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K 2518:2017  

(1) 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

4 試験の原理 ······················································································································ 4 

5 試薬······························································································································· 5 

6 試験器及び器具 ················································································································ 5 

7 試料の採取方法及び調製方法 ······························································································ 9 

8 試験器の準備 ··················································································································· 9 

9 試験の手順 ····················································································································· 10 

9.1 泡立ち度及び泡安定度の測定 ·························································································· 10 

9.2 試料の均質化(オプションA) ························································································ 11 

10 結果の表し方 ················································································································ 11 

11 精度 ···························································································································· 12 

12 試験結果の報告 ············································································································· 13 

附属書A(規定)ディフューザの最大孔径及び通気性の測定方法·················································· 14 

附属書JA(参考)潤滑油の高温泡立ち試験方法 ········································································ 17 

附属書JB(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 23 

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(2) 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人潤滑

油協会(JALOS)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準

調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。これによって,JIS K 2518:2003は改

正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

日本工業規格          JIS 

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潤滑油−泡立ち試験方法 

Lubricating oils-Determination of foaming characteristics 

序文 

この規格は,1998年に第1版として発行されたISO 6247を基とし,国内の実情に合わせるため,技術

的内容を変更して作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JBに示す。 

適用範囲 

この規格は,規定温度における潤滑油の泡立ち度及び泡安定度を試験する方法について規定する。安定

な泡まつを作る傾向を抑制するための添加剤(以下,消泡剤という。)を含む潤滑剤にも,このような消泡

剤を含まない潤滑剤にも適用できる。また,150 ℃における潤滑油の泡立ち特性を,測定する手順につい

て附属書JAに示す。 

注記1 泡立ちは,潤滑不良,キャビテーション,オーバーフローによる潤滑剤の損失などを引き起

こし,装置の機械的故障につながることがある。この方法で得られた結果は,それらの問題

を検討するための指標として用いることができる。 

注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 6247:1998,Petroleum products−Determination of foaming characteristics of lubricating oils

(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

警告 この規格は,危険な試薬,操作及び試験器を用いることがあるが,安全な使用方法を全て規定

しているわけではないので,この試験方法を適用する者は試験に先立って,適切な安全上及び

健康上の禁止事項を決めておかなければならない。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 7410 石油類試験用ガラス製温度計 

JIS K 0557 用水・排水の試験に用いる水 

JIS K 2251 原油及び石油製品−試料採取方法 

JIS K 8034 アセトン(試薬) 

注記 対応国際規格:ISO 6353-2,Reagents for chemical analysis−Part 2: Specifications−First series

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(MOD) 

JIS K 8680 トルエン(試薬) 

注記 対応国際規格:ISO 6353-2,Reagents for chemical analysis−Part 2: Specifications−First series

(MOD) 

JIS K 8839 2-プロパノール(試薬) 

注記 対応国際規格:ISO 6353-3,Reagents for chemical analysis−Part 3: Specifications−Second series

(MOD) 

JIS K 9701 ヘプタン(試薬) 

JIS Z 8402-6 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)−第6部:精確さに関する値の実用的

な使い方 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。 

3.1 

泡立ち度 

規定温度で規定時間空気を吹き込んだときの泡まつの体積(mL)。泡立ち試験(シーケンスI〜シーケン

スIII)では,空気吹き込み終了直後の泡まつの体積,高温泡立ち試験では,空気吹き込み終了直前の泡ま

つの体積。 

3.2 

泡安定度 

泡立ち度測定後,空気供給を遮断して規定時間が経過した後に残っている安定な泡まつの体積(mL)。

泡立ち試験(シーケンスI〜シーケンスIII)では,10分後の泡まつの体積,高温泡立ち試験では,次の時

間経過後の泡まつの体積。 

 5秒間泡安定度……空気供給を遮断してから5秒間後に残っている安定な泡まつの体積 

15秒間泡安定度……空気供給を遮断してから15秒間後に残っている安定な泡まつの体積 

 1分間泡安定度……空気供給を遮断してから1分間後に残っている安定な泡まつの体積 

 5分間泡安定度……空気供給を遮断してから5分間後に残っている安定な泡まつの体積 

10分後泡安定度……空気供給を遮断してから10分間後に残っている安定な泡まつの体積 

3.3 

シーケンス 

試験条件によってI〜IIIに区別した手順の総称。 

3.4 

ディフューザ(diffuser) 

気体を液体に分散させる器具。 

3.5 

泡まつ(沫)(foam) 

液体の中又は表面に形成される集合した気泡。体積基準では,空気(気体)を主成分とする。 

3.6 

潤滑剤(lubricant) 

二つの表面の間に介在させて,二つの表面の間の摩擦又は磨耗を減少させる物質。 

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3.7 

最大孔径(maximum pore diameter) 

ディフューザの気孔で最も大きな気孔径。ディフューザの最大孔径は,表面張力を用いて求める孔径と

同等の細管断面の直径で表す(μm)。 

3.8 

通気性(permeability) 

気体圧力2.45 kPaのもとで,ディフューザを通過する気体の流量(mL/min)。 

3.9 

動的気泡 

ディフューザの最大孔径を測定するとき,ディフューザから連続的に発生する最初の気泡。 

3.10 

液体中の混入空気(又は気体) 

液体中に分散された空気(又は気体)の2相混合物。 

注記 空気(又は気体)は,直径約10〜1 000 μmの不連続な気泡の形をしている。気泡は,均一に分

散しない。次第に,気泡は,表面に浮かび上がり,互いに合体してより大きな気泡となり,破

裂するか又は泡まつを形成する。表面下で気泡の合体が起こることがあり,この場合には,気

泡は,より速く上昇する。 

3.11 

消失時間 

高温泡立ち試験で,5分間の空気吹き込みを行った後,空気を遮断してから無泡まつの状態になるまで

の時間(秒)。 

注記 消失時間は,高温泡立ち試験方法(附属書JA)だけに用いる。 

3.12 

動的泡まつ 

高温泡立ち試験で,試験中にディフューザを通過する空気によって液体中に生じた混入空気(図1参照)。 

3.13 

体積増加率 

高温泡立ち試験で,試験温度において,ディフューザを所定の位置においた状態での初期全体積に対す

る百分率で表した全体積の増分。 

3.14 

静的泡まつ 

高温泡立ち試験で,試験中にディフューザを通過する空気によって液体表面に生じた混入空気(図1参

照)。 

3.15 

全体積 

高温泡立ち試験で,泡まつ,液体,ディフューザ及び空気導入管の浸せき部分の体積(図1参照)。 

3.16 

初期全体積(V1) 

高温泡立ち試験で,空気供給を開始する前の泡まつ,液体,ディフューザ及び空気導入管の浸せき部分

の試験温度での全体積。 

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3.17 

最終全体積(V2) 

高温泡立ち試験で,空気供給を遮断する直前の泡まつ,液体,ディフューザ及び空気導入管を浸した部

分の試験温度での全体積。 

3.18 

無泡まつ 

高温泡立ち試験で,液体の上面のどの部分にも気泡がない状態。 

3.19 

底部体積 

高温泡立ち試験で,液体試料,すなわち,試験中のある与えられた時間において,空気を実質的に含ま

ない試料の体積(図1参照)。 

図1−高温泡立ち試験の用語説明図 

試験の原理 

24 ℃に保った試料に5分間規定流量で空気を吹き込む。空気吹き込み終了直後及び10分間放置後の泡

まつの量を測定する。新たに試料をとり,93.5 ℃で同様に試験し,さらに,泡まつを消してから24 ℃で

同様に試験する。試験のシーケンスを表1に示す。 

表1−試験のシーケンス 

シーケンス 

試験温度 ℃ 

試験項目 

24 

泡立ち度及び泡安定度 

II 

93.5 

III 

93.5後の24 

注記 試験温度150 ℃で行う高温泡立ち試験方法を附属書JAに示す。 

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試薬 

試薬は,次による。 

a) 水 JIS K 0557に規定するもの。 

b) 2-プロパノール JIS K 8839に規定するもの。 

c) アセトン JIS K 8034に規定するもの。 

d) トルエン JIS K 8680に規定するもの,又は同等の品質のもの。 

e) ヘプタン JIS K 9701に規定するもの。 

f) 

洗浄剤 非イオン系で水溶性のもの。 

試験器及び器具 

試験器及び器具は,次による。 

6.1 

泡立ち試験器 

泡立ち試験器は,次のa)〜j)からなり,試験器の例を,図2に示す。 

a) 試験容器 ほうけい酸ガラス製で,図3に示す形状及び寸法のもの。試験容器の内側の底面から1 000 

mLの目盛までの距離は,360 mm±25 mmでなければならない。試験容器の上部は円形とし,上部を

切断する場合には,微細研磨又は研削によって切り口を滑らかにしなければならない。 

注記 注ぎ口付の容器は,注ぎ口直下で切断して上部を円形にすることができる。 

b) 栓 ゴム,その他の適切な材質のもので,試験容器の円形の上部に適合し,中心に空気導入管,その

横に空気排出管をもつもの。 

c) ディフューザ 結晶アルミナ粒子を溶融して作った直径約25.4 mmの球形のもの,又は5 μmの焼結

多孔質ステンレス鋼製の円筒形のもの(図4参照)。ディフューザの性能は,附属書Aに規定する方

法で測定したとき,次の仕様に適合しなければならない。 

孔 径:最大80 μm 

通気性:毎分3 000〜6 000 mL 

注記 焼結多孔質ステンレス鋼製ディフューザは,結晶アルミナ製ディフューザに比べ,小さい均

一な孔が多く,細かく均一な気泡が生じるために泡まつが消えにくく,結晶アルミナ製ディ

フューザよりも試験結果が大きめになる傾向がある。 

d) 空気導入管 黄銅製で,クロムめっき仕上げとし,ディフューザへ空気を導くもの。形状・寸法の例

を,図4に示す。 

なお,空気導入管とディフューザとの接続部に漏れがないように,ディフューザは,適切な方法で

空気導入管に取り付ける。 

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 1 

恒温槽 

試験容器保持器 

温度調節器 

タイマー 

ディフューザ 

 6 冷却管 
 7 空気出口 
 8 流量計 
 9 空気排出管 
10 空気導入管 

11 栓 
12 試験容器 
13 温度計 
14 かき混ぜ機 
15 電熱器 

16 温度計挿入口 
17 試験容器挿入口 
18 蓋 

図2−泡立ち試験器の例 

10 

11 

12 

18 

17 

14 

15 

13 

16

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単位 mm 

目盛 

単位 mL 

範囲 

0〜1 000 

目量 

10 

回線 

100ごと 

長線 

50ごと 

数字 

100ごと 

底部から2本の目盛

はなくてもよい。 

図3−試験容器 

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単位 mm 

焼結多孔質ステンレス鋼製ディフューザ 

(ステンレスディフューザ) 

結晶アルミナ製ディフューザ 

(アルミナディフューザ) 

図4−空気導入管付きディフューザ及び座金の例 

e) 恒温槽 恒温槽は,次の1)〜5)で構成し,24 ℃用及び93.5 ℃用の2槽とする。 

1) 水浴 深さは,少なくとも試験容器の900 mLの目盛まで浸すことができ,試験容器の目盛を外部

から少なくとも50〜900 mLまでを読み取ることができ,24 ℃用水浴は,冷却することのできる構

造のもの。 

注記1 水浴は,直径約300 mm,高さ約450 mmの円筒形のほうけい酸ガラス製容器が適してい

る。 

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注記2 93.5 ℃の水浴は,破損した際に中の液体を収容できるように適切な大きさの透明な容器

の中に置くのがよい。 

2) 蓋 金属製又は合成樹脂製とし,試験容器挿入口及び温度計挿入口を備え,24 ℃用水浴には,冷却

管などの冷却機能をもつもの。 

3) 試験容器保持器 浮力,水浴のかき混ぜなどの影響を受けずに試験容器を水浴内に垂直に保持でき

るもの。 

4) かき混ぜ機 水浴の温度分布を均一にでき,振れの少ないもの。 

5) 電熱器及び温度調節器 電熱器は,水浴の温度を90分間以内に規定温度まで上昇できる能力をもち,

24 ℃用温度調節器は,水浴の温度を24 ℃±0.5 ℃に,93.5 ℃用温度調節器は,水浴の温度を93.5 ℃

±0.5 ℃に保つことができるもの。 

f) 

空気供給装置 流量調節弁で調節された清浄な乾燥空気をディフューザから毎分94 mL±5 mLの流

量で供給できるもの。 

g) 流量計 校正済みの流量計で,清浄な乾燥空気の流量を毎分94 mL±5 mLに調節できるもの。 

h) 温度計 JIS B 7410に規定する温度計番号42 (SG) のもの,又はこれと同等の性能をもつ温度測定装

置。 

i) 

タイマー 15分間に1秒間以内の誤差で測定できるもの。 

j) 

ガスメータ 空気流量94 mL/minで約470 mLの体積を測定できるもの。日常的な試験については,

流量計を正しく校正し,流量を注意深く制御することによって,ガスメータを用いないで試験を行っ

てもよい。 

注記 0.01 Lの精度で校正された湿式ガスメータが適切である。 

6.2 

ホモジナイザー 回転速度22 000 min−1±2 000 min−1を維持できるもの。 

試料の採取方法及び調製方法 

試料は,JIS K 2251に規定する一次試料の採取方法及び二次試料の調製方法又はそれに準じた方法によ

って採取及び調製する。試料採取,調製の過程でホモジナイザーなどを用いてかき混ぜると,消泡剤の分

散状態が変化するおそれがあるので,かき混ぜてはならない。試料採取,調製の過程で試料をかき混ぜた

場合は,試験結果の報告の特記事項に記載する。この場合,箇条11に規定する精度は適用されない。 

試験器の準備 

試験器の準備は,次による。ただし,試験容器及び空気導入管付きディフューザは,前の試験の試料が

付着物として残留している場合,後の試験に著しい影響を与えるおそれがあるので,試験ごとに十分に洗

浄する。 

a) 試験容器 試験容器は,溶剤としてトルエン及びヘプタンを用い,トルエン,ヘプタンの順ですすぎ

洗いし,洗浄剤で洗浄する。次に,水,アセトンの順ですすぎ,最後に清浄な乾燥空気を吹き込んで

乾燥する。試験容器の内壁は,水気をきれいに取り去り,水滴が付着していない状態にする。 

b) 空気導入管付きディフューザ 空気導入管付きディフューザの内部は,溶剤としてトルエン及びヘプ

タンを用い,トルエン,ヘプタンの順で洗浄する。この場合,溶剤約300 mL中にディフューザを浸

し,空気導入管から溶剤の吸引及び吹出しを少なくとも5回繰り返して洗浄する。最後に,清浄な乾

燥空気を吹き込んで乾燥する。空気導入管の外面は,ヘプタンで湿した清浄な布で拭った後,更に清

浄な乾布で十分に拭き取る。ディフューザは,拭ってはならない。 

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c) 試験器の組立 図2に示すように試験器を組み立てる。栓を完全に差し込んだとき,ディフューザが

断面のほぼ中心で試験容器の底に接触するように,空気導入管の位置を調整する。試験器の測定部に

漏れがないことを確認する。 

試験の手順 

9.1 

泡立ち度及び泡安定度の測定 

9.1.1 

シーケンスI 

シーケンスIの泡立ち度及び泡安定度は,次による。試験は,a)の加熱冷却後から3時間以内に終了し

なければならない。 

a) 試料約200 mLを機械的に振とう又はかき混ぜをしないで,適切な容量の容器に静かに注ぎ入れ,試

料を49 ℃±3 ℃まで加熱した後,24 ℃±3 ℃まで放冷する(保存試料の場合は,9.2のオプション

Aを参照する。)。 

b) 試料を試験容器の190 mLの目盛まではかりとる。この試験容器を24 ℃±0.5 ℃に保持した水浴に入

れ,少なくとも試験容器の900 mL目盛まで浸す。このとき,試験容器が浮き上がらないようにする。 

c) 試料の温度が24 ℃±0.5 ℃に達したならば,直ちに,栓及び空気導入管付きディフューザを試験容器

に垂直に差し込み,底面に接するように取り付けて約5分間試料中に浸す。このとき,空気導入管は,

空気供給装置に接続しないでおく。 

d) 空気導入管を空気供給装置につなぎ,乾燥空気の流量を94 mL/min±5 mL/minに調節し,ディフュー

ザから最初の気泡が発生したときから5分間±3秒間清浄な乾燥空気をディフューザに吹き込む。 

e) 規定時間の空気吹き込みが終了した後,流量計からの配管を外して通気を止め,直ちに試験容器の中

を観察し,全体積から液体の体積を減じて泡まつの体積を次のように読み取り,泡立ち度として記録

する。そのときのガスメータ又は流量計による通気量は,470 mL±25 mLでなければならない。 

泡まつの体積の読取りは,次による。 

1) 泡まつの表面が平面でない場合は,最高部と最低部との中間部を読み,10 mL単位に丸める。例を

図5に示す。 

2) 油面が一部でも見える場合は,0 mLとする。例を図6に示す。 

f) 

試験容器を10分間±10秒間放置し,再び泡まつの体積を10 mL単位で読み取り,泡安定度として記

録する。 

図5−泡まつの表面が平面でない場合(例) 

図6−油面が一部でも見える場合(例) 

9.1.2 

シーケンスII 

シーケンスIIの泡立ち度及び泡安定度は,次による。試験は,a)の93.5 ℃の水浴にシリンダを浸してか

ら3時間以内に終了しなければならない。 

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11 

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a) 新しい試料を清浄な試験容器の180 mLの目盛まではかりとる。この試験容器を93.5 ℃±0.5 ℃に保

持した水浴に入れ,少なくとも試験容器の900 mLの目盛まで浸す。 

b) 試料の温度が93 ℃±1 ℃に達したならば,直ちに清浄にした空気導入管付きディフューザを試験容

器に垂直に差し込む。9.1.1(シーケンスI)と同様に操作し,空気吹き込み終了直後及び放置後の泡

まつの体積を10 mL単位で記録する。 

9.1.3 

シーケンスIII 

シーケンスIIIの泡立ち度及び泡安定度は,シーケンスIIの後に,次のa)〜c)の手順によって求める。

試験は,a)の43.5 ℃以下に放冷後3時間以内に終了しなければならない。 

a) シーケンスII試験後の試料に残っている泡まつを静かにかき混ぜて完全に消した後,試験容器を水浴

から取り出し,空気中に放置して試料を43.5 ℃以下に冷やす。 

b) 試験容器を24 ℃±0.5 ℃に保持した水浴に入れ,少なくとも試験容器の900 mL目盛まで浸す。 

c) 試料の温度が24 ℃±0.5 ℃に達した後,直ちに清浄にした空気導入管付きディフューザを試験容器に

差し込む。9.1.1(シーケンスI)と同様に操作し,空気吹き込み終了直後及び放置後の泡まつの体積

を10 mL単位で記録する。 

9.2 

試料の均質化(オプションA) 

ある種の試料は,保存中に消泡剤の分散状態の変化によって,泡立ちのレベルが上昇することがある。

このような現象が起きたことが疑われる場合は,次の手順を用いてもよい。 

箇条8のa)に規定する手順を用いて,ホモジナイザーの容器を洗浄する。この容器に18〜32 ℃の試料

500 mLをはかりとり,ホモジナイザーで1分間かき混ぜる。かき混ぜ中にかなりの量の空気が巻き込まれ

るため,巻き込まれた気泡がなくなり,試料の温度が24 ℃±3 ℃になるまで静置する。このかき混ぜ操

作を行ってから3時間以内に,9.1.1(シーケンスI)b) 以降に規定する方法で試験を開始する。 

高粘度の試料では,巻き込まれた気泡がなくなるのに3時間では不十分な場合がある。更に時間を必要

とするときは,その時間を記録し,結果とともに報告する。 

10 結果の表し方 

試験結果は,各シーケンスの泡立ち度及び泡安定度を10 mL単位で表す。それぞれの結果には該当する

シーケンス番号を表示し,試料の採取,調製時にかき混ぜた場合及びオプションAを適用した場合は,そ

の旨を明示する。 

注記1 シーケンスの代わりに試験温度を表示してもよい。 

注記2 シーケンスIで泡立ち度450 mL及び泡安定度30 mLの場合,シーケンスIIで泡立ち度100 mL

及び泡安定度0 mLの場合,シーケンスIIIで泡立ち度450 mL及び泡安定度50 mLの場合の

結果の表示例を表2に示す。 

表2−泡立ち度及び泡安定度の結果の表示例 

単位 mL 

シーケンス 

泡立ち度/泡安定度 

シーケンスI 

450/30 

シーケンスII 

100/0 

シーケンスIII 

450/50 

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12 

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11 精度 

この試験方法によって得られた試験結果の許容差(確率0.95)は,次による。ただし,異なる種類のデ

ィフューザを使用した場合,試料の採取,調製時にかき混ぜた場合及びオプションAを適用した場合につ

いては,精度に関する規定は適用されない。また,試験結果が許容差を外れた場合には,JIS Z 8402-6の

規定によって処理する。 

a) 室内併行精度 同一試験室において,同一人が同一試験器で引き続き短時間に同一試料を2回試験し

たとき,試験結果の差の許容差は,表3又は図7による。 

b) 室間再現精度 異なる試験室において,別人が別の試験器で,同一試料をそれぞれ1回ずつ試験して

求めた2個の試験結果の差の許容差は,表3又は図8による。 

表3−精度 

単位 mL 

シーケンス 

室内併行許容差a) 

室間再現許容差a) 

シーケンスI及びシーケンスII 

10+0.22X 

15+0.45X 

シーケンスIII 

15+0.33X 

35+1.01X 

注a) Xは,試験結果の平均値である。 

図7−室内併行精度 

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13 

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図8−室間再現精度 

12 試験結果の報告 

試験結果には,次の事項を記載する。 

a) 試料名,採取場所及び採取年月日 

b) この規格の番号(JIS K 2518) 

c) 結果(箇条10の表し方による。)及びシーケンス番号,ディフューザの種類(アルミナ製又はステン

レス製)。試料の採取,調製時にかき混ぜた場合及びオプションAを適用した場合は,その旨を記載

する。 

d) 試験年月日 

e) 特記事項 

background image

14 

K 2518:2017  

附属書A 

(規定) 

ディフューザの最大孔径及び通気性の測定方法 

A.1 一般事項 

この附属書は,ディフューザの最大孔径及び通気性の試験方法について規定する。 

A.2 器具及び装置 

器具及び装置は,次による。装置の構成を,図A.1及び図A.2に示す。 

a) 空気 供給装置から供給され,流量調節弁で調節された清浄な乾燥空気。 

b) U字形圧力計 水柱800 mm(7.85 kPa)の圧力差を読み取れる十分な長さをもち,封液として水を用

いるU字形のもの又は同等の性能をもつ校正済のU字形圧力計。 

c) シリンダ ディフューザを液面から100 mmの深さに浸せきすることができる長さをもつ容量250 mL

のもの。 

d) ガスメータ ディフューザを通過する空気量(毎分3 000〜6 000 mL)を測定できる湿式ガスメータ。 

e) 吸引瓶 ディフューザが入る大きさで,枝付きのもの。空気導入管を通す孔をあけたゴム栓を空気の

漏れがないように取り付けなければならない。 

単位 mm 

図A.1−最大孔径測定装置 

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15 

K 2518:2017  

図A.2−通気性測定装置 

A.3 試験の手順 

A.3.1 最大孔径 

図4に示す座金(ただし,黄銅製管は用いない。)及び内径8 mm,長さ1.0 mの管を用いてディフュー

ザをU字形圧力計に接続する。管及びディフューザは,アダプタなどを用いて漏れのないように接続する。

ディフューザが非金属製の場合には水を,ディフューザが金属製の場合には,2-プロパノールを入れたシ

リンダに清浄なディフューザを入れ,ディフューザの頭部から液面までの深さが100 mmになるようにし

て支え,少なくとも2分間浸す。空気導入管を空気供給装置に接続する。最初の動的気泡がディフューザ

を通過し,水又は2-プロパノールの中を上昇するまで,約490 Pa/minの速度で空気圧を増加する。気泡が

続けて次々に発生するようになったときの最初の気泡を最初の動的気泡と認める。U字形圧力計の両側の

水位を読み取り,その圧力差を記録する。 

注記1 ディフューザを2-プロパノールなどの液体に浸せきするとき,細孔の中に空気が閉じ込めら

れることがある。このような空気は,ディフューザが加圧された直後か,又は常圧でも時間

経過によって漏れ出すことがある。孔径を測定するとき,このような気泡の漏出は無視する

ことができる。 

注記2 最大孔径に近い細孔の分布の均一性は,空気圧を徐々に上げ,表面全体に分布する気泡の流

れの均一性に注目することによって観察される場合がある。 

次の式から,最大孔径Ds又はDm(μm)を算出する。 

100

225

29

s

=p

D

80

930

 8

m

=p

D

ここに, 

Ds: 水中で測定したときの最大孔径(μm) 

Dm: 2-プロパノール中で測定したときの最大孔径(μm) 

p: U字形圧力計の水柱高さの差(mm) 

A.3.2 通気性 

内径8 mm,長さ1.0 mの管を用いて清浄な乾燥したディフューザを空気供給装置に接続し,吸引瓶の中

に入れる。管及びディフューザは,アダプタなどを用いて漏れのないように接続する。吸引瓶は,内径8 mm,

長さ0.5 mの管を用いてガスメータに接続する(図A.2参照)。水柱を250 mm(2.45 kPa)に調節し,ガス

16 

K 2518:2017  

メータの脈動がなくなってから適切な時間通過させて,ディフューザを通過する空気の流量(mL/min)を

ガスメータを用いて測定する。 

注記 用いるガスメータの感度に応じて,観察時間を,適宜,延長し,平均流量を記録してもよい。 

17 

K 2518:2017  

附属書JA 

(参考) 

潤滑油の高温泡立ち試験方法 

JA.1 一般事項 

この附属書は,150 ℃における潤滑油(特に自動変速機油及びエンジン油)の泡立ち特性を測定する手

順について記載する。 

注記1 泡立ちは,潤滑不良,キャビテーション,オーバーフローによる潤滑剤の損失などを引き起

こし,装置の機械的故障につながることがある。この方法で得られた結果は,それらの問題

を検討するための指標として用いることができる。 

注記2 形成された泡まつの量,泡まつが消失するまでの時間と実際の潤滑故障との間の関係は,明

確でない。泡まつの詳細な影響について,これらの関係は,経験から求める場合がある。 

JA.2 試験の原理 

はかりとった試料を30分間加熱して49 ℃にし,室温まで放冷する。試料を1 000 mL試験容器に移し,

150 ℃に加熱する。金属製ディフューザを用いて,乾燥空気を毎分200 mLの流量で5分間通気する。空

気供給を止める前に生成した泡まつの量,空気供給を止めてから一定時間経過後(時間の選択については,

JA.6を参照)の静的泡まつの量,及び泡まつの消失時間を測定し,全体積増加率を算出する。 

JA.3 試験器及び器具 

JA.3.1 高温泡立ち試験器 

高温泡立ち試験器は,次のa)〜g)からなる。試験器の例を図JA.1に示す。 

a) 恒温槽 恒温槽は,次の1)〜5)で構成する。 

1) 液浴 深さは,少なくとも試験容器の目盛900 mLまで浸すことができ,試験容器の目盛を外部か

ら少なくとも50 mLから900 mLまでを読み取ることができるもの。浴液は,試験温度における揮

発性が低く,化学的に安定でかき混ぜ可能な低粘度の液体1)を用いる。 

なお,シリコーン流体は,抑泡剤であり,万一,混入すると試料の泡立ち特性が変化することが

あるため,浴液に使用してはならない。 

注記1 液浴は,直径約300 mm,高さ約450 mmの円筒形のほうけい酸ガラス製容器が適してい

る。 

注記2 浴は,破損の際に中の液体を収容できるよう,適切な大きさの透明な容器の中に置くの

がよい。 

注記3 浴液に窒素をゆっくり通し排出させるか,又は浴液の上面を窒素で覆うと,浴液の黒ず

み(酸化)が減少する。 

注1) 浴液には,100 ℃の動粘度が4〜7 mm2/sのポリアルファオレフィンが適している。 

background image

18 

K 2518:2017  

 1 

恒温槽 

試験容器保持器 

温度調節器 

タイマー 

空気導入管 

 6 空気排出管 
 7 栓 
 8 試験容器 
 9 空気出口 
10 流量計 

11 温度計 
12 ディフューザ 
13 かき混ぜ機 
14 電熱器 
15 温度計挿入口 

16 蓋 
17 試験容器挿入口 

図JA.1−高温泡立ち試験器の例 

2) 蓋 金属製又は合成樹脂製とし,試験容器挿入口及び温度計挿入口を備えたもの。 

3) 試験容器保持器 浮力,液浴のかき混ぜなどの影響を受けずに試験容器を液浴内に垂直に保持でき

るもの。 

4) かき混ぜ機 液浴の温度分布を均一にでき,振れの少ないもの。 

5) 電熱器及び温度調節器 試料の温度を150 ℃±1 ℃に保持することができるもの。 

b) 試験容器 ほうけい酸ガラス製で,図3に示す形状及び寸法のもの。試験容器の内側の底面から1 000 

mLの目盛までの距離は,360 mm±25 mmでなければならない。試験容器の上部は,円形とし,上部

17 

15 

10 

16 

13 

14 

11 

12 

background image

19 

K 2518:2017  

を切断する場合には,微細研磨又は研削によって切り口を滑らかにしなければならない。試験容器は,

この試験方法の温度条件に耐えられるものを用いる。 

注記 注ぎ口付きの容器は,注ぎ口直下で切断して上部を円形にすることができる。 

c) 流量計及び調節器 校正済みで,乾燥空気の流量を毎分200 mL±5 mLに保持できるもの。 

d) 試料かき混ぜ機 回転速度500 min−1±100 min−1で試料をかき混ぜることができるもの。 

e) ディフューザ 5 μm焼結多孔質ステンレス鋼製ディフューザは,附属書Aに規定する方法で測定し

たとき,孔径が15〜60 μmで通気性が毎分3 000〜6 000 mLに適合するもの。適切な形状,寸法の例

を図JA.2に示す。 

注記 ディフューザは,金属製のもの及び非金属製のものがあるが,この試験方法で用いるディフ

ューザは,焼結多孔質ステンレス鋼製である。 

単位 mm 

図JA.2−ディフューザ及び空気導入管の寸法の例 

f) 

温度計 JIS B 7410に規定する温度計番号54(DIST)のもの。又は,これと同等の性能をもつ温度測

定装置。 

g) タイマー 15分間に1秒間以内の誤差で測定できるもの。 

JA.3.2 乾燥器 49 ℃±1 ℃に保持でき,空気循環式ではないもの。 

JA.3.3 ホモジナイザー 回転速度22 000 min−1±2 000 min−1を維持できるもの。 

JA.4 試料の採取方法 

試料は,JIS K 2251に規定する一次試料の採取及び二次試料の調製方法,又はそれに準じた方法による。 

20 

K 2518:2017  

JA.5 試験器の準備 

試験器の準備は,次による。ただし,試験容器及び空気導入管付きディフューザは,前の試験の試料が

付着物として残留している場合,後の試験に著しい影響を与えるおそれがあるので,試験ごとに十分に洗

浄する。 

a) 試験容器 試験容器は,溶剤としてトルエン及びヘプタンを用い,トルエン,ヘプタンの順ですすぎ

洗いし,適切な洗剤で洗浄する。次に,水,アセトンの順ですすぎ,最後に清浄な乾燥空気を吹き込

んで乾燥する。試験容器の内壁は,水気をきれいに取り去り,水滴が付着していない状態にする。 

注記 洗剤の種類によっては,ガラス表面に残り,試験結果に影響を及ぼすおそれがある。水及び

アセトンによるすすぎを数回行うとよい。 

b) 空気導入管付きディフューザ 空気導入管付きディフューザの内部は,溶剤としてトルエン及びヘプ

タンを用い,トルエン,ヘプタンの順で洗浄する。この場合,溶剤約300 mL中にディフューザを浸

し,空気導入管から溶剤の吸引及び吹き出しを少なくとも5回繰り返して洗浄する。最後に,清浄な

乾燥空気を吹き込んで乾燥する。空気導入管の外面は,トルエン,次いでヘプタンで湿した清浄な布

で拭った後,更に清浄な乾布で十分に拭き取る。ディフューザは,拭ってはならない。 

c) 試験器の組立 図JA.1に示すように試験器を組み立てる。栓を完全に差し込んだとき,ディフューザ

が断面のほぼ中心で試験容器の底に接触するように,空気導入管の位置を調節する。試験器の測定部

に漏れがないことを確認する。 

JA.6 試験の手順 

高温の泡立ち度及び泡安定度は,次のa)〜j)の手順によって求める。 

a) 試料を入れた容器を1分間手で激しく振り混ぜ,試料約200 mLを適切な容器に静かに注ぎ入れる。

試料かき混ぜ機を用いて,60秒間±10秒間試料を混合する[保存試料については,j)のオプションA

を参照]。 

b) 49 ℃±3 ℃に設定した乾燥器で試料を30分間加熱し,23 ℃±4 ℃まで放冷する。試験は,加熱冷却

後,3時間以内に終了しなければならない。 

c) 試料を試験容器の目盛180 mLまで注ぐ。この試験容器を150 ℃±1 ℃に保持することができる液浴

に入れ,少なくとも試験容器の目盛900 mLまで浸し,1時間以内にf)を開始する。恒温槽に試験容器

を入れるときには,試験容器の底が割れないように注意して試験容器をゆっくり入れる。 

d) 試料温度を測定するため,温度計を一時的に浸す。試料温度が150 ℃±1 ℃に暖まるまで十分な時間

放置する。 

e) 試料の中に,空気供給口を外した状態で,ディフューザを入れ,試験容器底面の中心に接するように,

ディフューザの位置を調節する。ディフューザを少なくとも5分間浸し,試料温度が150 ℃±1 ℃に

達した後,次に進む。 

f) 

初期全体積(V1)の高さを10 mL単位で記録し,空気供給口をディフューザに接続して流入流量を毎

分200 mL±5 mLに調節する。この流量でディフューザに乾燥空気を5分間±10秒間吹き込む。 

g) 空気供給源を遮断する直前に,図1に示す最終全体積(V2),静的泡まつの体積及び動的泡まつの体積

を10 mL単位で記録する。 

h) 空気の吹き込みを止めた後,次のオプションから選んだ時間経過後の図1に示す静的泡まつの体積

(mL)を記録する。 

オプション1 

5秒間(±1.0秒間) 

21 

K 2518:2017  

オプション2 

15秒間(±1.0秒間) 

オプション3 

1分間(±1.0秒間) 

オプション4 

5分間(±1.0秒間) 

オプション5 

10分間(±1.0秒間) 

注記 油の種類によっては,泡まつの崩壊が速いため,オプション1及びオプション2の読取りが

困難な場合がある。 

i) 

5分間空気を吹き込んだ後,泡まつが消失して無泡まつになるまでに要した時間[秒数(±1秒)]を

記録する。 

j) 

試料の均質化(オプションA) ある種の試料は,保存中に消泡剤の分散状態の変化によって,泡立ち

水準が上昇することがある。このような現象が起きたことが疑われる場合は,次の手順を用いてもよ

い。 

1) 箇条8のa)に規定する手順を用いて,ホモジナイザーの容器を洗浄する。 

2) 18〜32 ℃で試料500 mLをはかりとって容器に入れ,ホモジナイザーで1分間かき混ぜる。 

3) 通常,かき混ぜ中にかなりの量の空気が巻き込まれるため,巻き込まれた気泡がなくなり,試料の

温度が24 ℃±3 ℃になるまで静置する。2)のかき混ぜ操作終了後,3時間以内にb)の試験手順から

試験を開始する。ただし,高粘度試料の場合,巻き込まれた気泡がなくなるのに3時間では不十分

な場合がある。更に時間を必要とする場合は,その時間を記録し,結果とともに報告する。 

JA.7 計算及び結果の表し方 

試験結果は,泡立ち度(静的泡まつ,mL),空気吹き込みを止める直前の動的泡まつの体積(mL),空

気吹き込みを止める直前の全体積(mL),泡安定度(空気吹き込みを止めた後,選んだ時間経過後の静的

泡まつの体積,mL)を10 mL単位で表し,次のa) 及びb) によって全体積増加Va(mL)及び全体積増加

率Vb(%)を算出する。 

a) 全体積増加 

1

2

a

V

V

V

=

ここに, 

Va: 全体積増加(mL) 

V1: 初期全体積(mL) 

V2: 最終全体積(mL) 

b) 全体積増加率 

100

)

(

1

1

2

b

×

V

V

V

V

ここに, 

Vb: 全体積増加率(%) 

V1: 初期全体積(mL) 

V2: 最終全体積(mL) 

JA.8 試験結果の報告 

試験結果には,次の事項を記載する。 

a) 試料名,採取場所及び採取年月日 

b) この規格の番号(JIS K 2518) 

c) 結果(JA.7の表し方による。) 

結果は,受渡当事者間の合意などによって必要な項目を報告する。 

22 

K 2518:2017  

− 泡立ち度(静的泡まつ)(mL) 

− 空気吹き込みを止める直前の動的泡まつの体積(mL) 

− 空気吹き込みを止める直前の全体積(mL) 

− 泡安定度(空気吹き込みを止めた後,オプション1〜5によって選択した時間経過後の静的泡まつの

体積)(mL) 

− 消失時間(s) 

− 全体積増加(mL) 

− 全体積増加率(%) 

− オプションAを適用した場合は,その旨を記載。 

d) 試験年月日 

e) 特記事項 

background image

23 

K 2518:2017  

附属書JB 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS K 2518:2017 潤滑油−泡立ち試験方法 

ISO 6247:1998,Petroleum products−Determination of foaming characteristics of 
lubricating oils 

(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

1 適用範囲 

150 ℃における潤滑
油の泡立ち特性 

− 

追加 

ISO規格にはない高温泡立ち試験方
法(参考)を追加した。 

国内で適用されている試験方法を追
加した。 

3 用語及び
定義 

主な用語の定義 

JISとほぼ同じ 

追加 

泡立ち度,泡安定度,シーケンスを
定義(3.1〜3.3)に追加した。 
また,高温泡立ち試験方法(参考)
に関係する用語を定義(3.9〜3.19)
に追加した。 

この試験方法の基本的用語を追加し
た。 

4 試験の原
理 

試験のシーケンス 

JISとほぼ同じ 

追加 

試験のシーケンス表を追加した。 

試験条件を分かりやすくするために
追加した。 

5 試薬 

試薬を規定 

フタル酸ジブチル
を規定 

削除 

フタル酸ジブチルを削除した。また,
a) 水を追加した。 

フタル酸ジブチルは,催奇形・内分泌
かく乱物質の疑いがあるため削除し
た。また,水は,国内の実状に合わせ
て追加した。実質的な差異はない。 

6 試験器及
び器具 

図3 試験容器 

6 a) 

JISとほぼ同じ 

追加 

ISO規格にはない試験容器の形状及
び寸法を示した図3を追加した。 

試験容器の詳細を分かりやすくする
ために追加した。実質的な差異はな
い。 

図4 焼結多孔質ステ
ンレス鋼製ディフュ
ーザ(ステンレスディ
フューザ) 

6.1.3 

JISとほぼ同じ 

追加 

焼結多孔質ステンレス鋼製ディフュ
ーザ(ステンレスディフューザ)の
形状及び寸法を示した図4を追加し
た。 

形状及び寸法を分かりやすくするた
めの例を図示した。実質的な差異はな
い。 

5

K

 2

5

1

8

2

0

1

7

background image

24 

K 2518:2017  

(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

6 試験器及
び器具 
(続き) 

6.1 c) ディフューザ 
注記 焼結多孔質ス
テンレス鋼製と結晶
アルミナ製ディフュ
ーザとの試験結果 

− 

JISとほぼ同じ 

追加 

照合試験で得られた焼結多孔質ステ
ンレス鋼製ディフューザと結晶アル
ミナ製ディフューザとの試験結果の
偏りについて追加した。 

試験結果の報告の際に重要な事項で
あるため追加した。 

d) 空気導入管 

− 

− 

追加 

ISO規格にはない空気導入管の仕様
を追記した。 

仕様を分かりやすくするために追加
した。実質的な差異はない。 

e) 恒温槽 

6.2 

JISとほぼ同じ 

追加 

恒温槽の仕様を詳細に記載し,2) 
蓋,3) 試験容器保持器,4) かき混ぜ
機など構成部分の記載を追加した。 

仕様を分かりやすくするため恒温槽
の構成部分の記載を追加した。実質的
な差異はない。 

f) 空気供給装置 

6.3 

JISとほぼ同じ 

変更 

乾燥搭の実例を削除した。 

国内で普及している供給装置の乾燥
空気を要求性能とする内容に記載を
変更した。実質的な差異はない。 

g) 流量計 

6.4 

フタル酸ジブチル
を封液に用いたマ
ノメータを例示 

変更 

校正済みの流量計に変更した。 

フタル酸ジブチルは,催奇形・内分泌
かく乱物質の疑いがあるため,国内で
普及している流量計に変更した。 

6.2ホモジナイザー 

− 

− 

追加 

ホモジナイザーを追加した。 

オプションAで用いるため仕様を追
加した。ISO規格の定期見直し時に提
案する。 

7 試料の採
取方法及び
調製方法 

試料採取方法の規定 

− 

− 

追加 

ISO規格にはない試料の採取方法を
追加した。 

試料採取方法は,試験を行う上で重要
な項目のため,JISの規格体系を基に
して追加した。実質的な差異はない。 

9 試験の手
順 

試験手順 

JISとほぼ同じ 

追加 

ISO規格にはない泡まつの体積の読
取り方及びその例を示した図5及び
図6を追加した。 

泡まつの体積の読取り方を分かりや
すくするために追加した。実質的な差
異はない。 

簡易試験手順 

削除 

簡易試験手順を削除した。 

国内の利用状況から削除した。 

10 結果の表
し方 

試験結果の表し方 

10 

JISとほぼ同じ 

追加 

試験結果に試料採取時又は調製時の
かき混ぜの有無を記載するよう追記
した。 

試料のかき混ぜの有無は,結果を表す
上で重要な事項のため,追加した。 

泡立ち度及び泡安定度の結果の表示
例を表記した。 

結果の表し方を分かりやすくするた
め表示例を追加した。 

5

K

 2

5

1

8

2

0

1

7

background image

25 

K 2518:2017  

(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

11 精度 

精度の適用 

11 

JISとほぼ同じ 

追加 

ISO規格は,オプションAだけが精
度適用外になるが,JISは,異なる種
類のディフューザを使用した場合及
び試料の採取,調製時にかき混ぜた
場合についても精度を規定しないこ
とを追記した。 

精度の適用範囲を明確にするために
追加した。ISO規格の定期見直し時に
提案を検討する。 

試験結果が許容差を
外れた場合の処理 

− 

− 

追加 

JIS Z 8402-6によって処理すること
を追加した。 

JISの規格体系に合わせるため追加し
た。 

12 試験結果
の報告 

試験結果の記載事項 

12 

JISとほぼ同じ 

追加 

ディフューザの種類及び試料の採
取,調製時にかき混ぜた場合を追加
した。 

試験結果の報告において重要な項目
のため追加した。実質的な差異はな
い。 

Annex 

温度計の仕様を規
定。 

削除 

ISO規格の温度計の仕様は,JIS B 
7410に規定する温度計の仕様と一致
している。 

JISの温度計の規定を採用したため削
除した。技術的差異はない。 

附属書JA 
(参考) 
潤滑油の高
温泡立ち試
験方法 

150 ℃における潤滑
油の泡立ち特性の測
定手順 

− 

− 

追加 

潤滑油の高温泡立ち試験方法を追加
した。 

ISO規格にはないが,国内で広く普及
している試験方法であるため,附属書
(参考)として追加した。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 6247:1998,MOD 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

− 削除 ················ 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

− MOD ··············· 国際規格を修正している。 

5

K

 2

5

1

8

2

0

1

7