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K 1571:2010  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 1 

4 性能基準························································································································· 2 

5 試験方法························································································································· 2 

5.1 試料の調製 ··················································································································· 2 

5.2 防腐性能 ······················································································································ 3 

5.3 防ぎ(蟻)性能 ············································································································ 12 

5.4 鉄腐食性能 ·················································································································· 19 

6 試験結果の記録 ··············································································································· 22 

6.1 防腐性能 ····················································································································· 22 

6.2 防ぎ(蟻)性能 ············································································································ 24 

6.3 鉄腐食性能 ·················································································································· 25 

附属書A(規定)限定用途のための防腐性能試験及び防ぎ(蟻)性能試験 ······································ 27 

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(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本木材

保存協会(JWPA)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正す

べきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS K 1571:2004は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責

任はもたない。 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格 

JIS 

K 1571:2010 

木材保存剤−性能基準及びその試験方法 

Wood preservatives-Performance requirements and  

their test methods for determining effectiveness 

序文 

この規格は,1998年に制定され,その後2回の改正を経て今日に至っている。前回の改正では規格名称

及び構成の変更並びに性能項目の追加を行った。 

なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。 

適用範囲 

この規格は,木材保存剤の性能基準並びにその防腐性能試験方法,防ぎ(蟻)性能試験方法及び鉄腐食

性能試験方法について規定する。ただし,限定された使用環境で用いる木材保存剤の防腐性能及び防ぎ(蟻)

性能の試験方法は,附属書Aによる。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS A 5009 バーミキュライト 

JIS A 5508 くぎ 

JIS K 0557 用水・排水の試験に用いる水 

JIS K 1570 木材保存剤 

JIS K 6741 硬質ポリ塩化ビニル管 

JIS K 8284 くえん酸水素二アンモニウム(試薬) 

JIS K 8824 D(+)-グルコース(試薬) 

JIS K 8848 ヘキサン(試薬) 

JIS K 8962 硫酸カリウム(試薬) 

JIS P 3801 ろ紙(化学分析用) 

JIS R 1250 普通れんが 

JIS T 6605 歯科用硬質石こう(膏) 

JIS Z 9041-1 データの統計的な解釈方法−第1部:データの統計的記述 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS K 1570によるほか,次による。 

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3.1 

表面処理 

はけ(刷毛),噴霧器,槽などを用い,木材表面に木材保存剤を付着させる処理。 

3.2 

塗布処理 

はけ(刷毛)などを用い,木材表面に木材保存剤を塗る処理。 

3.3 

吹付け処理 

噴霧器などを用い,木材表面に木材保存剤を吹き付ける処理。 

3.4 

浸せき処理 

槽などを用い,木材を木材保存剤中に沈める処理。 

3.5 

ファンガスセラー試験 

接地状態での耐朽性を,無殺菌土壌を用いて室内で評価する試験方法。 

性能基準 

木材保存剤の性能基準は,箇条5の試験方法によって求め,表1の規定を満足しなければならない。 

表1−木材保存剤の性能基準 

項目 

性能値 

対応する試験方法

の細分箇条番号 

防腐性能 

室内試験 

注入処理用 

質量減少率(%) 

3以下 

5.2.1.1 

表面処理用 

質量減少率(%) 

3以下 

5.2.1.2 

ファンガス 
セラー試験 

注入処理用, 
培養瓶試験 

質量減少率(%) 

3以下 

5.2.2.1 

注入処理用, 
腐朽槽試験 

耐朽比 

3以上 

5.2.2.2 

注入処理用,野外試験 

耐朽比 

3以上 

5.2.3 

防ぎ(蟻)性能 室内試験 

注入処理用 

質量減少率(%) 

3以下 

5.3.1.1 

表面処理用 

質量減少率(%) 

3以下 

5.3.1.2 

野外試験 

注入処理用 

食害指数 

10未満a) 

5.3.2.1 

表面処理用 

食害指数 

10未満a) 

5.3.2.2 

鉄腐食性能 

注入処理用 

鉄腐食比 

2.0以下 

5.4.1 

表面処理用 

鉄腐食比 

2.0以下 

5.4.2 

注a) 処理試験体のうち食害度が50以上を示したものがある場合は,性能基準を満たさないものとする。 

試験方法 

5.1 

試料の調製 

試験しようとする木材保存剤から,その性能を代表するように適切な量を採取する。水溶性木材保存剤

及び乳化性木材保存剤の場合は,JIS K 0557に規定する脱イオン水A2を用いて指定濃度(質量分率%)

に調製して試料とする。油性木材保存剤は,原液を試料とする。油溶性木材保存剤の場合は,その木材保

存剤に製造業者が指定した溶媒を用いて実用に使用するときの指定濃度(質量分率%)に調製して試料と

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

する。 

5.2 

防腐性能 

5.2.1 

室内試験 

5.2.1.1 

注入処理用 

5.2.1.1.1 

材料 

a) 木材片 木材片は,次による。 

1) 正常で健全なすぎ辺材とし,木材片は,気乾状態の同一木材から採取する。 

2) 木材片は,二方まさで各面を平滑,かつ,かんな仕上げをしたものを用いる。 

3) 木材片の年輪数は,10 mmにつき3〜5とし,乾燥したときの密度が0.25〜0.32 g/cm3の範囲のもの

を用いる。 

4) 木材片の形状は,木口面で20 mm×20 mm,高さ10 mmとする。木口面及び高さの寸法の許容差は,

±0.5 mmとする。 

5) 木材片は,温度60±2 ℃の循環式乾燥器で48時間乾燥し,約30分間デシケータ中に放置した後,

質量を0.01 gのけたまではかり,吸湿しないようにデシケータ中に保管する。 

b) 供試菌 供試菌は,独立行政法人森林総合研究所(FFPRI)で分離した次の2種類の菌株を用いる。 

   オオウズラタケ  Fomitopsis palustris (Berk. et Curt.) Gilbn. & Ryv. FFPRI 0507 

   カワラタケ    Trametes versicolor (L. : Fr.) Pilát FFPRI 1030 

c) 培養瓶 培養瓶は,底面積50〜100 cm2で,全容積500〜900 mLの円筒形広口の容器で,綿栓,フィ

ルタ,シリコン栓などが付いたふたを用いて無菌に近い状態で通気が可能なものとする。このような

ふたがない場合は,ふたを完全に閉めた状態から若干緩めることで通気性を確保する。ただし,試験

では通気性の確保は必ず同じ方法を用いて行うものとする。 

d) 培養基 培養基は,培養瓶に粒径0.6〜1.1 mmの海砂約350 gを入れ,pH 5.5〜6.0に調節した培養液

100 mLを加えた後,オートクレーブ殺菌を温度120±2 ℃で30分間行う。培養液の組成は,JIS K 8824

に規定するD(+)-グルコース質量分率2.0〜4.0 %,ペプトン質量分率0.3 %,及び麦芽抽出物質量分率

1.5 %を含むものとする。殺菌後,海砂の面を水平にし,培養液の液面が海砂の面と同じになるように

する。 

e) 培養菌 培養基表面のほぼ中央に種菌を入れ,温度26±2 ℃,相対湿度70 %以上の試験場所で培養

する。7〜15日間で菌そう(叢)が培養基に十分に広がったものを培養菌とし,抗菌操作を行う。用

いる種菌は,次の中のどれでもよい。ただし,試験には,必ず同じ方法で調製した種菌を用いて行う

ものとする。 

− 寒天培養基上に供試菌を接種し,温度26±2 ℃の試験場所で培養して,菌そう(叢)が十分に

広がったときに,その菌そう(叢)先端部から採取した菌糸を含む寒天培地。 

− 同様に培養した菌そう(叢)上に吸水させて殺菌したぶな小片(約2 mm角,厚さ約1 mm)を

載せ,5〜6日間培養して供試菌を繁殖させたもの。 

− 培養液に供試菌を接種し,温度26±2 ℃で1週間程度振とう培養して得られた菌糸粒を含む培

養液約2 mL。 

5.2.1.1.2 

試験体 

試験体は,処理試験体,補正用試験体及び無処理試験体の3種類とし,それぞれ次による。 

a) 処理試験体 処理試験体は,次による。 

1) ビーカに入れた木材片を真空デシケータ又は注入装置の中に入れて減圧し,試料を吸収させながら

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常圧又は加圧状態で規定の試料吸収率に達するように30分から1時間程度放置する。その後,試料

中から木材片を取り出し,これを軽くぬぐい,直ちにその質量を0.01 gのけたまではかる。 

2) 木材片の試料吸収率は,式(1)によって算出し,小数点第1位を四捨五入して整数とする。 

100

1

1

2

1

×

=

m

m

m

A

 ······································································ (1) 

ここに, 

A1: 試料吸収率(%) 

m1: 注入処理前の木材片の乾燥質量(g) 

m2: 注入処理直後の木材片の質量(g) 

3) 処理試験体は,木材片の試料吸収率が,水溶性試料及び乳化性試料にあっては(250±10)%,油性

試料及び油溶性試料にあっては(200±10)%の試料吸収率のものを規定個数選び出し,20日間以

上室温に放置したものとする。 

b) 補正用試験体 a)に規定する処理試験体と同様に処理したものを,試験結果の補正に用いる。補正は,

油性試料,油溶性試料など,試験中に成分の一部が揮散又は拡散によって試験体の質量が減少するお

それがあるものについて行う。 

c) 無処理試験体 5.2.1.1.1 a)に規定する木材片で,抗菌操作における培養菌の活力の判定に用いる。 

d) 試験体の個数 試験体の個数は,繰返し個数を9とし,1試料につき表2のとおりとする。 

表2−注入処理用木材保存剤の防腐性能試験における試験体の個数 

試験体の種類 

菌の種類 

繰返し個数 

水溶性及び乳化性 

油性及び油溶性 

繰返し個数 

計 

繰返し個数 

計 

処理試験体 
補正用試験体 
無処理試験体 
所要個数 

− 

− 

− 

− 

18 
− 
18 
36 



− 

18 

18 
45 

5.2.1.1.3 

試験 

各試験体に対して耐候操作を行った後,抗菌操作を行う。ただし,補正試験体については,抗菌操作に

換えて補正操作を行う。 

a) 耐候操作 各試験体9個を一組として,それぞれ500 mLビーカに入れ,試験体容積の10倍量のJIS K 

0557に規定する脱イオン水A2を加え,試験体を水面下に浸せきする。マグネチックスターラを用い

て,温度25±3 ℃で回転子を毎分400〜450回転させ,8時間かくはんし,試験体から水溶性の試料を

溶出させた(以下,溶脱という。)後,直ちに軽く試験体の表面の水切りを行う。続いて,温度60±2 ℃

の循環式乾燥器中に16時間静置し,揮発分を揮散させる。以上の操作を交互に10回繰り返す。 

なお,無処理試験体については耐候操作を省いてもよい。 

耐候操作を終わった試験体は,温度60±2 ℃の循環式乾燥器で48時間乾燥した後,約30分間デシ

ケータ中に放置して,その質量を0.01 gのけたまではかる。 

b) 抗菌操作 室温の酸化エチレンガスで5時間以上殺菌した各試験体は,培養菌の上に,1培養瓶ごと

に3個ずつ,カワラタケでは直接に,オオウズラタケではオートクレーブ殺菌した約1 mm厚さの耐

熱性プラスチック製の網の上に,木口面を上下にして載せ,温度26±2 ℃,相対湿度70 %以上の試

験場所に12週間置く。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

抗菌操作終了後,試験体を取り出し,表面の菌糸その他の付着物を十分に取り除き,約24時間風乾

した後,温度60±2 ℃の循環式乾燥器で48時間乾燥し,約30分間デシケータ中に放置して,その質

量を0.01 gのけたまではかる。 

c) 補正操作 室温の酸化エチレンガスで5時間以上殺菌した補正用試験体を,培養基の上に,1培養瓶

ごとに3個ずつ,カワラタケでは直接に,オオウズラタケではオートクレーブ殺菌した約1 mm厚さ

の耐熱性プラスチック製の網の上に,繊維方向を垂直にして載せ,温度26±2 ℃,相対湿度70 %以

上の試験場所に12週間置く。 

d) 抗菌操作を終わった試験体 抗菌操作終了後,試験体を取り出し,約24時間風乾した後,温度60±2 ℃

の循環式乾燥器で48時間乾燥し,約30分間デシケータ中に放置して,その質量を0.01 gのけたまで

はかる。 

5.2.1.1.4 

計算 

計算は,次による。 

a) 薬剤吸収量 試験体の薬剤吸収量は,式(2)によって算出し,その値を有効数字3けたまで求める。 

10

)

(

1

1

1

2

1

×

×

=

C

V

m

m

R

 ································································ (2) 

ここに, 

R1: 薬剤吸収量(kg/m3) 

m1: 注入処理前の木材片の乾燥質量(g) 

m2: 注入処理直後の木材片の質量(g) 

C1: 試料の濃度(質量分率%) 

V1: 木材片の体積(cm3) 

b) 質量減少率 個々の試験体の質量減少率は,式(3)によって算出し,その平均値及び標準偏差を求める。 

なお,質量減少率の平均(x)及び標準偏差(s)の計算は,JIS Z 9041-1によって行い,小数点第

1位を四捨五入して整数とする。 

100

3

4

3

1

×

=

m

m

m

L

 ······································································ (3) 

ここに, 

L1: 質量減少率(%) 

m3: 抗菌操作前の試験体の乾燥質量(g) 

m4: 抗菌操作後の試験体の乾燥質量(g) 

処理試験体の質量減少率(%)は,抗菌操作が終了した試験体の質量減少率から補正用試験体の平

均質量減少率(%)を減じたものとする。 

5.2.1.1.5 

試験の有効性 

処理試験体と同時に試験した無処理試験体の平均質量減少率が,オオウズラタケの場合は30 %未満,カ

ワラタケの場合は15 %未満のときは,再試験を実施する。 

5.2.1.2 

表面処理用 

5.2.1.2.1 

材料 

a) 木材片 木材片は,次による。 

1) 試験に用いる木材片は,正常で健全なすぎ辺材とする。 

2) 木材片は,二方まさで各面を平滑,かつ,かんな仕上げしたものを用いる。 

3) 木材片の年輪数は,10 mmにつき3〜5とし,乾燥したときの密度が0.25〜0.32 g/cm3のものを用い

る。 

4) 木材片の形状は,木口面で5 mm×20 mm,長さ40 mmで,20 mm×40 mmの面がまさ目面とする。

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

木口面及び長さの寸法の許容差は,±0.5 mmとする。 

5) 木口面は,エポキシ樹脂塗料を全面塗布し,それが硬化した後に,室内環境において十分に乾燥し

た状態でその質量を0.01 gのけたまではかる。エポキシ樹脂塗料は,試験体に耐候操作を施しても

木口面から接着はく(剥)離しない性能のものを用いる。 

b) 供試菌 供試菌は,5.2.1.1.1 b)による。 

c) 培養瓶 培養瓶は,5.2.1.1.1 c)による。 

d) 培養基 培養基は,5.2.1.1.1 d)による。 

e) 培養菌 培養菌は,5.2.1.1.1 e)による。 

5.2.1.2.2 

試験体 

試験体は,処理試験体及び無処理試験体の2種類とし,それぞれ次による。 

a) 処理試験体 処理試験体は,次による。 

1) 木材片に試料を塗布,吹付け又は浸せき処理して,その質量を0.01 gのけたまではかる。ただし,

浸せき処理では,処理後の木材片の表面を軽くぬぐった直後の質量とする。 

2) 木材片の試料処理量は,式(4)によって算出し,小数点第1位を四捨五入して整数とする。 

000

10

1

5

6

1

×

=

T

m

m

B

 ·································································· (4) 

ここに, 

B1: 試料処理量(g/m2) 

m5: 表面処理前の木材片の風乾状態での質量(g) 

m6: 表面処理直後の木材片の質量(g) 

T1: 木材片の表面積(cm2) 

3) 処理試験体は,木材片の試料処理量が110±10 g/m2とし,7日間以上室温に放置したものとする。 

b) 無処理試験体 5.2.1.2.1 a)に規定する木材片で,抗菌操作における培養菌の活力の判定に用いる。 

c) 試験体の個数 試験体の個数は,1試料につき繰返し個数を9とし,表3のとおりとする。 

表3−表面処理用木材保存剤の防腐性能試験における試験体の個数 

試験体の種類 

菌の種類 

繰返し個数 

計 

処理試験体 
無処理試験体 
所要個数 


− 


− 

18 
18 
36 

5.2.1.2.3 

試験 

各試験体に対して耐候操作を行った後,抗菌操作を行うものとする。 

a) 耐候操作 各試験体9個を一組として,それぞれ500 mLビーカに入れ,試験体容積の10倍量のJIS K 

0557に規定する脱イオン水A2を加え,試験体を25±3 ℃の静水に浸せきする。5時間静置し溶脱さ

せた後,直ちに軽く試験体の表面の水切りを行う。続いて,温度40±2 ℃の循環式乾燥器中に19時

間静置し,揮発分を揮散させる。以上の操作を交互に10回繰り返す。 

なお,無処理試験体については耐候操作を省いてもよい。 

耐候操作を終わった試験体は,温度60±2 ℃の循環式乾燥器で48時間乾燥した後,約30分間デシ

ケータ中に放置して,その質量を0.01 gのけたまではかる。 

b) 抗菌操作 処理試験体及び無処理試験体の抗菌操作は,培養菌の上に殺菌した厚さ約1 mmの耐熱性

プラスチック製の網を置き,その上に,1培養瓶ごとに3個ずつ図1のような厚さ約1 mmのポリテ

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K 1571:2010  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

トラフルオロエチレン製板枠にはめ,室温の酸化エチレンガスで5時間以上殺菌した後,40 mm×5 mm

の板面が下になるように載せ,温度26±2 ℃,相対湿度70 %以上の試験場所に12週間置く。 

抗菌操作終了後,試験体を取り出し,表面の菌糸及びその他の付着物を十分に取り除き,約24時間

風乾した後,温度60±2 ℃で48時間乾燥し,約30分間デシケータ中に放置して,その質量を0.01 g

のけたまではかる。 

単位 mm 

図1−ポリテトラフルオロエチレン製板枠にはめた試験体 

5.2.1.2.4 

計算 

個々の試験体の質量減少率は,式(5)によって算出し,その平均値及び標準偏差を求める。 

なお,質量減少率の平均(x)及び標準偏差(s)の計算は,JIS Z 9041-1によって行い,小数点第1位

を四捨五入して整数とする。 

100

7

8

7

2

×

=

m

m

m

L

 ······································································ (5) 

ここに, 

L2: 質量減少率(%) 

m7: 抗菌操作前の試験体の乾燥質量(g) 

m8: 抗菌操作後の試験体の乾燥質量(g) 

5.2.1.2.5 

試験の有効性 

処理試験体と同時に試験した無処理試験体の平均質量減少率が,オオウズラタケの場合は30 %未満,カ

ワラタケの場合は15 %未満のときは,再試験を実施する。 

5.2.2 

ファンガスセラー試験 

5.2.2.1 

培養瓶試験 

5.2.2.1.1 

材料 

a) 木材片 木材片は,5.2.1.1.1 a)による。 

b) 土壌 土壌は,次による。 

1) 試験に用いる土壌は,森林土壌A層又は殖壌土とする。採取した土壌は,生土のまま目びらき4 mm

のふるいを通過させて植物の根,石などを除去する。 

2) 土壌のpH(H2O)は5.0〜8.0の範囲内とする。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3) 土壌の含水率は,その最大水保持量相当に調節する。土壌の最大水保持量は,次による。 

JIS P 3801に規定する直径55 mmのろ紙2種を,これに適合する大きさのブフナー漏斗に敷き,

ろ紙上に土壌を入れる。このブフナー漏斗をテーブルに軽く3回たたいてから過剰の土壌をミクロ

スパチュラですり切って落とす。土壌を詰めたブフナー漏斗は,300 mLビーカ内に立て,このビー

カにJIS K 0557に規定する脱イオン水A2を入れて水位がろ紙の位置より高くなるようにして12

時間室温で放置する。ブフナー漏斗をビーカから取り出し,土壌の表面に湿った布をかぶ(被)せ

ながらアスピレーターで15分間吸引し,土壌から余剰水分を除く。直ちに100 mLビーカに約15 g

の土壌を採取して入れ,質量を0.01 gのけたまではかる。温度105±3 ℃の乾燥器で24時間乾燥し,

約30分間デシケータ中に放置した後,質量を0.01 gのけたまではかる。土壌の最大水保持量は,式

(6)によって算出し,小数点第1位で四捨五入して整数とする。 

100

10

10

9

×

=

m

m

m

H

 ····································································· (6) 

ここに, 

H: 最大水保持量(%) 

m9: 乾燥前の土壌の質量(g) 

m10: 乾燥後の土壌の質量(g) 

c) 培養瓶 培養瓶は,5.2.1.1.1 c)による。 

d) 土壌菌床 培養瓶にその容積の約半分まで土壌を入れ,土壌の最大水保持量相当になるよう必要に応

じて滅菌水を噴霧して十分にかくはんし,土壌の表面を平らにして,培養瓶をテーブルに軽く3回た

たいて土壌空げき(隙)をできるだけなくす。 

5.2.2.1.2 

試験体 

試験体は,処理試験体及び無処理試験体の2種類とし,それぞれ次による。 

a) 処理試験体 処理試験体は,5.2.1.1.2 a)による。 

b) 無処理試験体 無処理試験体は,5.2.1.1.2 c)による。 

c) 試験体の個数 試験体の個数は,処理試験体及び無処理試験体とも1試料につき繰返し個数を9とす

る。 

5.2.2.1.3 

試験 

試験体に対して耐候操作を行った後,抗菌操作を行う。 

a) 耐候操作 耐候操作は,5.2.1.1.3 a)による。 

b) 耐候操作を終わった試験体 耐候操作を終わった試験体は,温度60±2 ℃の循環式乾燥器で48時間

乾燥した後,約30分間デシケータ中に放置して,その質量を0.01 gのけたまではかる。その後,この

試験体に,JIS K 0557に規定する脱イオン水A2を5.2.1.1.2 a) 1)で規定する操作によって吸収させる。 

c) 抗菌操作 処理試験体及び無処理試験体は,土壌菌床の深さ約10 mmに,1培養瓶ごとに3個ずつ埋

設し,この培養瓶を温度26±2 ℃,相対湿度70 %以上のところに1年間置く。試験体を埋設した培

養瓶には,土壌菌床の水分を保つために,1か月ごとに脱イオン水を噴霧して失った水分を補給する。 

d) 抗菌操作を終わった試験体 抗菌操作終了後,試験体を取り出し,表面の土壌及びその他の付着物を

十分に取り除き軽く水洗する。約24時間風乾した後,温度60±2 ℃の循環式乾燥器で48時間乾燥し,

約30分間デシケータ中に放置して,その質量を0.01 gのけたまではかる。 

5.2.2.1.4 

計算 

計算は,次による。 

a) 薬剤吸収量 試験体の薬剤吸収量は,式(7)によって算出し,その平均値を有効数字3けたまで求める。 

K 1571:2010  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

10

)

(

2

2

11

12

2

×

×

=

C

V

m

m

R

 ······························································ (7) 

ここに, 

R2: 薬剤吸収量(kg/m3) 

m11: 注入処理前の木材片の乾燥質量(g) 

m12: 注入処理直後の木材片の質量(g) 

C2: 試料の濃度(質量分率%) 

V2: 木材片の体積(m3) 

b) 質量減少率 個々の試験体の質量減少率は,式(8)によって算出し,その平均値及び標準偏差を求める。 

なお,質量減少率の平均(x),標準偏差(s)の計算は,JIS Z 9041-1によって行い,小数点第1

位を四捨五入して整数とする。 

100

13

14

13

3

×

=

m

m

m

L

 ···································································· (8) 

ここに, 

L3: 質量減少率(%) 

m13: 土壌埋設前の試験体の乾燥質量(g) 

m14: 土壌埋設後の試験体の乾燥質量(g) 

5.2.2.1.5 

試験の有効性 

処理試験体と同時に試験した無処理試験体の平均質量減少率が10 %未満のときは,再試験を実施する。 

5.2.2.2 

腐朽槽試験 

5.2.2.2.1 

材料 

a) 木材片 木材片は,次による。 

1) 正常で健全なすぎ辺材とし,同じ試験に用いる木材片は,気乾状態の同一木材から採取する。 

2) 木材片は,二方まさで各面を平滑,かつ,かんな仕上げしたものを用いる。 

3) 木材片の年輪数は,10 mmにつき3〜5とし,乾燥したときの密度が0.25〜0.32 g/cm3のものを用い

る。 

4) 木材片の形状は,木口面で20 mm×20 mm,長さ100 mmとする。木口面及び長さの寸法の許容差

は±0.5 mmとする。 

5) 木材片は,気乾状態でその質量を0.1 gのけたまではかる。 

b) 土壌 土壌は,次による。 

1) 試験に用いる土壌は,園芸用の細粒の鹿沼土及びJIS A 5009に規定するバーミキュライト又はこれ

と同等の園芸用のものに,5.2.2.1.1 b) 1)による殖壌土又は海砂を混合したものとする。 

2) 土壌の含水率は,5.2.2.1.1 b) 3)で求めた最大水保持量の(50±5)%に調節する。 

c) 腐朽槽 プラスチック製又はコンクリート製で,水抜きを付け,試験期間中に変形せず,試験に用い

る土壌に重大な影響を与える薬剤などを含まないものとする。腐朽槽の最小の寸法は,幅0.6 m,長

さ0.8 m,深さ0.5 mとし,試験体を同時に設置できる十分なスペースをもつものとする。土壌の水分

を管理するため,腐朽槽の表面をプラスチック製フィルムなどで覆う。 

d) 土壌菌床 腐朽槽の余剰水分の除去が容易になるように底から少なくとも高さ約30 mmまで粒径が

10〜20 mmの砂利を敷き,その上層に最低0.3 mの高さまで土壌を入れ,土壌の表面を平滑にする。

野外などから採取した腐朽材,腐食土などを適量加えて腐朽菌の活性を維持してもよい。 

5.2.2.2.2 

試験体 

試験体は,処理試験体及び無処理試験体の2種類とし,それぞれ次による。 

a) 処理試験体 処理試験体は,次による。 

10 

K 1571:2010  

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

1) 木材片を注入装置に入れて減圧し,試料を吸収させながら加圧状態で規定の試料吸収量に達するよ

うに2時間以上放置する。その後,試料中から木材片を取り出し,これを軽くぬぐい,直ちにその

質量を0.1 gのけたまではかる。 

2) 木材片の試料注入量は,式(9)によって算出し,小数点第1位を四捨五入して整数とする。 

000

1

3

15

16

1

×

=

V

m

m

U

 ·································································· (9) 

ここに, 

U1: 試料注入量(kg/m3) 

m15: 注入処理前の木材片の乾燥質量(g) 

m16: 注入処理直後の木材片の質量(g) 

V3: 木材片の体積(cm3) 

3) 処理試験体は,木材片の試料吸収量が,水溶性試料及び乳化性試料にあっては700 kg/m3以上,油

性試料及び油溶性試料にあっては560 kg/m3以上のものを選び出し,20日間以上室温に放置する。 

b) 無処理試験体 5.2.2.2.1 a)に規定する木材片で,腐朽槽試験における土壌菌床の活力の判定に用いる。 

c) 試験体の個数 試験体の個数は,処理試験体及び無処理試験体とも1試料につき繰返し個数を5とす

る。 

5.2.2.2.3 

試験 

試験体に対して耐候操作を行った後,抗菌操作を行うものとする。 

a) 耐候操作 各試験体5個を一組として,それぞれ2 000 mLビーカに入れるほか,5.2.1.1.3 a)による。 

b) 抗菌操作 温度25〜30 ℃に調節した部屋に設置した腐朽槽内の土壌菌床に,処理試験体及び無処理

試験体を隣接して垂直に試験体の長さ方向で深さ約80 mmで埋設する。この操作期間中に乾燥しすぎ

ないように,土壌の表面に脱イオン水を噴霧して均等に加え,最大水保持量の(50±5)%を常時維持

する。 

c) 被害度の判定 処理試験体及び無処理試験体を,最低年2回定期的に取り出して地中部の状態を観察

し,次の基準で評価する。 

0 : 健全 

1 : 部分的に軽度の腐朽 

2 : 全面的に軽度の腐朽 

3 : 2の状態の上に部分的に激しい腐朽 

4 : 全面的に激しい腐朽 

5 : 腐朽によって形が崩れる 

5.2.2.2.4 

計算 

計算は,次による。 

a) 薬剤吸収量 試験体の薬剤吸収量は,式(10)によって算出し,その平均値を有効数字3けたまで求め

る。 

10

)

(

3

3

15

16

3

×

×

=

C

V

m

m

R

 ···························································· (10) 

ここに, 

R3: 薬剤吸収量(kg/m3) 

m15: 注入処理前の木材片の乾燥質量(g) 

m16: 注入処理直後の木材片の質量(g) 

C3: 試料の濃度(質量分率%) 

V3: 木材片の体積(cm3) 

b) 耐朽比 処理試験体及び無処理試験体の被害度を定期的に測定し,その平均値を小数点第2位で四捨

11 

K 1571:2010  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

五入して算出する。その値が2.5に達したときの経過期間をそれぞれの試験体の耐用年数とする。耐

朽比を式(11)によって計算し,小数点第1位を四捨五入して整数とする。 

1

2

1

Y

Y

D=

 ··················································································(11) 

ここに, 

D1: 耐朽比 

Y1: 無処理試験体の耐用年数 

Y2: 処理試験体の耐用年数 

5.2.2.2.5 

試験の有効性 

無処理試験体を設置してから2年経過しても,その被害度の平均値が2.5未満のときは,試験をやり直

す。 

5.2.3 

野外試験 

5.2.3.1 

材料 

a) 木材片 木材片は,次による。 

1) 正常で健全なすぎ辺材とし,木材片は,気乾状態の同一木材から採取する。 

2) 木材片は,二方まさで各面を平滑,かつ,かんな仕上げしたものを用いる。 

3) 木材片の年輪数は,10 mmにつき3〜5とし,乾燥したときの密度が0.25〜0.32 g/cm3のものを用い

る。 

4) 木材片の形状は,木口面で30 mm×30 mm,長さ600 mmとする。寸法の許容差は木口面が±0.5 mm,

長さは±2 mmとする。 

5) 木材片は,気乾状態でその質量を0.1 gのけたまではかる。 

5.2.3.2 

試験体 

試験体は,処理試験体及び無処理試験体の2種類とし,それぞれ次による。また,各試験体にはその上

部に試験体番号を記した耐久性の高い材質のプレートを付けて,他の試験体と区別できるようにする。 

a) 処理試験体 処理試験体は,次による。 

1) 木材片を注入装置に入れて減圧し,試料を吸収させながら規定の試料吸収量に達するように加圧状

態で3時間以上放置する。その後,試料中から木材片を取り出し,これを軽くぬぐい,直ちにその

質量を1 gのけたまではかる。 

2) 木材片の試料注入量は,式(12)によって算出し,小数点第1位を四捨五入して整数とする。 

000

1

4

17

18

2

×

=

V

m

m

U

 ································································ (12) 

ここに, 

U2: 試料注入量(kg/m3) 

m17: 注入処理前の木材片の乾燥質量(g) 

m18: 注入処理直後の木材片の質量(g) 

V4: 木材片の体積(cm3) 

3) 処理試験体は,木材片の試料吸収量が,水溶性及び乳化性試料にあっては700 kg/m3以上,油性及

び油溶性試料にあっては560 kg/m3以上のものを選び出し,20日間以上室温に放置したものとする。 

b) 無処理試験体 5.2.3.1 a)に規定する木材片で,試験地における土壌微生物の活力の判定に用いる。 

c) 試験体の個数 試験体の個数は,処理試験体及び無処理試験体とも1試料につき繰返し個数を10とす

る。 

5.2.3.3 

試験 

試験は,次による。 

12 

K 1571:2010  

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

a) 試験地 試験しようとする地域を代表する場所で,比較的肥よく(沃)な土壌に覆われた裸地とする。 

b) 試験方法 処理試験体と無処理試験体とを,各試験体間が最低でも0.3 m以上離れるように格子状に

配置し,試験体は地下表面下0.3 mの深さまで垂直に埋め込む。 

c) 被害度の判定  処理試験体及び無処理試験体を頭部,地際部及び地下部に分け,最低でも年1回定期

的に取り出して観察し,次の基準で被害度を判定する。 

0 : 健全 

1 : 部分的に軽度の腐朽又はぎ(蟻)害 

2 : 全面的に軽度の腐朽又はぎ害 

3 : 2の状態の上に部分的に激しい腐朽 

4 : 全面的に激しい腐朽又はぎ害 

5 : 腐朽又はぎ害によって形が崩れる 

5.2.3.4 

計算 

計算は,次による。 

a) 薬剤吸収量 試験体の薬剤吸収量は,式(13)によって算出し,その平均値を有効数字3けたまで求め

る。 

10

)

(

4

4

17

18

4

×

×

=

C

V

m

m

R

 ···························································· (13) 

ここに, 

R4: 薬剤吸収量(kg/m3) 

m17: 注入処理前の木材片の乾燥質量(g) 

m18: 注入処理直後の木材片の質量(g) 

C4: 試料の濃度(質量分率%) 

V4: 木材片の体積(cm3) 

b) 耐朽比 処理試験体及び無処理試験体の被害度を定期的に測定し,その平均値を小数点第2位で四捨

五入して算出する。その値が2.5に達したときの経過期間をそれぞれの試験体の耐用年数とする。耐

朽比を式(14)によって計算し,小数点第1位を四捨五入して整数とする。 

3

4

2

Y

Y

D=

················································································· (14) 

ここに, 

D2: 耐朽比 

Y3: 無処理試験体の耐用年数 

Y4: 処理試験体の耐用年数 

5.2.3.5 

試験の有効性 

無処理試験体を設置してから4年経過しても,被害度の平均値が2.5未満のときは,再試験を実施する。 

5.3 

防ぎ(蟻)性能 

5.3.1 

室内試験 

5.3.1.1 

注入処理用 

5.3.1.1.1 

材料 

a) 木材片 木材片は,5.2.1.1.1 a)による。 

b) 供試虫 供試虫は,イエシロアリCoptotermes formosanus SHIRAKIとする。供試虫の採取地は問わな

い。 

c) 飼育容器 飼育容器は,直径80 mm,高さ60 mmのアクリル樹脂製の円筒の一部に,JIS T 6605に規

定する歯科用硬質石こうを厚さ約5 mmに固めたものとする。これをあらかじめ脱脂綿100 gに水130

13 

K 1571:2010  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

〜150 mLを加えた湿潤綿を厚さ約10 mmに敷き詰めたふた付き容器の中に置く。ふたには通気のた

め小孔をあけておく。 

5.3.1.1.2 

試験体 

試験体は,処理試験体,補正用試験体及び無処理試験体の3種類とし,それぞれ次による。 

a) 処理試験体 処理試験体は,5.2.1.1.2 a)による。 

b) 補正用試験体 補正用試験体は,5.2.1.1.2 b)による。 

c) 無処理試験体 無処理試験体は,5.2.1.1.1 a)に規定する木材片で,食害操作における供試虫の活力の

判定に用いる。 

d) 試験体の個数 試験体の個数は,処理試験体及び無処理試験体とも1試料につき繰返し個数を5とす

る。補正用試験体についても,1試料につき繰返し個数を5とする。 

5.3.1.1.3 

試験 

各試験体に対して耐候操作を行った後に,食害操作を行う。ただし,補正試験体については,食害操作

に換えて補正操作を行う。 

a) 耐候操作 各試験体5個を一組とするほか,5.2.1.1.3 a)による。 

b) 耐候操作を終わった試験体 耐候操作を終わった試験体は,温度60±2 ℃の循環式乾燥器で48時間

乾燥した後,約30分間デシケータ中に放置して,その質量を0.01 gのけたまではかる。 

c) 食害操作 食害操作は,次による。 

1) 飼育容器の硬質石こう(膏)の上に厚さ約1 mmのプラスチック製の網を置き,その上に試験体1

個を木口面が上下になるように置く。 

2) しろありを巣から無作為に取り,飼育容器1個に職ぎ(蟻)150頭と兵ぎ(蟻)15頭を投入する。 

3) 飼育容器は,温度28±2 ℃の暗所に21日間静置する。試験期間中に死亡したしろありは,速やか

に容器から除去する。また,飼育容器内にかびが発生した場合も同様に除去する。 

d) 補正操作 補正操作は,次による。 

1) 飼育容器の硬質石こうの上に厚さ約1 mmのプラスチック製の網を置き,その上に試験体1個を木

口面が上下になるように置く。 

2) 飼育容器は温度28±2 ℃の暗所に21日間静置する。飼育容器内にかびが発生した場合は除去する。 

e) 食害操作を終わった試験体 食害操作終了後,試験体を飼育容器から取り出し,試験体表面の付着物

を十分に取り除き,約24時間風乾した後,温度60±2 ℃の循環式乾燥器で48時間乾燥し,約30分

間デシケータ中に放置して,その質量を0.01 gのけたまではかる。 

5.3.1.1.4 

計算 

計算は,次による。 

a) 薬剤吸収量 試験体の薬剤吸収量を式(15)によって算出し,その平均値を有効数字3けたで表示する。 

10

)

(

5

5

19

20

5

×

×

=

C

V

m

m

R

 ···························································· (15) 

ここに, 

R5: 薬剤吸収量(kg/m3) 

m19: 注入処理前の木材片の乾燥質量(g) 

m20: 注入処理直後の木材片の質量(g) 

C5: 試料の濃度(質量分率%) 

V5: 木材片の体積(cm3) 

b) 質量減少率 個々の試験体の質量減少率は,式(16)によって算出し,平均値を求め,小数点第1位で

四捨五入して整数とする。 

14 

K 1571:2010  

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

100

21

22

21

4

×

=

m

m

m

L

 ·································································· (16) 

ここに, 

L4: 質量減少率(%) 

m21: 食害操作前の試験体の乾燥質量(g) 

m22: 食害操作後の試験体の乾燥質量(g) 

処理試験体の質量減少率(%)は,食害操作を終わった試験体の質量減少率から補正用試験体の平

均質量減少率(%)を減じたものとする。 

c) 死虫率 職ぎ(蟻)の死虫率は,式(17)によって算出し,平均値を求め,小数点第1位を四捨五入し

て整数とする。 

100

150

1

1

×

=d

M

 ········································································ (17) 

ここに, 

M1: 死虫率(%) 

d1: 食害操作における職ぎ(蟻)の総死亡数 

5.3.1.1.5 

試験の有効性 

処理試験体と同時に試験した無処理試験体の平均質量減少率が15 %未満の場合は,再試験を実施する。 

5.3.1.2 

表面処理用 

5.3.1.2.1 

材料 

a) 木材片 木材片は,次による。 

1) 正常で健全なすぎ辺材とし,木材片は,気乾状態の同一木材から採取する。ただし,すぎに代えて,

くろまつ又はあかまつの辺材を用いてもよい。 

2) 木材片は,二方まさで各面を平滑,かつ,かんな仕上げしたものを用いる。 

3) 木材片の年輪数は,10 mmにつき3〜5とし,乾燥したときの密度が0.25〜0.32 g/cm3のものを用い

る。 

4) 木材片の形状は,木口面10 mm×10 mm,高さ20 mmとする。木口面及び高さの寸法の許容差は±

0.5 mmとする。 

5) 木材片は,温度60±2 ℃の循環式乾燥器で48時間乾燥し,約30分間デシケータ中に放置した後,

その質量を0.01 gのけたまではかり,吸湿しないようデシケータ中に保管する。 

b) 供試虫 供試虫は,5.3.1.1.1 b)による。 

c) 飼育容器 飼育容器は,5.3.1.1.1 c)による。 

5.3.1.2.2 

試験体 

試験体は,処理試験体及び無処理試験体の2種類とし,それぞれ次による。 

a) 処理試験体 

1) 木材片に試料を塗布,吹付け又は浸せき処理して,その質量を0.01 gのけたまではかる。ただし,

浸せき処理では,処理後の木材片の表面を軽くぬぐった直後の質量とする。 

2) 木材片の試料処理量は,式(18)によって算出し,小数点第1位を四捨五入して整数とする。 

000

10

2

23

24

2

×

=

T

m

m

B

 ······························································ (18) 

ここに, 

B2: 試料処理量(g/m2) 

m23: 表面処理前の木材片の風乾状態での質量(g) 

m24: 表面処理後の木材片の質量(g) 

T2: 木材片の表面積(cm2) 

3) 処理試験体は,木材片の試料処理量が110±10 g/m2とし,7日間以上室温に放置したものとする。 

15 

K 1571:2010  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

b) 無処理試験体 5.3.1.2.1 a)に規定する木材片で,食害操作における供試虫の活力の判定に用いる。 

c) 試験体の個数 試験体の個数は,処理試験体及び無処理試験体とも1試料につき繰返し個数を5とす

る。 

5.3.1.2.3 

試験 

試験は,次による。 

a) 耐候操作 各試験体5個を一組とするほか,5.2.1.2.3 a)による。 

b) 耐候操作を終わった試験体 耐候操作を終わった試験体は,温度60±2 ℃の循環式乾燥器で48時間

乾燥した後,約30分間デシケータ中に放置して,その質量を0.01 gのけたまではかる。 

c) 食害操作 食害操作は,5.3.1.1.3 c)による。 

d) 食害操作を終わった試験体 食害操作終了後,試験体を飼育容器から取り出し,試験体表面の付着物

を十分に取り除き,約24時間風乾した後,温度60±2 ℃の循環式乾燥器で48時間乾燥し,約30分

間デシケータ中に放置して,その質量を0.01 gのけたまではかる。 

5.3.1.2.4 

計算 

計算は,次による。 

a) 質量減少率 個々の試験体の質量減少率は,式(19)によって算出し,平均値を求め,小数点第1位を

四捨五入して整数とする。 

100

26

26

25

5

×

=

m

m

m

L

 ·································································· (19) 

ここに, 

L5: 質量減少率(%) 

m25: 食害操作前の試験体の乾燥質量(g) 

m26: 食害操作後の試験体の乾燥質量(g) 

b) 死虫率 職ぎ(蟻)の死虫率は,式(20)によって算出し,平均値を求め,小数点第1位を四捨五入し

て整数とする。 

100

150

2

2

×

=d

M

 ········································································ (20) 

ここに, 

M2: 死虫率(%) 

d2: 食害操作における職ぎ(蟻)の総死亡数 

5.3.1.2.5 

試験の有効性 

処理試験体と同時に試験した無処理試験体の平均質量減少率が20 %未満のときは,再試験を実施する。 

5.3.2 

野外試験 

5.3.2.1 

注入処理用 

5.3.2.1.1 

材料 

a) 木材片 木材片は,次による。 

1) 正常で健全なすぎ辺材とし,木材片は,気乾状態の同一木材から採取する。ただし,すぎに代えて,

くろまつ又はあかまつの辺材を用いてもよい。 

2) 木材片は,二方まさで各面を平滑,かつ,かんな仕上げしたものを用いる。 

3) 木材片の年輪数は,10 mmにつき3〜5とし,乾燥したときの密度が0.25〜0.32 g/cm3のものを用い

る。 

4) 木材片の形状は,木口面30 mm×30 mm,長さ350 mmとし,一端を約50 mm削ってくい(杭)状

とする。寸法の許容誤差は,木口面が±0.5 mm,長さは±2 mmとする。 

5) 木材片は,気乾状態でその質量を0.1 gのけたまではかる。 

16 

K 1571:2010  

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.3.2.1.2 

試験体 

試験体は,処理試験体及び無処理試験体の2種類とし,それぞれ次による。また,各試験体には,その

上部に試験体番号を記した耐久性の高い材質のプレートを付けて,他の試験体と区別できるようにする。 

a) 処理試験体 処理試験体は,次による。 

1) 木材片を注入装置などの中に入れて減圧し,試料を吸収させながら規定の試料吸収量に達するよう

に加圧状態で3時間以上放置する。その後,試料中から木材片を取り出し,これを軽くぬぐい,直

ちにその質量を0.1 gのけたまではかる。 

2) 木材片の試料注入量は,式(21)によって算出し,小数点第1位を四捨五入して整数とする。 

000

1

6

27

28

6

×

=

V

m

m

U

 ······························································· (21) 

ここに, 

U6: 試料注入量(kg/m3) 

m27: 注入処理前の木材片の乾燥質量(g) 

m28: 注入処理直後の木材片の質量(g) 

V6: 木材片の体積(cm3) 

3) 処理試験体は,木材片の試料吸収量が,水溶性及び乳化性試料にあっては700 kg/m3以上,油性及

び油溶性試料にあっては560 kg/m3以上を選び出し,20日間以上室温に放置したものとする。くろ

まつ又はあかまつの辺材を用いたときは,それぞれ550 kg/m3以上,440 kg/m3以上とする。 

b) 無処理試験体 5.3.2.1.1 a)に規定する木材片で,試験地におけるしろありの活力の判定に用いる。 

c) 試験体の個数 試験体の個数は,処理試験体及び無処理試験体とも1試料につき繰返し個数を5とす

る。 

5.3.2.1.3 

試験 

試験は,次による。 

a) 試験地 試験地はイエシロアリの生息地で,周囲の木材がしろありによって1年以上食害されている

ことが確認されている裸地とする。 

b) 試験方法 処理試験体及び無処理試験体を,各試験体間が間隔0.3 mで格子状に配置し,試験体は,

深さ0.3 mまで垂直に地下に埋め込む。試験期間は2年間とする。 

c) 食害度の判定 1年経過ごとに,処理試験体及び無処理試験体を試験地から抜き取り,試験体の表面

の土壌を取り除いて地中部の状態を観察し,次の基準で評価する。 

 0 : 健全 

 10 : 表面の一部に浅い食害 

 30 : 表面の一部に内部までの食害 

 50 : 内部の広い範囲に食害 

 100 : 食害によって形が崩れる 

5.3.2.1.4 

計算 

計算は,次による。 

a) 薬剤吸収量 試験体の薬剤吸収量を式(22)によって算出し,その平均値を有効数字3けたで表示する。 

10

)

(

6

6

27

28

6

×

×

=

C

V

m

m

R

 ··························································· (22) 

ここに, 

R6: 薬剤吸収量(kg/m3) 

m27: 注入処理前の木材片の乾燥質量(g) 

m28: 注入処理直後の木材片の質量(g) 

17 

K 1571:2010  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

C6: 試料の濃度(質量分率%) 

V6: 木材片の体積(cm3) 

b) 平均食害度 処理試験体の平均食害度は,式(23)によって算出する。 

5

1

1

S

F=

 ················································································· (23) 

ここに, 

F1: 平均食害度 

S1: 処理試験体の食害度の合計値 

c) 食害発生率 処理試験体の食害発生率は,式(24)によって算出する。 

100

5

1

1

×

=N

P

 ·········································································· (24) 

ここに, 

P1: 食害発生率(%) 

N1: 食害された処理試験体の個数 

d) 食害指数 処理試験体の食害指数は,式(25)によって算出し,小数点第1位を四捨五入して整数とす

る。 

100

1

1

1

P

F

I

×

=

 ··········································································· (25) 

ここに, 

I1: 食害指数 

F1: 処理試験体の平均食害度 

P1: 処理試験体の食害発生率(%) 

5.3.2.1.5 

試験の有効性 

無処理試験体を設置してから1年経過しても,無処理試験体に食害が認められないときは,試験地を移

動して再試験を実施する。 

5.3.2.2 

表面処理用 

5.3.2.2.1 

材料 

a) 木材片 木材片は,次による。 

1) 正常で健全なすぎ辺材とし,木材片は,気乾状態の同一木材から採取する。ただし,すぎに代えて,

くろまつ又はあかまつの辺材を用いてもよい。 

2) 木材片は,二方まさで各面を平滑,かつ,かんな仕上げしたものを用いる。 

3) 木材片の年輪数は,10 mmにつき3〜5とし,乾燥したときの密度が0.25〜0.32 g/cm3のものを用い

る。 

4) 試験体に用いる木材片の形状は,木口面30 mm×30 mm,長さ150 mmとし,寸法の許容差は木口

面±0.5 mm,長さ±2 mmとする。 

5) 試験体に用いる木材片は,気乾状態でその質量を0.1 gのけたまではかる。 

6) 誘ぎ(蟻)くい(杭)は,試験地におけるしろありを誘導すると同時にしろありの活力の判定に用

い,その形状は木口面約30×30 mm,長さ約350 mmとし,一端を約50 mm削ってくい(杭)状と

する。 

b) 箱形容器 箱形容器は,図2のような,厚さが4 mm以上の窯業系ボード又は耐久性のある硬質プラ

スチック板で構成され,その寸法は,幅0.45 m,奥行き0.45 m,高さ0.30 mとする。容器の上部表面

に穴を開け,直径0.15 m,高さ0.05 mのJIS K 6741に規定する硬質ポリ塩化ビニル管又はこれに類

似するプラスチックで構成される円筒を設置し,これよりやや大きい直径の試験期間中に劣化するお

それのない材質で構成される上ぶたをかぶせる。円筒と上ぶたとの間には,箱形容器内の過度の温湿

度上昇を防ぐために,適切な間隔をあける。また,接合部は,防水材料を充てんして雨水の浸入を防

background image

18 

K 1571:2010  

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

ぐようにする。 

なお,箱形容器の代わりに図3のような園芸用の13号平型植木鉢(素焼き)を用いてもよい。 

処理試験体 

れんが 

誘ぎ(蟻)くい(杭) 

図2−野外試験用の箱形容器 

処理試験体 

れんが 

誘ぎ(蟻)くい(杭) 

植木鉢 

Pタイル 

図3−野外試験用の植木鉢 

5.3.2.2.2 

試験体 

試験体は,処理試験体の1種類とし,次による。また,各試験体には,記号番号を記した耐久性の高い

材質のプレートを付けて,他の試験体と区別できるようにする。 

a) 処理試験体 処理試験体は,次による。 

1) 木材片に試料を塗布,吹付け又は浸せき処理して,その質量を0.01 gのけたまではかる。ただし,

浸せき処理では,処理後の木材片の表面を軽くぬぐった直後の質量とする。 

2) 木材片の試料処理量は,式(26)によって算出し,小数点第1位を四捨五入して整数とする。 

000

10

3

29

30

3

×

=

T

m

m

B

 ······························································ (26) 

ここに, 

B3: 試料処理量(g/m2) 

m29: 表面処理前の木材片の風乾状態での質量(g) 

m30: 表面処理直後の木材片の質量(g) 

T3: 木材片の表面積(cm2) 

3) 処理試験体は,木材片の試料処理量が110±10 g/m2とし,7日間以上室温に放置したものとする。 

19 

K 1571:2010  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

b) 試験体の個数 試験体の個数は,1試料につき繰返し個数を5とする。 

5.3.2.2.3 

試験 

試験は,次による。 

a) 試験地 試験地は,5.3.2.1.3 a)による。 

b) 試験方法 JIS R 1250に規定する普通れんが又はこれと同等のれんがを約1 m間隔地表面に配置し,

その上に処理試験体1個を設置する。れんがの近くには,誘ぎ(蟻)くい(杭)2本を地下0.3 mの

深さまで垂直に打ち込む。さらに,箱形容器を下部0.05 mが土中に埋まるようにして設置し,試験体

を覆うようにする。試験期間は2年間とする。 

c) 食害度の判定 処理試験体は,1年経過ごとに,5.3.2.1.3 c)によって食害度を評価する。 

5.3.2.2.4 

計算 

計算は,次による。 

a) 平均食害度 処理試験体の平均食害度は,式(27)によって算出する。 

5

2

2

S

F=

 ················································································· (27) 

ここに, 

F2: 平均食害度 

S2: 処理試験体の食害度の合計値 

b) 食害発生率 処理試験体の食害発生率は,式(28)によって算出する。 

100

5

2

2

×

=N

P

 ·········································································· (28) 

ここに, 

P2: 食害発生率(%) 

N2: 食害された処理試験体の個数 

c) 食害指数 処理試験体の食害指数は,式(29)によって算出し,小数点第1位を四捨五入して整数とす

る。 

100

2

2

2

P

F

I

×

=

··········································································· (29) 

ここに, 

I2: 食害指数 

F2: 処理試験体の平均食害度 

P2: 処理試験体の食害発生率(%) 

5.3.2.2.5 

試験の有効性 

誘ぎ(蟻)くい(杭)を設置してから1年経過しても,誘ぎ(蟻)くい(杭)に食害が認められない場

合は,試験地を移動して再試験を実施する。 

5.4 

鉄腐食性能 

5.4.1 

注入処理用 

5.4.1.1 

材料 

a) 木材片 木材片は,次による。 

1) 正常で健全なすぎ辺材とし,木材片は,気乾状態の同一木材から採取する。 

2) 木材片は,二方まさで各面を平滑,かつ,かんな仕上げしたものを用いる。 

3) 木材片の年輪数は,10 mmにつき3〜5とし,乾燥したときの密度が0.25〜0.32 g/cm3のものを用い

る。 

4) 木材片の形状は,木口面20 mm×20 mm,長さ45 mmとする。木口面及び長さの寸法の許容差は±

0.5 mmとする。 

20 

K 1571:2010  

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5) 木材片は,温度60±2 ℃の循環式乾燥器で48時間乾燥し,約30分間デシケータ中に放置した後,

その質量を0.01 gのけたまではかり,吸湿しないようデシケータ中に保管する。 

b) くぎ くぎは,JIS A 5508に規定するN38(長さ38 mm)の鉄丸くぎで,清浄なものとする。くぎは

試験前にJIS K 8848に規定するn-ヘキサンで脱脂した後,乾燥する。 

5.4.1.2 

試験体 

試験体は,処理試験体及び無処理試験体の2種類とし,それぞれ次による。 

a) 処理試験体 

1) ビーカに入れた木材片を真空デシケータ又は注入装置に入れて減圧し,試料を吸収させながら常圧

又は加圧状態で規定の試料吸収率に達するように30分から1時間程度放置する。その後,試料中か

ら木材片を取り出し,これを軽くぬぐい,直ちにその質量を0.01 gのけたまではかる。 

2) 木材片の試料吸収率は,式(30)によって算出し,小数点第1位を四捨五入して整数とする。 

100

31

31

32

4

×

=

m

m

m

A

 ·································································· (30) 

ここに, 

A4: 試料吸収率(%) 

m31: 注入処理前の木材片の乾燥質量(g) 

m32: 注入処理直後の木材片の質量(g) 

3) 処理試験体は,木材片の試料吸収率が,水溶性及び乳化性試料にあっては(250±10)%,油性及び

油溶性試料にあっては(200±10)%の試料吸収率のものを規定個数選び出し,20日間以上室温に

放置したものとする。 

b) 無処理試験体 無処理試験体は,5.4.1.1 a)による。 

c) 試験体の個数 試験体の個数は,処理試験体及び無処理試験体とも1試料につき繰返し個数を5とす

る。 

5.4.1.3 

試験 

試験は,次による。 

a) くぎ2本一組として0.001 gのけたまで質量をはかり,無処理試験体及び処理試験体それぞれに木口面

に打ち込む。打ち込む位置は木口の1対角線を3等分する2点とする。割れが入らないように,あら

かじめくぎより細いきり(錐)などで孔をあけてから,くぎを頭部まで垂直に打ち込む。 

b) あらかじめJIS K 8962に規定する硫酸カリウムの結晶が共存する飽和溶液を用いて,温度40±2 ℃,

相対湿度約97 %に調節したデシケータ(内径18 cm)中にくぎを打ち込んだ試験体を入れ,その温度

を保ったまま10日間放置する。 

c) 各試験体からくぎを抜き取り,直ちにビーカ中の,JIS K 8284に規定するくえん酸水素二アンモニウ

ムを用いて調製した質量分率10 %のくえん酸水素二アンモニウム溶液中に浸せきし,時計皿で覆い,

20分間同一条件で煮沸した後,よく水洗し,布でぬぐい,鉄さびを十分に除いて乾燥後,その質量を

0.001 gのけたまではかる。 

5.4.1.4 

計算 

計算は,次による。 

a) 薬剤吸収量 試験体の薬剤吸収量を式(31)によって算出し,その平均値を有効数字3けたで表示する。 

10

)

(

7

7

31

32

7

×

×

=

C

V

m

m

R

 ···························································· (31) 

ここに, 

R7: 薬剤吸収量(kg/m3) 

m31: 注入処理前の木材片の乾燥質量(g) 

21 

K 1571:2010  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

m32: 注入処理直後の質量(g) 

C7: 試料の濃度(質量分率%) 

V7: 木材片の体積(cm3) 

b) 質量減少率 個々の試験体のくぎの質量減少率は,式(32)によって算出し,平均値を求める。 

なお,質量減少率の平均(x)及び標準偏差(s)の計算は,JIS Z 9041-1によって行い,小数点第

2位を四捨五入する。 

100

33

34

33

6

×

=

m

m

m

L

 ·································································· (32) 

ここに, 

L6: 質量減少率(%) 

m33: 各試験体への暴露前のくぎの乾燥質量(g) 

m34: 各試験体への暴露後のくぎの乾燥質量(g) 

c) 鉄腐食比 試験体の鉄腐食比は,式(33)によって算出し,小数点第2位を四捨五入する。 

7

8

1

L

L

E=

 ················································································· (33) 

ここに, 

E1: 鉄腐食比 

L7: 無処理試験体のくぎの平均質量減少率(%) 

L8: 処理試験体のくぎの平均質量減少率(%) 

5.4.1.5 

試験の有効性 

処理試験体と同時に試験した無処理試験体のくぎの平均質量減少率が2.0 %以上のときは,再試験を実

施する。 

5.4.2 

表面処理用 

5.4.2.1 

材料 

a) 木材片 木材片は,次による。 

1) 正常で健全なすぎ辺材とし,木材片は,気乾状態の同一木材から採取する。 

2) 木材片は,二方まさで各面を平滑,かつ,かんな仕上げしたものを用いる。 

3) 木材片の年輪数は,10 mmにつき3〜5とし,乾燥したときの密度が0.25〜0.32 g/cm3のものを用い

る。 

4) 木材片の形状は,木口面20 mm×20 mm,長さ40 mmとする。木口面及び長さの寸法の許容差は,

±0.5 mmとする。 

5) 木材片は,温度60±2 ℃の循環式乾燥器で48時間乾燥し,約30分間デシケータ中に放置した後,

その質量を0.01 gのけたまではかり,吸湿しないようデシケータ中に保管する。 

b) くぎ くぎは,5.4.1.1 b)による。 

5.4.2.2 

試験体 試験体は,次による。 

試験体は,処理試験体及び無処理試験体の2種類とし,それぞれ次による。 

a) 処理試験体 処理試験体は,次による。 

1) 木材片に試料を塗布,吹付け又は浸せき処理して,その質量を0.01 gのけたまではかる。ただし,

浸せき処理では,処理後の木材片の表面を軽くぬぐった直後の質量とする。 

2) 木材片の試料処理量は,式(34)によって算出し,小数点第1位を四捨五入して整数とする。 

000

10

4

35

36

4

×

=

T

m

m

B

 ······························································ (34) 

ここに, 

B4: 試料処理量(g/m2) 

m35: 表面処理前の木材片の風燥状態での質量(g) 

22 

K 1571:2010  

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

m36: 表面処理直後の木材片の質量(g) 

T4: 木材片の表面積(cm2) 

3) 処理試験体は,木材片の試料処理量が110±10 g/m2とし,7日間以上室温に放置したものとする。 

b) 無処理試験体 無処理試験体は,5.4.2.1 a)による。 

c) 試験体の個数 試験体の個数は,処理試験体及び無処理試験体とも1試料につき繰返し個数を5とす

る。 

5.4.2.3 

試験 

試験は,次による。 

a) くぎ2本一組として0.001 gのけたまで質量をはかり,無処理試験体及び処理試験体それぞれに2枚を

まさ目面で,くぎの頂点は試験体から露出させて挟み,圧縮してくぎを試験体にめり込ませて固定す

る。 

b) あらかじめJIS K 8962に規定する硫酸カリウムの結晶が共存する飽和溶液を用いて,温度40±2 ℃,

相対湿度約97 %に調節したデシケータ(内径180 mm)中にくぎを挟み込んだ試験体を入れ,その温

度を保ったまま10日間放置する。 

c) 各試験体からくぎを抜き取り,直ちにビーカ中の,JIS K 8284に規定するくえん酸水素二アンモニウ

ムを用いて調製した質量分率10 %のくえん酸水素二アンモニウム溶液中に浸せきし,時計皿で覆い,

20分間同一条件で煮沸した後,よく水洗し,布でぬぐい,鉄さびを十分に除いて乾燥後,その質量を

0.001 gのけたまではかる。 

5.4.2.4 

計算 

計算は,次による。 

a) 質量減少率 個々の試験体のくぎの質量減少率は,式(35)によって算出し,平均値を求める。 

なお,質量減少率の平均(x)及び標準偏差(s)の計算は,JIS Z 9041-1によって行い,小数点第

2位を四捨五入する。 

100

37

38

37

9

×

=

m

m

m

L

 ·································································· (35) 

ここに, 

L9: 質量減少率(%) 

m37: 各試験体への暴露前のくぎの乾燥質量(g) 

m38: 各試験体への暴露後のくぎの乾燥質量(g) 

b) 鉄腐食比 鉄腐食比は,式(36)によって算出し,小数点第2位を四捨五入する。 

10

11

2

L

L

E=

 ················································································ (36) 

ここに, 

E2: 鉄腐食比 

L10: 無処理試験体のくぎの平均質量減少率(%) 

L11: 処理試験体のくぎの平均質量減少率(%) 

5.4.2.5 

試験の有効性 

処理試験体と同時に試験した無処理試験体のくぎの平均質量減少率が2.0 %以上のときは,再試験を実

施する。 

試験結果の記録 

試験結果の記録は,次による。 

6.1 

防腐性能 

background image

23 

K 1571:2010  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

6.1.1 

室内試験 

6.1.1.1 

注入処理用 

注入処理用木材保存剤の防腐性能試験(室内試験・注入処理用)の記録方法は,表4による。 

表4−防腐性能試験(室内試験・注入処理用)の記録方法 

試験薬剤名           溶媒又は希釈剤名          

試験体 

供試菌名 

薬剤吸収量 

kg/m3 

質量減少率 % 

特記事項a) 

平均 

標準偏差 

処理試験体 

オオウズラタケ 

カワラタケ 

無処理試験体 

オオウズラタケ 

カワラタケ 

注a) 供試菌の発育状態,培養基の乾燥程度,処理試験体への菌糸の接触状態及び被覆の程度などを記載する。 

6.1.1.2 

表面処理用 

表面処理用木材保存剤の防腐性能試験(室内試験・表面処理用)の記録方法は,表5による。 

表5−防腐性能試験(室内試験・表面処理用)の記録方法 

試験薬剤名           溶媒又は希釈剤名           指定濃度(質量分率%)     

試験体 

供試菌名 

試料処理量 

g/m2 

質量減少率 % 

特記事項a) 

平均 

標準偏差 

処理試験体 

オオウズラタケ 

カワラタケ 

無処理試験体 

オオウズラタケ 

カワラタケ 

注a) 供試菌の発育状態,培養基の乾燥程度,処理試験体への菌糸の接触状態及び被覆の程度などを記載する。 

6.1.2 

ファンガスセラー試験 

6.1.2.1 

培養瓶試験 

注入処理用木材保存剤の防腐性能試験(ファンガスセラー試験・培養瓶試験)の記録方法は,表6によ

る。 

表6−防腐性能試験(ファンガスセラー試験・培養瓶試験)の記録方法 

試験薬剤名           溶媒又は希釈剤名          

試験体 

薬剤吸収量 

kg/m3 

質量減少率 % 

特記事項a) 

平均 

標準偏差 

処理試験体 

無処理試験体 

注a) 試験体の性状などを記載する。 

6.1.2.2 

腐朽槽試験 

注入処理用木材保存剤の防腐性能試験(ファンガスセラー試験・腐朽槽試験)の記録方法は,表7によ

る。 

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24 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表7−防腐性能試験(ファンガスセラー試験・腐朽槽試験)の記録方法 

試験薬剤名           溶媒又は希釈剤名          

試験体 

薬剤吸収量 

kg/m3 

被害度 

耐用年数 

年 

耐朽比 

特記事項a) 

平均 

標準偏差 

処理試験体 

無処理試験体 

注a) 菌の発育状態,土壌菌床の乾燥程度,処理試験体への菌糸の被覆の程度などを記載する。 

6.1.2.3 

野外試験 

注入処理用木材保存剤の防腐性能試験(野外試験)の記録方法は,表8による。 

表8−防腐性能試験(野外試験)の記録方法 

試験薬剤名           溶媒又は希釈剤名           試験期間      年 

試験体 

薬剤吸収量 

kg/m3 

被害度 

耐用年数 

年 

耐朽比 

特記事項a) 

平均 

標準偏差 

処理試験体 

無処理試験体 

注a) 試験体の損傷などを記載する。 

6.2 

防ぎ(蟻)性能 

6.2.1 

室内試験 

6.2.1.1 

注入処理用 

注入処理用木材保存剤の防ぎ(蟻)性能試験(室内試験・注入処理用)の記録方法は,表9による。 

表9−防ぎ(蟻)性能試験(室内試験・注入処理用)の記録方法 

試験薬剤名           溶媒又は希釈剤名          

試験体 

薬剤吸収量 

kg/m3 

死虫率 % 

質量減少率 % 

特記事項a) 

平均 

最小−最大 

平均 

最小−最大 

処理試験体 

無処理試験体 

注a) 試験期間中の観察事項,しろありが全数死滅した場合は,その日数,忌避性及びその他を記載する。 

6.2.1.2 

表面処理用 

表面処理用木材保存剤の防ぎ(蟻)性能試験(室内試験・表面処理用)の記録方法は,表10による。 

表10−防ぎ(蟻)性能試験(室内試験・表面処理用)の記録方法 

試験薬剤名           溶媒又は希釈剤名           指定濃度(質量分率%)     

試験体 

試料処理量 

g/m2 

死虫率 % 

質量減少率 % 

特記事項a) 

平均 

最小−最大 

平均 

最小−最大 

処理試験体 

無処理試験体 

注a) 試験期間中の観察事項,しろありが全数死滅した場合は,その日数,忌避性及びその他を記載する。 

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25 

K 1571:2010  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

6.2.2 

野外試験 

6.2.2.1 

注入処理用 

注入処理用木材保存剤の防ぎ(蟻)性能試験(野外試験・注入処理用)の記録方法は,表11による。 

表11−防ぎ(蟻)性能試験(野外試験・注入処理用)の記録方法 

試験薬剤名           溶媒又は希釈剤名          

薬剤吸収量 

kg/m3 

試験体 No. 

食害度 

特記事項a) 

1年目 

2年目 





食害指数 

注a) 無処理試験体の食害状況,加害したしろあり種(イエシロアリ以外の場合は必す),試験期間

中の観察事項及びその他を記載する。 

6.2.2.2 

表面処理用 

表面処理用木材保存剤の防ぎ(蟻)性能試験(野外試験・表面処理用)の記録方法は,表12による。 

表12−防ぎ(蟻)性能試験(野外試験・表面処理用)の記録方法 

試験薬剤名         溶媒又は希釈剤名         指定濃度(質量分率%)     

試料処理量 

g/m2 

試験体 No. 

食害度 

特記事項a) 

1年目 

2年目 





食害指数 

注a) 誘ぎ(蟻)くい(杭)の食害状況,加害したしろあり種(イエシロアリ以外の場合は必す),

試験期間中の観察事項及びその他を記載する。 

6.3 

鉄腐食性能 

6.3.1 

注入処理用 

注入処理用木材保存剤の鉄腐食性能試験(注入処理用)の記録方法は,表13による。 

表13−鉄腐食性能試験(注入処理用)の記録方法 

試験薬剤名           溶媒又は希釈剤名          

試験体 

薬剤吸収量 

kg/m3 

質量減少率 % 

鉄腐食比 

特記事項 

平均 

標準偏差 

処理試験体 

無処理試験体 

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26 

K 1571:2010  

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

6.3.2 

表面処理用 

表面処理用木材保存剤の鉄腐食性能試験(表面処理用)の記録方法は,表14による。 

表14−鉄腐食性能試験(表面処理用)の記録方法 

試験薬剤名           溶媒又は希釈剤名           指定濃度(質量分率%)     

試験体 

試料処理量 

g/m2 

質量減少率 % 

鉄腐食比 

特記事項 

平均 

標準偏差 

処理試験体 

無処理試験体 

27 

K 1571:2010  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書A 

(規定) 

限定用途のための防腐性能試験及び防ぎ(蟻)性能試験 

A.1 適用範囲 

この附属書は,屋根,外壁板などによって風雨から遮断され,かつ,地面に直接接触しない建築用木材

のように,通常,水分が供給される可能性が少ないが,突発的に高湿度の環境下におかれる可能性のある

木材に使用する木材保存剤の防腐性能及び防ぎ(蟻)性能を評価するための防腐性能試験(室内試験)及

び防ぎ(蟻)性能試験(室内試験)について規定する。 

A.2 性能基準 

この附属書で規定する防腐性能試験(室内試験)及び防ぎ(蟻)性能試験(室内試験)に対応する性能

基準は,箇条4による。 

A.3 防腐性能及び防ぎ(蟻)性能試験 

次に示す項目以外は,本体による。 

a) 補正用試験体 試料が試験中に成分の一部が揮散,拡散などによって試験体の質量が減少するおそれ

があるものについては,5.2.1.2.2又は5.3.1.2.2の試験体の中に補正用試験体を追加する。補正用試験

体は,処理試験体と同じに処理したものであって,その個数は処理試験体と同数とする。 

b) 耐候操作 溶脱操作及び揮散操作からなる5.2.1.1.3 a)又は5.3.1.1.3 a),及び5.2.1.2.3 a)又は5.3.1.2.3 a)

の耐候操作については,各試験体を温度60±2 ℃の循環式乾燥器中に7日間静置する揮散操作だけを

行うものとする。 

A.4 試験報告 

試験報告は,次による。 

a) 試験結果の記録 試験結果を記録するときは,箇条6による。また,この試験は,附属書による試験

であることを明記する。 

b) 使用者側への明示 この試験結果は,適用範囲が限定されていることを使用者側へ明示する。