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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 2252 : 1998 

石油製品−反応試験方法 

Petroleum products−Testing method for reaction 

1. 適用範囲 この規格は,石油製品中に含まれる水溶性の酸及び塩基の有無を試験する方法について規

定する。 

備考1. この規格は危険な試薬,操作及び装置を使うことがあるが,安全な使用方法をすべてにわた

って規定しているわけではないので,この試験方法の使用者は試験に先立って,適切な安全

上及び健康上の禁止事項を決めておかなければならない。 

2. この規格の引用規格を付表1に示す。 

2. 試験の原理 試料に水を加え,加温して振り混ぜ,水層に酸及び塩基を抽出し,指示薬メチルオレン

ジ及びフェノールフタレインで,抽出水の酸性,中性又はアルカリ性を見ることによって,試料の酸及び

塩基の有無を判断する。 

3. 試験器 試験器は,次による。 

(1) 三角フラスコ JIS R 3503付図10-1に規定する容量300mLのもの。 

(2) 分液漏斗 JIS R 3503付図31-1又は付図32-1に規定する容量300mLのもの。 

(3) メスシリンダー JIS R 3505付表6に規定する無栓形の容量100mLのもの。 

(4) ろ紙 JIS P 3801に規定する5種A又はBのもの。 

(5) 遠心分離器 試料を入れた2本以上の偶数個の目盛試験管を装着して,目盛試験管の先端部における

相対遠心力が600〜700になるように回転できるもので,かつ,引火性の雰囲気中であっても安全に操

作でき,構造の丈夫なもの。 

また,目盛試験管の外筒及び緩衝用ゴムは,いずれも最大遠心力に耐えられるように,十分堅ろう

に製作されたもので,遠心分離器運転中はしっかり目盛試験管を保持できるものでなければならない。

回転軸の毎分回転数は,次の式から算出する。 

a

f

n

335

1

ここに, 

n: 毎分回転数 (rpm) 

f: 相対遠心力 

a: 回転状態において相対する2本の目盛試験管の先端の間の距

離(回転直径) (mm) 

(6) 目盛試験管 目盛試験管は図1に示す寸法に適合し,ほうけい酸ガラス−1製であること。 

備考 目盛試験管は,JIS K 2839図105のものがこれに相当する。 

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K 2252 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図1 目盛試験管 

(7) 試験管 JIS R 3503付図26に規定するもの。 

4. 試薬 試薬は,次による。 

(1) 水 JIS K 0557に規定するA3のもの。 

(2) フェノールフタレイン溶液 JIS K 8799に規定するフェノールフタレイン1.0gをJIS K 8102に規定す

るエタノール100mLに溶かしたもの。 

(3) メチルオレンジ溶液 JIS K 8893に規定するメチルオレンジ0.1gを水100mLに溶かしたもの。 

(4) ジエチルエーテル JIS K 8103に規定するもの。 

5. 試料の採取及び調整方法 試験用試料は,JIS K 2251に規定する一次試料の採取方法及び二次試料の

調製方法,又はそれに準じた方法による。 

6. 試験の手順 試験の手順は,次による。 

(1) 試料100mLをメスシリンダーではかり採り,三角フラスコ300mLに入れ,水30mLを加える。 

(2) これを水浴上で十分に振り混ぜながら約70℃に加温(1)した後,分液漏斗に移し,再びよく振り混ぜて

から放冷する。 

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K 2252 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

注(1) 試料がガソリンの場合には,分液漏斗に直接試料100mLと水30mLとをとり,これを常温で十

分に振り混ぜた後静置する。 

試料が石油ワックスの場合には,試料はかり採り量を100gとし,水浴上での加熱温度を試料

の融点以上とする。 

また,加熱後の三角フラスコ内容物を分液漏斗に移す操作は省略する。 

(3) 冷却後,層が分かれたら水層(2)を水で湿したろ紙でこして油滴を除き,ろ液約10mLずつを2個の試

験管にとる。 

注(2) 油層と水層との分離が不十分なときは,次のいずれかの方法で分離するとよい。 

(1) 放冷後,分液漏斗に適量のジエチルエーテルを加え,よく振り混ぜてから静置,分離する。 

(2) 水浴上で十分に振り混ぜながら約70℃に加温した後,2本の目盛試験管に移し,再びよく

振り混ぜる。遠心分離器に2本の目盛試験管を納め,3.(5)から求められる相対遠心力600

に相当する回転数で,油層と水層が分離するまで遠心分離する。 

参考 温度調節の可能な遠心分離器の場合は,遠心分離器及び目盛試験管を60〜70℃に保ちながら,

相対遠心力600に相当する回転数にて遠心分離するとよい。 

(4) 試験管の一方にはフェノールフタレイン溶液を,他方にはメチルオレンジ溶液を滴加して,ろ液の変

色の有無を調べる。 

7. 試験結果 試験結果の表示は,表1による。 

表1 試験結果の表示 

変色の有無 

結果 

フェノールフタレイン溶液 

メチルオレンジ溶液 

赤変 

変色なし 

アルカリ性 

変色なし 

赤変 

酸性 

変色なし 

変色なし 

中性 

8. 試験結果の報告 試験報告書には,次の事項を記載する。 

(1) 試料名,試料採取場所,採取年月日 

(2) JISの規格番号 

(3) 試験の名称及び7.によって得られた結果 

(4) 特記事項 

付表1 引用規格 

JIS K 0557 化学分析用の水 

JIS K 2251 原油及び石油製品−試料採取方法 

JIS K 2839 石油類試験用ガラス器具 

JIS K 8102 エタノール (95) (試薬) 

JIS K 8103 ジエチルエーテル(試薬) 

JIS K 8799 フェノールフタレイン(試薬) 

JIS K 8893 メチルオレンジ(試薬) 

JIS P 3801 ろ紙(化学分析用) 

JIS R 3503 化学分析用ガラス器具 

K 2252 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS R 3505 ガラス製体積計