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K 2400:2010  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

4 区分······························································································································· 2 

5 浸液の特性及び測定方法 ···································································································· 2 

5.1 光学特性 ······················································································································ 2 

5.2 透過率 ························································································································· 2 

5.3 自家蛍光 ······················································································································ 2 

5.4 動粘度 ························································································································· 3 

5.5 密度 ···························································································································· 3 

6 要求性能························································································································· 3 

7 化学物質等安全データシート(MSDS) ··············································································· 3 

8 浸液の名称表示 ················································································································ 3 

9 表示······························································································································· 3 

10 技術データシート ··········································································································· 4 

附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 6 

K 2400:2010  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本顕微鏡工業会

(JMMA)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきと

の申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS K 2400:1988は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責

任はもたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格 

      JIS 

K 2400:2010 

顕微鏡用浸液 

Microscopes-Immersion liquids for light microscopy 

序文 

この規格は,2006年に第1版として発行されたISO 8036を基に,技術的内容を一部変更して作成した

日本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一

覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。 

適用範囲 

この規格は,光学顕微鏡に使用する浸液について規定する。浸液はその利用分野によって区分し,それ

ぞれのタイプに応じた要求事項及び測定方法について規定する。 

この規格は,浸液の名称,容器に表示する製品情報及び技術データシートで提供する情報についても規

定する。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 8036:2006,Optics and photonics−Microscopes−Immersion liquids for light microscopy (MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS K 2265-4 引火点の求め方−第4部:クリーブランド開放法 

注記 対応国際規格:ISO 2592, Determination of flash and fire points−Cleveland open cup method 

(MOD) 

JIS R 3702 顕微鏡用カバーガラス 

注記 対応国際規格:ISO 8255-1, Optics and optical instruments−Microscopes−Cover glasses−Part 1: 

Dimensional tolerances, thickness and optical properties及びISO/DIS 8255-2, Optics and optical 

instruments Microscopes Cover glasses Part 2: Material requirements and test methods(全体評価:

MOD) 

JIS Z 7250 化学物質等安全データシート(MSDS)−第1部:内容及び項目の順序 

JIS Z 8120 光学用語 

 
 
 

K 2400:2010  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 8120によるほか,次による。 

3.1 

浸液(immersion liquid) 

顕微鏡の液浸において試料と対物レンズ及び/又は集光器との間に入れる液体。 

3.2 

自家蛍光(autofluorescence) 

物体自身又は添加物の固有の特性によって発生する蛍光。 

注記 自家蛍光は,自己蛍光又は一次蛍光ともいう。 

区分 

浸液は,利用分野によって次のタイプに区分する。 

a) タイプN 光学顕微鏡に一般に使用する液浸油 

b) タイプF 蛍光顕微鏡に使用する条件を満たす液浸油 

c) タイプG 光学顕微鏡に使用するグリセリン 

浸液の特性及び測定方法 

5.1 

光学特性 

浸液の光学特性は,規定温度(23 ℃)及び一定気圧(1 013.25 hPa)において,水銀ランプのe線(波

長λ=546.07 nm)に対する屈折率ne及びアッベ数νeによって規定する。 

アッベ数νeは,次の式で計算する。 

'

'n

n

n

ν

C

F

e

e

1

=

ここに, 

nF': カドミウムのF' 線(λ=479.99 nm)に対する屈折率 

nC': カドミウムのC' 線(λ=643.85 nm)に対する屈折率 

屈折率は,通常アッベ屈折計で,光源には,水銀ランプ及びカドミウムランプを使用して一定温度下で

測定する。 

5.2 

透過率 

最近の光学顕微鏡による検出法では,スペクトル帯域の広い浸液が必要である。透過率は,適切な分光

光度計によって,浸液の光路長d=10 mmの石英セルを用い,純水を入れた対照セルに対して測定する。 

5.3 

自家蛍光 

浸液の自家蛍光は,分光蛍光光度計によって測定する。蛍光標準液として,0.05 mol/Lの硫酸中の硫酸

キニーネを使用する。蛍光測定では,次の励起波長及び発光波長を用いる。 

− F(365 nm/450 nm)=365 nmで励起し,450 nmの発光蛍光で測定する。 

− F(405 nm/485 nm)=405 nmで励起し,485 nmの発光蛍光で測定する。 

発光蛍光は,測定中に減少するので,浸液の自家蛍光は,測定時間60秒の平均値とする。 

浸液試料と標準液試料とは,浸液の光路長d=10 mmの石英又は特別な光学ガラス製の蛍光セル内で測

定する。使用する試薬は,分光蛍光光度計の品質基準に合ったものでなければならない。 

0.05 mol/L 硫酸溶液に溶かした500 mg/L の硫酸キニーネ溶液(以下,保存液という。)を準備する。標

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

準液として,測定を行う直前に,保存液を0.05 mol/L硫酸溶液で1:5 000及び1:200に希釈して0.1 mg/L

及び2.5 mg/Lの2種類の硫酸キニーネ溶液を作製し,新鮮な状態で使用する。保存液は,密閉された褐色

のガラス瓶に入れて6 ℃〜12 ℃で保存し,2か月以内に使用する。 

硫酸キニーネ溶液の代わりに,蛍光セルと同じ形の固体の蛍光標準を使ってもよい。この場合は,少な

くとも年に一度は硫酸キニーネ標準液に対して補正を行わなければならない。 

浸液の自家蛍光の測定結果は,標準液の自家蛍光の測定結果との比較から,硫酸キニーネ等価量(mg/L)

の形で求める。 

注記 硫酸キニーネは,UV励起による発光が浸液と同様に青色領域にあるので,緑色領域に発光す

るローダミンBに比べると蛍光標準としてより適している。 

5.4 

動粘度 

浸液の動粘度は,温度23 ℃においてキャノンフェンスケ粘度計などによって測定する。 

5.5 

密度 

浸液の密度は,温度23 ℃において浮きばかり又は比重瓶によって測定する。 

要求性能 

要求性能は,表1による。 

化学物質等安全データシート(MSDS) 

製造業者は,国内関係法令に従い,必要な場合には,JIS Z 7250に従って化学物質等安全データシート

(MSDS)(以下,安全データシートという。)を作成し,ユーザの要求に応じてこれを提供しなければな

らない。 

浸液の名称表示 

この規格に規定する浸液には,次の事項を表示しなければならない。 

− JIS名称及び/又はISO規格名称 

− JIS番号及び/又はISO規格番号 

− 区分(タイプ) 

例 顕微鏡用浸液JIS K 2400タイプF・Immersion liquid ISO 8036 Type F 

表示 

浸液を入れる容器のラベル,パッケージ又は取扱説明書には,次の情報を表示しなければならない。 

− 製品名 

− 浸液の名称表示 

− 危険輸送の法規に基づくラベル 

− 23 ℃における屈折率 ne 

− アッベ数 νe 

− ロット番号 

− 製造業者の指示に基づく未開封で保管された状態の有効期限 

− 安全データシート及び技術データシートの入手方法 

− 製造業者及び供給業者の名前,住所及び製造業者住所と異なる場合はその原産国 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

10 技術データシート 

浸液の製造業者又は供給業者は,使用者の要求に応じて提供できる技術データシートを作成しなければ

ならない。このデータシートには,次の情報を含めなければならない。 

− 製品名 

− 製造業者 

− 浸液の名称表示 

− 利用分野 

− 成分 

− 屈折率測定の温度 

− スペクトル帯域 

− 屈折率 ne,nF' 及びnC' 

− アッベ数 νe 

− 15 ℃〜40 ℃における屈折率の温度係数 

− スペクトル帯域における光路長d=10 mm の透過率 

− 自家蛍光 

− 染色標本に対する影響 

− 23 ℃における密度 

− 23 ℃における動粘度 

− JIS K 2265-4(クリーブランド開放法)によって求める引火点 

− 保管条件 

− 推奨するクリーニング剤 

− 廃棄に関する情報 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表1−浸液の要求性能a) 

項目 

区分 

タイプN 

(一般用) 

タイプF 

(蛍光用) 

タイプG 

(グリセリン)b) 

規定温度 

℃ 

23±0.1 

23±0.1 

23±0.1 

スペクトル帯域 

nm 

400〜900 

320〜1 100 

230〜1 100 

屈折率,ne 

1.518 0±0.000 5 

1.518 0±0.000 5 

1.450±0.005 

アッベ数,νe 

43±4 

43±4 

58±4 

動粘度 

mm2/s 

50〜1 500 

50〜1 500 

b) 

透過率 d=10 mm 




1 100 nm 

− 

80 % 

70 % 

1 000 nm 

− 

80 % 

70 % 

900 nm 

90 % 

90 % 

90 % 

800 nm 

95 % 

95 % 

98 % 

760 nm 

95 % 

95 % 

98 % 

600 nm 

95 % 

95 % 

98 % 

500 nm 

95 % 

95 % 

98 % 

450 nm 

85 % 

95 % 

98 % 

420 nm 

75 % 

95 % 

98 % 

400 nm 

60 % 

95 % 

98 % 

380 nm 

− 

90 % 

95 % 

365 nm 

− 

80 % 

95 % 

350 nm 

− 

70 % 

90 % 

330 nm 

− 

40 % 

80 % 

320 nm 

− 

20 % 

70 % 

310 nm 

− 

− 

50 % 

230 nm〜300 nm 

− 

− 

30 % 

自家蛍光(mg/L 硫酸キニーネ) 

F (365 nm/450 nm) 

c) 

0.06 

0.02 

F (405 nm/485 nm) 

c) 

1.20 

0.50 

F (313 nm/450 nm) 

− 

− 

0.05 

注a) グリセリンを除く浸液は,揮発性又は吸湿性成分は含まない。 

これらの液体の仕様は,JIS R 3702で規定されたカバーガラスを用いることを想定している。 

b) グリセリンは吸湿性があり,その物理的特性は含まれる水分に依存する。 

c) タイプNの浸液の自家蛍光は,特に値を定めないが高い値が予想される。 

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K 2400:2010  

附属書JA 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS K 2400:2010 顕微鏡用浸液 

ISO 8036:2006,Optics and photonics−Microscopes−Immersion liquids for light 
microscopy 

(I)JISの規定 

(II) 
国際規格
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの評
価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技
術的差異の理由及び今後の
対策 

箇条番号及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

2 引用規格 

JISにほぼ同じ 追加 

JIS Z 7250,JIS Z 8120を追加。 

技術的差異はない。 

3 用語及び定義 

3.1 浸液 
3.2 自家蛍光 

− 

追加 

JISでは,“浸液”及び“自家蛍光”の定
義を追加した。 

技術的差異はない。 

5 浸液の特性及び測
定方法 

5.3 自家蛍光 

4.3 

JISにほぼ同じ 変更 

固体の蛍光標準は入手が困難なため,注
記1を削除し,注記2を注記とした。 

技術的差異はない。 

5.4 動粘度 

4.4 

JISにほぼ同じ 追加 

“毛細管粘度計,例えば,ウベローデ粘
度計,”を,“キャノンフェンスケ粘度計
など”に置き換えた。 

技術的差異はない。 

7 化学物質等安全デ
ータシート 

JISにほぼ同じ 変更 

EU指令を国内関係法令に変更した。 

技術的差異はない。 

8 浸液の名称表示 

JISにほぼ同じ 変更 

表示すべき事項を明確にし,例ではJIS
及び/又はISO番号・区分表記とした。 

技術的差異はない。 

9 表示 

JISにほぼ同じ 変更 

表示をパッケージ,取扱説明書にもでき
るようにした。 

技術的差異はない。 

10 技術データシート 

JISにほぼ同じ 変更 

屈折率のうちnD及びngは,削除した。 技術的差異はない。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 8036:2006,MOD 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

  − 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
  − 変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。   

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

  − MOD…………… 国際規格を修正している。 

2

K

 2

4

0

0

2

0

1

0

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。