込みは,蒸留操作の支障にならないように,背面

など適切な位置とする。 

注(1) JIS K 2839に規定する図203のものが相当する。 

(2) 銀めっきをする場合は,カラムの内部が見えることが望ましい。 

b) 還流凝縮器 附属書1図3に示す形状及び寸法のガラス製のもの(3)で,還流凝縮器を回すことによっ

て,還流比を全還流又は1:1に切り換えられる構造とし,つめの先端半径は小さく鋭いものとする。 

注(3) JIS K 2839に規定する図206のものが相当する。 

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17 

K 2536-1:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

単位 mm 

附属書1図 1 分解装置(一例) 

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18 

K 2536-1:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

                       単位 mm                 単位 mm 

     附属書1図 2 蒸留カラム 

c) 軽質留分トラップ 附属書1図4に示す形状及び寸法のガラス製のもの(4)。 

注(4) JIS K 2839に規定する図204のものが相当する。 

d) フラスコ JIS R 3503図5に規定する容量100 mLのもの。 

e) 受器及びふた 附属書1図5に示す形状及び寸法のガラス製のもの(5)。f)に規定するジュワ瓶に入れ

て冷却することのできるものとし,試料を入れて冷蔵庫などに保存する場合,静置できるようにする

(6)。ふたは,耐油性ゴム栓部からシリンジの針を差し込んで,受器から試料をはかり採れる構造のも

の。 

注(5) JIS K 2839に規定する図205のものが相当する。 

(6) 附属書1図4に示すように適切な材質の受器台を用いるとよい。 

附属書1図 3 還流凝縮器 

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19 

K 2536-1:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

                      単位 mm                   単位 mm 

      附属書1図 4 軽質留分トラップ 

f) 

ジュワ瓶 附属書1図6に示す形状及び寸法のもの(7)で,受器をドライアイスで冷却できるもの。 

注(7) JIS K 2839に規定する図207のものが相当する。 

g) 加熱器 フラスコを加熱するマントルヒータで,電圧調節ができるもの。 

備考 マントルヒータは,100 mL丸底フラスコ用(100 W)が望ましい。 

h) 温度計 附属書1図7に示す二重管式水銀温度計,又は試験温度で同等の性能をもつ温度計(8)。 

注(8) 温度計を校正する場合は,49 ℃で標準温度計と比較して行う。 

附属書1図 5 受器及びふた 

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20 

K 2536-1:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

                     単位 mm                      単位 mm 

附属書1図 7 温度計 

4.2 

蒸留カラムの準備 蒸留カラムの準備は,次による。 

a) 附属書1図8に示す充てん物2号を蒸留カラムの底部の突起から約25 mm上まで詰め(9),蒸留カラム

底部でのフラッディングを防止する。さらに,附属書1図8に示す充てん物1号を保温用真空ジャケ

ットの頂部から約25 mm下まで詰める。 

注(9) 突起から充てん物2号が落下しないようにするため,充てん物2号を2又は3個つないだもの

を最初に詰めるとよい。 

附属書1図 6 ジュワ瓶 

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21 

K 2536-1:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

単位 mm 

種類 

表面積(m2/m3) 

1号 

約1.8 

約1.8 

約1.0 

約0.20 

約3.7×103 

2号 

約2.5 

約2.5 

約1.3 

約0.25 

約2.8×103 

附属書1図 8 充てん物 

b) 蒸留カラム,還流凝縮器,軽質留分トラップ及び受器を組み立て,適切な保持具で固定する。 

c) 蒸留カラム頂部の側管に温度計を差し込む。 

5. 試料の採取及び調製方法 試験用の試料は,JIS K 2251に規定する一次試料の採取方法及び二次試料

の調製方法又はそれに準じた方法によって行う。 

6. 試験の準備 試験の準備は,次による。 

a) 受器を冷媒(10)の入ったジュワ瓶の中に入れる。軽質留分トラップにも冷媒を約2/3まで満たす。 

注(10) 冷媒としては,エチルアルコールにドライアイスを加えたものが適切であり7. a)〜g)の操作

中,冷媒系にドライアイスを絶やさないようにする。 

b) 還流凝縮器に4〜10 ℃の冷水を7. g)の操作が終わるまで流す。 

7. 試験の手順 試験の手順は次による。 

a) 蒸留カラム底部のすり合わせ部に,炭化水素に不溶のグリース(11)を塗布する。フラスコに沸騰石を2

又は3個入れ,フラスコをマントルヒータに入れる。あらかじめ2〜4 ℃に冷却した試料を,同様に

冷却したメスシリンダを用いて50.0 mLをはかり採り,フラスコに移す。直ちに,フラスコと蒸留カ

ラムをつなぐ。 

注(11) シリコーングリース,でんぷんグリセリン,金属石けんなどが適切である。 

b) マントルヒータを電圧調整器を通して電源につなぎ,フラスコを加熱する(12)。 

注(12) 通常,加熱の初期においては電圧を30 Vに設定するとよい。電圧は必要に応じて増減する。 

c) 凝縮液のすべてが蒸留カラムに落下するように,還流凝縮器のつめの方向を調節する。 

d) 凝縮液(13)が還流凝縮器のつめの一方の先端から30秒当たり30〜40滴落下する留出速度になった後,

凝縮器の位置(14)を調節して,凝縮液の一方が受器に,他方が蒸留カラムに流れ込むようにする。 

注(13) 低沸点軽質炭化水素は,留出速度が一定になる前に軽質留分トラップで捕集される。 

(14) 凝縮液がつめから落下するとき,温度計に当たらないようにする。 

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22 

K 2536-1:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

e) 蒸留中の留出速度は,電圧調整器を調整して,30秒当たり30〜40滴に保つようにする。 

f) 

温度計の読みが49 ℃を示すまで蒸留を続ける。この温度に達したら還流凝縮器を回し,凝縮液の全

量を蒸留カラムに戻す。次いで,加熱を止めて,マントルヒータを外す。この操作は,順序よく迅速

に行う。 

g) 蒸留カラムに残っている試料を回収するため,0〜10 ℃の冷水で蒸留カラムを30分間冷却する。 

h) フラスコを蒸留カラムから外し,4 ℃以下に冷却しておいたa)で用いたメスシリンダに内容物を移

して,その容量を0.5 mLまで読み取り,これを残油分とする。 

i) 

C5以下留分の受器は密栓し,直ちに附属書2に従って試験を行う。直ちに試験ができない場合は,受

器をドライアイスに中で冷却して保存する。 

j) 

残油分は直ちに本体9.2の試料とする。直ちに試験ができない場合は,密栓のできる褐色瓶などの容

器に入れて,10 ℃以下の冷蔵庫などの冷暗所に保存する。 

8. 計算方法 C6以上留分の収率は,次の式によって算出し,JIS Z 8401の規定によって丸めの幅0.1に

丸める。 

100

×

=CR

H

ここに, 

H: C6以上留分の収率(容量%) 

R: 残油分の容量(mL) 

C: 試料のはかり採り量(50.0 mL) 

9. 精度 精度は,次による。 

この試験方法によって得られた試験結果の許容差(確率0.95)は,次のとおりである。 

備考 試験結果が許容差を外れた場合には,JIS Z 8402-6の規定によって処理する。 

a) 室内併行精度 同一試験室において,同一人が同一試験器で,引き続き短時間に同一試料を2回試験

したとき,試験結果の差の許容差を附属書1表1に示す。 

b) 室間再現精度 異なる試験室において,別人が別の試験器で,同一試料をそれぞれ1回ずつ試験して

求めた2個の試験結果の差の許容差を附属書1表1に示す。 

附属書1表 1 精度 

単位 容量% 

室内併行許容差 

室間再現許容差 

2.0 

4.0 

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23 

K 2536-1:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書2(規定)ペンタン以下留分のガスクロマトグラフによる 

成分の求め方 

1. 適用範囲 この附属書は,附属書1で分取したC5以下留分中に含まれる0.1容量%以上の炭化水素成

分をガスクロマトグラフによって分別し,飽和分とオレフィン分を定量する方法について規定する。 

備考1. この附属書は,アルコール及びエーテル類(MTBEを除く。)を含む石油製品に適用できない。 

2. この附属書でMTBEを含む試料を測定する場合には,あらかじめMTBEの溶出位置及び分

離状態を確認しておく。 

2. 引用規格 引用規格は,本体2.による。 

3. 試験の原理 附属書1によって分取したC5以下留分を冷却したマイクロシリンジに取り,規定の条件

に設定したガスクロマトグラフに導入して,個々の炭化水素に分離し,クロマトグラムを記録する。 

各成分はクロマトグラムに示されたピークの保持時間を用いて同定し,各成分の濃度はピークの面積か

ら補正面積百分率法を用いて求める。飽和分及びオレフィン分は,それぞれの濃度を炭化水素タイプ別に

集計し,容量%で表す。 

備考1. あらかじめC5以下留分中にオレフィン炭化水素が含まれていないことが明らかな場合は,こ

の附属書の操作を行わなくてもよい。 

2. エタン及びエチレンについては,一般のガソリンでの濃度は微量であり,附属書1の操作で

の捕集も困難である。したがって,この方法ではプロパンの保持時間より以前のピークの同

定をしなくてもよい。 

3. C5以下留分中の3-メチル-1-ブテンはイソペンテンと,2,2-ジメチルブタンはC5オレフィン炭

化水素と分離しないことが多い。通常,これらの濃度は少ないため,分離できなくてもよい。 

なお,2,2-ジメチルブタンは,C5オレフィン炭化水素の保持時間と重なるので,オレフィ

ン炭化水素を含まない試料の場合,このピークをオレフィン炭化水素成分と判定してはなら

ない。 

4. オレフィン炭化水素を含む試料の場合,C5以下留分中のシクロオレフィン類,ジオレフィン

類及びアセチレン類の定量が困難な場合が多いが,一般に自動車ガソリンなど燃料油中のこ

れらの濃度はわずかである。 

5. C5以下留分中のC6オレフィン炭化水素及び芳香族炭化水素は,C6飽和炭化水素と分離でき

ないことがある。この場合,一般にその濃度は微量であるため,C6以上の炭化水素は,すべ

て飽和炭化水素成分とみなす。 

6. MTBEを含む試料の場合は,C6以上の炭化水素の保持時間にピークが現れるので,飽和分と

判定してはならない。 

参考 ガスクロマトグラフによるC5以下軽質炭化水素の飽和分とオレフィン分の定量は,この附属書

以外にASTM D 2427のリバースフロー法又はバックフラッシュ法がある。 

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24 

K 2536-1:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4. 試験器  

4.1 

ガスクロマトグラフ 次に示す主要部からなる。ここに示す以外の構造上の規定については,JIS K 

0114の規定による。 

a) 試料導入部 80 ℃以上の温度に保つことのできるもの。 

b) カラム槽及び検出器槽 室温〜100 ℃の間で任意の一定温度に保つことのできるもので,その温度調

節精度は±0.5 ℃とする。カラムを室温で用いる場合,カラム槽と検出器槽は,それぞれ独立に温度

制御できる構造のものが適している。 

なお,この場合温度変化が1 ℃/h以内であることを確認しておく必要がある。 

c) カラム 6.2に規定する性能のもの。 

d) 検出器 熱伝導度セル 

e) データ処理装置 クロマトグラムを記録するとともに,個々のピークの保持時間,ピーク面積積分値

を記録できるもの。 

f) 

シリンジ及びマイクロシリンジ シリンジの容量は1〜3 mL,マイクロシリンジの容量は10〜100 μL

のもの。 

5. 試薬 試薬は,次による。 

a) 標準炭化水素 炭化水素成分の保持時間の測定に用いる。次に示す最上級品のもの。 

1)エタン 

7)1-ブテン及びイソブテン 13)1-ペンテン 

2)エチレン 

8)trans-2-ブテン 

14)2-メチル-1-ブテン 

3)プロパン 

9)cis-2-ブテン 

15)trans-2-ペンテン 

4)プロピレン 

10)イソペンタン 

16)cis-2-ペンテン 

5)イソブタン 

11)ペンタン 

17)2-メチル-2-ブテン 

6)ブタン 

12)3-メチル-1-ブテン 

18)2, 2-ジメチルブタン 

b) MTBE 純度99.0 %以上のもの。 

c) ヘリウム 純度99.8 %以上のもの。 

6. カラムの準備  

6.1 

調製方法 カラムをJIS K 0114の規定によって調製する(1)。固定相液体(2),担体(3)及び管の代表例

を附属書2表1に示す。 

注(1) カラムの空焼き中は,溶出してくる固定相液体の軽質不純物や残存溶剤による検出器の汚染を

避けるため,カラムの出口は検出器と接続しないようにする。 

(2) 市販最上級品のもの。 

(3) 粉砕した耐火れんが又はけい藻土を水で洗い,微粉末を取り除いた後,110 ℃以上で3時間以

上乾燥したもの。 

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25 

K 2536-1:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書2表 1 カラム及び試験条件の一例 

カラム 

固定相液体 

フタル酸ビス-2-ブトキシ
エチル 

マイレン酸ジブチル 

担体 

種類 

耐火レンガ 

耐火レンガ 

処理方法 (4) 

水洗−乾燥 

水洗−乾燥 

粒子径 μm 

250〜590 

177〜250 

固定相液体の含
浸率(g/100 g) 

42 

20 

管 

内径    mm 

長さ     m 

試験条件 

カラム槽の温度      (℃) 

60 

室温 

試料導入部の温度     (℃) 

80 

80 

検出器槽の温度      (℃) 

60 

60 

キャリヤーガス 

種類 

ヘリウム 

ヘリウム 

流量 mL/min 

60 

30 

備考 

3-メチル-1-ブテンとイソペ
ンタンとは分離しない。 

1)3-メチル-1-ブテンとイソ

ペンタンとの分離は悪
い。 

2)カラム槽の温度を50 ℃

以上にするとカラムの
寿命が短くなる。 

注(4) カラムは,6.2の条件を満足するものであれば,これ以外のものを用いてもよい。 

6.2 

カラムの性能 調製したカラムは,規定の試験条件において,各ピークの分離が次のいずれかの条

件を満足するものでなければならない。 

a) 濃度5容量%以上の炭化水素成分のピークの場合,そのピークの両側の谷のうち浅い方の谷の深さA

と基線からのピークの高さBとの比A/Bが0.6以上のもの。(附属書2図1参照) 

b) 濃度5容量%未満の炭化水素成分のピークの場合,そのピークの両側の谷のうち浅い方の谷の深さA

とピーク両側の谷の接線からのピークの高さBとの比A/Bが0.4以上のもの。(附属書2図2参照) 

附属書2図 1 5容量%以上のピークの分離度 

background image

26 

K 2536-1:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書2図 2 5容量%未満のピークの分離度 

備考 カラムの性能は,飽和炭化水素分のピークとオレフィン炭化水素分のピークとの分離度がa)

又はb)の規定に適合していれば,同種炭化水素間の各炭化水素成分のピークの分離度は,a)

又はb)の規定に適合しなくてもよい。(附属書2図3参照) 

附属書2図 3 隣接ピークが同種炭化水素成分である場合(一例) 

7. 試験の手順  

7.1 

ガスクロマトグラフの調整 ガスクロマトグラフの調整は,次による。 

a) 準備したカラムを装置の所定の位置に接続し,キャリヤーガス流路を検出器出口で封じる。 

b) キャリヤーガスボンベの元弁及びボンベ側の圧力調整器を開いて,二次圧力を0.3〜0.9 MPaに調整す

る。次に,装置側のキャリヤーガス調圧弁及び流量調整器を徐々に開き,カラム入口圧力が0.3〜0.5 

MPaになるように調整する。 

c) カラム及び配管の各連結部からキャリヤーガスの漏れがないことを,石けん水の塗布又は,キャリヤ

ーガスの検出器を用いて,確認する(5)。漏れがなければ,検出器出口を開く。 

a)隣接ピークがオレフィン炭化水素成

分だけのとき 

b)隣接ピークが飽和炭化水素成

分だけのとき 

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27 

K 2536-1:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

注(5) 複流路式ガスクロマトグラフの場合は,同時に対照側流路についても漏れがないことを確認す

る。 

d) 装置の電源を入れ,カラム槽を室温〜100 ℃の間の規定温度(±0.5 ℃)に保つ(6)。 

注(6) カラムを室温で使う場合は,カラム槽のふたを開き,ファンを回してカラムの温度が室温にな

るようにする。 

e) 試料導入部を80〜150 ℃の間の一定温度に保つ。 

f) 

検出器槽を60〜100 ℃の間の一定温度に保つ。 

g) キャリヤーガス調圧弁及び流量調整器を調整して,検出器出口におけるキャリヤーガスの流量を30〜

100 mL/minの範囲の規定量にする。 

参考 附属書2表1のカラムを用いる場合は,装置を附属書2表1で指定した試験条件を参考にする

とよい。 

h) 検出器の電源を入れ,金属フィラメント又はサーミスタに通電し(7),少なくとも30分間放置する。 

注(7) 直流電源電圧及び電流値は,用いるガスクロマトグラフに指定された値とする。 

i) 

記録計の電源を入れ,減衰器を調整して記録計のフルスケールが1 mVになるようにした後,記録計

を始動させる。記録紙に描かれた基線の変動が約10分間にフルスケールの1 %以内であれば,装置

は安定したものとする。 

7.2 

保持時間の測定 保持時間の測定は,5. a)に規定する標準炭化水素を用いて次の操作によって行う

(8)。この操作は,カラム,カラムの温度及びキャリヤーガスの流量を変えない限り,一度行っておけばよ

い。 

注(8) 各炭化水素成分の溶出順序が決まっているカラムを用いる場合には,標準炭化水素の混合物を

用いてもよい。この場合,標準炭化水素の混合比がほぼ同等のものを用いる。 

備考 MTBEを含む試料の場合,あらかじめMTBEの溶出位置を確認しておく。 

a) 標準炭化水素が気体ならば,0.1〜0.5 mLをシリンジに,液体ならば1〜5 μLをマイクロシリンジに取

り,ガスクロマトグラフの試料導入口から速やかに導入する。直ちに記録計又はデータ処理装置を始

動し,クロマトグラムを記録する。この場合,ペンタンの半値幅が10 mm以上になるように記録紙送

り速度を設定する。 

備考1. 自動積分器を用いる場合,記録紙送り速度は任意とする。 

2. 標準炭化水素のピークがスケールアウトしない程度に大きく描かれるように減衰器を調節す

る。 

b) 得られたクロマトグラム上の試料導入時から標準炭化水素のピークまでの時間(保持時間)を時間軸

目盛によって0.1分単位で読み取る。 

備考 2-メチル-2-ブテンの溶出が30分を超える場合には,30分以下になるように各標準炭化水素相

互の分離が6.2の条件を外れない範囲で,カラムの長さを短くするか,カラム槽の温度を10〜

30 ℃上げるか,又はキャリヤーガス流量を増加する。これらの条件を変えた場合には,すべて

の標準炭化水素についてa)及びb)の操作をやり直す。 

なお,附属書2表1のカラム及びその試験条件であれば,通常,2-メチル-2-ブテンの溶出が

30分を超えることはない。 

c) a)及びb)の操作を3回繰り返して行い,その平均値を保持時間とする。 

d) 各標準炭化水素の比保持時間は,ペンタンの保持時間を基準として,次の式によって算出し,JIS Z 

8401の規定によって丸めの幅0.01に丸める。 

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28 

K 2536-1:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

p

i

i

T

T

R=

ここに, Ri: 標準炭化水素iの比保持時間 
 

Ti: 標準炭化水素iの保持時間(min) 

Tp: ペンタンの保持時間(min) 

7.3 

試料の測定 試料の測定は,次による。 

a) マイクロシリンジは,凝縮水の付着及び二酸化炭素の混入(9)を防ぐため,ポリエチレン製の袋に入れ

て密封し,ドライアイス又は冷蔵庫の冷凍室の中で10分間以上冷却する。 

注(9) 二酸化炭素のピークは,エタンの付近に現れる。 

b) 附属書1で得られたC5以下留分をよく振り混ぜ,これをガスクロマトグラフ試験用試料とする。 

c) 冷却したマイクロシリンジの針先を試料中に浸したまま,液を数回出し入れしてシリンジ中の空気を

追いだした後,装置に応じた規定量(通常,5〜20)よりも5〜10 μL多く取り,ガスクロマトグラフ

に導入する直前に規定量に合わせて導入する。この操作は軽質炭化水素の損失を避けるため,できる

だけ迅速に行い,直ちに,7.2 a)に準じて記録紙送り及びデータ処理装置を始動させる。 

d) クロマトグラムの記録は,2-メチル-2-ブテンの保持時間の2倍の時間まで行い,成分のピークが認め

られないことを確かめた後,記録紙送り及びデータ処理装置を止める。 

備考 MTBEを含む試料の場合は,クロマトグラムの記録を2-メチル-2-ブテンの保時時間の約3倍の

時間まで行い,MTBEの溶出を確認する。 

e) 得られたクロマトグラムの各ピークの保持時間を測定し,7.2 c)で求めたペンタンの保持時間と一致

するピークをペンタンと定める。その他のピークについては,7.2 d)と同様に比保持時間を求め,標

準炭化水素の比保持時間と比較照合して同定する。クロマトグラムの一例を附属書2図4に示す。 

附属書2図 4 フタル酸ビス-2-ブトオキシエチルカラムによる接触分解系ガソリンのC5以下留分の 

クロマトグラム(一例) 

background image

29 

K 2536-1:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

8. 計算方法 計算方法は,次による。 

a) MTBEを含まない試料の場合  

1) 飽和分及びオレフィン分の補正面積合計値は,7.3 d)で求めた炭化水素成分のピーク面積積分値を

用いて,次の式によって求める。 

]

)

(

)

(

)

(

)

[(

s

i

s

i

s

3

s

3

s

2

s

2

s

1

s

1

s

Λ

Λ

+

×

+

+

×

+

×

+

×

=

f

S

f

S

f

S

f

S

S

]

)

(

)

(

)

(

)

[(

o

j

o

j

o

3

o

3

o

2

o

2

o

1

o

1

o

Λ

Λ

+

×

+

+

×

+

×

+

×

=

f

S

f

S

f

S

f

S

S

ここに, 

sS: 飽和分の補正面積合計値 

s

iS: 飽和炭化水素成分iのピーク面積積分値(10) 

s

if: 飽和炭化水素成分iの液容量換算係数(11) 

oS: オレフィン分の補正面積合計値 

o

jS: オレフィン炭化水素成分jのピーク面積積分値 

o

jf: オレフィン炭化水素成分jの液容量換算係数(11) 

注(10) C6以上の炭化水素のピークは,すべて飽和分として計算する。ただし,MTBEを含む試料の場

合は,C6以上の炭化水素の保持時間にピークがあらわれるので,飽和分と判定してはならない。 

(11) 通常,液容量換算係数は1.00とする。ただし,より正確に炭化水素成分の濃度を求めたい場合

には,附属書2表2の液容量換算係数を用いるとよい。 

附属書2表 2 炭化水素成分の液容量換算係数 

成分名 

液容量換算係数 

(ペンタン=1.00) 

成分名 

液容量換算係数 

(ペンタン=1.00) 

プロパン 

1.24 

3-メチル-1-ブテン 

1.03 

平均1.00 

プロピレン 

1.15 

1-ペンテン 

1.01 

イソブタン 

1.16 

2-メチル-1-ブテン 

0.99 

ブタン 

1.07 

trans -2-ペンテン 

0.95 

イソブテン 

1.05 

平均1.05 

cis -2-ペンテン 

0.99 

1-ブテン 

1.06 

2-メチル-2-ブテン 

1.03 

trans-2-ブテン 

0.99 

シクロペンタン 

0.89 

平均0.99 

cis-2-ブテン 

0.94 

2,2-ジメチルブタン 

1.04 

イソペンタン 

1.04 

2,3-ジメチルブタン 

1.02 

ペンタン 

1.00 

2-メチルペンタン 

1.00 

3-メチルペンタン 

0.99 

ヘキサン 

0.97 

備考 MTBEの液容量換算係数は,1.00とする。 

2) C6以上の炭化水素の濃度は,1)で求めた飽和分及びオレフィン分の補正面積合計値を用いて,次

の式によって求める。その濃度が3.0容量%以上の場合は,附属書1の操作が不完全であったとし

て,附属書1からの操作をやり直す。 

)

(

)

100

(

)

(

o

s

h

h

h

S

S

H

f

S

X

+

×

×

=

ここに, Xh: C6以上の炭化水素の濃度を脱C5する前の試料中の濃度に換算

した値(容量%) 

Sh: C6以上の炭化水素のピーク面積積分値合計(10) 

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30 

K 2536-1:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

fh: C6以上の炭化水素の液容量換算係数(11) 

H: 附属書1によるC6以上留分の収率(容量%) 

Ss: 飽和分の補正面積合計値 

So: オレフィン分の補正面積合計値 

3) 飽和分及びオレフィン分の濃度(容量%)は,1)で求めた補正面積合計値を用いて,次の式によっ

て算出し,JIS Z 8401の規定によって丸めの幅0.1に丸める。 

なお,飽和分及びオレフィン分の総和は,濃度の高い方の計算値を加減して,100.0容量%になる

ようにする。 

100

o

s

s

s

×

+

=

S

S

S

G

100

o

s

o

o

×

+

=

S

S

S

G

ここに, Gs: 飽和分(容量%) 
 

Go: オレフィン分(容量%) 

b) MTBEを含む試料の場合 飽和分,オレフィン分及びMTBEの濃度(容量%)は,a)1)で求めた補

正面積合計値を用いて,次の式によって算出し,JIS Z 8401の規定によって丸めの幅0.1に丸める。 

なお,飽和分,オレフィン分及びMTBEの総和は,濃度の高い方の計算値を加減して,100.0容量%

になるようにする。 

100

m

o

s

s

s

×

+

+

=

S

S

S

S

G

100

m

o

s

o

s

×

+

+

=

S

S

S

S

G

100

m

o

s

m

m

×

+

+

=

S

S

S

S

G

ここに, 

Gs: 飽和分(容量%) 

Go: オレフィン分(容量%) 

Gm: MTBE分(容量%) 

Ss: 飽和分の補正面積合計値 

So: オレフィン分の補正面積合計値 

Sm: MTBE分の補正面積合計値 

9. 精度 精度は,次による。 

この試験方法によって得られた試験結果の許容差(確率0.95)は,次による。 

備考 試験結果が許容差を外れた場合には,JIS Z 8402-6の規定によって処理する。 

a) 室内併行精度 同一試験室において,同一人が同一試験器で,引き続き短時間に同一試料を2回試験

したとき,試験結果の差の許容差を附属書2図5に示す。 

b) 室間再現精度 異なる試験室において,別人が別の試験器で,同一試料をそれぞれ1回ずつ試験して

求めた2個の試験結果の差の許容差を附属書2図5に示す。 

background image

31 

K 2536-1:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書2図 5 精度 

background image

32 

K 2536-1:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書3(参考)JISと対応する国際規格との対比表 

JIS K 2536-1:2003 石油製品−成分試験方法 第1部:蛍光指示薬吸着法 

ISO 3837:1993 石油製品−炭化水素タイプ試験方法−蛍光指示薬吸着法 

(Ⅰ) JISの規定 

(Ⅱ) 国際
規格番号 

(Ⅲ) 国際規格の規定 

(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項目ごと
の評価及びその内容 
 表示箇所:本体,附属書 
 表示方法:点線の下線又は側線 

(Ⅴ) JISと国際規格との技術的
差異の理由及び今後の対策 

項目 
番号 

内容 

項目 
番号 

内容 

項目ごと
の評価 

技術的差異の内容 

1. 適用範囲 

試料の沸点範囲,濃度範
囲及び油種を規定してい
る。 

ISO 3837 

1. 

JISに同じ。 

IDT 

− 

ISO 3837:1993は2002年に開
催されたISO/TC 28国際会議
の決議第14において,廃止
提案をすることが決定して
いる。 

2. 引用規格 

JIS C 7604,JIS K 0114 
JIS K 0557,JIS K 1107 
JIS K 2251,JIS K 2254 
JIS K 2536-2,JIS K 2839 
JIS K 8034,JIS K 8839 
JIS Q 0034,JIS Q 0035 
JIS R 3503,JIS Z 8401 
JIS Z 8402-6を規定。 

2. 

ISO 756-1,ISO 3171 
ASTM D 3663,ASTM 
D 4815を規定。 

MOD/追加 

ISOで引用している規格につい
ては,それらに相当するJISを
引用して追加をしている。 
ISOでは引用していないが,JIS
にある項目については,その
JISを引用して追加している。 

ISOの規格体系はJIS体系と
異なっているためであり,こ
の規格はJIS体系に合わせる
ため,ISOを追加した。 

3. 定義 

炭化水素タイプ,飽和分,
オレフィン分,芳香族分,

C5以下留分,C6以上留分

を定義している。 

3. 

飽和分,オレフィン
分,芳香族分を定義し
ている。 

MOD/変更 
 
 
MOD/追加 

芳香族分の定義の中で,ISOで
は高沸点酸素化合物を含めて
いるが,JISでは含めていない。 
炭化水素タイプ,C5以下留分,

C6以上留分を追加している。 

JISでは,技術的根拠を確認
していないため,ISOを変更
した。 
基本的用語として追加した。 

4. 試験の原理 シリカゲルへの吸着親和

力の差によって成分を分
離する。その原理,手順
及び報告値の内容を記
載。 

4. 

シリカゲルへの吸着
親和力の差によって
成分を分離する。その
原理及び手順記載。 

MOD/追加 

JISでは酸素化合物を含む場合
の報告値の原理を追加して記
載。 

酸素化合物を含む場合の報
告が分かりやすいようにし
た。 

3

2

K

 2

5

3

6

-1

2

0

0

3

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

background image

33 

K 2536-1:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(Ⅰ) JISの規定 

(Ⅱ) 国際
規格番号 

(Ⅲ) 国際規格の規定 

(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項目ごと
の評価及びその内容 
 表示箇所:本体,附属書 
 表示方法:点線の下線又は側線 

(Ⅴ) JISと国際規格との技術的
差異の理由及び今後の対策 

項目 
番号 

内容 

項目 
番号 

内容 

項目ごと
の評価 

技術的差異の内容 

5. 試験器 

a)蛍光指示薬吸着試験器 
 
1)吸着管 Ⅱ形吸着管
(精密口径管)を規定し
ている。 
 
 
 
2)上部アダプタ 
 
 
3)加圧装置 
 
b)層長測定器 
 
c)紫外線 
 
d)電気振動器 
e)シリンジ 

− 
 
5.1 
 
 
 
 
 
− 

 
 
− 
 
5.2 

 
5.3 

 
5.4 

5.5 

− 
 
標準壁管及び精密口
径管の2種類を規定 
 
 
 
 
− 
 
 
− 
 
層長測定器の説明 
 
紫外線光源の説明 
 
JISに同じ。 
シリンジの説明。 

MOD/追加 
 
MOD/ 
削除・追加 
 
MOD/追加 
 
 
MOD/追加 
 
 
MOD/追加 
 
MOD/追加 
 
MOD/追加 
 
IDT 
MOD/変更 

試験器の構成図を記載 
 
JISでは精密口径管の1種類を
規定して,JISに規格している
図を追加している。 
吸着管測定部の寸法の検査方
法を具体的に記載して追加し
ている。 
JISに規定している図を追加し
ている。 
 
JISでは具体的にして追加規定
している。 
図を追加している。 
 
日本のJISを具体的に追加説明
をしている。 
− 
針の寸法の表現を変更してい
る。 

試験器の構成の概念が分か
りやすいようにした。 
規定した吸着管以外は世界
的に使われていない。 
 
検査方法が分かりやすいよ
うにした。 
 
JIS K 2839に規定されている
ため,分かりやすいようにし
た。 
加圧装置が分かりやすいよ
うにした。 
測定器が分かりやすいよう
にした。 
使用時の利便性を考慮して
追加した。 
− 
日本の実態に合わせた。 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

3

3

K

 2

5

3

6

-1

2

0

0

3

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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K 2536-1:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(Ⅰ) JISの規定 

(Ⅱ) 国際
規格番号 

(Ⅲ) 国際規格の規定 

(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項目ごと
の評価及びその内容 
 表示箇所:本体,附属書 
 表示方法:点線の下線又は側線 

(Ⅴ) JISと国際規格との技術的
差異の理由及び今後の対策 

項目 
番号 

内容 

項目 
番号 

内容 

項目ごと
の評価 

技術的差異の内容 

6. 試薬 

a)シリカゲル 
b)蛍光染料付きシリカゲ
ル 
 
c)3-メチル-1-ブタノール 
 
d)2-プロパノール 
 
e)圧縮ガス 
f)アセトン 
 
g)水 

6.1 
6.2 
 
 
− 
 
6.3 
 
6.4 
− 
 
− 

JISに同じ。 
蛍光染料付きシリカ
ゲルについて規定。 
 
− 
 
ISOを規定。 
 
JISに同じ。 
− 
 
− 

IDT 
MOD/変更 
 
 
MOD/追加 
 
MOD/変更 
 
IDT 
MOD/追加 
 
MOD/追加 

− 
長期保存した場合の性能検査
及び既製品許容について追加
規定している。 
ISOは規定していないが,技術
的内容は同じ。 
日本のJISを規定している。 
 
− 
ISOは規定していないが,技術
的内容は同じ。 
ISOは規定していないが,技術
的内容は同じ。 

− 
使用時の利便性を考慮して
追加した。 
 
JISは,使用する試薬をすべ
て記載。 
JIS体系に合わせるため変更
した。 
− 
JISは,使用する試薬をすべ
て記載。 
JISは,使用する試薬をすべ
て記載。 

7. 試料の採取
方法及び調製
方法 

a)試料採取方法を規定。 
 
b)試料の前処理手順を規
定。 

7. 
 
− 

ISOを規定。 
 
− 

MOD/変更 
 
MOD/変更 

日本のJISを規定している。 
 
ISOは規定していないが,技術
的内容は同じ。 

JIS体系に合わせるため,変
更した。 
前処理方法が分かりやすい
ように追加した。 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

3

4

K

 2

5

3

6

-1

2

0

0

3

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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K 2536-1:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(Ⅰ) JISの規定 

(Ⅱ) 国際
規格番号 

(Ⅲ) 国際規格の規定 

(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項目ごと
の評価及びその内容 
 表示箇所:本体,附属書 
 表示方法:点線の下線又は側線 

(Ⅴ) JISと国際規格との技術的
差異の理由及び今後の対策 

項目 
番号 

内容 

項目 
番号 

内容 

項目ごと
の評価 

技術的差異の内容 

8. 試験の手順 試験の手順を規定 

8.1 試験器の準備 
a)試験器の組立て 
b)吸着管を組立て 
c)下部アダプタを固定 
 
 
d)シリカゲルを詰める方
法 
e)吸着管を固定 
8.2 試料を溶離する手
順 
a)シリンジの冷却 
b)試料注入 
c)溶離の手順 
 
d)1回目の層長測定方法 
 
 
 
e)2回目の層長測定方法 
f)吸着管の洗浄 

 
 
8.1 
8.2 
5.1 
 
 
8.2 
 
8.2 
 
8.3 
8.3 
8.4 
 
8.5 
 
 
 
8.5 
8.6 

 
 
JISに同じ。 
JISに同じ。 
下部アダプタを固定 
 
 
シリカゲルを詰める
方法 
JISに同じ。 
 
JISに同じ。 
JISに同じ。 
溶離の手順 
 
1回目の層長測定方法 
 
 
 
2回目の層長測定方法 
JISに同じ。 

 
 
IDT 
IDT 
MOD/変更 
 
 
MOD/追加 
 
IDT 
 
IDT 
IDT 
MOD/追加 
 
MOD/追加 
 
 
 
MOD/追加 
IDT 

 
 
− 
− 
JISは,金網を規定し,編集を
して手順として記載。技術的差
異はない。 
注 を追加している。 
 
− 
 
− 
− 
JISは圧力調整方法を明確にし
ている。 
アルコール試料の注意点を追
加した。また,境界の判定図を
追加した。 
 
測定単位(1 mm)を規定 
− 

 
 
− 
− 
− 
 
 
誤差要因が分かりやすいよ
うにした。 
− 
 
− 
− 
誤差要因が分かりやすいよ
うにした。 
アルコール試料の誤差要因
が分かりやすいようにした
また,判定方法を図解して分
かりやすいようにした。 
測定方法を明確にした。 
− 

 
 
 
 
 
 
 
 

3

5

K

 2

5

3

6

-1

2

0

0

3

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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K 2536-1:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(Ⅰ) JISの規定 

(Ⅱ) 国際
規格番号 

(Ⅲ) 国際規格の規定 

(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項目ごと
の評価及びその内容 
 表示箇所:本体,附属書 
 表示方法:点線の下線又は側線 

(Ⅴ) JISと国際規格との技術的
差異の理由及び今後の対策 

項目 
番号 

内容 

項目 
番号 

内容 

項目ごと
の評価 

技術的差異の内容 

9. 計算方法 

a)酸素化合物をを混合し
ていない石油製品 
1)C5以下留分取行わな
いとき 
 
 
 
2)C5以下留分取行った
とき 
b)酸素化合物を混合して
いる石油製品 
1)C5以下留分取行わな
いとき 
2)C5以下留分取行った
とき 

 
 
9.1 
 
 
 
 
10.2 
 
 
 
9.2 
10.2 
9.2 
10.2 

 
 

C5以下留分取行わな

いとき 
 
 
 

C5以下留分取行った

とき 
 
 

C5以下留分取行わな

いとき 

C5以下留分取行った

とき 

 
 
MOD/変更 
 
 
 
 
MOD/変更 
 
 
 
MOD/変更 
 
MOD/変更 

 
 
JISは小数点以下2けたまで算
出脱。ISOは小数点以下1けた
に丸めている。 
 
 
JISは計算式を示して明確に規
定している。 
 
 
JISは計算式を示して明確に規
定している。 
JISは計算式を示して明確に規
定している。 

 
 
ここで丸めると,10.で平均し
て丸める操作があるため,2
段階丸めになる。JISはこの
不合理を避けるため丸めて
いない。 
計算式が分かりやすいよう
にした。 
 
 
計算式が分かりやすいよう
にした。 
計算式が分かりやすいよう
にした。 

10. 結果の表
し方 

a)結果の表し方 

9.1 
10.1 

結果の表し方 

MOD/変更 

JISは,合計が100 %になるよ
うにすることを10.に規定。ISO
は,9.1に規定。 

JISは,報告形式が分かりや
すいようにしている。 

11. 精度 

精度を規定。 

11. 

精度を規定。 

MOD/追加 

JISは,JIS Z 8402-6及び酸素
化合物を含まない場合を追加
記載している。 

JIS Z 8402-6の追加はJISの
体系による。 
酸素化合物を含まない場合
の追加は,分かりやすいよう
にした。 

12. 試験結果
の報告 

報告事項を規定。 

12. 

報告事項を規定。 

MOD/変更 

報告事項を変更している。 

JISは,JISの規格様式に合
わせている。 

 
 
 

3

6

K

 2

5

3

6

-1

2

0

0

3

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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K 2536-1:2003  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(Ⅰ) JISの規定 

(Ⅱ) 国際
規格番号 

(Ⅲ) 国際規格の規定 

(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項目ごと
の評価及びその内容 
 表示箇所:本体,附属書 
 表示方法:点線の下線又は側線 

(Ⅴ) JISと国際規格との技術的
差異の理由及び今後の対策 

項目 
番号 

内容 

項目 
番号 

内容 

項目ごと
の評価 

技術的差異の内容 

附属書1 
(規定) 

ペンタン以下留分の分取
方法を規定 

An-n
ex A 

参考として 
ASTM D 2001-86の試
験方法名を記載 

MOD/変更 

JISは該当ASTMを参考にして
作成し,JIS規定にしている。 

ISO規格はASTM番号だけ
を参考で記載しているが,使
用者には不便である。そこ
で,使用者の利便性を考慮し
て,ASTMを参考にして規定
とした。 

附属書2 
(規定) 

ペンタン以下留分のガス
クロマトグラフによる成
分試験方法を規定 

An-n
ex A 

参考として 
ASTM D 2427-87の試
験方法名を記載 

MOD/変更 

JISは該当ASTMを参考にして
作成し,JIS規定にしている。 

ISO規格はASTM番号だけ
を参考で記載しているが,使
用者には不便である。そこ
で,使用者の利便性を考慮し
て,ASTMを参考にして規定
とした。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:MOD 
 
備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。 

  ― IDT……………… 技術的差異がない。 
  ― MOD/削除……… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
  ― MOD/追加……… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
  ― MOD/変更……… 国際規格の規定内容を変更している。 

2. JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。 

  ― MOD…………… 国際規格を修正している。 

3

7

K

 2

5

3

6

-1

2

0

0

3

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。