K 2247-1:2009
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 製品の呼び方 ··················································································································· 2
5 品質要件及び試験方法 ······································································································· 2
6 表示······························································································································· 2
附属書A(参考)化学的及び物理的特性 ··················································································· 4
附属書JA(参考)JISと対応する国際規格との対比表 ································································· 5
K 2247-1:2009
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人自動車技
術会(JSAE)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会
の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS K 2247-1:2005は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責
任はもたない。
JIS K 2247の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS K 2247-1 第1部:品質要件
JIS K 2247-2 第2部:試験方法
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格
JIS
K 2247-1:2009
ディーゼル機関−NOx還元剤AUS 32−
第1部:品質要件
Diesel engines-NOx reduction agent AUS 32-Part 1: Quality requirements
序文
この規格は,2006年に第1版として発行されたISO 22241-1を基に作成した日本工業規格であるが,我
が国の実情に合わせるために技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一
覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
1
適用範囲
この規格は,ディーゼル機関搭載車両に装着する選択還元式触媒コンバータシステム(以下,SCRコン
バータという。)の作動に必要なNOx還元剤AUS 32(AUSは,aqueous urea solutionの略語で,尿素水溶
液を表す。)の品質要件について規定する。
注記1 SCRコンバータは,ディーゼル機関から排出される窒素酸化物(NOx)を選択的に低減するの
に特に適している。
注記2 JIS K 2247(規格群)では,“NOx還元剤AUS 32”を“AUS 32”と略称する。
注記3 この規格は,AUS 32の特性について規定するものであるが,その特性にかかわる規定は,製
品の品質確保のために示すものであり,この規格によって適合性評価を行うことは,意図し
ていない。
注記4 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 22241-1:2006,Diesel engines−NOx reduction agent AUS 32−Part 1: Quality requirements
(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 2247-2 ディーゼル機関−NOx還元剤 AUS 32−第2部:試験方法
注記 対応国際規格:ISO 22241-2,Diesel engines−NOx reduction agent AUS 32−Part 2: Test methods
(MOD)
ISO 3675,Crude petroleum and liquid petroleum products−Laboratory determination of density−Hydrometer
method
2
K 2247-1:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ISO 12185,Crude petroleum and petroleum products−Determination of density−Oscillating U-tube method
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1
NOx還元剤AUS 32
技術的に製造可能な純粋尿素と純水とで製造され,32.5 %の尿素濃度及び箇条5に規定する品質要件を
もつ尿素水溶液。
注記 表1の品質要件を満足するトレーサの含有は,例外とする。
3.2
製造可能な純粋尿素
微量のビウレット,アンモニア及び水を含む工業的に製造可能な高純度の尿素。アルデヒドなどの固化
防止剤,また硫黄及び硫黄化合物,塩化物,硝酸塩その他の化合物などの不純物を,工業的に製造可能な
範囲で含まない。
注記 表1で規定してある以外の不純物は,製造過程で生じる可能性がないので,品質要件として規
定していない。
3.3
純水
例えば,単一蒸留,脱イオン,限外ろ過又は逆浸透によって製造される水の等級。
注記 これは,ISO 3696に規定される水の等級3の定義に基づいている。
4
製品の呼び方
この規格の品質要件を満足するAUS 32は,“AUS 32”及びこの規格の番号で次のように表示する。
AUS 32 JIS K 2247
5
品質要件及び試験方法
AUS 32の品質要件を,表1に示す。製造業者は,有効な試験計画に従って,この品質要件への適合性を
継続的に確認しなければならない。
表1に規定する品質要件への適合性は,表1に示す試験方法によって確認しなければならない。
注記 尿素の化学的特性及びAUS 32の物理的特性を,附属書Aに示す。
6
表示
この規格の要件に適合するAUS 32を車両に補給するための給水機(ポンプ)及び容器には,箇条4に
基づく表示を行わなければならない。
3
K 2247-1:2009
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表1−品質要件
特性
単位
許容値
試験方法
最小
最大
尿素濃度a)
質量分率%
31.8
33.2
JIS K 2247-2 附属書B d)
JIS K 2247-2 附属書C d)
密度 (20 ℃) b)
g/cm3
1.087 0
1.093 0
ISO 3675又はISO 12185
屈折率 (20 ℃) c)
−
1.381 4
1.384 3
JIS K 2247-2 附属書C
アルカリ度 (NH3換算)
質量分率%
−
0.2
JIS K 2247-2 附属書D
ビウレット
質量分率%
−
0.3
JIS K 2247-2 附属書E
アルデヒド
mg/kg
−
5
JIS K 2247-2 附属書F
不溶解分
mg/kg
−
20
JIS K 2247-2 附属書G
りん酸 (PO4)
mg/kg
−
0.5
JIS K 2247-2 附属書H
カルシウム
mg/kg
−
0.5
JIS K 2247-2 附属書I,又は
JIS K 2247-2 附属書JA
鉄
mg/kg
−
0.5
銅
mg/kg
−
0.2
亜鉛
mg/kg
−
0.2
クロム
mg/kg
−
0.2
ニッケル
mg/kg
−
0.2
アルミニウム
mg/kg
−
0.5
マグネシウム
mg/kg
−
0.5
ナトリウム
mg/kg
−
0.5
JIS K 2247-2 附属書I,
JIS K 2247-2 附属書JA又は
JIS K 2247-2 附属書JB
カリウム
mg/kg
−
0.5
赤外線吸収スペクトル
−
基準スペクトルと同等
JIS K 2247-2 附属書J
AUS 32にトレーサを加える場合には,この表で規定するAUS 32の品質要件を満足するものでなければなら
ず,また,SCRコンバータに害を与えてはならない。
注記1 この表の許容値を設定するに当たっては,ISO 4259の条件を適用して最大値及び最小値を定めた。
このとき,最小差 4×R(Rは,試験法の室間再現精度を表す。JIS K 2247-2参照。)を考慮したが,
尿素濃度については,その高品質を確保するために,4×Rの適用を除外した。
注記2 尿素濃度,密度及び屈折率に関する値は,真の値(真の値の定義は,ISO 4259による。)である。
注記3 AUS 32の製造業者は,注a),注b) 及び注c) で定義した値を目標値とすることが望ましい。
注記4 ある尿素水溶液が,この規格の要件に適合しているかどうかを明確化する必要がある場合には,ISO
4259を参照することが望ましい。
注a) 目標値 質量分率32.5 %
b) 目標値 1.090 0 g/cm3
c) 目標値 1.382 9
d) アンモニアの窒素は,減じて計算する。
4
K 2247-1:2009
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書A
(参考)
化学的及び物理的特性
序文
この附属書は,尿素の化学的特性及びAUS 32の物理的特性について記載するものであり,規定の一部
ではない。
A.1 尿素の化学的特性
化学式
: (NH2)2CO
分子量
: 60.06
CAS番号
: 57-13-6 (CAS: Chemical Abstracts Service)
A.2 AUS 32の物理的特性
外観
: 無色透明な液体
凝固点
: −11.5 ℃
粘度 (25 ℃)
: 約 1.4×10−3 Pa・s
熱伝導度 (25 ℃)
: 約 0.570 W/m・K
比熱 (25 ℃)
: 約 3.40 kJ/kg・K
表面張力 (20 ℃)
: 最小 6.5×10−2 N/m
注記 労働安全衛生法57条の2に基づいて,製造業者が発行する製品安全データシート(MSDS)には,
より多くの製品性状情報が記載されていて,危険度ランキング及び遵守すべき法規に関する指
摘並びに製品取扱時の作業員及び環境保護のための方策が記載されている。
参考文献
ISO 3696,Water for analytical laboratory use−Specification and test methods
ISO 4259,Petroleum products−Determination and application of precision data in relation to methods of test
附属書JA
(参考)
JISと対応する国際規格との対比表
JIS K 2247-1:2009 ディーゼル機関−NOx還元剤 AUS 32−第1部:品質要件
ISO 22241-1:2006 Diesel engines−NOx reduction agent AUS 32−Part 1: Quality
requirements
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ)
国際
規格
番号
(Ⅲ)国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び名称
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
1 適用範
囲
選択還元式触媒コンバー
タシステム
1
選択還元式触媒コンバータ
追加
触媒単体だけでなく,AUS
32を供給する配管などを含ん
でいることを明確にするため
に“システム”を追加した。
機会をみてISO 22241-1の改正を
提案する。
2 引用規
格
3 用語及
び定義
注記 表1で規定してあ
る以外の不純物は製造過
程で生じる可能性がない
ので品質要件として規定
していない。
3
製造可能な純粋尿素の定義
注記 このような不純化学
物質を含む可能性がある等
級の尿素(通常,農業用と
して用いられる)を除外し
ている。
変更
尿素の製造段階では,農業用と
工業用とで分けていないので,
注記の表現を変更した。
機会をみてISO 22241-1の改正を
提案する。
4 製品の
呼び方
AUS 32 JIS K 2247
4
AUS 32 ISO 22241
変更
国内向けにJIS番号とした。
JISとしての規定であり,対策は必
要ない。
5 品質要
件及び試
験方法
表1の微量成分の試験方
法にICP-MS法(JIS K
2247-2の附属書JA)ま
た,ナトリウム及びカリ
ウムの試験方法には,炎
光光度法(JIS K 2247-2
の附属書JB)も併記。
5
ICP-OES法だけを規定
追加
ICP-MS法及び炎光光度法は,
ICP-OES法よりも精度が高く,
国内では一般的に用いられて
いる試験方法である。
機会をみてISO 22241-1及びISO
22241-2の改正を提案していく。
ISO 22241-2の原案作成段階で,
ICP-MS法及び炎光光度法を併記
するよう提案したが,受け入れら
れなかった経緯がある。
3
K
2
2
4
7
-1
:
2
0
0
9
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ)
国際
規格
番号
(Ⅲ)国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び名称
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
5 品質要
件及び試
験方法
(続き)
表1の注記1にRに関す
る補足説明として“JIS K
2247-2参照。”を追加。
5
追加
対応国際規格のAnnex Bで各種
成分の分析における試験精度
が示されているが,これはISO
22241-2 (JIS K 2247-2) の
Annex Kと同じ内容なので,こ
の規格でJIS K 2247-2を参照し
ても同じことである。
技術的な差異はないので,このま
まとする。
6 表示
7
一致
附属書A
(参考)
尿素の化学的特性,AUS
32の物理的特性のほか
に,注記で取扱い上の注
意事項を追加した。
Annex
A
尿素の化学的特性,AUS 32
の物理的特性だけを記載。
追加
ISO 22241-1の箇条6及び
Annex Cは,ISO 22241-3が発行
された時点で削除されること
になっているので,ISO 22241-1
のAnnex Cに記載されている
AUS 32の取扱いに関する注意
事項だけを,若干の修正を加え
たうえで,附属書Aに移動し
た。
ISO 22241-3をJIS化する予定は当
面ないので,ユーザ保護の観点か
ら最低限必要な箇所だけを附属書
Aに追加したもので,技術的差異
はない。
−
−
Annex
B
測定対象成分の分析方法に
おける測定精度を一覧表に
して示している。
削除
Annex Bは,ISO 22241-2 (JIS K
2247-2)のAnnex Kと全く同じ
内容で記載されているので,
Annex Bを削除した。
ISO 22241原案作成段階で,我が国
は,測定精度は試験方法を扱う
ISO 22241-2に記載するだけで十
分という理由で,Annex Bの削除
を要請したが,受け入れられなか
った経緯がある。当面静観する。
−
−
6
Annex
C
こん包,輸送及び貯蔵に関
する内容が参考として記載
されている。
削除
ISO/TC22/SC5/WG14の論議の
中で,Handling, transportation
and storageに関する内容をISO
22241-1から分離し,ISO
22241-3として規格化すること
が承認されている。
対応不要。
3
K
2
2
4
7
-1
:
2
0
0
9
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 22241-1:2006,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 一致 ················ 技術的差異がない。
− 削除 ················ 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD ··············· 国際規格を修正している。
3
K
2
2
4
7
-1
:
2
0
0
9
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。