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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 1513 1994 

酢酸エチル 

Ethyl acetate 

CH3COOC2H5 FW : 88.11 

1. 適用範囲 この規格は,工業用の酢酸エチルについて規定する。 

備考1. この規格の引用規格を,付表1に示す。 

2. この規格の対応国際規格を,付表2に示す。 

2. 品質 品質は,3.によって試験したとき,表1のとおりとする。 

表1 品質 

項目 

品質 

外観 

異物がなく透明な液体 

色 ハーゼン色数 

10以下 

密度 (20℃) g/cm3 

0.897〜0.902 

純分 % 

99.0以上 

水分 % 

0.1以下 

蒸発残分 % 

0.005以下 

酸分 % 

0.002以下 

3. 試験方法 

3.1 

一般事項 試験について共通する一般事項は,JIS K 0050による。 

3.2 

数値の丸め方 JIS Z 8401による。 

3.3 

試料採取方法 品質を均一とみなすことができる1ロットから製品の容器の種類によって,次に規

定する方法で代表試料を採取する。 

なお,ロットの設定,試料採取の時期及び場所については,当事者間の合意による。 

3.3.1 

大形容器(タンク,タンク車,タンクローリー,タンカーなど)の場合 

(1) 要旨 大形液体試料採取器を用いて,容器内容物を所定の位置から採取し,所定の割合で適切な試料

容器に移し,よく混合して代表試料とする。 

(2) 器具 

大形液体試料採取器 栓付きの金属製で規定の深さの所まで入れて栓を開き,試料を満たした後,そ

のまま取り出すことができるもの。例を図1に示す。 

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K 1513 1994  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図1 大形液体試料採取器の例 

(3) 操作 操作は,次のとおり行う。 

(a) 試料の採取位置 直立円筒形タンクなど,均一な横断面をもつタンクの場合は,液面の高さの65,63

及び61に相当する位置から,また,横置円筒形タンクの場合は,表2によってそれぞれ等量の試料

を採取する。 

なお,製品の品質が安定していることが確認できる場合には,他の合理的な方法で採取してもよ

い。 

表2 横置円筒形タンクの試料の採取位置と混合比 

容器内容物の深さ 

(直径に対する%) 

試料採取位置(容器の底からの高さ) 

(直径に対する%) 

試料混合比(体積比) 

上層 

中層 

下層 

上層 

中層 

下層 

90 

75 

50 

20 

80 

70 

50 

20 

70 

− 

50 

20 

− 

60 

− 

50 

20 

− 

50 

− 

40 

20 

− 

40 

− 

− 

20 

− 

− 

10 

30 

− 

− 

15 

− 

− 

10 

20 

− 

− 

10 

− 

− 

10 

10 

− 

− 

− 

− 

10 

(b) 試料の採取方法 大形容器の口を開き,清浄で乾燥した大形液体試料採取器を栓をしたまま所定の

位置まで沈める。 

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K 1513 1994  

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次に,たぐり綱を一気に引き上げて栓を抜き,液面に気泡が上がってこなくなるまでその位置に

保って試料を満たした後,引き上げて採取する。採取した試料は,清浄で乾燥した共栓付褐色ガラ

ス瓶に入れ,直ちに栓をする。 

(c) 試験用試料の調製 採取した試料は,直立円筒形タンクの場合には3か所から採取した試料をそれ

ぞれ等量ずつ,また,横置円筒形タンクの場合には,表2の混合比になるように採取した試料を清

浄で乾燥した適切な試料容器に移し,よく混合して,このうちの1l以上を試験用試料とする。 

なお,試料調製後,直ちに試験を行わないときは,清浄で乾燥した共栓付褐色ガラス瓶に入れ,

密栓をして保存する。 

3.3.2 

小形容器(金属板製18リットル缶,鋼製ドラム缶など)の場合 

(1) 要旨 小形液体試料採取器を用いて,幾つかの小形容器からそれぞれ等量ずつの試料を採取する。採

取した試料は,適切な試料容器に移し,よく混合して,代表試料とする。 

(2) 器具 

小形液体試料採取器 ガラス管で,口を開いたまま小形容器に入れ,試料を流入させた後,口をふさ

いで取り出すことができるもの。例を図2に示す。 

図2 小形液体試料採取器の例 

(3) 操作 操作は,次のとおり行う。 

(a) 小形容器の抜取個数 1ロットから複数の小形容器を抜き取る場合は,表3に示す個数をランダム

に抜き取る。 

なお,製品の品質が安定していることが確認できる場合には,抜取個数を変更してもよい。 

表3 小形容器の抜取個数 

容器数 

抜取個数 

容器数 

抜取個数 

 1〜 4 

全数 

 76〜100 

10 

 5〜10 

101〜125 

11 

11〜20 

126〜150 

12 

21〜30 

151〜200 

13 

31〜50 

201〜250 

14 

51〜75 

251以上 

14+α(1) 

注(1) αは,次の式によって算出し,小数点以下

は,切り上げて整数とする。 

50

250

=n

α

ここに, n: 容器数 

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(b) 試料の採取方法 小形容器の口を開き,清浄で乾燥した小形液体試料採取器の口を開いたまま容器

の中に入れ,先端が器底に達した後,液体試料採取器の口を閉じ引き上げて試料を採取する。 

(c) 試験用試料の調製 採取した試料は,それぞれ等量を清浄で乾燥した適切な試料容器に移し,よく

混合して,このうちの1l以上を試験用試料とする。 

なお,試料調製後,直ちに試験を行わないときは,清浄で乾燥した共栓付褐色ガラス瓶に入れ,

密栓して保存する。 

3.4 

外観 

(1) 要旨 目視によって試料の外観を調べる。 

(2) 器具 

比色管 内径約23mm,高さ約400mmの無色透明の共栓付平底ガラス試験管を用い,底部から200〜

300mmの高さに100mlの標線を付けたもの。 

(3) 操作 試料を比色管の標線まで入れ,白地及び黒地を背景として上方及び側方から透視し,透明であ

って,浮遊物,ごみなどの異物の有無を調べる。 

3.5 

色 色は,目視比色法,分光測光器又は光電色彩計による比色法によって測定し,ハーゼン色数を

求める。 

3.5.1 

目視比色法 

(1) 要旨 試料の透過色をハーゼン標準色数と目視で比較してハーゼン色数を求める。 

(2) 装置及び器具 装置及び器具は,次のとおりとする。 

(a) 比色装置 2本以上の比色管を立てる支持台,白色の平滑なガラス底板,側面からの散乱を防ぐ黒

色の遮光板及び底板を透かして光線を導入する反射鏡からなり,JIS C 7601に規定する拡散昼光の

下で,比色管の上から透視して液の色を比較することができるもの。 

(b) 比色管 3.4(2)で規定したものと同材質同形のもの。 

(3) 試薬 試薬は,次のとおりとする。 

(a) ヘキサクロロ白金 (IV) 酸カリウム JIS K 8163に規定するもの。 

(b) 塩化コバルト (II) 六水和物 JIS K 8129に規定するもの。 

(c) 塩酸 JIS K 8180に規定する特級。 

(4) ハーゼン標準比色液の調製 ヘキサクロロ白金 (IV) 酸カリウム1.245g及び塩化コバルト (II) 六水

和物1.000gを量り取り,塩酸100ml及び水を加えて溶解する。全量フラスコを用い水を加えて1lと

し,この液を比色原液(ハーゼン番号500番)とする。比色原液の吸光度は,分光光度計(吸収セル

10mm)を用いて,水を対照液として測定したとき,表4の許容範囲に入らなければならない。 

なお,500番未満のハーゼン標準比色液の作り方は,表5による。 

表4 比色原液の吸光度許容範囲 

波長nm 

吸光度 

430 

0.110〜0.120 

455 

0.130〜0.145 

480 

0.105〜0.120 

510 

0.055〜0.065 

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K 1513 1994  

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表5 ハーゼン標準比色液 

標準比色液の番号 

比色原液 ml 

水 ml 

99 

10 

98 

15 

97 

20 

96 

25 

95 

30 

94 

比色原液及び標準比色液は,密栓した着色ガラス瓶に入れ暗所に保存する。保存期間は,原則とし

て調製後,ハーゼン500番の比色原液については1か年以内とし,ハーゼン500番未満のハーゼン標

準比色液は1か月以内とする。 

(5) 操作 比色管にハーゼン標準比色液を標線 (100ml) まで入れる。別の比色管に試料をハーゼン標準比

色液と同じ高さまで入れ,両管を比色装置の中に並べて立て,両管を上から透視して液の色を比較し,

ハーゼン色数を求める。 

なお,二つの中間にあるときは二つのうち,濃い方の番号を採択する。 

3.5.2 

分光測光器又は光電色彩計による比色法 

(1) 要旨 試料とハーゼン標準比色液との透過色を分光測光器又は光電色彩計によって比較し,ハーゼン

色数を求める。 

(2) 装置 JIS Z 8722の4.(分光測色方法)又はJIS Z 8722の5.(刺激値直読方法)に規定する分光測光

器又は光電色彩計を用いる。 

(3) 操作 JIS Z 8722の4.4(透過物体の測定方法)又はJIS Z 8722の5.3(測定方法)による。 

(a) ハーゼン標準比色液の黄変度 (∆YI) を分光測光器又は光電色彩計によって測定し,あらかじめ検量

線を作成する。 

(b) 次に,試料の黄変度 (∆YI) を分光測光器又は光電色彩計で測定し,検量線からハーゼン色数を求め

る。 

3.6 

密度 密度は,振動式密度計法,浮ひょう法又は比重瓶法によって求める。 

3.6.1 

振動式密度計法 

(1) 要旨 JIS K 0061の4.3(振動式密度計法)によって20℃の密度を求める。 

(2) 装置 振動式密度計は,JIS K 0061の4.3.2(装置及び器具)に規定するB形のもの。 

(3) 操作 校正(試料セル定数の決定)及び測定は,JIS K 0061の4.3.4[振動式密度計の校正(試料セル

定数の決定)]及び4.3.5(測定の手順)によって行う。 

(4) 計算 密度は,次の式によって算出する。 

)

(

2

2

W

s

W

T

T

K

D

D

+

=

ここに, 

D: 試料の密度 (20℃) (g/cm3)  

Dw: 水の密度 (20℃) (g/cm3)  

K: 試料セル定数 (20℃)  

Ts: 試料の振動周期 (20℃)  

Tw: 水の振動周期(校正の際求めた値) (20℃)  

参考 密度から比重を求める場合は,次の式による。 

99820

.0

D

G=

ここに, 

G: 試料の比重 (20/20℃)  

K 1513 1994  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

D: 試料の密度 (20℃) (g/cm3)  

0.998 20: 水の密度 (20℃) (g/cm3)  

3.6.2 

浮ひょう法 

(1) 要旨 JIS K 0061の4.1(浮ひょう法)によって密度を求める。 

(2) 装置及び器具 装置及び器具は,次のとおりとする。 

(a) 恒温水槽 シリンダーに入れた試料を20.0±0.1℃に保持できるもの。 

(b) 浮ひょう JIS K 2249に規定する有効目盛範囲0.880〜0.940,細分目盛0.001のもの。 

(c) シリンダー ガラス製で,内径約60mm,高さ約350mmのもの。 

(d) 温度計 JIS B 7410に規定するもので,測定温度範囲が−20〜50℃,細分目盛0.1℃のあらかじめ校

正されているもの。 

(e) かき混ぜ棒 直径約2mm,長さ約450mmのガラス棒又は金属棒で,その先端がガラス棒と直角に

なるように環状にしたもの。 

(3) 操作 JIS K 0061の4.1.3(操作)によって,20.0±0.1℃で測定する。 

(4) 計算 密度 (20℃) は,密度 (20℃) で目盛られた浮ひょうを用いて,次の式によって算出する。 

D=D20−E 

ここに, 

D: 密度 (20℃) (g/cm3)  

D20: 密度 (20℃) で目盛られた浮ひょうの示度 (g/cm3)  

E: 器差 

なお,15℃で目盛られた密度浮ひょう若しくは15/4℃又は20/20℃で目盛られた比重浮ひょうを用

いた場合の計算は,JIS K 0061の4.1.4(計算)による。 

また,密度から比重への換算は,3.6.1(4)の換算式を用いる。 

3.6.3 

比重瓶法 

(1) 要旨 JIS K 0061の4.2(比重瓶法)によって20/20℃の比重を測定し,密度を求める。 

(2) 装置及び器具 装置及び器具は,次のとおりとする。 

(a) 恒温水槽 比重瓶をそのけい部まで入れることのできる容量で,試料を20.0±0.1℃に保持できるも

の。 

(b) 比重瓶 JIS K 0061の4.2.2の(1)(比重瓶)に規定するもの。 

(c) 温度計 JIS B 7410に規定するもので,測定温度範囲が−20〜50℃,細分目盛0.1℃のあらかじめ校

正されているもの。 

(3) 操作 校正(水当量の測定)及び測定は,JIS K 0061の4.2.3(校正)及び4.2.4(操作)によって,20.0

±0.1℃で行う。 

(4) 計算 比重は,次の式によって算出する。 

0

1

0

2

W

W

W

W

G

=

ここに, 

G: 試料の比重 (20/20℃)  

W2: 比重瓶に試料を満たしたときの質量 (g)  

W1: 比重瓶に水を満たしたときの質量 (g)  

W0: 比重瓶の質量 (g)  

(5) 換算 比重から密度への換算は,次の式による。 

D=G×0.998 20 

ここに, 

D: 試料の密度 (20℃) (g/cm3)  

G: 試料の比重 (20/20℃)  

K 1513 1994  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

0.998 20: 水の密度 (20℃) (g/cm3)  

3.7 

純分 

(1) 要旨 ガスクロマトグラフを用い,面積百分率法によって純分を求める。 

(2) 装置及び器具 装置及び器具は,JIS K 0114によるほか,次のとおりとする。 

(a) 検出器 熱伝導度検出器又は水素炎イオン化検出器とする。 

(b) カラム 酢酸エチルと不純物エタノールが十分に分離するもの。 

(c) マイクロシリンジ 10〜25μl 

(3) 分析条件 機器によって特性が異なるので,各機器について最適分析条件を探さなければならない。 

なお,検出感度については,エタノール0.01%を含有するとき,これを正確に検出できる感度とす

る。 

(4) 操作 操作は,次のとおり行う。 

(a) ガスクロマトグラムの作成 マイクロシリンジを用いて試料をガスクロマトグラフに導入し,ガス

クロマトグラムを得る。記録時間は,酢酸エチルの保持時間の3倍以上とする。 

(b) ピーク面積測定法 ピーク面積測定方法は,JIS K 0114の8.3(2)(データ処理装置を用いる方法)

による。 

(c) 定量法 定量法は,JIS K 0114の8.5(面積百分率法)による。ただし,水素炎イオン化検出器を用

いる場合は,補正面積百分率法など,精度の高い方法を用いることが望ましい。 

(5) 計算 純分は,ガスクロマトグラムから求めたピーク面積値を用いて,次の式によって算出する。 

TL

EA

S

S

A

R

W

P

×

+

+

=

)}

(

100

{

ここに, 

P: 純分 (%)  

W: 3.8で求めた水分 (%)  

R: 3.9で求めた蒸発残分 (%)  

A: 3.10で求めた酸分 (%)  

SEA: 酢酸エチルのピーク面積 

STL: 水,空気を除く全ピーク面積 

ただし,水分,蒸発残分及び酸分が純分の規格値に対して無視できるほど少量である場合には,上

記の補正を行わなくてもよい。 

3.8 

水分 水分は,次のいずれかの方法によって求める。 

3.8.1 

容量滴定法 

(1) 要旨 JIS K 0068の4.3(容量滴定法)によって試料中の水分を求める。 

(2) 装置及び器具 装置及び器具は,JIS K 0068の4.3.2(装置及び器具)に規定するものを用い,試料採

取器は,注射器とする。 

(3) 試薬 JIS K 0068の4.3.3(試薬)に規定するもの。 

(4) 操作 約20℃の試料5〜10mlを注射器に取り(2),その質量を10mgのけたまで量った後,JIS K 0068

の4.3.5(1)(直接滴定)によって測定する。 

なお,試料を装置に注入後,速やかに空の注射器の質量を10mgのけたまで量り,試料の質量を求

める。 

注(2) 試料を体積で量り取る場合は,20℃における試料の密度を乗じて質量に換算する。 

(5) 計算 水分は,次の式によって算出する。 

K 1513 1994  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

100

103×

×

×

=S

m

f

W

ここに, W: 水分 (%)  
 

f: カールフィッシャー試薬の力価 (mg/ml)  

m: 滴定に用いたカールフィッシャー試薬の量 (ml)  

S: 試料の質量 (g)  

3.8.2 

電量滴定法 

(1) 要旨 JIS K 0068の4.4(電量滴定法)によって試料中の水分を求める。 

(2) 装置及び器具 装置及び器具は,JIS K 0068の4.4.2(装置及び器具)に規定するものを用い,試料採

取器は,注射器とする。 

(3) 試薬 JIS K 0068の4.4.3(試薬)に規定するもの。 

(4) 操作 約20℃の試料5〜10mlを注射器に取り(2),その質量を10mgのけたまで量った後,JIS K 0068

の4.4.4(操作)によって測定する。 

なお,試料を装置に注入後,速やかに空の注射器の質量を10mgのけたまで量り,試料の質量を求

める。 

(5) 計算 水分は,次の式によって算出する。 

100

106×

×

=SQ

W

ここに, W: 水分 (%)  
 

Q: 水分の表示値 (μg)  

S: 試料の質量 (g)  

3.9 

蒸発残分 

(1) 要旨 試料を蒸発乾固後加熱し,残分の質量を求める。 

(2) 装置及び器具 装置及び器具は,次のとおりとする。 

(2.1) 恒温乾燥器 110±2℃に保持できるもの。 

(2.2) 水浴 沸騰水浴として使用することができ,蒸発皿を載せられるもの。 

(2.3) デシケーター JIS R 3503に規定するもの。 

乾燥剤は,JIS Z 0701に規定するシリカゲルA型1種を用いる。 

(2.4) 蒸発皿 蒸発皿は,次のいずれかを用いる。 

(a) JIS R 1302に規定する化学分析用磁器蒸発ざら丸底形100mm又は120mm。 

(b) JIS H 6202に規定する化学分析用白金皿150番。 

(c) JIS R 3503に規定する丸底蒸発皿90×45mm。 

(2.5) 全量ピペット JIS R 3505に規定する100ml。 

(3) 操作 操作は,次のとおり行う。 

(a) あらかじめ洗浄した蒸発皿を恒温乾燥器に入れ,110±2℃で1時間加熱し,デシケーター中で室温

まで放冷後,その質量を0.1mgのけたまで量る。 

(b) 質量を量った蒸発皿に,約20℃の試料100mlを全量ピペットで取り,水浴上でほとんど乾固するま

で蒸発させる。 

(c) 次に,蒸発皿を恒温乾燥器に入れ,110±2℃で1時間加熱し,デシケーター中で室温まで放冷後,

その質量を0.1mgのけたまで量る。 

(4) 計算 蒸発残分は,次の式によって算出する。 

K 1513 1994  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

100

1

2

×

×

=

D

s

W

W

R

ここに, 

R: 蒸発残分 (%)  

W2: 操作 (c) で求めた蒸発皿の質量 (g)  

W1: 操作 (a) で求めた蒸発皿の質量 (g)  

s: 試料の量 (ml)  

D: 試料の密度 (20℃) (g/cm3) 

3.10 酸分 

(1) 要旨 試料中の酸分を中和滴定によって測定し,酢酸に換算した数値として求める。 

(2) 器具 器具は,次のとおりとする。 

(a) 活栓付ビュレット JIS R 3505に規定する5ml又は10ml。 

(b) 共通すり合わせ三角フラスコ JIS R 3503に規定する300ml 

(3) 試薬 試薬は,次のとおりとする。 

(a) エタノール (95)  JIS K 8102に規定するもの。 

(b) 0.1mol/l水酸化ナトリウム溶液 JIS K 8001の4.5(19.4)(0.1mol/l水酸化ナトリウム溶液)に規定す

るもの。 

(c) フェノールレッド溶液 (0.4g/l)  JIS K 8800に規定するフェノールレッド0.10gを0.02mol/l水酸化

ナトリウム溶液14.2mlと水で溶解し,水を加えて全量を250mlとする。 

(4) 操作 操作は,次のとおり行う。 

(a) 約20℃のエタノール (95) 50mlを三角フラスコに取り,フェノールレッド溶液 (0.4g/l) 2,3滴を指

示薬として,5秒以上赤色を保つ点まで0.1mol/l水酸化ナトリウム溶液で滴定する。 

(b) 約20℃の試料100mlを取り, (a) の三角フラスコに加え直ちに栓をして混合する。 

(c) 再び,0.1mol/l水酸化ナトリウム溶液で滴定し,5秒以上赤色を保つ点を終点とする。 

(5) 計算 酸分は,次の式によって算出する。 

100

0

006

.0

×

×

×

×

=

D

s

V

F

A

ここに, 

A: 酸分 (%)  

0.006 0: 0.1mol/l水酸化ナトリウム溶液1ml当たりの酢酸の量 

(g/ml)  

F: 0.1mol/l水酸化ナトリウム溶液のファクター 

V: 試料添加後の滴定に要した0.1mol/l水酸化ナトリウム溶液

の量 (ml)  

s: 試料採取量 (ml)  

D: 試料の密度 (20℃) (g/cm3)  

4. 検査 検査は,3.によって試験し,表1に適合しなければならない。 

5. 表示 製品の容器ごとに,次の事項を表示しなければならない。ただし,大形容器の場合は,送り状

に表示してもよい。 

(1) 規格名称 

(2) 正味質量 

(3) 製造番号又はロット番号 

(4) 製造業者名又はその略号 

10 

K 1513 1994  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(5) 製造年月日又はその略号 

付表1 引用規格 

JIS B 7410 石油類試験用ガラス製温度計 

JIS C 7601 蛍光ランプ(一般照明用) 

JIS H 6202 化学分析用白金皿 

JIS K 0050 化学分析方法通則 

JIS K 0061 化学製品の密度及び比重測定方法 

JIS K 0068 化学製品の水分測定方法 

JIS K 0114 ガスクロマトグラフ分析通則 

JIS K 2249 原油及び石油製品の密度試験方法並びに密度・質量・容量換算表 

JIS K 8001 試薬試験方法通則 

JIS K 8102 エタノール (95) [エチルアルコール (95) ](試薬) 

JIS K 8129 塩化コバルト (II) 六水和物(試薬) 

JIS K 8163 ヘキサクロロ白金 (IV) 酸カリウム(塩化白金酸カリウム)(試薬) 

JIS K 8180 塩酸(試薬) 

JIS K 8800 フェノールレッド(試薬) 

JIS R 1302 化学分析用磁器蒸発ざら 

JIS R 3503 化学分析用ガラス器具 

JIS R 3505 ガラス製化学用体積計 

JIS Z 0701 包装用シリカゲル乾燥剤 

JIS Z 8401 数値の丸め方 

JIS Z 8722 物体色の測定方法 

付表2 対応国際規格 

ISO 1386  Solvent acetates for industrial use−Methods of test.  

関連規格 JIS K 0067 化学製品の減量及び残分試験方法 

JIS K 0071 化学製品の色及び硫酸着色試験方法 

JIS K 0113 電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則 

JIS K 8005 容量分析用標準物質 

ISO 758 Liquid chemical products for industrial use−Determination of density at 20℃. 

ISO 759 Volatile organic liquids for industrial use−Determination of dry residue after evaporation on 

a water bath −General method.  

ISO 760 Determination of water−Karl Fischer method (General method) . 

ISO 2209 Liquid halogenated hydrocarbons for industrial use−Sampling. 

ISO 2211 Liquid chemical products−Measurement of colour in Hazen units (platinum-cobalt scale) . 

11 

K 1513 1994  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

酢酸エチルJIS改正原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

冨 永 博 夫 

埼玉工業大学(東京大学名誉教授) 

古 田   肇 

通商産業省基礎産業局化学製品課 

並 木   昭 

財団法人化学品検査協会 

地 崎   修 

工業技術院標準部 

野 村 侃 滋 

日本ペイント株式会社 

渕 本 正 明 

大日本インキ化学工業株式会社 

若 林 一 民 

ノガワケミカル株式会社 

中 村 伸 一 

昭和電工株式会社 

永 岡 宏 一 

協和油化株式会社 

丸 橋 基 一 

日本合成化学工業株式会社 

(事務局) 

樋 口 太 郎 

酢酸工業会