K 2270-1:2009
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 試験の原理 ······················································································································ 2
5 試験器及び器具 ················································································································ 2
6 試料採取方法及び調製方法 ································································································· 6
7 試験器の準備 ··················································································································· 6
8 試験の手順 ······················································································································ 6
9 計算方法························································································································· 8
10 結果の表し方 ················································································································· 8
11 精度 ····························································································································· 8
12 試験結果の報告 ·············································································································· 9
附属書A(規定)10 %残油の調製方法 ···················································································· 10
附属書JA(参考)JISと対応する国際規格との対比表 ································································ 13
K 2270-1:2009
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,石油連盟(PAJ)から,工業標準原案を具して
日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した
日本工業規格である。これによって,JIS K 2270:2000は廃止され,その一部を分割して制定したこの規格
に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責
任はもたない。
JIS K 2270の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS K 2270-1 第1部:コンラドソン法
JIS K 2270-2 第2部:ミクロ法
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格
JIS
K 2270-1:2009
原油及び石油製品−残留炭素分の求め方−
第1部:コンラドソン法
Crude petroleum and petroleum products-Determination of carbon
residue-Part 1: Conradson method
序文
この規格は,1993年に第2版として発行されたISO 6615を基に作成した日本工業規格であるが,国内
の実情に合わせるため,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表をその説明を付けて,附属書JAに示す。
警告 この規格は,危険な試薬,操作及び試験器を用いることがあるが,安全な使用法をすべてに規
定しているわけではないので,この試験方法の使用者は,試験に先立って,適切な安全上及び
健康上の禁止事項を決めておかなければならない。
1
適用範囲
この規格は,原油及び石油製品の質量分率0.01〜30.0 %の残留炭素分をコンラドソン法によって求める
方法について規定する。また,この規格は,軽油,A重油及びこれに類似する石油製品の10 %残油にも
適用できる。
注記1 残留炭素分は,ディーゼルエンジンの燃焼室内での炭化物生成量の目安となる。硝酸アルキ
ル(セタン価向上剤)が添加されている場合は,燃焼室内での炭化物生成量には,影響しな
いが,残留炭素分が高くなる。このため,硝酸アルキル添加品の燃焼室内での炭化物生成量
と残留炭素分との関係は,硝酸アルキルによる残留炭素分の増加分を除いた値を用いる必要
がある。硝酸アルキルを定量する試験方法には,ISO 13759がある。
注記2 残留炭素分には,灰分を生成する成分及び不揮発性の添加剤を含む。
注記3 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 6615:1993,Petroleum products−Determination of carbon residue−Conradson method (MOD)
なお,対応の程度を表す記号(MOD)は,ISO/IEC Guide 21に基づき,修正していることを
示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 2251 原油及び石油製品−試料採取方法
注記 対応国際規格:ISO 3170,Petroleum liquids−Manual sampling (MOD)
2
K 2270-1:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS K 2254 石油製品−蒸留試験方法
注記 対応国際規格:ISO 3405,Petroleum products−Determination of distillation characteristics at
atmospheric pressure (MOD)
JIS R 3503 化学分析用ガラス器具
JIS Z 8401 数値の丸め方
JIS Z 8402-6 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)−第6部:精確さに関する値の実用的
な使い方
ISO 3171,Petroleum liquids−Automatic pipeline sampling
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1
残留炭素
試料を蒸発及び熱分解させたときに生成するコークス状炭化残留物。
3.2
10 %残油の残留炭素
試料を蒸留し,試料の体積分率90 %までの留出油を除いた残油(以下,“10 %残油”という。)の残留
炭素。
4
試験の原理
試料3〜10 gをるつぼにはかりとり,約10分間で煙が出始めるように予熱した後,発生した油蒸気を約
13分間燃焼させる。さらに,残留物を7分間強熱し,るつぼをデシケータ中で放冷後,質量をはかり,残
留炭素分を算出して求める。
なお,10 %残油の残留炭素分を求める場合は,附属書Aによって10 %残油を調製した後,残留炭素分
を測定する。
注記 軽油,A重油及びこれに類似する石油製品は,10 %残油の残留炭素分の測定を行う場合がある。
なお,これらの試料の90 %留出温度は,JIS K 2254の常圧法に規定する4類の試験条件で
測定したとき,370 ℃以下である。
5
試験器及び器具
試験器及び器具は,次による。
5.1
コンラドソン残留炭素分試験器 コンラドソン残留炭素分試験器は,次を用いる。図1にその例を
示す。
なお,電気加熱式試験器又は自動残留炭素分試験器を用いてもよい。ただし,電気加熱式試験器又は自
動残留炭素分試験器によって得られた結果に疑義が生じた場合には,この試験方法によって得られた結果
による。
3
K 2270-1:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
①磁器るつぼ
②小形鋼製るつぼ
③大形鋼製るつぼ
④三角架
⑤煙筒
⑥ブリッジ
⑦保温体
⑧ガスバーナ
⑨三脚台
⑩乾燥砂
⑪小形鋼製るつぼふたの排気口
図1−コンラドソン残留炭素分試験器の例
a) 磁器るつぼ 図2に示す形状及び寸法の広口のうわ薬付きの磁器るつぼ。磁器るつぼの代わりに,石
英るつぼを用いてもよい。
b) 小形鋼製るつぼ 図3に示す形状及び寸法のフランジ付き鋼製るつぼと鋳鉄製ふたとからなるもの。
単位 mm
単位 mm
図2−磁器るつぼ
図3−小形鋼製るつぼ
4
K 2270-1:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
c) 大形鋼製るつぼ 図4に示す形状及び寸法のふた付き鋼製るつぼ。
単位 mm
図4−大形鋼製るつぼ
d) 保温体 図5に示す形状及び寸法の鋼板製の中空箱又は耐火物製ブロック。
単位 mm
図5−保温体の例
e) 三角架 図6に示す形状及び寸法のステンレス鋼製又はほかの耐熱金属製のもので,大形鋼製るつぼ
の底と保温体の底とを同一水平面に支えられるような構造のもの。
f)
煙筒 図7に示す形状及び寸法の鋼板製のもので,その上部に取り付けるブリッジは,鉄線又はほか
の耐熱金属線製のもの。
5
K 2270-1:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位 mm
単位 mm
図6−三角架の例
図7−煙筒
g) ガスバーナ 図8に示すメッケルバーナ(強熱用)で,用いるガスに適合したもの。
h) 三脚台 図9に示す鉄製の三脚台とし,三角架,保温体などを支持するもの。
単位 mm
単位 mm
図8−ガスバーナ
図9−三脚台
6
K 2270-1:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
5.2
器具 器具は,次を用いる。
a) デシケータ 乾燥剤を入れないもの。
6
試料採取方法及び調製方法
6.1
試料の採取方法
試料は,JIS K 2251に規定する一次試料の採取方法及び二次試料の調製方法,又はそれに準じた方法に
よって採取及び調製する。自動サンプリングの場合には,ISO 3171によってもよい。
6.2
水又は懸濁物を含むおそれがある試料
試料をその引火点より15 ℃以下の温度で加熱し,乾燥したろ紙などでろ過する。
6.3
10 %残油の調製
附属書Aによって行う。
7
試験器の準備
試験器は,次によって図1のように組み立てる。
a) 三脚台上に三角架を置き,その上に保温体を載せる。
b) 保温体中央の三角架上に大形鋼製るつぼを置く。
c) 小形鋼製るつぼのふたの高さが大形鋼製るつぼの上縁面とほぼ等しくなるように約25 mLの乾燥砂を
大形鋼製るつぼの底に平らに入れた後,その上に小形鋼製るつぼを置く。
8
試験の手順
試験の手順は,次による。
a) あらかじめ赤熱して恒量にした磁器るつぼに直径約2.5 mmのガラス球2個を入れ,質量をはかり,
0.1 mgのけたまで読み取る。
b) 表1に示す量の試料又は10 %残油(以下,“試料”という。)を5 mgのけたまではかりとる。
なお,10 %残油をはかりとる場合は,6.3で調製した10 %残油を温かいうちに磁器るつぼに移し,
放冷してから質量をはかる。
表1−試料のはかりとり量
予期残留炭素分 質量分率(%)
試料のはかりとり量 g
0.10以下
10±0.5
0.11以上
5.00以下
10±0.5
5.01以上
15.0 以下
5±0.5
15.1 以上
30.0 以下
3±0.1
c) 試料の入った磁器るつぼを小形鋼製るつぼの中央に置き,内面及び排気口を清浄にした小形鋼製るつ
ぼのふたをする。次に,試験中に発生した油蒸気が逃げられるように大形鋼製るつぼのふたを少しず
らし,煙筒をかぶせる。
d) 次に予熱を始め,10分±1.5分間で煙が出始めるように加熱を調節する。煙筒の上部から煙が出始め
た後,直ちにガスバーナを傾けて,その炎を大形鋼製るつぼの周囲に動かし,油蒸気に着火する。着
火したら一時的にガスバーナを取り除く。次に,ガスバーナの火力を弱めて再び加熱を続け,油蒸気
を一様に燃焼させる。炎が煙筒の上部に現れ,しかもブリッジを越えないように加熱を調節し13分±
7
K 2270-1:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
1分間で燃焼する。
なお,炎の長さ及び燃焼時間の規定を同時に守ることができないときは,燃焼時間の規定を守る。
試料のはかりとり量が5 g及び3 gの場合,試料の種類によっては,予熱及び燃焼時間を規定時間内に
調節できないことがある。このような場合でも試験を継続する。
注記 予熱が強すぎると蒸気が早く発生し,試料が泡立ったり,燃焼の炎が長くなり過ぎたりする
ことがある。
e) 油蒸気の燃焼が終わり,青い煙が出なくなったらガスバーナの火力を調節して強熱する。大形鋼製る
つぼの底部及び下部の色が赤くなったら,この状態を7分間継続する。このとき,予熱,燃焼及び強
熱時間の合計が30分±2分間を外れた場合は,試験をやり直す。
電気加熱式試験器を用いる場合は,強熱時の加熱温度は,図10のように熱電対を挿入して,磁器る
つぼの外面温度が500 ℃程度になるように調節する。
①熱電対(感温部)
図10−磁器るつぼの外面温度の測定位置
f)
ガスバーナを取り除き,煙が出なくなるまで約15分間放冷し,大形鋼製るつぼ及び小形鋼製るつぼの
ふたを開ける。あらかじめ温めておいたるつぼばさみで磁器るつぼを取り出し,デシケータ中で室温
まで放冷する。
g) 磁器るつぼを点検し,次の1)〜3)の場合は,試験をやり直す。
1) 残留炭素がかさかさしており,指などで押さえれば磁器るつぼの内壁から容易にはがれ落ちるよう
な場合(強熱のし過ぎ)。
2) 残留炭素がねばねばしており,指などで押さえれば残留炭素が変形するような場合(強熱の不足)。
3) 残留炭素が,磁器るつぼの外壁に付着している場合(試料の吹きこぼれ)。この場合は,予期残留炭
素分に関係なく試料のはかりとり量を最初は,5 gに減らし,それでも吹きこぼれる場合は,3 gに
減らす。
h) 放冷した磁器るつぼの質量を,0.1 mgのけたまではかる。
8
K 2270-1:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
9
計算方法
試料又は10 %残油の残留炭素分は,次の式によって算出する。
100
1
2
1
3
×
=
m
m
m
m
CR
−
−
ここに,
CR: 残留炭素分[質量分率(%)]
m1: 空の磁器るつぼの質量(g)
m2: 試料又は10 %残油のはかりとり後の磁器るつぼの質量(g)
m3: 試験後の磁器るつぼの質量(g)
10 結果の表し方
JIS Z 8401の規定によって,残留炭素分が質量分率10 %以上の場合は,丸めの幅0.1に,質量分率10 %
未満の場合は,丸めの幅0.01に丸める。
11 精度
この試験方法によって得られた試験結果の許容差(確率0.95)は,次による。ただし,精度は,JIS K 2254
の常圧法に規定する4類の試験条件で測定した90 %留出温度が370 ℃を超える軽油,A重油及びこれに
類似する石油製品の10 %残油の残留炭素分には,適用しない。
試験結果が許容差を外れた場合には,JIS Z 8402-6の規定によって処理する。
11.1 室内併行精度
同一試験室において,同一人が同一試験器で引き続き短時間に同一試料を2回試験したとき,試験結果
の差の許容差は,表2及び図11による。
11.2 室間再現精度
異なる試験室において,別人が別の試験器で同一試料をそれぞれ1回ずつ試験して求めた2個の試験結
果の差の許容差は,表2及び図11による。
表2−精度
単位 質量分率(%)
室内併行許容差 r
室間再現許容差 R
log r=−0.916 66+0.825 04 log X
+0.082 39 (log X)2
log R=−0.626 68+0.724 03 log X
+0.107 30 (log X)2
注記 Xは,試験結果の平均値である。
9
K 2270-1:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図11−精度
12 試験結果の報告
試験結果には,次の事項を記述する。
a) 試料名,採取場所及び採取年月日
b) この規格の番号(JIS K 2270-1)
c) 箇条10によって得られた結果
なお,10 %残油の残留炭素分の場合は,その旨を付記する。
d) 特記事項
e) 試験年月日
10
K 2270-1:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書A
(規定)
10 %残油の調製方法
序文
この附属書は,10 %残油の調製方法について規定する。
A.1 10 %残油用蒸留試験器
10 %残油用蒸留試験器は,次を用いる。
A.1.1 蒸留試験器 蒸留フラスコ及び受器を除きJIS K 2254に規定するもの。自動試験器を用いてもよ
い。ただし,自動試験器によって得た10 %残油を用い残留炭素分を測定した結果に疑義を生じた場合は,
この方法によって10 %残油を再度調製する。
A.1.2 蒸留フラスコ JIS R 3503に規定するほうけい酸ガラス−1製で試料200 mLを蒸留できるもの。
図A.1に示す。
単位 mm
図A.1−蒸留フラスコ
A.1.3 受器 JIS R 3503に規定するほうけい酸ガラス−2製で試料200 mLを計量できるもの。図A.2に
示す。
11
K 2270-1:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位 mm
目盛
単位 mL
範囲
0〜200
回線
20ごと
長線
10ごと
目量
2
数字
20ごと
底部から2本の目盛はなくて
もよい。
図A.2−受器
A.1.4 フラスコ支え板 JIS K 2254に規定する3類用又は4類用のもの。
A.2 試験器の準備
JIS K 2254に規定する常圧法蒸留試験方法によって蒸留試験器を組み立てる。ただし,蒸留フラスコ,
受器及びフラスコ支え板は,A.1.2〜A.1.4による。規定の留出速度が得られない場合は,フラスコ支え板
の孔の直径が70 mmのものを用いる。
注記 温度計は,必要としないが,用いる場合には,JIS B 7410に規定する温度計番号8(DIST)が
ある。
A.3 調製の手順
調製の手順は,次による。
a) 13〜18 ℃の試料200 mL±1 mLを蒸留フラスコにはかりとる。凝縮浴の温度を0〜60 ℃に保つ。た
だし,凝縮管中でワックスが凝固するような試料では,凝縮浴の温度を38〜60 ℃に保つ。試料をは
かりとるのに用いた受器は,洗浄しないで,試料温度±3 ℃に保った水浴に入れて凝縮管出口の下に
置き,凝縮管の下端が受器の内面に触れないようにする。
b) 初留が10〜15分の間に出るように蒸留フラスコの加熱を調節する。留出が始まったら,凝縮管の下端
が受器の内壁に触れるように受器を動かし,毎分8〜10 mL留出するように加熱を調節する。留出量
が178 mL±1 mLに達したら加熱を止め,留出量が180 mLになるまで放置する。
c) 受器を三角フラスコに置き換えて,更に滴下する油をこれに取り,次に蒸留フラスコが温かいうちに,
残油を三角フラスコ内に移してよく振り混ぜる。
12
K 2270-1:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
A.4 10 %残油
A.3 c)で得た三角フラスコ内容物を10 %残油とする。残留炭素分の測定用磁器るつぼへの採取は,10 %
残油が温かいうちに行う。
参考文献 [1]JIS B 7410 石油類試験用ガラス製温度計
[2]ISO 13759,Petroleum products−Determination of alkyl nitrate in diesel fuels−Spectrometric
method
附属書JA
(参考)
JISと対応する国際規格との対比表
JIS K 2270-1:2009 原油及び石油製品−残留炭素分の求め方−第1部:コンラドソ
ン法
ISO 6615:1993,Petroleum products−Determination of carbon residue−Conradson
method
(Ⅰ)JISの規定
(Ⅱ)
国際規格
番号
(Ⅲ)国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(Ⅴ)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び名称
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
1 適用範
囲
原油及び石油製品
1
石油製品
追加
ISO規格では,原油について記
載無し
JISは,原油評価に残留炭素分が必
要なため追加した。
2 引用規
格
3 用語及
び定義
3.1 残留炭素
3.2 10 %残油の残
留炭素
−
−
追加
JISでは,追加
JISは,残留炭素分及び10 %残油
の残留炭素分の内容を明確にする
ため,定義した。
5 試験器
及び器具
4
追加
JISでは,電気加熱式又は自動
試験器を追加
JISは,ガスバーナよりも操作が容
易な電気加熱式又は自動試験器を
追加した。
6 試料採
取方法及
び調製方
法
試料採取方法,及び
水又は懸濁物を含
む試料の調製方法
5
試料採取方法を規定
追加
JISでは,水又は懸濁物を含む
試料をろ過する方法を追加
JISは,特殊な試料の調製方法を追
加した。
7 試験器
の準備
4
JISに同じ
一致
ISO規格では,箇条4で規定
JISは,分かりやすくするため,試
験とは別の箇条とした。
8 試験の
手順
6
追加
JISでは,試料が吹きこぼれた
場合の対応を追加
JISは,吹きこぼれた場合の対応を
明確にするため,追加した。
10結果の
表し方
8
追加
JISでは,数値は,JIS Z 8401
によって丸めることを追加
JISは,数値の丸め方を明確に規定
した。
3
K
2
2
7
0
-1
:
2
0
0
9
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ)JISの規定
(Ⅱ)
国際規格
番号
(Ⅲ)国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(Ⅴ)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び名称
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
11 精度
9
変更
追加
追加
ISO規格では,精度式と精度図
とがかい(乖)離
JISでは,90 %留出温度が
370 ℃を超える試料の10 %
残油の残留炭素分を適用外と
した。
JISでは,JIS Z 8402-6の引用
を追加
JISは,2007年にISOが提案した
(N 2307)精度式修正案を採用し
た。
JISは,規定を明確にするため,追
加した。
JISの規格体系に合わせるために
追加した。
附属書A
(規定)
10 %残油
の調製方
法
A.1 10 %残油用
蒸留試験器
A.1
追加
追加
JISでは,自動試験器を追加
JISでは,蒸留フラスコ,受器
及びフラスコ支え板の規格JIS
R 3503及びJIS K 2254を追加
JISは,操作が容易な自動試験器を
追加した。
JISは,分かりやすくするため,対
応するJISを追加した。
A.2 試験器の準備
A.1
追加
JISでは,フラスコ支え板及び
フラスコ支え板の孔の直径を
追加
JISは,分かりやすくするため,追
加した。
A.4 10 %残油
A.2
JISに同じ
一致
JISでは,別の箇条で規定
JISは,分かりやすくするため,ISO
規格とは,別の箇条とした。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 6615:1993,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 一致……………… 技術的差異がない。
− 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD………………国際規格を修正している。
3
K
2
2
7
0
-1
:
2
0
0
9
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。