K 1504-1 : 2000
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日
本工業規格である。これによって,JIS K 1504 : 1993は廃止され,JIS K 1504-1及びJIS K 1504-2に置き
換えられる。
今回の制定では,従来の日本工業規格を対応国際規格に整合化させるために,次の国際規格を基礎とし
た。
ISO 755-1 : 1981, Butan-1-ol for industrial use−Methods of test−Part 1 : General
ISO 755-2 : 1981, Butan-1-ol for industrial use−Methods of test−Part 2 : Determination of acidity−Titrimetric
method
ISO 755-3 : 1981, Butan-1-ol for industrial use−Methods of test−Part 3 : Sulphuric acid colour test
JIS K 1504-1には,次の附属書がある。
附属書1(規定) 工業用揮発性有機液体の蒸留特性の求め方
附属書2(規定) 工業用無水酢酸及び1-ブタノールの臭素価の求め方
附属書3(規定) 工業用高級アルコールのカルボニル化合物含有量の求め方
JIS K 1504は,次に示す部編成となっている。
第1部:試験方法
第2部:品質
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
K 1504-1 : 2000
工業用1−ブタノール
(ブタン−1−オール)−
第1部:試験方法
Butan-1-ol for industrial use−Part 1 : Methods of test
序文 この規格は,1981年に第1版として発行されたISO 755-1 : 1981, Butan-1-ol for industnal use−Methods
of test−Part 1 : General, ISO 755-2 : 1981, Butan-1-ol for industrial use−Methods of test−Part 2 : Determination
of acidity−Titrimetric method及びISO 755-3 : 1981, Butan-1-ol for industrial use−Methods of test−Part 3 :
Sulphuric acid colour testを元に,技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格である。
なお,点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格にはない事項である。
1. 適用範囲 この規格は,工業用1−ブタノールの試験方法について規定する。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
ISO 755-1 : 1981, Butan-1-ol for industrial use−Methods of test−Part 1 : General
ISO 755-2 : 1981, Butan-1-ol for industrial use−Methods of test−Part 2 : Determination of acidity−
Titrimetric method
ISO 755-3 : 1981, Butan-1-ol for industrial use−Methods of test−Part 3 : Sulphuric acid colour test
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 0061 化学製品の密度及び比重測定方法
備考 ISO 758 Liquid chemical products for industrial use−Determination of density at 20℃からの引
用事項は,この規格の該当事項と同等である。
JIS K 0068 化学製品の水分測定方法
備考 ISO 760 Determmation of water−Karl Fischer method (General method) からの引用事項は,こ
の規格の該当事項と同等である。
JIS K 0071-1 化学製品の色試験方法−第1部:ハーゼン単位色数(白金−コバルトスケール)
備考 ISO/DIS 6271 Clear liquids−Estimation of colour by platinum-cobalt scaleが,この規格と同等
である。
JIS K 8001 試薬試験方法通則
備考 ISO 759 Volatile organic liquids for industrial use−Determination of dry residue after evaporation
on a water bath−General methodからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。
2
K 1504-1 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS K 0557 用水・排水の試験に用いる水
JIS K 8101 エタノール(99.5)(試薬)
JIS K 8102 エタノール(95)(試薬)
JIS K 8180 塩酸(試薬)
JIS K 8480 2, 4-ジニトロフェニルヒドラジン(試薬)
JIS K 8799 フェノールフタレイン(試薬)
JIS K 8951 硫酸(試薬)
3. 試料採取 清浄なガラス製又はポリエチレン製の瓶にほとんど一杯になるまで試料を入れふたをする
(1)。
瓶にシールをする必要のある場合は,試料が汚染されないように注意する。
注(1) この規格に定めているすべての試験を行う場合の試料採取量は1 000ml以上必要である。
4. 密度 JIS K 0061の4.2(比重瓶法)に規定した方法による。
5. 蒸留試験 次に示す事項及び附属書1(規定)に規定した方法による。
5.1
温度計 附属書1(規定)の5.1.2及び表1に示す項目に適合するもの。
表1 温度計の仕様
単位℃
目盛範囲
目盛
目盛の許容誤差
98〜152
0.2
0.4以内
5.2
留出温度の大気圧補正 留出温度の大気圧補正は,次の式によって補正した値を算出し,測定温度
を補正する。
⊿t=0.28 (101.3−P)
ここに, ⊿t: 気圧による補正値 (℃)
P: 測定時の大気圧 (kPa)
5.3
蒸留 初留液が10〜15分間後に留出するように加熱する。
6. 蒸発残分 JIS K 8001の附属書2の5.14 (GM14) に規定した方法による。
備考 試料の量は100mlとする。
7. 臭素価 附属書2(規定)に規定した方法による。
8. 色 JIS K 0071-1に規定した方法による。
9. 水分 JIS K 0068の4.(カールフィッシャー滴定法)に規定したいずれかの方法による。
10. カルボニル化合物 次に示す事項及び附属書3(規定)に規定した方法による。
3
K 1504-1 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
10.1 エタノール カルボニル化合物を除去したもの(2)。
注(2) JIS K 8101に規定するエタノール (99.5) 500mlにJIS K 8480に規定する2, 4-ジニトロフェニル
ヒドラジン5g及びJIS K 8180に規定する塩酸(密度約1.19g/ml)5滴を加え還流冷却を行いなが
ら2〜3時間煮沸する。次に,長さ約300mm,径約25mmのウィドマー蒸留器又はその他の適切
な装置を用いて蒸留し,エタノールをゆっくり留出させる。初留の50mlは廃棄し,次の400ml
を採取し,残留物は廃棄する。
10.2 操作 滴定には容量400mlのビーカーを用いる。
10.3 結果の表示 カルボニル化合物の含有量は,表2に示す式によって算出する。
表2 カルボニル化合物含有量
水酸化カリウム溶液の濃度
c (KOH) =0.1mol/l
c (KOH) =0.01mol/l
表示の方法
計算式
mg/kg
(
)
m
V
V
M
0
1
100
−
×
×
(
)
m
V
V
M
0
1
10
−
×
×
%
(
)
2
0
1
10
×
×
m
V
V
M
−
(
)
3
0
1
10
×
×
m
V
V
M
−
ここに, V0: 空試験に要した0.1又は0.01mol/l水酸化カリウム (ml)
V1: 滴定に要した0.1又は0.01mol/l水酸化カリウム (ml)
M: 結果として表示するカルボニル化合物のモル質量 (g/mol)
m: 試料量 (g)
11. 酸分
11.1 原理 指示薬としてフェノールフタレインを用い,水酸化ナトリウム溶液で滴定する。
11.2 試薬 試薬は,次による。
a) 0.1mol/l水酸化ナトリウム溶液 JIS K 8001の4.5 (19.4) による。
b) フェノールフタレイン溶液 (5g/l) JIS K 8799に規定するフェノールフタレイン0.5gをJIS K 8102
に規定するエタノール (95) 100mlに溶かし,ごくうすい赤になるまで0.1mol/l水酸化ナトリウム溶液
を加えたもの。
備考 分析には精密分析用試薬及び蒸留水又は同等以上の精製水(JIS K 0557に規定するA3又はA2
の水)を用いる。
11.3 器具 器具は,次による。
a) 三角フラスコ ほうけい酸ガラス製の容量250mlのもの。
参考 例えば,JIS R 3503で定めた硬質1級ガラス器具がこれに相当する。
b) ビュレット 容量10ml,目盛0.02mlのもの。
11.4 操作 操作は,次のとおり行う。
試料100±0.1gを三角フラスコにとり,指示薬としてフェノールフタレイン溶液 (5g/l) 0.5mlを加え,
0.1mol/l水酸化ナトリウム溶液で滴定し,液のごくうすい赤が15秒間以上消えなくなったときを終点とす
る。
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K 1504-1 : 2000
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11.5 結果の表示 酸分は,次の式によって酪酸 (C3H7COOH) として%で表示する。
m
F
V
.
m
F
V
×
×
×
×
×
88
0
100
8
008
.0
=
ここに,
V: 滴定に要した0.1mol/l水酸化ナトリウム溶液の量 (ml)
m: 試料の量 (g)
F: 0.1mol/l水酸化ナトリウム溶液のファクター
0.008 8: 0.1mol/l水酸化ナトリウム溶液1ml当たり酪酸相当量
(g/ml)
12. 硫酸着色試験
12.1 原理 規定された試験条件下で,試料に硫酸処理を行ったときの着色の程度を比色標準液(3)と比較
する。
注(3) 比色をハーゼン色数(標準白金コバルト)で行う場合は,JIS K 0071-1に規定した方法による。
12.2 試薬 試薬は,次による。
a) 硫酸 約96%(密度1.24g/ml)JIS K 8951に規定するもの。
b) エタノール JIS K 8102に規定するエタノール (95)
備考 分析には精密分析用試薬及び蒸留水又は同等以上の精製水(JIS K 0557に規定するA3の水)
を用いる。
12.3 器具 器具は,次による。
a) 丸底フラスコ 共栓付きほうけい酸ガラス製の容量250mlのもの。
参考 例えば,JIS R 3503で定めた硬貨1級ガラス器具がこれに相当する。
b) 還流冷却器 丸底フラスコとすり合わせの合うもの。
c) ビュレット 容量10ml,硫酸5mlを常温で1秒間に2滴の速度で滴下できるもの。
d) 比色管 容量100mlのもの。
e) 氷水浴
f)
マグネチックスターラー 回転子がガラス製であり,小形モーターで駆動するもの。
12.4 操作 操作は,次のとおり行う。
丸底フラスコに少量の試料を入れ,フラスコ内部を試料で共洗いした後,試料を廃棄する。このフラス
コに試料75mlをメスシリンダーではかりとり,氷水浴で正確に5分間冷却する。
フラスコを氷水浴に入れたまま,直ちにビュレットから,1秒間に2滴の速度で硫酸を5ml滴下する。
滴下中は,フラスコの内容物をマグネチックスターラーによって激しくかき混ぜる。また,フラスコ内の
液体の温度が20℃以上にならないようにする。
滴下が終わった後,フラスコに栓をし,直ちにフラスコの球形部分を氷水浴に正確に3分間入れる。次
に,フラスコに還流冷却器を付け,還流冷却器に水を流す。さらに,フラスコを沸騰水浴中にフラスコ内
の液面の上まで入れ,正確に3時間放置する。
3時間後,還流冷却器を付けたままフラスコを沸騰水浴から取り出し,流水で常温まで冷却する。還流
冷却器をフラスコから取り外し,フラスコの内容物を比色管の1本に移し,もう1本の比色管に比色標準
液(4)を入れ,試料の色と標準溶液の色を比較する。
注(4) 受渡当事者間の合意の標準を用いる。ハーゼン色数で合意の場合は,JIS K 0071-1に規定した方
法による。
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K 1504-1 : 2000
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12.5 結果の表示 試料の色が標準色と比較して濃い,同等又はうすいかを判定するか,ハーゼン色番号
で表す。
13. 結果の報告 試験結果には,次の事項を記載する。
a) 試料(試料名,採取場所及び採取年月日)
b) 試験に用いた規格(規格番号など)
c) 試験方法の名称及び結果
d) 試験中に気づいた特記事項
e) この規格の規定外の操作及び事項
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附属書1(規定) 工業用揮発性有機液体の蒸留特性の求め方
序文 この附属書は,1983年に第1版として発行されたISO 918, Volatile organic liquids for industrial use−
Determination of distillation characteristicsを翻訳したものである。
1. 適用範囲 この附属書は,揮発性有機液体の蒸留特性の測定における装置及び試験方法について規定
する。ここでいう揮発性有機液体とは,沸点範囲約30〜300℃のもので蒸留に対して安定であるものをい
う。ただし,石油製品は除く。
2. 引用規格
ISO 3405 Petroleum products−Determination of distillation characteristics
ISO 4626 Volatile organic liquids−Determination of boiling range of organic solvents used as row materials
3. 定義(ISO 3405及びISO 4626参照)
3.1
初留点 凝縮管の下端から留出液の最初の1滴が落下したときの温度計の読み。
3.2
終点 蒸留試験の最終段階で得られた温度計の最高の読み。
3.3
乾点 蒸留フラスコ底部の試料の最後の1滴が気化したときの温度計の読み。
3.4
蒸留範囲 初留点から乾点までの温度範囲。
4. 原理 規定の条件で蒸留することによって,次に示す事項を求める。
4.1
製品の規格で規定した留出量に対する温度範囲。
4.2
製品の規格で規定した蒸留温度に対する留出量。
備考 測定結果は9.の温度補正を行ったもの。
5. 装置 一般的な実験装置及び次に示すもの。
5.1
附属書1図1に示す蒸留装置は,次に示すものから構成される。
5.1.1
蒸留フラスコ 附属書1図2に示すガラス製の容量100mlのもの。
5.1.2
温度計 試料の温度範囲に適した最小目盛0.2℃,誤差±0.2℃の水銀温度計。
球部の上部と最初の目盛の間隔は少なくとも100mm。温度計は,留点(毛細管の絞り)がないもの,又
は留点が球部に非常に近いか,球部と一体になっているものを使用する。
目盛は100mm浸せきするか又は全体を浸せきして補正する。
特に温度計の温度範囲については,製品の規格に規定してあるものを用いる。
5.1.3
受器 附属書1図3に示す容量100ml,目盛付きのもの。
5.1.4
凝縮管 附属書1図4に示すリービッヒ・ウェスト形のもの。内側の管の寸法は,次に示すとおり
とする。
内径
14.0±1.0mm
肉圧
1.0〜1.5mm
長い方の管の長さ
600±10mm
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K 1504-1 : 2000
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短い方の管の長さ
55±5mm
二つの管のなす内角
97±3°
凝縮管の内管の入口は主軸に対し直角,出口は主軸に対し約45°とする。
水冷外管の中央直線部の長さは450±10mm,外径は35±3mmとする。
5.1.5
風よけ 断面が長方形で,上面と底が開放し,附属書1図5に示す寸法で厚さ0.7mmの鋼板製の
もの。
備考 風よけの四面のそれぞれに,底から25mmの位置に3個の通気孔を開ける。これらの通気孔は
附属書1図5に示す位置にあり,幅の広い面の中心の孔の直径は25mm,その他の10個の直径
は12.5mmとする。風よけの狭い方の二つの面には,附属書1図5に示すように耐熱性の棚の
下に直径25mmの通気孔を二つ開ける。幅の広い面のそれぞれの中央部に,附属書1図5に示
す寸法の蒸留フラスコの枝管のための垂直のすき間が風よけの最上部から下方向に開いている。
附属書1図5の寸法の可動遮へい板が垂直のすき間を使用しないときに閉じられるようにする。
厚さ6mmで中央部に直径110mmの円形の孔のあいた耐熱性の硬い板の棚が風よけを支えに水
平に設置し,風よけの側面としっかりと固定する。これらは熱源から熱いガスがフラスコの側
面及び首管に接触することのないようにするためにある。棚の支えは三角の鋼板製金具で風よ
けの四隅をしっかりと固定する。風よけの狭い面の一つに附属書1図5に示す寸法で四辺とも
風よけの開口部と5mm幅で重なる扉を付ける。風よけの狭い面のそれぞれ中央に雲母製の窓
をそれの下辺が耐熱製の棚の上部の高さになるように付ける。窓の寸法と位置は附属書1図5
に示す。
5.1.6
耐熱板 5.1.5の耐熱性の棚に加えて,一辺150mm,厚さ6mmの耐熱版が必要である。試験対象
物質の規格中で特記事項がないときは,中央部に直径50mmの孔を開ける。
5.2
装置の組立 附属書図1に示すように蒸留装置を組み立てる。
5.2.1
温度計の位置 温度計は,蒸留液に耐え気密性のある材質の栓で首管部に差し込む。温度計は球部
との接合部の毛管下端と蒸留フラスコの枝管の下側とが同じ高さになるようにする。栓はフラスコの首管
の上部約10mm出す。
5.2.2 フラスコ支持台 耐熱板は,2個の孔がほぼ同心円になるように風よけの耐熱性の棚の上に乗せる。
これによってフラスコは耐熱板の孔を完全にふさぐ位置になる。
5.2.3
フラスコと凝縮管との接続 フラスコの枝管は,少なくとも25mm凝縮管に差し込み,枝管と凝縮
管とが同軸になるように接続する。
6. 試料採取 試料は,清浄で乾燥した褐色のガラス製フラスコに入れ,共栓又は気密性のある不活性樹
脂パッキン付きねじぶたで栓をし,保存する。試料は容器いっぱいに満たす。試料が汚染されないように
気密性に注意する。
特別に注意が必要な場合には,個別規格の試験方法に規定する。
試料の量は500ml必要である。
7. 操作
7.1
試験試料 試料は,受器を用い100±1mlはかりとる。
予想される蒸留温度が70℃以下である場合は,試料をはかりとる前に試料の温度を附属書1表1に示す
温度に調節する。
8
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附属書1表1 採取時温度
単位℃
初留点
凝縮管
試料
50以下
0〜 3
0〜 3
50〜70
0〜10
10〜20
70〜150
25〜30
20〜30
150以上
35〜50
20〜30
7.2
蒸留 蒸留は,必ず換気のよい通風室で行う。試料の全量を蒸留フラスコに移し,沸騰石を数個入
れる。次に,フラスコに温度計を付け,フラスコ及び受器を所定の位置に置き,凝縮管に冷却水を流す(1)。
バーナーに点火し,炎を試験物質が100℃以下で沸騰する物質では5〜10分間後に,100℃以上で沸騰す
る物質では10〜15分間後に凝縮管から最初の一滴が落ちるように炎を調節する。また,特別な規定がない
限り,1秒間当たり約2滴に相当する3〜4ml/minの速度で留出するように炎を調節する。これは炎の大小
及びバーナーとフラスコとの間隔を調節して行う。
容量に対しての温度又は温度に対しての容量を記録し,さらに大気圧及び気圧計の読み取り時の温度を
記録する。
注(1) 沸騰温度が70℃以下の場合は,冷却水と受器は附属書1表1の温度に調節する。この場合,附属
書1表1に示す温度に保った透明な冷水槽に受器を浸す。
8. 大気圧補正 一般的には,大気圧は真鍮製のミリバール目盛(2)の水銀気圧計(フォルタン型)で測定
する。標準1気圧は1 013.25mbar又は101.325kPaに相当する。
注(2) 気圧計のmm水銀表示をmbarに換算する場合は,1.332 89(丸めて1.333)倍する。また,パス
カル (Pa) とバール (bar) は,1bar=1000mbar=105Pa=100kPa=0.1MPaの関係にある。
8.1
気圧計の目盛補正 最初に,測定した気圧計の読みを気圧計の検定書に従って補正する。この補正
値は,その測定場所の温度及び緯度での値である。
8.2
温度0℃に対する大気圧補正 気圧計の読み取り時の温度及び種類を考慮し,8.1の気圧計の目盛補
正で得られた値を0℃のときの大気圧に補正する。
気圧計がフォルタン型のように読み取時に水銀を基準の高さに設定するタイプの場合は,附属書1表2
の補正値を適用する。
気圧計がキウ型,すなわち受器の水銀のレベルを調節しないで気圧を読み取る形式では温度補正は附属
書1表2のものとはいくらか異なる。しかし,キウ型気圧計の温度補正は附属書1表2に与えられた数値
を5%大きくすれば,十分な精度が得られる。
8.3
標準重力補正 8.1の気圧計の目盛補正及び8.2の温度0℃に対する大気圧補正で補正された気圧計
の圧力は測定場所での0℃のときの標準kPaとして得られる。しかし,重力値が標準値と異なる緯度で蒸
留が実施された場合は,標準重力に相当する値を得るために第3の補正が必要になる。つまり,上記で得
られた値をg/9.806 65倍する。
gとは,測定場所での自由落下加速度のことであり,m/s2で表す。標準重力への補正は異なる緯度に対
する適切な補正を附属書1表3によって行う。この附属書1表3の補正の数字の印がプラスかマイナスか
に従い表中の値を加減する。
緯度以外の重力の補正,例えば,海面からの高度による重力差は無視してよい。
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9. 温度補正
9.1
留出量に対する温度範囲 温度補正は,蒸留後に行う。
9.1.1
温度の誤差の補正 温度計が初留点と乾点で正しくない読みを示すときは,正しい値に補正する。
全浸没時検定の温度計を使用するときは温度計の浸せき位置の補正も行う。
9.1.2
大気圧補正 大気圧を8.の大気圧補正を行っても101.325kPaからはずれるときは,試料の規格及
び文献に従い実測蒸留温度を更に補正する(10.結果の表示参照)。
9.2
蒸留温度に対する留出量 留出量補正は,蒸留を始める前に行う。
9.2.1
温度計誤差の補正 温度計が特定の温度で正しくない読みを示すときは,9.2.2に従い,温度を補
正する。全浸没時検定の温度計を使用するときは温度計の浸せき位置の補正も行う。
9.2.2
大気圧の補正 大気圧を8.で補正しても101.325kPaからはずれるときは,試料の規格及び文献に
従い実測蒸留温度を更に補正する。
10. 結果の表示 8.及び9.で示した補正を,大気圧と温度にそれぞれ適用する。
圧力に関する試料の沸点の変異の相関係数に適用されるべき補正を計算するために,次の式を適用し,
求められた結果を温度に代数的に加える。
CV (101.325−p) ℃
ここに,
CV: 圧力に対する沸点の変化率 (℃/kPa) (3)
p: 測定中の8.で補正した大気圧 (kPa)
101.325: 標準大気圧 (kPa)
注(3) 塗料やワニスに使用されている主要な有機溶剤のCV値はISO 4626に記載されている。
備考 試料の蒸留範囲が2℃以内の場合では,温度及び気圧の両方を合わせた補正は,実測の50%留
出温度と101.325 kPaでの沸点との差をもとに行うことができる(ISO 4626 表3参照)。
試験した製品の特徴を報告する。
11. 結果の表示 試験結果には,次の事項を記載する。
a) 試料(試料名,採取場所及び採取年月日)
b) 試験に用いた規格の引用(規格番号など)
c) 試験方法の名称及び結果
d) 試験中に気づいた特記事項
e) この規格中の規定以外の操作及び事項
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附属書1表2 気圧計の読みに対する0℃補正値
(気圧計の読みから補正値を引く)
気圧計の温度
℃
大気圧の読み (kPa)
92.5
95.0
97.5
100.0
102.5
105.0
107.5
110.0
10
1.51
1.55
1.59
1.63
1.67
1.71
1.75
1.79
11
1.66
1.70
1.75
1.79
1.84
1.88
1.93
1.97
12
1.81
1.86
1.90
1.95
2.00
2.05
2.10
2.15
13
1.96
2.01
2.06
2.12
2.17
2.22
2.28
2.33
14
2.11
2.16
2.22
2.28
2.34
2.39
2.45
2.51
15
2.26
2.32
2.38
2.44
2.50
2.56
2.63
2.69
16
2.41
2.47
2.54
2.60
2.67
2.73
2.80
2.87
17
2.56
2.63
2.70
2.77
2.83
2.90
2.97
3.04
18
2.71
2.78
2.85
2.93
3.00
3.07
3.15
3.22
19
2.86
2.93
3.01
3.09
3.17
3.25
3.32
3.40
20
3.01
3.09
3.17
3.25
3.33
3.42
3.50
3.58
21
3.16
3.24
3.33
3.41
3.50
3.59
3.67
3.76
22
3.31
3.40
3.49
3.58
3.67
3.76
3.85
3.94
23
3.46
3.55
3.65
3.74
3.83
3.93
4.02
4.12
24
3.61
3.71
3.81
3.90
4.00
4.10
4.20
4.29
25
3.76
3.86
3.96
4.06
4.17
4.27
4.37
4.47
26
3.91
4.01
4.12
4.23
4.33
4.44
4.55
4.66
27
4.06
4.17
4.28
4.39
4.50
4.61
4.72
4.83
28
4.21
4.32
4.44
4.55
4.66
4.78
4.89
5.01
29
4.36
4.47
4.59
4.71
4.83
4.95
5.07
5.19
30
4.51
4.63
4.75
4.87
5.00
5.12
5.24
5.37
附属書1表3 気圧計の読みに対する標準重力補正値
(gn=9.806 65m/s2)
緯度
大気圧の読み (kPa)
92.5
95.0
97.5
100.0
102.5
105.0
107.5
110.0
0
−2.48
−2.55
−2.62
−2.69
−2.76
−2.83
−2.90
−2.97
5
−2.44
−2.51
−2.57
−2.64
−2.71
−2.77
−2.84
−2.91
10
−2.35
−2.41
−2.47
−2.53
−2.59
−2.65
−2.71
−2.77
15
−2.16
−2.22
−2.28
−2.34
−2.39
−2.45
−2.51
−2.57
20
−1.92
−1.97
−2.02
−2.07
−2.12
−2.17
−2.23
−2.28
25
−1.61
−1.66
−1.70
−1.75
−1.79
−1.84
−1.89
−1.94
30
−1.27
−1.30
−1.33
−1.37
−1.40
−1.44
−1.48
−1.52
35
−0.89
−0.91
−0.93
−0.95
−0.97
−0.99
−1.02
−1.05
40
−0.48
−0.49
−0.50
−0.51
−0.52
−0.53
−0.54
−0.55
45
−0.05
−0.05
−0.05
−0.05
−0.05
−0.05
−0.05
−0.05
50
+0.37
+0.39
+0.40
+0.41
+0.43
+0.44
+0.45
+0.46
55
+0.79
+0.81
+0.83
+0.86
+0.88
+0.91
+0.93
+1.95
60
+1.17
+1.20
+1.24
+1.27
+1.30
+1.33
+1.36
+1.39
65
+1.52
+1.56
+1.60
+1.65
+1.69
+1.73
+1.77
+1.81
70
+1.83
+1.87
+1.92
+1.97
+2.02
+2.07
+2.12
+2.17
11
K 1504-1 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書1図1 蒸留装置の組立図
12
K 1504-1 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書1図2 蒸留フラスコ
附属書1図3 蒸留受器
13
K 1504-1 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書1図4 凝縮器
14
K 1504-1 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書1図5 風よけ
15
K 1504-1 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書2(規定) 工業用無水酢酸及び1−ブタノールの臭素価の求め方
Acetic anhydride and butan-1-ol for industrial use−Determination of bromine number
序文 この附属書は,1977年に第1版として発行されたISO 761, Acetic anhydride and butan-1-ol for industrial
use−Determination of bromine numberを翻訳したものである。
1. 適用範囲 この附属書は,工業用無水酢酸及び1−ブタノールの臭素価測定方法について規定する。
2. 定義 臭素価は,次に示す試験条件で反応させ,そのとき消費した臭素の量を求め,相当する臭素の
量 (g/100g) で表したもの。
3. 原理 酸性溶液中で試料に過剰の臭化カリウム−臭素酸カリウム溶液を加え反応させた後,よう化カ
リウム溶液を加えて,遊離したよう素をチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定する。
4. 試薬 分析には精密分析用試薬,蒸留水又はこれと同等以上の純度の水(JIS K 0557に規定するA3
の水)を用いる。
4.1
クロロホルム JIS K 8322に規定するもの。
4.2
氷酢酸 JIS K 8355に規定するもの。
4.3
塩酸 密度約1.18g/ml,約36%のもの(JIS K 8180に規定するもの)。
4.4
よう化カリウム溶液 (150g/l) JIS K 8913に規定するよう化カリウムを用いて調製する。
4.5
0.1mol/lチオ硫酸ナトリウム溶液 JIS K 8001の4.5(2.1.2)による。
4.6
臭化カリウム−臭素酸カリウム溶液 (0.1mol/l)
a) 調製 JIS K 8506に規定する臭化カリウム10.2gとJIS K 8530に規定する臭素酸カリウム2.8gをはか
りとり,水に溶かして1lとする。
b) 標定 a)で調製した液を25mlを正確にはかりとり,よう化カリウム溶液 (150g/l) 5ml,塩酸1mlを加
え,0.1mol/lチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定する。
なお,終点近くで指示薬としてでんぷん溶液1mlを加えて滴定する。0.1mol/lチオ硫酸ナトリウム
溶液1mlは臭素0.007 99gに相当する。
4.7
でんぷん溶液 (5g/l) JIS K 8659に規定するでんぷん(溶性)0.5gを水約5mlに混ぜ,熱水100ml
中にかき混ぜながら加え,約1分間煮沸した後,放冷する。この溶液は,使用時に調製する。
5. 器具 一般的な実験器具のほか,次のとおりである。
5.1
よう素フラスコ 容量500mlの共栓付きのものを3個用意する。
6. 操作
6.1
空試験 6.2の操作を試料を入れないで行う。
6.2
定量
16
K 1504-1 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
6.2.1
試料3〜5gを1mgのけたまではかりとり,クロロホルム25mlの入った全量フラスコ50mlに入れ,
クロロホルムを標線まで加える。
6.2.2
直ちにこの溶液10mlを全量ピペットで氷酢酸50mlを入れたよう素フラスコに入れた後,塩酸1ml
を加える。フラスコを振り混ぜながら毎秒1〜2滴の速度で臭化カリウム−臭素酸カリウム溶液 (0.1mol/l)
を滴下し,5秒間以上黄色が消えなくなるまで滴定する。
この溶液の黄色は,氷酢酸50ml,クロロホルム10ml,塩酸1mlに臭化カリウム−臭素酸カリウム溶液
(0.1mol/l) 2.5mlを加えたときと同じ色になるようにする。
なお,これらの操作は,フラスコ及び内容物が直射日光を遮り,20±5℃で行う。
6.2.3
さらに,ビュレットで一度に臭化カリウム−臭素酸カリウム溶液 (0.1mol/l) 50mlを加え,フラスコ
の栓をし,直ちに40±5秒間振り混ぜる。
次に,よう化カリウム溶液 (150g/l) 5mlをフラスコに,わずかに栓を持ち上げて加える。このように行
うことによって,臭素の蒸気の損失が完全に防止できる。栓を元に戻し,激しく振り混ぜ,水100mlを加
え,1分間激しく振り混ぜ,直ちにもう1本のビュレットを用いて0.1mol/lチオ硫酸ナトリウム溶液で滴
定する。でんぷん溶液 (5g/l) 1mlは終点近くで加える。
この逆滴定は,0.1mol/lチオ硫酸ナトリウム溶液の滴定量が5〜10mlの範囲になるようにする。この範
囲を大きく外れた場合は,適切な試料量で再度やり直す。
7. 結果の表示 臭素価 (gBr2/100g) は,次の式によって算出する。
(
)
[
](
)
[
]
m
.
V
V
T
V
V
10
0
40
4
3
2
1
×
−
−
×
−
×
ここに, V1: 試料に要した臭化カりウム−臭素酸カリウム溶液 (0.1mol/l)
の量 (ml)
V2: 空試験に要した臭化カリウム−臭素酸カリウム溶液
(0.1mol/l) の量 (ml)
V3: 試料に要した0.1mol/lチオ硫酸ナトリウムの量 (ml)
V4: 空試験に要した0.1mol/lチオ硫酸ナトリウムの量 (ml)
T: 臭化カリウム−臭素酸カリウム溶液 (0.1mol/l) の正確なモ
ル濃度
m: 試料量 (g)
結果は,小数点以下1けたに丸める。
8. 結果の表示 試験結果には,次の事項を記載する。
a) 試験に用いた規格(規格番号など)
b) 試験方法の名称及び結果
c) 試験中に気づいた特記事項
d) この規格中の規定以外の操作及び事項
17
K 1504-1 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書3(規定) 工業用高級アルコールのカルボニル
化合物含有量の求め方
Higher alcohols for industrial use−Methods of test−Determination of carbonyl compounds content−
Potentiometric method
序文 この附属書は,1977年に第1版として発行されたISO 1843-3, Higher alcohols for industrial use−
Methods of test−Part 3 : Determination of carbonyl compounds content−Potentiometric methodを翻訳したもの
である。
1. 適用範囲 この附属書は,C6〜C13の工業用アルコールのカルボニル化合物含有量を電位差滴定法によ
って測定することについて規定する。
2. 原理 塩酸ヒドロキシルアンモニウムによってオキシム化し,遊離した塩酸を水酸化カリウム・エタ
ノール溶液で電位差滴定し,カルボニル含有量を求める。
3. 試薬 分析には精密分析用試薬及び蒸留水又はこれと同等以上の純度の水(JIS K 0557に規定するA3
の水)を使用する。
3.1
エタノール(無水)
3.2
塩化ヒドロキシルアンモニウム・エタノール溶液 (10g/l) JIS K 8201に規定する塩化ヒドロキシル
アンモニウム50gを水90mlに溶かし,JIS K 8102に規定するエタノール (95) で1 000mlとし,次に,こ
の溶液100mlを同じエタノール (95) で500mlとしたもの。
3.3
0.1mol/l水酸化カリウム・エタノール溶液 JIS K 0070の4.1(2)(b)に準じて調製する。
3.4
0.01mol/l水酸化カリウム・エタノール溶液 3.3の0.1mol/l水酸化カリウム・エタノール溶液を正し
く10倍に薄める。
4. 装置及び器具 装置及び器具は,次のとおりとする。
4.1
三角フラスコ 容量250mlの共栓付きのもの。
4.2
還流冷却器 三角フラスコのすり合わせの合うもの。
4.3
pH計 ガラス電極,カロメル比較電極をもったもの。
5. 操作 操作は,次のとおりとする。
5.1
試料 試料25〜30gを1mgのけたまではかりとり,三角フラスコに入れ,塩化ヒドロキシルアンモ
ニウム・エタノール溶液10mlを加える。
5.2
空試験 5.3の測定と同様な操作を試料を加えないで行う。
5.3
測定 5.1の試料にエタノール10mlを加える。この三角フラスコに還流冷却器を取り付け,沸騰水
浴上で30分間還流する。還流冷却器を付けたまま沸騰水浴から三角フラスコを取り出し,室温まで放冷す
る。放冷後,還流冷却器の内側をエタノール10mlで洗い流し,三角フラスコ内の試料及び洗液をビーカ
ーに移す。さらに,エタノール125mlで三角フラスコ内を洗い,洗液を先のビーカーに移す。
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K 1504-1 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
これを0.1mol/l又は0.01mol/l水酸化カリウム・エタノール溶液で滴定する。滴定にはpH計を用い,滴
定量と電位差の関係から終点(pH=約3)を求める。
6. 結果の表示 カルボニル化合物(COmg当量/g)は,次の式によって算出する。
0.1mol/l水酸化カリウム・エタノール溶液を用いた場合
m
V
V
C
×
−
=10
0
1
ここに,
C: カルボニル化合物(COmg当量/g)
V0: 空試験に使用した0.1mol/l水酸化カリウム・エタノール溶液
の量 (ml)
V1: 試料に使用した0.1mol/l水酸化カリウム・エタノール溶液の
量 (ml)
0.01mol/l水酸化カリウム・エタノール溶液を用いた場合
m
V
V
C
×
−
=100
0
1
ここに,
C: カルボニル化合物(COmg当量/g)
V0: 空試験に使用した0.01mol/l水酸化カリウム・エタノール溶液
の量 (ml)
V1: 試料に使用した0.01mol/l水酸化カリウム・エタノール溶液の
量 (ml)
工業用ブタノール原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
荒 木 峻
東京都立大学名誉教授
西 出 徹 雄
通商産業省基礎産業局
大 嶋 清 治
通商産業省工業技術院標準部
橋 本 繁 晴
財団法人日本規格協会
神 代 啓
社団法人日本化学工業協会
内 田 幹 雄
社団法人日本塗料工業会
大久保 芳 苗
可塑剤工業会
芝 野 毅
三菱化学株式会社
児 島 健 志
チッソ株式会社
三 浦 恒 司
協和油化株式会社
森久保 敬 一
東燃化学株式会社
大 槻 謙 治
ブタノール工業会
(事務局)
三 須 武
社団法人日本化学工業協会
解説文責者 芝野 毅