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K 2249-3:2011  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲 ························································································································· 1 

2 引用規格 ························································································································· 2 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

4 試験の原理 ······················································································································ 3 

5 試験器及び器具 ················································································································ 3 

6 試薬······························································································································· 6 

7 ピクノメータの準備 ·········································································································· 7 

8 ピクノメータの校正 ·········································································································· 7 

9 試料の採取方法及び調製方法 ······························································································ 8 

10 試験の手順 ···················································································································· 8 

11 計算方法 ······················································································································ 11 

12 精度 ···························································································································· 18 

13 試験結果の報告 ············································································································· 19 

附属書JA(参考)試験方法の種類 ·························································································· 20 

附属書JB(参考)密度に関連する用語及び定義 ········································································ 21 

附属書JC(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 22 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,石油連盟(PAJ)から,工業標準原案を具し

て日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定し

た日本工業規格である。これによって,JIS K 2249:1995は廃止され,その一部を分割して制定したこの規

格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS K 2249の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS K 2249-1 第1部:振動法 

JIS K 2249-2 第2部:浮ひょう法 

JIS K 2249-3 第3部:ピクノメータ法 

JIS K 2249-4 第4部:密度・質量・容量換算表 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

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原油及び石油製品−密度の求め方− 

第3部:ピクノメータ法 

Crude petroleum and petroleum products-Determination of density- 

Part 3: Capillary pyknometer method 

序文 

この規格は,2004年に第2版として発行されたISO 3838を基に,国内の実情に合わせるため,技術的

内容を変更して作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JCに示す。 

適用範囲 

この規格は,原油及び石油製品の密度をピクノメータ法によって求める方法について規定する。ピクノ

メータ法の中の毛細管共栓ピクノメータ法は,JIS K 2258-1又はJIS K 2258-2によって求めた蒸気圧が50 

kPa以下で,かつ,JIS K 2254の常圧法によって求めた初留点が40 ℃以上の液状試料の測定に適用する。

毛細管共栓ピクノメータ法の中のハバード形ピクノメータは,固体試料の測定に適用できる。また,道路

用タール,クレオソート,タールピッチを含む石炭タール製品及びこれらの物質と石油製品との混合物の

測定に適用できる。 

ピクノメータ法の中の目盛ピクノメータI形法は,JIS K 2258-1又はJIS K 2258-2によって求めた蒸気

圧が130 kPa以下で,かつ,試験温度におけるJIS K 2283によって求めた動粘度が50 mm2/s未満の液体に

適用する。 

なお,原油及び石油製品の密度は,通常,15 ℃における値[密度(15 ℃)]で表す。 

注記1 目盛ピクノメータI形法は,高粘度試料を除く石油製品の測定に適しており,特に試料の量

が少ない場合に適している。 

注記2 この規格群には,附属書JAに示す試験方法がある。 

注記3 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 3838:2004,Crude petroleum and liquid or solid petroleum products−Determination of density 

or relative density−Capillary-stoppered pyknometer and graduated bicapillary pyknometer 

methods(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

警告 この規格は,危険な試薬,操作及び試験器を用いることがあるが,安全な使用方法を全てに規

定しているわけではないので,この試験方法の使用者は,試験に先立って,適切な安全上及び

健康上の禁止事項を決めておかなければならない。 

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引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 7410 石油類試験用ガラス製温度計 

JIS K 0557 用水・排水の試験に用いる水 

JIS K 2249-4 原油及び石油製品−密度の求め方−第4部:密度・質量・容量換算表 

注記 対応国際規格:ISO 91-1,Petroleum measurement tables−Part 1: Tables based on reference 

temperatures of 15 °C and 60 °F(MOD) 

JIS K 2251 原油及び石油製品−試料採取方法 

JIS K 2254 石油製品−蒸留試験方法 

JIS K 2258-1 原油及び石油製品−蒸気圧の求め方−第1部:リード法 

注記 対応国際規格:ISO 3007,Petroleum products and crude petroleum−Determination of vapour 

pressure−Reid method(MOD) 

JIS K 2258-2 原油及び石油製品−蒸気圧の求め方−第2部:3回膨張法 

JIS K 2283 原油及び石油製品−動粘度試験方法及び粘度指数算出方法 

JIS K 8034 アセトン(試薬) 

JIS K 8103 ジエチルエーテル(試薬) 

JIS K 8252 ペルオキソ二硫酸アンモニウム(試薬) 

JIS K 8593 石油エーテル(試薬) 

JIS K 8680 トルエン(試薬) 

JIS K 8951 硫酸(試薬) 

JIS R 3503 化学分析用ガラス器具 

JIS Z 8401 数値の丸め方 

JIS Z 8402-6 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)−第6部:精確さに関する値の実用的

な使い方 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。 

注記 密度に関連する用語及び定義を,附属書JBに示す。 

3.1 

密度(density) 

試料の単位体積当たりの質量。密度は,その温度条件を付して,次のように表す。 

なお,この規格においては,質量,体積及び温度の単位をそれぞれg,cm3及び℃とする。 

a) 密度(15 ℃) 15 ℃における試料の密度。g/cm3で表す。 

b) 密度(t ℃) t ℃における試料の密度。g/cm3で表す。 

原油及び石油製品の密度は,通常,15 ℃における値“密度(15 ℃)”で表す。 

注記 密度は,空気の浮力による影響を補正した値(真空中での測定値に相当する。)である。また,

密度の報告単位をg/cm3からkg/m3に変換する場合は,次の式によって換算する。 

kg/m3=g/cm3×1 000 

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3.2 

見掛け質量(apparent mass in air) 

空気中で物体をひょう量して得た数値をいい,この値は真空中での値(すなわち,質量)よりも空気の

浮力による影響分だけ小さい。 

3.3 

測定密度(observed density) 

JIS K 2249-4の付表I表1A(原油の温度に対する密度換算表),付表II表1B(燃料油の温度に対する密

度換算表)又は付表III表1D(潤滑油の温度に対する密度換算表)を用いて密度(15 ℃)へ換算すると

きに必要な値。測定密度は,基準温度(15 ℃)で校正されたソーダ石灰ガラス製ピクノメータを用いて校

正温度と異なる試験温度で測定される密度であり,このとき,ガラスの熱膨張及び収縮に対する補正は行

っていない。また,この値は,基準温度(15 ℃)で校正された浮ひょうの目盛読みに相当する。 

3.4 

比重(relative density) 

温度t1においてある体積の試料の質量と,温度t2においてそれと等体積の水の質量との比。すなわち,

試料の密度と水の密度との比であり,相対密度ともいう。比重は,試料及び水の温度条件を示す記号を付

して次のように表す。 

なお,比重は,無次元量である。 

a) 比重15/4 ℃ 15 ℃におけるある体積の試料の質量と,それと等体積の4 ℃における水の質量との 

比。比重15/4 ℃は,密度(15 ℃)の近似値であり,両者の間には,次の式に示す関係がある。 

d15=s15×0.999 97 

ここに, 

d15: 密度(15 ℃) 

s15: 比重15/4 ℃ 

b) 比重t1/t2 ℃ t1 ℃におけるある体積の試料の質量と,それと等体積のt2 ℃における水の質量との比。 

c) 比重60/60 °F 15.56 ℃(60 °F)におけるある体積の試料の質量と,それと等体積の15.56 ℃(60 °F)

における水の質量との比。 

試験の原理 

4.1 

毛細管共栓ピクノメータ法 

試料と等体積の水との質量を比較して試料の密度を求める。等体積は,ピクノメータに水又は試料を入

れ,試験温度に保った恒温水槽中で,温度が安定するまで保持したときにピクノメータの標線まで満たす

ことによって得られる。密度を求める計算には,ガラスの熱膨張及び空気の浮力に対する補正が含まれる。 

4.2 

目盛ピクノメータI形法 

ピクノメータの細管の目盛の読みとピクノメータに含まれる水の空気中における見掛け質量との関係を

図式化した校正線図を作成する。試料を乾燥したピクノメータに引き込み,試験温度で平衡に達したなら

ば,その細管内における液体の液面の目盛を読み取り,記録した後,ピクノメータの質量を測定して試料

の見掛け質量を求める。試料及び等体積の水の見掛け質量は,校正線図から読み取り,水の見掛け質量で

試料の見掛け質量を除して,ガラスの熱膨張及び空気の浮力に対する補正を行って密度を算出する。 

試験器及び器具 

5.1 

毛細管共栓ピクノメータ 毛細管共栓ピクノメータは,次のa)〜c)に示すものを用いる。ピクノメ

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

ータの種類を図1に示す。ほうけい酸ガラス製のピクノメータについては,生地ガラスの体膨張係数が既

知のものを用いる。 

 1 

栓 

ピクノメータ 

キャップ 

栓 

ピクノメータ 

栓 

ピクノメータ 

標線 

あふれ液貯留部(すり鉢状) 

 a) ワードン形 

b) ゲイ・リュサック形 

c) ハバード形 

図1−毛細管共栓ピクノメータの種類 

a) ワードン形ピクノメータ ワードン形ピクノメータは,JIS R 3503に規定する付図61のもの又はこれ

と同等の形状及び寸法をもつ容量25 mLのもので,材質は,ソーダ石灰ガラス又はほうけい酸ガラス

とする。毛細管共栓ピクノメータの中で揮発性試料の測定には,ワードン形が適している。すり合わ

せのガラス製キャップ(ワードン形)は,熱膨張及び蒸発損失を大幅に減少させるので,この形のピ

クノメータは,試験温度が室内の温度よりも低いときに用いることができる[図1 a)参照]。 

b) ゲイ・リュサック形ピクノメータ ゲイ・リュサック形ピクノメータは,JIS R 3503に規定する付図

59のもので,材質は,ソーダ石灰ガラス又はほうけい酸ガラスとする。高粘度試料を除く非揮発性の

液体試料に適している[図1 b)参照]。 

c) ハバード形ピクノメータ ハバード形ピクノメータは,JIS R 3503に規定する付図62のもので,材質

は,ソーダ石灰ガラス又はほうけい酸ガラスとする。広口形のピクノメータであり,高粘度試料及び

固体試料の測定に適している[図1 c)参照]。 

注記 試験温度が室温よりも低い場合には,図1 c)に示すような頭部をすり鉢状のあふれ液貯留部

にした栓を用いるとピクノメータのひょう量操作時,膨張によってあふれ出てくるピクノメ

ータ中の水の損失を防ぐことができる。 

d) 図1 b)及び図1 c)に示すピクノメータの形は,ワードンすなわち膨張室をもたないので,試験温度が

室温より大きく下回る場合は,細管から熱膨張によって試料の損失を招くため,用いることができな

い。 

5.2 

目盛ピクノメータI形 目盛ピクノメータI形は,容量が1〜10 mLで表1に示す仕様及び図2に示

す形状のものを用いる。材質は,ソーダ石灰ガラス又はほうけい酸ガラスで,質量は,30 gを超えてはな

らない。ほうけい酸ガラス製のピクノメータについては,生地ガラスの体膨張係数が既知のものを用いる。 

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表1−目盛ピクノメータI形の仕様 

項目 

呼び容量,mL 

10 

実際の容量と呼び容量との差,mL 

±0.2 

±0.3 

±0.5 

±1 

最大質量,g 

30 

全体の高さ,mm 

175±5 

目盛の上の高さ,mm 

40以上 

球部から目盛までの高さ,mm 

5以上 

アームの中心間の距離,mm 

28±2 

細管の外形,mm 

細管の内径,mm 

1±0.1 

球の底部から目盛までの長さ,mm 

40 

球の外形,mm 

11 

14 

20 

25 

注記 目盛ピクノメータI形は,リプキンピクノメータともいう。 

単位 mm 

図2−目盛ピクノメータI形 

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単位 mm 

 
 
 

M6ねじ 

クリップ 

受け箱 

ちょうナット 

座金 

六角ナット 

図3−目盛ピクノメータ保持器の例 

5.3 

恒温水槽 恒温水槽は,浴温を15 ℃及び任意の試験温度±0.05 ℃に調節することができるもので,

ピクノメータの全長以上の深さをもつもの。 

5.4 

温度計 温度計は,JIS B 7410に規定する温度計番号16〜24(VIS)及び44(SG)のものであらか

じめJIS B 7410 附属書(補正試験方法)に従って各試験温度における目盛の誤差を求め,補正しておく。 

5.5 

ピクノメータ保持器 ピクノメータ保持器は,ピクノメータを恒温水槽中で垂直に保持できるもの

で水槽中で腐食しない材質のものを用いる。目盛ピクノメータI形に用いる保持器の例を図3に示す。ピ

クノメータ保持器は,水槽の端から端までさし渡すことのできる非腐食性の四角形の金属棒を用いれば簡

単に水槽に保持できる。ピクノメータ保持器の6 mmの棒を十分に通すことのできる一連の孔を約45 mm

おきに金属棒にあける。保持器の棒は,六角ナットと座金付きちょうナットとの間で金属棒に締め付けて,

この孔に固定する。 

5.6 

はかり はかりは,0.1 mgまでひょう量できるもの。 

試薬 

a) 水 JIS K 0557に規定するA3のもの。 

b) アセトン JIS K 8034に規定するもの。 

c) 石油エーテル JIS K 8593に規定するもの。 

d) トルエン JIS K 8680に規定するもの。 

e) ジエチルエーテル JIS K 8103に規定するもの。 

f) 

イソペンタン 市販の最上級品のもの。 

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g) ピクノメータの洗浄剤 JIS K 8951に規定する硫酸1 LにJIS K 8252に規定するペルオキソ二硫酸ア

ンモニウム8 gを溶かしたもの又はこれと同等の性能をもつ洗浄剤。 

警告 ペルオキソ二硫酸アンモニウムは,強酸化剤である。その取扱いには十分注意しなければな

らない。 

ピクノメータの準備 

ピクノメータ,栓及びキャップを石油エーテル,トルエンなどの適切な溶剤で洗浄した後,清浄な乾燥

空気を吹きつけるか,又は減圧乾燥器を用いて乾燥し,水分及び溶剤を完全に除去する。ただし,新しい

ピクノメータを用いるとき,ピクノメータを校正し直すとき,又はピクノメータの内壁や栓の細管から液

体(水及び試料)が完全に除去できないときは,次の方法で洗浄を行う。 

ピクノメータ,栓及びキャップをピクノメータの洗浄剤で十分に洗浄した後,水ですすぐ。次いで,ア

セトンなどの水溶性で揮発性の溶剤を用いてすすぎ,乾燥する。このとき,湿分及び溶剤を完全に除去す

るため,清浄な乾燥空気(必要ならば,ろ過した空気)を通しながら乾燥する。 

ピクノメータの校正 

8.1 

ピクノメータのひょう量 

箇条7によって洗浄及び乾燥したピクノメータをはかりの近くに置き,室温になるまで放置する。静電

気を放電させ,その見掛け質量を0.1 mgの桁まではかる。これをm0(g)とする。 

低湿度(60 %以下)の大気中で,ピクノメータを乾布でこすって乾かすと静電気が起こり,ピクノメー

タが1 mg以上も軽くなることがある。この静電気は,30分経過しても完全に消えないことがある。ピク

ノメータに静電気が起きているかどうかは,アルミニウムはく検電器などを用いると確認できる。 

全てのひょう量は,5 ℃以内の温度範囲で行い,空気の密度の変化をできるだけ小さくする。また,ピ

クノメータに発生した静電気を消すには,ピクノメータの外面をアセトン,イソペンタン(又はジエチル

エーテル)の順で十分にすすぐか,又はアセトン浴及びイソペンタン浴(又はジエチルエーテル浴)のそ

れぞれに10秒以上浸せきした後,自然乾燥するとよい。 

8.2 

毛細管共栓ピクノメータ 

a) 新たに煮沸し,校正温度より僅かに低い温度まで冷却した水をピクノメータに満たす。次いで,栓を

気泡が入らないように注意しながらピクノメータに堅く差し込む。校正温度は,通常,15 ℃とする。 

b) ピクノメータを校正温度±0.05 ℃に保った恒温水槽中に,その首部まで浸せきし,ピクノメータ内の

水の温度と恒温水槽の温度とを平衡させるため,1時間以上保持する。 

c) ピクノメータ内の水の温度が恒温水槽の温度と平衡になったら,栓に付着した余分の水を拭い取り,

栓の細管内の水のメニスカスを栓の頂部又は標線に一致させる。この操作では,布の毛細管現象が栓

から液体を引き込むので注意が必要である。ピクノメータがワードン形の場合,直ちに,キャップ(ワ

ードン)を栓にかぶせて堅くはめる。 

d) ピクノメータを恒温水槽から引き上げる。ピクノメータがワードン形でない場合は,ピクノメータ及

び内容物を恒温水槽の温度よりも少し低い温度に冷却する。 

e) ピクノメータの外面を水,アセトン,トルエンの順にすすぎ,僅かに湿気をもたせた清浄で毛羽立ち

の少ない布で拭き取って乾燥させ,その見掛け質量を0.1 mgの桁までひょう量する(mWt)。 

f) 

校正温度におけるピクノメータの水当量を次の式によって算出する。ピクノメータの水当量は,定期

的に測定し直さなければならない。 

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0

m

m

M

Wt

t

=

ここに, 

Mt: 校正温度(t ℃)におけるピクノメータの水当量(g) 

mWt: 校正温度において水を満たしたピクノメータの見掛け質量

(g) 

m0: 空のピクノメータの見掛け質量(g) 

8.3 

目盛ピクノメータI形 

a) ピクノメータを立てたまま,かぎ状の一端を新たに煮沸し,校正温度より僅かに低い温度まで冷却し

た水中に入れ,毛細管現象とサイホン作用とによって水を球上方の細管の下端目盛近くまで満たす。

校正温度は,通常,15 ℃とする。次いで,校正温度±0.05 ℃に保った恒温水槽中に入れ,細管の水

面が恒温水槽の液面下になるようにして,細管中の水面が一定になるまで(約20分間)静置する。 

b) 両細管の水面を細分目盛の1/2まで読み,その合計値を記録する。恒温水槽からピクノメータを取り

出し,その外側を水,アセトン,トルエンの順にすすぎ,僅かに湿気をもたせた清浄で毛羽立ちの少

ない布で拭って乾かす。ピクノメータをはかりの近くに置き,室温になるまで放置した後,その見掛

け質量を0.1 mgの桁まではかり,これをmWtとする。見掛け質量の差(mWt−m0)をピクノメータの

目盛読みの合計値に対応する水の見掛け質量(Mt)とする。 

c) 細管中の水を徐々に加えて,細管目盛の中央部及び上端部について同様の操作を行う。 

d) 両細管の目盛読みの合計値に対する水の見掛け質量をグラフ上に記録し,直線で結んで校正線図を作

成する。3点が一直線上にない場合には,更に幾つか追加測定をして直線を引き,求めた点が全て直

線から細分目盛で2目盛を超える隔たりがなければ,この直線を校正線とする。測定点が直線から細

分目盛で2目盛を超える隔たりがあり,その後の校正でも修正できない場合は,このピクノメータを

用いてはならない。ピクノメータの校正線図は,定期的に作り直さなければならない。 

8.4 

他の基準温度 

15 ℃以外の温度で密度を測定するときは,ピクノメータを測定温度で校正する。 

8.5 

再校正 

ピクノメータを経験的に得られた適切な間隔で定期的に校正する。新しいピクノメータは,1年後に再

校正するのが望ましい。また,その後は,観測された変化の度合いに応じて校正する。 

試料の採取方法及び調製方法 

試料は,JIS K 2251に規定する一次試料の採取方法及び二次試料の調製方法,又はそれに準じた方法に

よって採取及び調製する。 

10 試験の手順 

10.1 毛細管共栓ピクノメータ法の手順 

10.1.1 液体試料の試験手順 

a) 試験する試料に応じて適切な形状及び寸法のピクノメータを選ぶ。通常,25 mL及び50 mLの大きさ

のものを用いる。 

箇条7に従って洗浄及び乾燥した校正済みピクノメータの見掛け質量を0.1 mgの桁まではかる(m0)。 

b) 試料を気泡が入らないように注意してピクノメータに満たす。試験温度が室温よりも高い場合,試料

の量は,試料の熱膨張による増量を見込んだ量とする。また,高粘度試料の場合は,必要に応じて試

料及びピクノメータをあらかじめ適切な温度に加温する。 

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K 2249-3:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

c) 試料の入ったピクノメータを試験温度±0.05 ℃に保った恒温水槽中にその首部まで浸せきする。試験

温度は,通常,15 ℃とする。ただし,蒸気圧が10 kPaを超える試料を測定する場合は,15 ℃以下で,

試料の軽質分が蒸発損失するおそれのない温度とする。恒温水槽中にピクノメータを20分間保持して

試料の温度を安定させるとともに,試料中の気泡を試料表面まで上昇させ,取り除く。20分間の浸せ

き時間経過後も試料の温度が安定しない場合は,安定するまでピクノメータを恒温水槽に浸せきして

おく。ピクノメータ内の試料の液面が変動しなくなったら,試料の温度は安定したとみなす。 

試料が石油製品と非石油製品との混合物の場合,試験温度は,最終報告温度と等しくすることが必

要である。ただし,混合物の容量比が混合物の成分ごとの補正係数とともに知られている場合は,こ

の限りではない。 

d) ピクノメータ内の試料の温度が安定したら,試料中に気泡のないことを確認した後,あらかじめ試験

温度にした栓をピクノメータに堅く差し込む。このとき,試料中及び栓の下に気泡を生じさせないよ

うに注意する。試料中に気泡が残留している場合は,栓を差し込む前にピクノメータを軽くたたいて

気泡を試料表面まで上昇させ,取り除く。又は気泡が試料表面に上昇するまでピクノメータを十分時

間をとって恒温水槽に浸せきしておく。 

e) 栓に付着した余分の試料を拭き取り,栓の細管内の試料のメニスカスを栓の頂部に一致させ,直ちに

栓にキャップ(ワードン)を堅くはめる(ピクノメータがワードン形の場合)。 

f) 

ピクノメータを恒温水槽から取り出し,ワードン形でない場合は,試験温度より僅かに低い温度まで

冷却する。試験温度が,室温よりも高い場合は,ピクノメータ及び内容物を室温まで冷却する。 

g) ピクノメータの外面を水,アセトン,トルエンの順にすすぎ,僅かに湿気をもたせた清浄で毛羽立ち

の少ない布で拭って乾かし,その見掛け質量を0.1 mgの桁まではかる(mt)。 

10.1.2 固体試料及び半固体試料の試験手順 

a) 箇条7に従って洗浄及び乾燥した校正済みピクノメータ[ハバード形がよい。図1 c)参照]の見掛け

質量を0.1 mgの桁まではかる(m0)。れき(瀝)青の場合は,ハバード形のピクノメータだけを用い

る。 

b) 気泡をため込む可能性を減らすため,できるだけ均一にした小片状の試料をピクノメータのほぼ半ば

まで入れる。又は試料を蒸発損失のないようにできるだけ低い温度で加熱溶融し,気泡を取り込まな

いように注意しながら,加温したピクノメータのほぼ半ばまで入れる。 

c) 試料の入ったピクノメータをデシケータ中で室温になるまで放冷した後,見掛け質量を0.1 mgの桁ま

ではかる(mM)。ワックス分を多く含む試料の場合は,試料にワックスの収縮による深いくぼみ又は

空洞ができることがあるので,試料の温度が徐々に下がるようにその放冷方法を工夫するとよい。例

えば,試料の入ったピクノメータをろ紙の上に置き,これにあらかじめ加温したビーカをかぶせて放

冷するなどの方法がある(図4参照)。 

ビーカ 

ろ紙 

デシケータ 

試料の入ったピクノメータ 

図4−高ワックス分試料の放冷方法の例 

10 

K 2249-3:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

d) 新たに煮沸し,試験温度より僅かに低い温度まで冷却した水を気泡が生じないように注意しながら,

c)のピクノメータに満たす。次いで,試験温度±0.05 ℃に保った恒温水槽中に,ピクノメータをその

首部まで浸せきし,20分間保持して試料の温度を安定させるとともに,気泡をピクノメータ中の水面

まで上昇させ,取り除く[10.1.1 c)参照]。 

e) ピクノメータ内の内容物の温度が安定したら,内容物中に気泡がないことを確認した後,あらかじめ

試験温度にした栓をピクノメータに堅く差し込む。このとき,ピクノメータ内の水に気泡を生じさせ

ないように注意する。ピクノメータ内の試料の表面などに付着している気泡を取り除くため,清浄で

細い針金を用いてもよい。 

f) 

栓に付着した余分の水を拭き取り,栓の細管内の水のメニスカスを栓の標線に一致させる。 

g) ピクノメータを恒温水槽から取り出し,試験温度より少し低い温度まで冷却する。試験温度が,室温

よりも高い場合は,ピクノメータ及び内容物を室温まで冷却する。 

h) ピクノメータの外面を水,アセトン,トルエンの順にすすぎ,僅かに湿気をもたせた清浄で毛羽立ち

の少ない布で拭って乾かす。 

i) 

h)のピクノメータの見掛け質量を0.1 mgの桁まではかる(mF)。 

10.2 目盛ピクノメータI形法の手順 

a) 箇条7に従って洗浄及び乾燥した校正済みピクノメータをはかりの近くに置き,室温になるまで放置

した後,その見掛け質量を0.1 mgの桁まではかる(m0)。 

b) 8.3と同様の方法で,試験温度と同等の試料をピクノメータの細管の適切な目盛まで満たす。試験温度

は,通常,15 ℃とする。ただし,蒸気圧が50 kPaを超える試料を試験する場合は,15 ℃以下で,試

料の軽質分が蒸発損失するおそれのない温度とする。試料が揮発性の場合又は試験温度が室温より低

い場合は,見掛け質量測定操作中の蒸発又は膨張による損失を防ぐため,ピクノメータに満たす試料

の量は,細管の目盛の下方部分までとする。試料が石油製品と非石油製品との混合物の場合,試験温

度は,最終報告温度と等しくすることが必要である。ただし,混合物の容量比が混合物の成分ごとの

補正係数とともに知られている場合は,この限りではない。 

c) 高揮発性試料(20 ℃以下の沸点をもつ成分が含まれているもの)又は試験中に試料の蒸発損失が起こ

るおそれのある試料を測定する場合は,あらかじめ試料及びピクノメータを0〜5 ℃の温度に冷却し

ておく。そのとき,ピクノメータは,細管の両端に適切な乾燥管を接続し,ピクノメータの内部に空

気中の水分が凝縮するのを防ぐ。また,ピクノメータに満たす試料の量は,細管の下端目盛(0目盛)

より少し上までとし,試料の入っていない細管部の長さを100 mm以上にする。これによって,試験

中の試料の蒸発損失を防ぐことができ,イソペンタンのような高揮発性成分が含まれていてもその蒸

発損失は無視できるほど小さい。 

d) 試料を入れたピクノメータを試験温度±0.05 ℃に保った恒温水槽中に浸せきし,細管内の試料の液面

が恒温水槽の液面下になるようにして20分間保持する。 

e) 目盛の読みが一定になったら両細管の液面を細分目盛の1/2まで読み,その合計値を記録する。 

f) 

恒温水槽からピクノメータを取り出し,その外側を水,アセトン,トルエンの順にすすぎ,僅かに湿

気をもたせた清浄で毛羽立ちの少ない布で拭き取って乾かし,室温になるまで放置した後,見掛け質

量を0.1 mgの桁まではかる(mt)。 

g) 校正線図から試料を入れたピクノメータの目盛読みの合計値に対応する水の見掛け質量を求め,これ

を試験温度における試料と等体積の水との見掛け質量として記録する(Mt)。 

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11 

K 2249-3:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

11 計算方法 

11.1 ピクノメータの熱膨張に対する補正 

ピクノメータが校正された温度と異なる試験温度での測定値から密度を計算するには,ピクノメータの

生地ガラスの体膨張に関する補正が必要となる。 

11.1.1 ほうけい酸ガラス製のピクノメータ 

a) ほうけい酸ガラスの体膨張係数は,ガラスの原料によって異なり,主に三つの体膨張係数,10×10−6,

14×10−6及び19×10−6 ℃−1に分類できる。 

注記1 現在生産されているほうけい酸ガラス製のピクノメータは,一般に10×10−6 ℃−1の体膨

張係数をもっている。 

b) ほうけい酸ガラスを用いた場合,最も適切な測定値を得るためには,次のいずれかの条件を満たす試

験が必要である。 

1) 試験温度と校正温度とが一致している。 

2) 体膨張係数が既知のピクノメータを用いる。これらの条件が満たせない場合で,精度を適用しない

場合に限り,10×10−6 ℃−1の体膨張係数を用いることができる。 

11.1.2 ソーダ石灰ガラス製ピクノメータ 

ソーダ石灰ガラス製ピクノメータに対して,体膨張係数は,(25±2)×10−6 ℃−1を採用している。 

注記2 この値は,JIS K 2249-2におけるガラス製浮ひょうの体膨張係数であり,JIS K 2249-4に

規定する密度換算表を作成するときに用いている。 

11.2 密度換算表 

a) 15 ℃以外の温度で測定した密度(測定密度)に対し,密度(15 ℃)を求めるため,JIS K 2249-4で

は,原油,燃料油及び潤滑油に対する換算表をそれぞれ,付表I表1A(原油の温度に対する密度換算

表),付表II表1B(燃料油の温度に対する密度換算表)及び付表III表1D(潤滑油の温度に対する密

度換算表)として規定している。試験試料に対しては,適切な換算表を用いなければならない。 

b) JIS K 2249-4に示す付表(表2参照)は,原油及び石油製品だけに適用されるものであり,非石油製

品には適用できない。 

表2−密度換算表の種類(JIS K 2249-4) 

適用する換算表 

適用油種 

適用 

付表I表1A 

原油 

測定密度を15 ℃における密度に換算する。 

付表II表1B 

燃料油 

付表III表1D 

潤滑油 

c) 付表I表1A,付表II表1B及び付表III表1Dは,15 ℃で校正されたガラス製ピクノメータで測定し

た密度について用いる。 

注記 密度換算表は,用いたガラス(ソーダ石灰ガラス)の膨張(25×10−6 ℃−1)に対する補正を

含んでいる。 

d) ほうけい酸ガラス製のピクノメータを用いて得られた測定値に対して密度換算表を用いるときは,ほ

うけい酸ガラスの体膨張係数とこれらの表に用いられたソーダ石灰ガラスの体膨張係数との間の補正

が必要である。 

e) ソーダ石灰ガラス製のピクノメータを用いて得られた測定値に対して密度換算表を用いるときは,校

正温度が15 ℃の場合は,補正の必要はない。校正温度が15 ℃以外の場合は,その校正温度から15 ℃

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12 

K 2249-3:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

までの温度範囲のピクノメータの膨張に対する補正が必要になる。 

11.3 密度の計算方法 

試料の密度(15 ℃)は,試験温度及び試験に用いたピクノメータの校正温度に応じて,次のいずれかに

よって算出し,JIS Z 8401の規定によって丸めの幅0.000 1に丸める。 

11.3.1 液体試料の密度の計算 

a) 試料の試験温度及びピクノメータの校正温度がいずれも15 ℃±0.05 ℃の場合 

C

M

D

m

m

d

w+

×

=

15

15

0

15

15

)

(

 ····························································· (1) 

ここに, 

d15: 試料の密度(15 ℃)(g/cm3) 

m15: 15 ℃±0.05 ℃において試料を満たしたピクノメータの見掛

け質量(g)[10.1.1 g)又は10.2 f)参照] 

m0: 空のピクノメータの見掛け質量(g)[10.1.1 a)又は10.2 a)参

照] 

15

w

D: 15 ℃における水の密度(g/cm3)(表3参照) 

M15: 15 ℃±0.05 ℃(校正温度)における毛細管共栓ピクノメータ

の水当量(g),又は目盛ピクノメータI形の校正線図から求め
た試料と同体積の水の見掛け質量(g)[8.2 f)又は10.2 g)参照] 

C: 空気の浮力に対する補正値(g/cm3)(表4参照) 

表3−水の密度 

温度 

℃ 

密度 

g/cm3 

温度 

℃ 

密度 

g/cm3 

温度 

℃ 

密度 

g/cm3 

温度 

℃ 

密度 

g/cm3 










10 
11 
12 
13 
14 

0.999 84 
0.999 90 
0.999 94 
0.999 96 
0.999 97 
0.999 96 
0.999 94 
0.999 90 
0.999 85 
0.999 78 
0.999 70 
0.999 60 
0.999 50 
0.999 38 
0.999 24 

15 
16 
17 
18 
19 
20 
21 
22 
23 
24 
25 
26 
27 
28 
29 

0.999 10 
0.998 94 
0.998 77 
0.998 59 
0.998 40 
0.998 20 
0.997 99 
0.997 77 
0.997 54 
0.997 29 
0.997 05 
0.996 78 
0.996 51 
0.996 23 
0.995 94 

30 
31 
32 
33 
34 
35 
36 
37 
38 
39 
40 

0.995 65 
0.995 34 
0.995 02 
0.994 70 
0.994 37 
0.994 03 
0.993 68 
0.993 33 
0.992 96 
0.992 59 
0.992 21 

45 
50 
55 
60 
65 
70 
75 
80 
85 
90 
95 

100 

0.990 22 
0.988 05 
0.985 70 
0.983 21 
0.980 57 
0.977 78 
0.974 86 
0.971 80 
0.968 62 
0.965 32 
0.961 89 
0.958 35 

background image

13 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表4−空気の浮力に対する補正値(液体試料) 

15

0

15

M

m

m−

C a) 

g/cm3 

15

0

15

M

m

m−

C a) 

g/cm3 

0.60 
0.61 
0.62 
0.63 
0.64 
0.65 
0.66 
0.67 
0.68 
0.69 
0.70 
0.71 
0.72 
0.73 
0.74 
0.75 
0.76 
0.77 
0.78 
0.79 

0.000 48 
0.000 47 
0.000 46 
0.000 44 
0.000 43 
0.000 42 
0.000 41 
0.000 40 
0.000 38 
0.000 37 
0.000 36 
0.000 35 
0.000 34 
0.000 32 
0.000 31 
0.000 30 
0.000 29 
0.000 28 
0.000 26 
0.000 25 

0.80 
0.81 
0.82 
0.83 
0.84 
0.85 
0.86 
0.87 
0.88 
0.89 
0.90 
0.91 
0.92 
0.93 
0.94 
0.95 
0.96 
0.97 
0.98 
0.99 

0.000 24 
0.000 23 
0.000 22 
0.000 20 
0.000 19 
0.000 18 
0.000 17 
0.000 16 
0.000 14 
0.000 13 
0.000 12 
0.000 11 
0.000 10 
0.000 08 
0.000 07 
0.000 06 
0.000 05 
0.000 04 
0.000 02 
0.000 01 

注a) 空気の浮力に対する補正値(C)を表より精密に求める必要がある場合は,次の

式によって算出する。 

×

=

15

0

15

1

M

m

m

d

C

a

(

)

×

+

×

=

s

a

P

t

P

d

15

.

273

15

.

273

293

001

.0

ここに, 

C: 空気の浮力に対する補正値(g/cm3) 

da: ピクノメータの見掛け質量測定時の空気の密度(g/cm3) 

m15,m0及びM15: 式(1)に同じ。 

t: ピクノメータの見掛け質量測定時の室温(℃) 

P: ピクノメータの見掛け質量測定時の大気圧(kPa) 

Ps: 標準大気圧(101.32 kPa) 

b) 試料の試験温度が15 ℃±0.05 ℃で,ピクノメータの校正温度が15 ℃±0.05 ℃以外の温度の場合 

(

)

1

0

15

15

G

M

D

m

m

d

t

t

w

×

×

=

(

)

15

1

1

1

×

=

c

p

t

G

α

ここに, 

d15: 試料の密度(15 ℃)(g/cm3) 

m15: 15 ℃±0.05 ℃において試料を満たしたピクノメータの見掛

け質量(g)[10.1.1 g)又は10.2 f)参照] 

m0: 空のピクノメータの見掛け質量(g)[10.1.1 a)又は10.2 a)参

照] 

t

w

D: ピクノメータの校正温度(≠15 ℃)における水の密度(g/cm3)

(表3参照) 

Mt: 校正温度(≠15 ℃)における毛細管共栓ピクノメータの水当

14 

K 2249-3:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

量(g),又は目盛ピクノメータI形の校正線図から求めた試料
と同体積の水の見掛け質量(g)[8.2 f)又は10.2 g)参照] 

C: 空気の浮力に対する補正値(g/cm3)(表4参照。ただし,表中

15

0

15

M

m

m−

は,

t

M

m

m

0

15−

に読み替える。) 

G1: ピクノメータ(ガラス)の熱膨張に対する補正値(校正時と 

試験時とのピクノメータの体積の違いを補正するための係数)

αp: 試験に用いたピクノメータの生地ガラスの体膨張係数(℃−1)

(ソーダ石灰ガラスの場合,αp=0.000 025とする。) 

tc: ピクノメータの校正温度(℃) 

c) 試験温度及びピクノメータの校正温度が15 ℃±0.05 ℃以外の温度で,かつ,同一の温度の場合 

1) 次の式によって測定密度(浮ひょうの目盛読みに相当する値)を算出し,JIS Z 8401の規定によっ

て丸めの幅0.000 1に丸める。 

(

)

2

0

G

C

M

D

m

m

S

t

t

w

t

t

+

×

=

 ····························································· (2) 

(

)

t

p

t

G

×

+

=

15

1

2

α

ここに, 

St: 測定密度(g/cm3) 

mt: 試験温度(≠15 ℃)において試料を満たしたピクノメータの

見掛け質量(g)[10.1.1 g)又は10.2 f)参照] 

m0: 空のピクノメータの見掛け質量(g)[10.1.1 a)又は10.2 a)参

照] 

t

w

D: ピクノメータの校正温度(=試験温度≠15 ℃)における水の

密度(g/cm3)(表3参照) 

Mt: 校正温度における毛細管共栓ピクノメータの水当量(g),又

は目盛ピクノメータI形の校正線図から求めた試料と同体積
の水の見掛け質量(g)[8.2 f)又は10.2 g)参照] 

C: 空気の浮力に対する補正値(g/cm3)(表4参照。ただし,表中

15

0

15

M

m

m−

は,

t

t

M

m

m

0

に読み替える。) 

G2: 測定密度に変換するための係数 

αp: 試験に用いたピクノメータの生地ガラスの体膨張係数(℃−1)

(ソーダ石灰ガラスの場合,αp=0.000 025とする。) 

tt: 試料の試験温度(℃) 

注記 式(2)の分子,(

)

C

M

D

m

m

t

t

w

t

+

×

0

から得られる値は,試験温度(tt ℃)における試料の密度

(tt ℃)である。 

2) 1)で算出した測定密度及び試験温度を用いて,JIS K 2249-4に規定する付表I表1A,付表II表1B

又は付表III表1Dから試料の密度(15 ℃)を求め,JIS Z 8401の規定によって丸めの幅0.000 1に

丸める(表2参照)。 

d) 試験温度が15 ℃±0.05 ℃以外の温度で,ピクノメータの校正温度が15 ℃±0.05 ℃の場合 

1) 次の1.1)又は1.2)の式によって測定密度(I形浮ひょうの目盛読みに相当する値)を算出し,JIS Z 8401

の規定によって丸めの幅0.000 1に丸める。 

1.1) 試験に用いたピクノメータがソーダ石灰ガラス製の場合 

(

)

C

M

D

m

m

S

w

t

t

+

×

=

15

15

0

15 

K 2249-3:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

ここに, 

St: 測定密度(g/cm3) 

mt: 試験温度(≠15 ℃)において試料を満たしたピクノメータの

見掛け質量(g)[10.1.1 g)又は10.2 f)参照] 

m0: 空のピクノメータの見掛け質量(g)[10.1.1 a)又は10.2 a)参

照] 

15

w

D: 15 ℃における水の密度(g/cm3)(表3参照) 

M15: 校正温度における毛細管共栓ピクノメータの水当量(g),又

は目盛ピクノメータI形の校正線図から求めた試料と同体積
の水の見掛け質量(g)[8.2 f)又は10.2 g)参照] 

C: 空気の浮力に対する補正値(g/cm3)(表4参照。ただし,表中

15

0

15

M

m

m−

は,

t

t

M

m

m

0

に読み替える。) 

1.2) 試験に用いたピクノメータがほうけい酸ガラス製の場合 

(

)

3

15

15

0

G

C

M

D

m

m

S

w

t

t

×

+

×

=

(

)(

)

15

025

000

.0

1

3

×

+

=

tt

G

α

ここに, 

St: 測定密度(g/cm3) 

mt: 試験温度(≠15 ℃)において試料を満たしたピクノメータの

見掛け質量(g)[10.1.1 g)又は10.2 f)参照] 

m0: 空のピクノメータの見掛け質量(g)[10.1.1 a)又は10.2 a)参

照] 

15

w

D: 15 ℃における水の密度(g/cm3)(表3参照) 

M15: 校正温度における毛細管共栓ピクノメータの水当量(g),又

は目盛ピクノメータI形の校正線図から求めた試料と同体積
の水の見掛け質量(g)[8.2 f)又は10.2 g)参照] 

C: 空気の浮力に対する補正値(g/cm3)(表4参照。ただし,表中

15

0

15

M

m

m−

は,

t

t

M

m

m

0

に読み替える。) 

G3: 測定密度に変換するための係数 

α: ほうけい酸ガラスの体膨張係数(℃−1) 

tt: 試料の試験温度(℃) 

2) 1.1)又は1.2)で算出した測定密度及び試験温度を用いて,JIS K 2249-4に規定する付表I表1A,付

表II表1B又は付表III表1Dから試料の密度(15 ℃)を求め,JIS Z 8401の規定によって丸めの

幅0.000 1に丸める(表2参照)。 

e) 試験温度及びピクノメータの校正温度が15 ℃±0.05 ℃以外の温度で,かつ,それぞれ異なる温度の

場合 

1) 次の1.1)又は1.2)の式によって測定密度(浮ひょうの目盛読みに相当する値)を算出し,JIS Z 8401

の規定によって丸めの幅0.000 1に丸める。 

1.1) 試験に用いたピクノメータがソーダ石灰ガラス製の場合 

(

)

4

0

G

C

M

D

m

m

S

t

t

w

t

t

×

+

×

=

(

)

15

025

000

.0

1

4

×

+

=

ct

G

ここに, 

St: 測定密度(g/cm3) 

mt: 試験温度(≠校正温度≠15 ℃)において試料を満たしたピク

ノメータの見掛け質量(g)[10.1.1 g)又は10.2 f)参照] 

m0: 空のピクノメータの見掛け質量(g)[10.1.1 a)又は10.2 a)参

16 

K 2249-3:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

照] 

t

w

D: ピクノメータの校正温度(≠15 ℃)における水の密度(g/cm3)

(表3参照) 

Mt: 校正温度における毛細管共栓ピクノメータの水当量(g),又

は目盛ピクノメータI形の校正線図から求めた試料と同体積
の水の見掛け質量(g)[8.2 f)又は10.2 g)参照] 

C: 空気の浮力に対する補正値(g/cm3)(表4参照。ただし,表中

15

0

15

M

m

m−

は,

t

t

M

m

m

0

に読み替える。) 

G4: 測定密度に変換するための係数 

tc: ピクノメータの校正温度(℃) 

1.2) 試験に用いたピクノメータがほうけい酸ガラス製の場合 

(

)

5

0

G

C

M

D

m

m

S

t

t

w

t

t

×

+

×

=

(

)

t

c

t

t

G

×

+

+

×

=

α

α

025

000

.0

025

000

.0

15

1

5

ここに, 

St: 測定密度(g/cm3) 

mt: 試験温度(≠校正温度≠15 ℃)において試料を満たしたピク

ノメータの見掛け質量(g)[10.1.1 g)又は10.2 f)参照] 

m0: 空のピクノメータの見掛け質量(g)[10.1.1 a)又は10.2 a)参

照] 

t

w

D: ピクノメータの校正温度(≠15 ℃)における水の密度(g/cm3)

(表3参照) 

Mt: 校正温度における毛細管共栓ピクノメータの水当量(g),又

は目盛ピクノメータI形の校正線図から求めた試料と同体積
の水の見掛け質量(g)[8.2 f)又は10.2 g)参照] 

C: 空気の浮力に対する補正値(g/cm3)(表4参照。ただし,表中

15

0

15

M

m

m−

は,

t

t

M

m

m

0

に読み替える。) 

G5: 測定密度に変換するための係数 

α: ほうけい酸ガラスの体膨張係数(℃−1) 

tt: 試料の試験温度(℃) 

tc: ピクノメータの校正温度(℃) 

2) 1.1)又は1.2)で算出した測定密度及び試験温度を用いてJIS K 2249-4に規定する付表I表1A,付表

II表1B又は付表III表1Dから試料の密度(15 ℃)を求め,JIS Z 8401の規定によって丸めの幅

0.000 1に丸める(表2参照)。 

11.3.2 固体試料又は半固体試料の密度の計算 

a) 試料の試験温度及びピクノメータの校正温度がいずれも15 ℃±0.05 ℃の場合 

(

)

C

m

m

M

D

m

m

d

M

F

w

M

+

+

×

=

15

15

0

15

 ····························································· (3) 

ここに, 

d15: 試料の密度(15 ℃)(g/cm3) 

mM: 試料の入ったピクノメータの見掛け質量(g)[10.1.2 c)参照] 

m0: 空のピクノメータの見掛け質量(g)[10.2 a)参照] 

15

w

D: 15 ℃における水の密度(g/cm3)(表3参照) 

M15: 15 ℃±0.05 ℃におけるピクノメータの水当量(g)[8.2 f)参

照] 

mF: 試料と水の入ったピクノメータ及び栓との見掛け質量(g)

[10.1.2 i)参照] 

C: 空気の浮力に対する補正値(g/cm3)(表5参照。) 

17 

K 2249-3:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

b) 試料の試験温度が15 ℃±0.05 ℃で,ピクノメータの校正温度が15 ℃±0.05 ℃以外の温度の場合 

(

)

6

0

15

G

C

m

m

M

D

m

m

d

M

F

t

t

w

M

×

+

+

×

=

(

)

15

1

1

6

×

=

c

p

t

G

α

ここに, 

d15: 試料の密度(15 ℃)(g/cm3) 

mM: 試料の入ったピクノメータの見掛け質量(g)[10.1.2 c)参照] 

m0: 空のピクノメータの見掛け質量(g)[10.2 a)参照] 

t

w

D: ピクノメータの校正温度(≠15 ℃)における水の密度(g/cm3)

(表3参照) 

Mt: 校正温度(t ℃≠15 ℃)におけるピクノメータの水当量(g)

[8.2 f)参照] 

mF: 試料と水の入ったピクノメータ及び栓との見掛け質量(g)

[10.1.2 i)参照] 

C: 空気の浮力に対する補正値(g/cm3)(表5参照。ただし,表中

M

F

M

m

m

M

m

m

+

15

0

は,

M

F

t

M

m

m

M

m

m

+

0

に読み替える。) 

G6: ピクノメータ(ガラス)の熱膨張に対する補正値(校正時と

試験時とのピクノメータの体積の違いを補正するための係
数) 

αp: 試験に用いたピクノメータの生地ガラスの体膨張係数(℃−1)

(ソーダ石灰ガラスの場合,αp=0.000 025とする。) 

tc: ピクノメータの校正温度(℃) 

c) 試験温度として15 ℃以外の温度を用いた場合 

(

)

7

0

G

C

m

m

M

D

m

m

d

M

F

t

t

w

M

t

×

+

+

×

=

(

)

t

c

p

t

t

G

×

=

α

1

1

7

ここに, 

dt: 試料の密度(tt ℃)(g/cm3) 

mM: 試料の入ったピクノメータの見掛け質量(g) 

m0: 空のピクノメータの見掛け質量(g) 

t

w

D: ピクノメータの校正温度(tc ℃)における水の密度(g/cm3)

(表3参照) 

Mt: 校正温度(tc ℃)におけるピクノメータの水当量(g) 

mF: 試料及び水の入ったピクノメータの見掛け質量(g)[10.1.2 i)

参照] 

C: 空気の浮力に対する補正値(g/cm3)(表5参照。ただし,表中

M

F

M

m

m

M

m

m

+

15

0

は,

M

F

t

M

m

m

M

m

m

+

0

に読み替える。) 

G7: ピクノメータ(ガラス)の熱膨張に対する補正値(校正時と

試験時とのピクノメータの体積の違いを補正するための係
数) 

αp: 試験に用いたピクノメータの生地ガラスの体膨張係数(℃−1)

(ソーダ石灰ガラスの場合,αp=0.000 025とする。) 

tc: ピクノメータの校正温度(℃) 

tt: 試料の試験温度(≠15 ℃)(℃) 

注記 試料の密度(15 ℃)を比重15/4 ℃に変換する場合は,次の式によって換算する。 

background image

18 

K 2249-3:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4

15

4

15

w

D

d

=

比重

ここに, 

d15: 試料の密度(15 ℃)(g/cm3) 

4

w

D: 4 ℃における水の密度(=0.999 97 g/cm3) 

表5−空気の浮力に対する補正値(固体試料又は半固体試料) 

M

F

M

m

m

M

m

m

+

15

0

C a) 

g/cm3 

M

F

M

m

m

M

m

m

+

15

0

C a) 

g/cm3 

0.60 
0.61 
0.62 
0.63 
0.64 
0.65 
0.66 
0.67 
0.68 
0.69 
0.70 
0.71 
0.72 
0.73 
0.74 
0.75 
0.76 
0.77 
0.78 
0.79 

0.000 48 
0.000 47 
0.000 46 
0.000 44 
0.000 43 
0.000 42 
0.000 41 
0.000 40 
0.000 38 
0.000 37 
0.000 36 
0.000 35 
0.000 34 
0.000 32 
0.000 31 
0.000 30 
0.000 29 
0.000 28 
0.000 26 
0.000 25 

0.80 
0.81 
0.82 
0.83 
0.84 
0.85 
0.86 
0.87 
0.88 
0.89 
0.90 
0.91 
0.92 
0.93 
0.94 
0.95 
0.96 
0.97 
0.98 
0.99 

0.000 24 
0.000 23 
0.000 22 
0.000 20 
0.000 19 
0.000 18 
0.000 17 
0.000 16 
0.000 14 
0.000 13 
0.000 12 
0.000 11 
0.000 10 
0.000 08 
0.000 07 
0.000 06 
0.000 05 
0.000 04 
0.000 02 
0.000 01 

注a) 空気の浮力に対する補正値(C)を表より精密に求める必要がある場合は,次の式による。 

+

×

=

M

F

M

a

m

m

M

m

m

d

C

15

0

1

(

)

×

+

×

=

s

a

P

t

P

d

15

.

273

15

.

273

293

001

.0

ここに, 

C: 空気の浮力に対する補正値(g/cm3) 

da: ピクノメータの見掛け質量測定時の空気の密度(g/cm3) 

mM,m0,mF及びM15: 式(3)に同じ。 

t: ピクノメータの見掛け質量測定時の室温(℃) 

P: ピクノメータの見掛け質量測定時の大気圧(kPa) 

Ps: 標準大気圧(101.32 kPa) 

12 精度 

この試験方法によって得られた試験結果の許容差(確率0.95)は,次による。試験結果が許容差を外れ

た場合は,JIS Z 8402-6の規定によって処理する。 

12.1 室内併行精度 

同一試験室において,同一人が同一試験器で引き続き短時間に同一試料を2回試験したとき,試験結果

の差の許容差は,表6及び表7による。 

background image

19 

K 2249-3:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

12.2 室間再現精度 

異なる試験室において,別人が別の試験器で同一試料をそれぞれ1回ずつ試験して求めた2個の試験結

果の差の許容差は,表6及び表7による。 

a) 毛細管共栓ピクノメータ法の場合 

表6−毛細管共栓ピクノメータ法の精度 

単位 g/cm3 

試料 

室内併行許容差 

室間再現許容差 

液体試料 

0.000 6 

0.000 6 

揮発性試料,固体試料及び半固体試料 

0.003 0 

0.005 0 

b) 目盛ピクノメータI形法の場合 

表7−目盛ピクノメータI形法の精度 

単位 g/cm3 

室内併行許容差 

室間再現許容差 

0.000 7 

0.001 0 

13 試験結果の報告 

試験結果には,次の事項を記載する。 

a) 試料名,採取場所及び採取年月日 

b) この規格の番号(JIS K 2249-3) 

c) 11.3によって得られた結果 

d) 試験年月日 

e) 特記事項 

background image

20 

K 2249-3:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書JA 

(参考) 

試験方法の種類 

JA.1 

試験方法の種類 

JIS K 2249の規格群には,表JA.1に示す試験方法がある。 

表JA.1−試験方法の種類 

規格群 

試験方法の種類 

適用区分 

JIS K 2249-1 

振動法 

試験条件下で,軽質分の損失がないなど成分に変化がない液状試料に
適用する。 

JIS K 2249-2 

浮ひょう法 

試験温度又は15 ℃において液状で,JIS K 2258-1又はJIS K 2258-2
によって求めた蒸気圧が100 kPa以下の試料に適用する。 

JIS K 2249-3 

ピクノメ
ータ法 

毛細管共栓ピ
クノメータ法 

試験温度で液体,固体又は半固体の試料(例えば,高含ろう原油など)
に適用するa)。 
JIS K 2258-1又はJIS K 2258-2によって求めた蒸気圧が50 kPa以下で,
かつ,JIS K 2254の常圧法によって求めた初留点が40 ℃以上の液状試
料に適用する。 

目盛ピクノメ
ータI形法 

JIS K 2258-1又はJIS K 2258-2によって求めた蒸気圧が130 kPa以下
で,JIS K 2283によって求めた動粘度が,試験温度で50 mm2/s未満の
試料に適用する。特に,試料の量が少ない場合に適している。ただし,
不透明試料の測定には注意を要する。 

JIS K 2249-4 

密度・質量・容量換算表 

温度に対する密度換算表:原油,燃料油及び潤滑油 
温度に対する容量換算係数表:原油,燃料油及び潤滑油 
質量及び容量換算表:原油及び石油製品 
熱膨張係数に対する容量換算係数表:原油及び石油製品 

附属書(規定) 
密度(15 ℃),API度及び
比重60/60 °Fの相互換算
方法 

密度(15 ℃)に対応する比重60/60 °F及びAPI度:原油及び石油製品 
API度に対応する比重60/60 °F及び密度(15 ℃):原油及び石油製品 
比重60/60 °Fに対応するAPI度及び密度(15 ℃):原油及び石油製品 

注記 液化石油ガスの密度は,JIS K 2240によって求める。また,石油アスファルトの密度は,JIS K 2207によっ

て求める。 

注a) 適用試料は,ピクノメータの種類によって異なる。 

21 

K 2249-3:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書JB 

(参考) 

密度に関連する用語及び定義 

JB.1 

API度 

American Petroleum Institute(アメリカ石油協会)で制定した比重の表示方法。石油類の比重表示方法と

して用いる。“APIボーメ度”又は“API比重”と呼称されることもある。API度は,比重60/60 °Fと次の

式に示す関係がある。 

5.

131

5.

141

60

=s

A

5.

131

5.

141

60

+

=A

s

ここに, 

A: API度 

s60: 比重60/60 °F 

注記 密度(15 ℃),比重60/60 °F及びAPI度の相互換算は,JIS K 2249-4の附属書JA[原油及び石

油製品の密度(15 ℃),API度及び比重60/60 °Fの相互換算方法]によって行う。 

参考文献 [1] JIS K 2207 石油アスファルト 

[2] JIS K 2240 液化石油ガス(LPガス) 

background image

22 

K 2249-3:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書JC 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS K 2249-3:2011 原油及び石油製品−密度の求め方−第3部:ピクノメータ法 

ISO 3838:2004 Crude petroleum and liquid or solid petroleum products−Determination 
of density or relative density−Capillary-stoppered pyknometer and graduated bicapillary 
pyknometer methods 

(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの
評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

1 適用範囲 

試料の適用範囲を規定。   

JISにほぼ同じ。 

追加 

JISは,試料の性状に関して蒸気圧のほ
か,蒸留性状及び動粘度の試験方法を
記載している。 

試験方法を明確にするために追加
した。技術的差異はない。 

3 用語及び定
義 

用語及び定義を規定。 

JISにほぼ同じ。 

追加 

JISでは,密度,比重の表記法を詳細に
記載している。 

利用者の利便性を考慮して追加し
た。技術的差異はない。 

5 試験器及び
器具 

試験器及び器具を規定。   

JISにほぼ同じ。 

変更 

JISは,ハバード形ピクノメータの図を
変更している。 

国内で普及している形状のピクノ
メータに変更した。技術的差異はな
い。 

6 試薬 

試薬を規定。 

− 

− 

追加 

ISO規格では,試薬を規定していない。 JIS規格体系に合わせて使用する試

薬を追加した。技術的差異はない。 

7 ピクノメー
タの準備 

洗浄手順を規定。 

JISにほぼ同じ。 

変更 

洗浄液としてISO規格では,クロム酸
混液,JISでは,ペルオキソ二硫酸アン
モニウム−硫酸溶液を用いている。 

クロム硫酸は,健康に有害(発がん
性物質)である。使用は控えるべき
であり,ISOへの提案を検討する。 

8 ピクノメー
タの校正 

校正手順を規定。 

JISにほぼ同じ。 

追加 

JISは,静電気除去方法を規定してい
る。 

使用者の利便性を考慮して,具体的
な静電気除去方法を追加した。技術
的差異はない。 

9試料の採取
方法及び調製
方法 

試料の採取方法を規定。   

− 

− 

追加 

ISO規格では,試料の採取方法を規定
していない。 

JIS規格体系に合わせて追加した。
技術的差異はない。 

10 試験の手
順 

毛細管共栓ピクノメータ
法及び目盛ピクノメータ
I形法の手順を規定。 

JISにほぼ同じ。 

変更 

JISは,固体試料及び半固体試料の試験
手順において,見掛け質量のひょう量
を0.1 mgまでに変更している。 

国内での使用実態に合わせて変更
した。技術的差異はない。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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K 2249-3:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの
評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

11 計算方法 

密度換算表 
 
密度の計算方法 

10 

JISにほぼ同じ。 
 
JISにほぼ同じ。 

追加 
 
追加 

JISは,密度換算表の種類(表2)を追
加している。 
JISは,数値をJIS Z 8401の規定によ
って丸めることをを追加している。 

使用者に分かりやすくするために
追加した。技術的差異はない。 
数値の丸め方を明確にするために
追加した。技術的差異はない。 

12 精度 

精度を規定。 

11 

JISにほぼ同じ。 

追加 

JISは,JIS Z 8402-6の引用を追加して
いる。 

JIS規格体系に合わせるため変更し
た。技術的差異はない。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 3838:2004,MOD 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 
 

− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 

− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 
 

− MOD ··············· 国際規格を修正している。 

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