2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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日本工業規格 JIS
K 2219-1993
ギヤー油
Gear oils
1. 適用範囲 この規格は,工業用及び自動車用のギヤー油について規定する。
備考1. この規格の引用規格を,次に示す。
JIS K 2001 工業用潤滑油−ISO粘度分類
JIS K 2251 原油及び石油製品−試料採取方法
JIS K 2265 原油及び石油製品引火点試験方法
JIS K 2269 原油及び石油製品の流動点並びに石油製品曇り点試験方法
JIS K 2283 原油及び石油製品−動粘度試験方法及び粘度指数算出方法
JIS K 2510 潤滑油さび止め性能試験方法
JIS K 2513 石油製品−銅板腐食試験方法
JIS K 2518 石油製品−潤滑油−泡立ち試験方法
JIS K 2519 潤滑油耐荷重能試験方法
JIS K 2520 石油製品−潤滑油−抗乳化性試験方法
2. この規格の中で{ }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,
規格値である。
なお,これらの従来単位及び数値は,平成7年4月1日以降参考とする。
2. 種類 ギヤー油の種類は,用途によって工業用及び自動車用とし,工業用は2種類,自動車用は3種
類に分け,更に粘度グレードによって細分し表1のとおりとする。
備考 粘度グレードは,工業用についてはJIS K 2001を,自動車用についてはSAEのギヤー油粘度
分類を適用している。
参考 SAE Society of Automotive Engineers(アメリカ自動車技術者協会)
表1
種類
用途
工業用
1種
ISO VG 32
主として一般機械の比較的軽荷重の密閉ギヤーに
用いる。
ISO VG 46
ISO VG 68
ISO VG 100
ISO VG 150
ISO VG 220
ISO VG 320
ISO VG 460
2種
ISO VG 68
主として一般機械・圧延機などの中・重荷重の密閉
ギヤーに用いる。
ISO VG 100
2
K 2219-1993
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種類
用途
ISO VG 150
ISO VG 220
ISO VG 320
ISO VG 460
ISO VG 680
自動車用
1種
SAE 75 W
主として自動車の中程度の速度・荷重で作動するギ
ヤーに用いる。
SAE 80 W
SAE 85 W
SAE 90
SAE 140
2種
SAE 75 W
主として自動車の高速・低トルク又は低速・高トル
クで作動するギヤーに用いる。
SAE 80 W
SAE 85 W
SAE 90
SAE 140
3種
SAE 75 W
主として自動車の高速・衝撃荷重,高速・低トルク
又は低速・高トルクで作動するギヤーに用いる。
SAE 80 W
SAE 85 W
SAE 90
SAE 140
3. 品質 ギヤー油は,水及び沈殿物を含まず,精製鉱油に添加剤を加えたもので,4.によって試験を行
い,工業用1種は表2,工業用2種は表3,自動車用は表4の規定にそれぞれ適合しなければならない。
また,自動車用1種はAPIサービス分類のGL-3,自動車用2種はAPIサービス分類のGL-4,及び自動
車用3種は,APIサービス分類のGL-5の各々の品質と同等以上でなければならない。
参考 API American Petroleum Institute(アメリカ石油協会)
表2 工業用1種
項目
種類
動粘度
mm2/s {cSt}(1)
(40℃)
粘度指数 引火点
℃
流動点
℃
銅板腐食
100℃
3h
さび止め性能
蒸留水
24h
抗乳化性(2)
(54℃)
(82℃)
ISO VG 32 28.8 以上 35.2以下 90以上 170以上 −10以下 1以下 さびがないこ
と
60分
以下
−
ISO VG 46 41.4 以上 50.6以下
180以上
ISO VG 68 61.2 以上 74.8以下
ISO VG 100 90.0 以上 110 以下
200以上 −5以下
−
60分
以下
ISO VG 150 135 以上 165 以下
ISO VG 220 198 以上 242 以下
ISO VG 320 288 以上 352 以下
ISO VG 460 414 以上 506 以下
注(1) 1mm2/s=1cSt
(2) 抗乳化性は,乳化層の容量が3mlになったときの時間。
3
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表3 工業用2種
項目
種類
動粘度
mm2/s {cSt}(1)
(40℃)
粘度指数 引火点
℃
流動点
℃
銅板腐食
100℃
3h
さび止め
性能
蒸留水
24h
抗乳化性(2)
耐荷重能
(チムケン
法)
kg
(54℃)
(82℃)
ISO VG 68 61.2以上 74.8以下 90以上 180以上 −15以下 1以下
さびがな
いこと
60分
以下
−
規定しない
ISO VG 100
90.0以上 110 以下
200以上
−
60分
以下
ISO VG 150 135 以上 165 以下
ISO VG 220 198 以上 242 以下
−10以下
ISO VG 320 288 以上 352 以下
ISO VG 460 414 以上 506 以下
−5以下
ISO VG 680 612 以上 748 以下
表4 自動車用1種,2種及び3種
項目
種類
動粘度
(参考)(3)
低温粘度
特性
℃
粘度指数 引火点
℃
流動点
℃
銅板腐食
100℃
3h
泡立ち
(24℃)
(93.5℃)
93.5℃
後の
24℃
mm2/s {cSt}(1)
(100℃)
泡
立ち度
泡
安定度
泡
立ち度
泡
安定度
泡
立ち度
泡
安定度
SAE 75 W
4.1以上
−40
85以上
170
以上
−25
以下
1以下
100
以下
10
以下
100
以下
10
以下
100
以下
10
以下
SAE 80 W
7.0以上
−26
175
以上
−20
以下
SAE 85 W
11.0以上
−12
−15
以下
SAE 90
13.5以上24.0未満
−
180
以上
−10
以下
SAE 140
24.0以上41.0未満
−
−5
以下
注(3) 低温粘度特性は,1 500P 150Pa・sを示す最高温度。
備考 1種はAPIサービス分類のGL-3,2種はAPIサービス分類のGL-4,3種はAPIサービス分類のGL-5
のそれぞれの品質と同等以上でなければならない。
参考 低温粘度特性の試験には,ブルックフィールド粘度計を用いて−6.7〜−34.3℃の温度での低せん断
率の外そう粘度を測定する方法で,ASTM D 2983 (Low-Temperature Viscosity of Automotive Fluid
Lubricants Measured by Brookfield Viscometer) を用いる。
4. 試験方法
4.1
試料採取方法 JIS K 2251による。
4.2
動粘度 JIS K 2283に規定する動粘度試験方法による。
4.3
粘度指数 JIS K 2283に規定する粘度指数算出方法による。
4.4
引火点 JIS K 2265に規定するクリーブランド開放式引火点試験方法による。
4.5
流動点 JIS K 2269に規定する流動点試験方法による。
4.6
銅板腐食 JIS K 2513による。
4.7
さび止め性能 JIS K 2510による。
4
K 2219-1993
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
4.8
抗乳化性 JIS K 2520に規定する抗乳化性試験方法による。
4.9
耐荷重能 JIS K 2519に規定するチムケン法による。
4.10 泡立ち JIS K 2518による。
5. 製品の呼び方 製品の呼び方は,規格名称及び種類による。
例 ギヤー油工業用1種ISO VG 32。ただし,ギヤー油工業用1種32と略してもよい。
6. 表示 容器の見やすいところに容易に消えない方法で,次の事項を表示しなければならない。ただし,
タンク車,タンク船,タンクローリーその他表示困難な場合には送り状に表示してもよい。
(1) 規格名称及び種類
(2) ロット番号
(3) 正味容量
(4) 製造業者名又はその略号
(5) 製造年月日又はその略号
5
K 2219-1993
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資源エネルギー部会 潤滑油専門委員会 構成表(昭和55年3月1日改正のとき)
氏名
所属
(委員会長)
岡 部 平八郎
東京工業大学工学部
根 来 一 夫
社団法人石油学会
加 藤 昭 六
質源エネルギー庁石油部
田 村 忠 男
工業技術院標準部
曽 田 長一郎
工業技術院機械技術研究所
坂 部 孜
工業技術院公害資源研究所
田 中 穂 積
新日本製鐵株式会社設備技術センター
蜂須賀 照 憲
株式会社東京計器
磯 田 正 路
日産自動車株式会社中央研究所
山 近 純一郎
日本鋼管株式会社重工エンジニアリング事業部
月 岡 淑 郎
株式会社日立製作所日立研究所
黒 沢 博
財団法人電力中央研究所環境化学部
鈴 木 八十吉
日本国有鉄道技術研究所
青 木 英 雄
防衛庁潤滑油研究室
山 下 定 利
出光興産株式会社潤滑油部
岩 田 治
日本石油株式会社商品技術部
清 水 信 一
大協石油株式会社環境安全管理室
九 鬼 利 郎
丸善石油株式会社潤滑油一部
野 上 周 二
全国石油工業協同組合
藤 沼 茂
石油連盟
矢 野 恒 夫
丸善石油株式会社潤滑油一部
(関係者)
奥 村 和 光
石油連盟
(事務局)
黒 河 亀千代
工業技術院標準部材料規格課
小 沢 祥 浩
工業技術院標準部材料規格課
(事務局)
時 山 聖 司
工業技術院標準部材料規格課(昭和58年3月1日改正のとき)
宮 崎 正 治
工業技術院標準部材料規格課(昭和58年3月1日改正のとき)
(事務局)
宮 本 幸 夫
工業技術院標準部材料規格課(平成5年6月1日改正のとき)
小 嶋 誠
工業技術院標準部材料規格課(平成5年6月1日改正のとき)