K 1504-2 : 2000
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日
本工業規格である。
JIS K 1504の規格群には,次に示す部編成がある。
第1部:試験方法
第2部:品質
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
K 1504-2 : 2000
工業用1−ブタノール
(ブタン−1−オール)−
第2部:品質
Butan-1-ol for industrial use−Part 2 : Quality
1. 適用範囲 この規格は,工業用1−ブタノールの品質,並びに外観及び純分の試験方法について規定
する。
備考 この規格でいうブタノールは,1−ブタノール(ブタン−1−オール)のことをいう。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 0114 ガスクロマトグラフ分析通則
JIS K 1504-1 工業用1−ブタノール(ブタン−1−オール)−第1部:試験方法
3. 品質 ブタノールの品質は,4.及びJIS K 1504-1によって試験したとき,表1のとおりとする。
表1 品質
項目
品質
外観
異物のない透明の液体である。
色(ハーゼン色数)
10
以下
密度 (20℃)
g/ml
0.808〜0.812
純分
%
99.0
以上
蒸留試験
初留点
116.0
以上
乾点
118.5
以下
初留点から乾点までの留出量
容量%
97
以上
蒸発残分
%
0.005 以下
水分
%
0.1
以下
酸分(酪酸として)
%
0.005 以下
4. 試験方法
4.1
試料の採取 JIS K 1504-1の3.による。
4.2
外観 外観は,次による。
a) 原理 目視観察法によって試料の外観を判定する。
b) 器具 比色管は,内径23mm,高さ400mmの無色透明で同材質同形の共栓付き平底ガラス試験管を用
い,底部から200〜300mmの高さに100mlの標線を付けたもの。
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K 1504-2 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
c) 操作 試料を比色管の標線まで入れ,白地及び黒地を背景として上方及び側方から透視する。
4.3
純分 純分は,次による。
a) 原理 ガスクロマトグラフを用い,主成分及びその他のピーク面積から面積百分率法によって純分
(%) を求める。
b) 装置及び分析 条件装置は,JIS K 0114によるほか次のとおりとし,分析条件は機器によって異なる
ため,最適条件に設定しなければならない。
1) 検出器の種類 水素炎イオン化検出器又は熱伝導度検出器
2) 分析条件
カラム充てん剤粒系150〜250μmのけい藻土を担体に用い,固定相液体としてグリコール系液体
20%を含ませたもの,又はこれと同等の分解能をもつもの。
参考 けい藻土には,クロモソルブW,シマライトW,セライト545などがあり,グリコール系液体
には,ポリエチレングリコール1 000,ポリエチレングリコール20Mなどがある。
カラム用管 内径及び長さ2〜4mm,2〜5m
設定温度
カラム槽100〜130℃
試料気化室 130〜150℃
検出器槽 130〜150℃
キャリヤーガスの種類及び流量窒素又はヘリウム 30〜50ml/min
試料注入量 0.2〜3μl
3) 検出感度 ベースラインが安定する減衰器目盛の128倍でブタノールのクロマトグラムを求めたと
きブタノールのピーク高さが記録計の50%以上である。
c) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) ガスクロマトグラムの測定 マイクロシリンジを用いて試料をガスクロマトグラフに導入して試料
のクロマトグラムを求める。測定時間は,ブタノールの保持時間の3倍以上とする。
2) ピーク面積の測定 ピーク面積の測定は,JIS K 0114の8.3(1)(半値幅法)(1)又はJIS K 0114の8.3(2)
(データ処理装置を用いる方法)による。
注(1) 半値幅法を用いる場合,記録紙送り速度は20mm/minとする。
3) 定量 定量は,JIS K 0114の8.5(面積百分率法)による。ただし,補正百分率法など,より精度の
高い方法を用いてもよい。
4) 計算 4.3 c)2)で求めたピーク面積を用いて,純分は,次の式によって算出する。ただし,必要のな
い場合は,水分及び蒸発残分の補正を行わない。
(
)
[
]Ss
R
W
P
×
+
−
=10
ここに,
P: 純分 (%)
W: 水分 (%)
R: 蒸発残分 (%)
s: ブタノールのピーク面積
S: 水,空気を除く全ピーク面積
5. 検査 検査は,4.及びJIS K 1504-1によって試験する。
6. 製品の呼び方 製品の呼び方は,次のいずれかとする。
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K 1504-2 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ブタノール
ブタン−1−オール
1−ブタノール
7. 表示 製品の容器ごとに,次の事項を表示するか又は添付しなければならない。
なお,大形容器の場合は,送り状に表示してもよい。
a) この規格の名称又は6.による名称
b) 正味質量
c) 製造業者名又はその略号
d) 製造番号又はロット番号
e) 製造年月日又はその略号
工業用ブタノール原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
荒 木 峻
東京都立大学名誉教授
西 出 徹 雄
通商産業省基礎産業局
大 島 清 治
通商産業省工業技術院標準部
橋 本 繁 晴
財団法人日本規格協会
神 代 啓
社団法人日本化学工業協会
内 田 幹 雄
社団法人日本塗料工業会
大久保 芳 苗
可塑剤工業会
芝 野 毅
三菱化学株式会社
児 島 健 志
チッソ株式会社
三 浦 恒 司
協和油化株式会社
森久保 敬 一
東燃化学株式会社
大 槻 謙 治
ブタノール工業会
(事務局)
三 須 武
社団法人日本化学工業協会
(文責者 芝野 毅)