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K 1522:2012  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 品質······························································································································· 1 

4 試験方法························································································································· 2 

4.1 一般事項 ······················································································································ 2 

4.2 試料採取方法 ················································································································ 2 

4.3 外観 ···························································································································· 4 

4.4 色 ······························································································································· 4 

4.5 密度(20 ℃)又は比重(20/20 ℃) ·················································································· 4 

4.6 純度(C3H7OH) ··········································································································· 4 

4.7 蒸発残分 ······················································································································ 6 

4.8 遊離酸(酢酸として) ···································································································· 6 

4.9 水溶性 ························································································································· 7 

4.10 水分 ··························································································································· 7 

5 表示······························································································································· 7 

6 安全衛生上の注意事項 ······································································································· 7 

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(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,石油化学工業協会

(JPCA)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの

申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS K 1522:2006は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 1522:2012 

イソプロピルアルコール 

(イソプロパノール) 

Isopropyl alcohol (Isopropanol)  

CH3CH(OH)CH3 

序文 

この規格は,1960年に制定され,その後4回の改正を経て今日に至っている。今回は,国際単位に変更

し,かつ,試験方法を最新のものに合わせるために改正した。 

適用範囲 

この規格は,工業用のイソプロピルアルコールについて規定する。 

警告 この規格に基づいて試験を行う者は,通常の実験室での作業に精通していることを前提とする。

この規格は,その使用に関連して起こる全ての安全上の問題を取り扱おうとするものではない。

この規格の利用者は,各自の責任において安全及び健康に対する適切な措置をとらなければな

らない。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS K 0050 化学分析方法通則 

JIS K 0061 化学製品の密度及び比重測定方法 

JIS K 0068 化学製品の水分測定方法 

JIS K 0071-1 化学製品の色試験方法−第1部:ハーゼン単位色数(白金−コバルトスケール) 

JIS K 0114 ガスクロマトグラフ分析通則 

JIS K 0557 用水・排水の試験に用いる水 

JIS K 1107 窒素 

JIS K 8001 試薬試験方法通則 

JIS K 8574 水酸化カリウム(試薬) 

JIS Z 8401 数値の丸め方 

品質 

イソプロピルアルコールは,無色透明の液体で,特異な臭気があり,その品質は,箇条4によって試験

したとき,表1による。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表1−品質 

項目 

単位 

性能 

試験方法 

外観 

− 

透明で異物のない液体 

4.3 

色 

ハーゼン色数 

20以下 

4.4 

密度(20 ℃) 
又は比重(20/20 ℃) 

g/cm3 

0.784〜0.787 

4.5 

− 

0.785〜0.788 

4.5 

純度(C3H7OH) 

質量分率 % 

99.0以上 

4.6 

蒸発残分 

質量分率 % 

0.002以下 

4.7 

遊離酸(酢酸として) 

質量分率 % 

0.002以下 

4.8 

水溶性 

− 

試験適合 

4.9 

水分 

質量分率 % 

1.0以下 

4.10 

注記 JIS Z 8203においては密度への統一を規定しているが,現在,通常の国内外の取引

では,主に比重が使用されている。また,JIS K 0061において比重測定が密度測定
と同様に規定されている。このため,この規格では密度と同様に比重を採用した。 

試験方法 

4.1 

一般事項 

化学分析の一般事項はJIS K 0050,及びガスクロマトグラフ分析の一般事項はJIS K 0114によるほか,

次による。 

a) 単に溶液と記載している場合は,水溶液を示す。 

b) 品質及び試薬において,溶液の濃度を%で示したものは,特に規定のない限り,質量分率を示す。 

c) 液面で目盛を読むときは,次の区分による。 

1) 浮ひょうの場合 JIS K 0061による。 

2) メスシリンダー及びその他の場合 下縁 

d) 温度計は,温度基準器又はこれと同等の精度をもつ温度計によって校正する。 

e) 水は,JIS K 0557のA2,A3又はA4を使用する。 

4.2 

試料採取方法 

製品から試料を採取する方法は,製品の容器の種類に応じて,次のいずれかによる。ただし,これに代

わる方法がある場合は,受渡当事者間の協定によって取り決めてもよい。 

a) 大形容器(タンク,タンク車,タンクローリー,タンカーなど)の場合 大形液体試料採取器1) を用

いて,容器内容物の上層,中層及び下層からそれぞれ1:1:1の割合で採取し,適切な試料容器に移し

てよく混合し,このうちの1 000 mL以上を試験に供する。 

注1) 大形液体試料採取器は,図1に示すような蓋付の金属又はガラス製で,適切な深さのところ

まで入れて蓋を開き,試料を満たしてそのまま取り出せることができる器具が望ましい。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

単位 mm 

図1−大形液体試料採取器の例(容量 約260 mL) 

b) 小形容器(18 L缶,鋼製ドラム缶など)の場合 小形液体試料採取器2) を用いて,幾つかの容器3) か

らそれぞれ等量の試料を採取し,適切な試料容器に移してよく混合し,このうちの500 mL以上を試

験に供する。 

注2) 小形液体試料採取器は,図2に示したようなガラス製で,口を開いたまま容器に入れ,試料

を満たした後,口を閉じて取り出すことができる器具が望ましい。 

3) 2個以上の容器からなる1ロットから幾つかの容器を抜き取り,それらから試料を採取する

場合は,表2に示す個数をランダムに抜き取ることが望ましい。 

単位 mm 

a) 容量 約70 mL 

b) 容量 約140 mL 

図2−小形液体試料採取器(ガラス管)の例 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表2−容器数に対する抜取数 

容器数 

抜取数 

容器数 

抜取数 

2〜8 

217〜343 

9〜27 

344〜512 

28〜64 

513〜729 

65〜125 

730〜1 000 

10 

126〜216 

− 

− 

4.3 

外観 

外観は,次による。 

a) 原理 外観は,ガラス製容器に十分な試料を入れ,目視によって沈殿物及び浮遊物の有無を調べる。 

b) 容器 シリンダーなどの無色透明なガラス製容器で,100 mL以上のもの。 

c) 操作 試料を容器にとり,拡散昼光4) 又はそれと同等の光の下で,目視によって透明であることを確

認し,沈殿物及び浮遊物の有無を確認する。 

注4) 拡散昼光とは,日の出後3時間から日没3時間前までの間の日光の直射を避けた北窓からの

光をいう。 

4.4 

色 

色は,JIS K 0071-1による。 

4.5 

密度(20 ℃)又は比重(20/20 ℃) 

密度(20 ℃)又は比重(20/20 ℃)の試験方法は,次のいずれかによる。 

a) 浮ひょう法 浮ひょう法による測定は,JIS K 0061の7.1(浮ひょう法)による。 

b) 比重瓶法 比重瓶法による測定は,JIS K 0061の7.2(比重瓶法)による。 

c) 振動式密度計法 振動式密度計法による測定は,JIS K 0061の7.3(振動式密度計法)による。 

4.6 

純度(C3H7OH) 

純度は,次による。 

a) 原理 ガスクロマトグラフを用い,ピーク面積から主成分及び各不純物の濃度を求め,水分濃度を補

正して純度を算出する。 

b) 装置及び器具 装置及び器具は,JIS K 0114による。次に一例を示すが,これと同等の性能をもつ分

析条件でもよい。 

装置 ガスクロマトグラフ 

検出器 水素炎イオン化検出器 

カラム 溶融シリカキャピラリーカラム 

    固定相 中極性又は強極性 

    膜厚0.2 μm 

    長さ50 m 

    内径0.25 mm 

マイクロシリンジ 10 μL 

c) 分析条件 次に一例を示すが,これと同等の分離性能をもつ条件でもよい。 

1) 温度 温度は次のとおりとする。 

カラム槽 

60 ℃ 

検出器槽 

180 ℃ 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

試料導入部 180 ℃ 

2) キャリヤーガス 純度99.9 %(体積分率)以上のヘリウム,JIS K 1107に規定する窒素又は同等の

純度をもつ窒素。 

3) スプリット比 1:30 

4) 試料注入量 1 μL 

d) 操作 操作は,次による。 

1) ガスクロマトグラフの操作 マイクロシリンジに試料をとり,ガスクロマトグラフの試料導入部に

素早く導入して,試料のガスクロマトグラムを求める。 

2) ピーク面積測定法 ピーク面積の測定方法は,データ処理装置を用いて計算する。 

3) 定量法 定量法は,JIS K 0114の面積百分率法,補正面積百分率法,内標準法などによる。 

e) ガスクロマトグラムの例 強極性キャピラリーカラム(固定相:ポリエチレングリコール)を用い,

次に示す分析条件で得られたガスクロマトグラムの例を図3に示す。 

1) 温度 

カラム槽 

60 ℃ 

検出器槽 

180 ℃ 

試料導入部 180 ℃ 

2) キャリヤーガス ヘリウム 

3) スプリット比 1:30 

4) 試料注入量 1 μL 

図3−イソプロピルアルコールのガスクロマトグラムの例 

f) 

計算 純度は,次の式によって小数点以下2桁まで求め,JIS Z 8401によって丸める。 

)

(

100

W

E

P

+

=

ここに, 

P: 純度(質量分率 %) 

K 1522:2012  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

E: 各不純物濃度の合計(質量分率 %) 

W: 水分(質量分率 %) 

4.7 

蒸発残分 

蒸発残分は,次による。 

a) 原理 試料を水浴上で蒸発乾固して,残分の質量をはかる。 

b) 装置及び器具 装置及び器具は,次による。 

1) 乾燥器 

2) 白金皿又は類似の形状の石英蒸発皿 

3) はかり 0.1 mgをはかりとれる直示天びん 

4) デシケーター 

c) 操作 試料100 mLを質量既知の白金皿にはかりとり,排気能力を備えた装置内の湯浴上で蒸発乾固

した後,乾燥器中で105±2 ℃で30分間加熱乾燥し,デシケーターに入れ放冷した後,質量をはかる。 

d) 計算 蒸発残分は,次の式によって小数点以下4桁まで求め,JIS Z 8401によって丸める。 

100

×

×

=

G

S

C

D

V

ここに, 

V: 蒸発残分(質量分率 %) 

D: 白金皿及び蒸発乾固した試料の質量(g) 

C: 白金皿の質量(g) 

S: 試料(mL) 

G: 試料の密度(20 ℃)(g/mL) 

4.8 

遊離酸(酢酸として) 

遊離酸(酢酸として)は,次による。 

a) 原理 遊離酸は,中和滴定法によって試験を行い,イソプロピルアルコール中の遊離酸を酢酸の濃度

に換算して求める。 

b) 試薬 試薬は,次による。 

1) 0.1 mol/L水酸化カリウム溶液 JIS K 8574に規定する水酸化カリウム16.5 gをポリエチレン製気密

容器にはかりとり,JIS K 8001の5.7 c)に規定する二酸化炭素を除いた水150 mLを加えて溶かした

後,二酸化炭素を遮り数日間放置する。その上澄み液54 mLをとり,JIS K 8001の5.7 c)に規定す

る二酸化炭素を除いた水を加えて1 000 mLとし,混合した後,ソーダ石灰管を付けて保存する。こ

の溶液25 mLをとり,JIS K 8001の5.7 c)に規定する二酸化炭素を除いた水50 mLを加え,3)のフ

ェノールフタレイン溶液を指示薬としてJIS K 8001のJA.5.2 e) 4)に規定する0.1 mol/L塩酸で標定

する。 

2) 0.1 mol/L水酸化ナトリウム溶液 JIS K 8001のJA.5.2 r) 3)に規定するもの。 

3) フェノールフタレイン溶液 JIS K 8001の表JA.5[指示薬(中和滴定用)]に規定するもの。 

c) 操作 操作は,次による。 

1) 試料50 mLを三角フラスコ300 mLにはかりとる。 

2) 指示薬としてb) 3)のフェノールフタレイン溶液を2〜3滴加え,b) 1)の0.1 mol/L水酸化カリウム溶

液又はb) 2)の0.1 mol/L水酸化ナトリウム溶液で滴定する。フェノールフタレインのごくうすい赤

が15秒間以上消えなくなった時を終点とする。 

3) 別にJIS K 8001の5.7 c)に規定する二酸化炭素を除いた水50 mLをとり,1)及び2)の操作を行い,

空試験値とする。 

K 1522:2012  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

d) 計算 遊離酸(酢酸として)は,次の式によって小数点以下4桁まで求め,JIS Z 8401によって丸め

る。 

100

)

(

01

006

.0

×

×

×

×

=

G

S

F

C

B

A

ここに, 

A: 遊離酸(酢酸として)(質量分率 %) 

B: 滴定に要した0.1 mol/L水酸化カリウム溶液又は0.1 mol/L

水酸化ナトリウム溶液の量(mL) 

C: 空試験の滴定に要した0.1 mol/L水酸化カリウム溶液又は

0.1 mol/L水酸化ナトリウム溶液の量(mL) 

F: 0.1 mol/L水酸化ナトリウム溶液又は0.1 mol/L水酸化カリ

ウム溶液のファクター 

S: 試料(mL) 

G: 試料の密度(20 ℃)(g/mL) 

0.006 01: 0.1 mol/L水酸化カリウム溶液又は0.1 mol/L水酸化ナトリ

ウム溶液1 mLに対する酢酸の質量を示す換算係数(g/mL) 

4.9 

水溶性 

水溶性は,次による。 

a) 原理 イソプロピルアルコール及び水を混合し,白濁の有無を調べる。 

b) 操作 すり合わせガラス栓付で,無色透明のガラス容器A及びBを用意し,Aに試料5 mL及び水45 

mLを入れ,Bに水だけを50 mL入れる。Aを十分に振り混ぜた後,泡が消えたことを確認後直ちに

拡散昼光 4)又はそれと同等の光の下で,両容器を並べ,A内の液の状態をB内の液と比較する。 

c) 判定 Aに濁りはなく,Bと同等である。 

4.10 水分 

水分は,JIS K 0068の6.(カールフィッシャー滴定法)に規定する容量滴定法又は電量滴定法による。 

表示 

製品の容器には,次の事項を記載する。ただし,大形容器(タンクローリーなど)の場合には,送り状

に表示してもよい。 

a) 製品名称及び規格番号 

b) 正味質量 

c) 製造業者名若しくはその略号又は供給業者名若しくはその略号 

d) 製造年月日,製造番号又はロット番号 

安全衛生上の注意事項 

イソプロピルアルコールは,引火しやすく,その蒸気は,空気と混合して爆発性混合ガスを形成するの

で,蒸気漏れには十分注意し,火気には絶対近づけない。また,イソプロピルアルコール蒸気を吸引した

り,液体のイソプロピルアルコールを飲んだりした場合,頭痛,吐き気,知覚麻ひ(痺),血圧低下などの

症状を引き起こしたり,こん(昏)睡状態になる可能性があるので,取扱いには十分注意が必要である。 

なお,この規格には,使用に関連して起こる全ての安全上の問題を記載していないので,MSDS(化学

物質等安全データシート)などを参考にして安全及び健康に留意した適切な措置をとらなければならない。 

参考文献 JIS Z 8203 国際単位系(SI)及びその使い方