K 2280-5:2013
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 算出の原理 ······················································································································ 2
5 密度及び留出温度の測定 ···································································································· 2
6 算出の手順 ······················································································································ 2
7 結果の表し方 ··················································································································· 7
8 精度······························································································································· 7
9 試験結果の報告 ················································································································ 7
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 8
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,石油連盟(PAJ)から,工業標準原案を具し
て日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定し
た日本工業規格である。
これによって,JIS K 2280:1996は廃止され,その一部を分割して制定したこの規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS K 2280の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS K 2280-1 第1部:リサーチ法オクタン価
JIS K 2280-2 第2部:モータ法オクタン価
JIS K 2280-3 第3部:過給法オクタン価
JIS K 2280-4 第4部:セタン価
JIS K 2280-5 第5部:セタン指数
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日本工業規格 JIS
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石油製品−
オクタン価,セタン価及びセタン指数の求め方−
第5部:セタン指数
Petroleum products-Determination of octane number, cetane number and
calculation of cetane index-Part 5: Cetane index
序文
この規格は,2007年に第2版として発行されたISO 4264を基とし,国内の実情に合わせるため,技術
的内容を変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
1
適用範囲
この規格は,石油由来のディーゼル燃料油のセタン指数を4変数方程式,又はノモグラフによって算出
する方法について規定する。この規格は,タールサンド及びオイルシェールからの誘導物を含む燃料油に
も適用できる。軽油で脂肪酸メチルエステル(FAME)を含む場合,FAMEの含有量が質量分率5 %以下の
軽油に適用する。ただし,セタン価を向上させる添加剤を含有する燃料油,単一成分から成る炭化水素類,
又は石炭から誘導される留出物燃料油には適用できない。
注記1 セタン指数は,試験エンジンが入手できなくてセタン価を直接測定できない場合,又はエン
ジン試験を行うには,試料量が不十分である場合に,ディーゼル燃料油のセタン価の代替と
して用いる。燃料油のセタン価があらかじめ確認されている場合には,その基材及び製造工
程に変化がなければ,製品のセタン価を確認するためセタン指数を用いてもよい。
注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 4264:2007,Petroleum products−Calculation of cetane index of middle-distillate fuels by the
four-variable equation(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
警告 この規格は,危険な試薬,操作及び試験器を用いることがあるが,安全な使用方法を全てに規
定しているわけではないので,この試験方法の使用者は,試験に先立って,適切な安全上及び
健康上の禁止事項を決めておかなければならない。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
2
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引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 2249-1 原油及び石油製品−密度の求め方−第1部:振動法
注記 対応国際規格:ISO 12185,Crude petroleum and petroleum products−Determination of density−
Oscillating U-tube method(MOD)
JIS K 2249-2 原油及び石油製品−密度の求め方−第2部:浮ひょう法
注記 対応国際規格:ISO 3675,Crude petroleum and liquid petroleum products−Laboratory
determination of density−Hydrometer method(MOD)
JIS K 2249-4 原油及び石油製品−密度の求め方−第4部:密度・質量・容量換算表
注記 対応国際規格:ISO 91-1,Petroleum measurement tables−Part 1: Tables based on reference
temperatures of 15 °C and 60 °F(MOD)
JIS K 2254 石油製品−蒸留試験方法
注記 対応国際規格:ISO 3405,Petroleum products−Determination of distillation characteristics at
atmospheric pressure(MOD)
JIS Z 8401 数値の丸め方
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1
セタン指数
ディーゼル燃料油の自己着火性を示す値。
4
算出の原理
セタン指数は,15 ℃における密度及び3点の留出温度(体積分率10 %,50 %及び90 %)とセタン価と
の相関関係式を用いて算出する。
5
密度及び留出温度の測定
試験の手順は,次による。
a) JIS K 2249-1又はJIS K 2249-2によって,15 ℃における密度を測定する。必要があれば,JIS K 2249-4
によって換算する。
b) JIS K 2254に規定する常圧法の試験手順に従って,体積分率10 %,50 %及び90 %の各留出温度を測
定し,0.5 ℃単位に丸めた値を求める。
6
算出の手順
セタン指数の算出の手順は,次のいずれかによる。
a) 4変数方程式による方法 箇条5で測定した数値を用いて,次の式によって算出する。
(
)
N
N
T
B
T
CI
50
10
901
.0
131
.0
2
089
.0
2.
45
×
×
+
+
×
+
=
(
)
(
)
2
90
2
10
90
49
000
.0
420
.0
3
052
.0
N
N
N
T
T
T
B
−
×
+
×
×
−
+
2
60
107
B
B
×
+
×
+
215
10
10
−
=T
TN
260
50
50
−
=T
TN
3
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310
90
90
−
=T
TN
(
)
[
]1
850
000
1
5
003
.0
exp
15
−
−
×
×
−
=
D
B
ここに,
CI: セタン指数
T10: 体積分率10 %留出温度(℃)
T50: 体積分率50 %留出温度(℃)
T90: 体積分率90 %留出温度(℃)
D15: 15 ℃における密度(g/cm3)
b) ノモグラフによる方法 箇条5で測定した数値を用いて,図1,図2及び図3のノモグラフから次に
示す手順によって求める。
1) 試料の体積分率50 %留出温度と15 ℃における密度との値から,図1を用いて概算セタン指数の値
(C1)を0.1の桁まで求める。
2) 試料の体積分率90 %留出温度と15 ℃における密度との値から,図2を用いて概算セタン指数への
補正値(C2)を0.1の桁まで求める。
3) 試料の体積分率90 %留出温度と体積分率10 %留出温度との値から,図3を用いて概算セタン指数
への補正値(C3)を0.1の桁まで求める。
4) セタン指数は,C1,C2及びC3を加えて算出する。
4
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図1−概算セタン指数
(密度及び体積分率50 %留出温度に基づく概算値)
80
70
(C1)
5
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図2−概算セタン指数への補正値
(密度及び体積分率90 %留出温度に基づく補正値)
(C2)
6
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図3−概算セタン指数への補正値
(体積分率10 %留出温度と90 %留出温度とに基づく補正値)
(C3)
7
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注記 セタン価46.8の燃料油を例にして,ノモグラフによる求め方を次に示す。
測定値
15 ℃における密度(g/cm3)
0.860 0
体積分率10 %留出温度(℃)
220.0
体積分率50 %留出温度(℃)
290.0
体積分率90 %留出温度(℃)
340.0
セタン指数の算出
図1による概算セタン指数C1
44.6
図2によって求めた補正値C2
+0.4
図3によって求めた補正値C3
+1.6
セタン指数 = 46.6
7
結果の表し方
セタン指数の算出結果を,JIS Z 8401の規定によって丸めの幅0.1に丸める。
8
精度
この算出方法を用いて求めた結果の精度は,算出に用いた密度及び留出温度の測定の精度に依存してい
る。これらの測定の精度は,JIS K 2249-1,JIS K 2249-2及びJIS K 2254に規定されている。
9
試験結果の報告
試験結果には,次の事項を記載する。
a) 試料名,採取場所及び採取年月日
b) この規格の番号(JIS K 2280-5)
c) 結果(箇条7の表し方による。)
d) 試験年月日
e) 特記事項
8
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附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS K 2280-5:2013 石油製品−オクタン価,セタン価及びセタン指数の求め方−第
5部:セタン指数
ISO 4264:2007 Petroleum products−Calculation of cetane index of middle-distillate
fuels by the four-variable equation
(I)JISの規定
(II)
国際規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
1 適用範
囲
軽油でFAMEを含
む場合,FAMEの含
有量が質量分率5 %
以下の軽油
1
追加
ISO規格ではFAMEを含む軽
油を規定していない。
国内の実情に合わせた。
3 用語及
び定義
3.1 セタン指数
−
−
追加
ISO規格ではセタン指数は定
義されていない。
JIS様式に合わせるため定義を追
加した。
5 密度及
び留出温
度の測定
b) 留出温度の測定
方法
4
JISとほぼ同じ
変更
ISO規格では各留出温度を
1 ℃単位に丸めた値を用いる
ことを規定しているが,JISで
は0.5 ℃単位に丸めた値を用
いることを規定している。
引用するJISの規定に従い変更し
た。
6 算出の
手順
a) 4変数方程式によ
る方法
5.1.1
JISとほぼ同じ
追加
密度の表記単位は,ISO規格で
は,kg/m3,JISでは,g/cm3で
ある。そのためJISでは,4変
数方程式に代入する密度の値
をg/cm3からkg/m3に変換する
式を追加した。
引用するJISで用いられる単位に
合わせた。技術的差異はない。
3
K
2
2
8
0
-5
:
2
0
1
3
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(I)JISの規定
(II)
国際規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
6 算出の
手順
(続き)
b) ノモグラフによ
る方法を規定
5.1.2
JISとほぼ同じ
変更
ISO規格では,4変数方程式か
ら求めた結果とノモグラフか
ら求めた結果とが一致しない。
JISでは,双方の結果が一致す
る。
ISO規格が引用しているASTM
規格では,双方の結果が一致して
いる。ISO規格のノモグラフに誤
りがあると推察する。したがっ
て,JISはノモグラフを変更し,
ASTM規格のノモグラフに合わ
せた。図の差異については,ISO
に提案した。
7 結果の
表し方
数値の丸め方を規
定
6
JISとほぼ同じ
追加
JISでは,数値はJIS Z 8401に
よって丸めることを追加して
いる。
JISは,数値の丸め方を明確にす
るために追加した。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 4264:2007,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD…………… 国際規格を修正している。
3
K
2
2
8
0
-5
:
2
0
1
3
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。