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K 2437:2008  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲 ························································································································· 1 

2 引用規格 ························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

4 種類······························································································································· 2 

5 品質······························································································································· 2 

6 試験方法 ························································································································· 4 

6.1 一般事項 ······················································································································ 4 

6.2 試料の採取及び調製 ······································································································· 4 

6.3 密度 ···························································································································· 4 

6.4 水分 ···························································································································· 5 

6.5 凝固点 ························································································································· 5 

6.6 ガスクロマトグラフ分析法による各成分の定量 ···································································· 7 

6.7 不揮発分 ····················································································································· 13 

6.8 中性油 ························································································································ 16 

6.9 硫化水素 ····················································································································· 18 

6.10 色 ····························································································································· 18 

7 検査······························································································································ 19 

8 表示······························································································································ 19 

9 安全に関する注意事項 ······································································································ 19 

附属書A(参考)充てんカラムの調製方法 ··············································································· 20 

K 2437:2008  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本芳香

族工業会(JAIA)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきと

の申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS K 2437:2006は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 2437:2008 

フェノール類(フェノール,o-クレゾール, 

クレゾール酸及びキシレノール酸) 

Phenols (phenol, o-cresol, cresols and xylenols) 

序文 

この規格は,2006年3月に追補改正されたが,技術的内容については,検討されなかった。今回の改正

は,1994年の改正以降の測定技術の進歩によって,使用されなくなった測定技術及び品質項目に記載され

ていない試験項目を廃止するとともに,試験方法全般についても,可能な限り化学製品共通のはん(汎)

用的な試験方法に関する日本工業規格を引用することによって,規格の重複を避けることなどを目的とし

て行ったものである。 

なお,対応国際規格は,現時点で制定されていない。 

適用範囲 

この規格は,工業用原料などに用いるフェノール,o-クレゾール,クレゾール酸及びキシレノール酸に

ついて規定する。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 7525 密度浮ひょう 

JIS K 0050 化学分析方法通則 

JIS K 0061 化学製品の密度及び比重測定方法 

JIS K 0067 化学製品の減量及び残分試験方法 

JIS K 0068 化学製品の水分測定方法 

JIS K 0114 ガスクロマトグラフ分析通則 

JIS K 0557 用水・排水の試験に用いる水 

JIS K 2249 原油及び石油製品−密度試験方法及び密度・質量・容量換算表 

JIS K 2436 工業用ナフタレン 

JIS K 8034 アセトン(試薬) 

JIS K 8101 エタノール(99.5)(試薬) 

JIS K 8125 塩化カルシウム(水分測定用)(試薬) 

JIS K 8155 塩化バリウム二水和物(試薬) 

JIS K 8295 グリセリン(試薬) 

JIS K 8322 クロロホルム(試薬) 

K 2437:2008  

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JIS K 8374 酢酸鉛(Ⅱ)三水和物(試薬) 

JIS K 8576 水酸化ナトリウム(試薬) 

JIS K 8951 硫酸(試薬) 

JIS P 3801 ろ紙(化学分析用) 

JIS Z 8401 数値の丸め方 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS K 0050によるほか,次による。 

3.1 

クレゾール酸 

o-クレゾール,m-クレゾール及びp-クレゾールを主成分とし,その他フェノール及びキシレノールから

なる混合物。 

3.2 

m-クレゾール酸 

50 %(質量分率)以上のm-クレゾールを含み,その他の成分としてp-クレゾール並びに少量のo-クレ

ゾール及びキシレノールを含む混合物。 

3.3 

キシレノール酸 

キシレノールの各異性体を主成分とし,少量のエチルフェノール類及びクレゾール類を含む混合物。 

種類 

種類は,次による。 

a) フェノール 

1) フェノール特号及びフェノール1号 

b) クレゾール及びクレゾール酸 

1) o-クレゾール 

2) m-クレゾール酸1号 

3) クレゾール酸1号 

c) キシレノール酸 

品質 

品質は,種類によって区分し,箇条6によって試験したとき,表1に適合しなければならない。 

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表1−種類・等級及び品質 

項目 

種類 

フェノール 

o-クレゾール 

m-クレゾール酸1号 

クレゾール酸1号 

キシレノール酸 

特号 

1号 

密度(20 ℃) 

(g/cm3) 

− 

− 

1.031〜1.041 

1.026〜1.056 

1.01〜1.04 

水分 

%(質量分率) 

− 

− 

 1以下 

 1以下 

 1以下 

凝固点 

℃ 

40.5以上 

40.0以上 

30.0以上 

− 

− 

− 

フェノール 

%(質量分率) 

99.3以上 

99.0以上 

− 

 1以下 

− 

 1以下 

o-クレゾール 

%(質量分率) 

− 

99.0以上 

− 

− 

− 

m-クレゾール 

%(質量分率) 

− 

− 

50以上 

− 

− 

クレゾール類a) 

%(質量分率) 

− 

− 

− 

40以上 

− 

キシレノール類b) %(質量分率) 

− 

− 

− 

60以上 

トリメチルフェノール類c) 
 

%(質量分率) 

− 

− 

 5以下 

 5以下 

10以下 

中性油試験 

濁度2番以下 

濁度2番以下 

濁度6番以下 

濁度10番以下 

濁度10番以下 

硫化水素試験 

− 

− 

空試験によって試験した
酢酸鉛試験紙の色と比較
して暗くない。 

空試験によって試験した
酢酸鉛試験紙の色と比較
して暗くない。 

空試験によって試験した
酢酸鉛試験紙の色と比較
して暗くない。 

色 

当事者間の協定による。 当事者間の協定による。 当事者間の協定による。 当事者間の協定による。 当事者間の協定による。 

注a) C7H8Oの全異性体を含む。 

b) C8H10Oの全異性体を含む。 

c) C9H12Oの全異性体を含む。 

3

K

 2

4

3

7

2

0

0

8

  

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試験方法 

6.1 

一般事項 

試験において共通する一般事項は,JIS K 0050による。 

6.2 

試料の採取及び調製 

6.2.1 

試料の採取 

試料の採取は,JIS K 2436の附属書Aによって行い,これを代表試料とする。ただし,貯槽などから採

取する場合,内容物が十分に均一になっているときは,いずれか一つのタップから1回採取した試料を代

表試料としてもよい。 

6.2.2 

試料の調製 

代表試料約1 Lを脱水しないまま,よくかき混ぜたものを試験に用いる。 

なお,凝固しているものは,あらかじめ温水で融解させる。 

6.2.3 

脱水試料の調製 

試料約300 mLを,共通すり合わせ三角フラスコ500 mLに取り,約50 ℃に加熱し,JIS K 8125に規定

する塩化カルシウム約100 gを加え,栓をする。 

次に,約50 ℃に保ちながら5分間以上十分に振り動かした後,30分間静置し,更に同様の操作を2回

繰り返した後,上澄液を採取し,脱水試料とする。 

6.3 

密度 

m-クレゾール酸,クレゾール酸及びキシレノール酸の密度の測定は,次のいずれかの方法による。この

測定に関する一般事項は,JIS K 0061の3.(一般的事項)による。 

a) 浮ひょう法 浮ひょう法による測定は,JIS K 0061の7.1(浮ひょう法)による。 

浮ひょうは,JIS K 2249に規定するⅠ形-A(15 ℃密度目盛)の9番(1.000〜1.050)若しくは10番

(1.050〜1.100),又はJIS B 7525に規定する大形19本組(15/4 ℃比重目盛)の6番(1.000〜1.060)

若しくは7番(1.060〜1.120)を使用する1)。 

注1) 試料は10〜20 ℃で測定してもよい。ただし,式 (1) によって補正する。 

)

15

(

73

000

.0

+

=

t

D

D

t

 ······························································ (1) 

ここに, 

D: 密度(20 ℃)(g/cm3) 

Dt: 測定温度における密度(g/cm3) 

t: 測定温度(℃) 

0.000 73: 比重−温度補正係数(1/ ℃)2) 

JIS B 7525に規定する大形19本組(15/4 ℃比重目盛)の6番(1.000〜1.060)又は7番(1.060〜1.120)

を使用する場合の20 ℃の密度は,式 (2) によって算出する。 

97

999

.0

)

73

000

.0

5

(

×

×

=d

D

 ···················································· (2) 

ここに, 

D: 密度(20 ℃)(g/cm3) 

d: 比重(15/4 ℃) 

0.000 73: 比重−温度補正係数(1/ ℃)2) 

0.999 97: 4 ℃における水の密度(g/cm3) 

注2) この0.000 73の値には,浮ひょう自体の温度補正を含んでいない。 

浮ひょうの温度補正値は,0.000 025×4×(15−t) で与えられるが,この補正値はかなり小

さいので無視して差し支えない。 

b) 比重瓶法 比重瓶法による測定は,JIS K 0061の7.2(比重瓶法)による。比重から密度への換算は,

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式 (2) による。 

c) 振動式密度計法 振動式密度計法による測定は,JIS K 0061の7.3(振動式密度計法)による。 

6.4 

水分 

水分の測定は,JIS K 0068の6.(カールフィッシャー滴定法)による。ただし,0.5 %(質量分率)以上

の水分を測定するときは,JIS K 0068の8.(蒸留法)を用いてもよい。 

6.5 

凝固点 

6.5.1 

要旨 

試料を試験管に取り,一定温度に保った水浴中で徐々に冷却し,予備試験の凝固点を求めた後,本試験

は,予備試験の凝固点より低い温度の水浴中で同様に操作し,凝固点を求める。 

6.5.2 

装置及び器具 

装置及び器具は,次による。 

6.5.2.1 凝固点測定装置 次に示す器具を用い,図1又は図2のように組み立てたもの。 

6.5.2.2 試験管 形状及び寸法は,フェノールの場合は図1,o-クレゾールの場合は図2による。 

6.5.2.3 温度計 浸線付二重管温度計であって,刻度面は乳白板とし,表2による。 

表2−温度計 

温度範囲 

15〜45 ℃ 

液体 

水銀 

液上に満たす気体 

窒素 

最小目盛 

0.1 ℃ 

全長 

330〜350 mm 

管の外径 

6〜7 mm 

大水銀球の外径 

5〜6 mm 

大水銀球の長さ 

10〜15 mm 

大水銀球の下端から最低刻度線までの距離 

100〜105 mm 

温度計の上端から最高刻度線までの距離 

20〜30 mm 

大水銀球の下端から浸線までの距離 

100 mm 

許容差 

0.1 ℃ 

6.5.2.4 かき混ぜ棒 直径約1 mmの鋼製針金であって,その先端を円形にしたもの。 

6.5.2.5 大形試験管 形状及び寸法は,図1又は図2による。 

6.5.2.6 ビーカー 1 500 mLのもの。 

単位 mm 

単位 mm 

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図1−フェノールの凝固点測定装置 

図2−o-クレゾールの凝固点測定装置 

6.5.3 

操作 

操作は,次による。 

a) 試料15 mLを試験管に取り,図1又は図2のとおり,温度計の水銀球が試験管内の試料の中央に位置

するように,温度計及びかき混ぜ棒を差し込んだコルク栓を取り付ける。 

b) 試験管3) を大形試験管の内壁に触れないように,図1又は図2の位置に取り付け,予備試験で求めた

凝固点より,フェノールでは約5 ℃低く,o-クレゾールでは約10 ℃低く保った4) 冷却水を入れたビ

ーカー(1 500 mL)中に差し込み,2秒間に1回の割合でかき混ぜながら冷却する。 

c) 試料がo-クレゾールの場合は,温度計の示度が,予備試験で求めた凝固点より3〜5 ℃低い温度に達

したとき,同一試料の凝固した結晶の少量を,枝管を通じてかき混ぜ棒の先端に付着させ,静かに試

料中に入れてかき混ぜる5)。 

d) 試料が凝固し始めると同時に温度計の示度が上昇し,全部が凝固し終わったとき,温度の上昇が止ま

り,再び,下降し始める。このときの温度計の最高示度を凝固点とする。 

注3) o-クレゾールの場合の試験管は,あらかじめこれを別の冷却器の中でその内容物を静かにか

き混ぜながら,予備試験では27〜28 ℃に,本試験では予備試験で求めた凝固点より0.5〜1.0 

℃低く冷却しておく。 

4) 

予備試験の場合は,フェノールでは約30 ℃,o-クレゾールでは約20 ℃に保つ。 

5) 

予備試験の場合は,この操作を省略してもよい。 

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6.6 

ガスクロマトグラフ分析法による各成分の定量 

6.6.1 

要旨 

水素炎イオン化検出器を備えたガスクロマトグラフを用い,試料をカラムで各々の成分に分離した後,

補正面積百分率法によって,フェノール類の各成分を定量する。この試験方法に共通する一般事項は,JIS 

K 0114による。 

6.6.2 

装置及び器具 

装置及び器具は,次による。 

6.6.2.1 ガスクロマトグラフ 

a) 検出器 検出器は,水素炎イオン化検出器を使用し,0.01 %(質量分率)のフェノールを含む溶液0.3

〜0.5 μLを注入したとき,フェノールのピーク高さは,ノイズレベルの2倍以上である。 

注記 検出器は,分析の目的を満足するものであれば,熱伝導度検出器を使用してもよい。 

b) カラム用管 内径3 mm,長さ3 mのステンレス鋼管,銅管又はほうけい酸ガラス管。 

c) カラム 6.6.3.1に規定する担体と6.6.3.4に規定する固定相液体とを,JIS K 0114に規定する担持率が

5〜30 %(質量分率)となるように担持して充てん剤とし,これを6.6.2.1 b) に規定するカラム用管に

充てんしたもの。 

注記1 カラムは,充てん剤を詰めた市販品を使用できる。自ら充てんカラムを作製して,分析に

使用する場合には,JIS K 0114の7.2 e)(充てん方法)による。具体例を附属書Aに示す。 

注記2 充てんカラムは,各成分が十分に分離するものであれば,この規定以外のものを用いても

よい。 

注記3 分離能に優れたキャピラリーカラムを用いてもよい。ただし,キャピラリーカラムを用い

る場合は,充てんカラムに関する規定を除いて適用する。 

d) 試料導入部 液体試料注入口及び気化器を備えたもの。 

6.6.2.2 化学はかり 1 mgのけたまではかれるもの。 

6.6.2.3 マイクロシリンジ 容量1〜10 μL。 

6.6.2.4 データ処理装置 

6.6.3 

担体,試薬及びキャリヤーガス 

担体,試薬及びキャリヤーガスは,次による。 

6.6.3.1 担体 粒度150〜180 μm,又は180〜250 μmのけい藻土を酸洗浄後,シラン処理したもの。 

注記 処理した担体には,ユニポートHPなどがある。 

6.6.3.2 検量用試薬 純度99.0 %(質量分率)以上で,定量する成分に対応するものを用いる。 

6.6.3.3 調製用試薬 

a) アセトン JIS K 8034に規定するもの。 

b) クロロホルム JIS K 8322に規定するもの。 

6.6.3.4 固定相液体 固定相液体は,a),b) の混合液相又はc) 若しくはd) を用いる。 

a) ラノリン 

b) ジメチルジオクタデシルアンモニウム・ベントナイト 

c) メチルシリコーン 

d) りん酸エステル 

注記1 ジメチルジオクタデシルアンモニウム・ベントナイトには,ベントン34などがある。また,

メチルシリコーンには,シリコーンOV-101などがあり,りん酸エステルにはクレゾール

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PXなどがある。 

注記2 試料がm-クレゾール酸1号の場合,ラノリンとジメチルジオクタデシルアンモニウム・ベ

ントナイトとの混合液相では,m-クレゾール及びo-エチルフェノール並びにo-クレゾール

及び2,6-キシレノールとは分離しない。これらを分離するためには,りん酸エステルを用

いるとよい。 

6.6.3.5 キャリヤーガス 純度99.99 %(体積分率)以上のヘリウム又は窒素。 

注記 熱伝導度検出器を使用する場合は,純度99.99 %(体積分率)以上のヘリウム又は水素を用い

る。 

6.6.4 

検量 

検量は,次による。 

a) 検量用標準試料の調製 検量用試薬を用いて,試料の被検成分に近い段階的な3種類の濃度のものを

調製し,次に試料と同一希釈割合となるようにアセトン又はクロロホルムを用いて希釈し,調製する。 

b) 相対感度の求め方 a) で調製した検量用標準試料を0.3〜1.0 μL導入し,クロマトグラムを記録して,

ピーク面積を測定する。ピーク面積の測定は,JIS K 0114の11.3 a)(半値幅法)の半値幅法,又はJIS 

K 0114の11.3 b)(データ処理装置を用いる方法)のデータ処理装置を用いる。測定したピーク面積か

ら,各成分の相対感度を,式 (3) によって算出し,JIS Z 8401によって小数点以下2けたに丸める。 

s

s

i

i

i

A

W

W

A

F

×

=

 ············································································ (3) 

ここに, 

Fi: i成分の相対感度 

Ai: i成分のピーク面積 

Wi: i成分の混合質量(g) 

Ws: 基準成分の混合質量(g) 

As: 基準成分のピーク面積 

6.6.5 

操作 

操作は,検量時と同じ分析条件で行う。ただし,分析条件は機器によって異なるので,操作は使用する

機器の最適条件のもとで行う。 

分析条件の例を表3 (1) 及び表3 (2) に,そのクロマトグラムの例を図3 (1) 及び図3 (2) に示す。 

注記1 メチルシリコーンとしてシリコーンOV-101を充てん剤に用いて,フェノール及びo-クレゾ

ールを分析する場合は,溶媒にクロロホルムを用いるとテーリングが少なく,低沸点物の分

離が容易である。 

注記2 試料導入量によって,m-クレゾールとp-クレゾールとの分離が悪くなるので,希釈割合は必

要に応じて10〜40倍とする。 

6.6.6 

計算 

JIS K 0114の11.3(ピーク面積の測定)によってピーク面積を測定した後,各成分の含量は,式 (4) によ

って算出し,JIS Z 8401によって小数点以下1けたに丸める。 

)

100

(

1

W

R

F

A

F

A

C

n

i

i

i

i

i

i

×

=∑

=

 ·························································· (4) 

ここに, 

Ci: i成分の含量 %(質量分率) 

background image

K 2437:2008  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

Ai: i成分のピーク面積 

Fi: i成分の相対感度 

n: 全ピーク数 

R: 6.7によって求めた不揮発分 %(質量分率) 

W: 6.4によって求めた水分 %(質量分率) 

表3 (1)−代表的な分析条件の一例 

試料 

フェノール特号及び1号 

o-クレゾール 

分析条件No. 

充てん剤用試薬 %(質量分率) 

ラノリン(9 %)
+ジメチルジオ
クタデシルアン
モニウム・ベン
トナイト(1 %) 

メチルシリコーン 
(20 %) 

ラノリン(9 %)
+ジメチルジオ
クタデシルアン
モニウム・ベン
トナイト(1 %) 

メチルシリコーン 
(20 %) 

担体 
(粒度μm) 

けい藻土 

(150〜180) 

けい藻土 

(180〜250) 

けい藻土 

(150〜180) 

けい藻土 

(180〜250) 

カラム内径及び長さ mm×m 

3×3 

カラム温度 ℃ 

135 

140 

検出器温度 ℃ 

220〜230 

240〜250 

220〜230 

240〜250 

試料導入部温度 ℃ 

230 

250 

250 

キャリヤーガス 

窒素 

キャリヤーガス流量 mL/min 

60 

20 

60〜80 

20 

検出器 

水素炎イオン化形 

水素流量 mL/min 

50 

空気流量 mL/min 

1 000 

600 

1 000 

600 

試料量 μL 

0.3 

試料1 mL 

アセトン10 mL 

1.0 

試料1 mL 

クロロホルム8 mL 

0.3 

試料1 mL 

アセトン10 mL 

1.0 

試料1 mL 

クロロホルム8 mL 

記録紙送り速度 mm/min 

10 




フェノール 

1.00 

1.00 

1.00 

1.00 

o-クレゾール 

1.18 

1.47 

1.18 

1.46 

2,6-キシレノール 

− 

− 

− 

1.97 

p-クレゾール 

− 

− 

1.49 

− 

m-クレゾール 

− 

− 

1.64 

− 

o-エチルフェノール 

− 

− 

1.70 

− 

注記 この例で使用するメチルシリコーンの市販品としては,シリコーンOV-101などがある。 

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10 

K 2437:2008  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表3 (2)−代表的な分析条件の一例 

試料 

m-クレゾール酸1号 

クレゾール酸1号 

キシレノール酸 

分析条件No. 

充てん剤用試薬 %(質量分率) 

ラノリン(9 %)
+ジメチルジオ
クタデシルアン
モニウム・ベント
ナイト(1 %) 

りん酸エステル 

ラノリン(9 %)+ジメチルジオクタ
デシルアンモニウム・ベントナイト
(1 %) 
 

担体(粒度μm) 

けい藻土 

(150〜180) 

けい藻土 

(150〜180) 

けい藻土 

(150〜180) 

カラム内径及び長さ mm×m 

3×3 

カラム温度 ℃ 

140 

150 

145 

検出器温度 ℃ 

220〜230 

240〜250 

220〜230 

試料導入部温度 ℃ 

250 

キャリヤーガス 

窒素 

キャリヤーガス流量 mL/min 

60〜80 

60 

60〜80 

検出器 

水素イオン化形 

水素流量 mL/min 

50 

空気流量 mL/min 

1 000 

500 

1 000 

試料量 μL 

0.3 

試料0.5 mL 

アセトン20 mL 

記録紙送り速度 mm/min 

10 




フェノール 

0.61 

0.72 

0.61 

o-クレゾール 

0.72 

0.63 

0.72 

2,6-キシレノール 

0.73 

0.39 

0.73 

p-クレゾール 

0.91 

0.92 

0.91 

m-クレゾール 

1.00 

1.00 

1.00 

o-エチルフェノール 

1.04 

0.79 

1.04 

2,4-キシレノール 
2,5-キシレノール 

1.17 

0.85 

1.17 

p-エチルフェノール 

2,3-キシレノール 

1.44 

1.35 

1.44 

3,5-キシレノール 

m-エチルフェノール 

1.68 

− 

1.11 

1.68 

− 

3,4-キシレノール 

1.87 

1.66 

1.87 

2,3,5-トリメチルフェノール 
2,4,6-トリメチルフェノール 

2.41 

− 

− 

0.57 

2.41 

− 

注記1 この例で使用するりん酸エステルの市販品としては,クレゾール−PXなどがある。 
注記2 この例で使用するけい藻土の市販品としては,ネオパック−1Aなどがある。 

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11 

K 2437:2008  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図3 (1)−クロマトグラムの一例 

[分析条件No.は表3 (1) による。] 

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12 

K 2437:2008  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図3 (2)−クロマトグラムの一例 

[分析条件No.は表3 (2) による。] 

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13 

K 2437:2008  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図3 (2)−クロマトグラムの一例(続き) 

[分析条件No. は表3 (2) による。] 

6.7 

不揮発分 

6.7.1 

要旨 

ガスクロマトグラフ分析において,結果の算出に必要な不揮発分をはかる。試験は,次のいずれかの方

法によって試料中の揮発性成分を所定の温度で揮発させ,残分の質量をはかって不揮発分とする。 

a) 第1法 JIS K 0067に準じる方法。 

b) 第2法 管状電気炉を用いて,揮発性成分を窒素又はヘリウム気流中で揮発させて不揮発分を求める

方法。 

6.7.2 

第1法 

6.7.2.1 装置及び器具 

装置及び器具は,次による。 

6.7.2.1.1 ホットプレート 温度調節器を備えたもので,250 ℃まで加熱できるもの。 

6.7.2.1.2 電気炉 温度調節器を備えたもので,温度調節精度±10 ℃以内で400 ℃まで加熱できるもの。 

6.7.2.1.3 白金るつぼ 容量30 mLのもの。 

6.7.2.1.4 化学はかり 0.1 mgのけたまではかれるもの。 

6.7.2.1.5 デシケーター 

14 

K 2437:2008  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

6.7.2.2 

操作 

操作は,次のとおり行う。 

a) 白金るつぼを0.1 mgのけたまではかり,これに試料約10 gを0.1 mgのけたまではかり取る。 

b) 約200 ℃に保ったホットプレート上で約30分間加熱して蒸発乾固させる。 

c) さらに,所定の温度6) に保った電気炉によって5分間加熱し,デシケーター内で約30分間放冷後,そ

の質量を0.1 mgのけたまではかる。 

注6) ガスクロマトグラフ分析法における試料導入部の温度。 

6.7.2.3 

計算 

不揮発分は,式 (5) によって算出し,JIS Z 8401によって小数点以下2けたに丸める。 

100

×

=Sm

R

 ·············································································· (5) 

ここに, R: 不揮発分(%)(質量分率) 
 

m: 揮発後の残分の質量(g) 

S: 試料の質量(g) 

6.7.3 

第2法 

6.7.3.1 

装置及び器具 

装置及び器具は,次による。装置及び器具の例を,図4 (1) 及び図4 (2) に示す。 

6.7.3.1.1 管状電気炉 温度調節器を備えたもので,温度調節精度±10 ℃以内で400 ℃まで加熱できるも

の。 

6.7.3.1.2 石英管 

6.7.3.1.3 試料容器 白金,石英又はほうけい酸ガラス製。 

6.7.3.1.4 化学はかり 0.1 mgのけたまではかれるもの。 

6.7.3.1.5 デシケーター 

6.7.3.2 

操作 

操作は,次による。 

a) 試料容器を0.1 mgのけたまではかり,これに試料約1 gを0.1 mgのけたまではかり取る。 

b) あらかじめ所定の温度7) に保った石英管内に,試料を入れた試料容器を挿入し,流量約300 mL/min

の窒素又はヘリウム気流中で10分間揮発させる。 

注7) ガスクロマトグラフ分析法における試料導入部の温度。 

c) 試料容器を取り出し,約30分間デシケーター内で放冷した後,その質量を0.1 mgのけたまではかる。 

6.7.3.3 

計算 

不揮発分は,6.7.2.3によって求める。 

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15 

K 2437:2008  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

石英管の寸法 

試料容器の寸法 

長さ:400〜500 mm 

長さ:65〜75 mm 

内径:25〜30 mm 

高さ:15〜20 mm 

肉厚:1〜2 mm 

 幅:15〜20 mm 

図4 (1)−横形不揮発分試験装置の一例 

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16 

K 2437:2008  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

① 管状電気炉 

⑥ 窒素又はヘリウム入口 

② 試料容器 

⑦ 窒素又はヘリウム出口 

③ 石英管 

⑧ 流量計 

④ 熱電対温度計 

⑨ 流量調節バルブ 

⑤ 捕集瓶 

管状電気炉装置 

石英管の寸法 

試料容器の寸法 

長さ:150〜200 mm 

長さ:約50 mm 

内径:30〜40 mm 

内径:約20 mm 

肉厚:1〜2 mm 

肉厚:1〜2 mm 

図4 (2)−縦形不揮発分試験装置の一例 

6.8 

中性油 

6.8.1 

要旨 

試料を水酸化ナトリウム溶液で中和し,よく振り混ぜ,生じた濁りを比濁標準液と目視で比較し,濁度

番号で表す。 

6.8.2 

メスシリンダー(有栓形) 

メスシリンダー(有栓形)は,容量100 mLで1 mLごとに目盛を刻み,10 mLごとに目盛を示す数字を

記入したもので,形状及び寸法は,図5による。 

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17 

K 2437:2008  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

単位 mm 

図5−100 mLメスシリンダー(有栓形) 

6.8.3 

試薬 

試薬は,次による。 

6.8.3.1 硫酸(0.01 mol/L) JIS K 8951に規定する硫酸を用いて調製したもの。 

6.8.3.2 水酸化ナトリウム溶液(75 g/L) JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウムを用いて調製したもの。 

6.8.3.3 グリセリン JIS K 8295に規定するもの。 

6.8.3.4 エタノール(99.5) JIS K 8101に規定するもの。 

6.8.3.5 塩化バリウム溶液(50 g/L) JIS K 8155に規定する塩化バリウム二水和物58.7 gを水に溶かして

1 000 mLにする。 

6.8.3.6 比濁標準液 比濁標準液は,次の調製液を用いて表4によって調製し,密栓した容器に保有する。

濁度2番以上の比濁標準液は,A液10 mLにB液を(X−1)× mLを加え,水で全量を40 mLに調製する。

比濁標準液の番号(X)と水を対照液とする波長660 nm,セル長10 mmの吸光度(Y)との間には,次の式

の関係がある。 

3

3

70

=X

Y

比濁標準液の吸光度(Y)の誤差が上の式で得られる値の±7 %より大きくなった場合は,再調製する。 

a) A液 グリセリンとエタノールとを体積比4:6に混合したもの。 

b) B液 硫酸(0.01 mol/L)60 mLにA液25 mLを加え,よく振り混ぜた後,塩化バリウム溶液(50 g/L)

10 mLを加え,全量をA液で希釈して100 mLとしたもの。 

c) 水 JIS K 0557に規定するA2又はA3の水。 

表4−比濁標準液 

調製液 

濁度番号(X) 

1番 

2番 

3番 

4番 

5番 

6番 

7番 

8番 

9番 

10番 

A液 mL 
B液 mL 
水   mL 


40 

10 

0.9 

29.1 

10 

1.7 

28.3 

10 

2.6 

27.4 

10 

3.4 

26.6 

10 

4.3 

25.7 

10 

5.1 

24.9 

10 

6.0 

24.0 

10 

6.9 

23.1 

10 

7.7 

22.3 

7

6

18 

K 2437:2008  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

6.8.4 

操作 

操作は,次による。 

a) 試料5 mLをメスシリンダー(有栓形)に取る。 

b) 水酸化ナトリウム溶液(75 g/L)50 mLを加えて,2分間振り混ぜた後,静置し,供試液とする。 

c) 比濁標準液55 mLを別のメスシリンダー(有栓形)に取り,よく振り混ぜた後,静置する。 

d) 供試液及び比濁標準液の泡立ちが消失したとき,直ちに供試液と比濁標準液とを,それぞれメスシリ

ンダー(有栓形)の側面から透かして見て濁りの状態を比較する。 

e) 濁度は,供試液に最も近似した比濁標準液の番号で表す。 

なお,二つの中間にある場合は大きい方の番号で表す。 

6.9 

硫化水素 

6.9.1 

要旨 

試料を水浴上で加熱し,発生した蒸気を酢酸鉛紙に当てた後,変色の程度を空試験と比較することによ

って硫化水素の有無を調べる。 

6.9.2 

器具 

三角フラスコ100 mL 

6.9.3 

試薬 

試薬は,次による。 

6.9.3.1 酢酸鉛紙 JIS K 8374に規定する酢酸鉛(Ⅱ)三水和物10 gを水100 mLに溶解し,JIS P 3801に

規定するろ紙に湿し自然乾燥したもの。 

6.9.4 

操作 

操作は,次による。 

a) 試料20 mLを三角フラスコに取り,フラスコの口の上に酢酸鉛紙を載せた後,フラスコを沸騰水浴上

に5分間置く。 

b) 空の三角フラスコの口の上に酢酸鉛紙を載せた後,フラスコを沸騰水浴上に5分間置く(空試験)。 

c) 試料を用いて試験した酢酸鉛紙の色と空試験の酢酸鉛紙の色とを比較する。 

6.10 色 

6.10.1 要旨 

試料を時計皿又は試験管に取り,上方又は側面から見て色を調べる。 

6.10.2 器具 

器具は,次による。 

6.10.2.1 試験管 内径約30 mmのもの。 

6.10.2.2 時計皿 適切な大きさのもの。 

6.10.3 操作 

操作は,次による。 

a) 試料が固体の場合 試料の適量を時計皿に取り,白紙の上に置いて上方から見て色を調べる。 

b) 試料が液体の場合 試料を試験管に取り,背後に白紙などを置き,管の側面から透かして見て色を調

べる。 

19 

K 2437:2008  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

検査 

検査は,箇条6によって試験したとき,表1に適合しなければならない。 

表示 

容器には,次の事項を表示しなければならない。ただし,大形容器(タンクローリー,貸車など)の場

合には,送り状に表示してもよい。 

a) 規格番号 

b) 種類 

c) 正味質量又は正味容量 

d) 製造業者名又はその略号 

e) 製造年月又はその略号 

f) 

製造番号又はロット番号 

安全に関する注意事項 

フェノール類は,可燃性の危険物であり,火災・爆発などの危険性があるので,取扱いには万全の注意

が必要である。さらに,有害性の非常に強い物質なので,法規によって取扱いが厳しく規制されている。

取扱上,特に火気,静電気などに注意するとともに,蒸気の吸入,皮膚接触などを避けるように十分な注

意が必要である。また,大気,水質の汚染を防止するため,試料採取時の洗浄廃液,試験終了後の試料の

処分などについてもできる限り回収する必要がある。 

20 

K 2437:2008  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書A 

(参考) 

充てんカラムの調製方法 

この附属書Aは,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。 

序文 

ガスクロマトグラフ分析による各成分の定量においては,カラムは,充てん剤を詰めた市販品を使用す

ることを原則とし,自ら充てんカラムを作製して,分析に使用する場合には,JIS K 0114の7.2 e) による

こととした。しかし,本体に規定したラノリンとジメチルジオクタデシルアンモニウム・ベントナイトと

の混合物を固体相液体に用いた充てん剤を詰めた市販品は入手が容易ではないので,この調製方法を附属

書Aに記載することとした。 

A.1 充てんカラム 

充てんカラムは,次による。 

a) カラム用管 内径3 mm,長さ3 mのほうけい酸ガラス管,又はステンレス鋼管。 

b) 担体 粒度150〜180 μm,又は180〜250 μmのけい藻土を酸洗浄後シラン処理したもの。 

注記 処理した担体には,ユニポートHPなどがある。 

c) 固定相液体 固定相液体は,1) 及び2) の混合液相を用いる。 

1) ラノリン 

2) ジメチルジオクタデシルアンモニウム・ベントナイト 

d) 充てん剤の調製 ラノリン9.0 g及びジメチルジオクタデシルアンモニウム・ベントナイト1.0 gを混

合し,ラノリンが溶融する程度に加熱し,よく練り合わせて均一な混合物にしたものに,担体と同体

積のJIS K 8858に規定するベンゼンを加えて15分間かき混ぜる。次に90 gの担体を加えて含浸させ,

約50 ℃の水浴上で均一になるまでかき混ぜ,弱い減圧下でベンゼンを完全に蒸発させる。 

e) 充てん剤の充てん方法 カラム用管にバイブレーターを用い,d) によって調製した充てん剤を均一に

充てんし,両端にJIS K 8251に規定するガラスウールを詰める。 

f) 

充てん剤の前処理方法 前処理は,室温で約1時間キャリヤーガスを通じ,その後80〜100 ℃で約1

時間,次に設定温度より約10 ℃高い温度で数時間エージングして,残存する溶媒を十分に除去する。

溶出ガスは,検出器を汚染するおそれがあるので,検出器を通さない。この前処理は,使用最高感度

における基線が安定するまで行う。