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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 2215-1993 

内燃機関用潤滑油 

Internal combustion engine oils 

1. 適用範囲 この規格は,主として陸用及び舶用内燃機関に使用する潤滑油(以下,内燃機関用潤滑油

という。)について規定する。 

備考1. この規格の引用規格を,付表1に示す。 

2. この規格の中で{ }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,

規格値である。 

なお,これらの従来単位及び数値は,平成7年4月1日以降参考とする。 

2. 種類 内燃機関用潤滑油は,表1に示すように陸用と舶用の2種類に分け,用途によって陸用は1〜3

種,舶用は1〜4種に分類し,更に動粘度によって号別に細分する。 

表1 種類 

種類 

用途 

陸用内燃機関用

潤滑油 

1種 1〜5号 

主に軽荷重のもとで使用し,特にスラッジ生成などが問題にならないようなガソリン機関

に用いる。 

2種 1号,特2号,

2〜5号 

酸化防止剤を添加した油で,主に中荷重のもとで使用し,油温が高く,スラッジの生成及

びベアリングの腐食が問題になるようなガソリン機関に用いる。 

3種 1号,特2号,

2〜5号 

酸化防止剤及び清浄剤を添加した油で,使用状態に応じて,更に次の4種類に細分される。 

(1) 主に高荷重のもとで使用し,かつ,運転条件,機関の構造及び燃料の性状によるスラ

ッジの生成,摩耗,ベアリングの腐食などが問題になるようなガソリン機関に用いる。 

(2) 主に機関の構造及び燃料の性状による摩耗,腐食,スラッジの生成などが問題になら

ないようなディーゼル機関に用いる。 

(3) 主に高荷重のもとで使用し,かつ,運転条件及び機関の構造によるスラッジの生成な

どが問題になるようなディーゼル機関に用いる。 

(4) 主に非常に高い荷重のもとで使用し,かつ,運転条件,機関の構造及び燃料の性状に

よるスラッジの生成,摩耗,ベアリングの腐食などの大きいディーゼル機関に用いる。 

舶用内燃機関用

潤滑油 

1種 2〜5号 

システム油として用いられる。 

2種 2〜5号 

システム油として用いられ,酸化防止性が改善されたもの。 

3種 3〜5号 

シリンダ油及びシステム油として共用され,酸化防止性と清浄性が改善されたもの。 

4種 3〜5号 

主にシリンダ油として用い,酸化防止性が与えられ,かつ,清浄性が高度に改善されたも

の。 

3. 品質 

3.1 

陸用内燃機関用潤滑油 陸用内燃機関用潤滑油は,主にガソリン機関及びディーゼル機関の潤滑油

として適切な品質の精製鉱油又はそれに添加剤を加えたものであって,水及び沈殿物を含まず,4.によっ

て試験を行ったとき,1種は表2,2種は表3,3種は表4の規定にそれぞれ適合しなければならない。 

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K 2215-1993  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表2 陸用1種の品質 

色 

(ASTM) 

反応  引火点 

℃ 

低温見掛け粘度 

(−18℃)  

Pa・s {P} 

動粘度 

(100℃) 

mm2/s {cSt} (1) 

粘度指数 

流動点 

℃ 

残留炭素分

質量% 

銅板腐食 

100℃, 

3h 

1号 4.0以下 中性 170以上 

2.50{25.0}以下 

− 

− 

−25  以下 

0.3以下 

1以下 

2号 4.5以下 

180以上 

− 

 5.6以上  9.3未満 

0以上 

−12.5以下 

0.5以下 

3号 5.5以下 

190以上 

 9.3以上 12.5未満 

−7.5以下 

0.7以下 

4号 6.5以下 

195以上 

12.5以上 16.3未満 

−5  以下 

1.0以下 

5号 6.5以下 

200以上 

16.3以上 21.9未満 

−2.5以下 

1.2以下 

注(1) 1mm2/s=1cSt 

表3 陸用2種の品質 

引火点 

℃ 

低温見掛け粘度 

(−18℃)  
Pa・s {P} 

動粘度 

(100℃) 

mm2/s {cSt} (1) 

粘度指数 

流動点 

℃ 

酸化安定度  165.5℃, 

 24h 

粘度比 

全酸価の増加 

mgKOH/g 

1号 

170以上  2.50 { 25.0} 以下 

− 

75以上 

−25  以下 3.0以下 

3.0以下 

特2号 180以上 10.00 {100.0} 以下 

−22.5以下 2.0以下 

2号 

180以上 

− 

 5.6以上  9.3未満 

−12.5以下 

3号 

190以上 

 9.3以上 12.5未満 

70以上 

−10  以下 

4号 

195以上 

12.5以上 16.3未満 

−7.5以下 

5号 

200以上 

16.3以上 21.9未満 

−5  以下 

表4 陸用3種の品質 

引火点 

℃ 

低温見掛け粘度 

(−18℃) 
Pa・s {P} 

動粘度 

(100℃) 

mm2/s {cSt} (1) 

粘度指数 

流動点 

℃ 

エンジン試験(2) 

1号 

170以上 

2.50 { 25.0} 以下 

− 

85以上 

−25  以下 

記録 

特2号 180以上 10.00/100.0} 以下 

−22.5以下 

2号 

180以上 

− 

 5.6以上  9.3未満 

−12.5以下 

3号 

190以上 

 9.3以上 12.5未満 

−10  以下 

4号 

195以上 

12.5以上 16.3未満 

−7.5以下 

5号 

200以上 

16.3以上 21.9未満 

−5  以下 

注(2) 陸用3種には表1に示すとおり種々の用途がある。それぞれの使用区分に適したエンジン試験の実

施,試験方法,合格基準,その他の細目は,受渡当事者間の協定による。 

3.2 

舶用内燃機関用潤滑油 舶用内燃機関用潤滑油は,主に舶用ディーゼル機関の潤滑油として適切な

精製鉱油又はそれに添加剤を加えたもので,水及び沈殿物を含まず4.によって試験を行ったとき,1種は

表5,2種は表6,3種は表7,4種は表8の規定にそれぞれ適合しなければならない。 

表5 舶用1種の品質 

色 

(ASTM) 

反応 引火点 

℃ 

動粘度 

(100℃) 

mm2/s {cSt} (1) 

粘度指数 

流動点 

℃ 

残留 
炭素分
質量% 

蒸気 
乳化度 

銅板腐食 

 100℃, 
 3h 

熱安定度 

 170℃, 
 2h 

2号 4.5以下 中性 190以上  5.6以上  9.3未満 75以上 −12.5以下 0.3以下 600以下 

1以下 

析出物のな
いこと 

3号 5.5以下 

200以上  9.3以上 12.5未満 65以上  −7.5以下 0.7以下 

4号 6.5以下 

12.5以上 16.3未満 

 −5  以下 1.0以下 

− 

5号 6.5以下 

16.3以上 21.9未満 

 −5  以下 1.2以下 

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K 2215-1993  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表6 舶用2種の品質 

引火点 

℃ 

動粘度 

(100℃) 

mm2/s {cSt} (1) 

粘度指数 

流動点 

℃ 

酸化安定度 

165.5℃, 
24h 

蒸気乳化度 

粘度比 

全酸価の増加 

mgKOH/g 

2号 

190以上 

 5.6以上  9.3未満 

75以上 

−12.5以下  2.0以下 

3.0以下 

記録 

3号 

200以上 

 9.3以上 12.5未満 

70以上 

−7.5以下 

4号 

12.5以上 16.3未満 

−5  以下 

5号 

16.3以上 21.9未満 

−5  以下 

表7 舶用3種の品質 

引火点 

℃ 

動粘度 

(100℃) 

mm2/s {cSt} (1) 

粘度指数 

流動点 

℃ 

全塩基価 

mgKOH/g 

硫酸灰分

質量% 

3号 

200以上 

9.3以上 12.5未満 

85以上 

−7.5以下 

3以上 

記録 

4号 

12.5以上 16.3未満 

−5  以下 

5号 

16.3以上 21.9未満 

−5  以下 

表8 舶用4種の品質 

引火点 

℃ 

動粘度 

(100℃) 

mm2/s {cSt} (1) 

粘度指数 

流動点 

℃ 

全塩基価 

mgKOH/g 

硫酸灰分

質量% 

3号 

200以上 

9.3以上 12.5未満 

50以上 

−7.5以下 

25以上 

記録 

4号 

12.5以上 16.3未満 

−5  以下 

5号 

16.3以上 21.9未満 

−5  以下 

4. 試験方法 

4.1 

試料採取方法 試料採取方法は,JIS K 2251による。 

4.2 

色 色 (ASTM) は,JIS K 2580に規定するASTM色試験方法による。 

4.3 

反応 反応は,JIS K 2252による。 

4.4 

引火点 引火点は,JIS K 2265に規定するクリーブランド開放式引火点試験方法による。 

4.5 

動粘度 動粘度は,JIS K 2283に規定する動粘度試験方法による。 

4.6 

粘度指数 粘度指数は,JIS K 2283に規定する粘度指数算出方法による。 

4.7 

流動点 流動点は,JIS K 2269に規定する流動点試験方法による。 

4.8 

残留炭素分 残留炭素分は,JIS K 2270による。 

4.9 

銅板腐食 銅板腐食は,JIS K 2513による。 

4.10 酸化安定度 酸化安定度は,JIS K 2514に規定する内燃機関用潤滑油酸化安定度試験方法による。 

4.11 熱安定度 熱安定度は,JIS K 2540による。 

4.12 蒸気乳化度 蒸気乳化度は,JIS K 2520に規定する蒸気乳化度試験方法による。 

4.13 全塩基価 全塩基価は,JIS K 2501に規定する全塩基価及び強塩基価試験方法の電位差滴定法(塩

酸法)による。 

4.14 硫酸灰分 硫酸灰分は,JIS K 2272に規定する硫酸灰分試験方法による。 

4.15 低温見掛け粘度は,JIS K 2010に規定する低温見掛け粘度試験方法による。 

K 2215-1993  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5. 製品の呼び方 製品の呼び方は,名称及び種類による。 

例 陸用内燃機関用潤滑油2種3号 

6. 表示 容器の見やすいところに容易に消えない方法で,次の事項を表示しなければならない。ただし,

タンク車,タンカー,タンクローリ,その他表示困難な場合は,送り状に表示してもよい。 

(1) 名称及び種類 

(2) 正味容量 

(3) 製造業者名又はその略号 

(4) 製造年月日又はその略号 

付表1 引用規格 

JIS K 2010 自動車エンジン油粘度分類 

JIS K 2251 原油及び石油製品−試料採取方法 

JIS K 2252 石油製品反応試験方法 

JIS K 2265 原油及び石油製品引火点試験方法 

JIS K 2269 原油及び石油製品の流動点並びに石油製品曇り点試験方法 

JIS K 2270 原油及び石油製品−残留炭素分試験方法 

JIS K 2272 原油及び石油製品の灰分並びに硫酸灰分試験方法 

JIS K 2283 原油及び石油製品−動粘度試験方法及び粘度指数算出方法 

JIS K 2501 石油製品及び潤滑油−中和価試験方法 

JIS K 2513 石油製品−銅板腐食試験方法 

JIS K 2514 潤滑油−酸化安定度試験方法 

JIS K 2520 石油製品−潤滑油−抗乳化性試験方法 

JIS K 2540 潤滑油熱安定度試験方法 

JIS K 2580 石油製品色試験方法 

関連規格 ASTM D 4485-91 Standard Specification for Performance of Automotive Engine Oils 

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K 2215-1993  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

解説表2 JIS K 2215原案作成委員会 構成表 

氏名 

区分 

所属 

(委員長) 小 西 誠 一 

中立者 

防衛大学校 

服 部 幹 雄 

中立者 

工業技術院標準部材料規格課 

田 中 正 躬 

中立者 

資源エネルギー庁石油部精製課 

高 橋 千 晴 

中立者 

工業技術院計量研究所熱物性部 

肥 沼   豊 

中立者 

工業技術院資源環境技術総合研究所大気環境保全部 

有 賀 正 夫 

中立者 

社団法人石油学会業務課 

高 木 茂 男 

中立者 

社団法人日本海事検定協会検査第1部 

杉 本 俊 二 

使用者 

防衛庁装備局管理調達補給室 

鈴 木 喜 夫 

使用者 

日本鋼管株式会社鉄鋼研究所第1プロセス研究部 

中 村   準 

使用者 

三菱重工業株式会社技術本部横浜研究所 

吉 田 彰 男 

使用者 

いすゞ自動車株式会社材料開発部 

岩 田 圭 一 

使用者 

東京電力株式会社火力部火力技術課 

君 島 孝 尚 

使用者 

石川島播磨重工業株式会社技術研究所高度振動部 

高 野 敏 夫 

使用者 

社団法人自動車技術会 

加 藤 良 三 

生産者 

東燃株式会社製造部 

松 崎   昭 

生産者 

日本石油株式会社中央技術研究所 

柏 原 正 純 

生産者 

出光興産株式会社製造部製油課 

橘   宗 昭 

生産者 

昭和シェル石油株式会社商品技術室 

伊 達 和 人 

生産者 

日本鉱業株式会社石油事業本部製油部 

吉 田 留五郎 

生産者 

吉田科学器械株式会社 

加 藤 正 夫 

事務局 

石油連盟技術環境部 

西 川 輝 彦 

事務局 

石油連盟技術環境部 

解説表3 工業標準原案作成分科会 構成表 

氏名 

区分 

所属 

(分科会長) 橘   宗 昭 

生産者 昭和シェル石油株式会社商品技術室 

宮 本 幸 夫 

中立者 工業技術院標準部材料規格課 

伊 藤   玄 

生産者 出光興産株式会社製造部品質課 

今 泉 雄 二 

生産者 昭和シェル石油株式会社中央研究所試験分析課 

番 場   章 

生産者 三石テクノ株式会社業務部分析課 

近 藤   修 

生産者 日本石油株式会社中央研究所試験分析課 

高 橋 

 己 

生産者 株式会社共石製品技術研究所総務部試験分析室 

左 古 三 郎 

生産者 東燃株式会社石油製品研究所燃料油グループ 

三 輪 正 臣 

生産者 株式会社コスモ総合研究所分析研究室有機分析グループ 

大 森 道 昭 

生産者 日本科学機器団体連合会(株式会社離合社) 

神宮司 貞 伸 

生産者 ゼネラル石油株式会社中央研究所石油製品統括部 

西 川 輝 彦 

生産者 石油連盟技術環境部